JP2003010165A - 乳房x線デジタル画像撮影システム - Google Patents

乳房x線デジタル画像撮影システム

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JP2003010165A
JP2003010165A JP2001197756A JP2001197756A JP2003010165A JP 2003010165 A JP2003010165 A JP 2003010165A JP 2001197756 A JP2001197756 A JP 2001197756A JP 2001197756 A JP2001197756 A JP 2001197756A JP 2003010165 A JP2003010165 A JP 2003010165A
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ray
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JP2001197756A
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Bon Honda
凡 本田
Hiroshi Ohara
弘 大原
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高画質として評価を受けているスクリーン・フ
ィルムシステム画像と同等もしくはさらに優れた乳房X
線デジタル画像を得る。 【解決手段】デジタル拡大撮影をした乳房X線画像を、
画像コントラストが4以上8以下で出力する。また、デ
ジタル拡大撮影をした乳房X線画像を、被写体の大きさ
に縮小して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線乳房画像の
デジタル拡大撮影を行い、その画像を高いコントラスト
で出力することにより、病変検出性の高い乳房X線画像
を提供する乳房X線デジタル画像撮影システムに関す
る。さらにデジタル拡大撮影画像の信号処理を行い、出
力される被写体画像の大きさを原寸に縮小して戻して出
力を行うことによって、高い診断性が提供できる高画質
乳房X線デジタル画像撮影システムに関する。
【0002】
【従来の技術】乳房X線画像の高画質化は、診断精度向
上のための永遠の課題である。従来のスクリーン・フィ
ルムシステム乳房X線画像の画質は非常に優れている。
昨今、乳房X線画像撮影システムのデジタル化が進みつ
つあるが、未だ従来の銀塩写真スクリーン・フィルムシ
ステムの画質には及ばない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】デジタルX線画像シス
テムでは、画像の標本化が行われる。例えば15m×2
0cmの大きさの画像を0.1mm平方の画像で細分化
する。この細分化された画像は画素と呼ばれる。そし
て、画素毎にX線情報が離散的な量の画像信号に置き換
えられる。そして、画像出力時に、この画素が集まって
画像が形成される。X線乳房画像における病変、例えば
微小石灰化の大きさは、0.5mmから0.1mm程度
である。このような微細構造を0.1mm平方の画素で
入力すると、滑らかな形状を維持することはできない。
すなわち、X線画像をデジタル化するとき、特に乳房X
線画像においては、微小病変の描出性が従来の銀塩写真
フィルムを用いるスクリーン・フィルムを用いた場合に
較べて画質が劣る。
【0004】この発明は、この課題を解決して、高画質
として評価を受けているスクリーン・フィルムシステム
画像と同等もしくはさらに優れた乳房X線デジタル画像
が得られる乳房X線デジタル画像撮影システムを提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、この発明は、以下のように構成
した。
【0006】請求項1に記載の発明は、『デジタル拡大
撮影をした乳房X線画像を、画像コントラストが4以上
8以下で出力することを特徴とする乳房X線デジタル画
像撮影システム。』である。
【0007】この請求項1に記載の発明によれば、デジ
タル拡大撮影をした乳房X線画像を、画像コントラスト
が4以上8以下で出力することで、プリント画像を鮮明
にすることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、『デジタル拡大
撮影をした乳房X線画像を、被写体の大きさに縮小して
出力することを特徴とする請求項1に記載の乳房X線デ
ジタル画像撮影システム。』である。
【0009】この請求項2に記載の発明によれば、デジ
タル拡大撮影をした乳房X線画像を、被写体の大きさに
縮小して出力することで、粒状性を良化させ、かつ、プ
リント画像を鮮明にすることができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、『デジタル拡大
撮影の拡大率が1.2倍以上5.0倍以下であることを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の乳房X線デ
ジタル画像撮影システム。』である。
【0011】この請求項3に記載の発明によれば、デジ
タル拡大撮影の拡大率が1.2倍以上5.0倍以下が、
乳房X線画像の拡大撮影として好ましい。
【0012】請求項4に記載の発明は、『デジタル拡大
撮影する際のX線管から被写体までの距離が0.55m
以上1.00m以下であることを特徴とする請求項1乃
至請求項3のいずれか1項に記載の乳房X線デジタル画
像撮影システム。』である。
【0013】この請求項4に記載の発明によれば、デジ
タル拡大撮影する際のX線管から被写体までの距離が
0.55m以上1.00m以下であり、透過画像の境界
でエッジ強調が生じ、鮮鋭性を飛躍的に改善することが
できる。
【0014】請求項5に記載の発明は、『前記X線管の
焦点サイズが0.03mm以上0.30mm以下であ
り、X線画像検出器の画素サイズが0.01mm以上
0.30mm以下であり、被写体から前記X線画像検出
器までの距離が0.15m以上であることを特徴とする
請求項4に記載の乳房X線デジタル画像撮影システ
ム。』である。
【0015】この請求項5に記載の発明によれば、X線
管の焦点サイズ、X線画像検出器の画素サイズ及び被写
体から前記X線画像検出器までの距離を所定の撮影条件
として拡大撮影を行って、この拡大画像を被写体の大き
さに縮小して出力することで、ノイズが小さく、しかも
鮮鋭性の良いX線画像を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の乳房X線デジタ
ル画像撮影システムの実施の形態を図面に基づいて説明
するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。
【0017】X線画像検出器の画素サイズを小さくする
には様々な制限があるが、図1で示すように、X線管1
によりデジタル拡大撮影をすることにより、被写体2に
対して画素サイズを小さくすることが可能である。例え
ば、図1(a)に示すように、X線画像検出器3を拡大
撮影位置に置き、2倍拡大撮影を行うと、被写体2が2
倍の大きさでX線画像検出器3に撮し込まれるので、X
線画像検出器3を密着撮影位置に置き密着画像を得る場
合と同様の等倍撮影の場合と同じ大きさの画素サイズで
読み取っても、1/2の大きさの画素で読み取っている
ことと同等の解像度を得ることができる。
【0018】また、一般に拡大撮影を行うと、図2で示
すように、いわゆる幾何学的不鋭とよばれる画像のボケ
が生じてしまい、解像度が上がっても鮮明に画像を観察
することができない。そこで、コントラストを高くする
ことにより、画像を鮮明にすることが考えられる。従来
は3以上で4よりも低い画像コントラストで画像をプリ
ントしていたが、この発明では拡大撮影した画像をそれ
よりも高いコントラストである4以上で出力することを
特徴とする。この発明で言う出力は、画像をフィルムな
どの媒体にプリント出力することである。
【0019】拡大した画像はそのまま拡大画像としてプ
リント出力することができるが、デジタル画像ゆえに元
の被写体の大きさに縮小してプリント出力することが可
能である。診断画像の場合は被写体そして病変そのもの
の大きさを知ることは重要なことである。従って、拡大
した画像を被写体と同じ大きさでプリント出力すること
が要求される。拡大した画像を縮小すると、単位面積当
りの到達X線量が実質的に面積縮小分だけ増加するため
に、粒状性が良化する。例えば、2倍拡大撮影したもの
を元の大きさに戻してプリント出力することで、あたか
も4倍のX線量で撮影したような粒状性が得られる。一
方、被写体の位置を変えず、しかも被写体の被曝線量を
変えずに拡大撮影を行うと(図1)、X線画像検出器3
への入射X線量が少なくなるために粒状性が悪くなる。
例えば、2倍拡大撮影の場合、X線画像検出器3への入
射X線量はおおよそ1/4に低減してしまう。上記よ
り、拡大撮影することによる粒状性の悪化と、画像を縮
小して被写体と同じ大きさでプリント出力することによ
る粒状性の良化により、粒状性は拡大しないで撮影した
場合と同程度になる。
【0020】X線画像撮影においては、図3に示すよう
に、被写体2に入射するX線が被写体2内で2次X線を
発生し、いわゆる散乱X線が生じる(図3(a))。密
着撮影では、この散乱X線は画像をぼけさせる大きな要
因となるために、通常X線グリッド4を被写体2とX線
画像検出器3の間に置き、直進X線のみを通して直進X
線に対して進行方向が変わる散乱X線を除去している
(図3(b))。しかし、このX線グリッド4を使用す
ると画像を形成するための直進X線までも半分くらい吸
収してしまう不具合がある。結果として、X線画像検出
器3へ入射するX線量が低下し、粒状性の悪化を招いて
しまう。
【0021】一方、拡大撮影を行うとき、図1で示すよ
うに、被写体2とX線画像検出器3のX線像検出面との
間の距離をとる必要がある。このとき、被写体2とX線
画像検出器3の間に距離が置かれるために、被写体2内
で発生する散乱X線がX線画像検出器3に到達せず、こ
の散乱X線による画像のボケはX線グリッド4を用いな
くても解決することができる。X線グリッド4を用いな
いとき、直進して画像を形成するX線はほとんど減少し
ない。よって、X線グリッド4を使用する場合と比較し
て、X線画像検出器3に到達する直進X線の損失が少な
く、画像の粒状性が良化する。
【0022】上記より、X線グリッド4を用いた等倍撮
影より、X線グリッド4を用いず拡大撮影を行い元の大
きさに縮小出力した方が粒状性が良くなることがわか
る。
【0023】乳房画像は識別能をあげるために画像コン
トラストを高くしたいという要望があるが、一方でコン
トラストを高くすると粒状性が悪化することが広く知ら
れており、最近の乳房X線デジタル画像では3.5程度
の画像コントラストが用いられている。しかし、この発
明で得られた画像は粒状性が極めて良いため、画像コン
トラストを4以上に上げても、従来の画像よりも粒状性
の良い画像を得ることができる(図4)。
【0024】また、X線画像検出器3は、そのX線強度
の寛容度が広く、取り込まれた画像データは自由に制御
できるために、X線画像検出器3で受けるX線強度が変
化しても、出力時に画像の濃度を適切に制御することが
できる。X線デジタル画像撮影システムでは、X線量の
変化は粒状性に影響するが、画像濃度を一定に保つこと
ができることが、大きな特徴である。
【0025】X線は電磁波であるので、物質を通過する
と、わずかであるが屈折を生じる。X線の物体に対する
屈折率は1より小さいために、光とは逆方向に屈折する
(図5)。この屈折によって、透過画像の境界でエッジ
強調が生じる。これは位相コントラストもしくは屈折コ
ントラストと呼ばれる。この現象によって、鮮鋭性を飛
躍的に改善することができる。
【0026】この現象は医療現場で用いられているX線
管で撮影を行うとき、X線管と物体の距離を十分に置い
たときに生じる現象である。また、このとき物体とX線
画像検出器との距離も一定以上あける必要がある。すな
わち、この現象を利用するにはX線管1と被写体2の距
離を0.55m以上にする必要がある。また、被写体2
とX線画像検出器3との距離を0.15m以上にする必
要がある。この位相コントラストの現象を利用すること
により、さらに鮮明な画像を得ることができる。
【0027】位相コントラスト画像は、X線管1の焦点
サイズが大きいと得られない。一方、焦点サイズが小さ
いと十分なX線強度が得られないので、一定以上の大き
さが必要である。すなわち、X線管1の焦点サイズaが
0.03mm以上0.30mm以下であることが必要が
ある。そして、鮮鋭性の良いX線画像がX線画像検出器
3に投影されても、画素サイズが充分に小さくないと、
鮮鋭性の良い画像が得られない。しかし、画素サイズが
0.01mmより小さいと画像信号が弱くなりすぎ、ノ
イズが大きくなるという問題点がある。すなわち、X線
画像検出器3の画素サイズpが0.01mm以上0.3
0mm以下であることが必要である。
【0028】この発明でいう拡大撮影は、密着撮影を行
った後に図7で示す「画像処理」以降のプロセスで画像
を拡大することを意味するものではない。X線管1―被
写体2―X線画像検出器3のそれぞれの距離関係を調節
することによって拡大する拡大撮影である。また、デジ
タル拡大撮影とは、前記拡大撮影を行う際に、直接デジ
タル画像(情報)が得られるX線画像検出器を用いる撮
影を意味する。
【0029】従って、ここでいう拡大率とは で計算することができる。R1とはX線管球の焦点位置
(一般に管球に示されている)から被写体2のX線検出
側面までの距離をいう。またR2は被写体2のX線検出
面からX線画像検出器3の画像検出部の表面までの距離
を言う。R1、R2は図2に示す。
【0030】ここで、図3(b)に示すように、X線グ
リッド4を使用する場合、R2は0にはできずX線グリ
ッド4の厚みである0.02m程度になり、上記の式よ
り拡大率が1.03倍になる。しかし、この発明では
1.05乃至1.10倍程度の拡大撮影は、拡大撮影と
はしない。
【0031】この発明では画像の拡大率は1.2倍以上
5.0倍以下が好ましい範囲であるが、乳房X線撮影装
置やX線画像検出器3の大きさの制限をうけて、1.2
倍以上3.0倍以下、さらに1.2倍以上2.5倍以下
の拡大率が現実的であり好ましい。
【0032】拡大撮影された画像は画像処理部51によ
って、あるいは画像プリント装置54でコントラストを
上げることができる。X線画像検出器3で撮影された画
像信号は、図6で示すように、その第1象限から第2象
限、第3象限と順次変換されて第4象限の画象コントラ
ストに到達する。第4象限部分を図7に示す。この発明
の画像コントラストは、出力画像フィルムのカブリ濃度
に1.00を加えた特性曲線の接線と、X軸となす確度
をθとすると、tanθの値を画像コントラストと定義
する。写真業界や放射線医学界で通常行われるように、
ウエッジ撮影によるものや、距離法、あるは簡易的なブ
ーツトラップ法でX線の特性曲線を得ることができ、こ
の特性曲線から画像コントラストが求められる。
【0033】この発明におけるプリント画像の画像コン
トラストは4以上そして8以下が好ましく、さらに好ま
しくは5以上6以下である。画像コントラストが8以上
であると低濃度部や高濃度部の画像の描写性が劣化す
る。撮影画像、そして画像診断の目的によってコントラ
ストはきめられるべきものである。
【0034】
【好ましい実施態様】この発明の乳房X線デジタル画像
撮影システムに適する乳房画像撮影装置は図8に示す。
X線源のX線管1はモリブデンあるいはロジウムからな
る回転陽極X線管が好ましい態様である。X線管1の焦
点サイズは0.03mm以上で0.30mm以下が好ま
しい実施態様である。ここで焦点サイズは一般にX線製
造メーカーがその仕様として提示されるものであり、そ
してJIS Z4702に定められるようにピンホール
カメラあるいはテストチャートを用いて測定することが
できる。医用領域では、被写体の厚さや被写体の組成の
X線吸収量などを勘案し、目的によって焦点サイズを決
定する。焦点サイズが0.03mmより小さいとX線量
が制限されて、十分に短い時間でのX線撮影が困難とな
る。また0.30mmより大きいときは画像のボケが大
きく拡大画像としては不適切である。被写体の状態、あ
るいは診断目的によって焦点サイズは変化される。0.
04mm以上0.20mm以下がさらに好ましい実施態
様である。
【0035】この発明で用いられる乳房X線撮影装置は
X線を十分に透過せしめる被写体台20を備えており、
また被写体である乳房を固定圧迫する圧迫板21を備え
ていることが好ましい。X線管1と被写体台20との距
離は、0.40mから1.00mの距離を任意に設定で
きる。例えば1cm刻み、あるいは5cm刻みで、段階
的に距離を設定することも好ましい態様である。この距
離は図2のR1に対応し、X線管1の焦点位置から被写
体台20の上表面までの距離である。被写体台20から
X線画像検出器3までの距離は、図2のR2に対応し、
被写体台20の上表面からX線画像検出器3の表面まで
の距離である。この距離は構造的に被写体台の厚さを最
低として、1.00m程度の距離が任意に設定できるこ
とが好ましい実施態様である。この距離も例えば1cm
刻み、あるいは5cm刻みで、段階的に距離を設定する
ことが好ましい態様である。被写体台20とX線画像検
出器3の検出器表面との距離が0.15m以下となると
きには、散乱X線のX線画像検出器3への入射を軽減せ
しめるX線グリッドを用いることが好ましい。この発明
の効果を得るには、この距離は0.15m以上であっ
て、0.30m以上がさらに好ましい実施態様である。
このとき、X線グリッドを用いないことが好ましい実施
態様である。
【0036】この発明に用いるX線乳房画像撮影装置に
は、図8に示すように、患者の顔や髪、そして足や被服
が撮影の邪魔にならないように防御板30,31を設置
することが好ましい態様である。また、回転軸32を中
心に撮影装置を回転することができ、任意の角度で被写
体へのX線斜め入射画像を撮影することができる。ま
た、患者が自らを動かないようにするための、握り棒3
3などを備えることは、好ましい実施態様である。
【0037】この発明において使用されるX線画像検出
器3は、いわゆるコンピューテッド・ラジオグラフィで
用いられる輝尽性蛍光体プレート、X線シンチレータか
らの光を電気信号に置きかえる光半導体とその電荷を読
み取る薄膜トランジスタを2次元平面に敷き詰めたX線
画像検出器、X線を直接に電荷に替えて、その電荷を読
み取る薄膜トランジスタを2次元平面に敷き詰めたX線
画像検出器、X線シンチレータからの光をレンズまたは
ガラスファイバーで集めてCCDもしくはCMOSで電
気信号として画像情報を得るもの、またX線を直接CC
Dに照射してX線画像情報を得るものなどを使用するこ
とができる。
【0038】X線画像検出器3が輝尽性蛍光体プレート
の場合、この発明でいう画素サイズは、X線照射後に輝
尽発光を読み取るときのサンプリングピッチである。そ
の他の上記X線画像検出器では光半導体での最小読取サ
イズ、電荷を読み取る薄膜トランジスタの最小単位、C
CDの集光最小面積などで、通常製造者により画素サイ
ズとしての仕様に上げられる。
【0039】このX線画像検出器3における画素サイズ
については、小さければ小さいほど緻密な画像情報が得
られるが、処理時間がかかり、また製造コストの増大を
招いてしまう。したがって、この発明で用いるX線画像
検出器3の画素サイズpは0.01mm以上0.30m
m以下であることが好ましく、さらに0.03mm以上
0.20mm以下であることがより好ましい態様であ
る。
【0040】図9はこの発明の乳房X線デジタル画像撮
影システムを示す。乳房X線撮影装置50で撮影後に画
像信号が読み出され、画像処理部51で適切な画像処理
が行われる。すなわち、周波数強調処理、ダイナミック
レンジ圧縮処理、拡大・縮小処理などである。さらにこ
こで画像コントラストを変化せしめ、出力画像濃度も任
意に変化決定することができる。これらの制御は任意に
手動でも、また決まったアルゴリズムで自動的にも行う
ことができる。処理後の画像データは、画像表示装置5
2すなわち液晶やCRT上で画像を表示して、画像の縮
小拡大率やコントラストそして濃度などを手動で、また
決まったアルゴリズムで自動的に制御することもでき、
さらにこの画像で診断を行うことができる。また、CA
D(Computer−Aided Diagnosi
s)53を使用できる。さらに、得られた乳房X線画像
は透過型画像として画像プリント装置54で、プリント
出力することができ、ここで画像の拡大縮小、さらに画
像のコントラストや濃度をこの発明に係る適切な画像と
して出力することができる。プリントは、銀塩フィルム
や昇華型やインクジェットプリンターなどでプラスチッ
ク支持体上にハードコピー画像として描かれて、それを
シャウカステン上で観察される。
【0041】得られた画像信号は、記憶装置55に一時
的もしくは永久保存を目的として画像保存することがで
きる。このとき、記憶装置55として、光磁気ディスク
やDVDなどを用いることができる。また、インターネ
ット56等、回線を用いて画像信号を離れた場所に送信
して、その場所で画像表示されて画像診断が行われるこ
とは好ましい態様である。
【0042】この発明については、高コントラストの画
像をプリントすることについて述べているが、CRTや
液晶画面などでの表示についても同様の効果がある。す
なわち、拡大撮影をした乳房X線画像を画像コントラス
トが4以上8以下で表示する、拡大撮影をした乳房X線
画像を被写体の大きさにもどして画像コントラストが4
以上8以下で表示する、乳房X線デジタル画像撮影の拡
大率が1.2倍以上5.0倍以下である乳房X線画像を
上記条件で表示する、位相コントラスト乳房X線デジタ
ル画像を上記条件で表示する、などについても画像をプ
リントする場合と同様に高い画質を得ることができる。
【0043】乳房X線画像の画質テストのために、Am
erican College of Radiolo
gy(ACR)が定めた、RMI社製の156型ファン
トムが広く使用されている。図10に埋め込んである疑
似病変のスケッチを示す。番号の1〜6はファイバーと
呼ばれ、乳腺を模したものといわれている。番号7から
11は微小石灰化病変を模したものであり、12から1
6番は腫瘍を模したものといわれている。この16個の
うち10個以上見えればACR基準に合っているといわ
れている。
【0044】このファントム画像の模擬病変の回りの画
像濃度は、一般に1.4以上が好ましいといわれてお
り、さらに最近では1.6近い濃度に仕上げることが推
奨されている。また、このファントム画像の周辺の、画
像の無い部分は濃度3.6以上、好ましくは3.8以上
が求められている。
【0045】
【実施例1】(画像番号1〜10)乳房X線撮影装置は
東芝製MGU−100Bを改造して、R1(X線管−被
写体間距離)およびR2(被写体−ディテクタ間距離)
が任意に設定できるようにしたものを用いた。X線管の
陽極材質はモリブデンで、焦点サイズは0.1mmで、
0.03mmモリブデンフィルタを用いた。
【0046】管電圧は28kV設定とし、照射線量はR
1=0.6mの場合55mAsとし、その他はファント
ムの被曝線量が同じになるように照射線量を調整した。
R2=0.02mのときにはX線グリッドを使用し、そ
れ以外ではX線グリッドは使用しなかった。使用したX
線グリッドは、格子密度31本/cmでグリッド比5:
1のものである。ファントムには、RMI社156型マ
ンモファントムを用いた。X線画像検出器には、輝尽性
蛍光体プレートであるコニカ製REGIUSプレートR
P−1Mを用いた。撮影は表1に示す所定の距離R1、
R2を設定して行った。それぞれの撮影後に輝尽性蛍光
体プレートをコニカ製REGIUS150を用いて画像
情報を読み取った。
【0047】このときのサンプリングピッチは0.08
75mm、階調数は12bitであった。読み取った画
像データは予め設定されている階調変換カーブにより処
理を行い、画像コントラストを表1に示す値に、またフ
ァントムの中心付近の光学濃度を1.55±0.05に
出力されるように階調処理を施した。このとき、階調処
理以外の周波数強調処理やダイナミックレンジ圧縮処理
などの画像処理は行っていない。処理後の画像データを
コニカ製レーザイメージャLi−62Pで被写体と等倍
になるように縮小して、コニカ製画像記録用フィルムL
P670Tにプリントを行った。現像温度は36℃で6
0秒処理で行った。縮小出力は、具体的には、入力画素
サイズ(サンプリングピッチ)を拡大率で除算したもの
を、出力画像の画素サイズとしてプリントした。例え
ば、2倍拡大撮影の場合は、0.0875/2=0.0
4375mmを、プリントする出力画像の画素サイズと
した。
【0048】また、補間処理としてはリニア補間を用い
た。出力したフィルムのファントム画像の周辺の画像が
ない部分(素抜け部)の光学濃度は3.83±0.03
であった。現像処理後に8000lxのシャウカステン
上でファントム画像を観察した。画像の評価はマンモフ
ァントム中に埋めこんである疑似形態である合計16個
の疑似病変のうち何個が見えるかというスコアで評価し
た。評価結果は表1に示した。
【0049】
【実施例2】(画像番号11)2倍拡大画像のままプリ
ントし、その他は
【実施例1】と同様に評価を行った。
【0050】
【実施例3】(画像番号12)焦点サイズを300μm
に変更し、その他は
【実施例1】と同様に画像をプリントし、評価を行っ
た。
【0051】
【実施例4】(画像番号13)X線管球に東芝製回転陽
極X線管ロータノードDRX−B1146−Moを用
い、焦点サイズを0.6mmに設定し、その他は
【実施例1】と同様に画像をプリントし、評価を行っ
た。
【0052】
【実施例5】(画像番号14)画像番号5で得られた画
素サイズ0.0875mmの画像データを、2×2画素
ごとに平均信号値を求め、画素サイズ0.1750mm
の画像データに変換した。その他は
【実施例1】と同様に画像をプリントし、評価を行っ
た。
【0053】
【実施例6】(画像番号15)画像番号5で得られた画
素サイズ0.0875mmの画像データを、3×3画素
ごとに平均信号値を求め、画素サイズ0.2625mm
の画像データに変換した。その他は
【実施例1】と同様に画像をプリントし、評価を行っ
た。
【0054】
【実施例7】(画像番号16)画像番号5で得られた画
素サイズ0.0875mmの画像データを、4×4画素
ごとに平均信号値を求め、画素サイズ0.3500mm
の画像データに変換した。その他は
【実施例1】と同様に画像をプリントし、評価を行っ
た。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】前記したように、請求項1に記載の発明
では、デジタル拡大撮影をした乳房X線画像を、画像コ
ントラストが4以上8以下で出力することで、プリント
画像を鮮明にすることができる。
【0057】請求項2に記載の発明では、デジタル拡大
撮影をした乳房X線画像を、被写体の大きさに縮小して
出力することで、粒状性を良化させ、かつ、プリント画
像を鮮明にさせることができる。
【0058】請求項3に記載の発明では、デジタル拡大
撮影の拡大率が1.2倍以上5.0倍以下が、乳房X線
画像の拡大撮影として好ましい。
【0059】請求項4に記載の発明では、デジタル拡大
撮影するX線管から被写体までの距離が0.55m以上
1.00m以下であり、透過画像の境界でエッジ強調が
生じ、鮮鋭性を飛躍的に改善することができる。
【0060】請求項5に記載の発明では、X線管の焦点
サイズ、X線画像検出器の画素サイズ及び被写体から前
記X線画像検出器までの距離を所定の撮影条件として拡
大撮影を行って、この拡大画像を被写体の大きさに縮小
して出力することで、ノイズが小さく、しかも鮮鋭性の
良いX線画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル拡大撮影を説明する図である。
【図2】デジタル拡大撮影のボケを説明する図である。
【図3】X線画像撮影の散乱X線の処理を説明する図で
ある。
【図4】グリッド密着撮影、ノングリッド拡大撮影及び
ノングリッド拡大撮影後に画像縮小等倍画像の粒状性と
コントラストの特性を示す図である。
【図5】X線の物体による屈折を示す図である。
【図6】第1象限から第2象限、第3象限と順次変換さ
れて第4象限の画象コントラストに到達することを説明
する図である。
【図7】第4象限の画象コントラストを示す図である。
【図8】X線乳房画像撮影装置を説明する図である。
【図9】乳房X線デジタル画像撮影システムを示す図で
ある。
【図10】乳房X線画像の画質テストのための疑似病変
のスケッチを示す図である。
【符号の説明】
1 X線管 2 被写体 3 X線画像検出器 50 乳房X線撮影装置 51 画像処理部 52 画像表示装置 54 画像プリント装置 55 記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA14 AA16 AA26 CA01 CA04 CA18 DA06 EB05 EB12 EB13 EB24 ED30 EE04 EE08 FD01 FD07 FF08 FF13 FH04 FH06 GA02 5B057 AA08 BA03 CA02 CA08 CA12 CA16 CB02 CB08 CB12 CB16 CC01 CD05 5C024 AX12 AX17 CY45 CY50 DX02 DX04 5C054 AA01 CA02 CH02 EA01 EA05 ED12 EE09 EH07 EJ04 EJ07 GB11 HA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デジタル拡大撮影をした乳房X線画像を、
    画像コントラストが4以上8以下で出力することを特徴
    とする乳房X線デジタル画像撮影システム。
  2. 【請求項2】デジタル拡大撮影をした乳房X線画像を、
    被写体の大きさに縮小して出力することを特徴とする請
    求項1に記載の乳房X線デジタル画像撮影システム。
  3. 【請求項3】デジタル拡大撮影の拡大率が1.2倍以上
    5.0倍以下であることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の乳房X線デジタル画像撮影システム。
  4. 【請求項4】デジタル拡大撮影する際のX線管から被写
    体までの距離が0.55m以上1.00m以下であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    記載の乳房X線デジタル画像撮影システム。
  5. 【請求項5】前記X線管の焦点サイズが0.03mm以
    上0.30mm以下であり、X線画像検出器の画素サイ
    ズが0.01mm以上0.30mm以下であり、被写体
    から前記X線画像検出器までの距離が0.15m以上で
    あることを特徴とする請求項4に記載の乳房X線デジタ
    ル画像撮影システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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