JP2019056161A - In合金スパッタリングターゲット及びIn合金スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含むIn合金からなる薄膜を、安定して成膜することが可能なIn合金スパッタリングターゲット、及び、このIn合金スパッタリングターゲットを安定して製造可能なIn合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供する。【解決手段】Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成の溶射体からなり、In単体相の割合が1%以下とされ、理論密度比が92%以上とされていることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、In合金の薄膜を成膜する際に用いられるIn合金スパッタリングターゲット、及び、このIn合金スパッタリングターゲットの製造方法に関する。
従来、化合物半導体からなる薄膜太陽電池として、Cu−In−Ga−Se系合金薄膜からなる光吸収層を備えたCIGS系太陽電池が広く提供されている。
ここで、Cu−In−Ga−Se系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、蒸着法により成膜する方法が知られている。蒸着法によって成膜された光吸収層を備えた太陽電池は、エネルギー交換効率が高いといった利点を有しているものの、成膜速度が遅く、生産効率が低いといった問題があった。
ここで、Cu−In−Ga−Se系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、蒸着法により成膜する方法が知られている。蒸着法によって成膜された光吸収層を備えた太陽電池は、エネルギー交換効率が高いといった利点を有しているものの、成膜速度が遅く、生産効率が低いといった問題があった。
そこで、Cu−In−Ga−Se系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む薄膜又はこれらの元素を含む薄膜の積層膜を形成し、この薄膜又は積層膜をSe雰囲気中で熱処理してセレン化する方法が提供されている。Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む薄膜又はこれらの元素を含む薄膜の積層膜を形成する際には、各元素を含有したスパッタリングターゲットを用いたスパッタ法が適用される。なお、スパッタ法に用いられるスパッタリングターゲットは、例えば特許文献1−3に記載されているように、様々な方法で製造されている。
例えば、特許文献1には、粉末原料に対して静水圧加圧することによって、Inを含有するIn系円筒型スパッタリングターゲットを製造することが記載されている。
また、特許文献2には、コールドスプレー法によって製造されたスパッタリングターゲットが提案されている。このスパッタリングターゲットにおいては、金属粒子が偏平した形状をなしている。
さらに、特許文献3には、プラズマ溶射法によってスパッタリングターゲットを製造する方法が提案されている。
また、特許文献2には、コールドスプレー法によって製造されたスパッタリングターゲットが提案されている。このスパッタリングターゲットにおいては、金属粒子が偏平した形状をなしている。
さらに、特許文献3には、プラズマ溶射法によってスパッタリングターゲットを製造する方法が提案されている。
ところで、特許文献1に記載されたように、静水圧加圧によってスパッタリングターゲットを製造した場合には、加熱を行わないため、高密度のスパッタリングターゲットを得ることが困難であった。具体的には、In系粉末を常温加圧した場合、存在する純Inの含有量が比較的低い(InCuでは例えば65原子%以下)と、合金粉末の含有量が増加して相対的に純Inの存在割合が低下するため、緻密化の駆動力が減少し、高い密度の圧粉体を得ることが困難であった。
また、特許文献2に記載されたように、コールドスプレー法を適用した場合においては、付着率が極端に低く、生産性に大きく欠けるとともに、高い密度のスパッタリングターゲットを得ることが困難であった。
さらに、特許文献3に記載されたように、プラズマ溶射法を適用した場合においては、原料粉に対して10000℃を超えるような高温が掛かるため、成形した合金粉が再溶解し、要素金属成分が析出してしまい、組成ずれや異常放電の原因となる。
さらに、特許文献3に記載されたように、プラズマ溶射法を適用した場合においては、原料粉に対して10000℃を超えるような高温が掛かるため、成形した合金粉が再溶解し、要素金属成分が析出してしまい、組成ずれや異常放電の原因となる。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含むIn合金からなる薄膜を、安定して成膜することが可能なIn合金スパッタリングターゲット、及び、このIn合金スパッタリングターゲットを効率良く、かつ、安定して製造することができるIn合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のIn合金スパッタリングターゲットは、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成の溶射体からなり、In単体相の割合が1%以下とされ、理論密度比が92%以上とされていることを特徴としている。
上述の構成のIn合金スパッタリングターゲットによれば、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成の溶射体で構成されており、In単体相の割合が1%以下とされているので、In単体相に起因する異常放電の発生を抑制でき、安定してスパッタ成膜を行うことができる。また、理論密度比が92%以上とされているので、空隙が少なく、空隙に起因した異常放電の発生を抑制できるとともに、スパッタ後におけるスパッタリングターゲットの割れの発生を抑制することができる。
本発明のIn合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成のIn合金粉末を準備するIn合金粉末準備工程と、前記In合金粉末を用いて溶射体を形成する溶射工程と、を有し、前記In合金粉末は、In単体相の割合が1%以上75%以下の範囲内とされるとともに、酸素含有量が100massppm以上1000massppm以下とされ、前記In合金粉末の粒度分布は、メディアン径D50が5μm以上150μm以下の範囲内とされるとともに、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足することを特徴としている。
この構成のIn合金スパッタリングターゲットの製造方法によれば、In合金粉末におけるIn単体相の割合が1%以上とされているので、溶射体の密度を向上させることが可能となる。また、In合金粉末におけるIn単体相の割合が75%以下とされているので、溶射体におけるIn単体相の割合を1%以下に抑えることができる。また、溶射時に粉末の搬送路が閉塞することを抑制でき、安定して溶射体を得ることができる。
また、In合金粉末の酸素含有量が100massppm以上とされているので、粉末の表面に一定の厚さの酸化膜が形成されることになり、露出したIn相によって表面摩擦が高くなることを抑制でき、溶射時における粉末の搬送路の閉塞を抑制することができ、安定して溶射体を得ることができる。一方、In合金粉末の酸素含有量が1000massppm以下とされているので、粉末の表面に形成される酸化膜が必要以上に厚くならず、粉末の反応性が確保され、緻密化した溶射体を得ることができる。
また、In合金粉末においては、メディアン径D50が5μm以上とされているので、粉末の反応性が必要以上に高くなることを抑制でき、溶射体においてIn単体相が過剰に形成されることを抑制できる。一方、メディアン径D50が150μm以下とされているので、溶射時に粉末の搬送路が閉塞することを抑制でき、安定して溶射体を得ることができる。
さらに、In合金粉末の粒度分布径は、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとされているので、微細な粉末と粗大な粉末とが適度に存在し、緻密な溶射体を得ることができる。
さらに、In合金粉末の粒度分布径は、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとされているので、微細な粉末と粗大な粉末とが適度に存在し、緻密な溶射体を得ることができる。
本発明によれば、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含むIn合金からなる薄膜を、安定して成膜することが可能なIn合金スパッタリングターゲット、及び、このIn合金スパッタリングターゲットを効率良く、かつ、安定して製造することができるIn合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態であるIn合金スパッタリングターゲット、及び、In合金スパッタリングターゲットの製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットは、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成とされており、具体的には、Cu及びGaから選択される金属元素を合計で35原子%以上90原子%以下の範囲で含有し、残部がIn及び不可避不純物からなる粗成を有する。
また、本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットにおいては、理論密度比(上述の組成比から算出される理論密度に対する相対密度)が92%以上とされている。
また、本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットにおいては、理論密度比(上述の組成比から算出される理論密度に対する相対密度)が92%以上とされている。
本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットにおいては、粉末を用いた溶射法によって製造された溶射体とされており、図1に示すように、均一な組織を有している。
そして、本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットにおいては、In単体相の割合が1%以下とされている。具体的には、図2の元素マッピング像に示すように、Inのみが検出される領域の面積率が1%以下とされている。
そして、本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットにおいては、In単体相の割合が1%以下とされている。具体的には、図2の元素マッピング像に示すように、Inのみが検出される領域の面積率が1%以下とされている。
以下に、本実施形態であるIn合金スパッタリングターゲットにおいて、In単体相の割合、理論密度比、Cu及びGaから選択される金属元素の含有量について、上述のように規定した理由について説明する。
(In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合)
In合金スパッタリングターゲットにおいて、In単体相が多く存在すると、スパッタ時に異常放電が発生しやすくなる。
以上のことから、本実施形態においては、In単体相の割合を1%以下に制限している。なお、In単体相の下限に特に制限はない。
ここで、In単体相に起因する異常放電の発生をさらに抑制するためには、In単体相の割合を0.5%以下とすることが好ましい。
なお、In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合は、図2に示すように、元素マッピング像を得て、この元素マッピング像においてIn単体相の面積率を求めることで算出している。
In合金スパッタリングターゲットにおいて、In単体相が多く存在すると、スパッタ時に異常放電が発生しやすくなる。
以上のことから、本実施形態においては、In単体相の割合を1%以下に制限している。なお、In単体相の下限に特に制限はない。
ここで、In単体相に起因する異常放電の発生をさらに抑制するためには、In単体相の割合を0.5%以下とすることが好ましい。
なお、In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合は、図2に示すように、元素マッピング像を得て、この元素マッピング像においてIn単体相の面積率を求めることで算出している。
(理論密度比)
In合金スパッタリングターゲットの理論密度比が92%未満であると、空隙が多く存在することになり、スパッタ時に異常放電が発生しやすくなるおそれがある。また、スパッタ時に、In合金スパッタリングターゲットに割れが生じるおそれがある。そこで、本実施形態においては、理論密度比を92%以上に規定している。
なお、理論密度は、その組成によって変動する。そのため、本実施形態においては、当該組成の溶湯を溶製し、これを鋳造して徐冷(冷却速度5℃/min以下)することで得られた無欠陥の鋳塊(10cm×10cm×10cm)の密度を、「理論密度」とした。
ここで、空隙に起因する異常放電の発生及びスパッタ後の割れの発生をさらに抑制するためには、理論密度比の下限を95%以上とすることが好ましい。
In合金スパッタリングターゲットの理論密度比が92%未満であると、空隙が多く存在することになり、スパッタ時に異常放電が発生しやすくなるおそれがある。また、スパッタ時に、In合金スパッタリングターゲットに割れが生じるおそれがある。そこで、本実施形態においては、理論密度比を92%以上に規定している。
なお、理論密度は、その組成によって変動する。そのため、本実施形態においては、当該組成の溶湯を溶製し、これを鋳造して徐冷(冷却速度5℃/min以下)することで得られた無欠陥の鋳塊(10cm×10cm×10cm)の密度を、「理論密度」とした。
ここで、空隙に起因する異常放電の発生及びスパッタ後の割れの発生をさらに抑制するためには、理論密度比の下限を95%以上とすることが好ましい。
(In合金スパッタリングターゲットにおけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量)
Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量が35原子%以上とすることにより、In単体相の割合が高くなることを抑制できる。一方、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を90原子%以下とすることにより、Inの含有量が確保され、密度を向上させることができる。
以上のことから、本実施形態においては、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を35原子%以上90原子%以下の範囲内に規定することが好ましい。
ここで、In単体相の割合をさらに低くするためには、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の下限を40原子%以上とすることが好ましく、45原子%以上とすることがさらに好ましい。一方、密度を確実に向上させるためには、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の上限を85原子%以下とすることが好ましく、80原子%以下とすることがさらに好ましい。
Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量が35原子%以上とすることにより、In単体相の割合が高くなることを抑制できる。一方、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を90原子%以下とすることにより、Inの含有量が確保され、密度を向上させることができる。
以上のことから、本実施形態においては、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を35原子%以上90原子%以下の範囲内に規定することが好ましい。
ここで、In単体相の割合をさらに低くするためには、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の下限を40原子%以上とすることが好ましく、45原子%以上とすることがさらに好ましい。一方、密度を確実に向上させるためには、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の上限を85原子%以下とすることが好ましく、80原子%以下とすることがさらに好ましい。
次に、本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。本実施形態であるIn合金スパッタリングターゲットは、溶射法によって製造されたものである。
本実施形態においては、図3に示すように、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成のIn合金粉末を準備するIn合金粉末準備工程S01と、このIn合金粉末を用いて溶射体を形成する溶射工程S02と、溶射体に対して機械加工を行う機械加工工程S03を備えている。
<In合金粉末準備工程S01>
本実施形態におけるIn合金粉末においては、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成とされている。さらに具体的には、In合金粉末の組成は、Cu及びGaから選択される金属元素を合計で35原子%以上90原子%以下の範囲で含有し、残部がIn及び不可避不純物からなるものとされており、さらに、In単体相の割合が1%以上75%以下の範囲内とされるとともに、酸素含有量が100massppm以上1000massppm以下とされている。
また、In合金粉末の粒度分布は、メディアン径D50が5μm以上150μm以下の範囲内とされるとともに、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとされている。
本実施形態におけるIn合金粉末においては、Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成とされている。さらに具体的には、In合金粉末の組成は、Cu及びGaから選択される金属元素を合計で35原子%以上90原子%以下の範囲で含有し、残部がIn及び不可避不純物からなるものとされており、さらに、In単体相の割合が1%以上75%以下の範囲内とされるとともに、酸素含有量が100massppm以上1000massppm以下とされている。
また、In合金粉末の粒度分布は、メディアン径D50が5μm以上150μm以下の範囲内とされるとともに、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとされている。
以下に、本実施形態におけるIn合金粉末において、In単体相の割合、粒度分布、In合金粉末の組成について、上述のように規定した理由について説明する。
(In合金粉末におけるIn単体相の割合)
In合金粉末において、In単体相の割合が1%未満であると、溶射体を緻密化することができず、密度を十分に向上させることができないおそれがある。一方、In単体相の割合が75%を超えると、溶射体におけるIn単体相の割合が高くなるおそれがある。また、溶射時に、In合金粉末が搬送ホース内で閉塞してしまい、溶射を行うことができなくなるおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末におけるIn単体相の割合を1%以上75%以下の範囲内としている。
ここで、溶射体の密度を確実に向上させるためには、In合金粉末におけるIn単体相の割合の下限を3%以上とすることが好ましく、5%以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射体におけるIn単体相の割合をさらに低くするとともに溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末におけるIn単体相の割合の上限を70%以下とすることが好ましく、65%以下とすることがさらに好ましい。
なお、In合金粉末におけるIn単体相の割合は、In合金粉末の圧粉体を成形し、この圧粉体を観察し、元素マッピング像を得て、この元素マッピング像においてIn単体相の面積率を求めることで算出している。
In合金粉末において、In単体相の割合が1%未満であると、溶射体を緻密化することができず、密度を十分に向上させることができないおそれがある。一方、In単体相の割合が75%を超えると、溶射体におけるIn単体相の割合が高くなるおそれがある。また、溶射時に、In合金粉末が搬送ホース内で閉塞してしまい、溶射を行うことができなくなるおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末におけるIn単体相の割合を1%以上75%以下の範囲内としている。
ここで、溶射体の密度を確実に向上させるためには、In合金粉末におけるIn単体相の割合の下限を3%以上とすることが好ましく、5%以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射体におけるIn単体相の割合をさらに低くするとともに溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末におけるIn単体相の割合の上限を70%以下とすることが好ましく、65%以下とすることがさらに好ましい。
なお、In合金粉末におけるIn単体相の割合は、In合金粉末の圧粉体を成形し、この圧粉体を観察し、元素マッピング像を得て、この元素マッピング像においてIn単体相の面積率を求めることで算出している。
(In合金粉末における酸素含有量)
In合金粉末において、酸素含有量が100massppm未満であると、粉末の表面に形成された酸化膜の厚さが薄く、表面に露出したIn単体相の表面特性によって摩擦抵抗が大きくなり、溶射時に搬送ホースが閉塞するおそれがある。一方、In合金粉末において、酸素含有量が1000massppmを超えると、粉末の表面に形成された酸化膜の厚さが必要以上に厚くなり、粉末の反応性が低下して緻密化せず、溶射体の密度を十分に向上できないおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末における酸素含有量を100massppm以上1000massppm以下の範囲内としている。
ここで、溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末における酸素含有量の下限を150massppm以上とすることが好ましく、200massppm以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射体の密度を確実に向上させるためには、In合金粉末における酸素含有量の上限を950massppm以下とすることが好ましく、900massppm以下とすることがさらに好ましい。
In合金粉末において、酸素含有量が100massppm未満であると、粉末の表面に形成された酸化膜の厚さが薄く、表面に露出したIn単体相の表面特性によって摩擦抵抗が大きくなり、溶射時に搬送ホースが閉塞するおそれがある。一方、In合金粉末において、酸素含有量が1000massppmを超えると、粉末の表面に形成された酸化膜の厚さが必要以上に厚くなり、粉末の反応性が低下して緻密化せず、溶射体の密度を十分に向上できないおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末における酸素含有量を100massppm以上1000massppm以下の範囲内としている。
ここで、溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末における酸素含有量の下限を150massppm以上とすることが好ましく、200massppm以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射体の密度を確実に向上させるためには、In合金粉末における酸素含有量の上限を950massppm以下とすることが好ましく、900massppm以下とすることがさらに好ましい。
(In合金粉末のメディアン径D50)
In合金粉末のメディアン径D50が5μm未満の場合には、粉末の表面積が大きくなって反応性が高くなり、溶射体においてIn単体相が多く形成されるおそれがある。一方、In合金粉末のメディアン径D50が150μmを超えると、溶射時に搬送ホースが閉塞してしまうおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末のメディアン径D50を5μm以上150μm以下の範囲内としている。
ここで、溶射体におけるIn単体相の割合をさらに低く抑えるためには、In合金粉末のメディアン径D50の下限を7μm以上とすることが好ましく、10μm以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末のメディアン径D50の上限を140μm以下とすることが好ましく、130μm以下とすることがさらに好ましい。
In合金粉末のメディアン径D50が5μm未満の場合には、粉末の表面積が大きくなって反応性が高くなり、溶射体においてIn単体相が多く形成されるおそれがある。一方、In合金粉末のメディアン径D50が150μmを超えると、溶射時に搬送ホースが閉塞してしまうおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末のメディアン径D50を5μm以上150μm以下の範囲内としている。
ここで、溶射体におけるIn単体相の割合をさらに低く抑えるためには、In合金粉末のメディアン径D50の下限を7μm以上とすることが好ましく、10μm以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末のメディアン径D50の上限を140μm以下とすることが好ましく、130μm以下とすることがさらに好ましい。
(In合金粉末のD10/D50、及び、D90/D50)
本実施形態であるIn合金粉末においては、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上である場合には、微細な粉末と粗大な粉末とが適度に存在し、粗大な粉末の隙間に微細な粉末が充填されることになり、緻密な溶射体を得ることが可能となる。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末の10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとしている。
なお、10%径D10は、累積粒度分布曲線(篩下)において、累積値が10体積%となる粒子径を意味する。90%径D90は、累積粒度分布曲線において、累積値が90体積%となる粒子径を意味する。
本実施形態であるIn合金粉末においては、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上である場合には、微細な粉末と粗大な粉末とが適度に存在し、粗大な粉末の隙間に微細な粉末が充填されることになり、緻密な溶射体を得ることが可能となる。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末の10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとしている。
なお、10%径D10は、累積粒度分布曲線(篩下)において、累積値が10体積%となる粒子径を意味する。90%径D90は、累積粒度分布曲線において、累積値が90体積%となる粒子径を意味する。
(In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量)
In合金粉末において、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を35原子%以上とすることにより、溶射体におけるIn単体相の割合が高くなることを抑制できる。また、溶射時に、In合金粉末が搬送ホース内で閉塞することを抑制でき、溶射を安定して行うことができる。一方、In合金粉末において、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を90原子%以下とすることにより、Inの含有量が確保され、溶射体を緻密化することができ、密度を十分に向上させることが可能となる。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を35原子%以上90原子%以下の範囲内とすることが好ましい。
ここで、溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の下限を40原子%以上とすることが好ましく、45原子%以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射体の密度を確実に向上させるためには、In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の上限を85原子%以下とすることが好ましく、80原子%以下とすることがさらに好ましい。
In合金粉末において、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を35原子%以上とすることにより、溶射体におけるIn単体相の割合が高くなることを抑制できる。また、溶射時に、In合金粉末が搬送ホース内で閉塞することを抑制でき、溶射を安定して行うことができる。一方、In合金粉末において、Cu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を90原子%以下とすることにより、Inの含有量が確保され、溶射体を緻密化することができ、密度を十分に向上させることが可能となる。
以上のことから、本実施形態では、In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量を35原子%以上90原子%以下の範囲内とすることが好ましい。
ここで、溶射時の搬送ホースの閉塞をさらに抑制するためには、In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の下限を40原子%以上とすることが好ましく、45原子%以上とすることがさらに好ましい。一方、溶射体の密度を確実に向上させるためには、In合金粉末におけるCu及びGaから選択される金属元素の合計含有量の上限を85原子%以下とすることが好ましく、80原子%以下とすることがさらに好ましい。
次に、上述のIn合金粉末の製造方法(すなわち、In合金粉末準備工程S01)について説明する。
In合金粉末の製造方法(In合金粉末準備工程S01)は、図3のフロー図に示すように、InとCu及びGeを含む原料金属を設置した容器を10Pa以下の真空度にする真空引き工程S11と、容器に酸素含有量が50体積ppm未満の不活性ガスを導入し、1100℃以上に加熱して、原料金属を溶融させ溶融原料とする溶融工程S12と、700℃以上の温度で溶融原料をアトマイズするアトマイズ工程S13とを備える。
In合金粉末の製造方法(In合金粉末準備工程S01)は、図3のフロー図に示すように、InとCu及びGeを含む原料金属を設置した容器を10Pa以下の真空度にする真空引き工程S11と、容器に酸素含有量が50体積ppm未満の不活性ガスを導入し、1100℃以上に加熱して、原料金属を溶融させ溶融原料とする溶融工程S12と、700℃以上の温度で溶融原料をアトマイズするアトマイズ工程S13とを備える。
真空引き工程S11では、まず、InとCu及びGeを含む原料金属を、アトマイズ装置の耐熱容器(るつぼ)に収容する。原料金属としては、例えば、純度99.99mass%以上のCu金属塊と、純度99.99mass%以上のGa金属塊と、純度99.99mass%以上のIn金属塊を用いる。
次に、原料金属を収容した耐熱容器を10Pa以下の真空度にする。
ここで、到達真空度が10Paを超えると、雰囲気中に存在する酸素含有量が高くなるので、In合金粉末の酸素含有量を十分に低減することができないおそれがある。
このため、本実施形態においては、到達真空度を10Pa以下としている。到達真空度の下限は特に制限されないが、例えば、10−4Paである。到達真空度は、1Pa以下とすることが好ましく、10−1Pa以下とすることがより好ましい。
次に、原料金属を収容した耐熱容器を10Pa以下の真空度にする。
ここで、到達真空度が10Paを超えると、雰囲気中に存在する酸素含有量が高くなるので、In合金粉末の酸素含有量を十分に低減することができないおそれがある。
このため、本実施形態においては、到達真空度を10Pa以下としている。到達真空度の下限は特に制限されないが、例えば、10−4Paである。到達真空度は、1Pa以下とすることが好ましく、10−1Pa以下とすることがより好ましい。
溶融工程S12では、耐熱容器に酸素含有量が50体積ppm以下の不活性ガスを導入し、耐熱容器の内部を不活性ガスで満たした後、1100℃以上に加熱して、原料金属を溶融させる。
ここで、不活性ガスの酸素含有量が50体積ppmを超える場合、粉末の酸素含有量が高くなる。不活性ガスの酸素含有量の下限は、特に制限されないが、例えば、1体積ppmである。酸素濃度は、10体積ppm以下とすることが好ましく、5体積ppm以下とすることがより好ましい。
加熱温度が1100℃未満であると、原料インゴットに含まれる酸化物層由来の酸素を除去しにくく、得られるIn合金粉末の酸素含有量を十分に低減することができないおそれがある。
このため、本実施形態では、加熱温度を1100℃以上としている。
加熱温度の上限は特に制限されないが、インジウムの蒸発による組成ずれが発生することから、例えば、1200℃以下とすることが好ましい。
加熱温度は、1120℃以上1170℃以下とすることが好ましく、1140℃以上1160℃以下とすることがより好ましい。
本実施形態では、容器に導入する不活性ガスとして、窒素を用いる。窒素を用いることで、アルゴンと比較した際に、ガスの持つ熱伝導度が高いため、溶湯の冷却がより早くなりIn合金粉末の酸素含有量をより一層、低減できると考えられる。
ここで、不活性ガスの酸素含有量が50体積ppmを超える場合、粉末の酸素含有量が高くなる。不活性ガスの酸素含有量の下限は、特に制限されないが、例えば、1体積ppmである。酸素濃度は、10体積ppm以下とすることが好ましく、5体積ppm以下とすることがより好ましい。
加熱温度が1100℃未満であると、原料インゴットに含まれる酸化物層由来の酸素を除去しにくく、得られるIn合金粉末の酸素含有量を十分に低減することができないおそれがある。
このため、本実施形態では、加熱温度を1100℃以上としている。
加熱温度の上限は特に制限されないが、インジウムの蒸発による組成ずれが発生することから、例えば、1200℃以下とすることが好ましい。
加熱温度は、1120℃以上1170℃以下とすることが好ましく、1140℃以上1160℃以下とすることがより好ましい。
本実施形態では、容器に導入する不活性ガスとして、窒素を用いる。窒素を用いることで、アルゴンと比較した際に、ガスの持つ熱伝導度が高いため、溶湯の冷却がより早くなりIn合金粉末の酸素含有量をより一層、低減できると考えられる。
アトマイズ工程S13では、700℃以上の温度で溶融原料をアトマイズする。
ここで、アトマイズの噴射温度が700℃未満であると、アトマイズ時にノズルが閉塞しやすくなる。また、In単体相の生成量が低下するおそれがある。したがって、Inの含有量が比較的少ない場合には、特に注意が必要である。
以上のことから、本実施形態では、アトマイズの噴射温度を700℃以上としている。 アトマイズの噴射温度の上限は、特に制限されないが、例えば、900℃である。噴射温度が900℃を超えると、得られるIn合金粉末のIn単体相の割合がIn−Cu状態図から得られる割合に比べて多くなるおそれがある。また、アトマイズ時にチャンバー内に粉が付着し、In合金粉末の収率が低下するおそれがある。
噴射温度は、750℃以上880℃以下とすることが好ましく、800℃以上850℃以下とすることがより好ましい。
ここで、アトマイズの噴射温度が700℃未満であると、アトマイズ時にノズルが閉塞しやすくなる。また、In単体相の生成量が低下するおそれがある。したがって、Inの含有量が比較的少ない場合には、特に注意が必要である。
以上のことから、本実施形態では、アトマイズの噴射温度を700℃以上としている。 アトマイズの噴射温度の上限は、特に制限されないが、例えば、900℃である。噴射温度が900℃を超えると、得られるIn合金粉末のIn単体相の割合がIn−Cu状態図から得られる割合に比べて多くなるおそれがある。また、アトマイズ時にチャンバー内に粉が付着し、In合金粉末の収率が低下するおそれがある。
噴射温度は、750℃以上880℃以下とすることが好ましく、800℃以上850℃以下とすることがより好ましい。
また、本実施形態では、噴射ガスに酸素含有量が50体積ppm未満の不活性ガスを用い、噴射ガス圧を1.5MPa以上4.0MPa以下、ノズル径を0.5mm以上3.0mm以下とした。
ここで、噴射ガスの酸素含有量が50体積ppmを超える場合、粉末の酸素含有量が高くなる。噴射ガスの酸素含有量の下限は、特に制限されないが、例えば、2体積ppmである。酸素濃度は、10体積ppm以下とすることが好ましく、5体積ppm以下とすることがより好ましい。
噴射ガス圧が1.5MPaよりも低いと、アトマイズ粉(In合金粉末)が粗大になり、噴射ガス圧が4.0MPaよりも高いと、アトマイズ粉が細かくなり、上述した粒径のIn合金粉末を得られなくなるおそれがある。
ノズル径が0.5mmよりも小さいと、アトマイズ時に閉塞が発生しやすくなり、アトマイズ粉が得られにくくなる。また、ノズル径が3.0mmよりも大きいと、アトマイズ粉が粗大化するおそれがある。
噴射ガス圧は、2.0MPa以上3.5MPa以下とすることが好ましく、2.5MPa以上3.0MPa以下とすることがより好ましい。
ノズル径は、0.75mm以上2.0mm以下とすることが好ましく、1.0mm以上1.5mm以下とすることがより好ましい。
ここで、噴射ガスの酸素含有量が50体積ppmを超える場合、粉末の酸素含有量が高くなる。噴射ガスの酸素含有量の下限は、特に制限されないが、例えば、2体積ppmである。酸素濃度は、10体積ppm以下とすることが好ましく、5体積ppm以下とすることがより好ましい。
噴射ガス圧が1.5MPaよりも低いと、アトマイズ粉(In合金粉末)が粗大になり、噴射ガス圧が4.0MPaよりも高いと、アトマイズ粉が細かくなり、上述した粒径のIn合金粉末を得られなくなるおそれがある。
ノズル径が0.5mmよりも小さいと、アトマイズ時に閉塞が発生しやすくなり、アトマイズ粉が得られにくくなる。また、ノズル径が3.0mmよりも大きいと、アトマイズ粉が粗大化するおそれがある。
噴射ガス圧は、2.0MPa以上3.5MPa以下とすることが好ましく、2.5MPa以上3.0MPa以下とすることがより好ましい。
ノズル径は、0.75mm以上2.0mm以下とすることが好ましく、1.0mm以上1.5mm以下とすることがより好ましい。
<溶射工程S02>。
溶射工程S02においては、上述のようにして得られたIn合金粉末を用いて溶射を行う。この溶射工程S02においては、粒子速度500m/s以上800m/s以下の範囲内、フレーム温度2300K以上2900K以下の範囲内、の条件で溶射を行う。
この溶射工程S02においては、n合金粉末中のIn単体相が溶融してCu及びGaと合金化し、溶射体においてはIn単体相の割合が少なくなる。そして、図1に示すように、均一な組織の溶射体が得られる。また、粗大な粉末同士の隙間に微細な粉末が充填されることで高密度な溶射体を得ることが可能となる。
また、この溶射工程S02においては、フレーム温度2300K以上2900K以下の範囲内とされているので、In合金粉末と溶射体との間の組成のズレが生じにくい。
溶射工程S02においては、上述のようにして得られたIn合金粉末を用いて溶射を行う。この溶射工程S02においては、粒子速度500m/s以上800m/s以下の範囲内、フレーム温度2300K以上2900K以下の範囲内、の条件で溶射を行う。
この溶射工程S02においては、n合金粉末中のIn単体相が溶融してCu及びGaと合金化し、溶射体においてはIn単体相の割合が少なくなる。そして、図1に示すように、均一な組織の溶射体が得られる。また、粗大な粉末同士の隙間に微細な粉末が充填されることで高密度な溶射体を得ることが可能となる。
また、この溶射工程S02においては、フレーム温度2300K以上2900K以下の範囲内とされているので、In合金粉末と溶射体との間の組成のズレが生じにくい。
<機械加工工程S03>
このように得られた溶射体に対して、旋盤加工、フライス加工等を行う。これにより、所定形状のIn合金スパッタリングターゲットを得る。
以上のような工程により、本実施形態であるIn合金スパッタリングターゲットが製造される。
このように得られた溶射体に対して、旋盤加工、フライス加工等を行う。これにより、所定形状のIn合金スパッタリングターゲットを得る。
以上のような工程により、本実施形態であるIn合金スパッタリングターゲットが製造される。
以上のような構成とされた本実施形態に係るIn合金スパッタリングターゲットによれば、In単体相の割合が1%以下とされているので、In単体相に起因する異常放電の発生を抑制でき、安定してスパッタ成膜を行うことができる。
また、本実施形態においては、理論密度比が92%以上とされているので、空隙が少なく、空隙に起因した異常放電の発生を抑制できるとともに、スパッタ後におけるIn合金スパッタリングターゲットの割れの発生を抑制することができる。
さらに、In合金粉末を用いた溶射体とされているので、図1に示すような均一な組織となり、安定してIn合金膜を成膜することができる。
また、本実施形態においては、理論密度比が92%以上とされているので、空隙が少なく、空隙に起因した異常放電の発生を抑制できるとともに、スパッタ後におけるIn合金スパッタリングターゲットの割れの発生を抑制することができる。
さらに、In合金粉末を用いた溶射体とされているので、図1に示すような均一な組織となり、安定してIn合金膜を成膜することができる。
また、本実施形態であるIn合金スパッタリングターゲットの製造方法によれば、In単体相の割合が1%以上75%以下とされたIn合金粉末を用いているので、溶射体の密度を向上させることが可能となるとともに、溶射体におけるIn単体相の割合を1%以下に抑えることができる。また、溶射時における搬送ホースの閉塞を抑制でき、安定して溶射工程S02を実施することができる。
さらに、In合金粉末の酸素含有量が100massppm以上1000massppm以下の範囲内とされているので、粉末の表面に一定の厚さの酸化膜が形成されることで、In相による表面摩擦が高くなることを抑制でき、溶射時における搬送ホースの閉塞を抑制でき、安定して溶射体を得ることができるとともに、粉末の反応性が確保され、緻密化した溶射体を得ることができる。
また、In合金粉末のメディアン径D50が5μm以上150μm以下の範囲内とされているので、粉末の反応性を抑制することができ、溶射体においてIn単体相の形成を抑制することができるとともに、溶射時における搬送ホースの閉塞を抑制でき、安定して溶射体を得ることができる。
さらに、In合金粉末の粒度分布は、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとされているので、微細な粉末と粗大な粉末とが適度に存在しており、粗大な粉末同士の隙間に微細な粉末が充填されることになり、緻密な溶射体を得ることができる。
さらに、In合金粉末の粒度分布は、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足するものとされているので、微細な粉末と粗大な粉末とが適度に存在しており、粗大な粉末同士の隙間に微細な粉末が充填されることになり、緻密な溶射体を得ることができる。
また、In合金粉末は、Cu及びGaから選択される金属元素を合計で35原子%以上90%原子以下の範囲で含んでおり、適正量のInを含んでいるので、溶射時における搬送ホースの閉塞を抑制でき、安定して溶射体を得ることができるとともに、得られた溶射体の密度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、本発明に係るIn合金スパッタリングターゲット、及び、In合金スパッタリングターゲットの製造方法の作用効果について評価した評価試験の結果を説明する。
純度99.99mass%以上のCu金属塊と、純度99.99mass%以上のGa金属塊と、純度99.99mass%以上のIn金属塊を用意した。これらの原料を、表1に示す配合比で全体重量が1200gとなるように秤量した。秤量した原料を、カーボン坩堝に充填して溶解した後、ガスアトマイズ法により表1に記載した条件で、In合金粉末を作製した。なお、アトマイズのノズル径は1.5mmとした。
ここで、得られたIn合金粉末について、組成、酸素含有量、粒度分布およびIn単体相の割合を、下記の方法により測定した。測定結果を表2に示す。なお、粒度分布は、メディアン径D50、D10/D50、D90/D50を示した。
(In合金粉末の組成)
In合金粉末を酸で溶解し、得られた溶液中のCu及びGaの含有量をICPによって測定した。In及びその他の成分については、残部とした。
In合金粉末を酸で溶解し、得られた溶液中のCu及びGaの含有量をICPによって測定した。In及びその他の成分については、残部とした。
(In合金粉末の酸素含有量)
JIS Z 2613「金属材料の酸素定量方法通則」に記載された赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC600を用いて、酸素含有量を測定した。
JIS Z 2613「金属材料の酸素定量方法通則」に記載された赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC600を用いて、酸素含有量を測定した。
(In合金粉末の粒度分布)
ヘキサメタリン酸ナトリウム濃度0.2%の水溶液を100ml調製し、この水溶液にIn−Cu合金粉末を10mg加え、超音波発生装置にて粉末を十分に溶液に分散させた後、レーザー回折散乱法(測定装置:日機装株式会社製、Microtrac MT3000)を用いて、粒子径分布を測定した。得られた粒子径分布から累積粒度分布曲線を作成し、10%径D10、メディアン径D50、90%径D90を得て、D10/D50、D90/D50を算出した。
ヘキサメタリン酸ナトリウム濃度0.2%の水溶液を100ml調製し、この水溶液にIn−Cu合金粉末を10mg加え、超音波発生装置にて粉末を十分に溶液に分散させた後、レーザー回折散乱法(測定装置:日機装株式会社製、Microtrac MT3000)を用いて、粒子径分布を測定した。得られた粒子径分布から累積粒度分布曲線を作成し、10%径D10、メディアン径D50、90%径D90を得て、D10/D50、D90/D50を算出した。
(In合金粉末におけるIn単体相の割合)
In合金粉をφ80mmの金属製の型に充填し、一軸プレス装置にて10MPaの圧力で加圧し、圧粉体を得た。この圧粉体を研磨加工し、この研磨面をEPMAによって倍率1000倍で観察し、Inの元素マッピング像を得た。このInの元素マッピング像から、In単体相とIn合金相とを色分けし、In単体相の面積を、In単体相とIn合金相の面積の和で割った値をIn単体相の割合とした。
In合金粉をφ80mmの金属製の型に充填し、一軸プレス装置にて10MPaの圧力で加圧し、圧粉体を得た。この圧粉体を研磨加工し、この研磨面をEPMAによって倍率1000倍で観察し、Inの元素マッピング像を得た。このInの元素マッピング像から、In単体相とIn合金相とを色分けし、In単体相の面積を、In単体相とIn合金相の面積の和で割った値をIn単体相の割合とした。
次に、上述のIn合金粉末を用いて、粒子速度600m/s、フレーム温度 2500K、基板距離250mmの条件で溶射を行い、溶射体を得た。このとき、搬送ホースの閉塞の有無を確認した。
そして、この溶射体に対して、フライス盤を用いた機械加工により、126mm×178mm×6mmtサイズのIn合金スパッタリングターゲットに加工した。
得られたIn合金スパッタリングターゲットについて、組成、In単体相の割合、理論密度比、組成ずれ、異常放電回数、スパッタ後の割れの有無について評価した。評価結果を表3に示す。
そして、この溶射体に対して、フライス盤を用いた機械加工により、126mm×178mm×6mmtサイズのIn合金スパッタリングターゲットに加工した。
得られたIn合金スパッタリングターゲットについて、組成、In単体相の割合、理論密度比、組成ずれ、異常放電回数、スパッタ後の割れの有無について評価した。評価結果を表3に示す。
(In合金スパッタリングターゲットの組成)
In合金スパッタリングターゲットから測定試料を採取し、酸で溶解した。得られた溶液中のCu、Gaの含有量をICPによって測定した。In及びその他の成分については、残部とした。
In合金スパッタリングターゲットから測定試料を採取し、酸で溶解した。得られた溶液中のCu、Gaの含有量をICPによって測定した。In及びその他の成分については、残部とした。
(In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合)
得られた溶射体から観察試料を採取し、この観察試料を研磨加工し、この研磨面をEPMAによって倍率1000倍で観察し、Inの元素マッピング像を得た。このInの元素マッピング像から、In単体相とIn合金相とを色分けし、In単体相の面積を、In単体相とIn合金相の面積の和で割った値をIn単体相の割合とした。
得られた溶射体から観察試料を採取し、この観察試料を研磨加工し、この研磨面をEPMAによって倍率1000倍で観察し、Inの元素マッピング像を得た。このInの元素マッピング像から、In単体相とIn合金相とを色分けし、In単体相の面積を、In単体相とIn合金相の面積の和で割った値をIn単体相の割合とした。
(In合金スパッタリングターゲットの理論密度比)
In合金スパッタリングターゲットの理論密度比は、以下のようにして算出した。
各In合金スパッタリングターゲットに対応する組成比のIn合金を1200℃で溶解し、これを鋳造して徐冷(冷却速度5℃/min以下)することで得られた無欠陥の鋳塊(10cm×10cm×10cm)の密度を、「理論密度」とした。これに対して作製したIn合金スパッタリングターゲットの重量を寸法から得られた体積で割った値を「測定密度」とした。
この理論密度と、得られたスパッタリングターゲットの測定密度とを用いて、理論密度比を下記の式により算出した。
理論密度比(%)=(測定密度)/(理論密度)×100
In合金スパッタリングターゲットの理論密度比は、以下のようにして算出した。
各In合金スパッタリングターゲットに対応する組成比のIn合金を1200℃で溶解し、これを鋳造して徐冷(冷却速度5℃/min以下)することで得られた無欠陥の鋳塊(10cm×10cm×10cm)の密度を、「理論密度」とした。これに対して作製したIn合金スパッタリングターゲットの重量を寸法から得られた体積で割った値を「測定密度」とした。
この理論密度と、得られたスパッタリングターゲットの測定密度とを用いて、理論密度比を下記の式により算出した。
理論密度比(%)=(測定密度)/(理論密度)×100
(組成ずれ)
得られたスパッタリングターゲットのスパッタ面の中心座標を(X=0mm,Y=0mm)とした場合、(X=−70mm,Y=50mm)、(X=−70mm,Y=−50mm)、(X=0mm,Y=0mm)、(X=70mm,Y=50mm)、(X=70mm,Y=−50mm)の5箇所についてそれぞれサンプリングを行い、これらをさらに厚み方向に3等分して合計15個のサンプルを得た。得られた15個のサンプルについて、ICP−AESを用いてターゲット中のIn成分を測定した。これらの測定結果の平均値から最も離れた値から平均値を引いた絶対値を組成ずれの値とした。さらに次式により組成ずれ(%)を算出した。
組成ずれ(%)=(組成ずれの値)/(平均値)×100
得られたスパッタリングターゲットのスパッタ面の中心座標を(X=0mm,Y=0mm)とした場合、(X=−70mm,Y=50mm)、(X=−70mm,Y=−50mm)、(X=0mm,Y=0mm)、(X=70mm,Y=50mm)、(X=70mm,Y=−50mm)の5箇所についてそれぞれサンプリングを行い、これらをさらに厚み方向に3等分して合計15個のサンプルを得た。得られた15個のサンプルについて、ICP−AESを用いてターゲット中のIn成分を測定した。これらの測定結果の平均値から最も離れた値から平均値を引いた絶対値を組成ずれの値とした。さらに次式により組成ずれ(%)を算出した。
組成ずれ(%)=(組成ずれの値)/(平均値)×100
(異常放電回数)
In合金スパッタリングターゲットを用いて、次のような条件でスパッタによる成膜を行った。
DCマグネトロンスパッタ装置により、スパッタガスとしてArガスを用いて、流量50sccm,圧力0.67Paとし、投入電力として、6W/cm2の電力にて、180分間のスパッタを行い、DC電源装置(京三製作所社製HPK06Z−SW6)に備えられているアークカウント機能により、異常放電の回数をカウントした。
In合金スパッタリングターゲットを用いて、次のような条件でスパッタによる成膜を行った。
DCマグネトロンスパッタ装置により、スパッタガスとしてArガスを用いて、流量50sccm,圧力0.67Paとし、投入電力として、6W/cm2の電力にて、180分間のスパッタを行い、DC電源装置(京三製作所社製HPK06Z−SW6)に備えられているアークカウント機能により、異常放電の回数をカウントした。
(スパッタ後の割れ)
上述のスパッタ試験後にIn合金スパッタリングターゲットを目視で観察し、割れの有無を評価した。
上述のスパッタ試験後にIn合金スパッタリングターゲットを目視で観察し、割れの有無を評価した。
比較例1においては、In合金粉末におけるIn単体相の割合が0となり、In合金スパッタリングターゲットの理論密度比が82%と低くなった。また、異常放電回数も比較的多く、スパッタ後に割れが認められた。
比較例2においては、In合金粉末におけるIn単体相の割合が90%を超えており、溶射時に搬送ホースの閉塞が認められた。このため、溶射体を得ることができなかった。
In合金粉末におけるIn単体相の割合が78%とされた比較例3においては、In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合が3.5%と高くなり、異常放電の発生回数が多くなった。また、組成ずれも大きくなった。
比較例2においては、In合金粉末におけるIn単体相の割合が90%を超えており、溶射時に搬送ホースの閉塞が認められた。このため、溶射体を得ることができなかった。
In合金粉末におけるIn単体相の割合が78%とされた比較例3においては、In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合が3.5%と高くなり、異常放電の発生回数が多くなった。また、組成ずれも大きくなった。
In合金粉末のメディアン径D50が163μmとされた比較例4においては、溶射時に搬送ホースの閉塞が認められた。このため、溶射体を得ることができなかった。
In合金粉末のメディアン径D50が4.2μmとされた比較例5においては、In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合が4.7%と高くなり、異常放電の発生回数が多くなった。また、組成ずれも大きくなった。
In合金粉末の10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれも満足しない比較例6においては、In合金スパッタリングターゲットの理論密度比が77%と低くなった。また、異常放電回数も比較的多く、スパッタ後に割れが認められた。
In合金粉末のメディアン径D50が4.2μmとされた比較例5においては、In合金スパッタリングターゲットにおけるIn単体相の割合が4.7%と高くなり、異常放電の発生回数が多くなった。また、組成ずれも大きくなった。
In合金粉末の10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれも満足しない比較例6においては、In合金スパッタリングターゲットの理論密度比が77%と低くなった。また、異常放電回数も比較的多く、スパッタ後に割れが認められた。
In合金粉末の酸素濃度が1020massppmとされた比較例7においては、In合金スパッタリングターゲットの理論密度比が87%と低くなった。また、異常放電回数も比較的多く、スパッタ後に割れが認められた。
In合金粉末の酸素濃度が90massppmとされた比較例8においては、溶射時に搬送ホースの閉塞が認められた。このため、溶射体を得ることができなかった。
In合金粉末の酸素濃度が90massppmとされた比較例8においては、溶射時に搬送ホースの閉塞が認められた。このため、溶射体を得ることができなかった。
これに対して、In合金粉末における組成、In単体相の割合、酸素含有量、粒度分布が本発明の範囲内とされ、In合金スパッタリングターゲットにおける組成、In単体相の割合、理論密度比が本発明の範囲内とされた本発明例1−6においては、溶射時における搬送ホースの閉塞がなく、安定して溶射体を得ることができた。また、組成ずれが抑えられた。また、異常放電回数も少なく、スパッタ後の割れも確認されておらず、安定してスパッタ成膜ができることが確認された。
S01 In合金粉準備工程
S02 溶射工程
S02 溶射工程
Claims (2)
- Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成の溶射体からなり、
In単体相の割合が1%以下とされ、
理論密度比が92%以上とされていることを特徴とするIn合金スパッタリングターゲット。 - Cu又はGaのいずれか一方又は両方とInを含む組成のIn合金粉末を準備するIn合金粉末準備工程と、
前記In合金粉末を用いて溶射体を形成する溶射工程と、
を有し、
前記In合金粉末は、In単体相の割合が1%以上75%以下の範囲内とされるとともに、酸素含有量が100massppm以上1000massppm以下とされ、
前記In合金粉末の粒度分布は、メディアン径D50が5μm以上150μm以下の範囲内とされるとともに、10%径D10とメディアン径D50との比D10/D50が1/2以下、あるいは、90%径D90とメディアン径D50との比D90/D50が2以上のいずれか一方又は両方を満足することを特徴とするIn合金スパッタリングターゲットの製造方法。
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