JP2019056086A - ゲル組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒト水晶体の置換用材料として好適なゲル組成物を提供する。
【解決手段】以下の性質a)、b)及びc)を満たすゲル組成物であって、温度応答性ブロックコポリマーを含有し、前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型又はA−B−A型であり、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、Bブロックはエチレンオキシドをモノマー単位として有し、重合度が90以上のポリマーである、ゲル組成物。
a)37℃における可視光透過率が60%以上
b)20℃における屈折率が1.37以上
c)37℃における弾性率が40kPa以下
【選択図】なし
【解決手段】以下の性質a)、b)及びc)を満たすゲル組成物であって、温度応答性ブロックコポリマーを含有し、前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型又はA−B−A型であり、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、Bブロックはエチレンオキシドをモノマー単位として有し、重合度が90以上のポリマーである、ゲル組成物。
a)37℃における可視光透過率が60%以上
b)20℃における屈折率が1.37以上
c)37℃における弾性率が40kPa以下
【選択図】なし
Description
本発明は、ゲル組成物に関する。より詳細には、ヒトの水晶体と近似する物性を有するゲル組成物に関する。
眼内に存在する水晶体は、凸レンズ型で弾力性のある透明な組織であり、物を見るときのレンズの役割を果たす。また、水晶体はチン小帯によって毛様体に支持されており、毛様体筋の収縮及び弛緩に応じてその厚みを変化させることで眼のピント調節機能にも寄与している。
しかし、水晶体は年月とともに弾力性が低下するため、年齢とともに眼のピント調節機能は低下する。また、白内障などの疾患により水晶体が濁ると視機能が低下し、そのまま放置すると失明する場合もある。
現在、白内障による視機能低下に対しては、外科的手術によって水晶体を取り除き、その代わりに人工の眼内レンズを挿入することで視機能を回復させる治療が行われており、一定の効果が得られている。ただし、眼内レンズの挿入のために、水晶体の大部分を取り除いてしまうため、本来の水晶体が有する眼のピント調節機能は失われてしまう。
しかし、水晶体は年月とともに弾力性が低下するため、年齢とともに眼のピント調節機能は低下する。また、白内障などの疾患により水晶体が濁ると視機能が低下し、そのまま放置すると失明する場合もある。
現在、白内障による視機能低下に対しては、外科的手術によって水晶体を取り除き、その代わりに人工の眼内レンズを挿入することで視機能を回復させる治療が行われており、一定の効果が得られている。ただし、眼内レンズの挿入のために、水晶体の大部分を取り除いてしまうため、本来の水晶体が有する眼のピント調節機能は失われてしまう。
眼内レンズの種類には、単焦点レンズと多焦点レンズがあるが、これまで使用されてきたレンズは単焦点のものがほとんどである。そのため、患者の生活スタイルに合わせて焦点距離が決定され、遠焦点の眼内レンズを入れた人が近くを見るときには老眼鏡を使用し、近焦点の眼内レンズを入れた人が遠くを見るときには近眼鏡を使用する必要があった。
そこで、患者のQOLを改善させるため、多焦点の眼内レンズも開発され、遠近両方に対する見えやすさは改善されつつあるが、本来の水晶体と比べると、見たい対象の周辺がぼやけたり、境界線の認識が困難となる場合があり、細かい作業を長時間することを職業とする人にとっては単焦点レンズを使用する方が好ましい場合もある。
よって、眼内レンズの使用では完全に水晶体の機能を補完するには不十分であり、水晶体の変性や機能低下に伴う疾患や症状に対しては新たな治療方法の開発が望まれている。
そこで、患者のQOLを改善させるため、多焦点の眼内レンズも開発され、遠近両方に対する見えやすさは改善されつつあるが、本来の水晶体と比べると、見たい対象の周辺がぼやけたり、境界線の認識が困難となる場合があり、細かい作業を長時間することを職業とする人にとっては単焦点レンズを使用する方が好ましい場合もある。
よって、眼内レンズの使用では完全に水晶体の機能を補完するには不十分であり、水晶体の変性や機能低下に伴う疾患や症状に対しては新たな治療方法の開発が望まれている。
そこで、視力の回復とともに、ピント調節機能の復元を達成するために、アクリルの眼内レンズを水晶体嚢中に挿入後、液状のシリコーンポリマーを水晶体嚢中に注入し嚢内でポリマーをゲル化させるレンズリフィリング技術が提案されている(非特許文献1)。この方法では、水晶体嚢は残すため、毛様体筋の収縮・弛緩による水晶体嚢の厚みの変化で眼内レンズの位置が動き、焦点調節が可能となる。その結果、3群のカニクイザルでのPilocarpine刺激での度数変化の平均は,それぞれ2.56±0.74D、2.42±1.0D、2.71±0.63Dであった。
しかし、非特許文献1において水晶体嚢へのリフィリングに使用された材料はシリコーンポリマーであり、長期間の使用には水晶体嚢からの漏出の問題が懸念され、その他、ポリマーのゲル化に時間がかかることや術後に発生する嚢混濁(ACO、PCO)の問題が懸念され、実用化のためには新たな材料の開発が必要であった。
しかし、非特許文献1において水晶体嚢へのリフィリングに使用された材料はシリコーンポリマーであり、長期間の使用には水晶体嚢からの漏出の問題が懸念され、その他、ポリマーのゲル化に時間がかかることや術後に発生する嚢混濁(ACO、PCO)の問題が懸念され、実用化のためには新たな材料の開発が必要であった。
一方、低温ではゾル状で存在し、一定の温度以上ではゲル状で存在する、熱可逆ハイドロゲル形成組成物が種々知られている(特許文献1、非特許文献2)。また、人口硝子体や人工水晶体として使用するための熱応答性ポリマーの開発もなされている(特許文献2)。
しかし、人工水晶体として使用するためには、水晶体に近い物性を有するものが好ましいところ、現状において人工水晶体の代替として好ましく使用できる組成物の開発は途上の段階である。
しかし、人工水晶体として使用するためには、水晶体に近い物性を有するものが好ましいところ、現状において人工水晶体の代替として好ましく使用できる組成物の開発は途上の段階である。
J. Cataract Refrac. Surg., Vol.40,295−305(2014)
LANGMUIR Vol.32, 5314−5323(2016)
本発明は、上記の現状に鑑み、ヒト水晶体の置換用材料として好適なゲル組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するブロックと、ポリエチレングリコールを有するブロックとからなるジ又はトリブロックコポリマーが、水溶液としたときに低温ではゾル状でヒトの体温付近以上ではゲル状となる温度応答性を有することを見出した。そして、かかるブロックコポリマーを用いれば、ヒト水晶体と類似の透明性、屈折率、及び弾性率を有するゲル組成物を調製できることに想到し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]以下の性質a)、b)及びc)を満たすゲル組成物であって、
温度応答性ブロックコポリマーを含有し、
前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型又はA−B−A型であり、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、Bブロックはエチレンオキシドをモノマー単位として有し、重合度が90以上のポリマーである、ゲル組成物。
a)37℃における可視光透過率が60%以上
b)20℃における屈折率が1.37以上
c)37℃における弾性率が40kPa以下
[2]数平均分子量が300以上かつ50000以下のポリエチレングリコールをさらに含有する、[1]に記載のゲル組成物。
[3]前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの合計濃度が、組成物全体の30〜90質量%である、[2]に記載のゲル組成物。
[4]前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの含有量の質量比が、9:1〜4:5である、[2]又は[3]に記載のゲル組成物。
[5]前記温度応答性ブロックコポリマーにおいて、Aブロックの数平均分子量の合計(a)とBブロックの数平均分子量(b)との比(a/b)が、10.0以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゲル組成物。
[6]前記温度応答性ブロックコポリマーにおけるAブロックが、重合度が20以上かつ1300以下のポリマーである、[1]〜[5]のいずれかに記載のゲル組成物。
[7]前記温度応答性ブロックコポリマーの数平均分子量が、4000〜400000である、[1]〜[6]のいずれかに記載のゲル組成物。
[8]前記温度応答性ブロックコポリマーにおけるAブロックは、重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物からなる群から選ばれる1以上の
化合物をモノマー単位としてさらに有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のゲル組成物。
[9]5〜80℃にゾル−ゲル転移温度を有し、
前記転移温度より低温側でゾル状態に、かつ高温側でゲル状態になる、[1]〜[8]のいずれかに記載のゲル組成物。
[1]以下の性質a)、b)及びc)を満たすゲル組成物であって、
温度応答性ブロックコポリマーを含有し、
前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型又はA−B−A型であり、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、Bブロックはエチレンオキシドをモノマー単位として有し、重合度が90以上のポリマーである、ゲル組成物。
a)37℃における可視光透過率が60%以上
b)20℃における屈折率が1.37以上
c)37℃における弾性率が40kPa以下
[2]数平均分子量が300以上かつ50000以下のポリエチレングリコールをさらに含有する、[1]に記載のゲル組成物。
[3]前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの合計濃度が、組成物全体の30〜90質量%である、[2]に記載のゲル組成物。
[4]前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの含有量の質量比が、9:1〜4:5である、[2]又は[3]に記載のゲル組成物。
[5]前記温度応答性ブロックコポリマーにおいて、Aブロックの数平均分子量の合計(a)とBブロックの数平均分子量(b)との比(a/b)が、10.0以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のゲル組成物。
[6]前記温度応答性ブロックコポリマーにおけるAブロックが、重合度が20以上かつ1300以下のポリマーである、[1]〜[5]のいずれかに記載のゲル組成物。
[7]前記温度応答性ブロックコポリマーの数平均分子量が、4000〜400000である、[1]〜[6]のいずれかに記載のゲル組成物。
[8]前記温度応答性ブロックコポリマーにおけるAブロックは、重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物からなる群から選ばれる1以上の
化合物をモノマー単位としてさらに有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のゲル組成物。
[9]5〜80℃にゾル−ゲル転移温度を有し、
前記転移温度より低温側でゾル状態に、かつ高温側でゲル状態になる、[1]〜[8]のいずれかに記載のゲル組成物。
本発明により、ヒト水晶体に近い透明性、屈折率、及び弾性率を有するゲル組成物が提供される。かかるゲル組成物は、人工水晶体の製造や、白内障等の眼疾患に対する水晶体置換(レンズリフィリング)術において好適な材料となり得る。
本発明のゲル組成物は、以下の性質a)、b)及びc)を満たすものである。
a)37℃における可視光透過率が、60%以上であり、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上である。すなわち、可視光(波長400〜800nm)下において透明であることをいうが、ここでは具体的に37℃において分光光度計で測定した可視光透過率(波長500nm、光路長1cm)が、コントロールの蒸留水に対して上記の割合であることをいう。
b)20℃、D線(波長589.3nmの黄色ナトリウムのスペクトル線)における屈折率(nD)が、1.37以上であり、好ましくは1.38以上、さらに好ましくは.1.39以上である。
c)37℃における弾性率が40kPa以下であり、好ましくは20kPa以下、さらに好ましくは10kPa以下、最も好ましくは5kPa以下である。
上記性質a)、b)及びc)は、ヒトの水晶体の持つ物性に近いものである。そのため、本発明のゲル組成物は、人工水晶体を製造する材料として、又は水晶体置換(レンズリフィリング)術において水晶体嚢に注入する材料として好適に使用することができる。
a)37℃における可視光透過率が、60%以上であり、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上である。すなわち、可視光(波長400〜800nm)下において透明であることをいうが、ここでは具体的に37℃において分光光度計で測定した可視光透過率(波長500nm、光路長1cm)が、コントロールの蒸留水に対して上記の割合であることをいう。
b)20℃、D線(波長589.3nmの黄色ナトリウムのスペクトル線)における屈折率(nD)が、1.37以上であり、好ましくは1.38以上、さらに好ましくは.1.39以上である。
c)37℃における弾性率が40kPa以下であり、好ましくは20kPa以下、さらに好ましくは10kPa以下、最も好ましくは5kPa以下である。
上記性質a)、b)及びc)は、ヒトの水晶体の持つ物性に近いものである。そのため、本発明のゲル組成物は、人工水晶体を製造する材料として、又は水晶体置換(レンズリフィリング)術において水晶体嚢に注入する材料として好適に使用することができる。
本発明のゲル組成物は、温度応答性ブロックコポリマーを必須に含有する。
前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型のジブロックコポリマー又はA−B−A型のトリブロックコポリマーであり、好ましくはA−B−A型のトリブロックコポリマーである。
ここで、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、好ましくはモノマー単位はN−イソプロピルアクリルアミド(以降、「NIPA」とも記す)である。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」の表記は、メタクリル及び/又はアクリルを表すものとする。
ゲル組成物が前記性質a)、b)及びc)を満たすための、それに含有される温度応答性ブロックコポリマーの好ましい構造について、以下説明する。
前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型のジブロックコポリマー又はA−B−A型のトリブロックコポリマーであり、好ましくはA−B−A型のトリブロックコポリマーである。
ここで、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、好ましくはモノマー単位はN−イソプロピルアクリルアミド(以降、「NIPA」とも記す)である。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」の表記は、メタクリル及び/又はアクリルを表すものとする。
ゲル組成物が前記性質a)、b)及びc)を満たすための、それに含有される温度応答性ブロックコポリマーの好ましい構造について、以下説明する。
Aブロックの1つ当たりの重合度は、20以上であり、好ましくは23以上であり、より好ましくは35以上である。また、その重合度の上限は1300以下であり、好ましくは750以下である。また、本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーがA−B−A型のトリブロックコポリマーである場合、2つのAブロックの重合度及びモノマー組成は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
Aブロックの重合度が大きくなると、ゲル組成物の弾性率が大きくなる傾向があるため、ゲル組成物の設計に際しては該重合度の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
Aブロックの重合度が大きくなると、ゲル組成物の弾性率が大きくなる傾向があるため、ゲル組成物の設計に際しては該重合度の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
Aブロックは、モノマー単位がN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドのみからなるもの(PNIPA)であってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲において、他のモノマー単位を含んでもよい。他のモノマー単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸、酸化アルキレン、ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、アクリル酸エステル類、ア
クリルアミド類等の重合性モノマーが挙げられる。AブロックがN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド以外のモノマー単位を有する場合、その含有量はAブロック全体に対する重合度の比として0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましい。
Aブロックは、後述の重合性紫外線吸収(色素)化合物部分をAブロックに有し、その他のモノマー単位がN−イソプロピルアクリルアミドのみであることが好ましい。
クリルアミド類等の重合性モノマーが挙げられる。AブロックがN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド以外のモノマー単位を有する場合、その含有量はAブロック全体に対する重合度の比として0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましい。
Aブロックは、後述の重合性紫外線吸収(色素)化合物部分をAブロックに有し、その他のモノマー単位がN−イソプロピルアクリルアミドのみであることが好ましい。
本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーにおけるBブロックは、エチレンオキシドをモノマー単位として有するポリマーである。その重合度は90以上であり、好ましくは100以上であり、より好ましくは220以上である。また、その重合度の上限は、特に限定されないが通常、4600以下であることが好ましく、より好ましくは3600以下である。
Bブロックは、エチレンオキシドのみをモノマー単位として有するものであってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリマーの任意の位置に他のモノマー単位を含んでもよい。他のモノマー単位としては、例えば、プロピレングリコール等の親水性モノマー単位が挙げられる。Bブロックがエチレンオキシド以外のモノマー単位を有する場合、その含有量はBブロック全体に対する重合度の比として0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましい。
好ましくは、Bブロックはエチレンオキシドのみをモノマー単位として有するポリエチレングリコール(以降「PEG」とも記す)である。
Bブロックは、エチレンオキシドのみをモノマー単位として有するものであってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリマーの任意の位置に他のモノマー単位を含んでもよい。他のモノマー単位としては、例えば、プロピレングリコール等の親水性モノマー単位が挙げられる。Bブロックがエチレンオキシド以外のモノマー単位を有する場合、その含有量はBブロック全体に対する重合度の比として0〜20%であることが好ましく、0〜15%であることがより好ましい。
好ましくは、Bブロックはエチレンオキシドのみをモノマー単位として有するポリエチレングリコール(以降「PEG」とも記す)である。
本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーの数平均分子量は、4000〜400000が好ましく、10000〜250000がより好ましい。
また、Aブロック1つの数平均分子量は、2000〜150000が好ましく、4000〜80000がより好ましく、Aブロックの数平均分子量の合計(a)は、4000〜300000が好ましく、8000〜200000がより好ましい。
また、Bブロックの数平均分子量(b)は、4000〜200000が好ましく、10000〜160000がより好ましい。
温度応答性ブロックコポリマー又はその各ブロックの数平均分子量が大きくなると、ゲル組成物の弾性率が大きくなる傾向があるため、ゲル組成物の設計に際しては該分子量の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
なお、ここで数平均分子量は、特に限定されないが、通常は、1H NMRにより測定・算出された値である。より具体的には、後述の実施例のように、重クロロホルムを溶媒として用いる1H NMRで、PEGのメチレンプロトン、PNIPAの側鎖のメチンプロトン等各モノマー単位固有のプロトンの積分比から算出することができる。
また、Aブロック1つの数平均分子量は、2000〜150000が好ましく、4000〜80000がより好ましく、Aブロックの数平均分子量の合計(a)は、4000〜300000が好ましく、8000〜200000がより好ましい。
また、Bブロックの数平均分子量(b)は、4000〜200000が好ましく、10000〜160000がより好ましい。
温度応答性ブロックコポリマー又はその各ブロックの数平均分子量が大きくなると、ゲル組成物の弾性率が大きくなる傾向があるため、ゲル組成物の設計に際しては該分子量の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
なお、ここで数平均分子量は、特に限定されないが、通常は、1H NMRにより測定・算出された値である。より具体的には、後述の実施例のように、重クロロホルムを溶媒として用いる1H NMRで、PEGのメチレンプロトン、PNIPAの側鎖のメチンプロトン等各モノマー単位固有のプロトンの積分比から算出することができる。
温度応答性ブロックコポリマーにおいて、Aブロックの数平均分子量の合計(a)と、Bブロックの数平均分子量(b)との比(a/b;以降「ブロック比」とも記す)は、好ましくは10.0以下であり、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは6.0以下、最も好ましくは4.0以下である。また、ブロック比の下限値は、後述する重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物からなる群から選ばれる1以上の化合物をモノマー単位としてさらに有する態様においては、特に限定されない。重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物からなる群から選ばれる1以上の化合物をモノマー単位として有しない態様においては、ブロック比の下限値は、好ましくは0.17以上であり、より好ましくは0.20以上である。
ブロック比を大きくすると、ゲル組成物の透明性が損なわれる場合がある。また、ブロック比を小さくすると、ゲル組成物の弾性率が小さくなる(柔らかくなる)傾向がある。そのため、ゲル組成物の設計に際してはブロック比の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
ブロック比を大きくすると、ゲル組成物の透明性が損なわれる場合がある。また、ブロック比を小さくすると、ゲル組成物の弾性率が小さくなる(柔らかくなる)傾向がある。そのため、ゲル組成物の設計に際してはブロック比の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーは、重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物からなる群から選ばれる1以上の化合物をモノマー単位としてさらに有することが好ましい。通常、重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物は疎水性であるため、かかるモノマー単位は本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーのAブロック内に含まれる。
かかるモノマー単位を含めることにより、ポリマーが形成するゲルの紫外線遮断性を向上させることができたり、色調を調整することができたりして、ヒトの水晶体にさらに近似させることができる。
かかるモノマー単位を含めることにより、ポリマーが形成するゲルの紫外線遮断性を向上させることができたり、色調を調整することができたりして、ヒトの水晶体にさらに近似させることができる。
本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーにおいて使用できる重合性紫外線吸収化合物としては、ベンゾフェノン骨格、トリアゾール骨格、又はトリアジン骨格を有する化合物等が挙げられ、例えば特開2003−253248号公報に開示のベンゾフェノン系重合性紫外線吸収剤や特許第2685980号公報に開示のベンゾトリアゾール系重合性紫外線吸収剤を使用することができる。具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−t−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2',4'−ジクロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2'−ヒドロキシ−
3'−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重
合性紫外線吸収剤;2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3'−t
−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ
−5'−(2”−メタクリロイルオキシエトキシ)−3'−t−ブチルフェニル)−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2”−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−ターシャリーブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール(Sb−7010MA)等のベンゾトリアゾール系重合性紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチル安息香酸フェニル等のサリチル酸誘導体系重合性紫外線吸収剤;2−シアノ−3−フェニル−3−(3'−(メタ)アクリロイ
ルオキシフェニル)プロペニル酸メチルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
3'−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重
合性紫外線吸収剤;2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3'−t
−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ
−5'−(2”−メタクリロイルオキシエトキシ)−3'−t−ブチルフェニル)−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2”−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−ターシャリーブチルフェニル]−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾール(Sb−7010MA)等のベンゾトリアゾール系重合性紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチル安息香酸フェニル等のサリチル酸誘導体系重合性紫外線吸収剤;2−シアノ−3−フェニル−3−(3'−(メタ)アクリロイ
ルオキシフェニル)プロペニル酸メチルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合性色素化合物としては、例えば特開平10−251537号公報に開示のアゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、フタロシアニン系の重合性色素を使用することができる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合性アゾ系色素の具体例としては、例えば、1−フェニルアゾ−4−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−フェニルアゾ−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−ナフチルアゾ−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−(α−アントリルアゾ)−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−((4'−(フェニルアゾ)−フェニル)アゾ)−2−ヒド
ロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−(2',4'−キシリルアゾ)−2−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−(o−トリルアゾ)−2−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、2−(m−(メタ)アクリロイルアミド−アニリノ)−4,6−ビス(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2−(m−ビニルアニリノ)−4−(4'−ニトロフェニルアゾ)−アニリノ)−
6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチルオキシ)−4−(m−ビニルアニリノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−(p−ビニルアニリノ)−4−(1'−(o−トリルアゾ)−2'ナフチルアミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、N−(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチル)−3
−ビニルフタル酸モノアミド、N−(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチル)−6−ビニルフタル酸モノアミド、3−ビニルフタル酸−(4'−(p−スルホフェニルアゾ)
−1'−ナフチル)モノエステル、6−ビニルフタル酸−(4'−(p−スルホフェニルアゾ)−1'−ナフチル)モノエステル、3−(メタ)アクリロイルアミド−4−フェニル
アゾフェノール、3−(メタ)アクリロイルアミド−4−(8'−ヒドロキシ−3',6'
−ジスルホ−1'−ナフチルアゾ)−フェノール、3−(メタ)アクリロイルアミド−4
−(1'−フェニルアゾ−2'−ナフチルアゾ)−フェノール、3−(メタ)アクリロイルアミド−4−(p−トリルアゾ)フェノール、2−アミノ−4−(m−(2'−ヒドロキ
シ−1'−ナフチルアゾ)アニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、
2−アミノ−4−(N−メチル−p−(2'−ヒドロキシ−1'−ナフチルアゾ)アニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(m−(4'−ヒ
ドロキシ−1'−フェニルアゾ)アニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリア
ジン、2−アミノ−4−(N−メチル−p−(4'−ヒドロキシフェニルアゾ)アニリノ
)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(m−(3'−メ
チル−1'−フェニル−5'−ヒドロキシ−4'−ピラゾリルアゾ)アニリノ)−6−イソ
プロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(N−メチル−p−(3'−メ
チル−1'−フェニル−5'−ヒドロキシ−4'−ピラゾリルアゾ)アニリノ)−6−イソ
プロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(p−フェニルアゾアニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、4−フェニルアゾ−7−(メタ)アクリロイルアミド−1−ナフトール等が挙げられる。
重合性アゾ系色素の具体例としては、例えば、1−フェニルアゾ−4−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−フェニルアゾ−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−ナフチルアゾ−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−(α−アントリルアゾ)−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−((4'−(フェニルアゾ)−フェニル)アゾ)−2−ヒド
ロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−(2',4'−キシリルアゾ)−2−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1−(o−トリルアゾ)−2−(メタ)アクリロイルオキシナフタレン、2−(m−(メタ)アクリロイルアミド−アニリノ)−4,6−ビス(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2−(m−ビニルアニリノ)−4−(4'−ニトロフェニルアゾ)−アニリノ)−
6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチルオキシ)−4−(m−ビニルアニリノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−(p−ビニルアニリノ)−4−(1'−(o−トリルアゾ)−2'ナフチルアミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、N−(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチル)−3
−ビニルフタル酸モノアミド、N−(1'−(o−トリルアゾ)−2'−ナフチル)−6−ビニルフタル酸モノアミド、3−ビニルフタル酸−(4'−(p−スルホフェニルアゾ)
−1'−ナフチル)モノエステル、6−ビニルフタル酸−(4'−(p−スルホフェニルアゾ)−1'−ナフチル)モノエステル、3−(メタ)アクリロイルアミド−4−フェニル
アゾフェノール、3−(メタ)アクリロイルアミド−4−(8'−ヒドロキシ−3',6'
−ジスルホ−1'−ナフチルアゾ)−フェノール、3−(メタ)アクリロイルアミド−4
−(1'−フェニルアゾ−2'−ナフチルアゾ)−フェノール、3−(メタ)アクリロイルアミド−4−(p−トリルアゾ)フェノール、2−アミノ−4−(m−(2'−ヒドロキ
シ−1'−ナフチルアゾ)アニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、
2−アミノ−4−(N−メチル−p−(2'−ヒドロキシ−1'−ナフチルアゾ)アニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(m−(4'−ヒ
ドロキシ−1'−フェニルアゾ)アニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリア
ジン、2−アミノ−4−(N−メチル−p−(4'−ヒドロキシフェニルアゾ)アニリノ
)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(m−(3'−メ
チル−1'−フェニル−5'−ヒドロキシ−4'−ピラゾリルアゾ)アニリノ)−6−イソ
プロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(N−メチル−p−(3'−メ
チル−1'−フェニル−5'−ヒドロキシ−4'−ピラゾリルアゾ)アニリノ)−6−イソ
プロペニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−(p−フェニルアゾアニリノ)−6−イソプロペニル−1,3,5−トリアジン、4−フェニルアゾ−7−(メタ)アクリロイルアミド−1−ナフトール等が挙げられる。
重合性アントラキノン系色素の具体例としては、例えば、1,5−ビス((メタ)アクリロイルアミノ)−9,10−アントラキノン、1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)
−9,10−アントラキノン、4−アミノ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9
,10−アントラキノン、5−アミノ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,1
0−アントラキノン、8−アミノ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−
アントラキノン、4−ニトロ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アン
トラキノン、4−ヒドロキシ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アン
トラキノン、1−(3'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−
(2'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−(4'−イソプロペニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−(3'−イソプロペニルベン
ゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−(2'−イソプロペニルベンゾイルア
ミド)−9,10−アントラキノン、1,4−ビス(4'−ビニルベンゾイルアミド)−
9,10−アントラキノン、1,4−ビス(4'−イソプロペニルベンゾイルアミド)−
9,10−アントラキノン、1,5'−ビス(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1,5−ビス(4'−イソプロペニルベンゾイルアミド)−9,10
−アントラキノン、1−メチルアミノ−4−(3'−ビニルベンゾイルアミド)−9,1
0−アントラキノン、1−メチルアミノ−4−(4'−ビニルベンゾイルオキシエチルア
ミノ)−9,10−アントラキノン、1−アミノ−4−(3'−ビニルフェニルアミノ)
−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−(4'−ビニルフェニ
ルアミノ)−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−(2'−ビ
ニルベンジルアミノ)−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−(3'−(メタ)アクリロイルアミノフェニルアミノ)−9,10−アントラキノン−2
−スルホン酸、1−アミノ−4−(3'−(メタ)アクリロイルアミノベンジルアミノ)
−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−(β−エトキシカルボニルアリルアミノ)−9,10−アントラキノン、1−(β−カルボキシアリルアミノ)−9,10−アントラキノン、1,5−ジ−(β−カルボキシアリルアミノ)−9,10−アントラキノン、1−(β−イソプロポキシカルボニルアリルアミノ)−5−ベンゾイルアミド−9,10−アントラキノン、2−(3'−(メタ)アクリロイルアミド−アニリノ)−4−
(3'−(3”−スルホ−4”−アミノアントラキノン−1”−イル)−アミノ−アニリ
ノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−(3'−(メタ)アクリロイルアミド
−アニリノ)−4−(3'−(3”−スルホ−4”−アミノアントラキノン−1”−イル
)−アミノ−アニリノ)−6−ヒドラジノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−((4”−メトキシアントラキノン−1”−イル)−アミノ)−6−(3'−ビニルアニリ
ノ)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ビニルフェノキシ)−4−(4'−(3”−スルホ−4”−アミノアントラキノン−1”−イル−アミノ)−アニリノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
重合性ニトロ系色素の具体例としては、例えば、o−ニトロアニリノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性フタロシアニン系色素の具体例としては、例えば(メタ)アクリロイル化テトラアミノ銅フタロシアニン、(メタ)アクリロイル化(ドデカノイル化テトラアミノ銅フタロシアニン)等が挙げられる。
−9,10−アントラキノン、4−アミノ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9
,10−アントラキノン、5−アミノ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,1
0−アントラキノン、8−アミノ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−
アントラキノン、4−ニトロ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アン
トラキノン、4−ヒドロキシ−1−(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アン
トラキノン、1−(3'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−
(2'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−(4'−イソプロペニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−(3'−イソプロペニルベン
ゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1−(2'−イソプロペニルベンゾイルア
ミド)−9,10−アントラキノン、1,4−ビス(4'−ビニルベンゾイルアミド)−
9,10−アントラキノン、1,4−ビス(4'−イソプロペニルベンゾイルアミド)−
9,10−アントラキノン、1,5'−ビス(4'−ビニルベンゾイルアミド)−9,10−アントラキノン、1,5−ビス(4'−イソプロペニルベンゾイルアミド)−9,10
−アントラキノン、1−メチルアミノ−4−(3'−ビニルベンゾイルアミド)−9,1
0−アントラキノン、1−メチルアミノ−4−(4'−ビニルベンゾイルオキシエチルア
ミノ)−9,10−アントラキノン、1−アミノ−4−(3'−ビニルフェニルアミノ)
−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−(4'−ビニルフェニ
ルアミノ)−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−(2'−ビ
ニルベンジルアミノ)−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−(3'−(メタ)アクリロイルアミノフェニルアミノ)−9,10−アントラキノン−2
−スルホン酸、1−アミノ−4−(3'−(メタ)アクリロイルアミノベンジルアミノ)
−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸、1−(β−エトキシカルボニルアリルアミノ)−9,10−アントラキノン、1−(β−カルボキシアリルアミノ)−9,10−アントラキノン、1,5−ジ−(β−カルボキシアリルアミノ)−9,10−アントラキノン、1−(β−イソプロポキシカルボニルアリルアミノ)−5−ベンゾイルアミド−9,10−アントラキノン、2−(3'−(メタ)アクリロイルアミド−アニリノ)−4−
(3'−(3”−スルホ−4”−アミノアントラキノン−1”−イル)−アミノ−アニリ
ノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2−(3'−(メタ)アクリロイルアミド
−アニリノ)−4−(3'−(3”−スルホ−4”−アミノアントラキノン−1”−イル
)−アミノ−アニリノ)−6−ヒドラジノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス−((4”−メトキシアントラキノン−1”−イル)−アミノ)−6−(3'−ビニルアニリ
ノ)−1,3,5−トリアジン、2−(2'−ビニルフェノキシ)−4−(4'−(3”−スルホ−4”−アミノアントラキノン−1”−イル−アミノ)−アニリノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
重合性ニトロ系色素の具体例としては、例えば、o−ニトロアニリノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性フタロシアニン系色素の具体例としては、例えば(メタ)アクリロイル化テトラアミノ銅フタロシアニン、(メタ)アクリロイル化(ドデカノイル化テトラアミノ銅フタロシアニン)等が挙げられる。
重合性紫外線吸収色素化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシ−3(p−スチレノアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−スチレノアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(p−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(p−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(p−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(o−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(o−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(o−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(o−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(o−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(o−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(p−(N,N−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−(N,N−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(o−(N,N−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(o−(N,N−ジ(メタ)アクリロイルエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(p−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(o−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(o−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(p−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(p−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3−(o−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(o−(N−エチル−N−(メタ)アクリロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−5−(4−(2−(N−2−メタクリロイルオキシエチル)カルバモイルオキシ)エチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン(BMAC)、2,4−ジヒドロキシ−5−[4−[2−(メタクリルアミド)エチル]フェニルアゾ]ベンゾフェノン(HBZ−PHM)等のベンゾフェノン系重合性紫外線吸収色
素や、2−ヒドロキシ−4−(p−スチレノアゾ)安息香酸フェニル等の安息香酸系重合性紫外線吸収色素等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、これらの含有量としては、ポリマー全体に対して合計で0.001〜5.0mol%であることが好ましく、0.002〜1.0mol%であることがより好ましい。
素や、2−ヒドロキシ−4−(p−スチレノアゾ)安息香酸フェニル等の安息香酸系重合性紫外線吸収色素等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、これらの含有量としては、ポリマー全体に対して合計で0.001〜5.0mol%であることが好ましく、0.002〜1.0mol%であることがより好ましい。
本発明に係る温度応答性ブロックコポリマーの製造方法は特に限定されず、通常のブロックコポリマーの製造方法により取得することができる。
例えば、チオカルボニル化合物等の連鎖移動剤(RAFT剤)を用いたリビングラジカル重合により、予め用意したBブロック(PEG鎖)に対して、NIPAモノマー等を付加してAブロックを重合した後、末端のRAFT剤をラジカル剤で除去することにより製造することができる。
重合反応によって得られるポリマーは、通常分子量にばらつきが生じ得るが、本発明の好ましい態様において分子量分布は小さい方が好ましく、例えば多分散指数(PDI)が2.8以下であることが好ましく、2.2以下であることがより好ましい。
例えば、チオカルボニル化合物等の連鎖移動剤(RAFT剤)を用いたリビングラジカル重合により、予め用意したBブロック(PEG鎖)に対して、NIPAモノマー等を付加してAブロックを重合した後、末端のRAFT剤をラジカル剤で除去することにより製造することができる。
重合反応によって得られるポリマーは、通常分子量にばらつきが生じ得るが、本発明の好ましい態様において分子量分布は小さい方が好ましく、例えば多分散指数(PDI)が2.8以下であることが好ましく、2.2以下であることがより好ましい。
本発明のゲル組成物における前記温度応答性ブロックコポリマーの濃度は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、濃度上限は、特に限定されないが、通常は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明のゲル組成物における溶媒は、通常は水である。
なお、本発明のゲル組成物における溶媒は、通常は水である。
また、本発明のゲル組成物は、前記温度応答性ブロックコポリマーに加えて、ポリエチレングリコールを含有してもよい。前記温度応答性ブロックコポリマーの濃度を大きくするとゲル組成物の屈折率を大きくすることができ所望の範囲を実現させ得る一方、ゲル組成物の弾性率が大きくなりすぎる場合があるところ、ポリエチレングリコールと併用することにより屈折率を低下させることなく弾性率が大きくならず所望の範囲に収めることができる。
ここで、ポリエチレングリコールの数平均分子量は、300以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。また、50000以下であることが好ましく、35000以下であることがより好ましい。
なお、ポリエチレングリコール以外の水溶性ポリマーを用いることは排除されないが、組成物のゲル化に難が生じる場合や組成物の透明性を損なう場合があるため、実質的に含有しないこと、例えば濃度が5質量%以下であるのが好ましい。
ここで、ポリエチレングリコールの数平均分子量は、300以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。また、50000以下であることが好ましく、35000以下であることがより好ましい。
なお、ポリエチレングリコール以外の水溶性ポリマーを用いることは排除されないが、組成物のゲル化に難が生じる場合や組成物の透明性を損なう場合があるため、実質的に含有しないこと、例えば濃度が5質量%以下であるのが好ましい。
本発明のゲル組成物においてポリエチレングリコールを含有させる場合、その濃度は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、濃度上限は、特に限定されないが、通常は50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。
本発明のゲル組成物における前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの合計濃度は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、濃度上限は、特に限定されないが、通常は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
該合計濃度が大きくなると、ゲル組成物の弾性率が大きくなる(硬くなる)傾向があるため、ゲル組成物の設計に際しては該合計濃度の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
また、本発明のゲル組成物における前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの含有量の質量比は、15:1〜1:2であることが好ましく、11:1〜1:1であることがより好ましい。
本発明のゲル組成物における前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの合計濃度は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、濃度上限は、特に限定されないが、通常は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
該合計濃度が大きくなると、ゲル組成物の弾性率が大きくなる(硬くなる)傾向があるため、ゲル組成物の設計に際しては該合計濃度の大きさを上記範囲内で適宜調整すればよい。
また、本発明のゲル組成物における前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの含有量の質量比は、15:1〜1:2であることが好ましく、11:1〜1:1であることがより好ましい。
本発明のゲル組成物は、温度応答性を有し、該温度応答性は通常は可逆的である。ここで温度応答性とは、ポリマー水溶液がゾル−ゲル転移温度を有し、ポリマー溶液の温度変化に応じてゾル−ゲル相転移が生じる性質をいう。本発明のゲル組成物は、転移温度である下限臨界溶液温度(LCST)より低温側ではゾル状態であり、LCSTより高温側で凝集・相分離して水に不溶なゲルを生じる。なお、組成物の相は、通常、傾けたときに流動性がある場合にゾル状態であると判断し、流動性がない場合にゲル状態であると判断することができる。
本発明において、前記転移温度は5〜80℃であることが種々の用途への適用の観点から好ましい。また、15〜45℃であることがより好ましく、20〜35℃であることがさらに好ましい。すなわち、体温付近においてゾル−ゲル転移が生じ得るため、水晶体置換術の際に、本発明のゲル組成物は、水晶体嚢へゾル状態で注入された後に、体温に応答してゲル化して、人工水晶体として機能し得ることになる。
本発明において、前記転移温度は5〜80℃であることが種々の用途への適用の観点から好ましい。また、15〜45℃であることがより好ましく、20〜35℃であることがさらに好ましい。すなわち、体温付近においてゾル−ゲル転移が生じ得るため、水晶体置換術の際に、本発明のゲル組成物は、水晶体嚢へゾル状態で注入された後に、体温に応答してゲル化して、人工水晶体として機能し得ることになる。
本発明のゲル組成物は、前記性質a)、b)及びc)を満たし、かつ本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記の他の成分を任意に含有してもよい。他の成分としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩等が挙げられる。
また、チタン原子、硫黄原子又はハロゲン原子を有する物質を含有させると屈折率を高めることができるが、組成物のゲル化が困難になる場合がある。
また、チタン原子、硫黄原子又はハロゲン原子を有する物質を含有させると屈折率を高めることができるが、組成物のゲル化が困難になる場合がある。
以下、本発明について実施例を挙げより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、特に断りがない限り、水溶液濃度は「質量%」を表すものとする。
なお、特に断りがない限り、水溶液濃度は「質量%」を表すものとする。
<合成例1> ポリエチレングリコール(PEG)35000系高分子開始剤(PE35KI)の合成
連鎖移動剤(CTA)である2−(Dodecylthiocarbonothioylthio)−2−methylpropionic acid(1.71g)とジクロロメタン(20mL)を三口フラスコにいれて二塩化オキサリル(2.80mL)をアルゴン雰囲気下で滴下し、二時間攪拌後に溶媒を留去させた。
トルエン/ヘキサンの混合溶媒による再沈法で精製したPEG(シグマアルドリッチ社製:Mn35000)(11.7g)をジクロロメタン(120mL)に溶解し、三口フラスコへ滴下した。室温で20時間攪拌した後、反応液をn−ヘキサンによって再沈殿させた。多量のn−ヘキサンで沈殿物を洗浄した。メンブランフィルターで濾過を行い、真空乾燥後に黄色固形物(PE35KI 10.4g)を得た。
連鎖移動剤(CTA)である2−(Dodecylthiocarbonothioylthio)−2−methylpropionic acid(1.71g)とジクロロメタン(20mL)を三口フラスコにいれて二塩化オキサリル(2.80mL)をアルゴン雰囲気下で滴下し、二時間攪拌後に溶媒を留去させた。
トルエン/ヘキサンの混合溶媒による再沈法で精製したPEG(シグマアルドリッチ社製:Mn35000)(11.7g)をジクロロメタン(120mL)に溶解し、三口フラスコへ滴下した。室温で20時間攪拌した後、反応液をn−ヘキサンによって再沈殿させた。多量のn−ヘキサンで沈殿物を洗浄した。メンブランフィルターで濾過を行い、真空乾燥後に黄色固形物(PE35KI 10.4g)を得た。
<合成例2> トリブロックコポリマー(TH)の重合
ナス型フラスコにPE35KI(11.9g)とNIPAAm(17.0g)、Sb−7010MA(67.4mg)をメタノール(100mL)と共に入れて溶解した。窒素
置換後にAIBN(11.2mg)を添加して60℃で72時間攪拌した。重合後、エバポレーターにより濃縮し、ジクロロメタン(150mL)を加えて希釈した。反応液を多量のn−ヘキサン中で再沈殿させた後、フィルター濾過をし、真空乾燥後に淡黄色固形物(28.0g)を得た。次に、ナス型フラスコに淡黄色固形物(28.0g)、2−プロパノール(230mL)を入れ、攪拌脱気した後AIBN(2.23g)を添加し、60℃で23時間攪拌した。重合液を濃縮した後、ジクロロメタン(150mL)を入れて重合液をn−ヘキサン中で再沈殿させた。沈殿物を分離し、真空乾燥後に水溶液にして透析精製した。精製したポリマーを凍結乾燥し、白色固形物(TH 26.2g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.00(br,CH PNIPA),3.65(br,CH2 PEG),1.64〜1.81(br,CH2 PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
ナス型フラスコにPE35KI(11.9g)とNIPAAm(17.0g)、Sb−7010MA(67.4mg)をメタノール(100mL)と共に入れて溶解した。窒素
置換後にAIBN(11.2mg)を添加して60℃で72時間攪拌した。重合後、エバポレーターにより濃縮し、ジクロロメタン(150mL)を加えて希釈した。反応液を多量のn−ヘキサン中で再沈殿させた後、フィルター濾過をし、真空乾燥後に淡黄色固形物(28.0g)を得た。次に、ナス型フラスコに淡黄色固形物(28.0g)、2−プロパノール(230mL)を入れ、攪拌脱気した後AIBN(2.23g)を添加し、60℃で23時間攪拌した。重合液を濃縮した後、ジクロロメタン(150mL)を入れて重合液をn−ヘキサン中で再沈殿させた。沈殿物を分離し、真空乾燥後に水溶液にして透析精製した。精製したポリマーを凍結乾燥し、白色固形物(TH 26.2g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.00(br,CH PNIPA),3.65(br,CH2 PEG),1.64〜1.81(br,CH2 PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
<合成例3> トリブロックコポリマー(TA)の重合
ナス型フラスコにPE35KI(12.0g)とNIPAAm(8.91g)、Sb−7010MA (8.65mg)を入れてメタノール(100mL)で溶解させた。窒素置換後、AIBN(11.2mg)を添加して60℃で70時間攪拌した。反応後にエバポレーターにより濃縮を行い、ジクロロメタン(150mL)で固形物を溶解させた。反応液を多量のn−ヘキサンで沈殿し、洗浄を行った。沈殿物を真空乾燥した結果、淡黄色固形物(20.0g)を得た。次に、この固形物をナス型フラスコ内で2−プロパノール(160mL)に溶解し、窒素置換を行った後、AIBN(2.25g)を入れて密封した。60℃で48時間攪拌を行った。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(100mL)で溶解し、n−ヘキサン中でポリマーを沈殿させた。沈殿物を分離、乾燥後に水溶液にした。精製水で透析を行い、最終的に凍結乾燥して白色固形物(TA 18.4g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.01(br,CH PNIPA),3.65(br, CH2 PEG),1.64〜1.82(br,CH2
PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
ナス型フラスコにPE35KI(12.0g)とNIPAAm(8.91g)、Sb−7010MA (8.65mg)を入れてメタノール(100mL)で溶解させた。窒素置換後、AIBN(11.2mg)を添加して60℃で70時間攪拌した。反応後にエバポレーターにより濃縮を行い、ジクロロメタン(150mL)で固形物を溶解させた。反応液を多量のn−ヘキサンで沈殿し、洗浄を行った。沈殿物を真空乾燥した結果、淡黄色固形物(20.0g)を得た。次に、この固形物をナス型フラスコ内で2−プロパノール(160mL)に溶解し、窒素置換を行った後、AIBN(2.25g)を入れて密封した。60℃で48時間攪拌を行った。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(100mL)で溶解し、n−ヘキサン中でポリマーを沈殿させた。沈殿物を分離、乾燥後に水溶液にした。精製水で透析を行い、最終的に凍結乾燥して白色固形物(TA 18.4g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.01(br,CH PNIPA),3.65(br, CH2 PEG),1.64〜1.82(br,CH2
PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
<合成例4> トリブロックコポリマー(TJ)の重合
ナス型フラスコにPE35KI(11.4g)とNIPAAm(5.72g)、Sb−7010MA(7.62mg)を入れてメタノール(100mL)で溶解させた。窒素置換後、AIBN(10.7mg)を添加して60℃で71時間攪拌した。エバポレーターにより反応液の濃縮を行い、ジクロロメタン(150mL)を入れて固形物を溶解させた。反応液を多量のn−ヘキサン中で再沈殿し、沈殿物の洗浄を行った。沈殿物を真空乾燥した結果、淡黄色固形物(16.3g)を得た。次に、この固形物をナス型フラスコ内で2−プロパノール(130mL)に溶解し、窒素置換を行った後、AIBN(2.14g)を入れて密封した。60℃で24時間攪拌を行った。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(100mL)で溶解し、n−ヘキサン中でポリマーを沈殿させた。濾過を行って沈殿物を分離した後、真空乾燥した。固形物を水溶液にして精製水で透析を行った。最終的に凍結乾燥して白色固形物(TJ 15.1g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.01(br,CH PNIPA),3.65(br, CH2 PEG),1.64〜1.83(br,CH2
PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
ナス型フラスコにPE35KI(11.4g)とNIPAAm(5.72g)、Sb−7010MA(7.62mg)を入れてメタノール(100mL)で溶解させた。窒素置換後、AIBN(10.7mg)を添加して60℃で71時間攪拌した。エバポレーターにより反応液の濃縮を行い、ジクロロメタン(150mL)を入れて固形物を溶解させた。反応液を多量のn−ヘキサン中で再沈殿し、沈殿物の洗浄を行った。沈殿物を真空乾燥した結果、淡黄色固形物(16.3g)を得た。次に、この固形物をナス型フラスコ内で2−プロパノール(130mL)に溶解し、窒素置換を行った後、AIBN(2.14g)を入れて密封した。60℃で24時間攪拌を行った。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(100mL)で溶解し、n−ヘキサン中でポリマーを沈殿させた。濾過を行って沈殿物を分離した後、真空乾燥した。固形物を水溶液にして精製水で透析を行った。最終的に凍結乾燥して白色固形物(TJ 15.1g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.01(br,CH PNIPA),3.65(br, CH2 PEG),1.64〜1.83(br,CH2
PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
<合成例5> トリブロックコポリマー(TN)の重合
ナス型フラスコにPE35KI(12.0g)とNIPAAm(17.3g)、Sb−7010MA(68.4mg)を入れてメタノール(100mL)で溶解させた。窒素置換後、AIBN(11.3mg)を添加して60℃で70時間攪拌した。反応液の濃縮後、ジクロロメタン(150mL)を入れて固形物を溶解させた。反応液を多量のn−ヘキサン中で再沈殿を行い洗浄した。真空乾燥後、淡黄色固形物(29.0g)を得た。次に、ナス型フラスコに固形物を入れて、2−プロパノール(240mL)で溶解した。窒素置換後、AIBN(2.27g)を入れて、60℃で24時間攪拌を行った。反応液をエバポレーターで濃縮し、ジクロロメタン(100mL)で溶解した。多量のn−ヘキサン中でポリマーを沈殿させた後、濾過を行って真空乾燥した。その固形物を水溶液にし、透析を行った。最終的に凍結乾燥して白色固形物(TN 27.5g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.00(br,CH PNIPA),3.65(br, CH2 PEG),1.64〜1.81(br,CH2
PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
ナス型フラスコにPE35KI(12.0g)とNIPAAm(17.3g)、Sb−7010MA(68.4mg)を入れてメタノール(100mL)で溶解させた。窒素置換後、AIBN(11.3mg)を添加して60℃で70時間攪拌した。反応液の濃縮後、ジクロロメタン(150mL)を入れて固形物を溶解させた。反応液を多量のn−ヘキサン中で再沈殿を行い洗浄した。真空乾燥後、淡黄色固形物(29.0g)を得た。次に、ナス型フラスコに固形物を入れて、2−プロパノール(240mL)で溶解した。窒素置換後、AIBN(2.27g)を入れて、60℃で24時間攪拌を行った。反応液をエバポレーターで濃縮し、ジクロロメタン(100mL)で溶解した。多量のn−ヘキサン中でポリマーを沈殿させた後、濾過を行って真空乾燥した。その固形物を水溶液にし、透析を行った。最終的に凍結乾燥して白色固形物(TN 27.5g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.00(br,CH PNIPA),3.65(br, CH2 PEG),1.64〜1.81(br,CH2
PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
<合成例6> トリブロックコポリマー(TK)の重合
ナス型フラスコにPE35KI(11.0g)、NIPAAm(7.85g)とSb−7010MA(51.2mg)をメタノール(75mL)と共に入れて仕込み液とした。
窒素置換を行った後、AIBN(10.3mg)を添加して60℃で62時間攪拌した。反応後、エバポレーターにより濃縮し、ジクロロメタン(150mL)に溶解した。反応液を多量のn−ヘキサンで沈殿させて洗浄した。固形物をメンブランフィルターに濾過した後、真空乾燥を行い、淡黄色固形物(18.3g)を得た。ナス型フラスコに淡黄色固形物(18.3g)、2−プロパノール(150mL)を入れ、攪拌脱気した後AIBN(0.69g)を添加し、60℃で15時間攪拌した。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(150mL)を入れてn−ヘキサン中で再沈殿させた。沈殿物を分離、乾燥後に水溶液にして透析精製した。精製したポリマーを凍結乾燥して白色固形物(TK 14.5g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.01(br,CH PNIPA),3.65(br,CH2 PEG),1.64〜1.84(br,CH2 PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
ナス型フラスコにPE35KI(11.0g)、NIPAAm(7.85g)とSb−7010MA(51.2mg)をメタノール(75mL)と共に入れて仕込み液とした。
窒素置換を行った後、AIBN(10.3mg)を添加して60℃で62時間攪拌した。反応後、エバポレーターにより濃縮し、ジクロロメタン(150mL)に溶解した。反応液を多量のn−ヘキサンで沈殿させて洗浄した。固形物をメンブランフィルターに濾過した後、真空乾燥を行い、淡黄色固形物(18.3g)を得た。ナス型フラスコに淡黄色固形物(18.3g)、2−プロパノール(150mL)を入れ、攪拌脱気した後AIBN(0.69g)を添加し、60℃で15時間攪拌した。反応液を濃縮後、ジクロロメタン(150mL)を入れてn−ヘキサン中で再沈殿させた。沈殿物を分離、乾燥後に水溶液にして透析精製した。精製したポリマーを凍結乾燥して白色固形物(TK 14.5g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.01(br,CH PNIPA),3.65(br,CH2 PEG),1.64〜1.84(br,CH2 PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
<合成例7>ポリエチレングリコール(PEG)60000系高分子開始剤(PE60KI)の合成
連鎖移動剤(CTA)である2−(Dodecylthiocarbonothioylthio)−2−methylpropionic acid(0.97g)とジクロロメタン(20mL)を三口フラスコにいれてアルゴン雰囲気下で二塩化オキサリル(1.60mL)を注入した後、二時間攪拌した。再沈殿法で精製したPEG(明成化学工業(株)製:分子量60000)(12.2g)をジクロロメタン(140mL)に溶解し、三口フラスコへ滴下した。室温で62時間攪拌した後、反応液をn−ヘキサンによって再沈殿した。多量のn−ヘキサンで沈殿物を洗浄した。メンブランフィルターで濾過を行い、真空乾燥後に黄色固形物(PE60KI 10.5g)を得た。
連鎖移動剤(CTA)である2−(Dodecylthiocarbonothioylthio)−2−methylpropionic acid(0.97g)とジクロロメタン(20mL)を三口フラスコにいれてアルゴン雰囲気下で二塩化オキサリル(1.60mL)を注入した後、二時間攪拌した。再沈殿法で精製したPEG(明成化学工業(株)製:分子量60000)(12.2g)をジクロロメタン(140mL)に溶解し、三口フラスコへ滴下した。室温で62時間攪拌した後、反応液をn−ヘキサンによって再沈殿した。多量のn−ヘキサンで沈殿物を洗浄した。メンブランフィルターで濾過を行い、真空乾燥後に黄色固形物(PE60KI 10.5g)を得た。
<合成例8> トリブロックコポリマー(TP)の重合
高分子開始剤PE60KI(10.9g)とNIPAAm(12.7g)、Sb−7010MA(118mg)をメタノール(100mL)に溶解した。窒素置換後、AIBN(6.3mg)を添加し、60℃で66時間攪拌した。反応液を濃縮後、トルエンで溶媒置換してn−ヘキサンで再沈殿した。濾過、真空乾燥して得られた固形物(22.8g)を、CTAを除去するため、2−プロパノール(180mL)に溶解し、窒素置換後AIBN(357mg)を入れて60℃20時間で攪拌した。反応液を再度、濃縮してジクロロメタンで希釈後、n−ヘキサンで再沈殿した。乾燥して得られたポリマーを蒸留水に溶解して透析し、最終的に凍結乾燥を行って白色固形物(TP 20.1g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.00(br,CH PNIPA),3.65(br,CH2 PEG),1.64(br,CH2 PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
高分子開始剤PE60KI(10.9g)とNIPAAm(12.7g)、Sb−7010MA(118mg)をメタノール(100mL)に溶解した。窒素置換後、AIBN(6.3mg)を添加し、60℃で66時間攪拌した。反応液を濃縮後、トルエンで溶媒置換してn−ヘキサンで再沈殿した。濾過、真空乾燥して得られた固形物(22.8g)を、CTAを除去するため、2−プロパノール(180mL)に溶解し、窒素置換後AIBN(357mg)を入れて60℃20時間で攪拌した。反応液を再度、濃縮してジクロロメタンで希釈後、n−ヘキサンで再沈殿した。乾燥して得られたポリマーを蒸留水に溶解して透析し、最終的に凍結乾燥を行って白色固形物(TP 20.1g)を得た。
1H NMR (400MHz,CDCl3,δ,ppm):4.00(br,CH PNIPA),3.65(br,CH2 PEG),1.64(br,CH2 PNIPA),1.14(br,CH3 PNIPA)
<試験例1> キャラクタリゼーション
前記合成例で得られた各トリブロックコポリマーの重合度は、1H NMR測定(株式会社 JEOL RESONANCE JNM−ECX400)によりPEGのメチレンプロトン(−CH2−CH2−, 3.6ppm)、PNIPAの側鎖のメチンプロトン(−CH, 3.9〜4.0ppm)の積分比から算出した。溶媒は、重クロロホルムを使用した。
また、各トリブロックコポリマーについて、GPC測定(Aggilent1100 AMR GPC/SECシステム)を行い、ポリマーの多分散指数(PDI)を調べた。溶離液は、ジメチルホルムアミドを使用した。
各トリブロックコポリマーの特性値を表1に示す。
前記合成例で得られた各トリブロックコポリマーの重合度は、1H NMR測定(株式会社 JEOL RESONANCE JNM−ECX400)によりPEGのメチレンプロトン(−CH2−CH2−, 3.6ppm)、PNIPAの側鎖のメチンプロトン(−CH, 3.9〜4.0ppm)の積分比から算出した。溶媒は、重クロロホルムを使用した。
また、各トリブロックコポリマーについて、GPC測定(Aggilent1100 AMR GPC/SECシステム)を行い、ポリマーの多分散指数(PDI)を調べた。溶離液は、ジメチルホルムアミドを使用した。
各トリブロックコポリマーの特性値を表1に示す。
合成したトリブロックコポリマーと、ポリエチレングリコール(PEG)とを所定の量蒸留水に溶解した水溶液(以降「ポリマー水溶液」という)を調製し、後述の試験例2〜5にしたがって組成物の物性を検討した。
なお、使用したPEGは、表2に示すものである。
なお、使用したPEGは、表2に示すものである。
<試験例2> 相転移
調製したポリマー水溶液を、ガラス製スクリュー管(容積:2mL)に1mLずつ注入して密栓した。
恒温循環槽に付属させたウォータージャケット付きのガラスセル中に、サンプルを密封したスクリュー管を静置し、所定の温度に設定した。熱平衡後にスクリュー管を上下逆に転置した後に静置し、ポリマー水溶液の流動性の有無を目視によって観察した。温度は低温から高温へ順次設定し、流動性がある場合はゾル状態、流動性が消失した場合はゲル状態であると判断し、相転移温度を調べた。
調製したポリマー水溶液を、ガラス製スクリュー管(容積:2mL)に1mLずつ注入して密栓した。
恒温循環槽に付属させたウォータージャケット付きのガラスセル中に、サンプルを密封したスクリュー管を静置し、所定の温度に設定した。熱平衡後にスクリュー管を上下逆に転置した後に静置し、ポリマー水溶液の流動性の有無を目視によって観察した。温度は低温から高温へ順次設定し、流動性がある場合はゾル状態、流動性が消失した場合はゲル状態であると判断し、相転移温度を調べた。
<試験例3> 屈折率
調製したポリマー水溶液について、屈折計(アタゴ(株) PAL−RI)を用いて20℃における屈折率(nD)を測定した。
調製したポリマー水溶液について、屈折計(アタゴ(株) PAL−RI)を用いて20℃における屈折率(nD)を測定した。
<試験例4> ずり弾性率
調製したポリマー水溶液について、回転型レオメーター(アントンパール社 MCR−301)により、パラレルプレート(直径:40mm、角周波数:10rad/s)を用いて、37℃におけるずり弾性率を測定した。定温でのひずみ分散測定を行い、線形粘弾性の変形量(〜15%)に対する応力から、弾性率を算出した。
調製したポリマー水溶液について、回転型レオメーター(アントンパール社 MCR−301)により、パラレルプレート(直径:40mm、角周波数:10rad/s)を用いて、37℃におけるずり弾性率を測定した。定温でのひずみ分散測定を行い、線形粘弾性の変形量(〜15%)に対する応力から、弾性率を算出した。
<試験例4> 透明性
調製したポリマー水溶液を、分光光度計((株)島津製作所 UV2700)を用いて、37℃における波長500nmの透過率を調べた。
調製したポリマー水溶液を、分光光度計((株)島津製作所 UV2700)を用いて、37℃における波長500nmの透過率を調べた。
(1)PEG分子量の影響の検討
トリブロックコポリマーTHとPEGとを所定の濃度で含む水溶液の物性を、表3〜5に示す。分子量が小さいPEGを用いる方が、組成物の透明性が良好になる傾向が認められた。ただし、PEG分子量が小さすぎると、弾性率が高くなり所望の範囲になりにくいことが認められた。また、ゲル転移温度及び屈折率には、PEGの分子量の影響はみられなかった。
トリブロックコポリマーTHとPEGとを所定の濃度で含む水溶液の物性を、表3〜5に示す。分子量が小さいPEGを用いる方が、組成物の透明性が良好になる傾向が認められた。ただし、PEG分子量が小さすぎると、弾性率が高くなり所望の範囲になりにくいことが認められた。また、ゲル転移温度及び屈折率には、PEGの分子量の影響はみられなかった。
(2)トリブロックコポリマーのブロック比の影響の検討
トリブロックコポリマーTA又はTJとPEGとを所定の濃度で含む水溶液の物性を、表6〜8に示す。分子量の小さいPEGを用いる場合でも、ブロック比の大きなトリブロックコポリマーを用いることでゲル化が可能となった。また、ブロックコポリマー濃度を大きくすることにより、単独で所望の物性を得られる場合も認められた。
トリブロックコポリマーTA又はTJとPEGとを所定の濃度で含む水溶液の物性を、表6〜8に示す。分子量の小さいPEGを用いる場合でも、ブロック比の大きなトリブロックコポリマーを用いることでゲル化が可能となった。また、ブロックコポリマー濃度を大きくすることにより、単独で所望の物性を得られる場合も認められた。
(3)トリブロックコポリマーとPEG以外の水溶性ポリマーとの組成物の検討
トリブロックコポリマーTJ、TN又はTKと、PEG以外の水溶性ポリマーとを、所定の濃度で含む水溶液の物性を、表9〜11に示す。PEG以外の水溶性ポリマーとしては、ポリプロピレングリコール(PPG3K;プロピレンオキシド単位が39、分子量3.0kDa、又はPPG425;プロピレンオキシド単位が5.6、分子量0.4kDa)、プルラン(分子量5〜10万)、又はジメチルアクリルアミド(DMA;分子量4000(DMA1)又は33000(DMA2))を用いた。PEG以外の水溶性ポリマーを用いた場合は、透明なゲルを得ることは難しかった。
トリブロックコポリマーTJ、TN又はTKと、PEG以外の水溶性ポリマーとを、所定の濃度で含む水溶液の物性を、表9〜11に示す。PEG以外の水溶性ポリマーとしては、ポリプロピレングリコール(PPG3K;プロピレンオキシド単位が39、分子量3.0kDa、又はPPG425;プロピレンオキシド単位が5.6、分子量0.4kDa)、プルラン(分子量5〜10万)、又はジメチルアクリルアミド(DMA;分子量4000(DMA1)又は33000(DMA2))を用いた。PEG以外の水溶性ポリマーを用いた場合は、透明なゲルを得ることは難しかった。
本発明によれば、ヒト水晶体に近い透明性、屈折率、及び弾性率を有するゲル組成物が提供される。該ゲル組成物は、温度応答性、すなわち、体温付近の温度以上でゾルからゲルに相転移する。かかるゲル組成物は、人工水晶体の製造や、白内障等の眼疾患に対する水晶体置換(レンズリフィリング)術に好適な材料となり得るので、産業上有用である。
Claims (9)
- 以下の性質a)、b)及びc)を満たすゲル組成物であって、
温度応答性ブロックコポリマーを含有し、
前記温度応答性ブロックコポリマーは、A−B型又はA−B−A型であり、AブロックはN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドをモノマー単位として有するポリマーであり、Bブロックはエチレンオキシドをモノマー単位として有し、重合度が90以上のポリマーである、ゲル組成物。
a)37℃における可視光透過率が60%以上
b)20℃における屈折率が1.37以上
c)37℃における弾性率が40kPa以下 - 数平均分子量が300以上かつ50000以下のポリエチレングリコールをさらに含有する、請求項1に記載のゲル組成物。
- 前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの合計濃度が、組成物全体の30〜90質量%である、請求項2に記載のゲル組成物。
- 前記温度応答性ブロックコポリマーとポリエチレングリコールとの含有量の質量比が、9:1〜4:5である、請求項2又は3に記載のゲル組成物。
- 前記温度応答性ブロックコポリマーにおいて、Aブロックの数平均分子量の合計(a)とBブロックの数平均分子量(b)との比(a/b)が、10.0以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲル組成物。
- 前記温度応答性ブロックコポリマーにおけるAブロックが、重合度が20以上かつ1300以下のポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲル組成物。
- 前記温度応答性ブロックコポリマーの数平均分子量が、4000〜400000である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲル組成物。
- 前記温度応答性ブロックコポリマーにおけるAブロックは、重合性紫外線吸収化合物、重合性色素化合物及び重合性紫外線吸収色素化合物からなる群から選ばれる1以上の化合物をモノマー単位としてさらに有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲル組成物。
- 5〜80℃にゾル−ゲル転移温度を有し、
前記転移温度より低温側でゾル状態に、かつ高温側でゲル状態になる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲル組成物。
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CN114748681A (zh) * | 2022-04-13 | 2022-07-15 | 四川大学 | 一种可注射自愈合水凝胶敷料及其制备方法、用途 |
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- 2017-09-22 JP JP2017182506A patent/JP2019056086A/ja active Pending
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