JP2019056057A - エポキシ樹脂組成物および構造部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製の基材に対して高い接着性を示すとともに、高温下における硬化物の高い圧縮強度を確保することができるエポキシ樹脂組成物を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂組成物は、グリシジルアミン化合物(a)と、硬化剤(b)と、硬化促進剤(c)と、を含む。前記硬化促進剤(c)は、第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤と、を含み、前記第1硬化促進剤は、四級ホスホニウム塩である。樹脂組成物は、180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して測定される硬化物の圧縮強度が50MPa以上である。【選択図】なし
Description
本発明は、グリシジルアミン化合物を含むエポキシ樹脂組成物およびその硬化物で形成された構造部材に関する。
エポキシ樹脂は、熱や光の作用により硬化する硬化性樹脂として知られており、様々な用途に利用されている。エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂などが汎用されている。エポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤などを含む。
特許文献1では、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤と、硬化促進剤と、無機充填剤とを含む注型成形用エポキシ樹脂組成物が提案されている。
エポキシ樹脂組成物には、用途によって、例えば、金属に対する高い接着性が要求されたり、樹脂硬化物に高い圧縮強度および/または耐熱性が要求されたりする場合がある。圧縮強度を高めるためには、例えば、無機充填剤(フィラー)を添加するアプローチがあるが、無機充填剤を添加した場合にはエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなる傾向があり、金属等の基材に対する塗布性が低下する結果、基材への接着性が低下することがある。従って、金属に対する接着性と圧縮強度とを両立させることは難しい。特に、金属に対する高い接着強度を維持しながら、高い圧縮強度を確保することは難しい。
本発明の一局面は、グリシジルアミン化合物(a)と、硬化剤(b)と、硬化促進剤(c)と、を含み、
前記硬化促進剤(c)は、第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤と、を含み、
前記第1硬化促進剤は、四級ホスホニウム塩であり、
180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して測定される硬化物の圧縮強度が50MPa以上である、エポキシ樹脂組成物に関する。
前記硬化促進剤(c)は、第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤と、を含み、
前記第1硬化促進剤は、四級ホスホニウム塩であり、
180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して測定される硬化物の圧縮強度が50MPa以上である、エポキシ樹脂組成物に関する。
本発明の他の局面は、上記のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物で形成された構造部材に関する。
硬化物の優れた圧縮強度を維持しながら、金属製の基材などに対して高い接着性を示すエポキシ樹脂組成物およびその硬化物で形成された構造部材を提供できる。
本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、グリシジルアミン化合物(a)と、硬化剤(b)と、硬化促進剤(c)と、を含む。硬化促進剤(c)は、第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤と、を含み、第1硬化促進剤は、四級ホスホニウム塩である。そして、エポキシ樹脂組成物は、180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して測定される硬化物の圧縮強度が50MPa以上である。
一般的なビスフェノール型エポキシ樹脂などを用いたエポキシ樹脂組成物では、金属製の基材に対する接着性を高めるべく、基材への塗布性を高めようとすると、無機充填剤の添加量を減らさざるを得ず、圧縮強度が低下する。一方、圧縮強度を高めるために、無機充填剤を多量に添加すると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、基材への塗布性が低下し、高い接着性を確保し難くなる。特に、高温(例えば、150℃以上の温度)では、高い圧縮強度を確保しにくい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物では、グリシジルアミン化合物と、四級ホスホニウム塩である第1硬化促進剤と第2硬化促進剤とを含む硬化促進剤とを組み合わせることで、金属製の基材に対する高い接着性を確保することができるとともに、硬化物の優れた圧縮強度(特に、高温下での高い圧縮強度)を維持することができる。
本実施形態にかかるエポキシ樹脂組成物の構成について、以下により具体的に説明する。
(a)グリシジルアミン化合物
グリシジルアミン化合物(a)としては、例えば、脂肪族グリシジルアミン化合物、脂環族グリシジルアミン化合物、芳香族グリシジルアミン化合物などが挙げられる。これらのグリシジルアミン化合物は、ポリアミン骨格(残基)またはモノアミン骨格(残基)とこの骨格に導入されたグリシジル基とを有する。ポリアミン骨格を有するグリシジルアミン化合物において、ポリアミンの全てのアミノ基にグリシジル基が導入されていてもよく、一部のアミノ基にグリシジル基が導入されていてもよい。グリシジルアミン化合物は、グリシジルエーテル基および/またはグリシジルエステル基を有してもよい。
(a)グリシジルアミン化合物
グリシジルアミン化合物(a)としては、例えば、脂肪族グリシジルアミン化合物、脂環族グリシジルアミン化合物、芳香族グリシジルアミン化合物などが挙げられる。これらのグリシジルアミン化合物は、ポリアミン骨格(残基)またはモノアミン骨格(残基)とこの骨格に導入されたグリシジル基とを有する。ポリアミン骨格を有するグリシジルアミン化合物において、ポリアミンの全てのアミノ基にグリシジル基が導入されていてもよく、一部のアミノ基にグリシジル基が導入されていてもよい。グリシジルアミン化合物は、グリシジルエーテル基および/またはグリシジルエステル基を有してもよい。
グリシジルアミン化合物は、1つのグリシジル基を有するものであってもよいが、グリシジルアミノ基だけでなく、グリシジルエーテル基やグリシジルエステル基なども含めて、2つ以上のグリシジル基を有することが好ましい。1つのグリシジル基を有するグリシジルアミン化合物と、2つ以上のグリシジル基を有するグリシジルアミン化合物とを併用してもよい。
脂肪族グリシジルアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミンやアルカノールアミンにグリシジル基が導入された化合物が好ましい。脂肪族アミンとしては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。脂環式グリシジルアミン化合物としては、脂環式アミンやそのヒドロキシ置換体にグリシジル基が導入された化合物が好ましい。脂環式アミンとしては、例えば、シクロヘキシルアミン,シクロヘキサンジアミン、ノルボルニルアミンなどが挙げられる。
なお、アミノ基にグリシジル基が導入されると、グリシジルアミノ基やジグリシジルアミノ基となり、ヒドロキシ基にグリシジル基が導入されるとグリシジルエーテル基となる。
芳香族グリシジルアミン化合物としては、芳香族アミンやそのヒドロキシ置換体にグリシジル基が導入された化合物が好ましい。芳香族アミンとしては、アニリン、ジアミノベンゼン、トルイジンなどのアミノアレーン;ベンジルアミン、キシリレンジアミンなどのアミノアルキルアレーン;ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルプロパンなどのアミノビスアリールなどが挙げられる。
芳香族グリシジルアミンの具体例としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン、N,N−ジグリシジルアミノ−グリシジルオキシ−ベンゼン、N,N−ジグリシジルアミノ−グリシジルオキシ−トルエン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルキシリレンジアミンなどが挙げられる。
グリシジルアミン化合物(a)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
グリシジルアミン化合物(a)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
グリシジルアミン化合物(a)は、芳香族グリシジルアミン化合物を含むことが好ましい。この場合、高温下での硬化物の圧縮強度をさらに向上できる。また、硬化物のガラス転移点(Tg)を高めることができるため、高い耐熱性を有する硬化物が得られる。グリシジルアミン化合物は、芳香族グリシジルアミン化合物のみを含んでいてもよく、芳香族グリシジルアミン化合物と、脂肪族グリシジルアミン化合物および/または脂環式グリシジルアミン化合物とを含んでもよい。グリシジルアミン化合物(a)に占める芳香族グリシジルアミン化合物の割合は、例えば、80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であってもよい。
グリシジルアミン化合物(a)のエポキシ当量は、例えば、70〜120であり、90〜100であることが好ましい。エポキシ当量がこのような範囲である場合、硬化物の高いTgを確保し易い。
なお、エポキシ樹脂組成物(もしくは、硬化物または構造部材)中に含まれる有機成分(例えば、樹脂またはその前駆体、硬化剤、硬化促進剤、応力緩和剤、およびその他の有機添加剤など)全体に占めるグリシジルアミン化合物(a)の比率は、10〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。グリシジルアミン化合物(a)の比率がこのような範囲である場合、エポキシ樹脂組成物の硬化性を確保しながら、高い耐熱性を確保することができる。
(b)硬化剤
硬化剤(b)としては、例えば、フェノール樹脂(フェノールノボラック樹脂など)、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、ポリアミン、ポリアミノアミド、ポリメルカプタン、酸無水物などが例示できる。硬化剤(b)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤(b)としては、例えば、フェノール樹脂(フェノールノボラック樹脂など)、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、ポリアミン、ポリアミノアミド、ポリメルカプタン、酸無水物などが例示できる。硬化剤(b)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化物の高いTgが得られ易い観点からは、酸無水物を含む硬化剤(b)を用いることが好ましい。酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ハイミック酸などが挙げられる。これらのうち、特に、無水ハイミック酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物などが好ましい。中でも、硬化物のTgを高め易い観点から、無水ハイミック酸が好ましい。
硬化剤(b)全体に占める酸無水物の比率は、例えば、60〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましい。このような場合には、硬化物のTgをさらに高め易い。
硬化剤(b)の量は、グリシジルアミン化合物(a)100質量部に対して、例えば、150〜190質量部であり、150〜170質量部であることが好ましい。
(c)硬化促進剤
硬化促進剤(c)は、四級ホスホニウム塩である第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤とを含む。
四級ホスホニウム塩としては、例えば、四級ホスホニウムクロライド、四級ホスホニウムブロマイド、四級ホスホニウムヨーダイドなどの四級ホスホニウムハライド;四級ホスホニウムアセテート;四級ホスホニウムホスフェートなどが挙げられる。高い接着強度が得られ易い観点からは、四級ホスホニウムハライドが好ましい。第1硬化促進剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤(c)は、四級ホスホニウム塩である第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤とを含む。
四級ホスホニウム塩としては、例えば、四級ホスホニウムクロライド、四級ホスホニウムブロマイド、四級ホスホニウムヨーダイドなどの四級ホスホニウムハライド;四級ホスホニウムアセテート;四級ホスホニウムホスフェートなどが挙げられる。高い接着強度が得られ易い観点からは、四級ホスホニウムハライドが好ましい。第1硬化促進剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属製の基材に対してさらに高い接着強度が得られる観点からは、四級ホスホニウムブロマイドを含む四級ホスホニウム塩を用いることが好ましい。四級ホスホニウムブロマイドの具体例としては、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイドなどが挙げられる。
第2硬化促進剤としては、第1硬化促進剤とは異なる硬化促進剤が使用できる。第2硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、イミダゾール化合物、尿素系硬化促進剤(3−フェニル−1,1−ジメチルウレアなど)、スルホニウム塩などが挙げられる。第2硬化促進剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミン化合物としては、例えば、三級アミンまたは三級アミン塩(ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなど)などが挙げられる。ハロゲン化ホウ素アミン錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素ジエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素イソプロピルアミン錯体、三フッ化ホウ素クロロフェニルアミン錯体、三フッ化ホウ素ベンジルアミン錯体、および三フッ化ホウ素アニリン錯体;これらの三フッ化ホウ素アミン錯体に対応する三塩化ホウ素アミン錯体などが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどの2−アルキルイミダゾール;2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾールなどの2−アリールイミダゾール;1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのアラルキルイミダゾール;1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールなどのシアノアルキルイミダゾール;2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物などが挙げられる。
硬化物の高いTgが得られ易く、高温下での圧縮強度をさらに高める観点からは、第2硬化促進剤のうち、イミダゾール化合物を用いることが好ましい。中でも、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどが好ましい。
硬化物の高いTgおよび高温下での高い圧縮強度と高い接着性とのバランスを取る観点からは、第1硬化促進剤(四級ホスホニウム塩)と第2硬化促進剤(例えば、イミダゾール化合物)との質量比(=第1硬化促進剤/第2硬化促進剤)は、例えば、30/100〜80/100であり、40/100〜70/100であることが好ましい。
硬化促進剤(c)の量(第1硬化促進剤と第2硬化促進剤との総量)は、グリシジルアミン化合物(a)100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部であり、1〜7質量部であることが好ましい。
また、グリシジルアミン化合物(a)、硬化剤(b)、および硬化促進剤(c)の総量に占めるグリシジルアミン化合物(a)の割合は、10〜50質量%であることが好ましく、30〜50質量%または30〜45質量%であることがさらに好ましい。グリシジルアミン化合物(a)の割合がこのような範囲である場合、接着性および硬化物の圧縮強度を向上する効果をさらに高めることができる。
(d)応力緩和剤
エポキシ樹脂組成物は、さらに応力緩和剤(d)を含むことが好ましい。応力緩和剤(d)を用いると、エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物に応力が加わった場合でも、クラックの発生を抑制することができる。
応力緩和剤(d)としては、例えば、ゴム成分やエラストマーを含む材料が利用できる。応力緩和剤(d)としては、例えば、ニトリルゴム、カルボキシ末端ブタジエン−ニトリルゴム(CTBN)、ゴム成分のコアとコアを被覆するポリマーシェルとを備えるコアシェル材料などが挙げられる。応力緩和剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂組成物は、さらに応力緩和剤(d)を含むことが好ましい。応力緩和剤(d)を用いると、エポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物に応力が加わった場合でも、クラックの発生を抑制することができる。
応力緩和剤(d)としては、例えば、ゴム成分やエラストマーを含む材料が利用できる。応力緩和剤(d)としては、例えば、ニトリルゴム、カルボキシ末端ブタジエン−ニトリルゴム(CTBN)、ゴム成分のコアとコアを被覆するポリマーシェルとを備えるコアシェル材料などが挙げられる。応力緩和剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
応力緩和剤(d)の量は、グリシジルアミン化合物(a)100質量部に対して、例えば、20〜40質量部であり、20〜30質量部であることが好ましい。
(e)無機充填剤
エポキシ樹脂組成物は、さらに無機充填剤(e)を含むことができる。無機充填剤(e)を含むことで、基材に塗布する際の垂れを適度に抑制できるとともに、硬化物の圧縮強度をさらに高めることができる。無機充填剤(e)の形態は、例えば、粒子状や短繊維状であることが好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、さらに無機充填剤(e)を含むことができる。無機充填剤(e)を含むことで、基材に塗布する際の垂れを適度に抑制できるとともに、硬化物の圧縮強度をさらに高めることができる。無機充填剤(e)の形態は、例えば、粒子状や短繊維状であることが好ましい。
無機充填剤(e)としては、金属酸化物、金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウムなど)、金属塩(例えば、炭酸カルシウム、ドロマイトなどの無機酸塩(炭酸塩など))、その他の鉱物系充填剤(タルク、ウォラストナイトなど)、ガラスなどが挙げられる。金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニアなどが例示される。また、無機充填剤(e)としては、密度が小さいフィラー(例えば、中空ガラスフィラーなどの中空フィラーなど)を用いてもよい。この場合、硬化物を軽量化することができる。これらの無機充填剤(e)は一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
無機充填剤(e)の量は、用途や硬化物に求められる性能にもよるが、グリシジルアミン化合物(a)100質量部に対して、例えば、0.1〜500質量部であり、10〜500質量部であることが好ましい。
(その他)
エポキシ樹脂組成物は、公知の添加剤(例えば、難燃剤、顔料、チキソ性付与剤など)を含むことができる。
エポキシ樹脂組成物は、構成成分を混合することにより調製でき、熱や光の作用により硬化可能である。エポキシ樹脂組成物は、一液硬化型や二液硬化型の硬化性樹脂組成物として用いることができる。
エポキシ樹脂組成物は、公知の添加剤(例えば、難燃剤、顔料、チキソ性付与剤など)を含むことができる。
エポキシ樹脂組成物は、構成成分を混合することにより調製でき、熱や光の作用により硬化可能である。エポキシ樹脂組成物は、一液硬化型や二液硬化型の硬化性樹脂組成物として用いることができる。
エポキシ樹脂組成物では、金属製の基材などに対して高い接着強度が得られる。エポキシ樹脂組成物の接着強度は、硬化物の引張りせん断接着強度などにより評価することができる。引張りせん断接着強度は、例えば、ASTM D1002に準拠して、2枚のアルミニウム合金(Al 2024−T3)の間にエポキシ樹脂組成物を挟み、120〜180℃の温度で1〜1.5時間硬化させて得られるサンプルを用いて測定できる。硬化物の引張りせん断接着強度は、非常に高く、例えば、7MPa以上である。
硬化物のTgは高く、例えば、185℃以上であり、190℃以上または200℃以上とすることもできる。よって、耐熱性が求められる用途に特に適している。硬化物のTgは、市販の示差走査熱量計を用いて測定できる。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物によれば、高温下での硬化物の圧縮強度を高めることができる。エポキシ樹脂組成物の硬化物の圧縮強度は、ASTM D695に準拠して測定される。180℃の温度条件下で測定される圧縮強度は、50MPa以上である。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、硬化物のTgが高く、金属製の基材に対して高い接着強度を示す。そのため、建築、輸送機器などにおける構造部材として利用するのに適している。従って、本発明には、上記のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物で形成された構造部材も包含される。特に、エポキシ樹脂組成物の硬化物は、金属製の基材と接着している構造部材に適している。
基材の素材は、特に制限されないが、エポキシ樹脂組成物は、アルミニウムやアルミニウム合金で形成された基材に対する接着強度が非常に高い。よって、このような基材に接着させて用いることが好ましい。
構造部材(硬化物)は、エポキシ樹脂組成物を加熱処理して硬化させる工程(硬化工程)を経ることにより製造することができる。
加熱処理は、硬化反応が進行する温度以上で、エポキシ樹脂組成物の硬化物のTg以下の温度で行えばよい。加熱処理は、例えば、120〜180℃の温度で行われる。
加熱処理は、硬化反応が進行する温度以上で、エポキシ樹脂組成物の硬化物のTg以下の温度で行えばよい。加熱処理は、例えば、120〜180℃の温度で行われる。
加熱処理の時間は、特に制限されないが、1〜6時間であることが好ましく、1〜2時間であることがさらに好ましい。
加熱処理は、1段階で行ってもよく、必要に応じて2段階以上の多段階で行なってもよい。各段階において加熱温度などの加熱処理の条件を変更してもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1および比較例1〜4
(1)エポキシ樹脂組成物の調製および硬化
表1に示す成分を表1に示す質量比で混合することにより、エポキシ樹脂組成物を調製した。エポキシ樹脂組成物を金型に注入し、120℃にて90分間加熱処理することにより硬化させて、樹脂硬化物を得た。
(1)エポキシ樹脂組成物の調製および硬化
表1に示す成分を表1に示す質量比で混合することにより、エポキシ樹脂組成物を調製した。エポキシ樹脂組成物を金型に注入し、120℃にて90分間加熱処理することにより硬化させて、樹脂硬化物を得た。
実施例および比較例で使用した成分は以下の通りである。
(a)グリシジルアミン化合物:N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン
(b)硬化剤:無水ハイミック酸
(c1)第1硬化促進剤:テトラブチルホスホニウムブロマイド
(c2)第2硬化促進剤:イミダゾール
(d)応力緩和剤:ポリブタジエン系コアシェル
(e)無機充填剤:シリカおよび中空ガラスフィラー
(f)ビスフェノールA型エポキシ化合物
(a)グリシジルアミン化合物:N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン
(b)硬化剤:無水ハイミック酸
(c1)第1硬化促進剤:テトラブチルホスホニウムブロマイド
(c2)第2硬化促進剤:イミダゾール
(d)応力緩和剤:ポリブタジエン系コアシェル
(e)無機充填剤:シリカおよび中空ガラスフィラー
(f)ビスフェノールA型エポキシ化合物
(2)評価
実施例および比較例で調製したエポキシ樹脂組成物を用いて、下記(i)〜(iii)の評価を行った。
実施例および比較例で調製したエポキシ樹脂組成物を用いて、下記(i)〜(iii)の評価を行った。
(i)Tg
示差走査熱量計(メトラートレド(株)製、DSC822e)を用いて、エポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、Tgを測定した。
示差走査熱量計(メトラートレド(株)製、DSC822e)を用いて、エポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、Tgを測定した。
(ii)圧縮強度
既述の手順でエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して、圧縮強度(MPa)を測定し、下記の基準で評価した。
○:圧縮強度が50MPa以上である。
×:圧縮強度が50MPa未満である。
既述の手順でエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して、圧縮強度(MPa)を測定し、下記の基準で評価した。
○:圧縮強度が50MPa以上である。
×:圧縮強度が50MPa未満である。
(iii)引張りせん断接着強度
既述の手順でエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、引張りせん断強度を測定し、下記の基準で評価した。
○:引張りせん断強度が7MPa以上である。
△:引張りせん断強度が5MPa以上7MPa未満である。
×:引張りせん断強度が5MPa未満である。
実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物の組成とともに、(i)〜(iii)の評価結果を表1に示す。
既述の手順でエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物について、引張りせん断強度を測定し、下記の基準で評価した。
○:引張りせん断強度が7MPa以上である。
△:引張りせん断強度が5MPa以上7MPa未満である。
×:引張りせん断強度が5MPa未満である。
実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物の組成とともに、(i)〜(iii)の評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例では、高温(180℃)で高い圧縮強度を確保できる。また、比較例1に比べて、実施例では、高い接着性が得られ、高いTgも確保することができる。
また、ビスフェノールA型エポキシ化合物を用いた比較例2では、実施例のエポキシ樹脂組成物と同程度の塗布性を確保するためには、無機充填剤の配合量が実施例に比べて低くなる。この点からも、高い圧縮強度を得ることが難しくなる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた比較例3では、無機充填剤の配合量を実施例と同じにすると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて塗膜がむらになり、十分な接着強度を得ることができない。第2硬化促進剤を用いない比較例4では、Tgが極端に低くなるとともに、接着強度および圧縮強度ともに低くなる。
また、ビスフェノールA型エポキシ化合物を用いた比較例2では、実施例のエポキシ樹脂組成物と同程度の塗布性を確保するためには、無機充填剤の配合量が実施例に比べて低くなる。この点からも、高い圧縮強度を得ることが難しくなる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた比較例3では、無機充填剤の配合量を実施例と同じにすると、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて塗膜がむらになり、十分な接着強度を得ることができない。第2硬化促進剤を用いない比較例4では、Tgが極端に低くなるとともに、接着強度および圧縮強度ともに低くなる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、金属製の基材に対して高い接着性を示すとともに、高温下における硬化物の高い圧縮強度を確保することができる。よって、金属製の基材と接着させる様々な用途、例えば、構造部材などに適しており、特に耐熱性が求められる用途にも適している。
Claims (11)
- グリシジルアミン化合物(a)と、硬化剤(b)と、硬化促進剤(c)と、を含み、
前記硬化促進剤(c)は、第1硬化促進剤と、第2硬化促進剤と、を含み、
前記第1硬化促進剤は、四級ホスホニウム塩であり、
180℃の温度条件下、ASTM D695に準拠して測定される硬化物の圧縮強度が50MPa以上である、エポキシ樹脂組成物。 - 前記グリシジルアミン化合物(a)は、芳香族グリシジルアミン化合物を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記四級ホスホニウム塩は、四級ホスホニウムブロマイドを含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記硬化剤(b)は、酸無水物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記第2硬化促進剤は、イミダゾール化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記四級ホスホニウム塩の前記イミダゾール化合物に対する質量比は、30/100〜80/100である、請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに応力緩和剤(d)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記グリシジルアミン化合物(a)、前記硬化剤(b)、および前記硬化促進剤(c)の総量に占める前記グリシジルアミン化合物(a)の割合は、10〜50質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物で形成された構造部材。
- 金属製の基材と接着している、請求項9に記載の構造部材。
- 前記基材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されている、請求項10に記載の構造部材。
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