連続紙に対する両面印刷においては、一般に、連続紙のおもて面におもて面ページ画像を印刷すると共に、当該おもて面ページ画像の開始位置(ページ画像の上端位置)を示す開始位置指標が印刷される。当該開始位置指標に基づいて、裏面ページ画像の開始位置が決定される。これにより、おもて面ページ画像と裏面ページ画像の用紙搬送方向の位置を合わせている。
一方、連続紙に対する印刷においては、連続紙の紙面を有効活用するなどの観点から、複数の印刷命令(ジョブ)に対応する、それぞれが複数のページ画像からなる複数のページ列を連続紙の用紙幅方向に並べて印刷する場合がある。
従来、連続紙のおもて面及び裏面に対して、複数のページ列を用紙幅方向に並べて印刷する場合であっても、上述の開始位置指標は、そのうち1つのページ列に含まれる各ページ画像に関するものしか印刷されていなかった。
ここで、開始位置指標が印刷された一のページ列に含まれるページ画像のページ長(用紙搬送方向における長さ)と、他のページ列に含まれるページ画像のページ長が互いに異なる場合、当該他のページ列に含まれるページ画像の途中が途切れてしまうという問題が発生し得る。図5及び図6を参照しながら、このことについて説明する。
図5(a)には、従来におけるおもて面印刷直後の連続紙の様子が示されている。図5(a)の例では、ページ列は2列あり、1列目のページ列に表ページ1−1及び1−2が含まれ、2列目のページ列に表ページ2−1、2−2、及び2−3が含まれている。上述の通り、開始位置指標MKは、1列目のページ列に含まれる各ページ画像に関するもののみが印刷されている。なお、開始位置指標MKは、各ページ画像の用紙搬送方向の開始位置に印刷されるのが一般的である。
図5(a)に示される通り、おもて面第1ページ列に含まれる各ページ画像の用紙搬送方向における長さであるページ長と、おもて面第2ページ列に含まれる各ページ画像のページ長が異なっている。これにより、おもて面第1ページ列におけるページ画像の用紙搬送方向の開始位置が、おもて面第2ページ列に含まれるページ画像の途中となる場合がある。図5(a)の例では、表ページ1−1の開始位置と表ページ2−1の開始位置は一致しているが、表ページ1−2の開始位置は、表ページ2−2の用紙搬送方向の途中位置(本例では中央位置)となっている。なお、図5(a)の例では、おもて面第1ページ列に含まれる各ページ画像のページ長は同一であり、おもて面第2ページ列に含まれる各ページ画像のページ長も同一となっている。
図5(b)には、おもて面印刷後に乾燥処理が行われた後の連続紙の様子が示されている。図5(a)と図5(b)とを比較して分かるように、乾燥処理により連続紙が用紙搬送方向に縮んでいる。
図6には、乾燥処理により縮んだ連続紙の裏面に対して裏面ページ画像が印刷された様子が示されている。図6において、「裏面第1ページ列」と記載されたページ列は、連続紙を裏から見たときの裏面第1ページ列の状態を示し、「裏面第2ページ列」と記載されたページ列は、連続紙を裏から見たときの裏面第2ページ列の状態を示している。なお、裏面第1ページ列は、おもて面第1ページ列の裏に印刷されるものであり、裏面第2ページ列は、おもて面第2ページ列の裏に印刷されるものである。
連続紙印刷装置は、裏面ページ画像の印刷の際に、おもて面に印刷された開始位置指標MKをセンサにより読み取ることで、開始位置指標MKに基づいて決定された位置から裏面ページ画像の印刷を開始する。図5及び図6の例では、開始位置指標MKはおもて面ページ画像の開始位置に印刷されているため、連続紙印刷装置は、開始位置指標MKの位置から裏面ページ画像を印刷することになる。
乾燥処理により連続紙が縮んでいるために、連続紙上の表ページ1−1のページ長に対し、それに対応する裏ページ1−1(図6において「I」と印刷されているページ)のページ長の方が長いこととなる。したがって、裏ページ1−1を印刷している途中で、表ページ1−2の開始位置指標MKが検出されることとなる。したがって、裏ページ1−1の印刷が終わる前に、裏ページ1−2(図6において「II」と印刷されているページ)の印刷が開始される。これにより、裏ページ1−1の用紙搬送方向後端部が印刷されずに途切れることとなる。しかしながら、ページ画像の用紙搬送方向後端部は余白となっている場合も多く、また、ページ画像内のコンテンツを予め用紙搬送方向前側に寄せておくなどすることで容易に対応可能であることから、ページ画像の用紙搬送方向後端部の印刷途切れは問題にならない場合が多い。
次に、裏面第2ページ列に着目する。おもて面の2列目の各ページ画像に関する開始位置指標MKが印刷されていないため、裏面第2ページ列の各ページ画像も、おもて面第1ページ列の各ページ画像に関して印刷された開始位置指標MKに基づいてその印刷開始位置が決定される。すなわち、表ページ1−1の開始位置と表ページ2−1の開始位置は一致しているため、表ページ1−1に関する開始位置指標MKに基づいて、裏ページ1−1の始点と同じ位置から、裏ページ2−1(図6において「1」と印刷されているページ)の印刷が開始される。裏面第1ページ列の各ページ画像のページ長よりも裏面第2ページ列の各ページ画像のページ長が短いため、裏面第2ページ列の1ページ目のページ画像の印刷が終わると、裏面第2ページ列においては引き続き2ページ目のページ画像(図6において「2」と印刷されているページ)が開始される。
次が問題となるポイントであるが、表ページ1−2の開始位置は、表ページ2−2の用紙搬送方向の途中位置(本例では中央位置)となっているために、表ページ1−2に関する開始位置指標MKが検出されると、裏ページ1−2の開始位置と同じ位置において、裏ページ2−2の印刷が中断され、当該位置から裏ページ2−2の用紙搬送方向の中央位置から印刷が開始されることになる。連続紙が縮んでいる関係上、裏ページ2−2の開始位置は、表ページ2−2の開始位置よりも後側となっていることから、表ページ1−2に関する開始位置指標MKが検出されたタイミングにおいて、裏ページ2−2の印刷はその中央位置まで達していないことになる。これにより、図6に示す通り、裏ページ2−2の途中において、印刷が途切れてしまう(裏ページ2−2の途中の一部分が印刷されない)こととなってしまう。
本発明の目的は、連続紙のおもて面及び裏面において、複数の印刷命令に対応する複数のページ列であって、一のページ列に含まれるページ画像のページ長と、他のページ列に含まれるページ画像のページ長が互いに異なる複数のページ列を連続紙の用紙幅方向に並べて形成する場合に、ページ画像の途中が途切れることを防止することにある。
請求項1に係る発明は、連続紙のおもて面及び裏面において、複数の印刷命令に対応する複数のページ列であって、一のページ列に含まれるページ画像の用紙搬送方向における長さであるページ長と、他のページ列に含まれるページ画像の前記ページ長とが互いに異なる複数のページ列を前記連続紙の用紙幅方向に並べて形成する画像形成装置であって、前記連続紙のおもて面に、複数のおもて面ページ列を印刷すると共に、前記複数のおもて面ページ列に含まれる各おもて面ページ画像のそれぞれの開始位置を示す開始位置指標を印刷するおもて面印刷部と、前記各おもて面ページ画像に対応する各前記開始位置指標を検出する検出部と、前記連続紙の裏面に複数の裏面ページ列を印刷する裏面印刷部であって、前記検出部が検出した、前記各おもて面ページ画像に対応する各前記開始位置指標に基づいて決定された位置から、前記複数の裏面ページ列に含まれる各裏面ページ画像の印刷を開始する裏面印刷部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、ページ画像毎のラスタデータを生成するラスタデータ生成部であって、前記ページ画像が前記複数のページ列のいずれのページ列に含まれるかを示すページ列情報を含むラスタデータを生成するラスタデータ生成部をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、前記複数のページ列にそれぞれ対応し、対応するページ列に関する前記ラスタデータをそれぞれ記憶する複数のページバッファをさらに備える、ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、ページ画像毎のラスタデータを生成するラスタデータ生成部であって、前記おもて面ページ画像の印刷率に基づいて、当該おもて面ページ画像の裏面に印刷される裏面ページ画像のページ長を調整して、当該裏面ページ画像のラスタデータを生成するラスタデータ生成部をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項1、2、又は3に係る発明によれば、連続紙のおもて面及び裏面において、複数の印刷命令に対応する複数のページ列であって、一のページ列に含まれるページ画像のページ長と、他のページ列に含まれるページ画像のページ長が互いに異なる複数のページ列を連続紙の用紙幅方向に並べて形成する場合に、ページ画像の途中が途切れることを防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、裏面のページ画像の後側端部の途切れを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る画像形成装置10の構成概略図が示されている。画像形成装置10は、連続紙プリンタであり、搬送されていく連続紙に対して順次印刷を行い、必要であれば印刷後に連続紙をカットするものである。
本実施形態に係る画像形成装置10は、複数の印刷命令としての複数の印刷ジョブを同時に印刷することが可能となっている。すなわち、画像形成装置10は、複数の印刷ジョブに対応する複数のページ列を連続紙の用紙幅方向に並べて印刷する。さらに、画像形成装置10は、連続紙のおもて面と裏面に対して両面印刷が可能となっている。つまり、画像形成装置10は、おもて面と裏面のそれぞれに対して、用紙幅方向に並んだ複数のページ列の印刷が可能となっている。なお、本明細書においては、画像形成装置10がおもて面と裏面においてそれぞれ2つのページ列(第1ページ列及び第2ページ列)を印刷する例について説明するが、印刷するページ列の数はこれに限られるものではない。
各ページ列は、用紙搬送方向に並ぶ複数のページ画像から構成される。また、本実施形態では、第1ページ列に含まれる(おもて面及び裏面の)各ページ画像の用紙搬送方向における長さであるページ長(以下「FCB(Forms Control Buffer)長」と記載する)は同じであり、第2ページ列に含まれる(おもて面及び裏面の)各ページ画像のFCB長は同じであるが、第1ページ列の各ページ画像と第2ページ列の各ページ画像のFCB長は互いに異なるものであるとする。
DFE(Digital Front End)12は、ユーザから入力された印刷ジョブに対する処理を実行する。図1に示される通り、DFE12は、ラスタデータ生成部14を含んで構成される。
ラスタデータ生成部14は、印刷ジョブに対してラスタライズ処理を行うことで、後述のおもて面印刷部24及び裏面印刷部30が処理可能なデータ形式であるラスタデータを生成する。本実施形態では、ラスタデータ生成部14は、各ページ画像毎にラスタデータを生成する。さらに、ラスタデータ生成部14は、生成したラスタデータに、当該ラスタデータに対応するページ画像が、複数のページ列のいずれのページ列に含まれるかを示すページ列情報を含める。本実施形態では、ラスタデータ生成部14は、ラスタデータのヘッダ部に、当該ラスタデータに対応するページ画像が第1ページ列に含まれるのか、第2ページ列に含まれるのかを示すページ列情報を含める。具体的には、第1印刷ジョブから生成された各ラスタデータには第1ページ列を示すページ列情報が含まれ、第2印刷ジョブから生成された各ラスタデータには第2ページ列を示すページ列情報が含まれる。
ラスタデータ生成部14により生成されたラスタデータは記憶部16に送られる。
記憶部16は、例えばハードディスク、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。記憶部16には、画像形成装置10の各部を動作させるためのプログラムが記憶される。また、記憶部16には、各ページ列に対応する複数のページバッファが定義される。本実施形態では、図1に示される通り、第1ページ列に対応する第1ページバッファ18、及び、第2ページ列に対応する第2ページバッファ20が定義される。
ラスタデータに含まれるページ列情報に基づいて、各ラスタデータが第1ページバッファ18又は第2ページバッファ20のいずれかに格納される。具体的には、第1ページ列に対応するラスタデータが第1ページバッファ18に格納され、第2ページ列に対応するラスタデータが第2ページバッファ20に格納される。
給紙装置22は、おもて面印刷部24以下の各処理部に向けて連続紙を搬送する装置である。給紙装置22は、例えば、回転可能な軸を含んで構成され、ロール状の連続紙が当該軸にセットされた状態で軸が回転することにより連続紙を搬送する。
おもて面印刷部24は、第1ページバッファ18及び第2ページバッファ20に格納された各ラスタデータに基づいて、給紙装置22により送られてきた連続紙のおもて面におもて面ページ画像を印刷する。本実施形態では、おもて面印刷部24は、第1ページバッファ18に記憶されたラスタデータを読み出して、おもて面第1ページ列に含まれる各おもて面ページ画像を印刷し、それと共に、第2ページバッファ20に記憶されたラスタデータを読み出して、おもて面第2ページ列に含まれる各おもて面ページ画像を印刷する。
図2(a)に、おもて面印刷部24により複数のおもて面ページ列が印刷された様子が示されている。図2(a)に示されるように、おもて面第1ページ列には、表ページ1−1及び表ページ1−2が含まれ、おもて面第2ページ列には、表ページ2−1、表ページ2−2、表ページ2−3が含まれている。なお、例えば「表ページ1−2」とは、おもて面第1ページ列に含まれる2ページ目のおもて面ページ画像を意味し、「表ページ2−1」とは、おもて面第2ページ列に含まれる1ページ目のおもて面ページ画像を意味する。
図2(a)に示される通り、おもて面第1ページ列のおもて面ページ画像(表ページ1−1及び1−2)と、おもて面第2ページ列のおもて面ページ画像(表ページ2−1、2−2及び2−3)とのFCB長が異なるため、おもて面第1ページ列のおもて面ページ画像の開始位置と、おもて面第2ページ列のおもて面ページ画像の開始位置とが異なる場合がある。図2(a)の例では、表ページ1−2の開始位置が表ページ2−2の途中位置となっている。
おもて面印刷部24は、さらに、複数のおもて面ページ列に含まれる各おもてページ画像のそれぞれの開始位置を示す開始位置指標としてのレジマークMKを印刷する。本実施形態では、図2(a)に示されるように、おもて面第1ページ列のおもて面ページ画像(表ページ1−1及び1−2)それぞれについてレジマークMKを印刷するのみならず、おもて面第2ページ列のおもて面ページ画像(表ページ2−1、2−2及び2−3)それぞれについてもレジマークMKを印刷する。
本実施形態は、レジマークMKは、各おもて面ページ画像の開始位置に印刷される。具体的には、おもて面第1ページ列の各おもて面ページ画像については、その左上にレジマークMKが印刷され、おもて面第2ページ列の各おもて面ページ画像については、その右上にレジマークMKが印刷される。これにより、連続紙の幅方向の両端に沿って各レジマークMKが印刷されることになる。しかし、レジマークMKの位置は各おもて面ページ画像の開始位置に限られず、対応するおもて面ページ画像の開始位置を示す限りにおいて、対応するおもて面ページ画像よりも連続紙の搬送方向の上流側であればその他の位置に設けられてもよい。なお、おもて面第1ページ列に対応するレジマークMKと、おもて面第2ページ列に対応するレジマークMKとを識別可能なように互いに異なるマークとするようにしてもよい。
乾燥機26は、連続紙の搬送経路におけるおもて面印刷部24の下流側に設けられる。乾燥機26は、おもて面印刷部24により印刷されたおもて面ページ画像のインクを乾燥させる処理を実行する。例えば、乾燥機26は熱風によりおもて面ページ画像のインクを乾燥させる。当該乾燥処理により連続紙が伸縮する。図2(b)に示すように、本実施形態では、乾燥機26の乾燥処理によって連続紙が搬送方向に縮んでいる。
検出部としてのマークセンサ28は、連続紙の搬送経路における乾燥機26の下流側に設けられる。マークセンサ28は、おもて面印刷部24により印刷された、各おもて面ページ画像に対応するレジマークMKを検出して、レジマークMKを検出したことを通知するための通知信号を後述の裏面印刷部30に送信する。マークセンサ28は、おもて面に印刷されたレジマークMKを好適に読み取れる位置に設けられる。上述の通り、本実施形態では、連続紙の幅方向の両端に沿って各レジマークMKが印刷されることから、マークセンサ28は連続紙の搬送経路中において、連続紙のおもて面の両端近傍をセンシングすることができる位置に設けられる。具体的には、連続紙のおもて面の一端側と他端側にそれぞれマークセンサ28が設けられる。すなわち、マークセンサ28は、おもて面第1ページ列の各おもて面ページ画像に対応するレジマークMKを検出する第1マークセンサと、おもて面第2ページ列の各おもて面ページ画像に対応するレジマークMKを検出する第2マークセンサとを含んで構成される。
裏面印刷部30は、連続紙の搬送経路における乾燥機26の下流側に設けられる。裏面印刷部30は、第1ページバッファ18及び第2ページバッファ20に格納された各ラスタデータに基づいて、給紙装置22により送られてきた連続紙の裏面に裏面ページ画像を印刷する。本実施形態では、裏面印刷部30は、第1ページバッファ18に記憶されたラスタデータを読み出して、裏面第1ページ列に含まれる各裏面ページ画像を印刷し、それと共に、第2ページバッファ20に記憶されたラスタデータを読み出して、裏面第2ページ列に含まれる各裏面ページ画像を印刷する。
裏面印刷部30は、マークセンサ28が検出したレジマークMKの位置に基づいて決定された位置から、各裏面ページ画像の印刷を開始する。ここで、裏面印刷部30は、各裏面ページ列で独立して、レジマークMKの検出、ラスタデータの読み出し、及び裏面ページ画像の印刷を行うようにする。
以下、図3を参照しながら、裏面印刷部30の処理を説明する。図3において、「裏面第1ページ列」と記載されたページ列は、連続紙を裏から見たときの裏面第1ページ列の状態を示し、「裏面第2ページ列」と記載されたページ列は、連続紙を裏から見たときの裏面第2ページ列の状態を示している。なお、裏面第1ページ列は、おもて面第1ページ列の裏に印刷されるものであり、裏面第2ページ列は、おもて面の第2ページ列の裏に印刷されるものである。また、「裏ページ1−2」とは、裏面第1ページ列に含まれる2ページ目の裏面ページ画像を意味するものである。
本実施形態では、マークセンサ28が、おもて面第1ページ列に対応する1つめのレジマークMK(すなわち表ページ1−1に対応するレジマークMK)を検出した場合、すなわち、第1マークセンサが1つめのレジマークMKを検出した場合、裏面印刷部30は、第1ページバッファ18から裏ページ1−1に対応するラスタデータを読み出し、検出したレジマークMKの位置から裏ページ1−1の印刷を開始する。これにより、表ページ1−1の開始位置と裏ページ1−1の開始位置が一致する。以下、マークセンサ28(第1マークセンサ)が、おもて面第1ページ列に対応するレジマークMKを検出する度に、裏面印刷部30は、第1ページバッファ18からラスタデータを読み出し、検出したレジマークMKの位置から裏面ページ画像の印刷を開始する。
同様に、マークセンサ28が、おもて面第2ページ列に対応する1つめのレジマークMK(すなわち表ページ2−1に対応するレジマークMK)を検出した場合、すなわち、第2マークセンサが1つめのレジマークMKを検出した場合、裏面印刷部30は、第2ページバッファ20から裏ページ2−1に対応するラスタデータを読み出し、検出したレジマークMKの位置から裏ページ2−1の印刷を開始する。これにより、表ページ2−1の開始位置と裏ページ2−1の開始位置が一致する。以下、マークセンサ28(第2マークセンサ)が、おもて面第2ページ列に対応するレジマークMKを検出する度に、裏面印刷部30は、第2ページバッファ20からラスタデータを読み出し、検出したレジマークMKの位置から裏面ページ画像の印刷を開始する。
裏面印刷部30は、上述したように、裏面第1ページ列の印刷と裏面第2ページ列の印刷とを独立して行う。具体的には、図3を参照して、裏ページ2−1の印刷が終了した後、第2マークセンサが表ページ2−2に対応するレジマークMKを検出することで、裏面第2ページ列側においては裏ページ2−2の印刷が開始されるが、その後においても、裏面第1ページ列側においては裏ページ1−1の印刷が継続される。そのとき、主走査方向に見れば、裏ページ1−1と裏ページ2−2の印刷が同時に実行されることとなる。そして、裏ページ1−1の印刷が終了した後、第1マークセンサが表ページ1−2に対応するレジマークMKを検出することで裏ページ1−2の印刷が開始されるが、その場合にも、裏面第2ページ列側においては裏ページ2−2の印刷が継続される。つまり、裏面第1ページ列における裏面ページ画像の印刷においては、おもて面第2ページ列に印刷されたレジマークMKの影響は受けないし、裏面第2ページ列における裏面ページ画像の印刷においては、おもて面第1ページ列に印刷されたレジマークMKの影響は受けない。
これにより、図3に示される通り、従来の問題であった裏面ページ画像の途中が途切れてしまうという問題(図6参照)が解消される。なお、図3に示す通り、おもて面ページ画像の印刷後の乾燥処理により、連続紙が縮んでいることから、各裏面ページ画像の用紙搬送方向後端部が印刷されずに途切れている。しかし、上述のように、この問題は、ページ画像の用紙搬送方向後端部は余白となっている場合も多く、また、ページ画像内のコンテンツを予め用紙搬送方向前側に寄せておくなどすることで容易に対応可能であることから、問題にならない場合が多い。
なお、裏面ページ画像の用紙搬送方向後端部の印刷途切れを抑制するために、ラスタデータ生成部14が、各裏面ページ画像のFCB長を調整した上でラスタデータを生成するようにしてもよい。本実施形態では、乾燥機26の乾燥処理によって、おもて面ページ画像印刷済の連続紙が用紙搬送方向に縮むことから、ラスタデータ生成部14は、各裏面ページ画像のFCB長を縮めた上でラスタデータを生成することで、裏面ページ画像の用紙搬送方向後端部の印刷途切れを抑制することができる。
ここで、連続紙の縮み量は、おもて面ページ画像における印刷率(当該おもて面ページ画像の全体面積に対するインクが付された面積の割合)に応じたものとなる。具体的には、おもて面ページ画像における印刷率が多い程、より縮み量が大きくなる。したがって、ラスタデータ生成部14は、各おもて面ページ画像の印刷率に基づいて、対応する裏面ページ画像のFCB長の縮み量を決定するのが好ましい。
図1に戻り、乾燥機32は、連続紙の搬送経路における裏面印刷部30の下流側に設けられる。乾燥機32は、裏面印刷部30により印刷された裏面ページ画像のインクを乾燥させる処理を実行する。例えば、乾燥機32は熱風によりおもて面ページ画像のインクを乾燥させる。
巻取装置34は、おもて面印刷部24及び裏面印刷部30により印刷処理され、搬送されてくる連続紙を巻き取る装置である。巻取装置34は、例えば、回転可能な軸を含んで構成され、ロール状の連続紙が当該軸にセットされた状態で軸が回転することにより連続紙を巻き取る。
画像形成装置10の構成概略は以上の通りである。画像形成装置10によれば、連続紙に対して、各ページ画像のFCB長が互いに異なる複数のページ列をおもて面及び裏面に印刷する場合において、裏面ページ画像の途中が途切れてしまうことが防止される。
以下、図4に示すフローチャートに従って、画像形成装置10の処理の流れを説明する。
ステップS10において、ラスタデータ生成部14は、ユーザにより入力された2つの印刷ジョブに基づいて、各おもて面ページ画像及び各裏面ページ画像に対応する複数のラスタデータを生成する。第1印刷ジョブから生成された各ラスタデータには第1ページ列を示すページ列情報が含められ、第2印刷ジョブから生成された各ラスタデータには第2ページ列を示すページ列情報が含められる。
ステップS12において、ステップS10で生成されたラスタデータが第1ページバッファ18又は第2ページバッファ20に格納される。第1ページ列に対応するラスタデータは第1ページバッファ18に格納され、第2ページ列に対応するラスタデータは第2ページバッファ20に格納される。
ステップS14において、おもて面印刷部24は、第1ページバッファ18及び第2ページバッファ20からおもて面ページ画像に対応するラスタデータを読み出し、連続紙におもて面第1ページ列及びおもて面第2ページ列を用紙幅方向に並べて印刷する。ここで、おもて面印刷部24は、おもて面第1ページ列及びおもて面第2ページ列に含まれる各おもて面ページ画像の開始位置にレジマークMKを印刷する。
ステップS16において、乾燥機26により乾燥処理が実行される。これにより、連続紙が用紙搬送方向に縮む。以下、裏面印刷処理が開始される。
ステップS18において、裏面印刷部30は、マークセンサ28がレジマークMKを検出したか否かを判定する。マークセンサ28がレジマークMKを検出しない場合、再度ステップS18に戻る。すなわち、裏面印刷部30は、マークセンサ28がレジマークMKを検出するまで待機する。マークセンサ28がレジマークMKを検出した場合、ステップS20に進む。
ステップS20において、裏面印刷部30は、マークセンサ28が検出したレジマークMKが、おもて面第1ページ列に対応するものであるか、おもて面第2ページ列に対応するものであるかを判定する。本実施形態では、第1マークセンサがレジマークMKを検出した場合は、おもて面第1ページ列に対応するレジマークMKが検出されたと判定し、第2マークセンサがレジマークMKを検出した場合は、おもて面第2ページ列に対応するレジマークMKが検出されたと判定する。おもて面第1ページ列に対応するレジマークMKが検出された場合はステップS22に進み、おもて面第2ページ列に対応するレジマークMKが検出された場合はステップS24に進む。
ステップS22において、裏面印刷部30は、第1ページバッファ18から裏面ページ画像に対応するラスタデータを読み出し、ステップS18で検出されたレジマークMKが示す開始位置から裏面第1ページ列の裏面ページ画像を印刷する。
ステップS24において、裏面印刷部30は、第2ページバッファ20から裏面ページ画像に対応するラスタデータを読み出し、ステップS18で検出されたレジマークMKが示す開始位置から裏面第2ページ列の裏面ページ画像を印刷する。
ステップS22又はS24において裏面ページ画像の印刷がされ、用紙が搬送されると、ステップS26において、乾燥機32による乾燥処理が実行される。
ステップS28において、裏面印刷部30は、裏面印刷処理が終了したか否かを判定する。裏面印刷処理が終了していない場合、すなわちまだ印刷していない裏面ページ画像がある場合には、再度ステップS18に戻る。そして、裏面印刷処理が終了するまで、ステップS18からS28の処理を繰り返す。ステップS28において裏面印刷処理が終了したと判定されると、当該印刷ジョブの印刷処理が完了する。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、おもて面印刷部24によるおもて面ページ画像の印刷後に乾燥機26による乾燥処理が行われていたが、レーザプリンタの場合、おもて面印刷の後の定着処理によっても連続紙が伸縮する。したがって、本発明は、乾燥機26に代えて定着機を有するレーザープリンタにおいても好適に適用できる。