JP2019054744A - 疑似果肉食感ゼリーの調製方法及び疑似果肉食感ゼリー含有食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを含有する食品とその製造方法の提供。【解決手段】下記のいずれかの方法で形成した、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを含有する食品とその製造方法。1)耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類溶液と、カルシウム塩を含む原料を溶解させた溶液の混合液に、有機酸を含有する溶液を混合して調製する方法。2)耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類溶液と、カルシウム塩を含む原料を、難溶性カルシウム塩の分散液の混合液に、有機酸を含有する溶液を混合して調製する方法。3)耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類と、カルシウム塩を含む原料を粉末混合したものを熱水に添加して多糖類を溶解した後に、有機酸を含有する溶液を混合して調製する方法。前記多糖類として、脱アシル型ジェランガム、LMペクチン、アルギン酸の中から1種類以上を使用する前記製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、擬似果肉含有食品の新規の製造方法に関する。擬似果肉とは、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルであり、本発明では、この擬似果肉含有食品の製造方法を提供する。
近年、消費者の好みの多様化から、様々な飲料の開発が行われている。果肉を含有させた飲料においてはその食感などを楽しむこともできる利点があるため、研究開発が行われている。
しかし、果肉を使用する場合、種や皮などの異物に該当する部位が混合してしまう可能性が高いため、果肉に似せたゼリーなどのゲル片を使用する研究開発が行われている。現在ではカチオンと反応して耐熱性のゲルを形成する多糖類溶液とカチオンを含む溶液を混合することで疑似果肉を形成する方法が提案されている。
しかし、果肉を使用する場合、種や皮などの異物に該当する部位が混合してしまう可能性が高いため、果肉に似せたゼリーなどのゲル片を使用する研究開発が行われている。現在ではカチオンと反応して耐熱性のゲルを形成する多糖類溶液とカチオンを含む溶液を混合することで疑似果肉を形成する方法が提案されている。
しかし、多糖類溶液とカチオン溶液を混合する方法では、均一な形状のゲル片を調製することが極めて難しく、特定の設備と条件が必要である。また、製造工程中で様々な圧がかかることによりゲル片がつぶれてしまう可能性や、調合を行うタンク内でのゲル片の不均一分散、ゲル片によるストレーナー詰まり等の問題が山積している。
先行特許文献1の様に、ゲル化剤などの食品素材を利用して、食感等を本物の果実に似せた擬似果実食品の開発は行われている。
先行技術文献の特許文献2では、脱アシル型ジェランガム、グルコマンナン及びキサンタンガムまたはκ―カラギナンを含有するゲル化剤を加熱溶解し、その溶液を冷却してその後可溶性カルシウム塩溶液を混合してゼリー部を調製して製造するゼリー入り飲料についての記載がある。
先行技術文献の特許文献3では難溶性のカルシウム塩を使用し、均一なゲル片を調製する方法が記載されているが、pH低下素材を添加した後に静置して全体を均一にゲル化させた後、ゲルを小さく砕く工程が必要であり、製造時に時間がかかる上に、均一にゲル化した巨大なゲルを砕くためにゲルの均一性を確保する為には細かな条件設定が必要と推測される。
本発明では、特許文献2と異なり種々のゲル化剤を使用するのではなく、ゲル化剤としてはペクチンを主として使用し、また冷却するなどゲル化に必要なさらなる工程を必要としない。また、特許文献3と異なり、均一にゲル化させるまで静置する工程が必要ないだけでなく、エステル化度が低いLMペクチンを使用することで均一なゲル片を製造することが出来ることを特徴とする。
本発明者らは、これまで金属塩と酸性溶液を混合した溶液を攪拌しながらペクチン溶液を混合することで、果肉・果実の食感を有するゲルを調製する手法についての知見を有していたが、これまでの方法では攪拌速度・ペクチン溶液の添加速度等、ゲル片のサイズ等に影響を及ぼす項目が多く存在しており、実際の製造工程においてそれら項目のコントロールを行うことが困難であった。
本発明の目的は、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを食品の組成の一つとして有する、擬似果肉入り食品を簡易に製造することを提供する。
発明者達はゲル化剤であるペクチンと少なくとも1種類以上の金属塩で、より好ましくはカルシウム塩を含む原料を溶解させた溶液と酸性溶液で、好ましくは有機酸を混合することで、簡易に均一な大きさの疑似果肉食感を有したゲル片を調製できることを発見した。更に、難溶性金属塩を使用した製造方法ではすべての粉末原料を事前に溶解することなく、粉末の状態で調合容器に添加することが可能であり、かつ製造工程において連続して原料を投入して疑似果肉食感のゲル片を調製できることを発見した。
本発明により、均一な大きさの果肉、パルプ様食感のゲル片を簡易に調製することができる。
本発明は、ゲル化剤であるペクチンと少なくとも1種類以上の金属塩で、より好ましくはカルシウム塩を含む原料を溶液、分散液で混合、または両原料を粉末状態で混合した後に多糖類を溶解した溶液に、酸性溶液で、好ましくは有機酸を混合することで均一なサイズのゲル片を簡易に調製できる技術に関する。
本発明における「ゲル片」とは、ゲル化剤と金属塩を含有した液に酸性溶液を加えて調製する様々な形状を有する小さなゼリーである。この小さなゼリーが食品中に分散されることによって果実・果肉によく似た食感を付与することができる。
下記従来法ならびに実施例にはGENU pectin type 5CSJ(以後5CSJ)を使用したが、エステル化度が低いLMペクチンであれば同様に使用できる可能性がある。
また、実際の製品を製造する際には有機酸を含む原料として食酢や果汁を使用することが想定され、実施例では簡易的にクエン酸溶液を使用したが、pHを低下させる効果ある物質であれば同様に使用することが出来る。
また、実際の製品を製造する際には有機酸を含む原料として食酢や果汁を使用することが想定され、実施例では簡易的にクエン酸溶液を使用したが、pHを低下させる効果ある物質であれば同様に使用することが出来る。
(従来法)カルシウム含有液と有機酸溶液、ペクチン溶液を混合してゲル片を調製した。
容器にカルシウム含有液(原料A)と有機酸溶液(原料B)を入れた後、プロペラ攪拌機で攪拌しながらペクチン溶液(原料C)を添加してゲル片を調製した。調製後の溶液を容器に充填し、85℃で10分間加熱処理した。
(実施例1)易溶性カルシウム含有液とペクチン溶液をあらかじめ混合した後にクエン酸溶液を添加する方法でゲル片を調製した。ただし、カルシウム濃度はカルシウム含有液とペクチン溶液混合時にゲルが形成されない範囲に限定する必要がある。
容器に約80℃に温めたカルシウム含有液(原料A)とペクチン溶液(原料B)を入れて混合した後、室温まで冷却し、プロペラ攪拌機で攪拌しながら有機酸溶液(原料C)を添加してゲル片を調製した。調製後の溶液を容器に充填し、85℃で10分間加熱処理した。
(実施例2)難溶性カルシウム含有液とペクチン溶液をあらかじめ混合した後にクエン酸溶液を添加する方法でゲル片を調製した。
容器にカルシウム含有液(原料A)とペクチン溶液(原料B)を入れた後、プロペラ攪拌機で攪拌しながら有機酸溶液(原料C)を添加してゲル片を調製した。調製後の溶液を容器に充填し、85℃で10分間加熱処理した。
上記実施例1及び2で調製したゲルと従来法で調製を行ったゲルの比較を行った。
比較結果を下記表にまとめた。
これらの結果より、実施例では従来法よりも均一かつ良好な食感のゲル片を調製できることを確認した。
比較結果を下記表にまとめた。
発明者らは更に簡易にゲル片を調製できる方法を検討する為、実施例1、2の原料の配合割合において、全ての粉末原料を溶解せずに添加する実施例3、4を行った。
(実施例3、4)原料Aの粉末原料と粉末状態のペクチン(原料B)をあらかじめ混合したものを湯に添加した後、有機酸溶液(原料C)を添加する方法でゲル片を調製した。
容器に約80℃に温めたイオン交換水を入れた後、原料Aの粉末原料と粉末状態のペクチン(原料B)をあらかじめ混合したものを添加し、粉末原料を溶解した。室温に冷却後、有機酸溶液(原料C)を添加してゲル片を調製した。調製後の溶液を容器に充填し、85℃で10分間加熱処理した。
上記実施例3及び4で調製したゲルの評価を行った。
比較結果を下記表にまとめた。
実施例1〜4の結果より、易溶性カルシウム塩を使用した方法ではカルシウム含有液とペクチン溶液を混合する必要があり、必然的に2液の調製が必要であるが、難溶性カルシウム塩を使用した方法ではすべての粉末を事前溶解無しに使用しても良好な形状、食感のゲルを調製できることを確認した。
比較結果を下記表にまとめた。
Claims (6)
- 下記のいずれかの方法で形成した、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを含有する食品とその製造方法。
1)耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類溶液と、少なくとも1種類以上の金属塩で、好ましくはカルシウム塩であるものを含む原料を溶解させた溶液の混合液に、酸性溶液で、好ましくは有機酸を含有する溶液を混合して、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを調製する方法。
2)耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類溶液と、少なくとも1種類以上の難溶性金属塩で、好ましくはカルシウム塩を含む原料を、難溶性カルシウム塩の分散液の混合液に、酸性溶液で、好ましくは有機酸を含有する溶液を混合して、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを調製する方法。
3)耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類と、少なくとも1種類以上の難溶性金属塩で、好ましくはカルシウム塩を含む原料を粉末混合したものを熱水に添加して多糖類を溶解した後に、酸性溶液で、好ましくは有機酸を含有する溶液を混合して、植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを調製する方法。
- 請求項1の耐熱性のゲルを形成することが出来る多糖類として、脱アシル型ジェランガム、LMペクチン、アルギン酸からの中から1種類以上を使用することを特徴とする請求項1に記載の食品。
- 請求項2の多糖類がエステル化度(DE値)20%以下のLMペクチンであることを特徴とする請求項1に記載の食品。
- 請求項1の難溶性金属塩が、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の食品。
- 請求項1の植物の果肉、パルプ食感を有する耐熱性ゲルを含有する食品において、耐熱性ゲル部分以外が液体である場合は液状食品として、耐熱性ゲル部分以外がゾルまたはゲル状である場合はゼリー状食品として提供することが可能である、請求項1に記載の食品。
- 請求項5の液状食品が飲料であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
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JP2017180355A JP2019054744A (ja) | 2017-09-20 | 2017-09-20 | 疑似果肉食感ゼリーの調製方法及び疑似果肉食感ゼリー含有食品の製造方法 |
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KR20240011154A (ko) | 2021-05-21 | 2024-01-25 | 더 코카콜라 컴파니 | 젤리 함유 음료 및 이의 제조 방법 |
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