JP2019053790A - 硬貨処理機および硬貨処理方法 - Google Patents

硬貨処理機および硬貨処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部への硬貨の飛びちりを防止することができる硬貨処理機および硬貨処理方法を提供する。【解決手段】硬貨処理機100は外部から硬貨を入金するための入金部110を備えており、当該入金部110は、入金口111と、入金口111を開閉するためのシャッター115とを有している。また、硬貨が入金部110内に存在している間、シャッター115を閉じることができるようになっている。【選択図】 図4

Description

本発明は、硬貨を処理する硬貨処理機および硬貨処理方法に関する。
従来から、入金口から入金された硬貨を金種別に収容するとともに、機内に収容された硬貨を釣銭として払い出す硬貨処理機が知られている。そして、このような硬貨処理機に関しては例えば特許文献1が知られている。この特許文献1には、硬貨を識別する識別部を有する入金用搬送手段と、入金用搬送手段から正貨として識別された硬貨を受け入れて一時保留する硬貨保留手段と、硬貨保留手段から出金された硬貨を選別する硬貨振分手段と、硬貨振分手段で選別された硬貨を金種別に収容し、所定の出金指令に基づいて払い出す繰出収納部である硬貨収容手段と、硬貨収容手段から払い出された硬貨を払出口及び硬貨保留手段のいずれか一方を選択して出金する出金切換手段と、硬貨収容手段から払い出された硬貨を搬送して出金切換手段の動作に応じて硬貨保留手段又は払出口へ出金する硬貨払出手段と、を備えた硬貨処理機が開示されている。そして、硬貨収容手段内の硬貨を硬貨保留手段へ送り込み、再び硬貨収容手段へ循環させることにより、機内硬貨の精査を行うことができる。
特許第4341578号
本発明は、外部への硬貨の飛びちりを防止することができる硬貨処理機および硬貨処理方法を提供する。
本発明の硬貨処理機は、外部から硬貨を入金するための入金部を備えた硬貨処理機であって、前記入金部は、入金口と、前記入金口を開閉するためのシャッターとを有しており、硬貨が前記入金部内に存在している間、前記シャッターを閉じることができることを特徴とする。
また、本発明の硬貨処理機は、硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出す繰出収納部と、前記入金部に入金された硬貨を入金経路に沿って前記繰出収納部に搬送する入金搬送部と、前記繰出収納部から繰り出された硬貨を出金経路に沿って搬送する出金搬送部と、前記出金経路に繰り出され、前記出金搬送部により搬送された硬貨を出金する出金部と、前記入金経路とは異なる箇所に設けられ、前記出金経路に繰り出された硬貨のうち前記出金部により出金されない硬貨の一部または全部を収納する補助収納部と、前記補助収納部に収納された硬貨を前記入金経路よりも上流の位置または前記入金経路に繰り出す繰出搬送部と、を更に備え、少なくとも前記補助収納部から繰り出された硬貨が前記入金部内に存在している間、前記シャッターが閉じることができるようになっていてもよい。
また、本発明の硬貨処理機においては、前記シャッターを手動で閉じることができるようになっていてもよい。
本発明の硬貨処理機は、前記繰出収納部内に収納されている硬貨の枚数を記憶する記憶部を更に備え、前記繰出収納部は複数設けられており、前記複数の繰出収納部には金種毎に硬貨が収納されるようになっており、前記記憶部に記憶されている硬貨の枚数と各前記繰出収納部に収納されている硬貨の枚数との間に相違がある場合、または前記記憶部に記憶されている硬貨の枚数と各前記繰出収納部に収納されている硬貨の枚数との間に相違がある可能性がある場合に、精査処理が行われるようになっていてもよい。
本発明の硬貨処理方法は、硬貨を処理する硬貨処理方法であって、入金部に外部から硬貨を入金する工程と、前記入金部に形成された入金口を開閉するためのシャッターを閉じる工程と、を備え、前記シャッターは、前記入金部に硬貨が存在している間、閉じられることを特徴とする。
本発明の硬貨処理機および硬貨処理方法によれば、外部への硬貨の飛びちりを防止することができる。
図1は、本発明の実施の形態による硬貨処理システム(貨幣処理システム)の構成を示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態による硬貨処理システム(貨幣処理システム)の構成を示す制御ブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態による硬貨処理機の外観を示す斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる硬貨入金部、入金硬貨搬送部、金種別硬貨繰出収納部等を示した上方平面図である。 図5は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる補助収納部の外観を示した斜視図である。 図6は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる繰出搬送部の突起付きベルトの構成を示した斜視図である。 図7は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる出金硬貨搬送部、金種別硬貨繰出収納部、硬貨入金部等を示した上方平面図である。 図8は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる出金硬貨搬送部、金種別硬貨繰出収納部、硬貨出金部等を示した上方平面図である。 図9は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる補助収納庫、繰出搬送部、出金硬貨搬送部、硬貨入金部、金種別硬貨繰出収納部、硬貨出金部等を示した縦断面図である。 図10は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる補助収納庫及び繰出搬送部を長手方向で切断した縦断面図である。 図11は、本発明の実施の形態による硬貨処理機で用いられる補助収納庫及び繰出搬送部を短手方向で切断した横断面図である。 図12(a)は、本発明の実施の形態による硬貨処理機において、補助収納庫から硬貨が繰り出されていない状態を示した縦断面図であり、図12(b)は、本発明の実施の形態による硬貨処理機において、補助収納庫から硬貨が繰り出されている状態を示した縦断面図である。 図13(a)は、本発明の実施の形態による硬貨処理機において、硬貨入金部のシャッターが開いた状態を示した縦断面図であり、図13(b)は、本発明の実施の形態による硬貨処理機において、硬貨入金部のシャッターが閉じた状態を示した縦断面図である。 図14は、精査処理の流れの概略を示した図である。 図15(a)は、オーバーフローの退避処理の流れの概略を示した図であり、図15(b)は、オーバーフローの復活処理の流れの概略を示した図である。 図16は、出金リトライ処理の流れの概略を示した図である。
実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る硬貨処理機、硬貨処理システム(貨幣処理システム)及び硬貨処理方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図16は本発明の実施の形態を説明するための図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」、「紙幣」又は「硬貨」及び「紙幣」の両方のことを意味する。また、硬貨処理機において、「上流」とは硬貨の搬送方向の「上流」を意味し、「下流」とは硬貨の搬送方向の「下流」を意味する。
本願の硬貨処理システムは、硬貨を処理する硬貨処理機100の他に、紙幣を処理する紙幣処理機200及び/又は棒金を収納するための棒金ドロア506を有する棒金管理装置500を備えていてもよい(図1及び図2参照)。また、本願の硬貨処理システムは、硬貨処理機100、紙幣処理機200及び棒金管理装置500のいずれか1つ以上に接続されたPOSレジスタ300、パソコン、サーバ400等を備えてもよい(図1及び図2参照)。硬貨処理機100の他に、紙幣を処理する紙幣処理機200及び/又は棒金を収納するための棒金ドロア506を備えている場合には、硬貨処理機100と、紙幣処理機200及び/又は棒金管理装置500とは、別体となっていてもよいし一体となっていてもよい。なお、硬貨処理機100以外のあらゆる装置が外部装置に該当し、上述した例で言うと、紙幣処理機200、棒金管理装置500、POSレジスタ300、パソコン、サーバ400等が外部装置に該当する。
本実施の形態では、硬貨処理機100、紙幣処理機200、棒金管理装置500、POSレジスタ300及びサーバ(例えば店舗サーバ)400を備えた硬貨処理システムを用いて説明する。以下では、当該硬貨処理システムを主として貨幣処理システムと呼んで説明する。
本実施の形態において、硬貨処理機100は硬貨の入出金処理を行い、紙幣処理機200は紙幣の入出金処理を行うようになっている。なお、図1及び図2は、本実施の形態の貨幣処理システム(硬貨処理システム)の構成を示すための図面である。
本実施の形態のPOSレジスタ300はサーバ400に通信接続されている。そして、POSレジスタ300からサーバ400に売上金情報等が送信されるようになっている。また、各種設定情報が、サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
図2に示すように、硬貨処理機100は、硬貨処理機100を制御する上位制御部101及び硬貨制御部102を有しており、これらの上位制御部101及び硬貨制御部102は通信接続されている。また、紙幣処理機200は、紙幣処理機200を制御する紙幣制御部202を有しており、この紙幣制御部202は硬貨処理機100の上位制御部101に通信接続されている。また、棒金管理機500は、棒金管理機500を制御する棒金制御部502を有しており、この棒金制御部502は硬貨処理機100の上位制御部101に通信接続されている。また、POSレジスタ300は、POSレジスタ300を制御するPOS制御部302を有しており、このPOSレジスタ300のPOS制御部302は硬貨処理機100の上位制御部101に通信接続されている。
そして、硬貨処理機100において硬貨の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等の様々な処理を行うと、硬貨処理機100の硬貨識別部150で識別された結果は硬貨処理機100からPOSレジスタ300に出力されて、当該結果が後述するPOS表示部351で表示される。また、紙幣処理機200において紙幣の入金処理、出金処理、精査処理、回収処理等の様々な処理を行うと、紙幣処理機200の紙幣識別部250で識別された結果も紙幣処理機200から上位制御部101を介してPOSレジスタ300に出力されて、当該結果がPOS表示部351で表示される。また、棒金管理機から出力される棒金の有無に関する情報、棒金の金種に関する情報等も棒金管理機500から上位制御部101を介してPOSレジスタ300に出力されて、当該情報がPOS表示部351で表示される。
以下、紙幣処理機200、棒金管理機500、POSレジスタ300及び硬貨処理機100の構成について、説明する。
《紙幣処理機200》
紙幣の入出金処理する紙幣処理機200の構成について説明する。
図1に示すように、紙幣処理機200は、略直方体形状の紙幣筐体205と、紙幣を紙幣筐体205の外部から入金するための紙幣入金部210と、紙幣入金部210から入金された紙幣を搬送する紙幣搬送部220と、紙幣入金部210から入金された紙幣の金種等を識別して計数する紙幣識別部250と、紙幣搬送部220で搬送された紙幣を収納するとともに収納された紙幣を繰り出す紙幣繰出収納部260と、リジェクト紙幣や紙幣繰出収納部260に収納されていた紙幣を出金するための紙幣出金部290と、を備えている。
紙幣入金部210は、紙幣が入金されると駆動されて当該紙幣を紙幣筐体205内に繰り出す入金紙幣繰出部(図示せず)を有している。また、紙幣繰出収納部260は、必要に応じて紙幣繰出収納部260から紙幣を繰り出す出金紙幣繰出部(図示せず)を有している。
また、図1に示すように、紙幣搬送部220には、回収処理を行う際に紙幣繰出収納部260から繰り出された紙幣を収納する回収カセット235が連結されている。なお、紙幣識別部250で識別された紙幣の金種を収納するための紙幣繰出収納部260がフル(満杯)状態又はニアフル(ほぼ満杯)状態である場合には、この紙幣はオーバーフロー紙幣として、回収カセット235に収納される。
また、図1に示すように、紙幣搬送部220には、紙幣繰出収納部260から繰り出された紙幣が紙幣識別部250によって識別できない場合に、当該紙幣(出金リジェクト紙幣)を収納する出金リジェクト部230が連結されている。
図2に示すように、紙幣処理機200の紙幣制御部202には、インターフェース232、紙幣入金部210、紙幣搬送部220、出金リジェクト部230、紙幣識別部250、紙幣繰出収納部260、紙幣出金部290等がそれぞれ接続されている。そして、紙幣制御部202は、紙幣入金部210、紙幣搬送部220、紙幣識別部250、紙幣繰出収納部260、紙幣出金部290等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
《棒金管理機》
次に、本実施の形態の棒金管理機500について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の棒金管理機500は、棒金筐体505と、棒金筐体505に対して引き出し自在に設けられ、棒金を1本ずつ収納する棒金収納部520を複数個有する棒金ドロア506と、を備えている。なお、この棒金ドロア506内には、棒金以外にもバラ硬貨、紙幣、商品券等も収納することができる補助収納領域530が設けられていてもよい。
また、棒金ドロア506と棒金筐体505との間には、棒金制御部502に接続されたロータリエンコーダ(変位検出手段)(図示せず)が設けられており、棒金ドロア506の棒金筐体505に対する位置を検出することができるようになっている。そして、センサとロータリエンコーダ(変位検出手段)によって、棒金の直径を検出することで、棒金の有無を検知するだけでなく、棒金の金種の判定することができるようになっており、これらセンサとロータリエンコーダ(変位検出手段)によって、棒金検知部580(図2参照)が構成されている。ちなみに、本実施の形態では、棒金ドロア506の底面にスリット525が形成されており、このスリット525をセンサからの光が透過することで、棒金の直径や棒金の有無を検出することができるようになっている。なお、棒金収納部520内の棒金の有無及び金種を検知する手段としては、この方式に限定されず、各棒金収納部520に有無や金種(材質)を検知するセンサを配置してもよい。また、棒金筐体505には、棒金ドロア506を棒金筐体505に対して閉鎖位置に固定するロック部560
(図2参照)が設けられている。また、本実施の形態の棒金管理機500は、棒金筐体505に対して棒金ドロア506が開状態になっているか閉状態になっているかを検知する開閉検知部570(図2参照)も備えている。
図2に示すように、棒金管理機500の棒金制御部502には、インターフェース532、棒金検知部580、開閉検知部570、ロック部560等がそれぞれ接続されている。そして、棒金制御部502は、棒金検知部580、開閉検知部570、ロック部560等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
《POSレジスタ300》
次に、POSレジスタ300の構成について説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨処理機100や紙幣処理機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。
図2に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部302は、硬貨処理機100の上位制御部101に通信接続されているとともに、サーバ400にも通信接続されている。そして、このPOS制御部302は、硬貨処理機100の上位制御部101を介して硬貨制御部102、紙幣制御部202及び棒金制御部502に指令を送り、この結果、硬貨処理機100に対して硬貨の入出金処理を行わせ、紙幣処理機200に対して紙幣の入出金処理を行わせ、棒金管理機500の棒金ドロア506を開放させるようになっている。また、POS制御部302は、硬貨制御部102、紙幣制御部202及び棒金制御部502から、上位制御部101を介して、硬貨処理機100、紙幣処理機200及び棒金制御部502における硬貨、紙幣及び棒金の処理状況や在高に係る情報を受け取るようになっている。
図1に示すように、POSレジスタ300は、店員等の操作者が操作することのできるPOS操作部352と、硬貨処理機100における硬貨の処理状況、紙幣処理機200における紙幣の処理状況、硬貨処理機100の内部に収納された硬貨の在高、紙幣処理機200の内部に収納された紙幣の在高及び棒金管理機500の内部に収納された棒金の在高等を表示するPOS表示部351と、を備えている。操作者は、POS操作部352を介してPOS制御部302に対して様々な指令を与えることができるようになっている。
図2に示すように、POSレジスタ300のPOS制御部302は、インターフェース332を介して、硬貨処理機100の上位制御部101やサーバ400に対して信号の送受信を行うようになっている。また、POS記憶部355には、硬貨処理機100における硬貨の処理状況、硬貨処理機100の内部に収納された硬貨の在高、紙幣処理機200における紙幣の処理状況、紙幣処理機200の内部に収納された紙幣の在高及び棒金管理機500の内部に収納された棒金の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。
なお、POSレジスタ300は、クレジットカード等の各種カードを読み取るカードリーダ360と、プリンター等からなる印字部370も有している。なお、POS表示部351で表示されるあらゆる情報やPOS記憶部355で記憶されているあらゆる情報は、当該印字部370で印字することができるようになっている。
《硬貨処理機100》
硬貨の入出金処理する硬貨処理機100の構成について説明する。なお、図3乃至図15は、本実施の形態の硬貨処理機100の構成を示すための図面である。
図2に示すように、本実施の形態の硬貨処理機100の上位制御部101には、インターフェース132と、後述する硬貨操作表示部152と、様々な情報を記憶する硬貨記憶部155が接続されている。また、硬貨制御部102には、後述する、硬貨入金部(特許請求の範囲の「入金部」に対応する。)110、入金硬貨搬送部(特許請求の範囲の「入金搬送部」に対応する。)120、硬貨識別部(特許請求の範囲の「識別部」に対応する。)150、硬貨繰出収納部(特許請求の範囲の「繰出収納部」に対応する。)160、出金硬貨搬送部(特許請求の範囲の「出金搬送部」に対応する。)180、硬貨出金部(特許請求の範囲の「出金部」に対応する。)190、振分部126,127,129,186及び検知センサ124,125,165,179,185等が接続されている。そして、上位制御部101は、硬貨操作表示部152及び硬貨記憶部155等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。また、硬貨制御部102は、硬貨入金部110、入金硬貨搬送部120、硬貨識別部150、硬貨繰出収納部160、補助収納部170、出金硬貨搬送部180及び硬貨出金部190、振分部126,127,129,186及び検知センサ124,125,165,179,185等と信号の送受信を行い、これらを制御するように構成されている。
本実施の形態の硬貨処理機100は、図4に示すように、略直方体形状の硬貨筐体105と、硬貨を硬貨筐体105の外部から入金するための硬貨入金部110と、硬貨筐体105内に設けられ、硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出す硬貨繰出収納部160と、硬貨筐体105内において、硬貨入金部110から投入された硬貨を1枚ずつ硬貨繰出収納部160まで入金経路に沿って搬送する入金硬貨搬送部120と、入金経路に沿って設けられ、入金硬貨搬送部120で搬送される硬貨を識別して計数する硬貨識別部150と、を備えている。また、図3に示すように、硬貨筐体105の上面には、操作者が操作信号を入力したり操作者に所定の情報を表示したりするための硬貨操作表示部152が設けられている。本実施の形態の硬貨操作表示部152はタッチパネルとなっており、硬貨操作表示部152に直接触れることで、操作者が操作信号を入力することができる。
図4に示すように、硬貨入金部110は、硬貨を投入するための硬貨入金口111と、硬貨入金口111から投入された硬貨及び後述する繰出搬送部171によって繰り出された硬貨を入金経路に繰り出す繰出ベルト112と、硬貨入金口111を開閉するためのシャッター115と、を有している。なお、図4において、繰出ベルト112は硬貨を左方向に向かって繰り出すようになっている。
入金硬貨搬送部120は、硬貨をピンで支持し、図4において反時計回りに硬貨を搬送する無端状のピン付きベルト121と、当該ピン付きベルト121を駆動する駆動ローラ122(つまり、第一駆動ローラ122a、第二駆動ローラ122b、第三駆動ローラ122c、第四駆動ローラ122d及び第五駆動ローラ122e)と、を有している。この駆動ローラ122の少なくとも一つには、駆動ローラ122を駆動するための駆動モータ
(図示せず)が連結されている。入金経路には、入金経路に沿って硬貨が通過したことを検知するための複数の検知センサ124,125(後述する)が設けられている。
入金硬貨搬送部120のピン付きベルト121は、第一駆動ローラ122aから図4の上方向に延びた第一入金搬送領域121aと、第二駆動ローラ122bに巻き掛けられて第一入金搬送領域121aから図4の右方向に延びた第二入金搬送領域121bと、第二入金搬送領域121bから第三駆動ローラ122cに巻き掛けられた箇所を介して図4の左方向に延びた第三入金搬送領域121cと、第四駆動ローラ122dに巻き掛けられて第三入金搬送領域121cから図4の上方向に延びた第四入金搬送領域121dと、この第四入金搬送領域121dから第五駆動ローラ122eに巻き掛けられた箇所を介して図4の下方向に延びた第五入金搬送領域121eと、を有している。なお、繰出ベルト112で繰り出された硬貨は、第一入金搬送領域121a、第二入金搬送領域121b、第三入金搬送領域121c及び第四入金搬送領域121dを経て、硬貨繰出収納部160に収納されることとなる。本実施の形態では、第二入金搬送領域121bに上述した硬貨識別部150が設けられている。この硬貨識別部150は、硬貨の金種、真偽、正損、新旧等の識別を行うようになっている。
図4に示すように、第四入金搬送領域121dには、後述する金種別硬貨繰出収納部161(つまり金種別硬貨繰出収納部161a〜161f)の各々に対応した検知センサ125(つまり検知センサ125a〜125f)と、当該検知センサ125からの情報を受けて各金種別硬貨繰出収納部161に対応する金種の硬貨を振り分ける複数(本実施の形態では6つ)の第二入金振分部127(つまり第二入金振分部127a〜127f)が設けられている。各検知センサ125は、対応する金種別硬貨繰出収納部161の上流位置に対応して設けられている。つまり、金種別硬貨繰出収納部161aの直前の上流には検知センサ125aが設けられ、金種別硬貨繰出収納部161bの直前の上流には検知センサ125bが設けられ、金種別硬貨繰出収納部161cの直前の上流には検知センサ125cが設けられ、金種別硬貨繰出収納部161dの直前の上流には検知センサ125dが設けられ、金種別硬貨繰出収納部161eの直前の上流には検知センサ125eが設けられ、金種別硬貨繰出収納部161fの直前の上流には検知センサ125fが設けられている。
各検知センサ125は、光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部と、を有している。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになることで硬貨が受光部と発光部との間まで搬送されたことを検知し、発光部から発光された光が硬貨で遮断されなくなり、再び受光部で発光部から発光された光を受光するようになることで硬貨が受光部と発光部との間を通過したことを検知するようになっている。
また、第二入金振分部127(第二入金振分部127a〜127fのいずれか1つ)の上流位置の検知センサ125(検知センサ125a〜125fのいずれか1つ)で硬貨の通過が確認されたが当該第二入金振分部127の下流位置の検知センサ125で硬貨の通過が確認されなかった場合には、当該第二入金振分部127で硬貨が取り込まれて、当該第二入金振分部127に対応する金種別硬貨繰出収納部161に硬貨が収納されたと判断される。
本実施の形態の硬貨繰出収納部160は、金種別に硬貨を収納する複数(本実施の形態では6つ)の金種別硬貨繰出収納部161を有しており、各金種別硬貨繰出収納部161が水平方向で並列に配置されている。金種別硬貨繰出収納部161は、図4の下から順番に、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨及び1円硬貨を収納するようになっている。各金種別硬貨繰出収納部161は、対応する硬貨を例えば150枚〜200枚程度収納することができる。
金種別硬貨繰出収納部161の各々は、硬貨を収納する金種別繰出収納庫162(つまり金種別繰出収納庫162a〜162f)と、金種別繰出収納庫162内に収納された硬貨を出金経路に繰り出すための繰出部163(図9参照)と、繰出部163で繰り出される硬貨の枚数を検知する検知センサ165(図2参照)と、所定枚数の硬貨が繰り出された際にそれ以上の硬貨が繰り出されないように硬貨の繰り出しをストップさせるためのストッパ(図示せず)と、を有している。繰出部163は、硬貨を搬送する無端状の駆動ベルト164(図9参照)と、当該駆動ベルト164を駆動する駆動ローラ(図示せず)と、を有している。各繰出部163の駆動ローラの少なくとも一つには、駆動ローラを駆動するための駆動モータ(図示せず)が連結されている。なお、図9において駆動ベルト164で搬送された硬貨は、紙面の裏側から表側に向かって繰り出されることとなる。
各検知センサ165は、光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部とを有している。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになることで硬貨が受光部と発光部との間まで搬送されたことを検知し、発光部から発光された光が硬貨で遮断されなくなり、再び受光部で発光部から発光された光を受光するようになることで硬貨が受光部と発光部との間を通過したことを検知するようになっている。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数を計数することで、出金硬貨搬送部180に繰り出された硬貨の枚数を計数することができる。
図9に示すように、本実施の形態の硬貨処理機100は、硬貨繰出収納部160から繰り出された硬貨を出金経路に沿って搬送する出金硬貨搬送部180と、出金経路に繰り出されて出金硬貨搬送部180で搬送された硬貨を出金する硬貨出金部190も備えている。出金硬貨搬送部180は、硬貨を図9の右から左へと搬送する無端状の出金搬送ベルト181と、この出金搬送ベルト181を駆動する駆動ローラ182と、を有している。この駆動ローラ182の少なくとも一つには、駆動ローラ182を駆動するための駆動モータ(図示せず)が連結されている。また、出金硬貨搬送部180は、出金搬送ベルト181の下流側端部の上方に設けられた逆転ローラ187と、出金搬送ベルト181の下流側に設けられ、略水平方向(図9の左右方向)で延在するガイド板188aと、ガイド板188aの上方に設けられ、ガイド板188aとの間で硬貨を挟持して搬送する出金搬送ベルト188bと、を有している。なお、出金搬送ベルト188bは横断面が円形状からなる丸ベルトとなっており、通路幅の中央で略水平方向(図9の左右方向)で延在している。
硬貨出金部190は、出金硬貨搬送部180の下流側端部、図9で言うと左側端部に設けられており、出金硬貨搬送部180の出金搬送ベルト181で搬送されて硬貨筐体105内から硬貨を繰り出すための出金口191と、出金口191から繰り出された硬貨を受ける出金受け部192と、を有している。
図9に示すように、本実施の形態の硬貨処理機100は、出金経路に繰り出された硬貨のうち硬貨出金部190で出金されない硬貨を収納する補助収納部170と、補助収納部170内に収納された硬貨を入金経路の上流位置に繰り出す繰出搬送部171と、を備えている。より具体的には、本実施の形態では、補助収納部170内に収納された硬貨が、繰出搬送部171によって入金経路の上流位置にある硬貨入金部110に繰り出されるようになっている。
図8で示すように、出金振分部186は、全ての金種別硬貨繰出収納部161よりも硬貨出金部190側の位置(本実施の形態では金種別硬貨繰出収納部161aよりも左側の位置)に設けられており、当該出金振分部186が開状態となって硬貨が出金振分部186に取り込まれることで出金経路から外れ、当該硬貨が補助収納部170に収納されることとなる(図9参照)。なお、出金振分部186で取り込まれない硬貨は、出金経路をそのまま搬送されて、最終的には硬貨出金部190に出金されることとなる。ちなみに、本実施の形態では、硬貨出金部190で出金されない硬貨の全てが補助収納部170内に収納されることとなるが、補助収納部170以外に出金経路に繰り出された硬貨を収納することができる部材(例えば回収部等)を設け、硬貨出金部190で出金されない硬貨の一部だけが補助収納部170内に収納されるようにしてもよい。
ちなみに、本実施の形態では、繰出搬送部171が補助収納部170内に収納された硬貨を入金経路の上流位置に繰り出す態様を用いて、以下説明するが、このような態様に限られることはなく、繰出搬送部171が補助収納部170内に収納された硬貨を入金経路に繰り出すようになっていてもよい。
図5に示すように、補助収納部170は、硬貨を収納するための補助収納庫177と、出金振分部186の下方に形成され、出金振分部186で振り分けられた硬貨を受け入れる出金側受入口186aと、出金側受入口186aで受け入れられた硬貨を補助収納庫177に導く導入路186bと、を有している。なお、この補助収納庫177には、例えば500円硬貨であれば200枚〜300枚程度を収納することができる。
出金経路において、出金振分部186の直前の上流位置(図7及び図8において右側の位置)と出金振分部186の下流位置(図8において左側の位置)の各々には検知センサ185a、185bが設けられており、硬貨の通過を検知することができるようになっている。各検知センサ185a,185bは、光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部と、を有している。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになることで硬貨が受光部と発光部との間まで搬送されたことを検知し、発光部から発光された光が硬貨で遮断されなくなり、再び受光部で発光部から発光された光を受光するようになることで硬貨が受光部と発光部との間を通過したことを検知するようになっている。
そして、出金振分部186の下流位置に設けられた検知センサ185bにおいて、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数を計数することで、硬貨出金部190に出金された硬貨の枚数を計数することができる。また、出金振分部186の直前の上流位置に設けられた検知センサ185aにおいて、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数を計数し、この回数から、出金振分部186の下流位置に設けられた検知センサ185bで計数された回数を差し引くことで、出金振分部186で振り分けられて補助収納庫177に収納された硬貨の枚数を計数することができる。ちなみに、後述する精査処理においては、全ての硬貨が出金振分部186で取り込まれ、出金振分部186の下流位置に設けられた検知センサ185bで硬貨が計数されることがないので、出金振分部186の直前の上流位置に設けられた検知センサ185aにおいて、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数を計数するだけで、出金振分部186で振り分けられて補助収納庫177に収納された硬貨の枚数を計数することができる。
補助収納庫177は、金種別硬貨繰出収納部161の下方に設けられており、その大きさは自由に設計することができる。そして、図9に示すように、本実施の形態では、補助収納庫177が、出金振分部186の下方から100円硬貨を収納するための金種別硬貨繰出収納部161bの下方まで図9の左右方向で延びている。なお、この態様は一例でありこれに限られることはない。例えば、補助収納庫177は、出金振分部186の下方位置から1円硬貨を収納するための金種別硬貨繰出収納部161fの下方位置まで図9の左右方向で延びるような態様となっていてもよい。このような態様では、より大量の硬貨を補助収納庫177で収納することができる点では有益である。
上述した繰出搬送部171は、その一部が補助収納庫177内に設けられている。この繰出搬送部171は、硬貨を繰り出すための突起を有し、図10において反時計回りに回転する無端状の突起付きベルト172と、突起付きベルト172を駆動する駆動ローラ173(つまり駆動ローラ173a〜173c)と、を有している。また、図6に示すように、一つの駆動ローラ173、より具体的には第一駆動ローラ173aには手回しハンドル174が取り付けられており、硬貨が詰まってしまった場合等には、この手回しハンドル174を操作者が回すことで突起付きベルト172を強制的に移動させることができる。また、駆動ローラ173の少なくとも一つには、駆動ローラ173を駆動するための駆動モータ(図示せず)が連結されている。
突起付きベルト172は、図10では第一駆動ローラ173aから左方向へ略水平に延びた第一突起付きベルト領域172aと、第一突起付きベルト領域172aから斜め上方
(図10では斜め左上方)に延びた第二突起付きベルト領域172bと、第二突起付きベルト領域172bから第二駆動ローラ173bに巻き掛けられた箇所を介して斜め下方(図10では右下方)に延びた第三突起付きベルト領域172cと、第三突起付きベルト領域172cから第三駆動ローラ173cに巻き掛けられた箇所を介して右方向に延びた第四突起付きベルト領域172dと、を有している。なお、補助収納庫177に収納された硬貨は、第一突起付きベルト領域172a及び第二突起付きベルト領域172bを経て、第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされることとなる。複数の硬貨が補助収納庫177から繰り出される場合には、硬貨が連続して突起付きベルト172から硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落下することとなる。
図12(a)(b)に示すように、第二突起付きベルト領域172bの上方位置には、硬貨が通過したことを検知するための検知部材178が設けられている。この検知部材178は、検知センサ179と、第二突起付きベルト領域172bとの間で間隙の開けられた検知ローラ178aと、検知ローラ178aと第二突起付きベルト領域172bとの間を硬貨が通過したときに基準位置から揺動される検知板178bと、を有している。このうち、検知センサ179は、光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部とを有している。そして、図12(b)に示すように検知ローラ178aと第二突起付きベルト領域172bとの間を硬貨が通過して検知板178bが基準位置から揺動されると、当該検知板178bが発光部と受光部との間に位置づけられ、発光部から発光された光が検知板178bで遮断されて受光部で受光されないようになることで、硬貨が検知ローラ178aと第二突起付きベルト領域172bとの間を通過していることが検知される。他方、図12(a)に示すように検知ローラ178aと第二突起付きベルト領域172bとの間を硬貨が通過しておらず検知板178bが基準位置に位置づけられているときには、発光部から発光された光が受光部で受光され、その結果、検知ローラ178aと第二突起付きベルト領域172bとの間には硬貨が存在していないことが検知される。そして、発光部から発光された光が検知板178bで遮断されて受光部で受光されないようになることで、補助収納庫177から硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨を検出することができる。
本実施の形態では、少なくとも補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171の突起付きベルト172によって硬貨入金部110の入金ベルト上に繰り出されている間、シャッター115が閉じられるようになっている。そのため、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されている間、硬貨入金口111がシャッター115で覆われることとなる。シャッター115を閉めることによって得られる後述する効果を確実に得られるという観点からは、シャッター115の開閉は自動で行われるようになっていることが好ましいが、手動で行われてもよい。
また、本実施の形態のシャッター115は、硬貨入金口111をシャッター115で覆った閉状態と硬貨入金口111からシャッター115が退いた開状態の両方で、ロックされるようになっている。より具体的には、図13(a)(b)に示すように、シャッター115の内壁に、内側に延びた検知板116が設けられている。そして、図13(b)に示すようにシャッター115が完全に閉じた状態で、上述の検知板116が間に挿入される位置に、光を発光する発光部と、当該発光部から発光された光を受ける受光部とを有する検知センサ117bが設けられている。また、図13(a)に示すようにシャッター115が完全に開いた状態で、上述の検知板116が間に挿入される位置に、光を発光する発光部と、当該発光部から発光された光を受ける受光部とを有する検知センサ117aが設けられている。そして、図13(b)に示すように、検知板116が、検知センサ117bの発光部と受光部との間に挿入されることで、シャッター115が完全に閉じたことが検知され、シャッター115を閉状態に保つようロックがかけられる。他方、図13(a)に示すように、検知板116が、検知センサ117aの発光部と受光部との間に挿入されることで、シャッター115が完全に開いたことが検知され、シャッター115を開状態に保つようロックがかけられる。なお、シャッター115が完全に開いた開状態において、簡単にシャッター115が閉まらないようにする簡易ロック部材を設けてもよい。この場合には、上述した検知センサ117a及びこの検知センサ117aからの情報を受けてシャッターを開状態でロックする機構を設けなくてもよい。
シャッター115は、シャッター115が開けられている際、硬貨入金部110に繰り出された硬貨が繰出搬送部171内に戻ることを防止するための開閉部分115aを有している。より具体的には、図13(a)(b)に示すように、突起付きベルト172の硬貨入金部110側に、揺動軸115bを中心として上下方向で揺動自在となった開閉部分115aが設けられている。この開閉部分115aは、シャッター115と連動可能となっており、図13(b)に示すようにシャッター115が閉状態となっている場合には、揺動軸115bを中心に揺動されず略水平方向に延びた状態となっており、突起付きベルト172とシャッター115との間の空間、すなわち突起付きベルト172で搬送された硬貨を硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出すための繰出口を閉じないようになっている。他方、図13(a)に示すようにシャッター115が開状態となっている場合には、開閉部分115aが、揺動軸115bを中心に下方に揺動され、突起付きベルト172とシャッター115との間の空間、すなわち上述した繰出口を閉じるようになっている。なお、シャッター115の開閉部分115aが、特許請求の範囲に記載された「進入防止部」に対応している。
図4に示すように、硬貨識別部150の下流位置であって金種別硬貨繰出収納部161の上流位置には、入金経路に沿って搬送される硬貨を補助収納部170へ振り分けるための第一入金振分部(特許請求の範囲の「振分部」に対応する。)126が設けられている。図11に示すように、第一入金振分部126の下方には、第一入金振分部126で振り分けられた硬貨を補助収納部170の補助収納庫177へ導くための入金振分搬送経路(特許請求の範囲の「振分搬送経路」に対応する。)126bが設けられている。より具体的には、第一入金振分部126が開状態となって当該第一入金振分部126に取り込まれることで、硬貨は入金経路から外れ、入金側受入口126aを通過して入金振分搬送経路126bを落下し、そのまま補助収納庫177に収納されることとなる。なお、本実施の形態では、図4に示すように、硬貨識別部150が第二入金搬送領域121bに設けられ、金種別硬貨繰出収納部161が第四入金搬送領域121dに設けられているのに対して、第一入金振分部126は、硬貨の搬送される流れに沿って見た場合に第二入金搬送領域121bと第四入金搬送領域121dとの間に位置する、第三入金搬送領域121cに設けられている。
図4に示すように、硬貨識別部150の下流位置であって硬貨繰出収納部160の上流位置には、硬貨識別部150で金種等を識別することができなかった硬貨をリジェクト硬貨として振り分けるためのリジェクト振分部129が設けられている。本実施の形態では、図4に示すように、リジェクト振分部129は、第二駆動ローラ122b近辺に設けられており、硬貨識別部150の設けられた第二入金搬送領域121bの下流側であって第一入金振分部126の上流側に位置している。
図11に示すように、リジェクト振分部129の下方には、リジェクト振分部129で振り分けられた硬貨を硬貨出金部190へ導くためのリジェクト搬送経路129bが設けられている。より具体的には、リジェクト振分部129が開状態となって当該リジェクト振分部129に取り込まれることで、硬貨は入金経路から外れ、リジェクト搬送経路129bを落下した後、出金搬送ベルト181及び出金搬送ベルト188bによって硬貨出金部190まで送られることとなる。また、出金振分部186は略コの字形状となっており、出金搬送ベルト188bが略コの字形状の中央に位置し、出金振分部186が開いても出金振分部186と出金搬送ベルト188bが接触しないようになっている。
図4に示すように、リジェクト振分部129の直前の上流位置には光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部とを有する検知センサ124aが設けられている。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになることで硬貨が受光部と発光部との間まで搬送されたこと、つまりリジェクト振分部129の直前の上流位置に硬貨が到達したことが検知される。このため、硬貨識別部150でリジェクト硬貨であると判断され、かつ、検知センサ124aから硬貨が到達又は通過した旨の検知情報を受けた段階で、硬貨制御部102がリジェクト振分部129を開状態とし、リジェクト硬貨をリジェクト振分部129で取り込むようにしてもよい。なお、当然、硬貨識別部150でリジェクト硬貨であると判断された際にリジェクト振分部129を開状態のまま維持し、リジェクト硬貨をリジェクト振分部129で取り込む態様も採用することができる。
次に、上述した構成からなる本実施の形態による硬貨処理機100で行われる様々な処理について説明する。
《精査処理》
精査処理とは、金種別硬貨繰出収納部161に収納されている硬貨の枚数を再度確認するために行われる処理である。この精査処理は、各金種別硬貨繰出収納部161に収納されていると硬貨記憶部155及び/又はPOS記憶部355で記憶されている硬貨の枚数と実際に各金種別硬貨繰出収納部161に収納されている硬貨の枚数とに相違があり、誤りのある場合又はその可能性がある場合に行われることもあるが、金種別硬貨繰出収納部161に収納されている硬貨の枚数の高い信頼性を維持するために定期的に(例えば、残置運用の店舗において2週間に1度の頻度で)行われることもある。また、精査処理は、全金種について行われてもよいし、誤りがある又はその可能性のある金種の硬貨のみについて行われてもよい。また、精査処理を複数の金種の硬貨に対して行う場合には、一金種ずつ精査処理を行ってもよいが、二つ以上の金種について同時に精査処理を行ってもよく、当然、対象となっている金種の全てに対して同時に精査処理を行ってもよい。
金種別硬貨繰出収納部161に収納されていると硬貨記憶部155等で記憶されている硬貨の枚数と実際に金種別硬貨繰出収納部161に収納されている硬貨の枚数とに相違がある場合又はその可能性がある場合には、その旨が、POS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152に表示される。また、ある金種に関して、金種別硬貨繰出収納部161に収納されていると硬貨記憶部155等で記憶されている硬貨の枚数と実際に金種別硬貨繰出収納部161に収納されている硬貨の枚数とに相違がある場合又はその可能性がある場合には、当該金種を特定して、その旨がPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152に表示されてもよい。この場合には、どの金種に対して精査処理を行えばよいかを操作者が容易に把握することができるので、好ましい。
本実施の形態の硬貨処理機100による精査処理の態様について、以下、説明する。なお、以下では、精査処理の対象となっている硬貨について一金種ずつ精査処理を行う態様を用いて説明する。後に詳細に説明するが、精査処理の流れの概略を予め示しておくと、図14に示すとおりである。つまり、硬貨繰出収納部160のある金種別硬貨繰出収納部161から硬貨が繰り出され(図14の(1)参照)、出金硬貨搬送部180で搬送された硬貨が出金振分部186で補助収納部170内に取り込まれる(図14の(2)参照)。このように補助収納部170内に取り込まれた硬貨は、補助収納部170から硬貨入金部110に送られ(図14の(3)参照)、この硬貨入金部110から入金経路に繰り出され(図14の(4)参照)、硬貨識別部150で識別された後(図14の(5)参照)、元々繰り出された金種別硬貨繰出収納部161に戻される(図14の(6)参照)。
精査処理について具体的に説明する。まず、精査処理を行う旨の信号が、POS操作部352、硬貨操作表示部112等から操作者によって入力される。このとき、精査処理の対象となる金種が選択されてもよいし、自動的に全金種に対して精査処理を行うようにしてもよい。
精査処理を行う旨の信号が入力されると、対象となっている金種の硬貨を収納した金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に硬貨が繰り出される。より具体的には、当該金種別硬貨繰出収納部161の駆動ベルト164が回転されて(図9参照)、当該金種別硬貨繰出収納部161の金種別繰出収納庫162から全ての硬貨が出金経路に繰り出される。なお、この際、ストッパは上方位置に位置づけられている。また、金種別繰出収納庫162から繰り出された硬貨の枚数は、金種別硬貨繰出収納部161の検知センサ165において、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数に基づき、計数することができる。
出金経路に繰り出された硬貨は、出金硬貨搬送部180の出金搬送ベルト181によって、図9の右から左へと搬送される。なお、出金経路に繰り出された最初の硬貨が出金振分部186に到達する前に出金振分部186は開状態となり、金種別繰出収納庫162から繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されるまで、その開状態を維持し続ける。そして、金種別繰出収納庫162から繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されると判断されて始めて、出金振分部186は閉状態となる。なお、この際、出金振分部186の直前の上流位置に設けられた検知センサ185a(図8参照)において、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになる回数を計数することで、出金振分部186で振り分けられて補助収納庫177に収納された硬貨の枚数を計数することができる。そして、金種別硬貨繰出収納部161の検知センサ165によって計数された硬貨の枚数と出金振分部186の直前の上流位置に設けられた検知センサ185aによって計数された硬貨の枚数とを比較し合致したことを硬貨制御部102が確認することで、金種別繰出収納庫162から繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されたと判断される。
なお、各金種別繰出収納庫162に収納されている硬貨の枚数は、硬貨識別部150又は第四入金搬送領域121dに設けられた検知センサ125によって計数される。硬貨識別部150で計数される場合には、硬貨識別部150で通過した硬貨の金種とその枚数が計数されることとなる。他方、第四入金搬送領域121dに設けられた検知センサ125によって計数される場合には、第二入金振分部127の上流位置の検知センサ125で硬貨の通過が確認されたが当該第二入金振分部127の下流位置の検知センサ125で硬貨の通過が確認されなかった場合には、当該第二入金振分部127で硬貨が取り込まれて、当該第二入金振分部127に対応する金種別硬貨繰出収納部161に硬貨が収納されたと判断される。より具体的には、検知センサ125aで硬貨の通過が確認されたが検知センサ125bで硬貨の通過が確認されなかった場合には金種別硬貨繰出収納部161aに硬貨が収納されたと判断され、検知センサ125bで硬貨の通過が確認されたが検知センサ125cで硬貨の通過が確認されなかった場合には金種別硬貨繰出収納部161bに硬貨が収納されたと判断され、検知センサ125cで硬貨の通過が確認されたが検知センサ125dで硬貨の通過が確認されなかった場合には金種別硬貨繰出収納部161cに硬貨が収納されたと判断され、検知センサ125dで硬貨の通過が確認されたが検知センサ125eで硬貨の通過が確認されなかった場合には金種別硬貨繰出収納部161dに硬貨が収納されたと判断され、検知センサ125eで硬貨の通過が確認されたが検知センサ125fで硬貨の通過が確認されなかった場合には金種別硬貨繰出収納部161eに硬貨が収納されたと判断され、検知センサ125fで通過が確認された硬貨は金種別硬貨繰出収納部161に収納されたと判断される。
そして、対象となっている金種別繰出収納庫162に収納されている硬貨の枚数と当該金種別硬貨繰出収納部161から繰り出された硬貨の枚数とを比較し合致したことを硬貨制御部102が確認することで、金種別硬貨繰出収納部161内に収納されている硬貨の全てが当該金種別硬貨繰出収納部161から繰り出されたと判断される。
このようにして、対象となっている金種別硬貨繰出収納部161内に収納されている硬貨の全てが当該金種別硬貨繰出収納部161から繰り出されたことが確認されるか、又は、対象となっている金種別硬貨繰出収納部161から繰り出された硬貨の全てが補助収納部170内に収納されたことが確認されると、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される。より具体的には、駆動ローラ173が駆動されることで無端状の突起付きベルト172が図10において反時計回りに回転され、補助収納庫177内の硬貨は、第一突起付きベルト領域172a及び第二突起付きベルト領域172bを順に経て、第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされることとなる。なお、発光部から発光された光が検知板178bで遮断されて受光部で受光されないようになることで、補助収納庫177から硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が検出される(図12(a)(b)参照)。なお、このように補助収納部170内に収納された硬貨を繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出す際には、硬貨入金部110に最初の硬貨が繰り出される前に、硬貨入金口111がシャッター115で覆われ、ロックされていることが好ましい。
上述のようにして硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨は、繰出ベルト112で図4の左方向に運ばれ、入金経路に繰り出される。そして、入金経路に繰り出された硬貨は、入金硬貨搬送部120で搬送されて、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で金種等が識別されて、正常な硬貨(精査処理対象の金種)であると判定されれば、元々収納されていた金種別硬貨繰出収納部161内に再度収納されることとなる。なお、金種別硬貨繰出収納部161内に収納された硬貨の枚数は、上述した態様と同様、硬貨識別部150又は第四入金搬送領域121dに設けられた検知センサ125によって計数される。
ちなみに、精査処理を行っている金種の硬貨の後で別の金種(次の金種)の硬貨の精査処理を行う場合には、1金種目の金種別硬貨繰出収納部161内に収納されていた全ての硬貨が硬貨入金部110から繰り出されたと硬貨制御部102が判断した時点で、次の金種の硬貨の精査処理が開始される。なお、金種別硬貨繰出収納部161内に収納されていた硬貨の全てが硬貨入金部110から繰り出されたことについては、硬貨識別部150で計数された硬貨の枚数と補助収納庫177から硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨の枚数とを比較し、両者が合致したことを判断することで行われる。
上述のようにして、硬貨入金部110から繰り出された硬貨の全てが硬貨識別部150によって識別され計数されると、精査処理を行う前に認識されていた(硬貨記憶部155及び/又はPOS記憶部355で記憶されていた)当該金種の硬貨の枚数と、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数とを、硬貨制御部102が比較する。そして、両者が合致している場合には硬貨の枚数に誤りがなかったことを確認することができる。他方、精査処理を行う前に認識されていた当該金種の硬貨の枚数と、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数との間に相違があった場合には、硬貨制御部102がPOS操作部352、硬貨操作表示部152等を介して硬貨の枚数を更新するかを操作者に問いかける。そして、操作者がPOS操作部352、硬貨操作表示部152等から硬貨の枚数を更新する旨入力すると、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数が、当該金種についての新しい硬貨の枚数として硬貨記憶部155及び/又はPOS記憶部355で記憶される。他方、操作者がPOS操作部352、硬貨操作表示部152等から硬貨の枚数を更新する旨入力しない場合には、精査処理を行う前に認識されていた当該金種の硬貨の枚数がそのまま維持される。なお、更新する旨入力しない場合とは、積極的に更新しない旨を選択する場合だけでなく、一定の時間内に更新する旨を選択しない結果、硬貨制御部102で当該金種の硬貨の枚数を更新すると判断されなかった場合も含んでいる。なお、このような態様に限られることはなく、操作者の判断を求めることなく、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数に自動で更新するようにしてもよい。また、硬貨の枚数が更新されるとそのログが硬貨記憶部155に記憶される。
なお、精査処理を行った結果得られた硬貨の金種別枚数もPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152に表示される。また、精査処理を行う前に認識されていた当該金種の硬貨の枚数と、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数との間に相違があった場合には、両枚数をPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152に表示してもよいし、その差分に関する情報をPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152に表示してもよい。上述したPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152で表示される情報は、POSレジスタ300の印字部370で印字することもできる。
〈精査処理の変形例〉
精査処理の態様は、上述のような態様に限られることはない。一つの変形例として、以下の態様を挙げる。
金種別硬貨繰出収納部161内に収納されている硬貨の全てが硬貨繰出収納部160から繰り出されたと判断される前に、補助収納部170の補助収納庫177内に収納された硬貨の少なくとも一部を予め繰出搬送部171で硬貨入金部110に繰り出しておいて、当該硬貨入金部110内で収納し、次の工程のための準備をしておけば時間短縮を図ることができる。なお、繰出搬送部171で硬貨入金部110に硬貨を繰り出す態様は上述したとおりである。つまり、駆動ローラ173が駆動されることで無端状の突起付きベルト172が図10において反時計回りに回転され、補助収納庫177内の硬貨が、第一突起付きベルト領域172a及び第二突起付きベルト領域172bを順に経て、第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされることとなる。なお、本変形例でも、このように補助収納部170内に収納された硬貨を繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出す際には、硬貨入金部110に最初の硬貨が繰り出される前に、硬貨入金口111がシャッター115で覆われ、ロックされていることが好ましい。
そして、対象となっている金種別硬貨繰出収納部161内に収納されている硬貨の全てが当該金種別硬貨繰出収納部161から繰り出されたことが確認されるか、又は、対象となっている金種別硬貨繰出収納部161から繰り出された硬貨の全てが補助収納部170内に収納されたことが確認されると、硬貨入金部110内に収納されており繰出ベルト112上に載置されている硬貨が、繰出ベルト112で図4の左方向に運ばれ、入金経路に繰り出される。
なお、硬貨入金部110の他に補助収納庫177に硬貨が収納されている場合には、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が入金経路に繰り出された後、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が入金経路に繰り出されるのと同時、又は、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が入金経路に繰り出される直前に、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されることとなる。そして、このようにして硬貨入金部110に繰り出された硬貨も、予め硬貨入金部110内に収納されていた硬貨と同様、繰出ベルト112で図4の左方向に運ばれ、入金経路に繰り出される。
以上のようにして硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨、すなわち予め硬貨入金部110内に収納されていた硬貨、又は、予め硬貨入金部110内に収納されていた硬貨と補助収納庫177から繰出ベルト112に繰り出された硬貨の両方は、入金硬貨搬送部120で搬送されて、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で金種等が識別されて、元々収納されていた金種別硬貨繰出収納部161内に再度収納されることとなる。なお、金種別硬貨繰出収納部161内に収納された硬貨の枚数は、上述した態様と同様、硬貨識別部150又は第四入金搬送領域121dに設けられた検知センサ125によって計数される。
そして、精査処理を行う前に認識されていた当該金種の硬貨の枚数と、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数とを、硬貨制御部102が比較する。そして、両者が合致している場合には硬貨の枚数に誤りがなかったことを確認することができる。他方、両者が合致していない場合には、上述したのと同様の態様で、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数を新しい硬貨の枚数として硬貨記憶部155及び/又はPOS記憶部355で記憶するか、精査処理を行う前に認識されていた当該金種の硬貨の枚数がそのまま維持されるかが、操作者によって決定されることとなる。但し、このような態様に限られることはなく、操作者による判断を求めることなく、精査処理を行うことで確認された当該金種の硬貨の枚数に自動で更新されるようにしてもよい。
《オーバーフロー処理》
本実施の形態の硬貨処理機100の補助収納部170は、硬貨繰出収納部160がフル状態又はニアフル状態となっているときに、当該硬貨繰出収納部160に収納される予定であった硬貨を、補助収納部170内に収納することができる。具体的な態様については、以下で説明する。なお、後に詳細に説明するが、オーバーフローの退避処理の流れの概略を予め示しておくと図15(a)に示すとおりであり、オーバーフローの復活処理の流れの概略を予め示しておくと図15(b)に示すとおりである。まず、オーバーフローの退避処理の概略について説明すると、硬貨入金部110から入金経路に硬貨が繰り出され
(図15(a)の(1)参照)、硬貨識別部150で識別されてフル状態又はニアフル状態の金種の硬貨であると判断されると(図15(a)の(2)参照)、第一入金振分部126が開状態となり(図15(a)の(3)参照)、当該金種の硬貨は第一入金振分部126で補助収納部170内に取り込まれる(図15(a)の(4)参照)。次に、オーバーフローの復活処理の概略について説明すると、補助収納部170から硬貨入金部110に硬貨が送られ(図15(b)の(1)参照)、当該硬貨は、この硬貨入金部110から入金経路に繰り出され(図15(b)の(2)参照)、硬貨識別部150で識別された後
(図15(b)の(3)参照)、硬貨繰出収納部160の対応する金種別硬貨繰出収納部161に振り分けられる(図15(b)の(4)参照)。
オーバーフロー処理について具体的に説明する。入金処理や補充処理のために硬貨入金口111から硬貨が投入されると、当該硬貨は繰出ベルト112によって入金経路に繰り出される(図4参照)。このようにして入金経路に繰り出された硬貨は、入金硬貨搬送部120によって搬送される。そして、このように入金硬貨搬送部120によって搬送される硬貨は、第一入金搬送領域121aを経て第二入金搬送領域121bに達し、当該第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150でその金種等が識別される。
そして、硬貨識別部150で識別された当該硬貨の金種から、当該硬貨が収納されるべき金種別硬貨繰出収納部161が決定されることとなる。そして、当該金種別硬貨繰出収納部161内に収納されている硬貨の枚数がフル(満杯)状態又はニアフル(ほぼ満杯)状態となっている場合には、硬貨制御部102が第一入金振分部126を開状態にして当該硬貨を補助収納庫177に収納するよう指令を出し、その指令を受けて第三入金搬送領域121cに設けられた第一入金振分部126が開状態となる。その結果、開状態になった第一入金振分部126に到達した硬貨は、第一入金振分部126に取り込まれることで入金経路から外れ、入金側受入口126aを通過して入金振分搬送経路126bを落下し、そのまま補助収納庫177に収納されることとなる(図11参照)。
ちなみに、第一入金振分部126の上流位置であってリジェクト振分部129の下流位置には、光を発光する発光部と、発光部で発光された光を受光する受光部とを有する検知センサ124bが設けられている(図4参照)。そして、発光部から発光された光が硬貨で遮断されて受光部で受光されないようになることで硬貨が受光部と発光部との間まで搬送されたこと、つまり第一入金振分部126の直前の上流位置に硬貨が到達したことが検知される。このため、上述したように硬貨識別部150からの情報によって第一入金振分部126で取り込まれるべきであると判断された際に第一入金振分部126を開状態のまま維持し、当該硬貨を第一入金振分部126で取り込む態様の他に、硬貨識別部150からの情報によって第一入金振分部126で取り込まれるべきであると判断され、かつ、検知センサ124bから硬貨が到達又は通過した旨の検知情報を受けた段階で、硬貨制御部102が第一入金振分部126を開状態とし、当該硬貨を第一入金振分部126で取り込む態様を採用することもできる。
なお、検知センサ124bで硬貨の到達及び通過が検知されたものの第一入金振分部126の下流側に位置する検知センサ125(より具体的には検知センサ125a)で硬貨の到達が検知されないことによって、硬貨制御部102は、第一入金振分部126で硬貨が取り込まれ、補助収納庫177に収納されたことを確認することができる。
また、硬貨識別部150による硬貨の金種の識別結果に基づいて、補助収納庫177に収納された硬貨の金種が把握され、補助収納庫177に収納された硬貨の金種別枚数が硬貨記憶部155及び/又はPOS記憶部355で記憶されることとなる。
本実施の形態の硬貨処理機100は、このように補助収納庫177に収納された硬貨をいつでも繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出すことができる。補助収納庫177に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されるタイミングの一例としては、フル状態又はニアフル状態であった金種の硬貨が出金されて当該硬貨を収納していた金種別硬貨繰出収納部161内の硬貨の残量が減ってきた場合を挙げることができる。そして、このような場合において、POS操作部352、硬貨操作表示部152等から補助収納庫177に収納された硬貨を金種別硬貨繰出収納部161に収納するよう指示されるか、又は、硬貨制御部102が補助収納庫177に収納された硬貨を金種別硬貨繰出収納部161に収納させようと自ら判断すると、補助収納庫177に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される。この際、補助収納部170の駆動ローラ122が駆動され、無端状の突起付きベルト172が図10において反時計回りに回転され、補助収納庫177内に収納されていた硬貨が第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされることとなる。なお、上述のように、硬貨制御部102が補助収納庫177に収納された硬貨を金種別硬貨繰出収納部161に収納させようと自ら判断した場合であっても、このような処理を行ってもよいかをPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152を介して操作者に問いかけ、操作者からの指示を待つようにしてもよい。
上述のように硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされた硬貨は、入金硬貨搬送部120によって搬送されて(図4参照)、第一入金搬送領域121a、第二入金搬送領域121b及び第三入金搬送領域121cを経て第四入金搬送領域121dに達し、残量の減ってきた金種別硬貨繰出収納部161に対応する第二入金振分部127で取り込まれて、当該金種別硬貨繰出収納部161で収納されることとなる。
なお、補助収納庫177から繰り出された硬貨を残量の減ってきた金種別硬貨繰出収納部161に補充していくうちに、当該金種別硬貨繰出収納部161が再びフル状態又はニアフル状態となった場合には、それ以降の硬貨をリジェクト振分部129に取り込んで、リジェクト搬送経路129bを落下させて出金搬送ベルト181上に落とせばよい。このようにして出金搬送ベルト181に落とされた硬貨は、出金搬送ベルト181によって図9の右から左へと搬送され、その後、出金搬送ベルト188bがガイド板188aとの間で当該硬貨を挟持することで、当該硬貨は、さらに、図9の右から左へと搬送され、硬貨出金部190まで送られる。そして、このようにして硬貨出金部190に送られた硬貨は、操作者によって回収されることとなる。なお、このような態様に限られることはなく、余った硬貨を再び補助収納庫177へ回収するようにしてもよい。
ところで、このように補助収納庫177から繰り出された硬貨を残量の減ってきた金種別硬貨繰出収納部161に最初に補充していく態様とは異なり、残量の減ってきた金種別硬貨繰出収納部161内に収納することができる硬貨の枚数と、補助収納庫177内に収納されており当該金種別硬貨繰出収納部161内に収納されるべき金種からなる硬貨の枚数とを予め比較して、対象となっている金種別硬貨繰出収納部161で収納することができない硬貨の枚数を予め算出していてもよい。
この場合には、フル状態又はニアフル状態となった際に当該金種別硬貨繰出収納部161で収納することができない枚数の硬貨を最初にリジェクト振分部129に取り込んで、リジェクト搬送経路129bを落下させて出金搬送ベルト181上に落とし、出金搬送ベルト181及び出金搬送ベルト188bによって硬貨出金部190に送ればよい。そして、所定枚数の硬貨(リジェクトされるべき枚数の硬貨)をリジェクトした後で、補助収納庫177から繰り出された硬貨を補充対象となっている金種別硬貨繰出収納部161に補充すればよい。なお、上述のようにしてリジェクト振分部129で取り込まれて硬貨出金部190に送られた硬貨は、操作者によって回収されることとなる。この点、ここで説明した態様を採用した場合には、操作者が硬貨出金部190に送られた硬貨を回収するタイミングが硬貨の補充を開始した時点となるので、操作者が硬貨処理機100の近辺で待機しなければならない時間を減らすことができる点で有益である。また、操作者が硬貨出金部190に送られた硬貨を回収するタイミングが硬貨の補充を開始してしばらくたった後になってしまうと、操作者が硬貨の回収を忘れてしまう可能性があるが、ここで説明したように操作者が硬貨出金部190に送られた硬貨を回収するタイミングを硬貨の補充を開始した時点とすることで、操作者が硬貨の回収を忘れてしまうというリスクも低減することができる。
ところで、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合には、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で硬貨の金種が識別され、対応する金種別硬貨繰出収納部161に収納されるように硬貨制御部102で制御される。なお、補助収納庫177に収納されている硬貨の金種のうち、未だフル状態又はニアフル状態となっている金種がある場合には、当該硬貨については、第一入金振分部126で取り込まれ、入金側受入口126aを通過して入金振分搬送経路126bを落下し、再び補助収納庫177に収納されることとなる。
このようにして補助収納庫177に収納された硬貨は、再び、繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されることとなるが、このような態様では作業効率が下がってしまう可能性がある。このため、最初から補助収納庫177に収納された硬貨の枚数が硬貨入金部110内に収納できる枚数(例えば50枚程度)となっている場合や、ある程度の硬貨が金種別硬貨繰出収納部161に収納されて補助収納庫177に収納された硬貨の枚数が硬貨入金部110内に収納できる枚数となった場合等には、補助収納庫177に収納された硬貨の全てを一度硬貨入金部110に収納し、補助収納庫177を空の状態にすることが考えられる。そして、このように補助収納庫177を空の状態にした後で、硬貨入金部110から入金硬貨搬送部120に硬貨を繰り出し、残量の減っている金種別硬貨繰出収納部161に収納されるべき硬貨を、適宜、当該金種別硬貨繰出収納部161に収納し、未だフル状態又はニアフル状態となっている金種別硬貨繰出収納部161に対応する硬貨を、第一入金振分部126で取り込んで、再び補助収納庫177に収納すればよい。ただこの際には、繰出搬送部171の駆動は停止されており、当該硬貨が、繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されることはない。この結果、金種別硬貨繰出収納部161に硬貨を補充する作業の効率を上げることができる。
ちなみに、上述したように、補助収納庫177に収納された硬貨を繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出して対応する金種別硬貨繰出収納部161に硬貨を収納させる処理を行っている間、より具体的には、突起付きベルト172で硬貨入金部110に硬貨が繰り出される前であって金種別硬貨繰出収納部161に収納されるべき硬貨の全てが硬貨入金部110から繰り出されるまでの間は、硬貨入金口111がシャッター115で覆われ、ロックされていることが好ましい。
ところで、上述した補助収納庫177に収納された硬貨の全てを一度硬貨入金部110に収納して補助収納庫177を空の状態にするという態様は、オーバーフロー処理に限らず様々な処理で用いることができる。一例としては、既に述べた精査処理を二つ以上の金種について同時に行う場合を挙げることができる。より具体的には、精査処理を二つ以上の金種について同時に行う場合であって、金種別硬貨繰出収納部161への硬貨の収納を一金種ずつ行う場合にも用いることができる。この場合には、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で硬貨の金種が識別され、金種別硬貨繰出収納部161へ収納される硬貨はそのまま金種別硬貨繰出収納部161へ収納されるが、未だ金種別硬貨繰出収納部161への収納を行わない硬貨については、第一入金振分部126で取り込まれ、入金側受入口126aを通過して入金振分搬送経路126bを落下し、再び補助収納庫177に収納されることとなる。
このようにして補助収納庫177に収納された硬貨は、再び、繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されることとなるが、上述したように、このような態様では作業効率が下がってしまう可能性がある。このため、ある程度の硬貨が金種別硬貨繰出収納部161に収納されて補助収納庫177に収納された硬貨の枚数が硬貨入金部110内に収納できる枚数となった場合には、補助収納庫177に収納された硬貨の全てを一度硬貨入金部110に収納し、補助収納庫177を空の状態にする。そして、このように補助収納庫177を空の状態にした後で、硬貨入金部110から入金硬貨搬送部120に硬貨を繰り出し、金種別硬貨繰出収納部161に収納されるべき硬貨(複数金種でも可)を、適宜、当該金種別硬貨繰出収納部161に収納し、未だ金種別硬貨繰出収納部161に収納されるべきではない硬貨を、第一入金振分部126で取り込み、再び補助収納庫177に収納すればよい。ただこの際には、繰出搬送部171の駆動は停止されており、当該硬貨が、繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されることはない。したがって、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合において、金種別硬貨繰出収納部161に硬貨を補充する作業の効率を上げることができる。
《出金リトライ処理》
本実施の形態の硬貨処理機100は、出金処理において、硬貨繰出収納部160から出金経路に所定枚数の硬貨を繰り出す際に異常が発生した場合、出金経路に繰り出された硬貨を出金硬貨搬送部180で搬送して補助収納部170内に収納し、上述の所定枚数の硬貨を硬貨繰出収納部160が出金経路に繰り出すようになってもよい。具体的な態様については、以下で説明する。後に詳細に説明するが、出金リトライ処理の流れの概略を予め示しておくと、図16に示すとおりである。つまり、指定された金種の硬貨を出金しようとして硬貨繰出収納部160の金種別硬貨繰出収納部161から硬貨が繰り出される際に異常が発生すると(図16の(1)参照)、出金経路に繰り出された硬貨の全てが出金硬貨搬送部180で搬送され、出金振分部186で補助収納部170内に取り込まれる(図16の(2)参照)。次に、指定されていた金種を収容した金種別硬貨繰出収納部161から、再度、硬貨が繰り出され(図16の(3)参照)、出金硬貨搬送部180で搬送され、硬貨出金部190で出金されることとなる(図16の(4)参照)。なお、異常が発生して補助収納部170内に収容された硬貨は、硬貨繰出収納部160への戻し操作を実施することで、図14の(3)(4)(5)(6)に示したルートを順次経て、硬貨繰出収納部160の対応する金種別硬貨繰出収納部161に戻される。
出金リトライ処理について具体的に説明する。出金処理を行う際には、POS操作部352、硬貨操作表示部152等から所定枚数の硬貨を出金するよう指示が入力される。このような指示が入力されると、対応する金種の硬貨を収納している金種別硬貨繰出収納部161から所定枚数の硬貨が繰り出されることとなる。より具体的には、当該金種別硬貨繰出収納部161の駆動ベルト164が回転されて、当該金種別硬貨繰出収納部161の金種別繰出収納庫162から所定枚数の硬貨が出金経路に繰り出される。
上述のようにして金種別繰出収納庫162から出金経路に硬貨が正常に繰り出されると、出金経路に繰り出された硬貨は、出金硬貨搬送部180の出金搬送ベルト181によって図9の右から左へと搬送され、最終的には、出金口191から硬貨筐体105の外方に繰り出されて、出金受け部192で受けられる。
しかしながら、このような硬貨の繰り出しは必ずしも上手くいくとは限らず、金種別硬貨繰出収納部161から所定枚数の硬貨を繰り出す際に、異常が発生することがある。この異常の一例としては、対象となっている金種別硬貨繰出収納部161内で過剰負荷が加わったことによって引き起こされたものを挙げることができる。別の例としては、出金される硬貨をストッパで止めることができず、誤って余分な硬貨が金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に繰り出された場合を挙げることができる。
本実施の形態では、このような異常が発生した場合には、出金経路に繰り出された硬貨の全てが、出金硬貨搬送部180の出金搬送ベルト181によって、図9の右から左へと搬送される。そして、出金経路に繰り出された最初の硬貨が出金振分部186に到達する前に出金振分部186が開状態となり、出金経路に繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されるまで、その開状態を維持し続ける。そして、出金経路に繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されると判断されると、出金振分部186は閉状態となる。なお、出金搬送ベルト181を駆動しているにもかかわらず、出金振分部186の直前の上流位置に設けられた検知センサ185a(図8参照)において、所定時間以上、発光部から発光された光が受光部で受光され続けることで、出金搬送ベルト181上に硬貨が存在しないと判断され、出金経路に繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されたと判断される。
このようにして出金経路に繰り出された硬貨の全てが補助収納庫177内に収納されたと判断されると、POS操作部352、硬貨操作表示部152等から入力された所定枚数の硬貨を出金するよう、対応する金種の硬貨を収納している金種別硬貨繰出収納部161から所定枚数の硬貨が(再び)繰り出されることとなる。
そして、金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に硬貨を繰り出す際に異常が発生しなかった場合には、当該硬貨は、出金硬貨搬送部180の出金搬送ベルト181によって図9の右から左へと搬送され、その後、出金搬送ベルト188bがガイド板188aとの間で当該硬貨を挟持することで、当該硬貨は、さらに、図9の右から左へと搬送される。そして、最終的には、出金口191から硬貨筐体105の外方に繰り出されて、出金受け部192で受けられる。他方、再度、金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に硬貨を繰り出す際に異常が発生した場合には、出金経路に繰り出された硬貨の全てが、再び、補助収納庫177内に収納される。
なお、金種別硬貨繰出収納部161(硬貨繰出収納部160)から出金経路に硬貨を繰り出す際の異常が金種別硬貨繰出収納部161(硬貨繰出収納部160)内で過剰負荷が加わったことによって引き起こされた場合には、当該金種別硬貨繰出収納部161(硬貨繰出収納部160)は、過剰負荷を解除する動作を行い、その後で、上述した所定枚数の硬貨を出金経路に繰り出すようになっていてもよい。
より具体的には、金種別硬貨繰出収納部161内で硬貨が詰まる等して過剰負荷が加わったことによって異常が発生した場合には、硬貨制御部102からの指令を受けて、当該金種別硬貨繰出収納部161の駆動ベルト164が、所定回数、正転と反転とを繰り返し
(図9の紙面の裏面側から表面側への駆動と紙面の表面側から裏面側への駆動とを繰り返し)、硬貨の詰まりを解消させ、その上で、上述した所定枚数の硬貨が、当該金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に繰り出されることとなる。
なお、以上のようにして補助収納庫177に収納された硬貨は、いつでも繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出すことができる。補助収納庫177に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されるタイミングの一例としては、POS操作部352、硬貨操作表示部152等から補助収納庫177に収納された硬貨を金種別硬貨繰出収納部161に収納するよう指示された場合、硬貨制御部102が自ら補助収納庫177に収納された硬貨を金種別硬貨繰出収納部161に収納させようと判断した場合等を挙げることができる。このように補助収納庫177に収納された硬貨を繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出す場合には、補助収納部170の駆動ローラ122が駆動されて無端状の突起付きベルト172が図10において反時計回りに回転され、補助収納庫177内に収納されていた硬貨が第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされることとなる。なお、上述のように、硬貨制御部102が補助収納庫177に収納された硬貨を金種別硬貨繰出収納部161に収納させようと自ら判断した場合には、このような処理を行ってもよいかをPOS表示部351及び/又は硬貨操作表示部152を介して操作者に問いかけ、操作者からの指示を待つようにしてもよい。
上述のように硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされた硬貨は、入金硬貨搬送部120によって搬送されて(図4参照)、第一入金搬送領域121a、第二入金搬送領域121b及び第三入金搬送領域121cを経て第四入金搬送領域121dに達し、収納されるべき金種別硬貨繰出収納部161に対応する第二入金振分部127で取り込まれて、当該金種別硬貨繰出収納部161で収納されることとなる。なお、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合には、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で硬貨の金種が識別され、各硬貨を対応する金種別硬貨繰出収納部161に収納されるように硬貨制御部102で制御されることとなる。
なお、上述した態様に限られることはなく、本実施の形態の補助収納部170は様々な処理で利用することができる。一例としては、補助収納部170を入金時の一時保留部として利用することもできる。この場合には、上述したオーバーフロー処理と同様に、硬貨入金部110から入金された硬貨が第一入金振分部126から取り込まれて補助収納庫177に収納される。そして、POS操作部352、硬貨操作表示部152等から入金された硬貨の金種別枚数又は合計金額を確定する旨入力されると、補助収納庫177から硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される。そして、このように硬貨入金部110に繰り出された硬貨は入金硬貨搬送部120で搬送されて、対応する金種別硬貨繰出収納部161内に収納されることとなる。
本実施の形態の硬貨処理機100では回収処理も行うことができる。なお、本実施の形態の回収処理は、回収したい金種別枚数をPOS操作部352、硬貨操作表示部152等から入力して回収することもできるし、金種別硬貨繰出収納部161に残しておきたい金種別枚数をPOS操作部352、硬貨操作表示部152等から入力して回収することもできる。回収する旨の指示が入力されると、金種別硬貨繰出収納部161から所定の金種別枚数の硬貨が出金経路に繰り出される。そして、このようにして出金経路に繰り出された硬貨は、出金振分部186で取り込まれて補助収納庫177に一旦収納され、当該補助収納庫177から硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される。そして、このように硬貨入金部110に繰り出された硬貨は入金硬貨搬送部120で搬送され、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で金種等が識別された後で、リジェクト振分部129で取り込まれる。その結果、当該硬貨は、リジェクト搬送経路129bを落下して出金搬送ベルト181上に落とされ、出金搬送ベルト181及び出金搬送ベルト188bによって硬貨出金部190まで送られ、最終的には操作者によって回収されることとなる。なお、金種別硬貨繰出収納部161内の在高を確認する必要がない場合には、金種別硬貨繰出収納部161から繰り出された硬貨を、出金振分部186で振り分けないで、硬貨出金部190へ直接送り出す方が時間短縮となる。
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果であって、まだ述べていない効果又はとりわけ重要な効果について説明する。
本実施の形態によれば、入金経路以外の箇所に出金経路に繰り出された硬貨のうち硬貨出金部190で出金されない硬貨の一部又は全部を収納する補助収納部170が設けられている(図9参照)。そして、当該補助収納部170内に収納された硬貨は、繰出搬送部171によって、入金経路の上流位置又は入金経路に繰り出される。このため、硬貨繰出収納部160から繰り出された硬貨を一時的に保留した場合であっても、入金処理等の他の処理を行うことができ、硬貨処理機100の利用効率を高い状態で維持することができる。
この点、特許文献1で開示された態様では、硬貨保留手段が入金用搬送手段上に配置されていることから、硬貨保留手段に硬貨を一時的に保留させると、他の処理(例えば入金処理等)を行うことができなくなり、非常に使い勝手の悪く、硬貨処理機の利用効率が下がってしまう。これに対して、本実施の形態の硬貨処理機100によれば、入金経路以外の箇所、より具体的には金種別硬貨繰出収納部161の下方に補助収納部170が設けられている。このように本実施の形態の金種別硬貨繰出収納部161は、入金経路にも出金経路にも位置しない。このため、入金処理や出金処理等の他の処理を行う際に、補助収納部170に収納された一時的に収納された硬貨が邪魔になることはなく、金種別硬貨繰出収納部161に収納された硬貨を一時的に保留するという効果を達成しつつ、硬貨処理機100の利用効率を高い状態で維持することができる。また、特許文献1で開示された態様では、入金硬貨が必ず硬貨保留手段を通過することとなるので、経路が長くなり、入金処理に時間がかかってしまう。これに対して、本発明によれば、特許文献1で開示された態様のように入金硬貨が硬貨保留手段を通過することとはならないので、特許文献1で開示された態様と比較して、入金処理にかかる時間を短くすることができる。
本実施の形態によれば、補助収納部170内に収納された硬貨は硬貨識別部150の上流位置に繰り出され、入金硬貨搬送部120で搬送されて硬貨識別部150で識別される
(図9及び図4参照)。より具体的には、補助収納庫177に収納された硬貨は、第一突起付きベルト領域172a及び第二突起付きベルト領域172bを経て、第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされる(図9参照)。そして、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨は、繰出ベルト112で図4の左方向に運ばれ、入金経路に繰り出される。そして、入金経路に繰り出された硬貨は、入金硬貨搬送部120で搬送されて、第二入金搬送領域121bに設けられた硬貨識別部150で金種等が識別されることとなる。ところで、特許文献1で開示された態様では、精査処理によって循環される硬貨が識別部を通過しないで、計数センサのみを通過する構成となっていることから、正確な精査を行うことができない。他方、本実施の形態によれば、硬貨識別部150で識別しつつ精査処理を行うことから、正確な精査を行うことができる。なお、特許文献1に開示されている複数の計数センサを精度の高い硬貨識別部に置き換えた場合には、装置の製造コストが高くなってしまう。
このため、本実施の形態によれば、補助収納庫177から繰り出された硬貨について識別を行い、当該識別結果を利用した処理を行うことができる。一例としては、補助収納庫177から繰り出された硬貨について識別を行い、当該識別結果を利用して精度の高い精査処理を行うことができる。また、上述したオーバーフロー処理の結果、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合には、硬貨の金種を硬貨識別部150で識別し、当該硬貨を対応する金種別硬貨繰出収納部161に収納させたり、当該硬貨を収納すべき金種別硬貨繰出収納部161が未だフル状態又はニアフル状態となっている場合には当該硬貨を再び補助収納庫177に収納させたりすることができる。また、上述した出金リトライ処理の結果、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合には、硬貨の金種を硬貨識別部150で識別し、各硬貨を対応する金種別硬貨繰出収納部161に収納させることもできる。
また、本実施の形態では、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される。そして、硬貨入金部110でも一定程度以上の硬貨を収納することができるので、当該硬貨入金部110でも硬貨を一時的に収納することができる。その結果、一時的に収納される硬貨の枚数を増加させることができる。また、上述した精査処理においては、補助収納部170の補助収納庫177内に収納された硬貨の少なくとも一部を予め繰出搬送部171で硬貨入金部110に繰り出しておいて、当該硬貨入金部110内で収納し、次の工程のための準備をしておくことができる。このため、精査処理の処理時間を短縮することもできる。さらに、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合において、最初から補助収納庫177に収納された硬貨の枚数が硬貨入金部110内に収納できる枚数となっている場合や、ある程度の硬貨が金種別硬貨繰出収納部161に収納されて補助収納庫177に収納された硬貨の枚数が硬貨入金部110内に収納できる枚数となった場合等には、補助収納庫177に収納された硬貨の全てを一度硬貨入金部110に収納し、補助収納庫177を空の状態にすることができるので、補助収納庫177に二つ以上の金種の硬貨が収納されている場合において、金種別硬貨繰出収納部161に硬貨を補充する作業の効率を上げることができる。
ちなみに、精査処理において、硬貨入金部110内の他に補助収納庫177内に硬貨が収納されている場合には、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が入金経路に繰り出された後、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が入金経路に繰り出されるのと同時、又は、硬貨入金部110の繰出ベルト112に繰り出された硬貨が入金経路に繰り出される直前(例えば1〜5秒前)に、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される。このため、硬貨入金部110から入金経路への硬貨の繰り出しと連動させて、硬貨入金部110に補助収納庫177から硬貨を繰り出すことができ、精算処理の効率をさらに高めることができる。
なお、精算処理の効率を高めるという観点からすると、硬貨入金部110に収納されている硬貨が満杯な状態となっているときには、硬貨入金部110内の硬貨が入金経路に繰り出されるのと同時に補助収納部170内に収納された硬貨を繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出すことが好ましく、硬貨入金部110内にある程度の硬貨を収納することができる余剰空間が存在しているときには、硬貨入金部110内の硬貨が入金経路に繰り出される直前に補助収納部170内に収納された硬貨を繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出すことが好ましい。
また、本実施の形態では、硬貨入金部110が硬貨入金口111を開閉するためのシャッター115を有し(図3参照)、少なくとも補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出されている間、シャッター115が閉じられて硬貨入金口111がシャッター115で覆われる態様を採用することができる。このような態様を採用した場合には、少なくとも補助収納庫177内に収納されていた硬貨が第二突起付きベルト領域172bと第三突起付きベルト領域172cの境界箇所の近辺から下方に落下して、硬貨入金部110の繰出ベルト112上に落とされ、硬貨入金部110に硬貨が流入している間、外部から硬貨に触れることができなくなり、当該硬貨が抜き取られることを防止することができる。また、このように硬貨入金口111がシャッター115で覆われることから、硬貨入金部110に繰り出された硬貨が硬貨筐体105の外部に飛び出ることも防止することができる。
ちなみに、シャッター115が硬貨入金口111を覆うのは、硬貨入金部110に繰出搬送部171によって繰り出された硬貨が存在している間であることが好ましく、より具体的には、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される前から繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出された硬貨が硬貨入金部110からなくなるまでの間であることが好ましい。このように硬貨入金部110に繰出搬送部171によって繰り出された硬貨が存在している間だけ外部からのアクセスを禁止し、また、外部への硬貨の飛びちりを防止することができれば、十分な効果を達成することができるためである。
また、閉じられたシャッター115がロックされる態様を採用した場合には、外部からのアクセスを確実に禁止することができるので好ましい。このようにシャッター115がロックされるのは、硬貨入金部110に繰出搬送部171によって繰り出された硬貨が存在している間であることが好ましく、より具体的には、補助収納部170内に収納された硬貨が繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出される前から繰出搬送部171によって硬貨入金部110に繰り出された硬貨が硬貨入金部110からなくなるまでの間であることが好ましい。このように硬貨入金部110に繰出搬送部171によって繰り出された硬貨が存在している間だけ外部からのアクセスを確実に禁止することができれば、十分な効果を達成することができるためである。
また、本実施の形態のシャッター115は、シャッター115が開けられている際、硬貨入金部110に繰り出された硬貨が繰出搬送部171内に戻ることを防止するための開閉部分115aを有している(図13(a)(b)参照)。より具体的には、図13(a)に示すようにシャッター115が開状態となっている場合には、開閉部分115aが、揺動軸を中心に下方に揺動され、突起付きベルト172とシャッター115との間の空間、すなわち上述した繰出口を閉じるようになっている。このため、シャッター115が開けられた状態で硬貨入金部110に硬貨を投入した際に、当該硬貨が誤って繰出口から補助収納庫177内に入り込むことを防止することができる。この点について説明すると、硬貨入金部110に硬貨を投入した際に、投入された硬貨が何らしかの拍子に繰出口側に飛んでしまうことがある。仮に本実施の形態のように繰出口を閉じる開閉部分115aが設けられていないと、繰出口側に飛んだ硬貨が誤って補助収納庫177内に落下して収納されてしまい、補助収納庫177内の硬貨の在高が誤ったものになってしまうこととなる。この点、本実施の形態の開閉部分115aを採用することで、このような事態が発生することを防止することができる。
なお、本実施の形態ではシャッター115を開状態に保つようロックをかけることができてもよい。このような態様を採用した場合には、硬貨入金部110に硬貨を入金している最中に何らしかの理由でシャッター115が誤って閉じる方向に移動してしまい、開閉部分115aで繰出口を完全に閉じていない状態となってしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態では、図4に示すように、硬貨識別部150の下流位置であって金種別硬貨繰出収納部161の上流位置に、入金経路に沿って搬送される硬貨を補助収納部170へ振り分けるための第一入金振分部126が設けられている。そして、この第一入金振分部126の下方には、第一入金振分部126で振り分けられた硬貨を補助収納部170へ導くための入金振分搬送経路126bが設けられている。このため、出金経路で搬送されている硬貨だけでなく入金経路で搬送されている硬貨も補助収納庫177に収納することができる。この結果、上述したようにオーバーフローを処理する際にも補助収納部170を利用することができる。つまり、ある金種別硬貨繰出収納部161がフル状態又はニアフル状態となっているときに、当該金種別硬貨繰出収納部161に収納される予定であった硬貨を、補助収納部170内に収納することができる。そして、フル状態又はニアフル状態であった金種別硬貨繰出収納部161内に収納されていた硬貨が減った後で、補助収納部170内に収納された硬貨を当該金種別硬貨繰出収納部161に補充することもできる。
また、本実施の形態では、金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に所定枚数の硬貨を繰り出す際に異常が発生した場合、出金経路に繰り出された硬貨を出金硬貨搬送部180で搬送して補助収納部170内に収納し、上述した所定枚数の硬貨を金種別硬貨繰出収納部161が出金経路に繰り出すことができる(図9参照)。この点、従来からある硬貨処理機において金種別硬貨繰出収納部から出金経路に所定枚数の硬貨を繰り出す際に硬貨の詰まり等が生じて異常が発生した場合には、異常の発生した箇所を硬貨筐体から引き出して出金経路に繰り出された硬貨を回収し、当該硬貨を硬貨入金部から再度入金する必要があった。他方、本実施の形態によれば、そのような作業を行う必要がなくなり、金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に所定枚数の硬貨を繰り出す際に異常が発生した場合であっても、自動で補助収納部170に硬貨を収納することができる点で有益である。
また、上述のような異常が発生した際に、その処理に慣れていない操作者では、異常の発生した箇所を硬貨筐体から引き出して硬貨を回収するまではできても、当該硬貨をどのようにすればよいのかが分からず、当該硬貨を硬貨入金部から再度入金しないこともあった。この場合には、硬貨処理機内の硬貨の実際の在高と硬貨記憶部で記憶されている在高とが合致しない事態が生じえた。この点、本実施の形態によれば、上述したように、金種別硬貨繰出収納部161から出金経路に所定枚数の硬貨を繰り出す際に異常が発生した場合であっても、当該硬貨を自動で補助収納部170に収納することができるので、回収された硬貨が入金されないという事態が生じず、硬貨処理機100内の硬貨の実際の在高と硬貨記憶部155及び/又はPOS記憶部355で記憶されている在高とが合致しない事態が生じることを未然に防止することができる。
最後になったが、上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。
100 硬貨処理機
102 硬貨制御部
110 硬貨入金部(入金部)
111 硬貨入金口(入金口)
115 シャッター
115a 開閉部分(進入防止部)
120 入金硬貨搬送部(入金搬送部)
124,125 検知センサ
126 第一入金振分部(振分部)
126b 入金振分搬送経路(振分搬送経路)
127 第二入金振分部
129 リジェクト振分部
150 硬貨識別部(識別部)
155 硬貨記憶部
160 硬貨繰出収納部(繰出収納部)
161a〜161f 金種別硬貨繰出収納部
165 検知センサ
170 補助収納部
171 繰出搬送部
179 検知センサ
180 出金硬貨搬送部(出金搬送部)
186 出金振分部
189 検知センサ
190 硬貨出金部(出金部)
200 紙幣処理機
300 POSレジスタ
500 棒金管理機

Claims (5)

  1. 外部から硬貨を入金するための入金部を備えた硬貨処理機であって、
    前記入金部は、入金口と、前記入金口を開閉するためのシャッターとを有しており、
    硬貨が前記入金部内に存在している間、前記シャッターを閉じることができる、硬貨処理機。
  2. 硬貨を収納するとともに収納された硬貨を繰り出す繰出収納部と、
    前記入金部に入金された硬貨を入金経路に沿って前記繰出収納部に搬送する入金搬送部と、
    前記繰出収納部から繰り出された硬貨を出金経路に沿って搬送する出金搬送部と、
    前記出金経路に繰り出され、前記出金搬送部により搬送された硬貨を出金する出金部と、
    前記入金経路とは異なる箇所に設けられ、前記出金経路に繰り出された硬貨のうち前記出金部により出金されない硬貨の一部または全部を収納する補助収納部と、
    前記補助収納部に収納された硬貨を前記入金経路よりも上流の位置または前記入金経路に繰り出す繰出搬送部と、
    を更に備え、
    少なくとも前記補助収納部から繰り出された硬貨が前記入金部内に存在している間、前記シャッターが閉じることができる、請求項1に記載の硬貨処理機。
  3. 前記シャッターを手動で閉じることができる、請求項1または2に記載の硬貨処理機。
  4. 前記繰出収納部内に収納されている硬貨の枚数を記憶する記憶部を更に備え、
    前記繰出収納部は複数設けられており、前記複数の繰出収納部には金種毎に硬貨が収納されるようになっており、
    前記記憶部に記憶されている硬貨の枚数と各前記繰出収納部に収納されている硬貨の枚数との間に相違がある場合、または前記記憶部に記憶されている硬貨の枚数と各前記繰出収納部に収納されている硬貨の枚数との間に相違がある可能性がある場合に、精査処理が行われる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬貨処理機。
  5. 硬貨を処理する硬貨処理方法であって、
    入金部に外部から硬貨を入金する工程と、
    前記入金部に形成された入金口を開閉するためのシャッターを閉じる工程と、を備え、
    前記シャッターは、前記入金部に硬貨が存在している間、閉じられる、硬貨処理方法。
JP2019004029A 2019-01-15 2019-01-15 硬貨処理機および硬貨処理方法 Active JP6712334B2 (ja)

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