JP2019053232A - 画像形成装置 - Google Patents

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Katsuya Nose
勝也 野瀬
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Yusuke Ishida
祐介 石田
貴則 飯田
Takanori Iida
貴則 飯田
昌志 脇坂
Masashi Wakisaka
昌志 脇坂
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Yuta Okuyama
雄太 奥山
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Abstract

【課題】トナーボトル内の現像剤の残量を確認するモード(現像剤残量検知シーケンス)の実行によるダウンタイムを抑制でき、トナーボトル内の現像剤の残量が少ない状態で、トナーボトル内の現像剤の残量がない旨の通知を行える構成を提供する。
【解決手段】CPUは、インダクタンスセンサの検出結果から現像容器内のトナー濃度TD1が第1の範囲内でない(ΔTD>+1.0%)場合に、現像剤残量検知シーケンスを実施し、補給装置から現像容器に現像剤を補給させる。そして、補給後の現像容器内のトナー濃度TD2が第2の範囲内(ΔTD<+0.5%)でない場合に、トナーボトル内の現像剤の残量がない旨を通知可能である。CPUは、現像剤残量検知シーケンスの実行時に、現像装置の第1、第2の搬送スクリューの駆動速度を、現像時よりも速くするように現像モータを制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置として、非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む2成分現像剤を用いて画像形成を行う構成が従来から知られている。また、現像剤は、画像形成により消費されるため、消費量などに応じて現像剤補給容器から現像剤を現像装置に補給するようにしている。この現像剤補給容器は、収容している現像剤がなくなれば、新しい現像剤補給容器と交換する。
現像剤補給容器内の現像剤がなくなったか否かを判断する構成として、現像装置内のトナー濃度を検出するセンサの検出値を用いた構成が提案されている(特許文献1)。
特開2005−62848号公報
現像剤補給容器内の現像剤の残量が少なくなってくると(現像剤がなくなる直前になると)、現像装置内に補給できる現像剤が減少する。このため、現像剤の補給が行われても、現像装置内の現像剤のTD比(トナー濃度、トナー質量/トナー質量とキャリア質量の和)が低下する。したがって、現像装置内のTD比を検出することで、現像剤補給容器内の現像剤の残量を確認できる。
このような現像剤補給容器の現像剤の残量の確認は、例えば、次のようなモードを実行することで行う。即ち、現像装置内のTD比が低下したことを検出した場合に、現像剤補給容器から現像剤を強制的に現像装置に補給する動作を行う。そして、現像装置内のTD比を再度確認し、TD比が上昇しない場合には、現像剤補給容器内の現像剤の残量がないと判断する。
この際、このような現像剤の補給及びTD比の確認動作により、ダウンタイムが発生する。したがって、この確認動作の時間を少なくして、このダウンタイムを短くすることが考えられるが、確認動作の時間が短ければ、その分、現像剤補給容器に多くの現像剤が残った状態で現像剤補給容器内の現像剤がなくなったと判断してしまう。この結果、現像剤の残量が多い状態で現像剤補給容器の交換が行われることになり、ランニングコストが高くなってしまう。一方、交換時の現像剤補給容器内の現像剤の残量を少なくすべく確認動作の時間を長くすれば、その分、ダウンタイムが長くなってしまう。
本発明は、現像剤補給容器内の現像剤の残量を確認するモードの実行によるダウンタイムを抑制でき、現像剤補給容器内の現像剤の残量が少ない状態で、現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨の通知を行える構成を提供することを目的とする。
本発明は、像担持体と、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器内で現像剤を搬送する搬送部材とを有し、前記像担持体に担持された静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記搬送部材を可変に駆動可能な駆動手段と、補給用の現像剤を収容した現像剤補給容器から前記現像容器に現像剤を補給する補給装置と、前記現像容器内のトナーとキャリアの比であるトナー濃度に関する情報を検出するトナー濃度検出手段と、前記トナー濃度検出手段の検出結果から前記現像容器内のトナー濃度が第1の範囲内でない場合に、前記補給装置から前記現像容器に現像剤を補給させ、補給後の前記現像容器内のトナー濃度が第2の範囲内でない場合に、前記現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨を通知可能とするモードを実行可能で、前記モードの実行時に、前記搬送部材の駆動速度を、静電潜像をトナーにより現像する現像時よりも速くするように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置にある。
本発明によれば、現像剤補給容器内の現像剤の残量を確認するモードの実行によるダウンタイムを抑制でき、現像剤補給容器内の現像剤の残量が少ない状態で、現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨の通知を行える。
第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。 第1の実施形態に係る画像処理ユニットの概略構成図。 第1の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る現像装置及びトナーの補給構成を示す概略構成横断面図。 第1の実施形態に係る現像装置及びトナーの補給構成を示す概略構成縦断面図。 第1の実施形態に係るトナー濃度センサの模式図。 第1の実施形態に係る現像剤の補給制御のフローチャート。 第1の実施形態に係る現像剤残量検知シーケンスのフローチャート。 比較例と実施例を比較した図。 第2の実施形態に係る現像剤残量検知シーケンスのフローチャート。 第3の実施形態に係る現像剤残量検知シーケンスのフローチャート。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1ないし図3を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置100は、図1に示すように、それぞれ像担持体としての感光ドラム101Y、101M、101C、101Kを備えた4つの画像形成ステーションY、M、C、Kを有する。各画像形成ステーションの上方には、中間転写装置120が配置されている。中間転写装置120は、中間転写体としての中間転写ベルト121が、ローラ122、123、124に張設されて、矢印方向に走行(回転)するように構成されている。ここで、各画像形成ステーションY、M、C、Kの構成は、トナーの色が異なるだけで同一の構成を有する。このため、以下、代表して画像形成ステーションYについて説明し、他の画像形成ステーションについては、その画像形成ステーションの構成であることを示す添え字、M、C、Kを符号に付して説明を省略する。
感光ドラム101Yの周囲には、一次帯電装置102Y、現像装置104Y、クリーナ109Yなどが配置されている。このような感光ドラム周りの構成及び画像形成動作について、図1及び図2を用いて説明する。感光ドラム101Yは、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム101Yの表面は、接触式帯電である帯電ローラ方式の一次帯電装置102Yによって一様に帯電される。帯電された感光ドラム101Yの表面には、露光装置であるレーザー発光素子103Yによって露光されることで静電潜像が形成される。このように形成された静電潜像は、現像装置104Yでトナーにより可視像化され、感光ドラム101Y上にトナー像が形成される。各画像形成ステーションでは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が形成される。
画像形成ステーションYで形成されたトナー像は、一次転写ローラ105Yによる一次転写バイアスによって、ポリイミド系樹脂からなる中間転写ベルト121上に転写される。同様に、その他の画像形成ステーションで形成されたトナー像も中間転写ベルト121上に重ね合わせるように転写される。中間転写ベルト121上に形成された4色のトナー像は、ローラ124と対向して配置された二次転写手段としての二次転写ローラ125によって記録材(例えば用紙、OHPシートなどのシート材)Pに転写される。
記録材Pに転写されずに中間転写ベルト121に残ったトナーは、中間転写ベルトクリーナ114bによって除去される。トナー像が転写された記録材Pは、定着ローラ131、132を備えた定着装置130によって加圧/加熱され、トナー像が定着される。また、一次転写後に感光ドラム101Y上に残った一次転写残トナーは、クリーナ109Yにより除去され、更に前露光ランプ110Y(図2)にて感光ドラム101Y上の電位が消去され、次の画像形成に備える。
また、画像形成装置100は、各色の補給用の現像剤(本実施形態ではトナー)を収容した現像剤補給容器としてのトナーボトル150Y、150M、150C、150Kを有する。トナーボトル150Y、150M、150C、150Kは、それぞれ画像形成装置100の装置本体に対して着脱自在であり、後述する補給装置30により各色の現像装置104Y、104M、104C、104Kにそれぞれトナーを補給可能である。
また、画像形成装置100は、操作パネルなどの表示部220を備えている。表示手段としての表示部220は、ユーザが画像形成装置を操作する側、即ち、手前側に配置され、画像形成装置100の各種状態を表示したり、画像形成装置100の各種設定が可能である。なお、画像形成装置100の各種状態は、画像形成装置100に接続される、パーソナルコンピュータなどの外部端末に表示しても良い。この場合、表示部は、パーソナルコンピュータになり、後述する、制御手段としてのCPU206(図3など)からの通知は、パーソナルコンピュータに送られる。
次に、本実施形態の画像形成装置100における画像処理ユニットのシステム構成について図3を用いて説明する。画像処理ユニットには、外部入力インタフェース(外部入力I/F)200を介して必要に応じて原稿スキャナ、コンピュータ(情報処理装置)等の不図示の外部装置からRGB画像データとしてカラー画像データが入力される。
LOG変換部201は、ROM210に格納されているデータ等により構成されるルックアップテーブル(LUT)に基づいて入力されたRGB画像データの輝度データをCMYの濃度データ(CMY画像データ)に変換する。マスキング・UCR部202は、CMY画像データから黒(K)成分データを抽出し、記録色材の色濁りを補正すべく、CMKY画像データにマトリクス演算を施す。
ルックアップテーブル部(LUT部)203は、画像データをプリンタ部の理想的な階調特性に合わせるためにガンマルックアップテーブル(γルックアップテーブル)を用いて入力されたCMYK画像データの各色毎に濃度補正を施す。なお、γルックアップテーブルはRAM211上に展開されたデータに基づいて作成され、そのテーブル内容はCPU206によって設定される。
パルス幅変調部204は、LUT部203から入力された画像データ(画像信号)のレベルに対応するパルス幅のパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてレーザードライバ205がレーザー発光素子103を駆動し、感光ドラム101上を照射することで静電潜像が形成される。
ビデオ信号カウント部207はLUT部203に入力された画像データの(本実施形態では600dpiにおける)1画素毎のレベル(0〜255レベル)を画像1面分積算する。この画像データ積算値を、ビデオカウント値と呼ぶ。このビデオカウント値は出力画像がA4片面の全面すべて255レベルだった場合に最大値529となる。なお、回路の構成上制限があるときは、ビデオ信号カウント部207のかわりにレーザー信号カウント部208を用いて、レーザードライバ205からの画像信号を同様に計算することで、ビデオカウント値を求めることが可能である。
また、画像形成制御部209は、前述した各画像形成ステーションの各部の構成を駆動制御する。例えば、レーザードライバ205が画像データに基づくパルス信号により画像形成制御部209を介してレーザー発光素子103を駆動する。
ここで、本実施形態の画像形成装置100は、35〜70ppm(1分当たりの出力枚数)のワイドレンジの生産性に対応しており、同一のハード構成において、複数のプロセススピードで画像形成を行うことが可能である。例えば、生産性が70ppmである70ppm機では、プロセススピード300mm/sec、同じく35ppm機では、プロセススピード150mm/secで画像形成を行う。
更に、画像形成装置100は、記録材として厚紙に画像形成(厚紙モード)を行う場合には、十分な定着性を確保するために、プロセススピードを切り換える制御を行っている。例えば35ppm機の厚紙モードでは、通常の普通紙モードのプロセススピード=150mm/secに対して、厚紙モード=120mm/secとする。
[現像装置]
次に、本実施形態の現像装置104Yについて、図4及び図5を用いて詳しく説明する。なお、他の色の現像装置104M、104C、104Kの構成は、現像装置104Yと同じであるため、説明を省略する。現像装置104Yは、現像容器20を備え、現像容器20内に現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアを含む2成分現像剤が収容されている。また、現像容器20内に、現像剤担持体としての現像スリーブ24と、現像スリーブ24上に担持された現像剤の穂(磁気ブラシ)を規制する穂切り部材25とを有している。
現像容器20の内部は、その略中央部が図4の紙面に垂直方向に延在する隔壁23によって現像室21aと攪拌室21bに水平方向の左右に区画されており、現像剤は現像室21a及び攪拌室21bに収容されている。現像室21a及び攪拌室21bには、搬送部材としての第1の搬送スクリュー22a及び第2の搬送スクリュー22bがそれぞれ配置されている。図5に示すように、第1の搬送スクリュー22aは、現像室21aの底部に現像スリーブ24の軸方向に沿ってほぼ平行に配置されており、回転することで現像室21a内の現像剤を軸線方向に沿って一方向に搬送する。また、第2の搬送スクリュー22bは、攪拌室21b内の底部に第1の搬送スクリュー22aとほぼ平行に配置され、攪拌室21b内の現像剤を第1の搬送スクリュー22aとは反対方向に搬送する。
このような第1の搬送スクリュー22a及び第2の搬送スクリュー22bは、駆動手段としての現像モータ28により回転駆動される。現像モータ28は、現像スリーブ24も駆動するようにしても良い。また、現像モータ28は、第1の搬送スクリュー22a及び第2の搬送スクリュー22bを可変に駆動可能である。
このように、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの回転による搬送によって、現像剤が隔壁23の両端部の開口部(即ち、連通部)26、27(図5参照)を通じて現像室21aと攪拌室21bとの間で循環される。本実施形態では、現像室21aと攪拌室21bは水平方向の左右に配置されるが、現像室21aと攪拌室21bが上下に配置された現像装置、或いは、その他の形態の現像装置においても、本発明は適用可能である。
現像容器20の感光ドラム101Yに対向した現像領域Aに相当する位置には開口部があり、この開口部に現像スリーブ24が感光ドラム方向に一部露出するように回転可能に配設されている。本実施形態では、現像スリーブ24の直径は18mm、感光ドラム101Yの直径は30mm、この現像スリーブ24と感光ドラム101Yとの最近接領域を約300μmの距離とする。この構成によって、現像領域Aに搬送した現像剤を感光ドラム101Yと接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。なお、この現像スリーブ24は、アルミニウムやステンレスのような非磁性材料で円筒状に構成され、その内部には磁界手段であるマグネットローラ24mが非回転状態で設置されている。
上記構成にて、現像スリーブ24は、現像時に図示矢印方向(反時計方向)に回転し、穂切り部材25による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された2成分現像剤を担持する。現像スリーブ24は、層厚が規制された現像剤を感光ドラム101Yと対向した現像領域Aに搬送し、感光ドラム101Y上に形成された静電潜像に現像剤を供給して潜像を現像する。この時、現像効率、つまり、潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ24には電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。本実施形態では、−550Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1600V、周波数fが11kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。
一般に、2成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆にカブリが発生し易くなる。このため、現像スリーブ24に印加する直流電圧と感光ドラム101Yの帯電電位(即ち白地部電位)との間に電位差を設けることにより、カブリを防止することが行なわれる。
穂切り部材(規制ブレード)25は、現像スリーブ24の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性部材で構成される。また、穂切り部材25は、感光ドラム101Yよりも現像スリーブ回転方向上流側に配設されている。そして、この穂切り部材25の先端部と現像スリーブ24との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域Aへと送られる。
なお、穂切り部材25と現像スリーブ24の表面との間隙を調整することによって、現像スリーブ24上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。本実施形態においては、穂切り部材25によって、現像スリーブ24上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cmに規制している。また、穂切り部材25と現像スリーブ24は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施形態では400μmに設定した。
また、現像領域Aにおいては、現像装置104Yの現像スリーブ24は、共に感光ドラム101Yの移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光ドラム1.80倍で移動している。この周速比に関しては、0倍よりも大きく3.6倍以下の間で設定され、好ましくは、0.5倍以上2.0倍以下の間に設定されれば、何倍でも構わない。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
更に、図4に示すように、攪拌室21bの外側(現像室21aと反対側)の壁の下方には、検出面が攪拌室21bに露出するように、トナー濃度検出手段としてのインダクタンスセンサ401が固定配置されている。インダクタンスセンサ401は、現像容器内の透磁率を検出するもので、詳しくは後述するように、第2の搬送スクリュー22bによって搬送されている現像剤のトナー濃度(TD比)を検出して、検出結果に応じた電圧を出力する。また、図5に示すように、インダクタンスセンサ401は、攪拌室21bの現像剤の搬送方向中央よりも下流側で、かつ、攪拌室21bから現像室21aへ現像剤を受け渡す連通部26の手前に配置されている。
[現像剤]
ここで、現像容器20に収容されているトナーとキャリアからなる2成分現像剤について詳しく説明する。トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましい。より好ましくは8μm以下であることが好ましい。また、近年のトナーにおいては、定着性を良くするために低融点のトナー或いは低ガラス転移点Tg(例えばTg≦70℃)のトナーが用いられることが多い。さらに定着後の分離性を良くするためにトナーにワックスを含有させている場合もある。本実施形態の現像剤は、ワックスを含有させた粉砕トナーである。
また、キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、重量平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmであり、抵抗率が10Ωcm以上、好ましくは10Ωcm以上である。本実施例では10Ωcmのものを用いた。
なお、本実施形態にて用いられるトナーについて、体積平均粒径は、以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、SD−2000シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置(シスメックス社製)を使用した。測定方法は以下に示す通りである。即ち、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液の電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行なう。そして、上記のSD−2000シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得る。
また、本実施形態にて用いられるキャリアの抵抗率は、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いた。片方の電極に1kgの重量の加圧下で、両電極間の印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流から、キャリアの抵抗率を得る方法によって測定した。
[現像剤の補給]
次に、本実施形態における現像剤の補給方法について図4及び図5を用いて説明する。現像装置104Yの上部には、現像剤を現像装置104Yに補給する補給装置としての補給装置30が配置される。補給装置30は、トナーとキャリアを混合した補給用2成分現像剤(補給用の現像剤、通常はトナー/補給用現像剤=100%〜80%)を収容する収容部としてのホッパー31を備える。
ホッパー31には、現像剤補給容器としてのトナーボトル150Yから現像剤が供給される。トナーボトル150Yは、不図示の駆動機構により収容された補給用2成分現像剤をホッパー31に供給する。この供給動作は、例えば、ホッパー31内の現像剤の量を検出するセンサの検出結果により行われる。即ち、このセンサによりホッパー31内の現像剤の量が所定量よりも少なくなった場合に、上述の駆動機構を駆動して、トナーボトル150Yからホッパー31内に現像剤が供給される。
ホッパー31は、下部にスクリュー状の補給搬送部材、即ち、補給スクリュー32を備え、補給スクリュー32の一端が現像装置104Yの後端部に設けられた現像剤補給口33の位置まで延びている。現像剤補給口33は、現像容器20の攪拌室21bと連通している。また、補給スクリュー32は、補給駆動手段としての補給モータ34により回転駆動される。したがって、補給スクリュー32は、補給モータ34の駆動により回転して、ホッパー31から現像剤を搬送して攪拌室21b内に現像剤を補給する。
画像形成によって消費された分のトナーは、補給スクリュー32の回転力と、現像剤の重力によって、ホッパー31から現像剤補給口33を通過して、現像容器20内に補給される。このようにしてホッパー31から現像装置104Yに補給される補給用の現像剤の量は、補給スクリュー32の回転回数によっておおよそ定められる。この回転回数は、画像データのビデオカウント値や、現像容器20内に設置されたインダクタンスセンサ401の検出結果などに基づいて、制御手段(制御部)としてのCPU206によって定められる。このようなトナー補給の制御についての詳細は、後述する。
[現像装置内の余剰現像剤の排出]
次に、本実施形態における現像装置104Y内の余剰現像剤の排出方法について、図5を用いて説明する。第2の搬送スクリュー22bは、回転軸の周囲に螺旋状の羽根を設けた第1のスパイラル部301、第2のスパイラル部302、第3のスパイラル部303を備える。第1のスパイラル部301は、現像容器20内の現像剤を、連通部27から連通部26の方向へ、即ち通常の循環経路の下流側へ現像剤を搬送する。
第2のスパイラル部(返しスクリュー)302は、第1のスパイラル部と羽根の向きが異なり、第1のスパイラル部301による現像剤搬送方向の下流側に接続されている。そして、第2のスパイラル部302は、通常の循環経路外から循環経路内に押し戻すように現像剤を搬送する。第1のスパイラル部301と第2のスパイラル部302との接続部に対向する位置には、連通部26が設けられている。
更に、第2のスパイラル部302の搬送方向上流には、循環する現像剤の一部を現像容器20の外に排出するための排出開口305が設けられている。これにより、第2の搬送スクリュー22bの第1のスパイラル部301によって排出開口305の方向へ搬送される現像剤の大部分は、第2のスパイラル部302に押し戻されて排出開口305からの排出を逃れる。そして、排出を逃れた現像剤は、連通部26を通過して第1の搬送スクリュー22aに受け渡される。
一方で、第2のスパイラル部302によって押し戻されなかった現像剤は、排出開口305を通過し、第1のスパイラル部301と同じ方向に現像剤を搬送する第3のスパイラル部303(排出スクリュー)に搬送されて、排出口306に到達する。排出口306に到達した現像剤は、排出口306から自由落下で現像容器20の外に余剰現像剤として排出される。排出された余剰現像剤は、不図示の回収容器に回収される。
なお、第2のスパイラル部302(返しスクリュー)の長さ、直径、ピッチは、現像装置104Yの構成や排出条件、現像容器20内の現像剤量、目標とする排出量に応じて適宜変更される。例えば、第2のスパイラル部302の長さが長過ぎると、必要以上に現像剤の排出が抑制されるために、現像剤の帯電性能の低下が進行してしまう。逆に、例えば、第2のスパイラル部302の長さが短過ぎると、必要以上に現像剤が排出されて、現像剤量が少なくなり現像剤の現像スリーブ24へのコートが不安定になってしまう。
ここで、上述した様に、本実施形態の画像形成装置100は、35〜70ppmのワイドレンジの生産性に対応した画像形成装置であり、複数のプロセススピードを有する。また、画像形成装置100は、記録材が厚紙である場合には、記録材が普通紙の場合よりもプロセススピードを遅くすることも可能である。
本実施形態では、このようなプロセススピードの変化に対して、画像濃度を安定的に制御するために現像装置104Yの駆動速度を調整している。即ち、CPU206(図4参照)は、現像効率を安定させるべく、現像装置104Y内の現像スリーブ24や、第1の搬送スクリュー22a及び第2の搬送スクリュー22bの回転速度も調整している。
具体的には、70pp機の普通紙モード(記録材として普通紙に画像形成を行うモード)では、現像スリーブ24は573rpm、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bは700rpmで回転駆動させる。また、35ppm機の普通紙モードでは、現像スリーブ24は286rpm、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bは350rpmで回転駆動させる。また、35ppm機の厚紙モードでは、現像スリーブ24は229rpm、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bは280rpmで回転駆動させる。
このように搬送スクリューが複数の回転速度を持つ場合、第2の搬送スクリュー22bの第2のスパイラル部302の終端部に到達する現像剤量が変動するため、現像容器内の現像剤量が変動し易くなる。そこで、本実施形態では、第2の搬送スクリュー22bの第2のスパイラル部302の搬送方向の最上流に、排出開口305の一部を覆うように、円板形状のつば部304を設けている。
つば部304は、第2の搬送スクリュー22bの第1のスパイラル部301と第2のスパイラル部302との搬送能力の差によって、排出開口305に向かって搬送されてきた現像剤の慣性力の差を低減させる機能を持つ。つば部304は、第2のスパイラル部302の最上流部の羽根の切れ目から排出開口305へ落ち込む現像剤を無くし、現像剤の排出量を安定させる。また、つば部304は、第2のスパイラル部302の排出開口305に対向する末端を覆ってスクリュー羽根の谷部を排出開口305に露出させないようにしている。これにより、第2の搬送スクリュー22bの回転速度が変動しても安定した排出量を確保できる。
[インダクタンスセンサ]
次に、現像容器20内のトナーとキャリアの比であるトナー濃度、即ち、TD比(トナー質量/トナー質量とキャリア質量の和)に関する情報を検出するトナー濃度検出手段としてのインダクタンスセンサ401について説明する。インダクタンスセンサ401には、電源電圧(本実施形態では5.0V)印加用の束線と、制御電圧(本実施形態では4.0〜6.0V)印加用の束線と、アース用の束線が繋がっている。また、インダクタンスセンサ401には、検出結果の出力電圧用の束線がCPU206と繋がっている。
インダクタンスセンサ401は、検出面(センサ面)近傍の透磁率を検出する。したがって、現像容器20内のトナー濃度が低くなると、検出面近傍のキャリアの割合が相対的に増加し、透磁率が増加する。そして、インダクタンスセンサ401の検出結果である出力電圧が上昇する。逆に、現像容器20内のトナー濃度が高くなると、検出面近傍のキャリアの割合が相対的に減少し、透磁率が減少する。そして、インダクタンスセンサ401の検出結果である出力電圧が低下する。CPU206は、このような特性から、インダクタンスセンサ401の検出結果(出力電圧)から現像容器20内のトナー濃度を求める。
一方で、インダクタンスセンサ401の出力は、同じトナー濃度の現像剤が検出面近傍に存在する場合でも、現像剤の嵩密度に応じて変化してしまう。例えば、高温多湿環境においては現像剤のトナー帯電量が低下するため、トナー粒子間或いはキャリア粒子間のクーロン反発力が低下し、現像剤の嵩密度が上昇する。逆に、低温低湿環境においては現像剤のトナー帯電量が増加するため、トナー粒子間或いはキャリア粒子間のクーロン反発力が増加し、現像剤の嵩密度が低下する。このため、同じトナー濃度の現像剤においても、高温多湿環境下では低温低湿環境下よりも出力電圧が上昇する。
また、厚紙モード時に、通常のプロセススピードの切り替えに伴って、現像スリーブ24及び第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの回転速度が変化した時にも、インダクタンスセンサ401の検出面近傍の現像剤の嵩密度が変化する。具体的には、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bによる現像剤の搬送速度が遅くなった影響で、嵩密度が増大する方向に変化し、インダクタンスセンサ401の出力電圧が増加してしまう。
したがって、本実施形態では、CPU206は、現像装置104Yの動作環境(温度、相対湿度、絶対水分量)及びプロセススピード(普通紙モード、厚紙モードなど)に応じて、インダクタンスセンサ401に印加する制御電圧を変更する制御を実行する。そして、同一のトナー濃度に対しては、環境やプロセススピードの変化に拘らず、同一或いは所定の範囲内の出力電圧がインダクタンスセンサ401から出力されるようにしている。
[トナー濃度センサ]
次に、本実施形態のトナー濃度センサ140について、図1及び図6を用いて説明する。本実施形態の画像形成装置100においては、図1に示すように、ローラ122は、中間転写ベルト121を介してトナー濃度センサ140に略対向する位置に設けられたバックアップローラである。ローラ122は、中間転写ベルト121の内周面側から中間転写ベルト121を押し下げて中間転写ベルト121を支持する。なお、中間転写ベルト121の内周面側から中間転写ベルト121を支持する部材として、ローラ122の代わりに、簡易構成の摺動部材を設けても良い。
トナー濃度センサ140は、通常、入力画像のトナー載り量(付着量、濃度)を出力画像に再現させるためのトナー載り量の制御を行う際に用いられる。即ち、トナー濃度センサ140は、中間転写ベルト121の外周面に転写されたトナー像のトナー載り量を検出する載り量検出手段である。本実施形態のトナー濃度センサ140は、中間転写ベルト121上のトナー像からの反射光量を検出する。検出した反射光量の情報は、CPU206に送られ、CPU206がこの反射光量の情報からそのトナー像のトナー載り量を求める。そして、トナー載り量の制御を行う際には、所定の条件で形成された制御用のトナー像(トナーパッチT)を中間転写ベルト121の外周面に転写し、トナー濃度センサ140によりトナーパッチTのトナー載り量を検出する。CPU206は、この検出値から画像形成条件を制御して、適切な出力画像を得られるようにする。以下、トナー濃度センサ140について詳しく説明する。
トナー濃度センサ140は、図6に示すように反射型の濃度センサであり、LEDなどの発光部411、フォトダイオードなどの受光部412a、412b、及び、発光部411の発光光量を制御するIC413から構成される。発光部411は、中間転写ベルト121の法線に対して45度の角度で設置されており、中間転写ベルト121に向けて光を照射する。
受光部412aは、中間転写ベルト121の法線を中心に発光部411と対称の位置に設置されており、トナーパッチTからの正反射光を受光する。受光部412bは、中間転写ベルト121の法線を中心に発光部411側に、法線に対して60度の角度で設置されており、トナーパッチTからの乱反射光を受光する。図6では、トナーパッチTが、トナー濃度センサ140の検知領域を通過する場合を示している。
ここで、トナーパッチTについて、正反射と乱反射の両方を検出する理由を述べる。トナー載り量の多い高濃度のトナーパッチにおいては、正反射P波が低下し飽和する傾向がある。このとき、乱反射S波の光量は線形性を維持する傾向がある。一方、トナー載り量の少ない低濃度のトナーパッチにおいては、乱反射S波が低下し飽和する傾向がある。このとき、正反射P波の光量は線形性を維持する傾向がある。したがって、正反射P波と乱反射S波の両方を併用して検出ことで、低濃度から高濃度のトナー載り量のトナーパッチTを精度良く検知することができる。
IC413は、トナー濃度センサ140内の発光部411に印加する電圧を調整することで、発光部411の発光光量を制御する。発光光量が異なると、同一の対象物からの反射光量は異なる。即ち、発光する光が強いほど、対象物からの反射光量は多くなる。IC413は、トナー濃度センサ140を、トナーパッチの濃度を検出する際に適した光量レベルで動作させる。
トナーパッチの濃度検出に適した光量レベルとは、低濃度と高濃度の両方のトナーパッチに対して良好な感度が得られる光量である。低濃度のトナーパッチは、光量を下げていくと、反射光量の絶対値が小さくなり、中間転写ベルト121表面の光沢ムラと区別がつきにくくなる傾向を持つ。また、高濃度のトナーパッチは、光量を上げていくと、トナーパッチの濃度変化に対する感度が鈍くなる傾向を持つ。したがって、トナーパッチの濃度検出に適した光量レベルは、低濃度のトナーパッチの反射光量が下地である中間転写ベルト121表面の光沢ムラと区別できることが好ましい。かつ、トナーパッチの濃度検出に適した光量レベルは、高濃度のトナーパッチの反射光量がトナーパッチの濃度変化に対して良好な感度を有する光量レベルであることが好ましい。
適切な光量レベルは、中間転写ベルト121の表面(トナー像が形成されていない中間転写ベルト121の表面)からの反射光量が目標の光量レベルになるように調整する。本実施形態では、中間転写ベルト121の表面の一周の平均反射光量が3.5±0.05[V]となるような光量レベルを採用した。このように平均反射光量を調整することで、中間転写ベルト121の表面の光沢度が使用により変化しても、正しく制御することが可能となる。
CPU206は、中間転写ベルト121の表面からの反射光量(電圧値)と、中間転写ベルト121上に形成されたトナー像からの反射光量(電圧値)との差分量(電圧値)を算出する。そして、その算出した差分量に基づいて、トナー像のトナー載り量を検出する。
また、CPU206は、入力画像のトナー載り量を出力画像に再現させるため、出力画像を出力する時の画像形成条件を好適に変更する。具体的には、CPU206は、中間転写ベルト121に形成されたトナーパッチのトナー濃度センサ140によるトナー載り量の検出結果に基づいて、帯電電位、現像電位、露光量、現像装置内のトナー濃度目標値などの画像形成条件を変更する。
なお、本実施形態の画像形成装置100では、トナー濃度センサ140は、中間転写ベルト121の回転方向に対して、画像形成装置の主走査方向(中間転写ベルト121の回転方向に直交する方向)の両側の2か所にそれぞれ配置されている。これは、トナー濃度センサ140が、中間転写ベルト121上に転写される各色のトナー像の色ずれを補正するためにも使用するからである。このような色ずれ補正の制御に利用するトナーパッチは、色ズレ補正制御をより正確に実施するために、中間転写ベルト121の主走査方向の両側に形成することが好ましい。このため、本実施形態では、トナー濃度センサ140を中間転写ベルト121の主走査方向両側(画像形成装置100の手前側(ユーザが操作する側)と奥側)にそれぞれ配置している。
本実施形態では、イエローとマゼンタの画像濃度制御に対しては主走査方向の奥側のトナー濃度センサ140を、シアンとブラックの画像濃度制御に対しては主走査方向の手前側のトナー濃度センサ140をそれぞれ用いている。
[現像剤補給制御]
次に、本実施形態の現像剤の補給制御について、図7を用いて説明する。本実施形態では、CPU206は、ビデオ信号カウント部207(図3)から来るビデオカウント信号情報と、インダクタンスセンサ401からの検知結果との両方の情報を使って、現像剤の補給制御を実行する。最初に画像形成がスタートすると、CPU206は、ビデオ信号カウント部207から来るビデオカウント信号値Vcより、不図示のビデオカウント信号の補給量変換テーブルを用いて、ビデオカウント補給量M1を算出する(S1)。
ここで、ビデオカウント信号の補給量変換テーブルとは、ビデオカウント信号値が大きい程に消費トナー量が多くなるため、必要なトナー補給量が多くなることを表したテーブルである。例えば、ビデオカウント信号値Vc=200では、ビデオカウント補給量M1=120mgであり、ビデオカウント信号値Vc=400では、ビデオカウント補給量M1=240mgとなるような線形単調増加なテーブルである。
次に、CPU206は、インダクタンスセンサ401の検知結果から、現像容器20内の現像剤のトナー濃度(TD比、以下、TD)を算出する(S2)。前述したように、インダクタンスセンサ401は電源電圧5.0Vと制御電圧(4.0〜6.0V)を印加されており、TDが高いほど、出力値が小さい値が出力される。さらに、本実施形態では、画質安定の為にTDの目標値を現像装置の使用に応じて適切に制御しており、CPU206は、目標トナー濃度TDtargetと現在のトナー濃度TDとの差分ΔTDを算出する(S3)。例えば、TDtarget=10.0%に対して、S2で検出したTD=9.7%であれば、ΔTD=0.3%である。
次に、ΔTDの値から、インダクタンスセンサ401の検出結果によるインダク補給量M2を算出する(S4)。ここで、現像容器内のTDを目標値にするために不足しているトナー量は、現像容器20内の中心現像剤量(本実施形態では200g)と、前述したΔTD(例えば0.3%)の積、即ち200×0.3%=0.6gと算出される。更に、インダク補給量M2の算出のためにトナー濃度フィードバック率(FB率)α(本実施例では=0.05)を不足しているトナー量に積算し、インダク補給量M2は0.6×0.05=0.03=30mgと算出される。即ち、インダク補給量M2=ΔTD×現像剤量×FB率αで算出する。なお、目標トナー濃度に対して、現在の検出されたトナー濃度が高い場合には、トナー濃度が過剰であるため、インダク補給量M2はマイナスの値となる。
次に、CPU206は、前回補給からの残補給量M3を読み込み(S5)、前述したビデオカウント補給量M1とインダク補給量M2と残補給量M3の和から、必要な補給量M4を算出する(S6)。そして、CPU206は、算出された必要な補給量M4が0以下の値か、正の値(M4>0)かを判断する(S7)。
S7で、必要な補給量M4が0以下の場合、現像容器内のトナー濃度が目標値以上でありトナー濃度が十分、或いは過剰である事を表すので、CPU206は、必要な補給量M4=0とし、さらに残補給量M3=0として、補給を実施しない(S8)。そして、残補給量M3=0の値は、S5で、次回の補給量計算に使用する。
一方、必要な補給量M4が正の値の場合、現像容器内のトナー濃度が、画像形成による消費を考慮した場合にトナー濃度が不足する事を表すので、必要な補給量M4を補給すべく、具体的な補給動作の算出を始める。即ち、必要な補給量M4を、補給スクリュー32の1回転での補給量Mb(本実施形態では180mg)で除算し、その商を補給スクリュー32の回転回数Bとし、その余りを次の画像形成への残補給量M3とする(S9)。残補給量M3の値は、S5で、次回の補給量計算に使用する。
例えば、ビデオカウント信号値Vc=400である場合、ビデオカウント補給量M1=240mgとなる。また、目標トナー濃度TDtarget=10.0%に対して検出したTD=9.7%である場合、ΔTD=0.3%となり、インダク補給量M2=30mgとなる。前回補給からの残補給量M3=20mgであるとすると、必要な補給量M4=240+30+20=290mgとなる。更に、必要な補給量M4=290mgを補給スクリュー1回転での補給量Mb=180mgで除算して、補給スクリューの回転回数B=1、次の残補給量M3=110mgと算出される。
そして、CPU206は、このように算出された補給スクリュー回転回数B(上述の例では1回)だけ、補給スクリュー32を回転させるよう補給モータ34(図4)の不図示の駆動制御装置に実行命令を伝え、補給を実施する(S10)。最後に、CPU206は、画像形成が終了した否かを判断し(S11)、画像形成が継続する場合にはS1に戻り、画像形成が終了する場合には、画像形成終了の動作を実行する。
以上のように、本実施形態では、図7のフローチャートに従ったトナー補給制御を行うことで、現像容器20内のトナー濃度(TD比)を安定制御している。
[現像剤残量検知シーケンス]
次に、本実施形態におけるインダクタンスセンサ401の検出結果を用いた現像剤残量検知シーケンス(モード)について、図8を用いて説明する。なお、以下では、画像形成ステーションYの現像装置104Y及びトナーボトル150Yについて説明するが、その他の画像形成ステーションでも同様である。
まず、現像剤残量検知シーケンスの概要について説明する。CPU206は、次の条件を満たした場合に、現像剤残量検知シーケンスを実行可能である。即ち、現像剤残量検知シーケンスでは、CPU206は、インダクタンスセンサ401の検出結果から現像容器20内のトナー濃度(TD)が第1の範囲内でない場合に、補給装置30から現像容器20に現像剤を補給させる。そして、補給後の現像容器20内のTDが第2の範囲内でない場合に、トナーボトル150Y内(現像剤補給容器内)の現像剤の残量がない旨を、例えば、表示部220(図1)に通知可能とする。現像剤残量検知シーケンスは、このようにトナーボトル150Y内の現像剤の残量がない旨の通知を行うモードのことである。なお、トナーボトル150Y内の現像剤の残量がないとは、残量が0である場合は勿論、僅かな量の現像剤が残っている場合も含む。
ここで、トナーボトル150Y内の現像剤の残量が少なくなってくると(現像剤がなくなる直前になると)、補給装置30を介して現像装置104Y内に補給できる現像剤が減少する。このため、現像剤の補給が行われても、現像装置104Y内のTDが低下する。したがって、本実施形態では、インダクタンスセンサ401により現像装置104Y内のTDを検出することで、トナーボトル150Y内の現像剤の残量を確認するようにしている。以下、図8を用いて具体的に説明する。
まず画像形成がスタートし、前述の図7で説明したように、インダクタンスセンサ401で検出したトナー濃度TD1と目標トナー濃度TDtargetとの差分ΔTDを算出する(S21)。次に、算出したΔTDが+1.0%(第1の閾値)より大きいか否かを判断する(S22)。ここで、ΔTDが+1.0%以下、即ち、TDがTDtargetに対して1.0%以内で低いか、TDがTDtargetよりも高い場合には、現像容器20内のTDは、画像品質を保つことが可能な状態である。したがって、この場合には、通常の画像形成と、図7に示した現像剤補給制御を継続する(S23)。
一方、ΔTDが+1.0%よりも大きい場合は、現像剤の消費量に対して現像剤の補給量が少なく、現像容器20内のTDが低下している状態である。したがって、このまま画像形成を継続すると、濃度低下や画像不良などの虞があるため、次述するトナーボトル150Yからの現像剤の強制補給を含む現像剤残量検知シーケンスを実施する(S24)。
即ち、インダクタンスセンサ401の検出結果から現像容器20内のTD1が第1の範囲内でない場合、即ち、TDtarget−TD1>+1.0%を満たす場合、トナーボトル150Y内の現像剤の残量が少なくなっていると推測できる。したがって、この場合には、トナーボトル150Y内の現像剤を補給装置30のホッパー31内に補給する強制補給を行い、トナーボトル150Y内の現像剤の残量をできるだけ少なくする。そして、トナーボトル150Y内の現像剤の残量がかなり少なくなったこと、或いは、なくなったことを検知し、それを表示部220に通知することで、ユーザにトナーボトル150Yの交換を促す。
現像剤残量検知シーケンスでは、該当する画像形成装置100の生産性が70ppm機か否かを判断する(S25)。詳しく説明すると、前述したように、本実施形態の画像形成装置100は、プロセススピードをソフト的に変更することで、35〜70ppmの生産性を同一のハード構成で実現する、ワイドレンジ対応の画像形成装置である。具体的には、画像形成装置100は、同一のハード構成で、35、40、50、60、70ppmの5種類の生産性を設定可能である。したがって、S25では、画像形成装置100の設定がどれなのかを判断する。
ここで、本実施形態の画像形成装置100は35ppm機である。即ち、画像形成装置100は、35ppmの生産性で、現像などの画像形成を行っている。よって、S25の判断は「No」であり、この場合は、70ppm機相当に現像装置104Yの制御を変更する(S26)。具体的には、現像装置104Yの駆動速度を70ppm機相当にアップさせる。即ち、CPU206は、現像剤残量検知シーケンスの実行時に、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの駆動速度を、静電潜像をトナーにより現像する現像時よりも速くするように現像モータ28を制御する(図4参照)。より具体的には、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの駆動速度(回転速度)を現像時の350rpmから700rpmに変更する。なお、本実施形態では、現像スリーブ24も現像モータ28により駆動されているため、現像スリーブ24の駆動速度も変更される。
ここで、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの駆動速度が変化することで、現像容器20内の現像剤の搬送速度も変化し、現像剤の嵩密度が変化する。このため、インダクタンスセンサ401に印加する制御電圧も、前述したように同一のトナー濃度に対しては同一の出力電圧が出力されるように変更する。なお、本実施形態では、35ppm機の画像形成装置100を使用しているが、70ppm機以外の他の画像形成装置(40、50、60ppm機)を使用している場合には、S26で同様の制御を行う。一方、使用している画像形成装置が70ppm機の場合には、特に変更することなく、次のS27に進む。
次に、現像装置104YのTDを回復させるために、CPU206は、補給スクリュー32を1回転させて補給量Mb=180mgを現像容器20内に補給させ、強制補給カウントNを1カウントアップさせる(S27)。補給スクリュー32による補給が完了したら、直ちにインダクタンスセンサ401の出力より、CPU206が現像容器20内のトナー濃度TD2を算出する。そして、CPU206は、目標トナー濃度TDtargetと検出したトナー濃度TD2との差分ΔTDを算出する(S28)。
次いで、CPU206は、ΔTDが+0.5%(第1の閾値よりも小さい第2の閾値)より小さいか否かを判断する(S29)。即ち、現像剤残量検知シーケンスに入った段階でΔTDが+1.0%より大きかったものが、S27の補給動作によって目標トナー濃度TDtargetに十分に近づいたか否かを確認する。言い換えれば、CPU206は、補給後の現像容器20内のTDが第2の範囲内(TDtarget−TD<+0.5%)であるか否かを判断する。
ここで、ΔTDが+0.5%以上(第2の閾値以上)であれば(第2の範囲内でない場合)、CPU206は、現像容器20内のTDがまだ低いと判断する。そして、まず、強制補給カウントNがトナーボトル空判断閾値(所定回数)Nemptyよりも小さいか否かを判断する(S30)。CPU206は、強制補給カウントNがトナーボトル空判断閾値Nemptyよりも小さい場合は、まだ、トナーボトル150Yは空では無いと判断する。そして、CPU206は、ステップS27に戻って補給スクリュー32を1回転させて、再度、補給スクリュー32に補給量Mb=180mgを補給させ、強制補給カウントNを1カウントアップさせる。即ち、CPU206は、補給後の現像容器20内のトナー濃度が第2の範囲内でない場合(即ち、ΔTDが+0.5%以上の場合)、再度、補給装置30から現像容器20に現像剤を補給させる。
一方、S30で、強制補給カウントNがトナーボトル空判断閾値Nempty以上である場合には、CPU206は、トナーボトル150Yが空になったと判断(空検知)し、トナーボトル150が空である旨を表示部(UI)220に表示させる(S31)。そして、現像剤残量検知シーケンスを終了させる。即ち、CPU206は、現像剤残量検知シーケンスの実行時の補給装置30の補給回数(強制補給カウントN)がNemptyに到達し、且つ、現像容器20内のTD度が第2の範囲内でない場合に、トナーボトル150Y内の現像剤の残量がない旨を通知させる。なお、本実施形態では、トナーボトル空判断閾値Nemptyは20に設定してある。
これに対して、S29で、ΔTDが+0.5%より小さかった場合には、S27の補給動作によって、現像容器20内のTDが回復したと判断し、次のS32に進む。S32では、S25と同じく、使用している画像形成装置100の生産性の設定が70ppm機か否かを判断する。70ppm機の場合は、特に何もせずそのまま現像剤残量検知シーケンスを、トナーボトル150内に現像剤有りと判断して終了し、継続して画像形成可能とする。
S32で、画像形成装置100の設定が70ppm機以外の場合、CPU206は、S26において70ppm機相当に現像装置104Yの制御を変更しているので、通常の画像形成時(現像時)と同じ制御に戻す(S33)。本実施形態の画像形成装置100は35ppm機であるので、現像装置104Yの制御を現像時と同じ制御に戻す。即ち、現像スリーブ24、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの回転速度と、インダクタンスセンサ401の制御電圧を現像時の制御に戻す。CPU206は、これで現像剤残量検知シーケンスをトナーボトル150内に現像剤有りと判断して終了し、継続して画像形成可能とさせる。
このように本実施形態では、S27からS30において、現像剤の補給動作を行う毎にインダクタンスセンサ401の検出結果から現像容器20内のTDの回復具合を判断している。このため、トナーボトル150内の現像剤の残量が少ない状態で、即ち、ほぼ空となった状態で、トナーボトル150内の現像剤の残量がない旨の通知を行える。即ち、トナーボトル150が空である旨を表示部220に表示させることができる。この結果、現像剤の残量が多い状態でトナーボトル150の交換が行われにくくなり、ランニングコストが高くなることを防止できる。
また、S26、S33などで説明した様に、現像剤残量検知シーケンスでは、通常の画像形成時、即ち、現像時に対して、現像装置104Yの駆動速度を早くしている。ここで、このような現像剤残量検知シーケンスを実行した場合、画像形成動作が中断するダウンタイムが発生してしまう。トナーボトル150内の現像剤の残量の確認動作を短くすれば、このダウンタイムを抑制できるが、現像剤の残量が多い状態でトナーボトル150の交換が行われ易くなり、ランニングコストが高くなる。一方、このような確認動作を十分に行った場合には、このダウンタイムが長くなってしまう。
そこで、本実施形態では、現像剤残量検知シーケンスでは、現像時に対して現像装置104Yの駆動速度を早くしている。即ち、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの回転速度を現像時よりも速くして、現像容器20内の現像剤の搬送速度が速くなるようにしている。これにより、インダクタンスセンサ401の検出結果に、現像剤を補給した後の現像容器20内のトナー濃度TDを素早く反映させることができる。即ち、現像容器20内に補給された現像剤がインダクタンスセンサ401に到達するまでの時間が現像時よりも短くなるため、インダクタンスセンサ401によるトナーボトル150Yの空判断を早めることができる。
この結果、トナーボトル150内の現像剤の残量を確認する現像剤残量検知シーケンスの実行によるダウンタイムを抑制することが可能である。即ち、本実施形態では、現像剤残量検知シーケンスの実行によるダウンタイムの抑制と、ランニングコストの上昇の抑制を両立することができる。
[効果の確認]
このような本実施形態の現像剤残量検知シーケンスのダウンタイム抑制の効果を説明するために、比較例と本実施形態の制御を行った実施例において、トナー空判断までにかかる時間を計算した結果を図9に示す。図9の計算は、次のような設定で行った。なお、比較例と実施例は、現像剤残量検知シーケンスにおける現像装置104Yの駆動速度が異なる以外は、同じ構成である。
まず、補給スクリュー32の回転速度は140rpmであり、1回転した場合の補給量である1ブロック補給量Mb=180mgであり、これを補給するのに必要な時間は0.43秒である。また、現像容器20内の現像剤量は120gである。トナー残量検知シーケンスにおいてトナーボトル150Yの空判断は、上述した場合と同様に、強制補給動作によってΔTDが+1.0%より大であったものが、ΔTDが+0.5%より小になるか否かで判断する。即ち、トナー濃度TD=0.5%分の補給がなされるか否かで判断している。
また、トナーボトル150Yの空検知を確実に行うため、マージンをもって0.8%分の補給をできるように、ΔTDの回復量が0.8%となるように、トナーボトル空判断閾値Nemptyの値を設定している。つまり、現像剤120gに対して0.8%分のトナー量(ΔTDの回復に必要なトナー量)960mgを補給できるようにNemptyを設定している。
また、トナーボトル150Yの残量が十分少なく(空に)なってくると補給スクリュー1回転での補給量Mbが通常時180mgであったものが、90mg以下になる。トナー量960mgを現像容器に補給するためには、1回転の補給量が90mg以下になった場合には、補給スクリュー32を10.7回転=4.6秒間回転させる必要がある。更に、現像剤補給口33から補給された現像剤が現像容器内で、第1、第2の搬送スクリュー22a、22bに搬送されてインダクタンスセンサ401に到達するのにかかる時間は、次の通りである。即ち、第2の搬送スクリュー22bの回転速度が350rpmのときは8秒、700rpmのときは4秒となる。
したがって、トナーボトル150Yの空判断までにかかる時間は、比較例の場合には4.6秒+8秒で合計12.6秒となる。1回の補給に0.43秒かかるので、比較例の場合、トナーボトル150Yの空判断を確実に行うためには、トナーボトル空判断閾値Nemptyを30程度に設定することになる。
一方、実施例の場合、トナーボトル150Yの空判断までにかかる時間は、4.6秒+4秒で合計8.6秒となる。したがって、実施例の場合、トナーボトル150Yの空判断を確実に行うために、トナーボトル空判断閾値Nemptyを20程度に設定することができる。以上のように、実施例では、トナーボトル150Yの空判断の精度を落とすことなく、現像剤残量検知シーケンスのダウンタイムを短縮することが可能である。
なお、本実施形態では、上述の制御を行うことによる効果が大きい35ppm機で説明したが、同一のハード構成である40、50、60ppm機においても同様に現像剤残量検知シーケンスのダウンタイムを抑制できる。
また、現像装置の条件によっては、補給口近傍のトナー攪拌能力を上げるために補給口近傍の搬送力を落としているハード構成もある(例えば補給口近傍のみ攪拌羽根のピッチを短くするような構成)。このようなハード構成においては、現像装置内の第2の搬送スクリュー22bの回転速度に応じて、補給スクリューからの補給量を制限しないと、補給口近傍でトナーが詰ってしまう。このため、具体的には画像形成装置の生産性が遅い場合には、補給スクリューの回転速度を落としたり、補給間隔を広げる制限を設けたりする制御で対応することが好ましい。
このようなハード構成の場合でも、上述の実施形態の制御に従って、現像剤残量検知シーケンス中の強制補給動作における、現像装置の制御を70ppm機相当に変更することで、より大きなダウンタイムの削減効果が得られる。具体的には、第2の搬送スクリューの搬送速度アップと、補給スクリューからの補給能力アップを行うことで、インダクタンスセンサにより速く補給した現像剤が到達でき、より大きなダウンタイム削減効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図1ないし図5を参照しつつ、図10を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、同一ハード構成で複数の生産性を実現するワイドレンジの生産性対応の画像形成装置について説明した。即ち、第1の実施形態では、生産性の低い画像形成装置のときに、現像剤残量検知シーケンス中は高生産性の画像形成装置に相当する制御を行うようにしている。そして、インダクタンスセンサへの補給現像剤の到達時間を短縮し、現像剤残量検知シーケンスによるダウンタイムを低減するようにした。
しかしながら、現像剤残量検知シーケンス中の現像装置の回転速度をアップする制御は、特にワイドレンジ対応の画像形成装置の低生産性モデルに限るものではない。ワイドレンジ対応の画像形成装置の生産性の高いモデルや、生産性を1種類しかもたないモデルに対しても適用可能である。そこで、本実施形態では、現像モータ28の余力を使用してダウンタイムの短縮を実現するようにしている。
なお、本実施形態の画像形成装置の基本的なハード構成は、第1の実施形態と同様であるが、本実施形態の画像形成装置は、70ppm機に設定されている。また、図10のフローチャートも多くの部分が図8のフローチャートと共通する。このため、第1の実施形態と同様の構成については、図示及び説明を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
まず、図10のS41〜S44は、図8のS21〜24に、図10のS46〜S50は、図8のS27〜S31にそれぞれ対応する。本実施形態では、S44にて現像剤残量検知シーケンスに入った後、現像装置104Yを通常の画像形成時(現像時)よりも速度の大きい、現像剤残量検知シーケンス用の回転速度に変更する制御を行う(S45)。
一般に、現像装置104Yを駆動する現像モータ28(図4)は、常に最大トルクを使っている訳ではなく、有る程度余力(マージン)をもった使われ方をする。その理由は、設計上の部品公差などによって現像装置104Yの駆動トルクがバラツキを持っており、このバラツキを踏まえて所望の回転速度を確実に出力できるように、余力を持ったモータが選定されるからである。したがって、実際の画像形成装置では、通常の画像形成時よりも大きい速度に設定する余力が残されているものである。本実施形態では、通常の画像形成時よりも、具体的には10%アップした速度設定に変更している。
その後は、上述の第1の実施形態と同様である。即ち、S46にて、CPU206は、補給スクリュー32を1回転させて補給量Mb=180mgを現像容器20内に補給させ、強制補給カウントNを1カウントアップさせる。そして、インダクタンスセンサ401の検出結果からΔTDを算出し(S47)、ΔTDが+0.5%より小さいか否かの判断を行う(S48)。ΔTDがまだ+0.5%以上であれば強制補給カウントNとNemptyとの比較を行い(S49)、再度補給するか(S46)、或いはトナー無し判断をするか(S50)を決定する。ΔTDが+0.5%より小さくなっていれば、トナー濃度が回復しておりトナーボトル150Y内の現像剤は未だ残っていると判断し、通常の画像形成時の駆動制御に戻して(S51)、現像剤残量検知シーケンスを終了する。
このような本実施形態においては、現像剤残量検知シーケンス中の現像装置104Yの第1、第2の搬送スクリュー22a、22bの現像剤の搬送速度を現像時よりも10%アップしている。このため、第1の実施形態と同様に、現像容器20内に補給された現像剤がインダクタンスセンサ401に到達するまでの時間が現像時よりも短くなっており、インダクタンスセンサ401によるトナーボトル150Yの空判断を早めることができる。具体的には、現像剤補給口33から補給された現像剤がインダクタンスセンサ401に到達するまでの時間が4.0秒から3.6秒に短縮される。これにより、トナーボトル空判断閾値Nemptyを第1の実施形態の20から19にすることが可能である。
このように本実施形態の場合も、トナーボトル150内の現像剤の残量を確認する現像剤残量検知シーケンスの実行によるダウンタイムを抑制することが可能である。そして、現像剤残量検知シーケンスの実行によるダウンタイムの抑制と、ランニングコストの上昇の抑制を両立することができる。
なお、本実施形態では、現像剤残量検知シーケンス中の駆動速度アップ分を10%としたが、これは、現像装置104Yを駆動するモータの余力によって適宜変更可能であり、この値に限るものではない。また、現像装置内の部品公差(例えば、現像スリーブ内の固定マグネットの磁束密度など)のバラツキに対して、所望の速度増加(10%アップ)がなされたかを確認するために、次のような制御を行っても良い。即ち、インダクタンスセンサ401の検出値のアナログ波形の周期を確認して、所望の速度増加量に達していない場合は、トナーボトル空判断閾値Nemptyを20に戻す、というような制御を追加しても良い。
<第3の実施形態>
第3の実施形態について、図1ないし図5を参照しつつ、図11を用いて説明する。上述の第1、第2の実施形態では、現像剤残量検知シーケンスに使用するトナー濃度検出手段として、インダクタンスセンサ401を用いた。これに対し本実施形態では、トナー濃度検出手段として、トナーパッチを検出するトナー濃度センサ140を用いて、現像剤残量検知シーケンスを実行するようにしている。即ち、本実施形態では、トナー濃度に関する情報として、トナーパッチのトナー載り量、より具体的には、トナーパッチの反射光量を用いている。
なお、本実施形態の画像形成装置の基本的なハード構成は、第1、第2の実施形態と同様であるが、本実施形態の画像形成装置は、70ppm機に設定されている。このため、第1、第2の実施形態と同様の構成については、図示及び説明を省略又は簡略にし、以下、本実施形態の現像剤残量検知シーケンスを中心に説明する。なお、図11のS63〜S66は、図10のS43〜S46に対応し、図11のS69〜S71は、図10のS49〜S51に対応する。
まず、画像形成がスタートすると、所定枚数毎(本実施形態では、A4片面100枚毎)に、第1の制御用トナー像としての第1トナーパッチを感光ドラム101上に形成し、中間転写ベルト121に転写する。そして、第1トナーパッチのトナー載り量をトナー濃度センサ140により検出する。即ち、第1トナーパッチの反射光量を中間転写ベルト121上でトナー濃度センサ140を用いて検出する。
ここで、トナー濃度センサ140は、前述したように、正反射P波と乱反射S波の光量から第1トナーパッチの反射光量SigR1を算出する(S61)。具体的には、SigR1=P波光量−α値×S波光量で算出する。なお、このような式を用いるのは、実際のトナーパッチのトナー載り量と反射光量SigR値との線形性を精度良く保つためであり、トナーパッチからの反射光量の算出方法としてはごく一般的な手法である。また、SigRは値が小さい程、トナー載り量が多いことを表す値である。
次に、S61で算出したSigR1が、現像剤残量検知シーケンスに入るか否かの閾値L1より大きいか否かを判断する(S62)。即ち、SigRは値が小さい程、トナー載り量が多いため、検出した第1トナーパッチのトナー載り量が第1の量(閾値L1に対応)よりも少ないか否かを判断する。SigR1が閾値L1以下であれば、安定的な濃度を出すのに十分な現像剤が現像装置104Y内にあると判断して、通常の画像形成と、図7に示した現像剤補給制御を継続する(S63)。
一方、S62で、SigR1が閾値L1よりも大きい場合(第1トナーパッチのトナー載り量が第1の量よりも少ない場合)は、現像装置104Y内のトナー濃度が低くなっていると判断し、現像剤残量検知シーケンスを実施する(S64)。
即ち、トナー濃度センサ140の検出結果であるSigR1が閾値L1よりも大きい場合、現像容器20内のトナー濃度TDが第1の範囲内でない(トナー濃度が低い)と推測できる。これは、現像容器20内のトナー濃度が低い場合、現像容器20内のトナーの帯電量が大きくなり、トナーパッチを形成するための所定の静電潜像に付着するトナーの量が少なくなるためである。したがって、この場合には、トナーボトル150Y内の現像剤の残量が少なくなっていると推測できる。このため、トナーボトル150Y内の現像剤を補給装置30のホッパー31内に補給する強制補給を行い、トナーボトル150Y内の現像剤の残量をできるだけ少なくする現像剤量検知シーケンスに入る。
本実施形態では、S64にて現像剤残量検知シーケンスに入った後、CPU206は、第2の実施形態と同様に、現像装置104Yを通常の画像形成時(現像時)よりも速度の大きい、現像剤残量検知シーケンス用の回転速度に変更する制御を行う(S65)。本実施形態でも、通常の画像形成時よりも、具体的には10%アップした速度設定に変更している。更に本実施形態では、補給スクリュー32の回転速度についても10%アップさせている。即ち、本実施形態では、現像剤残量検知シーケンスの実行時に、補給スクリュー32の駆動速度を現像時よりも速くしている。このために、補給スクリュー32を駆動する補給モータ34は、補給スクリュー32を可変に駆動可能であり、CPU206は、現像剤残量検知シーケンスの実行時に、補給スクリュー32の駆動速度を現像時よりも速くするように補給モータ34を制御する。
次に、現像装置104Yのトナー濃度TDを回復させるために、CPU206は、補給スクリュー32を1回転させて補給量Mb=180mgを現像容器20内に補給させ、強制補給カウントNを1カウントアップさせる(S66)。その後、本実施形態では、第2の制御用トナー像としての第2トナーパッチを感光ドラム101上に形成し、中間転写ベルト121に転写する。そして、第2トナーパッチのトナー載り量をトナー濃度センサ140により検出する。即ち、第2トナーパッチの反射光量SigR2を中間転写ベルト121上でトナー濃度センサ140を用いて検出する(S67)。なお、SigR2の算出方法はSigR1と同様である。
この第2トナーパッチは、現像剤残量検知シーケンス用に、現像装置104Yの駆動速度を10%アップした状態で形成しているので、第1トナーパッチとは現像効率が異なる状態で形成されたトナーパッチである。
続けて、S67で算出したSigR2が、閾値L2より小さいか否かを判断する(S68)。即ち、SigRは値が小さい程、トナー載り量が多いため、検出した第2トナーパッチのトナー載り量が第2の量(閾値L2に対応)よりも多いか否かを判断する。SigR2が閾値L2よりも小さければ、第2トナーパッチのトナー載り量が第2の量よりも多く、S66での現像剤補給によって現像容器20内のトナー濃度が回復し、トナー帯電量が下がったと推測できる。この場合、継続して画像形成が可能になったと判断して、現像装置104Yを通常の画像形成時の速度制御に戻し(S71)、現像剤残量検知シーケンスを終了する。
一方、SigR2が閾値L2以上の場合、即ち、第2トナーパッチのトナー載り量が第2の量以下の場合、現像容器20内のトナー濃度TDが第2の範囲内でない(トナー濃度が低い)と推測できる。したがって、この場合には、S66での現像剤補給でも現像容器20内のトナー濃度が回復せず、トナー帯電量が高いままであると推測できる。このため、この場合、強制補給カウントNとトナーボトル空判断閾値Nemptyとの比較を行い(S69)、再度補給するか(S66)、或いはトナー無し判断をするか(S70)を判断する。
なお、閾値L2は、通常の画像形成時よりも現像装置104Yの駆動速度が10%アップした現像効率の状態で、トナー濃度が低くなってトナー無しを判断するのに相応しいトナーパッチの値であり、予め、実験及び検討によって決定可能な値である。
以上のように、本実施形態では、トナーパッチの反射光量(即ち、トナー載り量)を用いて、現像剤残量検知シーケンスを行っている。このような本実施形態の場合でも、第1、第2の実施形態と同様に、現像剤残量検知シーケンス中に現像装置104Yの駆動速度をアップさせる制御を適用することで、トナーボトル空判断閾値Nemptyを小さく設定可能である。
このため、現像剤残量検知シーケンスによるダウンタイムを抑制することが可能である。また、本実施形態では、現像剤残量検知シーケンスで補給スクリュー32の駆動速度も現像時よりも速くしているため、現像剤が補給される速度も速くなり、現像剤残量検知シーケンスによるダウンタイムをより抑制できる。そして、現像剤残量検知シーケンスの実行によるダウンタイムの抑制と、ランニングコストの上昇の抑制を両立することができる。
なお、本実施形態は、第1の実施形態と同様に、画像形成装置のプロセススピードをソフト的に変更することで複数の生産性を有する構成に適用しても良い。即ち、現像剤残量検知シーケンスにおいて、画像形成装置を生産性が高い方に設定するようにしても良い。
<他の実施形態>
上述の各実施形態の構成は、適宜、組み合わせて実施可能である。例えば、第3の実施形態では、現像装置に現像剤を補給する補給搬送部材(補給スクリュー32)の駆動速度を現像時よりも速くしているが、これを第1、第2の実施形態でも行うようにしても良い。
また、上述の各実施形態では、現像剤の残量がない旨の通知を表示部220に表示させたが、このような通知は、画像形成装置に接続されている外部端末に表示させるようにしても良い。
20・・・現像容器/22a・・・第1の搬送スクリュー(搬送部材)/22b・・・第2の搬送スクリュー(搬送部材)/28・・・現像モータ(駆動手段)/30・・・補給装置/31・・・ホッパー(収容部)/32・・・補給スクリュー(補給搬送部材)/34・・・補給モータ(補給駆動手段)/100・・・画像形成装置/101Y、101M、101C、101K・・・感光ドラム(像担持体)/104Y、104M、104C、104K・・・現像装置/121・・・中間転写ベルト(中間転写体)/140・・・トナー濃度センサ(トナー濃度検出手段)/150Y、150M、150C、150K・・・トナーボトル(現像剤補給容器)/206・・・CPU(制御手段)/220・・・表示部(表示手段)/401・・・インダクタンスセンサ(トナー濃度検出手段)

Claims (8)

  1. 像担持体と、
    トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、前記現像容器内で現像剤を搬送する搬送部材とを有し、前記像担持体に担持された静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、
    前記搬送部材を可変に駆動可能な駆動手段と、
    補給用の現像剤を収容した現像剤補給容器から前記現像容器に現像剤を補給する補給装置と、
    前記現像容器内のトナーとキャリアの比であるトナー濃度に関する情報を検出するトナー濃度検出手段と、
    前記トナー濃度検出手段の検出結果から前記現像容器内のトナー濃度が第1の範囲内でない場合に、前記補給装置から前記現像容器に現像剤を補給させ、補給後の前記現像容器内のトナー濃度が第2の範囲内でない場合に、前記現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨を通知可能とするモードを実行可能で、前記モードの実行時に、前記搬送部材の駆動速度を、静電潜像をトナーにより現像する現像時よりも速くするように前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記モードの実行時の前記補給装置の補給回数が所定回数に到達し、且つ、前記現像容器内のトナー濃度が第2の範囲内でない場合に、前記現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨を通知させる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記補給装置は、前記現像剤補給容器から供給される現像剤を収容する収容部と、前記収容部から現像剤を搬送して前記現像容器内に現像剤を補給させる補給搬送部材と、前記補給搬送部材を可変に駆動可能な補給駆動手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記モードの実行時に、前記補給搬送部材の駆動速度を、前記現像時よりも速くするように前記補給駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記トナー濃度検出手段は、前記現像容器内の透磁率を検出するインダクタンスセンサであり、
    前記制御手段は、前記インダクタンスセンサの検出結果から前記現像容器内のトナー濃度を求める、
    ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記インダクタンスセンサにより検出したトナー濃度をTD1、目標のトナー濃度をTDtargetとし、TDtarget−TD1が第1の閾値よりも大きい場合には、前記現像容器内のトナー濃度が第1の範囲内でないとして、前記補給装置から前記現像容器に現像剤を補給させ、補給後に前記インダクタンスセンサにより検出したトナー濃度をTD2とし、TDtarget−TD2が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以上の場合には、前記現像容器内のトナー濃度が第2の範囲内でないとして、前記現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨を通知可能とする、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体に形成されたトナー像が転写され、転写されたトナー像を記録材に転写する中間転写体を備え、
    前記トナー濃度検出手段は、前記トナー濃度に関する情報として、前記中間転写体に転写されたトナー像のトナー載り量を検出する載り量検出手段である、
    ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記モードの実行時に、前記中間転写体に第1の制御用トナー像を形成し、前記第1の制御用トナー像のトナー載り量を前記載り量検出手段により検出させ、検出したトナー載り量が第1の量よりも少ない場合には、前記現像容器内のトナー濃度が第1の範囲内でないとして、前記補給装置から前記現像容器に現像剤を補給させ、補給後に前記中間転写体に第2の制御用トナー像を形成し、前記第2の制御用トナー像のトナー載り量を前記載り量検出手段により検出させ、検出したトナー載り量が第2の量以下の場合には、前記現像容器内のトナー濃度が第2の範囲内でないとして、前記現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨を通知可能とする、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤補給容器内の現像剤の残量がない旨の通知を表示する表示手段を備えた、
    ことを特徴とする、請求項1ないし7のうちの何れか1項に記載の画像形成装置。
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