JP2019050245A - 発光素子搭載用パッケージの製造方法 - Google Patents
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即ち、本発明による発光素子搭載用基板の製造方法(請求項1)は、表面に発光素子の搭載部を有する基側セラミック層と、該基側セラミック層の表面上に積層され、且つ前記搭載部を囲む円錐台形状の貫通穴を有する先側セラミック層と、を備えた発光素子搭載用基板の製造方法であって、追って前記先側セラミック層となり、且つ対向する表面と裏面を有するグリーンシートに対し、前記表面に対し軸方向が直角姿勢とされたドリルの切刃を含む先端部を前記表面と裏面との間に回転させつつ挿通させることにより、表面側の開口部が大径で且つ裏面側の開口部が小径である円錐台形状の貫通穴を形成する穴空け工程を含む、ことを特徴とする。
(1)前記グリーンシートの表面と裏面との間には、前記切刃を含むドリルの先端部のみが挿通されるので、該先端部の側面視における外形に倣って、仰角を制御できる。従って、かかる仰角が比較的小さく且つ広い面積の内面を有する貫通穴を、迅速且つ確実に形成できる。
(2)前記切刃を含むドリルの先端部のみを前記グリーンシートの表面と裏面との間に挿通させるので、従来の剪断加工による場合に比べて、比較的平滑な内面を有する貫通穴を形成できるため、追って前記内面に囲まれた搭載部に搭載される前記発光素子から発光された光を効率良く外部に反射することが可能となる。
一方、前記先側セラミック層も、単層あるいは複層のセラミック層からなり、前記発光素子搭載用基板の垂直断面において上層側に位置する。
また、前記発光素子は、例えば、発光ダイオード、レーザーダイオードなどである。
更に、前記セラミックは、アルミナ、ムライト、窒化アルミニウム、ガラス−セラミックなどである。
また、前記グリーンシートは、セラミック粉末、バインダー樹脂、可塑剤、および溶剤などを配合したセラミックスラリーをシート状に成形したものである。
また、前記穴空け工程は、前記グリーンシートを支持する樹脂製などのベース板の上方で拘束した状態で行われる。
更に、前記穴空け工程は、多数個取り用のグリーンシートに対し、複数のドリルの先端部ごとを平行に進入させることによって行うこともできる。
また、本発明全体は、前記穴空け工程、基側セラミック層となるグリーンシートへのメタライズ形成工程、先側および基側セラミック層となる複数のグリーンシートの積層工程、基板領域ごとに区分する分割溝の形成工程(刃物の挿入またはレーザー照射による)、焼成工程、および電解金属メッキ(例えば、NiメッキとAuメッキ)工程の順に行われる。
加えて、前記製造方法の各工程は、多数個取りの経緯により行っても良い。
これによれば、前記グリーンシートに形成される貫通穴における裏面側の開口部の垂直断面での仰角を、25度以上50度以下と比較的浅く且つ広角度にできるので、前記効果(1)を一層確実に得ることが可能となる。
尚、前記ドリルの先端部の先端角は、望ましくは、90度以上120度以下の範囲である。
これによれば、単一で且つ比較的小さな仰角を有する貫通穴、軸方向に沿って複数の仰角をもつ貫通穴、あるいは、軸方向に沿って緩い曲線の内面を有する貫通穴を、ドリルの先端部の外径状を選択することにより、精度良く確実に形成できるので、前記効果(1),(2)をより一層発揮することが可能となる。
これによれば、予め、前記グリーンシートの表面と裏面との間に内面が円柱形の予備貫通穴、あるいは前記剪断加工による仰角の比較的大きな予備貫通穴を形成しておき、該貫通穴の内側に前記切刃を含むドリルの先端部を回転させつつ挿通することにより、ドリルの位置決めを容易にでき、且つ上記ドリルによる切削屑の量を抑制できる。従って、前記穴空け工程をより実用的にして行うことが可能となる(効果(3))。
これによれば、複数の素グリーンシートごとに異なる先端部のドリルを挿通することによって、軸方向に沿って複数の仰角からなる内面を有する貫通穴を確実に形成することができる。
加えて、本発明には、前記先側グリーンシートは、予め、複数の素グリーンシートを積層したものである、発光素子搭載用基板の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、予め、複数の素グリーンシートを積層して得られた前記先側グリーンシートの表面と裏面との間に前記切を含むドリルの先端部を挿通するので、前記先側グリーンシートの厚みを容易に調整できると共に、小径の開口部側の仰角が比較的小さく且つ広い面積の内面を有する円錐台形状の前記貫通穴を容易に形成できる。従って、前記効果(1)を安定して得ることができる。
予め、アルミナ粉末、バインダー樹脂、可塑剤、および溶剤などを適量ずつ配合してセラミックスラリーを作成し、該セラミックスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形して、厚みが異なる3枚のセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートと称する)を制作した。
先ず、図1(A)に示すように、追って先側セラミック層tcとなる比較的厚めのグリーンシートg3を樹脂製のベース板26の上で拘束し、該グリーンシートg3における所定の位置に対し、その表面31側にドリル20の先端23が接触するようにして位置決めした。
尚、前記先端部21は、その径方向に沿った視覚で90度の先端角θ3を有する。但し、該先端角θ3は、80度以上130度以下の範囲内で適宜選択される。
その結果、図1(B)および図2(A)中に示すように、前記グリーンシートg3には、その表面31側の開口部が大径で、且つ裏面32側の開口部が小径である円錐台形状の貫通穴7hが形成された。該貫通穴7hの裏面32側の開口部に隣接するグリーンシートg3の仰角θは、45度であった。また、上記貫通穴7hにおける円錐台形状の内面7は、回転する前記切刃24が切削した跡であるため、比較的平滑な表面となっていた。
また、図2(A)に示すように、下層側の素グリーンシートg1の表面には、内層配線10,11が形成され、且つ裏面側には、接続端子13,14が形成され、且つこれらは、前記ビア導体15の何れかと通電可能に接続されていた。
同時に、該グリーンシート積層体16では、図示のように、グリーンシートg1,g2のビア導体15と内層配線10,11とが接続されたので、前記搭載用電極8とパッド9とが異なる通電経路により裏面4における2つの接続端子13,14と個別に通電可能となっていた。
そして、前記接続端子13,14ごとに、図示しないメッキ用電極を接触させた状態で、上記発光素子搭載用基板1aをニッケルメッキ浴および金メッキ浴に順次浸漬して、電解ニッケルメッキおよび電解金メッキを施した。その結果、外部に露出する前記搭載用電極8、パッド9、および接続端子13,14の表面ごとに、所要の厚みを有するニッケル膜および金膜が順次被覆された。
以上の各工程を経た結果、発光素子搭載用基板1aが得られた。
前記のような発光素子搭載用基板1aの製造方法によれば、前記グリーンシートg3の表面31と裏面32との間には、前記切刃4を含むドリル20の先端部21のみが挿通されるので、該先端部21の径方向における外形に倣って、仰角θを制御できる。従って、該仰角θが比較的小さく且つ広い面積の内面7を有する貫通穴7hを、迅速且つ確実に形成できる。更に、前記切刃24を含むドリル20の先端部21だけを前記グリーンシートg3の表面31と裏面32との間に挿通させるので、従来の剪断加工による場合に比べて、比較的平滑な内面7を有する貫通穴7hを形成できる。その結果、追って搭載される発光素子18から発光された光を効率良く外部に反射することが可能となる。従って、前記効果(1),(2)が確実に奏せられる。
先ず、前記グリーンシートg3を、図3(A)に示すように、ダイ34の受け入れ穴35の真上付近において、表面31を下側とし且つ裏面32を上側として拘束し、上記グリーンシートg3の上方から前記受け入れ穴35の内径よりも小さな直径のポンチ33を受け入れ穴35と同心となるようにして貫通させた。
その結果、図3(B)に示すように、上記グリーンシートg3には、表面31側の開口部が大径で且つ裏面32側の開口部が小径であると共に、裏面32側の仰角θ4が約60度である円錐台形状の予備貫通穴37hが形成された。
尚、予備貫通穴37hは、前記ポンチ33の直径と受け入れ穴35の内径とのクリアランスが最小限としたものを用いて、円柱形状を呈する形態としても良い。
その結果、図3(D)に示すように、予備貫通穴37hの内面をドリル20の前記切刃24が回転しつつ切削したことにより、表面31側の開口部が大径で且つ裏面32側の開口部が小径であり、円錐台形状の平滑な内面7を有すると共に、裏面32側の仰角θが約45度である円錐台形状の貫通穴7hが形成された。
以上のような穴空け工程によれば、予め、ポンチとダイとによる剪断加工により、仰角θ4が急峻な予備貫通穴37hを形成した後、該貫通穴37hの内側に前記ドリル20の先端部21を回転させつつ挿通することで、仰角θが比較的浅い貫通穴7hを形成できた。従って、前記ドリル20の位置決めを容易にでき、且つ該ドリル20の先端部21による切削屑の量を抑制できた(前記効果(3))。
上記発光素子搭載用基板1bは、図4(A)に示すように、前記同様のセラミック層c1,c2からなる基側セラミック層bcと、上下2層のセラミック層c3,c4からなる先側セラミック層tcとを一体に積層したものである。前記セラミック層c3,c4には、仰角θ1,θ2が相違する円錐台形状の貫通穴(側面)7a,7bを厚み方向において隣接して有するキャビティ5が位置している。
尚、前記仰角θ1,θ2は、25度以上50度以下の範囲で適宜選択される。
また、図示のように、下層側の素グリーンシートに比較的小さな仰角θ1の貫通穴7aを形成し、上層側の素グリーンシートに比較的大きな仰角θ2の貫通穴7bを形成することによって、発光素子18から発光された光をより効果的に外部に反射可能となる。
上記発光素子搭載用基板1cは、図4(B)に示すように、前記同様の基側セラミック層bcと、厚めのセラミック層c3のみからなる先側セラミック層tcとを一体に積層したものである。前記セラミック層c3には、キャビティ5の底面6における周辺からの接線の仰角θ5が25度〜50度の範囲内にあり、且つ全体が半球形状の貫通穴(側面)7rを有するキャビティ5が位置している。
上記貫通穴7rを有するセラミック層c3を得るには、前記穴空け工程において、予め用意したグリーンシートに対し、径方向に沿った視覚の外形が半球形状を呈する先端部21を有するドリル20を挿通することによって可能となる。
前記貫通穴7rのように、仰角θxがキャビティ5の底面6側からセラミック基板1cの表面3側に向かって徐々に且つ連続して急峻となるように変化していることで、発光素子18からの光を一層効果的に外部に反射させることができる。
例えば、前記グリーンシートには、前記アルミナに限らず、窒化アルミニウムやムライトなどの高温焼成セラミック、あるいは、ガラス−セラミックにどの低温焼成セラミックを主成分とするものとしても良い。
また、前記ドリルは、先端部21に複数の切刃24が設けてあれば、該先端部21に続く刃部22の周面に同数の直溝を設けた形態でも良い。
更に、前記先側セラミック層tcとなるグリーンシートを3層以上の素グリーンシートによって構成し、該素グリーンシートごとに異なる仰角θxを有する貫通穴7nを形成したものを積層しても良い。
更に、前記ベース板は、穴空け工程においてグリーンシートを平面で支持することができ、該グリーンシートに挿通され、その直後に貫通した前記ドリル20の先端23によって当該ベース板の一部が削られるものであれば、前記樹脂に限らず、適宜の材料を選択したものとしても良い。
加えて、前記穴空け工程を含む発光素子搭載用基板の製造方法の各工程は、多数個取りの形態より行っても良い。
7a,7b,7h,7r…貫通穴
6………………………表面/キャビティの底面
8………………………搭載用電極(搭載部)
20……………………ドリル
21……………………先端部
24……………………刃部
31……………………表面
32……………………裏面
37h…………………予備貫通穴
g1〜g4……………グリーンシート/素グリーンシート
bc……………………基側セラミック層
tc……………………先側セラミック層
θ3……………………先端角
Claims (6)
- 表面に発光素子の搭載部を有する基側セラミック層と、該基側セラミック層の表面上に積層され、且つ前記搭載部を囲む円錐台形状の貫通穴を有する先側セラミック層と、を備えた発光素子搭載用基板の製造方法であって、
追って上記先側セラミック層となり、且つ対向する表面と裏面を有するグリーンシートに対し、前記表面に対し軸方向が直角姿勢とされたドリルの切刃を含む先端部を前記表面と裏面との間に回転させつつ挿通させることにより、表面側の開口部が大径で且つ裏面側の開口部が小径である円錐台形状の貫通穴を形成する穴空け工程を含む、
ことを特徴とする発光素子搭載用基板の製造方法。 - 前記ドリルの切刃を含む先端部は、径方向に沿った視覚で、80度以上130度以下の先端角を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子搭載用基板の製造方法。 - 前記ドリルの切刃を含む先端部は、単一の先端角を有する円錐形、複数の先端角を併有する円錐形状、あるいは、ドーム形状を呈する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子搭載用基板の製造方法。 - 前記穴空け工程において、前記ドリルの切刃を含む先端部を前記グリーンシートの表面と裏面との間に回転させつつ挿通する前に、予め前記グリーンシートに予備貫通穴を形成しておき、該予備貫通穴の内側に対し、上記ドリルの切刃を含む先端部を挿通させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の発光素子搭載用基板の製造方法。 - 前記先側グリーンシートは、予め前記穴空け工程により前記貫通穴が個別に形成された複数の素グリーンシートを積層したものである、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の発光素子搭載用基板の製造方法。 - 前記先側グリーンシートは、予め、複数の素グリーンシートを積層したものである、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の発光素子搭載用基板の製造方法。
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