JP2019049429A - トルク検出器 - Google Patents
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Abstract
Description
回転軸は、電磁パウダブレーキの両端部から突出し、支持台の一端側の側壁部と他端側の側壁部とにそれぞれ軸受によって回転自在に支持されている。電磁パウダブレーキは、この支持台の上に設置されている。
特許文献1に示すトルク検出器は、電磁パウダブレーキの制動時に撓むばね部材の変位量を磁気センサーによって検出し、この変位量に基づいて回転軸のトルクを検出する。
このため、特許文献1に示す従来のトルク検出器は、大型になり、重量が重くなるという問題があった。
したがって、本発明によれば、小型で軽量なトルク検出器を提供することができる。
図1に示すトルクセンサー付電磁パウダブレーキ1は、図1において左右方向に延びる回転軸2と、この回転軸2の一端部に設けられた相対的に大きいブレーキ部3と、このブレーキ部3と隣り合うセンサー部4などを備えている。このトルクセンサー付き電磁パウダブレーキ1は、センサー部4を取付フランジ5に固定した状態で使用される。この固定は、3本の固定用ボルト6を使用して行われる。これらの固定用ボルト6は、図1中には1本しか描かれていないが、それぞれ取付フランジ5を貫通し、センサー部4の主構成部材である固定ベース11に螺着されている。
回転軸2は、固定ベース11からブレーキ部3とは反対方向に突出している。この回転軸2の突出部分には、図示していない被制動部材が取付けられている。回転軸2は、この被制動部材と一体に回転する。被制動部材と上述した取付フランジ5は、図示していない装置の一部である。この実施の形態による回転軸2は、図3中に矢印Rで示すように、一方向(図3においては時計方向)のみに回転する。以下においては、この回転軸2の回転方向を「トルク検出方向」という。
ブレーキ部3は、図3および図4に示すように、円柱状を呈するフィールドコア21と、このフィールドコア21の内部に収容された電磁コイル22およびロータ23などを有している。この実施の形態によるフィールドコア21は、後述する複数の部材を組み合わせて形成されている。フィールドコア21におけるセンサー部4に近接する一端は、円環状の可動ベース24によって形成されており、他端は、円環状の円板25によって形成されている。これらの可動ベース24と円板25は、非磁性材によって形成されている。
凹部35は、環状溝34より径方向の内側に形成されている。この凹部35の開口形状は、扇状である。凹部35の底には、永久磁石36が固定されている。この永久磁石36は、後述する検出手段37の一部を構成するものである。
第1〜第3のリング41,42,48の中空部内には、ロータ23と、このロータ23の両側に位置する第1および第2の支持板51,52とが収容されているとともに、磁性粉体53が封入されている。
第1および第2の支持板51,52は、それぞれ非磁性材によって円環板状に形成されている。第1および第2の支持板51,52は、内周部に上述した第3および第4の軸受26,27が嵌合し、これらの軸受を介して回転軸2に回転自在に支持されている。
第1の支持板51の外周部は、可動ベース24と第1のリング41とに挟まれて保持されている。第2の支持板52の外周部は、円板25と第2のリング42とに挟まれて保持されている。
センサー部4は、上述したブレーキ部3の可動ベース24と協働して本発明でいうトルク検出器61を構成するもので、円筒状に形成された固定ベース11と、この固定ベース11に設けられた負荷機構31および検出手段37などを備えている。
固定ベース11は、上述したように3本の固定用ボルト6によって取付フランジ5に固定されており、第1および第2の軸受12,13によって回転軸2を回転自在に支持している。
固定ベース11の軸心部であって可動ベース24とは反対側の端部には、円筒状のボス63が突設されている。このボス63は、図1に示すように、取付フランジ5の貫通穴5aに嵌合している。
固定ベース11における回転軸支持部14より径方向の外側であって、回転軸2の回転方向に3等分される位置には、図3に示すように、負荷機構31がそれぞれ設けられている。すなわち、この実施の形態によるセンサー部4は、3組の負荷機構31を備えている。これらの負荷機構31の構成部品は、図7に示すように、固定ベース11を軸線方向(図7においては左右方向)に貫通する3つのピン挿入穴64と、固定ベース11を軸線方向とは直交する方向(図7においては上下方向)に貫通するばね挿入穴65とに収容されている。ピン挿入穴64とばね挿入穴65とは、固定ベース11内で交差し、互いに連通している。
この第1のばね受け部材66の軸線方向の中央部には、第1のばね受け部材66を径方向に貫通する貫通孔67が穿設されている。この貫通孔67には、ストッパーピン32が回転自在に嵌合する。また、第1のばね受け部材66の軸線方向の一端部には、円形の凹部からなるばね座68が形成されている。
ねじ孔65bには、図7に示すように、ばね力調整用のボルト69が螺合している。
小径穴65cには、円板状に形成された第2のばね受け部材70が移動自在に嵌合している。この第2のばね受け部材70と上述した第1のばね受け部材66のばね座68との間には、負荷機構31の一部を構成するばね部材71が挿入されている。このばね部材71は、圧縮コイルばねからなり、第1および第2のばね受け部材66,70をこれら両部材の間隔が拡がる方向に付勢している。ばね部材71の外径は、第1のばね受け部材66のばね座68の穴径および第2のばね受け部材70の外径より小さい。
この負荷機構31のばね部材71は、図3に示すように、固定ベース11を回転軸2の回転方向において3等分する位置であって、図4に示すように、固定ベース11の回転軸支持部14と軸線方向(図3においては左右方向)において同一の位置に配置されている。
ばね部材71がストッパーピン32を押すばね力は、図12中に符号F1で示すように、ばね挿入穴65の長手方向と平行に作用する。
このため、各負荷機構31において、実質的に接線方向の分力F3のみがストッパーピン32に作用する。
検出手段37は、図4に示すように、可動ベース24における固定ベース11と近接する端部に設けられた永久磁石36と、固定ベース11における可動ベース24と近接する端部に設けられた磁気センサー81とを備えている。
磁気センサー81は、永久磁石36の磁場を検出するものである。この実施の形態による磁気センサー81は、ホールICによって構成されており、トルク検出方向に回転する可動ベース24の回転角に応じた検出値を検出信号として出力する。検出信号は、リード線17を介して上述したセンサーアンプ18に送られる。
この実施の形態によるブレーキ部3とセンサー部4との境界部分には、ラビリンスシール86(図4参照)が設けられている。このラビリンスシール86は、可動ベース24の上述した環状溝34と、この環状溝34の中に挿入された固定ベース11側の突条87とによって構成されている。
突条87は、固定ベース11における可動ベース24と近接する端部であって固定ベース11の外周縁部に、可動ベース24に向けて突出する状態で固定ベース11の全周にわたって延びるように環状に形成されている。この突条87は、図6に示すように、固定ベース11と同一軸線上に設けられている。
この環状溝34と突条87とからなるラビリンスシール86は、固定ベース11の外周縁部と可動ベース24との接続部分から大気中の塵埃がトルク検出器61内に入ることを防ぐ。
この実施の形態によるトルクセンサー付電磁パウダブレーキ1は、電磁コイル22が通電されていない状態では非制動状態になる。この非制動状態では、ロータ23に制動トルクが加えられることはなく、回転軸2とともに被制動部材が制動されることなく回転する。
電磁コイル22が通電されると、フィールドコア21とロータ23とに磁束Φが通り、磁性粉体53がフィールドコア21とロータ23との間に集まる。そして、ロータ23の回転が磁性粉体53を介してフィールドコア21に伝達されるようになる。
この実施の形態によるトルク検出器61は、固定ベース11の回転軸支持部14と軸線方向の同一位置に負荷機構31のばね部材71が設けられている。このため、回転軸支持部14とばね部材71とが回転軸2の軸線方向に並ぶ場合と較べると、軸線方向に小型化することができる。また、回転軸支持部14より固定ベース11の径方向の外側であって、回転軸支持部14の近傍にばね部材71を配置できるから、この径方向についても小型化することができる。
したがって、この実施の形態によれば、小型で軽量なトルク検出器を提供することができる。
また、このトルク検出器61は、センサー部4とブレーキ部3とが回転軸2を介して接続された構造であるために、支持台(図示せず)や支持用ブラケット(図示せず)などの部品を使うことなく一つの組立体として構成することができる。このため、製造コストを低く抑えることが可能である。
このため、可動ベース24の回転力が複数のばね部材71に均等に分散するから、小型、軽量であるにもかかわらず、大きなトルクを検出することが可能なトルク検出器を提供することができる。
この実施の形態においては、可動ベース24が大きく移動したときにストッパーピン32がピン挿入穴64の穴壁に当接し、それ以上の可動ベース24の移動を規制する。このため、このトルク検出器61は、過負荷耐久性が高く、堅牢なものとなる。
この実施の形態によれば、ばね部材71を固定ベース11によって保持することができるから、専らばね部材71を保持するための部品が不要である。また、ばね力調整用のボルト69を締め込んだり緩めたりすることによって、ばね部材71のばね力を調整可能であるから、既製品の圧縮コイルばねを使用して所望のばね力を得ることができる。
このため、可動ベース24の回転をばね部材71で規制する構成を安価に実現できるから、さらに製造コストが低いトルク検出器を提供することができる。
このため、固定ベース11に対する可動ベース24の回転を検出手段37によって直接検出することができるから、検出精度が高いトルク検出器を提供することができる。
このラビリンスシール86より径方向の内側に検出手段37や負荷機構31が設けられているから、検出手段37や負荷機構31に大気中の塵埃が入り難くなる。このため、高い検出精度を長期にわたって維持することが可能なトルク検出器を提供することができる。
このため、この実施の形態によれば、電磁パウダーブレーキとトルク検出器61とをコンパクトに一体化できるから、被制動部材を有する装置の簡易化や小型化を図ることができる。
上述した実施の形態によるトルク検出器61のラビリンスシール86は、可動ベース24(回転部材)に形成された環状溝34と、固定ベース11(支持部材)に設けられた突条87とによって構成されている。しかし、本発明に係るトルク検出器においては、環状溝34が固定ベース11に設けられ、突条87が可動ベース24に設けられていてもよい。
Claims (7)
- 回転軸を回転自在に支持する回転軸支持部を有する支持部材と、
前記支持部材と前記回転軸の軸線方向に隣り合う位置に配置され、前記回転軸を介して前記支持部材に回転自在に支持された回転部材と、
前記回転部材に予め定めたトルク検出方向とは反対方向へばね力を付与する負荷機構と、
前記トルク検出方向に回転する前記回転部材の回転角に応じた検出値を出力する検出手段とを備え、
前記負荷機構は、
前記支持部材の前記回転軸支持部と前記軸線方向において同一の位置に設けられたばね部材と、
前記回転部材に設けられ、前記回転部材が前記トルク検出方向へ回転することにより前記ばね部材を押して前記ばね力を受ける押圧部材とを有していることを特徴とするトルク検出器。 - 請求項1記載のトルク検出器において、
前記ばね部材は、前記支持部材を前記回転軸の回転方向において一定の間隔で複数に分割する位置にそれぞれ設けられていることを特徴とするトルク検出器。 - 請求項2記載のトルク検出器において、
前記ばね部材が前記押圧部材を押す方向は、
前記ばね部材のばね力を前記回転部材の回転中心に向かう径方向の分力と、この径方向とは直交する接線方向の分力とに分けた場合、全ての前記ばね部材が前記押圧部材を押すことによって、前記径方向の分力が相殺され、接線方向の分力のみが前記押圧部材に作用する方向であることを特徴とするトルク検出器。 - 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載のトルク検出器において、
前記ばね部材は、圧縮コイルばねによって形成されているとともに、前記支持部材に形成された穴の中に収容され、
前記支持部材は、前記ばね部材の圧縮量を変える調整機構を備えていることを特徴とするトルク検出器。 - 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載のトルク検出器において、
前記検出手段は、永久磁石と、この永久磁石の磁場を検出する磁気センサーとを有し、
前記支持部材における前記回転部材と近接する端部と、前記回転部材における前記支持部材と近接する端部とのうちいずれか一方の端部に前記永久磁石が設けられるとともに、他方の端部に前記磁気センサーが設けられていることを特徴とするトルク検出器。 - 請求項1ないし請求項5のうちいずれか一つに記載のトルク検出器において、
前記支持部材における前記回転部材と近接する端部と、前記回転部材における前記支持部材と近接する端部とのうちいずれか一方の端部には、前記回転軸と同一軸線上に位置して前記回転軸の軸線方向に向けて開口する環状溝が形成されているとともに、他方の端部には、前記環状溝の中に挿入されて前記環状溝と協働してラビリンスシールを構成する環状の突条が形成されていることを特徴とするトルク検出器。 - 請求項1ないし請求項6のうちいずれか一つに記載のトルク検出器において、
前記回転部材は、電磁パウダブレーキのフィールドコアであり、
前記回転軸には、前記電磁パウダブレーキのロータが固定されていることを特徴とするトルク検出器。
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