JP2019048560A - 車両の動力伝達軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、動力伝達軸に設けられるカバー部材の小型化を実現することにある。【解決手段】車両の駆動源の回転力を駆動輪に伝達するシャフト部材1Aを支持する支持装置5は、インシュレータ26と、軸受27と、軸受27の一方側に位置する第1カバー部材28と、を有する。インシュレータ26は、弾性材料で環状に形成されるインシュレータ本体部26Aと、インシュレータ本体部26Aと軸受27との間に位置する第1芯金26Bと、インシュレータ本体部26Aの外周側に位置する第2芯金26Cと、を有する。第1カバー部材28は、外径D28が、第2芯金の内径D26Cよりも小さく形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両等に用いられるのに好適な動力伝達軸に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2008−25817号公報(特許文献1)に記載されたプロペラシャフト支持構造が知られている。
特許文献1のプロペラシャフト支持構造では、第1プロペラシャフトと第2プロペラシャフトとが接続されてなるプロペラシャフトを、センタベアリング及び環状支持部材を介して回転可能に車体に弾性支持している。環状支持部材は、内環と外環とをゴム状弾性部材を介して接合したものである。内環の径方向内側にはセンタベアリングの外輪が嵌合され、外環は取付ブラケットにより車体に固定される(段落0008,0020,0021及び図1参照)。
さらに、第1プロペラシャフトと第2プロペラシャフトとの継手部にはブーツ部材が取り付けられ、ブーツ部材の第1プロペラシャフトに対する接続部位への水等の浸入を防止する遮蔽部材が設けられている。遮蔽部材は軸方向に沿ってブーツ側に向かうに従って拡径する被覆部を有し、この被覆部は、遮蔽部材が内環に固定された状態では、ブーツ部材の第1プロペラシャフトに対する接続部位と径方向に重なって、この接続部位を覆う状態となっている(段落0027及び図1参照)。
特開2008−25817号公報
本明細書では、特許文献1のプロペラシャフトを含む、動力の伝達を行う軸を、動力伝達軸と呼んで説明する。
動力伝達軸において保護を必要とする部分を覆うカバー部材のサイズは、装置の小型化の他、装置の構造的特徴に影響を及ぼす。特許文献1の遮蔽部材は、その外径寸法が外環の内径寸法よりも大きく構成されており、小型化に対する配慮が十分ではなかった。
本発明の目的は、動力伝達軸に設けられるカバー部材の小型化を実現することにある。
本発明によれば、その一つの態様において、車両の動力伝達装置に以下の構成を備える。
車両の駆動源の回転力を駆動輪に伝達するシャフト部材と、
前記シャフト部材の回転軸線を中心とする径方向において前記シャフト部材の外周側に位置する軸受を有し、前記シャフト部材を車両に回転可能に支持する支持装置と、
を備え、
前記支持装置は、
前記回転軸線を中心とする径方向において前記軸受の外周側に位置し、ブラケットを介して車両に取り付けられるインシュレータと、
前記回転軸線を中心とする径方向において前記シャフト部材の外周側に位置し、且つ前記回転軸線に沿う方向において前記軸受の一方側である第一方向側に位置する第1カバー部材と、
を有し、
前記インシュレータは、
弾性材料で環状に形成されるインシュレータ本体部と、
金属材料で環状に形成され、前記回転軸線を中心とする径方向において前記インシュレータ本体部と前記軸受との間に位置する第1芯金と、
金属材料で環状に形成され、前記回転軸線を中心とする径方向において前記インシュレータ本体部の外周側に位置して前記ブラケットに固定される第2芯金と、
を有し、
前記第1カバー部材は、金属材料で環状に形成されており、前記回転軸線を中心とする径方向における前記第1カバー部材の外側の寸法である外径が、前記回転軸線を中心とする径方向における前記第2芯金の内側の寸法である内径よりも小さく形成されている。
本発明によれば、動力伝達軸に設けられるカバー部材の小型化を実現することができる。
本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例1)について、一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例1)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例2)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例3)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例4)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例5)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例6)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。 本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例7)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。
以下、本発明にかかる動力伝達軸の支持装置の実施例を図面に基づいて詳述する。なお以下の説明では、動力伝達軸として車両のプロペラシャフトを例にとり説明する。
図1は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例1)について、一部断面で示す図である。
車両のプロペラシャフト100は、四輪駆動やフロントエンジンリアドライブ等の駆動方式を用いる車両に適用される。プロペラシャフト100は複数のシャフト部材1A,1B,1Cがジョイント2Aやコラプス部3により接続されて構成され、複数のシャフト部材1A,1B,1Cが車両の駆動源の回転力を駆動輪に伝達する。
以下の説明では、プロペラシャフト100の軸中心を通る線を軸線100aと呼ぶ。軸線100aはプロペラシャフト100の回転中心を通る直線であり、回転軸線と呼ぶ場合もある。
本実施例では、トランスミッション側に接続される駆動軸1Bと駆動軸1Bによって駆動される従動軸1A,1Cとはジョイント2Aにより接続されており、ジョイント2Aは自在継手であるカルダンジョイントが用いられている。従動軸1A,1Cは、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとを有して構成され、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとの間にコラプス部3が設けられている。すなわち、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとはコラプス部3により接続されている。
さらに具体的説明すると、第1シャフト部材1Aはその一端部1Aaがジョイント2Aを介して駆動軸1Bに接続され、他端部1Abがコラプス部3を介して第2シャフト部材1Cの一端部1Caに接続されている。第2シャフト部材1Cの他端部1Cbはジョイント2Bを介してデファレンシャルギア側に接続される。ジョイント2Bは自在継手であるカルダンジョイントが用いられている。
以下の説明では、プロペラシャフト100の回転軸線100aに沿う方向において、一方に向かう方向を第一方向と呼び、その逆方向を第二方向と呼ぶ。特に本実施例では、第一方向を従動軸1A,1Cから駆動軸1Bに向かう方向、すなわち第2シャフト部材1Cの他端部1Cbから第1シャフト部材1Aの一端部1Aaに向かう方向(図1の矢印Ar1で示す方向)に設定し、第二方向その逆方向(図1の矢印Ar2で示す方向)に設定している。
また径方向は、特段の説明が無い限り、回転軸線100aを中心とする径方向を意味している。従って、「径方向外側」及び「径方向内側」は、特段の説明が無い限り、回転軸線100aを中心とする径方向における「外側」及び「内側」を意味する。また、「径方向外側」及び「径方向内側」を単に「外周側」及び「内周側」と呼ぶ場合もある。
コラプス部3は車両の衝突時に衝撃を吸収するために設けられる構造部である。コラプス部3では、第2シャフト部材1Cにおける第1シャフト部材1A側の端部1Caに円筒部3aが設けられており、この円筒部3aの内周側(径方向内側)に、第1シャフト部材1Aにおける第2シャフト部材1C側の端部1Abが挿入されている。第1シャフト部材1Aは、第2シャフト部材1Cの円筒部3aに対して、回転軸線100aに沿う方向にスライドできるように構成され、車両の衝突時に、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとが回転軸線100aに沿う方向に相対変位して、衝突時のエネルギを吸収する。このとき、回転軸線100aに沿う方向におけるプロペラシャフト100の長さは短くなる。
プロペラシャフト100は、支持装置5により車両の車体に支持されている。本実施例では、支持装置5は第1シャフト部材1Aの外周に設けられている。支持装置5はプロペラシャフト(動力伝達軸)100の装置に含まれ、プロペラシャフト100の装置を構成する。
以下、本発明に係る支持装置5について詳細に説明する。なお、上述した各構成は、一実施例を説明したもので上述した構成に限定されない。例えば、シャフト部材1A,1B,1C、ジョイント2A,2B、及びコラプス部3の構成及び配置や、支持装置5の配置については、他の構成や配置に変更可能である。また、各シャフト部材1A,1B,1Cは単一の部材により構成されるものに限定される必要はなく、各シャフト部材1A,1B,1Cが複数の部材を組み付けて構成されるものであってもよい。例えば、各シャフト部材1A,1B,1Cは円筒状のチューブの軸線方向端部にスタブ軸が軸線方向から接合された構成であってもよい。
[実施例1]
図2は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例1)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。なお、図2に示す断面部分は、回転軸線100aに平行で且つ回転軸線100aを含む断面である。
第1シャフト部材1Aの支持装置5によって支持される部位は、回転軸線100aに沿う方向において他端部1Ab側から一端部1Aa側に向かって、第1軸径部21、第2軸径部22、第3軸径部23、第4軸径部24、及び第5軸径部25がこの順番に並んで配置されている。第1軸径部21、第2軸径部22、第3軸径部23、第4軸径部24、及び第5軸径部25は、回転軸線100aに平行で且つ回転軸線100a含む断面において、段差を有する径(段差径)が第1軸径部21側から第5軸径部25側に向かって昇段するように設けられ、複数の段差を有する外周面部(段差外周面部)21〜25を形成する。すなわち、第2軸径部22の径(直径)は第1軸径部21の径(直径)よりも大きく、第3軸径部23の径(直径)は第2軸径部22の径よりも大きく、第4軸径部24の径(直径)は第3軸径部23の径よりも大きく、第5軸径部25の径(直径)は第4軸径部24の径よりも大きい。第5軸径部25の外周面は、回転軸線100aに沿う方向において、支持装置5から外れた位置にあり、支持装置5の外側に露出している。
支持装置5は、インシュレータ26、ラジアルボールベアリング27、第1カバー部材28、第2カバー部材29、第3カバー部材30、及び環状シール部材31を備えて構成される。
インシュレータ26は、インシュレータ本体部26Aと、第1芯金26Bと、第2芯金26Cと、を備えて構成される。インシュレータ26は、第1シャフト部材1Aの回転軸線を中心とする径方向においてラジアルボールベアリング27の外周側に設けられ、取付ブラケット32を介して車両に取り付けられる。なお、インシュレータは、Fターム(日本国特許庁の分類記号):3D042、DC05の支持弾性体である。ブラケットは、Fターム:3D042、DC04の支持ブラケットである。
インシュレータ本体部26Aは例えばゴム材のような弾性部材により構成される。すなわちインシュレータ本体部は、弾性材料で環状に形成されている。インシュレータ本体部26Aは外周環状部26Aaと内周環状部26Abとを有し、外周環状部26Aaと内周環状部26Abとの間の部分の図2に示す断面が第一方向Ar1に向かって開口する形状を成してほぼ折り返し状(U字状)に形成される。内周環状部26Abは第1芯金26Bの外周面に加硫接着されている。外周環状部26Aaは取付ブラケット32の内周に圧入固定された金属円環状の第2芯金26Cの内周面に加硫接着されている。
第1芯金26Bは、金属材料により段差径を有する環状(円筒状)に形成され、第1シャフト部材1Aの回転軸線を中心とする径方向においてインシュレータ本体部26Aとラジアルボールベアリング(軸受)27との間に設けられている。第1芯金26Bは、第一方向Ar1側の端部に形成された大径環状部26Baと、大径環状部26Baに対して第二方向Ar2側に形成された中径環状部26Bbと、中径環状部26Bbに対して第二方向Ar2側に形成された小径環状部26Bcと、を有する。中径環状部26Bbの内径は小径環状部26Bcの内径よりも大きく、中径環状部26Bbの外径は小径環状部26Bcの外径よりも大きい。大径環状部26Baの内径は中径環状部26Bbの内径よりも大きく、大径環状部26Baの外径は中径環状部26Bbの外径よりも大きい。
中径環状部26Bbの内周面は、ラジアルボールベアリング27のアウターレース27aの外周面に接触している。従って、回転軸線100aに沿う方向において、大径環状部26Baはラジアルボールベアリング27に対して第一方向Ar1側にあり、小径環状部26Bcはラジアルボールベアリング27に対して第二方向Ar2側にある。また大径環状部26Baの径方向内側には、第2カバー部材29及び環状シール部材31が配置されている。
第2芯金26Cは、回転軸線100aを中心とする径方向において、インシュレータ本体部26Aの外周側に設けられる。第2芯金26Cは金属材料で環状に形成されており、取付ブラケット32に固定される。
環状シール部材31は、ゴム材で円環状に形成された部材であり、内部に芯材が埋設されている。環状シール部材31は、第2カバー部材29の内周面と第1シャフト部材1Aの外周面(第3軸径部23の外周面)とに間に設けられ、ラジアルボールベアリング27側への液体の浸入及び塵埃の侵入を防止する。
ラジアルボールベアリング27はシャフト部材1A,1B,1Cを回転可能に支持する軸受であり、第1シャフト部材1Aを径方向外側から径方向に支持するように第2軸径部22の外周に設けられている。このために、ラジアルボールベアリング27のインナーレース27bは第2軸径部22の外周面に接触している。すなわちラジアルボールベアリング27は、第1芯金26Bの中径環状部26Bbの内周面と第1シャフト部材1Aの第2軸径部22の外周面との間に介在して、シャフト部材1A,1B,1Cを支持している。
第1カバー部材28は、第1シャフト部材1Aの第4軸径部24の外周面に圧入されて固定されている。つまり、第1カバー部材28は、シャフト部材1A,1B,1Cと一体となって回転する。また本実施例では、第1カバー部材28は、回転軸線100aに沿う方向において、ラジアルボールベアリング27に対して第一方向Ar1側に設けられている。
第1カバー部材28は、金属材料で環状に形成されており、図2に示す断面がほぼU字形状を有するように折曲形成されている。このため第1カバー部材28は、内周側筒状部(第1カバー部材内周側筒状部)28A、外周側筒状部(第1カバー部材外周側筒状部)27B、及び内周側筒状部28Aと外周側筒状部28Bとを接続する接続部(鍔状部)27Cを有する。
第1カバー部材内周側筒状部28Aは、第4軸径部24に圧入される固定部(第1カバー部材固定部)28Aaと、第1カバー部材固定部28Aaの後端縁(ラジアルボールベアリング27側の端部)からラジアルボールベアリング27側に向かって延長された環状部(第1カバー部材内周側環状部)28Abと、を備える。なお、第1カバー部材内周側環状部28Abは第1カバー部材内周側延長部28Abと呼ぶこともできる。
第1カバー部材固定部28Aaは、第1カバー部材28を第1シャフト部材1Aに固定する部位であり、筒形状に形成されている。第1カバー部材内周側環状部28Abは、第1カバー部材固定部28Aaの筒形状が回転軸線100aに沿う方向に延長された筒形状を有する。このため第1カバー部材内周側環状部28Abは、回転軸線100aに沿う方向において、第1カバー部材固定部28Aaに対して第二方向Ar2側(第一方向Ar1側の反対側)に設けられている。第1カバー部材固定部28Aaと第1カバー部材内周側環状部28Abとは一体で且つ回転軸線100aに沿う方向に連続した形状を有する。
第1カバー部材外周側筒状部28Bは、接続部28Cの径方向外側(外周側)の端部(外周縁部)から回転軸線100aに沿う方向に、延びるように設けられた筒形状を有する。第1カバー部材外周側筒状部28Bは、その内周面及び外周面が第二方向Ar2に向かって拡径する形状を有する。
すなわち第1カバー部材外周側筒状部28Bは、第1カバー部材外周側筒状部28Bと回転軸線100aとの最短距離である第1カバー部材外周側筒状部28Bの半径r28Bが、第二方向Ar2側に向かって徐々に大きくなっている。回転軸線100aに平行で且つ回転軸線100aを含む断面における第1カバー部材外周側筒状部28Bの回転軸線100aに対する傾斜角θ28Bは90°未満に設定される。これにより、第1カバー部材外周側筒状部28Bの第二方向Ar2側の端部(後端部)と第1芯金26及び第2カバー部材外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)との間の隙間を小さくし、雨水等の浸入を抑制することができる。
なお、傾斜角θ28Bは90°未満の範囲で適当に設定されればよく、図2に図示された角度より大きくても、或いは小さくてもよい。
本実施例では、第1カバー部材28は、回転軸線100aに沿う方向において、ラジアルボールベアリング27に対して車両の前方に配置されている。第1カバー部材外周側筒状部28Bは、車両の走行時に車両前方から飛んでくる水滴を遮る遮水板を構成する。本実施例では、遮水板を構成する第1カバー部材外周側筒状部28Bが後述するラビリンス構造を構成する第1カバー部材内周側筒状部28Aaと一体に構成される。このため、遮水板を構成する第1カバー部材外周側筒状部28Bとラビリンス構造を構成する第1カバー部材内周側筒状部28Aaとが一つの部品で構成されている。
第1カバー部材28は、回転軸線100aを中心とする径方向における最も外側の寸法(外径)D28が、回転軸線100aを中心とする径方向における第2芯金の最も内側の寸法(内径)D26Cよりも小さく形成されている。すなわち、第1カバー部材外周側筒状部28Bの最外径D28が第2芯金の最内径D26Cよりも小さく形成されている。
本実施例では、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとの間にコラプス部3が設けられている。すなわちコラプス部3は、ラジアルボールベアリング27よりも第二方向Ar2側に設けられており、車両衝突時において、動力伝達軸の長手方向長さを短縮可能とする。
コラプス部3は、車両の衝突時に、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとが回転軸線100aに沿う方向に相対移動可能にする。第1カバー部材28が第2芯金26に向かって相対移動する際に、第1カバー部材28の最外径D28が第2芯金の最内径D26Cよりも小さいため、両者の干渉が抑制される。そして、第1シャフト部材1Aと第2シャフト部材1Cとの相対移動をスムーズに行わせることができる。その結果、車両の衝突時における安全性の向上を図ることができる。
接続部28Cは、第1カバー部材28の内周部28Aの第一方向Ar1側の端部から径方向外側に向かって突き出して鍔状を成す鍔状部である。
第2カバー部材29は、金属材料によって形成され、第1芯金26に設けられる。具体的には、第2カバー部材29は大径環状部26Baの内周側に設けられている。第2カバー部材29は、内周側筒状部(第2カバー部材内周側筒状部)29A、外周側筒状部(第2カバー部材外周側筒状部)29B、及び内周側筒状部29Aと外周側筒状部29Bとを接続する接続部(鍔状部)29Cを備え、図2に示す断面がほぼU字形状を有するように折曲形成されている。すなわち第2カバー部材29は、第一方向Ar1側に開口するほぼ円環状に形成されている。
第2カバー部材29の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bはそれぞれ筒形状(円筒形状)に形成されている。接続部29Cは第2カバー部材内周側筒状部29Aから径方向外側に延びて鍔状に形成された鍔状部を構成する。
第2カバー部材29は、第1カバー部材28側に開口するように第1芯金26の大径環状部26Baの内周に固定される。具体的に説明すると、第2カバー部材29は、第2カバー部材内周側筒状部29Aが第1カバー部材内周側筒状部28Aよりも径方向内側に設けられ、第2カバー部材外周側筒状部29Bが第1カバー部材内周側筒状部28Aよりも径方向外側に設けられる。
さらに第2カバー部材29は、第2カバー部材外周側筒状部29Bの外周面が第1芯金26の大径環状部26Baの内周面と接触するように、第1芯金26の大径環状部26Baの内周に圧入される。このとき、第2カバー部材外周側筒状部29Bは、その内周面が第1カバー部材内周側筒状部28Aの延長部(第1カバー部材内周側環状部)28Abの外周面と対向し、第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側(後端側)の一部を包囲している。
第2カバー部材29は、第2カバー部材外周側筒状部29Bにおいて、前記第1芯金に固定される。このため、第2カバー部材外周側筒状部29Bは第2カバー部材固定部を構成する。
第2カバー部材29は、第2カバー部材外周側筒状部29Bの第二方向Ar2側(ラジアルボールベアリング27側)の端部(後端縁)から径方向内側に折曲され、接続部(鍔状部)29Cが形成される。さらに第2カバー部材29は、接続部29Cの径方向内側の縁(内周縁)から回転軸方向100aに沿う方向に且つ第一方向Ar1側に折曲され、第2カバー部材内周側筒状部29Aが形成される。第2カバー部材内周側筒状部29Aは、その外周面が第1カバー部材内周側筒状部28Aの延長部(第1カバー部材内周側環状部)28Abの内周面と対向し、第2カバー部材内周側筒状部29Aが第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側(後端側)の一部によって包囲されている。
第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部(後端部)は、第2カバー部材の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)よりも、回転軸線100aに沿う方向において、第二方向Ar2側(ラジアルボールベアリング27側)に位置する。第2カバー部材の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)は、第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部(後端部)よりも、回転軸線100aに沿う方向において、第一方向Ar1側(ラジアルボールベアリング27側とは反対側)に位置する。そして、第1カバー部材28と第2カバー部材29とは、第1カバー部材内周側環状部28Abと第2カバー部材29の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bとが入り組んだ状態に組み付けられ、ラビリンス構造を構成する。
第1カバー部材28と第2カバー部材29とが構成するラビリンス構造は、ラジアルボールベアリング27に至る雨水等の浸入経路を複雑化することにより、外部からラジアルボールベアリング27への雨水等の浸入を抑制することができる。
また上述した構成により、第2カバー部材内周側筒状部29Aは、回転軸線100aに沿う方向において、第1カバー部材内周側筒状部28Aとオーバーラップする範囲を含むように設けられる。これにより、第1カバー部材28と第2カバー部材29との間のクリアランスを狭めることで、雨水等の浸入を更に抑制することができる。
また上述した構成では、第1カバー部材内周側筒状部28Aは、第1カバー部材内周側筒状部28Aの第二方向Ar2側の端部と回転軸線100aとの最短距離である第二方向側端部の半径r28Abが、第2カバー部材内周側筒状部29Aの第一方向Ar1側の端部と回転軸線100aとの最短距離である第一方向側端部の半径r29Aよりも大きい。これにより、第1カバー部材内周側筒状部28Aのプレス加工を容易に行うことができると共に、第2カバー部材内周側筒状部29Aとの間でラビリンス構造をつくることができる。
さらに本実施例では、第2カバー部材内周側筒状部29Aは、回転軸線100aの径方向内側に向かって凹む凹形状部29Aaを有する。この凹形状部29Aaは、水受け凹部を構成するため、第2カバー部材水受け凹部と呼ぶ場合もある。第2カバー部材内周側筒状部29Aのところまで雨水等が浸入した際、第2カバー部材水受け凹部29Aaに雨水が一時的に貯留され、雨水が更にラジアルボールベアリング27側に向かって浸入することを抑制することができる。
第3カバー部材30は、円環状の金属材料で構成され、第1シャフト部材1Aの第1軸径部21の外周面に圧入されて、第1シャフト部材1Aに固定されている。第3カバー部材30は、ラジアルボールベアリング27に対して第2方向Ar2側(後端側)に配置され、ラジアルボールベアリング27の後端側にラビリンス構造を構成する。これにより、第3カバー部材30は、塵などの直接的侵入を防止する。
第3カバー部材30について詳細に説明する。第3カバー部材30は、金属材料によって形成され、第1シャフト部材1Aに設けられる。具体的には、第3カバー部材30は、第1シャフト部材1Aの第1軸径部21の外周面に圧入されて、第1軸径部21に固定されている。このため第3カバー部材30は、シャフト部材1A,1B,1Cと一体となって回転する。
第3カバー部材30は、内周側筒状部(第3カバー部材内周側筒状部)30A、外周側筒状部(第3カバー部材外周側筒状部)30B、及び内周側筒状部30Aと外周側筒状部30Bとを接続する接続部(鍔状部)30Cを備え、図2に示す断面がほぼU字形状を有するように折曲形成されている。すなわち第3カバー部材30は、第一方向Ar1側に開口するほぼ円環状に形成されている。
第3カバー部材30は、内周側筒状部30A及び外周側筒状部30Bがそれぞれ筒形状(円筒形状)に形成されている。接続部29Cは第3カバー部材内周側筒状部30Aから径方向外側に延びて鍔状に形成された鍔状部を構成する。第3カバー部材内周側筒状部30Aは第1芯金26よりも径方向内側に設けられ、第3カバー部材外周側筒状部30Bは第1芯金26よりも径方向外側に設けられる。
第3カバー部材内周側筒状部30Aは第1シャフト部材1Aの第1軸径部21の外周面に圧入される第3カバー部材固定部を構成する。
第3カバー部材30は、内周側筒状部30Aの第二方向Ar2側(ラジアルボールベアリング27側)の端部(後端縁)から径方向外側に折曲され、接続部(鍔状部)29Cが形成される。さらに第3カバー部材30は、接続部29Cの径方向外側の縁(外周縁)から回転軸方向100aに沿う方向に且つ第一方向Ar1側に折曲され、外周側筒状部30Bが形成される。外周側筒状部30Bは、その内周面が第1芯金26の外周面を被覆するインシュレータ本体部26Aの外面と対向し、内周側筒状部30Aの外周面が第1芯金26によって包囲されている。
第3カバー部材内周側筒状部30Aは、第一方向Ar1側(ラジアルボールベアリング27)側の端縁が径方向外側へわずかに折曲されている。
第3カバー部材30は、ラジアルボールベアリング27側に開口するように、第1シャフト部材1Aに組み付けられることにより、第1芯金26及びインシュレータ本体部26Aと第3カバー部材30の内周側筒状部30A及び外周側筒状部30Bとがラビリンス構造を構成する。このラビリンス構造により、ラジアルボールベアリング27に対して第二方向Ar2側からラジアルボールベアリング27に至る雨水等の浸入経路が複雑化される。その結果、雨水等のラジアルボールベアリング27への浸入が抑制される。
[実施例2]
図3は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例2)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。実施例1で説明した構成と同様な構成については、実施例1と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、実施例1において第2カバー部材内周側筒状部29Aに設けられる凹形状部29Aaが設けられていない。それ以外の構成は、実施例1と同じである。図3に示すように、第2カバー部材内周側筒状部29Aが凹形状部29Aaを備えない構成であってもよい。
本実施例の場合も、第2カバー部材内周側筒状部29Aは、その外周面が第1カバー部材内周側筒状部28Aの延長部(第1カバー部材内周側環状部)28Abの内周面と対向し、第2カバー部材内周側筒状部29Aが第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側(後端側)の一部によって包囲されている。
第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部(後端部)は、第2カバー部材の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)よりも、回転軸線100aに沿う方向において、第二方向Ar2側(ラジアルボールベアリング27側)に位置する。第2カバー部材の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)は、第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部(後端部)よりも、回転軸線100aに沿う方向において、第一方向Ar1側(ラジアルボールベアリング27側とは反対側)に位置する。そして、第1カバー部材28と第2カバー部材29とは、第1カバー部材内周側環状部28Abと第2カバー部材29の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bとが入り組んだ状態に組み付けられ、ラビリンス構造を構成する。
第1カバー部材28と第2カバー部材29とが構成するラビリンス構造は、ラジアルボールベアリング27に至る雨水等の浸入経路を複雑化することにより、外部からラジアルボールベアリング27への雨水等の浸入を抑制することができる。
従って、本実施例でも実施例1と同様な効果が得られる。さらに本実施例では、第2カバー部材内周側筒状部29の加工が容易になる。ただし、第2カバー部材水受け凹部29Aaが無いため、実施例1の第2カバー部材水受け凹部29Aaによる雨水の一時的な貯留効果は失われる。
[実施例3]
図4は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例3)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。実施例1,2で説明した構成と同様な構成については、実施例1,2と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、実施例1において第2カバー部材内周側筒状部29Aに設けられる凹形状部29Aaが設けられていない。さらに実施例2に対して、第2カバー部材内周側筒状部29Aの回転軸線100aに沿う方向の長さを短くしている。このため、第2カバー部材内周側筒状部29Aが第1カバー部材内周側筒状部28Aと回転軸線100aに沿う方向においてオーバーラップする範囲(長さ)LOは、実施例1及び実施例2よりも小さくなっている。それ以外の構成は、実施例2と同じである。
本実施例の場合も、第2カバー部材内周側筒状部29Aは、その外周面が第1カバー部材内周側筒状部28Aの延長部(第1カバー部材内周側環状部)28Abの内周面と対向し、第2カバー部材内周側筒状部29Aが第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側(後端側)の一部によって包囲されている。
第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部(後端部)は、第2カバー部材の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)よりも、回転軸線100aに沿う方向において、第二方向Ar2側(ラジアルボールベアリング27側)に位置する。第2カバー部材の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の端部(前端部)は、第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部(後端部)よりも、回転軸線100aに沿う方向において、第一方向Ar1側(ラジアルボールベアリング27側とは反対側)に位置する。そして、第1カバー部材28と第2カバー部材29とは、第1カバー部材内周側環状部28Abと第2カバー部材29の内周側筒状部29A及び外周側筒状部29Bとが入り組んだ状態に組み付けられ、ラビリンス構造を構成する。
第1カバー部材28と第2カバー部材29とが構成するラビリンス構造は、ラジアルボールベアリング27に至る雨水等の浸入経路を複雑化することにより、外部からラジアルボールベアリング27への雨水等の浸入を抑制することができる。従って、本実施例でも実施例1と同様な効果が得られる。
さらに本実施例では、第2カバー部材内周側筒状部29Aと第1カバー部材内周側筒状部28Aとのオーバーラップ長さLOが短い分、第2カバー部材29と第1カバー部材28との組み付け作業が容易になる。ただし、ラビリンス構造によって構成される雨水等の浸入経路は、実施例1及び実施例2の構成と比べて短くなる。また実施例1の第2カバー部材水受け凹部29Aaによる雨水の一時的な貯留効果も失われる。
第2カバー部材内周側筒状部29Aの回転軸線100aに沿う方向における長さL29Aは、第2カバー部材内周側筒状部29Aと第1カバー部材内周側筒状部28Aとがオーバーラップする長さLOを確保できる範囲で適当に決めることができる。
[実施例4]
図5は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例4)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。実施例1〜3で説明した構成と同様な構成については、実施例1〜3と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、第1カバー部材内周側筒状部28Aは、回転軸線100aの径方向内側に向かって凹む凹形状部28Acを有する。具体的には、凹形状部28Acは第1カバー部材内周側筒状部28Aの環状部28Abに設けられる。凹形状部28Acは第1カバー部材内周側環状部28Abのラジアルベアリング27側(第二方向Ar2側)に設けられる。このため凹形状部28Acは、第1カバー部材内周側環状部28Abの第二方向Ar2側の端部から第二方向Ar2側に設けられた、第1カバー部材内周側環状部28Abとは別の構成要素とみなすこともできる。
本実施例では、凹形状部28Acの第二方向Ar2側の端部は、第2カバー部材内周側筒状部29Aの第一方向Ar1側(ラジアルベアリング27側とは反対側)の端部よりも第二方向Ar2側に位置している。すなわち、第2カバー部材内周側筒状部29Aと第1カバー部材内周側筒状部28Aとは、回転軸線100aに沿う方向においてオーバーラップする範囲を含むように設けられる。
この凹形状部28Acは、水受け凹部を構成するため、第1カバー部材水受け凹部と呼ぶ場合もある。第1カバー部材内周側筒状部28Aのところまで雨水等が浸入した際、第1カバー部材水受け凹部28Acに雨水が一時的に貯留され、雨水が更にラジアルボールベアリング27側に向かって浸入することを抑制することができる。
第1カバー部材水受け凹部28Ac以外の構成は、実施例3と同じである。本実施例に、実施例1,2で説明した第2カバー部材内周側筒状部29Aを適用してもよい。本実施例に、実施例1,2で説明した第2カバー部材内周側筒状部29Aを適用することにより、実施例1,2と同様の効果を奏する。
[実施例5]
図6は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例5)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。実施例1〜4で説明した構成と同様な構成については、実施例1〜4と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、第1カバー部材内周側筒状部28Aの環状部28Abと回転軸線100aとの最短距離である第1カバー部材内周側環状部28Abの内周面及び外周面の半径r28Abが、ラジアルボールベアリング27側(第二方向Ar2側)に向かって徐々に小さくなっている。すなわち、第1カバー部材内周側環状部28Abは第二方向Ar2側の端部が第一方向Ar1側の端部よりも第1シャフト部材1Aに近づくように、傾斜角θ28Aで傾斜している。言い換えると、第1カバー部材内周側筒状部28Aの環状部28Abと回転軸線100aとの最短距離である第1カバー部材内周側環状部28Abの内周面及び外周面の半径r28Abが、ラジアルボールベアリング27側とは反対側(第一方向Ar1側)に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、第1カバー部材内周側環状部28Abは第一方向Ar1側の端部が第二方向Ar2側の端部よりも第1シャフト部材1Aから遠ざかる(離れる)ように、傾斜角θ28Aで傾斜している。
なお実施例1〜4では、第2カバー部材水受け凹部29Aaの部分を除いて、半径r28Abは一定で変化しない形状を有している。
本実施例では、第1カバー部材をプレス加工で形成する場合、絞り加工される開口側が拡がっているため、プレス加工を容易に行うことができる。
半径r28Abに係る構成以外の構成は、実施例1と同じである。本実施例の半径r28Abに係る構成は実施例2〜4に適用可能である。本実施例は、他の実施例2〜4と組み合わせることにより、組み合わせた他の実施例2〜4と同様の効果を奏する。なお、本実施例の半径r28Abに係る構成が実施例4に適用された場合、第1カバー部材水受け凹部28Acの部分は傾斜角θ28Aを有して傾斜するように構成することができる。
[実施例6]
図7は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例6)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。実施例1〜5で説明した構成と同様な構成については、実施例1〜5と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、第1カバー部材内周側筒状部28Aの環状部28Abと回転軸線100aとの最短距離である第1カバー部材内周側環状部28Abの内周面及び外周面の半径r28Abが、ラジアルボールベアリング27側(第二方向Ar2側)に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、第1カバー部材内周側環状部28Abは第二方向Ar2側の端部が第一方向Ar1側の端部よりも第1シャフト部材1A(回転軸線100a)から遠ざかる(離れる)ように、傾斜角θ28Aで傾斜している。言い換えると、第1カバー部材内周側筒状部28Aの環状部28Abと回転軸線100aとの最短距離である第1カバー部材内周側環状部28Abの内周面及び外周面の半径r28Abが、ラジアルボールベアリング27側とは反対側(第一方向Ar1側)に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、第1カバー部材内周側環状部28Abは第一方向Ar1側の端部が第二方向Ar2側の端部よりも第1シャフト部材1A(回転軸線100a)に近づくように、傾斜角θ28Aで傾斜している。
傾斜角θ28Aに係る構成以外の構成は、実施例5と同じである。本実施例は実施例5と同様に他の実施例と組み合わせることができる。本実施例は、他の実施例2〜4と組み合わせることにより、組み合わせた他の実施例2〜4と同様の効果を奏する。
本実施例では、第1カバー部材内周側環状部28Abの内周面側まで雨水等が浸入した際、遠心力を利用して、雨水等を第1カバー部材内周側環状部28Abの外側に向かって移動させることができ、雨水等の排出を促進することができる。
本実施例を実施例4に適用した場合、或いは実施例4を本実施例に適用した場合、第1カバー部材内周側環状部28Abの外周面側の雨水等が遠心力でラビリンス構造の内側に向かって移動するのを、第1カバー部材水受け凹部28Acで受け止めることができる。これにより、第1カバー部材内周側環状部28Abの外周面側の雨水等がラビリンス構造の内側に向かって移動するのを抑制することができる。
[実施例7]
図8は、本発明に係る動力伝達軸の一実施例(実施例7)について、支持装置の近傍を一部断面で示す図である。実施例1で説明した構成と同様な構成については、実施例1と同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、第1カバー部材外周側筒状部28Bは、そのラジアルボールベアリング27側(第二方向Ar2側)の端部が、第1芯金26の大径環状部26Ba及び第2カバー部材外周側筒状部29Bの第一方向Ar1側の各端部より、第二方向Ar2側に位置する。また、第1カバー部材外周側筒状部28Bの第二方向Ar2側の端部は、第2カバー部材外側筒状部29Bよりも径方向外側に設けられている。
これにより、第1カバー部材外周側筒状部28Bは、回転軸線100aに沿う方向において、第1芯金26の大径環状部26Baの外周面の一部と対向し、第1芯金26の大径環状部26Baの外周面の一部を覆っている。すなわち、第1カバー部材外周側筒状部28Bは、回転軸線100aに沿う方向において、第2カバー部材外周側筒状部29Bとオーバーラップする範囲(長さ)LBを含むように設けられる。
第2カバー部材外周側筒状部29Bと第1カバー部材外周側筒状部28Bとが、回転軸線100aに沿う方向において互いにオーバーラップすることで、このオーバーラップ部分においてもラビリンス構造をつくることができ、雨水等の浸入を更に抑制することができる。
上述した第1カバー部材外周側筒状部28Bに係る構成以外は、実施例1と同じである。本実施例は他の実施例2〜6と組み合わせることができる。本実施例は、他の実施例2〜6と組み合わせることにより、組み合わせた他の実施例2〜6と同様の効果を奏する。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、一部の構成の削除や、記載されていない他の構成の追加が可能である。また各実施例に記載された構成は、矛盾しない範囲において、他の実施例に組み合わせることができる。各実施例に記載された構成が他の実施例に組み合わされることにより、その構成が奏する効果は他の実施例においても実現される。
1A…第1シャフト部材(従動軸)、1B…駆動軸、1C…第2シャフト部材(従動軸)、3…コラプス部、5…支持装置、26…インシュレータ、26A…インシュレータ本体部、26B…第1芯金、26Ba…第1芯金26Bの大径環状部、26Bb…第1芯金26Bの中径環状部、26Bc…第1芯金26Bの小径環状部、26C…第2芯金、27…軸受(ラジアルボールベアリング)、28…第1カバー部材、28A…第1カバー部材内周側筒状部、28Aa…第1カバー部材固定部、28Ab…第1カバー部材内周側環状部、28Ac…第1カバー部材水受け凹部、28B…第1カバー部材外周側筒状部、28C…第1カバー部材内周側筒状部28Aと第1カバー部材外周側筒状部28Bとを接続する接続部(鍔状部)、29…第2カバー部材、29A…第2カバー部材内周側筒状部、29Aa…第2カバー部材水受け凹部、29B…第2カバー部材外周側筒状部、29C…第2カバー部材内周側筒状部29Aと第2カバー部材外周側筒状部29Bとを接続する接続部(鍔状部)、30…第3カバー部材、32…取付ブラケット、100…プロペラシャフト(動力伝達軸)、100a…プロペラシャフト100の回転軸線、Ar1…第一方向、Ar2…第二方向。

Claims (11)

  1. 車両の駆動源の回転力を駆動輪に伝達するシャフト部材と、
    前記シャフト部材の回転軸線を中心とする径方向において前記シャフト部材の外周側に位置する軸受を有し、前記シャフト部材を車両に回転可能に支持する支持装置と、
    を備え、
    前記支持装置は、
    前記回転軸線を中心とする径方向において前記軸受の外周側に位置し、ブラケットを介して車両に取り付けられるインシュレータと、
    前記回転軸線を中心とする径方向において前記シャフト部材の外周側に位置し、且つ前記回転軸線に沿う方向において前記軸受の一方側である第一方向側に位置する第1カバー部材と、
    を有し、
    前記インシュレータは、
    弾性材料で環状に形成されるインシュレータ本体部と、
    金属材料で環状に形成され、前記回転軸線を中心とする径方向において前記インシュレータ本体部と前記軸受との間に位置する第1芯金と、
    金属材料で環状に形成され、前記回転軸線を中心とする径方向において前記インシュレータ本体部の外周側に位置して前記ブラケットに固定される第2芯金と、
    を有し、
    前記第1カバー部材は、金属材料で環状に形成されており、前記回転軸線を中心とする径方向における前記第1カバー部材の外側の寸法である外径が、前記回転軸線を中心とする径方向における前記第2芯金の内側の寸法である内径よりも小さく形成されている車両の動力伝達軸。
  2. 請求項1に記載の動力伝達軸において、
    第2カバー部材固定部と第2カバー部材内周側筒状部とを有する第2カバー部材を備え、
    前記第1カバー部材は、前記シャフト部材への固定部である第1カバー部材固定部と、筒形状を有して前記第1カバー部材固定部より前記第一方向の反対方向である第二方向側に位置する第1カバー部材内周側環状部と、を備え、
    前記第2カバー部材は、前記第2カバー部材固定部を前記第1芯金への固定部として前記第1芯金に固定されており、
    前記第2カバー部材内周側筒状部は、筒形状を有し、前記第2カバー部材固定部の前記第一方向側の端部より前記第一方向側に位置し、且つ前記第1カバー部材内周側環状部よりも前記回転軸線を中心とする径方向の内側に位置している車両の動力伝達軸。
  3. 請求項2に記載の動力伝達軸において、
    前記第2カバー部材内周側筒状部は、前記回転軸線に沿う方向において、前記第1カバー部材内周側環状部とオーバーラップしている車両の動力伝達軸。
  4. 請求項2に記載の動力伝達軸において、
    前記第2カバー部材は、筒形状を有して前記第2カバー部材内周側筒状部よりも前記回転軸線を中心とする径方向の外側に位置し、前記第2カバー部材固定部を成す第2カバー部材外周側筒状部を備え、
    前記第2カバー部材外周側筒状部は、前記第1カバー部材内周側環状部よりも前記回転軸線の径方向の外側に位置しており、
    前記第1カバー部材は、筒形状を有して前記第1カバー部材内周側環状部よりも前記回転軸線を中心とする径方向の外側に位置する第1カバー部材外周側筒状部を備え、
    前記第1カバー部材外周側筒状部は、前記第二方向側の端部が前記第2カバー部材外周側筒状部の前記第一方向側の端部より前記第二方向側に位置し、且つ前記第1カバー部材外周側筒状部の少なくとも一部分が前記第2カバー部材外周側筒状部よりも前記回転軸線の径方向の外側に位置しており、
    前記第1カバー部材外周側筒状部は、前記回転軸線に沿う方向において前記第2カバー部材外周側筒状部とオーバーラップしている車両の動力伝達軸。
  5. 請求項4に記載の動力伝達軸において、
    前記第1カバー部材外周側筒状部は、前記第1カバー部材外周側筒状部と前記回転軸線との最短距離である前記第1カバー部材外周側筒状部の半径が、前記第二方向側に向かって徐々に大きくなっており、前記回転軸線に平行で且つ前記回転軸線を含む断面における、前記回転軸線に対する前記第1カバー部材外周側筒状部の傾斜角が90°未満である車両の動力伝達軸。
  6. 請求項2に記載の動力伝達軸において、
    前記第2カバー部材内周側筒状部は、前記回転軸線を中心とする径方向の内側に向かって凹む形状の第2カバー部材凹形状部を有する車両の動力伝達軸。
  7. 請求項2に記載の動力伝達軸において、
    前記第1カバー部材内周側環状部は、前記第1カバー部材内周側環状部の前記第二方向側の端部と前記回転軸線との最短距離である前記第二方向側の前記端部における半径が、前記第2カバー部材内周側筒状部の前記第一方向側の端部と前記回転軸線との最短距離である前記第一方向側の前記端部における半径よりも大きい車両の動力伝達軸。
  8. 請求項1に記載の動力伝達軸において、
    前記第1カバー部材は、前記シャフト部材への固定部である第1カバー部材固定部と、筒形状を有して前記第1カバー部材固定部より前記第一方向の反対方向である第二方向側に位置する第1カバー部材内周側環状部と、を備え、
    前記第1カバー部材内周側環状部は、前記第1カバー部材内周側環状部と前記回転軸線との最短距離である前記第1カバー部材内周側環状部の半径が、前記第二方向側に向かって徐々に小さくなっているか、または変化しない形状を有する車両の動力伝達軸。
  9. 請求項1に記載の動力伝達軸において、
    前記第1カバー部材は、前記シャフト部材への固定部である第1カバー部材固定部と、筒形状を有して前記第1カバー部材固定部より前記第一方向の反対方向である第二方向側に位置する第1カバー部材内周側環状部と、を備え、
    前記第1カバー部材内周側環状部は、前記第1カバー部材内周側環状部と前記回転軸線との最短距離である前記第1カバー部材内周側環状部の半径が、前記第二方向側に向かって徐々に大きくなっている車両の動力伝達軸。
  10. 請求項1に記載の動力伝達軸において、
    前記第1カバー部材は、前記シャフト部材への固定部である第1カバー部材固定部と、筒形状を有して前記第1カバー部材固定部より前記第一方向の反対方向である第二方向側に位置する第1カバー部材内周側環状部と、を備え、
    前記第1カバー部材内周側環状部は、前記回転軸線を中心とする径方向の内側に向かって凹む形状の第1カバー部材凹形状部を有する車両の動力伝達軸。
  11. 請求項1に記載の動力伝達軸において、
    前記軸受よりも前記第一方向の反対方向である第二方向側に位置し、車両衝突時において、前記シャフト部材の前記回転軸線に沿う方向の長さを短縮可能とするコラプス部を備える車両の動力伝達軸。
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