JP2019046702A - 電池外装体用積層体原反、電池外装体用積層体及び電池外装体用積層体原反の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明者らはより高い強度を電池外装体に付与するため、金属層にステンレス箔を用いて電池外装体を製造することを試みた。電池外装体は、シーラント層、バリア層、基材層等を積層して貼り合せた積層体をロール状に巻き取った電池外装体用積層体原反を製造し、該電池外装体用積層体原反を枚葉に切断して得られる積層体を加工することにより製造される。
本発明者らがさらに検討を進めた結果、この印字のし難さは、電池外装体用積層体原反の保存時に、シーラント層に含まれる滑剤が積層体の表面に浮き出るブリードアウト現象が発生し、滑剤が基材層に付着することによって積層体同士が貼りつくことに起因することを突き止めた。ステンレス箔はアルミニウム箔に比べて伝熱性が高く、滑剤が比較的低分子であり、熱によりシーラント層から析出しやすいためこのような現象が起こると推察される。
本発明において「滑り性」とは、電池外装体用積層体原反表面の滑らかさを表す指標である。滑り性は、具体的には実施例に記載の方法により評価することができる。
[1]少なくともシーラント層、バリア層、基材層をこの順で備える電池外装体用積層体原反であって、前記シーラント層は脂肪酸アミド化合物を含み、前記バリア層はステンレス箔からなり、前記シーラント層の表面における算術平均粗さ(Ra)が、0.01μm以上5.0μm以下であることを特徴とする、電池外装体用積層体原反。
[2]前記シーラント層中の脂肪酸アミド化合物の含有量が下記(式1)を満たす、[1]に記載の電池外装体用積層体原反。
60000/(シーラント層の膜厚(μm))≦(脂肪酸アミド化合物の含有量(ppm))≦100000/(シーラント層の膜厚(μm)) ・・・(式1)
[3]前記基材層の前記バリア層とは反対の面にマット層を備える、[1]又は[2]に記載の電池外装体用積層体原反。
[4]前記マット層は、粒径が1.0μm以上5.0μm以下のマット剤を含む[3]に記載の電池外装体用積層体原反。
[5]前記バリア層を構成するステンレス箔のアイユニット値が25以下である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の電池外装体用積層体原反。
[6][1]〜[5]のいずれか1つに記載の電池外装体用積層体原反を枚葉に切断した電池外装体用積層体。
[7][6]に記載の積層体を備えた電池外装体。
[8][7]に記載の電池外装体を備えた電池。
[9][1]〜[5]のいずれか1つに記載の電池外装体用積層体原反の製造方法であって、シーラント層とバリア層とを接着剤を用いて貼り合せる工程と、前記バリア層と基材層とを接着剤を用いて貼り合せて積層体原反とする工程と、前記積層体原反をロール状に巻き原反ロールとする工程と、前記原反ロールを40℃以上の条件で50時間以上加熱する工程と、を有する電池外装体用積層体原反の製造方法。
本発明は、少なくともシーラント層、バリア層、基材層をこの順で備える電池外装体用積層体原反である。
図1に、本実施形態の電池外装体用積層体原反1の概略断面図を示す。本実施形態の電池外装体用積層体原反1は、シーラント層17、バリア層14及び基材層11をこの順で備える。
また、好ましい実施形態においては、図1に示すように、シーラント層17、第2の接着層16、第2の防腐層15、バリア層14、第1の防腐層13、第1の接着層12、基材層11及び基材コート層10をこの順で備える。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
シーラント層は、本実施形態の電池外装体用積層体原反において、最内層に該当し、電池を組み立てたときにシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層の材質は、熱溶着可能な材料であれば特に限定されず、例えばポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィン等が挙げられる。
また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、環状アルケンが好ましくノルボルネンがより好ましい。
本実施形態において、シーラント層17は脂肪酸アミド化合物を含む。脂肪酸アミド化合物は滑剤として存在する。滑剤である脂肪酸アミド化合物は、シーラント層を構成する樹脂中を移動しやすく、シーラント層17の表面に偏析しやすい。これにより、電池外装体用積層体原反を加工する際のシーラント層17の表面の滑り性を向上させることができる。
具体的には、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、アラキジン酸アミドなどが挙げられる。本実施形態においては中でもエルカ酸アミドが特に好ましい。
なお、シーラント層17の表面に脂肪酸アミド化合物をブリードアウトさせる方法としては、電池外装体用積層体原反を40℃以上の温度で、数時間〜3日間程度保存する方法が挙げられる。これにより、脂肪酸アミドのブリードを促進できる。脂肪酸アミド化合物をブリードアウトするための具体的な方法は、後述する本発明の電池外装体用積層体原反の製造方法において詳細に記載する。
60000/(シーラント層の膜厚(μm))≦(脂肪酸アミド化合物の含有量(ppm))≦100000/(シーラント層の膜厚(μm)) ・・・(式1)
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。Raが上記下限値以上であることにより、積層体同士の貼りつきを抑制でき、電池外装体用積層体原反を加工する際の滑り性を良好なものとすることができる。
上記上限値以下とすることにより、電池外装体用積層体原反の表面の外観を良好なものとすることができる。
なお、シーラント層17の表面における算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格 JIS B0601−1994に基づいて算出される。
さらに、本実施形態において、バリア層24はステンレス箔からなる。ステンレス箔は他の金属箔に比べて伝熱性が高い。このため、例えば電池外装体用積層体原反の加工時や、保管時に熱がかかるとシーラント層に含まれる脂肪酸アミド化合物がブリードアウトしやすい。
本発明においては、シーラント層の表面に微細な凹凸を形成したことにより、基材層21との接触面積を小さくすることができる。さらに、シーラント層表面の微細な凹凸の凹部と、基材層21との間に形成される隙間に滑剤が出やすく、シーラント層表面に適度な量の滑剤を存在させることができる。これにより、たとえ脂肪酸アミド化合物が過度にブリードアウトした場合であっても、脂肪酸アミド化合物が基材層21側に付着することを抑制できると推察される。
本実施形態において、バリア層14はステンレス箔からなる。バリア層14の厚さは、100μm以下が好ましく、5μm以上40μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましく、10μm以上20μm以下が特に好ましい。上記下限値以上とすることによって、積層体10に十分な機械的強度を与え、二次電池等の電池に使用した際に、電池の耐久性を高めることができる。また、バリア層17の厚さを上記上限値以下とすることによって、積層体10を十分に薄いものとすることができ、且つ、十分な絞り加工性を与えることができる。
本実施形態において、バリア層を構成するステンレス箔のアイユニット値は25以下であることが好ましく、22以下がより好ましい。本明細書において、アイユニット値(または「I−Unit値」)の定義は下記の通りである。
一般に、圧延材等の帯状形状の評価方法として、急峻度あるいは伸び差率が用いられる。急峻度λは、例えば図3に示すように、帯の長手方向(圧延方向)の波の高さHと波のピッチLとを用いて、次式で表される。
λ=H/L
また、伸び差率Δεは、伸び部分の長さΔLを用いて、次式で表される。
Δε=ΔL/L
そして、伸び差[I−Unit]は、ε×105で表される。
1I−Unit=0.01mm/1000mm
すなわち、1I−Unit=1.0×10−5で表される。この伸び差[I−Unit]が小さいほど、帯状形状のたるみが少なく、平坦性に優れた形状であることを意味する。
I−Unit値の測定には、非接触三次元測定装置が用いられる。
基材層11は、十分な機械的強度を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂;ナイロン(Ny)等のポリアミド樹脂;延伸ポリプロピレン(OPP)等のポリオレフィン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等からなる層(フィルム)が使用できる。なかでも、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂からなる層が好ましく、PET又はNyからなる層がより好ましい。
基材層11の厚さは、例えば、1μm以上50μm以下とすることができ、1μm以上30μm以下が好ましく、3μm以上15μm以下がさらに好ましい。
本実施形態においては、前記基材層の前記バリア層とは反対の面にマット層を備えていてもよい。
マット層は、本発明では任意の構成であって、電池外装体用積層体原反1にマット性を付与するための層である。マット層により艶消し状の外観が得られるのみならず、光沢度が高い場合に比して電池外装体用積層体原反1の表面の摺り傷等が見え難いという効果も奏し得る。
マット層が含有するマット剤の微粒子は、略球状が好ましく、その大きさは平均粒子径において1.0μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2.0μm以上が特に好ましい。また、5.0μm以下が好ましく、4.5μm以下がより好ましく、4.0μm以下が特に好ましい。
着色層は、本発明では任意の構成であって、積層体10の意匠性を高めるため、表面側(表面コート層10の側)から電池外装体用積層体原反1を目視した際の色味を任意に決定する層である。
着色層を形成する着色剤の種類や、着色層の形成方法は限定されるものではなく、市販の顔料や染料を用いて、バーコーター等の公知の塗布装置により、着色層を形成することができる。
第1接着層12は、本発明では任意の構成であって、後述する第2接着層16と同様の構成としてもよく、一般的なウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤等の接着剤からなる層であってもよい。第1接着層12の厚さは、例えば、0.5μm以上10μm以下とすることができる。厚さをこの範囲とすることによって、基材層11とバリア層14とを高い接着力で接着させることができ、層間剥離を防ぐことができる。
第1防腐層13、第2防腐層15は、いずれも本発明では任意の構成であって、金属からなる層であることが好ましいバリア層14の、錆等による腐食を防ぐための層である。
第1防腐層13、第2防腐層15はいずれも任意構成ではあるが、本発明の電池外装体用積層体原反1を、金属腐食を亢進し得る成分と接触し得る用途で用いる場合には、第1防腐層13、第2防腐層15をバリア層14表面に設けることが好ましい。
例えば、本発明の電池外装体用積層体原反1を、電池外装用として用いる場合であれば、内包される電池から電解液等の薬液が漏れ出るおそれがあり、漏出した薬液はバリア層14の金属を腐食させ得るため、バリア層14表面に腐食防止処理を施すことが好ましい。また、電池外装用途の場合、電解液と接触する可能性が高い側は、内包される電池の側、即ち、バリア層14のシーラント層17の側となるため、少なくとも第2防腐層15を設けることが好ましい。
また、第1防腐層13、第2防腐層15は、ハロゲン化金属化合物に加えて、さらに、水溶性樹脂と、キレート剤又は架橋性化合物とを含有することが好ましい。よって第1防腐層13、第2防腐層15としては、ハロゲン化金属化合物と、水溶性樹脂と、キレート剤又は架橋性化合物とを含有することが好ましく;第1防腐層13、第2防腐層15は、ハロゲン化合物と、水溶性樹脂と、キレート剤又は架橋性化合物とを含有する水溶液を、下層となる層の上に塗布した後、乾燥・硬化させることによって形成されることが好ましい。以下、第1防腐層13、第2防腐層15を、「腐食防止処理剤」ということがある。
ハロゲン化金属化合物は、耐電解液性等の耐薬品性を向上させる作用を有する。すなわち、バリア層14の表面を不動態化し、電解液に対する耐腐食性を高めることができる。
第1防腐層13、第2防腐層15が後述する水溶性樹脂を含有する場合には、ハロゲン化金属化合物は水溶性樹脂を架橋させる作用も有する。
ハロゲン化金属化合物は、後述の水溶性樹脂との混和性や水溶性媒体に分散して塗布する場合を鑑みて、水溶性を有することが好ましい。
ハロゲン化金属化合物としては、例えば、ハロゲン化クロム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化ジルコニウム、ハロゲン化チタン、ハロゲン化ハフニウム、チタンハロゲン化水素酸、およびそれらの塩、等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素が挙げられ、塩素又はフッ素が好ましい。また、特に好ましくはフッ素である。ハロゲン化金属化合物がフッ素を含有することにより、条件によっては腐食防止処理剤からフッ酸(HF)を発生させることが可能となる。
また、ハロゲン化金属化合物は、ハロゲン原子、金属以外の原子を有していてもよい。
なかでも、ハロゲン化金属化合物としては、鉄、クロム、マンガン又はジルコニウムの塩化物又はフッ化物が好ましい。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体、及び、ポリビニルエーテル系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂は、例えば、ビニルエステル系モノマーの重合体又はその共重合体をケン化することで製造することができる。ポリビニルアルコール樹脂は変性されていてもよい。
ビニルエステル系モノマーの重合体又はその共重合体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルや、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等のビニルエステル系モノマーの単独重合体又は共重合体、及びこれと共重合可能な他のモノマーの共重合体などが挙げられる。共重合可能な他のモノマーは特に限定されない。
また、重合や共重合は常法により行うことができる。
特に、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、その他、各種グリコールや多価アルコールのモノビニルエーテル等の、水酸基を有する脂肪族ビニルエーテルをモノマーに含むポリビニルエーテル系樹脂は、水溶性を有し、かつ水酸基に対する架橋反応が可能なので、本発明に好適に用いることができる。
キレート剤は、金属イオンに配位結合し金属イオン錯体を形成し得る材料である。
キレート剤は、ハロゲン化金属化合物に由来の金属化合物(酸化クロム等)と、前記水溶性樹脂とを結合させて、第1防腐層13、第2防腐層15の圧縮強度を高めるため、第1防腐層13、第2防腐層15の厚みが、例えば0.2μmを越え、1.0μm以下である場合でも、第1防腐層13、第2防腐層15が脆化して割れや剥離が生じることはない。このため、バリア層14と第1防腐層13、第2防腐層15との間の接着強度及び密着性を高めることができる。
また、キレート剤は、水溶性樹脂またはハロゲン化金属化合物と化学反応することにより、水溶性樹脂を耐水化する作用を有する。
なかでもキレート剤としては、ホスホン酸系キレート剤、(ポリ)リン酸系キレート剤等のリン酸系のキレート剤(リン酸化合物)が好ましく、ホスホン酸系キレート剤がより好ましい。
架橋性化合物は、前記水溶性樹脂と反応して架橋構造を形成し得る化合物をいう。このような架橋性化合物を用いることにより、1防腐層13、第2防腐層15内において前述の水溶性樹脂と架橋性化合物とが緻密な架橋構造を形成し、バリア層14表面の不動態性及び耐腐食性をより向上させることができる。
架橋性化合物としては、水溶性樹脂内の親水性基(例えば、カルボキシ基、カルボン酸基等)と反応して架橋構造を形成し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ基を有する化合物や、オキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
第2の接着層16は、本発明においては任意の層であって、シーラント層17と、第2防腐層15が表面に形成されたバリア層14とを接着するために設けられる層である。
第2の接着層16を形成する接着剤としては、上記の層を良好に接着し得るものであればその材料は特に限定されるものではないが、例えば、接着性と貯蔵弾性率とを満たし得ることから、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、複数のエポキシ基を含有する化合物(B)と、を含有する接着剤からなる層であることが好ましい。
本発明は、前記本発明の電池外装体用積層体原反を枚葉に切断した電池外装体用積層体である。電池外装体用積層体の形状、大きさ等は特に限定されず、電池外装体用積層体の用途に応じて適宜決定することができる。
本発明の電池外装体用積層体を適用できる電池としては、二次電池であるリチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタなどの、電解液に有機電解質を使用したものが挙げられる。有機電解質としては、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチレンカーボネートなどの炭酸エステル類を媒質とするものが一般的であるが、特にこれに限定されない。
本発明は、前記本発明の電池外装体用積層体を備えた電池外装体を提供する。
該電池外装体は、前記本発明の電池外装体用積層体を備える電池外装体であって、正極、負極、電解質等の電池素子を収容する内部空間を有し、前記積層体のシーラント層の側が当該内部空間の側となる電池外装体である。具体的には、シーラント層が内部空間に面するように積層体を所望の形状に成形し、必要に応じて端部を密封等することにより得られるものである。
電池外装体の形状、大きさ等は特に限定されず、用いられる電池の種類に応じて適宜決定することができる。
本発明は、前記本発明の電池外装体を備えた電池を提供する。
電池としては二次電池であるリチウムイオン電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタなどの、電解液に有機電解質を使用したものが挙げられる。
本発明の電池外装体用積層体原反の製造方法は、シーラント層とバリア層とを接着剤を用いて貼り合せる工程と、前記バリア層と基材層とを接着剤を用いて貼り合せて電池外装体用積層体原反とする工程と、前記電池外装体用積層体原反をロール状に巻き原反ロールとする工程と、前記原反ロールを40℃以上の条件で50時間以上加熱する工程と、を有する。
後述の方法により製造した電池外装体用積層体原反を、流れ方向に1m引き出し、平坦度測定機の底盤に置いて測定した。n数は1とした。
後述の方法により製造した電池外装体用積層体原反のシーラント層の表面を、レーザー顕微鏡VK−9700(株式会社キーエンス社製)により測定し、表面粗さ(Ra)を求めた。n数は3とした。
・シーラントフィルムの製造
2000ppmのエルカ酸アミドと、ポリプロピレンとを溶融混合し、厚み40μmのシーラントフィルムを、Tダイ押出機を用いて長尺状のシーラントフィルムを製造し、これを搬送しながら150℃で加熱を行い、表面に0.01μmの凹凸のあるロールと凹凸の無いロールの間にニップ圧をかけながら通すことで、片面に0.01μmの凹凸を有するシーラント層を製造した。
上記で得たシーラントフィルムの凹凸が形成されていない面に、厚み20μmのステンレス金属箔をポリオレフィン系接着剤を用いて貼り合せた。その後、バリア層と基材(厚み20μmのPETフィルム)とをウレタン系接着剤を用いて貼り合せ、積層体を製造した。得られた積層体をロール状に巻き取り、積層体原反を製造した。
さらに、得られた積層体原反を50℃で60時間加熱し、実施例1の電池外装体用積層体原反を得た。
前記基材層の前記バリア層とは反対の面に、バーコーターを用いてマット層形成剤を6.0g/m2で塗布し、マット層を形成した以外は実施例1と同様にして、電池外装体用積層体原反を得た。
マット層形成剤:アクリルウレタン樹脂の90質量部と、粒径2μmのシリカ粒子の10質量部と、アクリルビーズ(粒径5μm)の1質量部とを、固形分30質量%となるようにメチルエチルケトンに分散させたマット層形成剤、固形分30質量%。
マット層の有無、シーラント層中のエルカ酸アミドの含有量、シーラント層表面の凹凸を下記表1に示すように変更した以外は実施例1又は2と同様に電池外装体用積層体原反を得た。
株式会社東洋精機製作所社製、摩擦測定機TR−2を使用して動摩擦係数を測定し、測定値を下記の評価基準に従って評価した。n数は3とした。下記の評価基準において、△以上を合格とした。
○:動摩擦係数が0.15以下。
△:動摩擦係数が0.15を超え、0.30以下。
×:動摩擦係数が0.30を超える。
サーボモーター式の絞り成形機を用いて、積層体を絞り成形を行った場合に、下記の評価基準に従って評価した。n数は10とした。下記の評価基準において、△以上を合格とした。
○:3.0mmの深さの深絞り成形が可能であった。
△:2.0mmの深さの深絞り成形が可能であった。
×:2.0mmの深さの深絞り成形を行ったところ、破れが生じた。
これに対し、シーラント層中のエルカ酸アミドの含有量が本発明の範囲内である実施例1〜8は、ロール加工時の滑り性及び絞り成形性が△以上であり、合格基準を満たしていた。
実施例2又は4と、実施例5とを比較すると、シーラント層中のエルカ酸アミドの含有量がより多い実施例2又は4の方が、ロール加工時の滑り性及び絞り成形性がより良好であった。
さらに、アイユニット値が低い実施例8は加工性がより優れていた。
Claims (9)
- 少なくともシーラント層、バリア層、基材層をこの順で備える電池外装体用積層体原反であって、前記シーラント層は脂肪酸アミド化合物を含み、前記バリア層はステンレス箔からなり、前記シーラント層の表面における算術平均粗さ(Ra)が、0.01μm以上5.0μm以下であることを特徴とする、電池外装体用積層体原反。
- 前記シーラント層中の脂肪酸アミド化合物の含有量が下記(式1)を満たす、請求項1に記載の電池外装体用積層体原反。
60000/(シーラント層の膜厚(μm))≦(脂肪酸アミド化合物の含有量(ppm))≦100000/(シーラント層の膜厚(μm)) ・・・(式1) - 前記基材層の前記バリア層とは反対の面にマット層を備える、請求項1又は2に記載の電池外装体用積層体原反。
- 前記マット層は、粒径が1.0μm以上5.0μm以下のマット剤を含む請求項3に記載の電池外装体用積層体原反。
- 前記バリア層を構成するステンレス箔のアイユニット値が25以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池外装体用積層体原反。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池外装体用積層体原反を枚葉に切断した電池外装体用積層体。
- 請求項6に記載の積層体を備えた電池外装体。
- 請求項7に記載の電池外装体を備えた電池。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池外装体用積層体原反の製造方法であって、
シーラント層とバリア層とを接着剤を用いて貼り合せる工程と、
前記バリア層と基材層とを接着剤を用いて貼り合せて積層体原反とする工程と、
前記積層体原反をロール状に巻き原反ロールとする工程と、
前記原反ロールを40℃以上の条件で50時間以上加熱する工程と、を有する電池外装体用積層体原反の製造方法。
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