JP2019045436A - ハブユニット軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪の回転方向を検出可能で、かつ、該車輪の回転量や回転速度を高精度に検出できる構造を、小型に構成する。【解決手段】第2のエンコーダ21bを、第1のエンコーダ21aと軸方向に隣接し、かつ、第2の被検出面24bの円周方向に関するN極とS極との配置の位相を、第1の被検出面24aの円周方向に関するN極とS極との配置に対して半ピッチ分ずらせた状態で、外輪に対し支持する。センサユニット22により、円周方向に流れる磁束と、軸方向に流れる磁束とを測定する。【選択図】図2
Description
本発明は、例えば自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持可能で、かつ、車輪の回転方向や回転量、回転速度などを検出可能なハブユニット軸受に関する。
近年、運転者の負担の軽減を図るため、自動運転技術の研究が進められている。自動運転技術では、車両の位置を高精度に把握することが重要である。道路を走行中の車両の位置は、GPS(Global Positioning System)により測定することができる。一方、車庫入れなどのように、限られた移動範囲内で細かい操作を要する場合には、車両の周囲の状況や移動距離、移動方向を、各種センサにより取得する。また、車両の移動距離の正確な把握は、アンチロックブレーキシステム(ABS)などの制御のためにも必要である。
車両の移動距離は、車輪を懸架装置に対し回転自在に支持するためのハブユニット軸受に、エンコーダを組み込んで、車輪の回転量を測定し、その測定結果から算出することができる。このようなハブユニット軸受では、車輪とともに回転する回転輪に支持固定したエンコーダの被検出面に、使用時にも回転しない部分に支持固定したセンサの検出部を対向させている。これにより、エンコーダの回転に伴って変化する、センサの出力信号の周波数または周期に基づいて、エンコーダとともに回転する車輪の回転量を求めることができる。
特開2011−27719号公報には、極数が異なる1対のエンコーダの被検出面に1対のセンサの検出部を対向させ、それぞれのセンサの出力信号に基づいて、回転部材の回転方向に関する絶対位置や回転方向を求める構造が記載されている。また、特開2011−27719号公報に記載の構造では、1対のセンサはそれぞれ、円周方向に離隔して配置された1対のセンサ素子を有する。1対のセンサ素子から得られる出力信号同士の間には、位相差が存在する。特開2011−27719号公報に記載の構造では、このような1対のセンサ素子の出力信号に逓倍処理を施すことにより、回転部材の回転方向に関する位置検出の分解能を向上させている。
しかしながら、特開2011−27719号公報に記載の構造は、小型化を図る面からは改良の余地がある。すなわち、特開2011−27719号公報に記載の構造では、1対のエンコーダの極数が互いに異なっており、軸方向に近接して配置された1対のエンコーダ同士のN極とS極とが干渉するのを防止するため、1対のエンコーダ同士の間に、芯金を径方向に折り返すことにより形成した曲げ形状部を挟持している。このため、エンコーダ設置箇所の軸方向寸法が増大してしまう。
本発明は、上述のような事情に鑑み、車輪の回転方向を検出可能で、かつ、該車輪の回転量や回転速度を高精度に検出できる構造を、小型に構成することを目的としている。
本発明のハブユニット軸受は、静止軌道を有する静止輪と、回転軌道を有する回転輪と、前記静止軌道と前記回転軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、第1のエンコーダと、第2のエンコーダと、センサユニットと、を備える。
前記第1のエンコーダは、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置した第1の被検出面を有する。このような第1のエンコーダは、前記回転輪に対して、同軸にかつ同期した回転を可能に支持されている。
前記第2のエンコーダは、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置した第2の被検出面を有する。このような第2のエンコーダは、径方向または軸方向に関して前記第1のエンコーダと隣接し、かつ、前記第2の被検出面の円周方向に関するN極とS極との配置の位相を、前記第1の被検出面の円周方向に関するN極とS極との配置に対して半ピッチ分ずらせた状態で、前記回転輪に対して、同軸にかつ同期した回転を可能に支持されている。
前記センサユニットは、円周方向に流れる磁束を測定する第1の測定部と、径方向または軸方向に流れる磁束を測定する第2の測定部とを有する。
前記第1のエンコーダは、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置した第1の被検出面を有する。このような第1のエンコーダは、前記回転輪に対して、同軸にかつ同期した回転を可能に支持されている。
前記第2のエンコーダは、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置した第2の被検出面を有する。このような第2のエンコーダは、径方向または軸方向に関して前記第1のエンコーダと隣接し、かつ、前記第2の被検出面の円周方向に関するN極とS極との配置の位相を、前記第1の被検出面の円周方向に関するN極とS極との配置に対して半ピッチ分ずらせた状態で、前記回転輪に対して、同軸にかつ同期した回転を可能に支持されている。
前記センサユニットは、円周方向に流れる磁束を測定する第1の測定部と、径方向または軸方向に流れる磁束を測定する第2の測定部とを有する。
前記第1の測定部の出力信号を、前記第2の測定部の出力信号を用いて逓倍する逓倍処理部を有することができる。
前記静止輪を、外輪とし、前記回転輪を、ハブとすることができる。この場合、前記外輪の軸方向内側開口部を、有底円筒状のカバーにより塞ぐことができる。前記カバーは、円筒状の嵌合筒部と、該嵌合筒部の軸方向内端部から径方向内方に伸長した円板状の底板部とを備えるものとし、前記底板部は、電波透過性を有し、前記外輪の軸方向内側開口部全体を塞ぐものとする。そして、前記センサユニットと、前記第1の測定部の出力信号および前記第2の測定部の出力信号を無線送信するための無線送信部とを、前記底板部の軸方向外側面に支持することができる。
上述のような本発明のハブユニット軸受によれば、車輪の回転方向を検出可能で、かつ、該車輪の回転量や回転速度を高精度に検出できる構造を、小型に構成することができる。
[実施の形態の第1例]
図1および図2は、実施の形態の第1例を示している。本例のハブユニット軸受1は、静止輪である外輪2と、回転輪であるハブ3と、複数個の転動体4と、回転検出装置5とを備える。
図1および図2は、実施の形態の第1例を示している。本例のハブユニット軸受1は、静止輪である外輪2と、回転輪であるハブ3と、複数個の転動体4と、回転検出装置5とを備える。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属により構成されており、複列の外輪軌道6と、外輪2を懸架装置に支持固定するための静止フランジ7とを備える。複列の外輪軌道6は、外輪2の内周面に設けられている。静止フランジ7は、外輪2の軸方向中間部に径方向外方に突出するように設けられている。静止フランジ7の径方向中間部の円周方向複数箇所にはそれぞれ、支持孔8が設けられている。外輪2は、支持孔8のそれぞれに螺合あるいは挿通されたボルトなどの結合部材により、懸架装置を構成するナックルに支持固定される。
ハブ3は、外輪2の内径側に外輪2と同軸に配置されており、複列の内輪軌道9と、車輪および制動用回転体を支持するための回転フランジ10とを備える。複列の内輪軌道9は、ハブ3の外周面のうちで、複列の外輪軌道6と対向する部分に設けられている。回転フランジ10は、軸方向に関して外輪2の軸方向外端面よりも外側に存在するハブ3の軸方向外側部に、径方向外方に突出するように設けられている。回転フランジ10の径方向外側部の円周方向複数箇所にはそれぞれ、取付孔11が設けられている。車輪および制動用回転体は、取付孔11のそれぞれに圧入されたスタッド12、あるいは螺合されたボルトなどにより回転フランジ10に支持される。
なお、軸方向に関して「外」とは、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車両の幅方向外側となる、図1〜図6の左側をいう。反対に、ハブユニット軸受を自動車に組み付けた状態で車両の幅方向中央側となる、図1〜図6の右側を、軸方向に関して「内」という。
転動体4は、軸受鋼などの硬質金属、あるいはセラミックにより構成されており、複列の外輪軌道6と複列の内輪軌道9との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、転動自在に配置されている。なお、図示の例では、転動体4として、玉を使用しているが、円すいころを使用することもできる。
本例では、ハブ3は、中炭素鋼などの硬質金属製のハブ本体13と、軸受鋼などの硬質金属製の内輪14とを組み合わせることにより構成されている。具体的には、本例では、ハブ本体13の軸方向内側部に設けられた小径段部15に、内輪14を外嵌し、この内輪14の軸方向内端面を、ハブ本体13の軸方向内端部に設けられた雄ねじ部に螺合したナット17により抑え付けることにより、ハブ本体13と内輪14とが結合固定されている。ただし、ハブ本体の軸方向内端部に設けられた円筒部のうち、内輪の軸方向内端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させることで形成したかしめ部により、内輪の軸方向内端面を抑え付けることで結合することもできる。あるいは、ハブ本体の小径段部に内輪を圧入することで結合しても良い。
また、複列の内輪軌道9のうちの軸方向外側の内輪軌道9は、ハブ本体13の軸方向中間部に設けられており、軸方向内側の内輪軌道9は、内輪14の外周面に設けられている。回転フランジ10は、ハブ本体13の軸方向外側部に設けられている。
なお、本例では、外輪2の軸方向内端部に内嵌固定した有底円筒状のカバー18により、外輪2の軸方向内側開口が塞がれている。また、外輪2の軸方向外端部に内嵌固定されたシールリング20により、外輪2の内周面とハブ3の外周面との間に存在する円筒状空間19の軸方向外側開口が塞がれている。
回転検出装置5は、1対のエンコーダ21a、21bと、センサユニット22と、信号処理部23とを備える。1対のエンコーダ21a、21bのうちの一方である第1のエンコーダ21aは、円筒状で、外周面に、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置してなる第1の被検出面24aを有する。同様に、他方である第2のエンコーダ21bは、第1のエンコーダ21aと同軸の円筒状で、外周面に、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置してなる第2の被検出面24bを有する。
すなわち、第1の被検出面24aと第2の被検出面24bとは、それぞれ円筒面状で、互いに同軸である。また、第1の被検出面24aの外径寸法と第2の被検出面24bの外形寸法とは互いに等しく、かつ、第1の被検出面24aの極数(N極とS極との総数)と第2の被検出面24bの極数とは、互いに等しくなっている。したがって、第1の被検出面24aのそれぞれの磁極(N極およびS極)の円周方向寸法と、第2の被検出面24bのそれぞれの磁極の円周方向寸法とは、互いに等しくなっている。このような1対のエンコーダ21a、21bは、回転輪であるハブ3に対して、該ハブ3と同軸に、かつ、同期した回転を可能に支持されている。
このために、磁性金属板製で円筒状の芯金25の軸方向外端部を、内輪14の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌している。そして、芯金25の軸方向内側部外周面に、1対のエンコーダ21a、21bを設置している。本例では、第2のエンコーダ21bは、第1のエンコーダ21aの軸方向内側に隣接し、かつ、第2の被検出面24bの円周方向に関するN極とS極との配置の位相を、第1の被検出面24aの円周方向に関するN極とS極との配置に対して半ピッチ分(磁極1個分)ずらせた状態で設けられている。すなわち、第1の被検出面24aのN極の軸方向内側に隣接する位置には、第2の被検出面24bのS極が配置され、第1の被検出面24aのS極の軸方向内側に隣接する位置には、第2の被検出面24bのN極が配置されている。なお、第1のエンコーダ21aと第2のエンコーダ21bとは軸方向に隣接して配置されており、第1のエンコーダ21aと第2のエンコーダ21bとの間には、特開2011−27719号公報に記載の構造が備えていた曲げ形状部のような介在物は設けられておらず、第1のエンコーダ21aと第2のエンコーダ21bとは軸方向に(直に)直接接している。また、本例では、第1のエンコーダ21aの軸方向に関する幅寸法と、第2のエンコーダ21bの軸方向に関する幅寸法とは、互いに同じとなっている。
センサユニット22は、それぞれがホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子などの磁気検出素子である、1対のセンサ素子26a、26bを備える。このようなセンサユニット22は、1対のエンコーダ21a、21bの径方向外方で使用時にも回転しない部分に支持されている。本例では、センサユニット22は、カバー18内に保持された合成樹脂製のセンサホルダ27内に包埋支持されている。すなわち、センサユニット22は、カバー18およびセンサホルダ27を介して、静止輪である外輪2に支持されている。
1対のセンサ素子26a、26bのうちの一方であって、第1の測定部である第1のセンサ素子26aは、第1の被検出面24aのN極から第1の被検出面24aのS極に向かって円周方向に流れる磁束を測定するものである。このために、第1のセンサ素子26aは、検出部による磁束の検出方向を円周方向に一致させた状態で、該検出部を、第1の被検出面24aの軸方向中間部に対向させている。
1対のセンサ素子26a、26bのうちの他方であって、第2の測定部である第2のセンサ素子26bは、第1の被検出面24aと第2の被検出面24bとの間で軸方向に流れる磁束を測定するものである。すなわち、第2のセンサ素子26bは、第1の被検出面24aのN極から第2の被検出面24bのS極に向かって流れる磁束と、第2の被検出面24bのN極から第1の被検出面24aのS極に向かって流れる磁束とを測定する。このために、第2のセンサ素子26bは、検出部による磁束の検出方向を軸方向に一致させた状態で、該検出部を、第1の被検出面24aと第2の被検出面24bとの境界に対向させている。
第1のセンサ素子26aにより測定される磁束の強度(磁束密度)の絶対値は、第1の被検出面24aのN極と第1の被検出面24aのS極との境界で最も大きくなる。これに対し、第2のセンサ素子26bにより測定される磁束の強度の絶対値は、第1の被検出面24aのN極(第2の被検出面24bのS極)の円周方向中央位置、および、第1の被検出面24aのS極(第2の被検出面24bのN極)の円周方向中央位置で最も大きくなる。したがって、第2のセンサ素子26bの出力信号の位相は、ハブ3の回転速度にかかわらず、第1のセンサ素子26aの出力信号の位相に対して1/4周期分ずれる。
信号処理部23は、逓倍処理部28と、回転方向検出部29とを備える。逓倍処理部28は、第1のセンサ素子26aの出力信号を、位相が異なる第2のセンサ素子26bの出力信号を用い逓倍(周波数を整数倍)して出力する。
回転方向検出部29は、ハブ3の回転方向を検出する。すなわち、本例では、ハブ3が、正転方向(自動車の前進方向)に回転すると、第2のセンサ素子26bの出力信号の位相が、第1のセンサ素子26aの出力信号の位相に対して1/4周期分遅れる。これに対し、ハブ3が、逆転方向(自動車の後退方向)に回転すると、第1のセンサ素子26aの出力信号の位相が、第2のセンサ素子26bの出力信号の位相に対して1/4周期分遅れる。したがって、1対のセンサ素子26a、26bのうち、何れのセンサ素子の出力信号の位相が遅れているかを判定することにより、ハブ3の回転方向を判定することができる。
本例のハブユニット軸受1は、第1のエンコーダ21aと第2のエンコーダ21bとを軸方向に隣接する状態で設置し、第1のセンサ素子26aにより円周方向に流れる磁束を測定し、第2のセンサ素子26bにより軸方向に流れる磁束を測定することにより、ハブ3の回転速度にかかわらず、位相差が一定の1対の出力信号を得るように構成されている。そして、本例では、第1のセンサ素子26aの出力信号を、位相差が異なる第2のセンサ素子26bの出力信号を用い逓倍することにより、周波数を向上させた第1のセンサ素子26aの出力信号に基づいてハブ3の回転量や回転速度を算出するようにしている。この結果、ハブ3の回転量や回転速度の算出の分解能を高くでき、車両の移動量や移動速度を高精度に検出することができる。
なお、1個のセンサ素子の出力信号を、コイルやコンデンサなどを用いて位相をずらした波形を生成し、この波形を用いて逓倍したり、出力信号を、1回乃至複数回微分して得られた波形を用いて逓倍したりすることも考えられる。しかしながら、コイルやコンデンサなどを用いた方法や出力信号を微分する方法では、ハブの回転速度変化の影響により、回転量や回転速度の検出誤差が大きくなる可能性がある。
また、本例のハブユニット軸受1では、ハブ3の回転速度にかかわらず、位相差が一定の1対の出力信号を得ることができるため、1対のセンサ素子26a、26bのうち、何れのセンサ素子の出力信号が遅れているかを判定することにより、ハブ3の回転方向、すなわち、車両の移動方向を判定することもできる。
また、本例のハブユニット軸受1では、第1のエンコーダ21aと第2のエンコーダ21bとの間に、第1の被検出面24aの磁極と第2の被検出面24bの磁極との干渉を防止するための曲げ形状部を設けていない。したがって、特開2011−27719号公報に記載の構造と比較して、1対のエンコーダ21a、21bの設置箇所の軸方向寸法を短くすることができ、ハブユニット軸受1を小型に構成することができる。
また、1対のエンコーダ21a、21bは、極数が互いに同じで、かつ、N極とS極とを等間隔に配置しているため、N極とS極との着磁を全周にわたって一様に行うことができて、容易に製造することができる。
さらに、1対のエンコーダ21a、21bのうちの何れのエンコーダにおいても、N極から出る磁束は、円周方向両側に隣接するS極と、軸方向に隣接するS極との3方向に向かって流れる。このため、1対のエンコーダ21a、21bの極数を互いに同じとし、かつ、N極とS極とを等間隔に配置したこととも相まって、磁束の流れを安定させることができる。
なお、1対のセンサ素子26a、26bとしては、磁束の強度(磁束密度)に応じた信号を出力するものを使用することもできるし、磁束の向きに応じた矩形波状の2値信号を出力するものを使用することもできる。
また、本例では、本発明が、いわゆる内輪回転型のハブユニット軸受に適用されているが、本発明は、いわゆる外輪回転型のハブユニット軸受に適用することもできる。この場合には、車輪とともに回転する外方部材に1対のエンコーダを支持固定する。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例では、第2のエンコーダ21cの軸方向に関する幅寸法W21cが、第1のエンコーダ21aの軸方向に関する幅寸法W21aよりも小さくなっている(W21c<W21a)。具体的には、第2のエンコーダ21cの軸方向に関する幅寸法W21cを、第1のエンコーダ21aの軸方向に関する幅寸法W21aの1/3〜2/3程度としており、図示の例では、約1/2としている。
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例では、第2のエンコーダ21cの軸方向に関する幅寸法W21cが、第1のエンコーダ21aの軸方向に関する幅寸法W21aよりも小さくなっている(W21c<W21a)。具体的には、第2のエンコーダ21cの軸方向に関する幅寸法W21cを、第1のエンコーダ21aの軸方向に関する幅寸法W21aの1/3〜2/3程度としており、図示の例では、約1/2としている。
このような本例によれば、実施の形態の第1例と比較して、1対のエンコーダ21a、21cの設置箇所の軸方向寸法をより小さくすることができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4および図5は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のハブユニット軸受1aでは、内輪14の軸方向内端面を、ハブ本体13aの軸方向内端部に設けられた円筒状部分を径方向外方に塑性することにより形成されたかしめ部39により抑え付けることで、ハブ本体13aと内輪14とを結合固定することにより、ハブ3aを構成している。
図4および図5は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のハブユニット軸受1aでは、内輪14の軸方向内端面を、ハブ本体13aの軸方向内端部に設けられた円筒状部分を径方向外方に塑性することにより形成されたかしめ部39により抑え付けることで、ハブ本体13aと内輪14とを結合固定することにより、ハブ3aを構成している。
外輪2の内周面とハブ3aの外周面との間に存在する円筒状空間19の軸方向内側開口は、外輪2の軸方向内端部に内嵌固定した有底円筒状のカバー18aにより塞がれている。カバー18aは、ABS樹脂やAS樹脂などの電波透過性を有する材料製で、略円輪板状に構成された底板部である塞ぎ部30と、該塞ぎ部30に軸方向内側部がモールドされた、略円筒状で金属製の嵌合筒部31とを備える。カバー18aは、嵌合筒部31の軸方向外側部を外輪2の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌することにより、外輪2に支持されている。この状態で、塞ぎ部30は、外輪2の軸方向内側開口部全体を塞いでいる。また、塞ぎ部30は、電波透過性を有するため、該塞ぎ部30を挟んだ軸方向両側で無線通信が可能となっている。なお、塞ぎ部30の軸方向に関する厚さ寸法は、1mm〜3mm程度である。なお、塞ぎ部30は、後述するセンサホルダ27aの設置部を除く軸方向外側面、または、アンテナホルダ37の設置部を除く軸方向内側面に、図示しないリブを設けることにより補強しても良い。
本例では、第1のエンコーダ21dは、円輪状で、軸方向内側面に、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置してなる第1の被検出面24cを有する。同様に、第2のエンコーダ21eは、円輪状で、軸方向内側面に、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置してなる第2の被検出面24dを有する。また、第1の被検出面24cの極数と第2の被検出面24dの極数とは、互いに等しくなっている。第2のエンコーダ21eの径方向に関する幅寸法W21eは、第1のエンコーダ21dの径方向に関する幅寸法W21dよりも小さくなっている(W21e<W21d)。
このような1対のエンコーダ21d、21eは、径方向に関して互いに隣接した状態で、ハブ3aに対し支持されている。このために、1対のエンコーダ21d、21eを支持するための芯金25aは、断面L字形で円環状に構成されており、円筒部32と、該円筒部32の軸方向内端部から軸方向内側に向かうほど直径が大きくなる方向に傾斜した円すい台状の傾斜筒部33と、該傾斜筒部33の軸方向内端部から径方向内方に折れ曲がった円輪部34とを備える。芯金25aは、円筒部32を内輪14の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌することにより、ハブ3aに支持されている。
第1のエンコーダ21dは、円輪部34の径方向内側部に設置されている。第2のエンコーダ21eは、第1のエンコーダ21dの径方向外側に隣接し、かつ、第2の被検出面24dの円周方向に関するN極とS極との配置の位相を、第1の被検出面24cの円周方向に関するN極とS極との配置に対し半ピッチ分ずらせた状態で、円輪部34の径方向外側部に設置されている。また、第1の被検出面24cと第2の被検出面24dとは、ハブ3aの中心軸に直交する同一の仮想平面内に配置されている。
本例では、センサユニット22aは、1対のセンサ素子26c、26dを備える。1対のセンサ素子26c、26dは、カバー18aの塞ぎ部30の軸方向外側面に支持固定された合成樹脂製のセンサホルダ27aに包埋支持されている。1対のセンサ素子26c、26dのうち、第1のセンサ素子26cは、第1の被検出面24cのN極から第1の被検出面24cのS極に向かって円周方向に流れる磁束を測定するものである。このために、第1のセンサ素子26cは、検出部による磁束の検出方向を円周方向に一致させた状態で、該検出部を、第1の被検出面24cの径方向中間部に対向させている。
1対のセンサ素子26c、26dのうち、第2のセンサ素子26dは、第1の被検出面24cと第2の被検出面24dとの間で径方向に流れる磁束を測定するものである。すなわち、第2のセンサ素子26dは、第1の被検出面24cのN極から第2の被検出面24dのS極に向かって流れる磁束と、第2の被検出面24dのN極から第1の被検出面24cのS極に向かって流れる磁束とを測定する。このために、第2のセンサ素子26dは、検出部による磁束の検出方向を径方向に一致させた状態で、該検出部を、第1の被検出面24cと第2の被検出面24dとの境界に対向させている。
本例でも、第2のセンサ素子26dの出力信号の位相は、ハブ3の回転速度にかかわらず、第1のセンサ素子26cの出力信号の位相に対し1/4周期分ずれる。
本例では、1対のセンサ素子26c、26dの出力信号を、センサホルダ27aに包埋された無線送信部35から無線送信可能となっている。このような無線送信部35に電力を供給するために、センサホルダ27aに発電コイル36を包埋し、該発電コイル36を第1の被検出面24cまたは第2の被検出面24dに対向させている。すなわち、ハブ3の回転に伴って、第1のエンコーダ21dおよび第2のエンコーダ21eが回転すると、発電コイル36内の磁場が変化して電流が流れ、無線送信部35に電力を供給される。発電コイル36は、無線送信部35から送信された電波が塞ぎ部30を透過できる程度の電力を無線送信部35に供給できれば良く、センサホルダ27aに包埋できる程度の大きさで足りる。
なお、センサホルダ27aのうち、発電コイル36が包埋された位置は、1対のセンサ素子26c、26dへの干渉を防止すべく、それぞれのセンサ素子26c、26dが包埋された位置から円周方向に外れた位置となっている。また、発電コイル36により発電した電力を蓄えるためのバッテリをセンサホルダ27aに包埋することもできる。
塞ぎ部30の軸方向内側面のうちで、円周方向に関する位相がセンサホルダ27aと一致する部分には、アンテナホルダ37が支持されており、該アンテナホルダ37に、1対のセンサ素子26c、26dの出力信号を受信するための無線受信部38が包埋されている。そして、無線受信部38により受信した1対のセンサ素子26c、26dの出力信号を、アンテナホルダ37のケーブル接続部40に接続したケーブル41を介して、逓倍処理部28および回転方向検出部29(図2参照)に送信するようにしている。
なお、アンテナホルダ37の外周面および軸方向内側面、並びに、アンテナホルダ37近傍の塞ぎ部30の軸方向内側面に、金網などの電磁シールド材を包埋すれば、ノイズの発生を防止でき、無線受信部38が受信する信号の劣化を防止することができる。
本例のハブユニット軸受1aは、塞ぎ部30の軸方向外側面にセンサホルダ27aを支持し、該センサホルダ27aに包埋された1対のセンサ素子26c、26dの出力信号を無線送信部35から無線送信し、塞ぎ部30の軸方向内側面に支持されたアンテナホルダ37内に包埋された無線受信部38により受信するように構成されている。このため、カバー18aの塞ぎ部30により、円筒状空間19の軸方向内側開口を完全に密封することができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図6は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例では、1対のエンコーダ21d、21eをハブ3a(図4参照)に対し支持するための芯金25bが、実施の形態の第3例の芯金25aと比較して簡単に構成されている。芯金25bは、断面L字形で円環状に構成されており、円筒部32aと、該円筒部32aの軸方向内端部から径方向内方に折れ曲がった円輪部34aとを備える。すなわち、芯金25bは、実施の形態の第3例の芯金25aが有する傾斜筒部33を備えていない。
図6は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例では、1対のエンコーダ21d、21eをハブ3a(図4参照)に対し支持するための芯金25bが、実施の形態の第3例の芯金25aと比較して簡単に構成されている。芯金25bは、断面L字形で円環状に構成されており、円筒部32aと、該円筒部32aの軸方向内端部から径方向内方に折れ曲がった円輪部34aとを備える。すなわち、芯金25bは、実施の形態の第3例の芯金25aが有する傾斜筒部33を備えていない。
このような芯金25bは、円筒部32aを内輪14(図4参照)の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌することにより、ハブ3aに支持されている。また、円輪部34aの軸方向内側面には、1対のエンコーダ21d、21eが支持されている。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例〜第3例と同様である。
1、1a ハブユニット軸受
2 外輪
3、3a ハブ
4 転動体
5 回転検出装置
6 外輪軌道
7 静止フランジ
8 支持孔
9 内輪軌道
10 回転フランジ
11 取付孔
12 スタッド
13、13a ハブ本体
14 内輪
15 小径段部
17 ナット
18、18a カバー
19 円筒状空間
20 シールリング
21a、21b、21c、21d、21e エンコーダ
22、22a センサユニット
23 信号処理部
24a、24b、24c、24d 被検出面
25、25a、25b 芯金
26a、26b、26c、26d センサ素子
27、27a センサホルダ
28 逓倍処理部
29 回転方向検出部
30 塞ぎ部
31 嵌合筒部
32、32a 円筒部
33 傾斜筒部
34、34a 円輪部
35 無線送信部
36 発電コイル
37 アンテナホルダ
38 無線受信部
39 かしめ部
40 ケーブル接続部
41 ケーブル
2 外輪
3、3a ハブ
4 転動体
5 回転検出装置
6 外輪軌道
7 静止フランジ
8 支持孔
9 内輪軌道
10 回転フランジ
11 取付孔
12 スタッド
13、13a ハブ本体
14 内輪
15 小径段部
17 ナット
18、18a カバー
19 円筒状空間
20 シールリング
21a、21b、21c、21d、21e エンコーダ
22、22a センサユニット
23 信号処理部
24a、24b、24c、24d 被検出面
25、25a、25b 芯金
26a、26b、26c、26d センサ素子
27、27a センサホルダ
28 逓倍処理部
29 回転方向検出部
30 塞ぎ部
31 嵌合筒部
32、32a 円筒部
33 傾斜筒部
34、34a 円輪部
35 無線送信部
36 発電コイル
37 アンテナホルダ
38 無線受信部
39 かしめ部
40 ケーブル接続部
41 ケーブル
Claims (3)
- 静止軌道を有する静止輪と、回転軌道を有する回転輪と、前記静止軌道と前記回転軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、第1のエンコーダと、第2のエンコーダと、センサユニットと、を備え、
前記第1のエンコーダは、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置した第1の被検出面を有し、前記回転輪に対して、同軸にかつ同期した回転を可能に支持されており、
前記第2のエンコーダは、N極とS極とを円周方向に関して交互に、かつ、等間隔に配置した第2の被検出面を有し、径方向または軸方向に関して前記第1のエンコーダと隣接し、かつ、前記第2の被検出面の円周方向に関するN極とS極との配置の位相を、前記第1の被検出面の円周方向に関するN極とS極との配置に対して半ピッチ分ずらせた状態で、前記回転輪に対して、同軸にかつ同期した回転を可能に支持されており、
前記センサユニットは、円周方向に流れる磁束を測定する第1の測定部と、径方向または軸方向に流れる磁束を測定する第2の測定部とを有する、
ハブユニット軸受。 - 前記第1の測定部の出力信号を、前記第2の測定部の出力信号を用いて逓倍する逓倍処理部を有する、請求項1に記載のハブユニット軸受。
- 前記静止輪である外輪の軸方向内側開口部が、有底円筒状のカバーにより塞がれており、
前記カバーが、円筒状の嵌合筒部と、該嵌合筒部の軸方向内端部から径方向内方に伸長した円板状の底板部とを備えており、
前記底板部は、電波透過性を有し、前記外輪の軸方向内側開口部全体を塞いでおり、
前記センサユニットと、前記第1の測定部の出力信号および前記第2の測定部の出力信号を無線送信するための無線送信部とが、前記底板部の軸方向外側面に支持されている、請求項1または2に記載のハブユニット軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017171709A JP2019045436A (ja) | 2017-09-07 | 2017-09-07 | ハブユニット軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017171709A JP2019045436A (ja) | 2017-09-07 | 2017-09-07 | ハブユニット軸受 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019045436A true JP2019045436A (ja) | 2019-03-22 |
Family
ID=65814703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017171709A Pending JP2019045436A (ja) | 2017-09-07 | 2017-09-07 | ハブユニット軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019045436A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023167247A1 (ja) * | 2022-03-04 | 2023-09-07 | Ntn株式会社 | 軸受装置 |
-
2017
- 2017-09-07 JP JP2017171709A patent/JP2019045436A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023167247A1 (ja) * | 2022-03-04 | 2023-09-07 | Ntn株式会社 | 軸受装置 |
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