JP2006177865A - 磁気エンコーダおよびそれを備えた車輪用軸受装置 - Google Patents

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Shogo Suzuki
昭吾 鈴木
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Abstract

【課題】 1つの磁気センサで回転速度および回転方向の両方を検出でき、かつコンパクトな構成で安定したセンシングの行える磁力が得られ、高精度化が可能であり、また磁性粉のみを混合させたものに比べて強度的に優れた磁気エンコーダを提供する。
【解決手段】 この磁気エンコーダ11は、リング状に形成されて全周に着磁部13を有する。着磁部13の肉厚は、円周方向に正逆の方向性を有するように、円周方向に沿って変化させてある。具体的には、着磁部13は、円周方向に一定の区間R毎に肉厚が変化し、各区間Rの肉厚が、前記正逆の方向性を有するように変化するものとしてある。各区間Rは、円周方向にNS交互に着磁された複数の磁極を有するものとしてある。着磁部13の材質は、磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、相対回転する軸受部の回転検出装置等に用いられる磁気エンコーダ、およびそれを備えた車輪用軸受装置に関する。
アンチロックブレーキシスム(ABS)を備えた自動車では、ABSを制御するために、車輪の回転速度を検出する回転検出装置が軸受装置に組み込まれる。この場合の回転検出装置は、例えば回転側軌道輪である内輪に、リング状の着磁部を有する磁気エンコーダを固定すると共に、固定側軌道輪である外輪に、前記磁気エンコーダに対向して磁気センサを固定して構成される(例えば特許文献1)。磁気エンコーダの着磁部には、円周方向に磁極N,Sが所定のピッチで交互に着磁されており、内輪と一体に回転する磁気エンコーダの磁極変化を磁気センサで検出することにより車輪の回転速度が検出される。
前記磁気エンコーダの着磁部としては、磁性粉をゴムに混合させたゴム磁石や、磁性粉をプラスチックに混合させたプラスチック磁石が一般的である。しかし、これらゴム磁石やプラスチック磁石は、バインダ成分に対する磁性粉の含有率を上げ難いため、磁気センサに安定してセンシングされる磁力を得ようとすると、大型化する。
磁性体の含有率を上げることを可能としたものとしては、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体を用い、これに着磁して多極磁石としてものが提案されている(例えば、特許文献2)。この磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体で多極磁石を構成したものは、安定したセンシングが行える磁力が確保でき、かつ磁性粉のみを混合させたものと異なり、バインダ成分として非磁性金属粉が混入されているため、強度的にも優れるという利点がある。
ところで、近年の自動車制御では、車輪の回転方向を検出して、坂道発進時に車輪が後退するのを防止する等の制御が求められており、上記構成の回転検出装置ではこのような要請に応えることができない。上記回転検出装置において、その磁気エンコーダをそのまま用いて回転方向を検出するには、磁気エンコーダの円周方向に所定の間隔を隔てて2つの磁気センサを配置し、これら両磁気センサの検出信号の位相差から回転方向を検出すれば良い。
しかし、このように2つの磁気センサを設ける構成では、コスト増および組立工数の増大を招くという問題がある。
そこで、1つの磁気センサで回転方向の検出を可能とする被検出体として、図8に示すように、外周部に周方向に並ぶ複数種類の歯40a,40b,40cを有するギヤ形のパルサリング40を用いた回転検出装置が提案されている(例えば特許文献3)。この例では、2種類の歯40a,40bは互いに幅a,bが異なり、所定の並び方向に隣接して並べられてパターンセットを成し、そのパターンセットが周方向に繰り返すように配置されている。他の1種類の歯40cは、前記各歯40a,40bと異なる幅cのキーパタンー用とされ、前記パターンセットの間に少なくとも一つ配置される。
このように構成された回転検出装置の場合、パルサリング40の回転に伴い磁気センサ41が検出する検出信号は、各歯40a,40b,40cに対応するパルス幅のパルス信号となり、そのパルス数は回転速度に比例したものとなる。また、歯40cに対応するキーパターン用のパルス信号と歯40a,40bに対応するパルス信号との位相関係から、回転方向を検出することができる。
また、従来、単一のセンサを用いた回転部材の回転速度、回転方向、および絶対角度を同時に検出可能な磁気エンコーダとして、センサ対向面とセンサ間の距離を位置よって変化させたものが提案されている(特許文献4)。センサは、前記距離の変化を測定することにより上記回転速度や、回転方向等の回転状態を検出する。磁気エンコーダの材料としては、フェライト磁石や磁性粉末をプラスチックに混合したボンド磁石等が使用される。
特開2003−269476号公報 特開平2004−85536号公報 特開2003−302414号公報 特開2004−053589号公報
自動車ABS用の回転速度検出の要求精度は高く、現在では単一ピッチ誤差±5%程度である。特許文献2に開示の回転検出装置におけるパルサリング40は、歯40a,40b,40cの幅をそれぞれ異ならせたものであるため、ピッチ精度が極端に悪くなる仕様であり、ABS用等の車両速度制御用には使用できない。
近年、ABS用の回転検出装置の主流は、極低速域まで検出可能なアクティブセンサであり、被検出体としてゴム磁石等に着磁した磁気エンコーダが使用される。これに対し、特許文献2に開示の回転検出装置のパルサリングは、同図のようなギヤ型エンコーダ、または窓抜きエンコーダ等に適用される技術であり、アクティブセンサには不向である。
特許文献4に示される磁気エンコーダは、センサ対向面とセンサ間の距離を位置よって変化させたものであるため、回転速度、回転方向、絶対角度等を同時に検出可能な面で優れている。しかし、その着磁部が、フェライト磁石、または磁性粉末をプラスチックに混合したボンド磁石からなるため、次の課題がある。フェライト磁石の場合は、センサ対向面とセンサ間の距離が位置よって変化する複雑な形状に加工することが困難であり、材料の歩留りも悪い。磁性粉末をプラスチックに混合したボンド磁石を用いる場合は、磁性粉の含有率を上げることが難しいため、磁気センサに安定したセンシングされる磁力を得るには、磁気エンコーダが大きくなる。
この発明の目的は、1つの磁気センサで回転速度および回転方向の両方を検出でき、かつコンパクトな構成で安定したセンシングの行える磁力が得られ、また磁性粉のみを混合させたものに比べて強度的に優れた磁気エンコーダ、およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供することである。
この発明の磁気エンコーダは、リング状に形成されて全周に着磁部を有し、この着磁部が磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体であり、前記着磁部の肉厚が、円周方向に正逆の方向性を有するように、円周方向に沿って変化するものである。
この構成によると、前記着磁部とこれに対面させて1つの磁気センサを配置した場合、磁気エンコーダの着磁部と磁気センサとの間のエアギャップ量が、磁気エンコーダの所定方向の回転時には増大し、逆方向に回転するときは減少する。このことから、磁気センサの検出出力レベルが、磁気エンコーダの回転方向によって増大または減少し、この増減によって回転方向を検出することができる。また、回転速度は、出力レベルの変化の繰り返し周期などから検出することができる。したがって、この磁気エンコーダによると、1つの磁気センサで回転速度および回転方向の両方を検出することができる。
また、前記着磁部が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなるため、安定したセンシングが行える磁力が確保でき、かつ磁性粉のみの焼結体に比べて強度的に優れるという利点がある。特に、この磁気エンコーダは、着磁部の肉厚が、円周方向に沿って変化するものであるため、上記混合粉を焼結させた焼結体を用いて安定したセンシングが行える磁力確保の効果が、有効に発揮される。
この発明において、前記着磁部は、円周方向に一定の区間毎に肉厚が変化し、各区間の肉厚が、前記正逆の方向性を有するように変化するものとしても良い。この構成の場合、磁気センサが検出する前記1区間の出力波形のレベル変化だけで、回転方向を検出することができる。
この場合に、前記各区間が、円周方向にNS交互に着磁された複数の磁極を有するものとしても良い。この構成の場合、磁気センサが検出する前記1区間の出力波形には、1区間に含まれる複数の磁極に対応して複数のピーク値部分が現れ、これらのピーク値部分は段階的に増大または減少する。したがって、1区間での前記複数のピーク値部分の増減から、回転方向を検出することができる。また、回転速度は、前記出力波形に現れるピーク値部分の単位時間当たりの数によって検出することができる。
この発明において、リング状の芯金に前記着磁部を設けたスリンガ兼用の磁気エンコーダとし、この磁気エンコーダは、前記芯金に摺接するシールと組合せられてシール付きエンコーダを構成するエンコーダ部分となるものとしても良い。この構成の場合、回転検出装置の構成部品である磁気エンコーダの芯金をシールのスリンガとして兼用するため、部品点数を増やすことなく、高い密封機能を持たせることができる。
この発明のエンコーダ付き転がり軸受は、内輪および外輪とこれら内外輪間に介在した転動体とを有し、前記内輪および外輪のうちの回転側輪にこの発明の前記いずれかの構成の磁気エンコーダを取付けたものである。
この構成によると、1つの磁気センサにより、回転速度および回転方向を検出することのできるエンコーダ付き転がり軸受となる。そのため、回転速度および回転方向の検出機能を有しながら、コンパクトな構成のエンコーダ付き転がり軸受とできる。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、前記内方部材および外方部材のうちの回転側の部材にこの発明の前記いずれかの構成の磁気エンコーダを取付けたことを特徴とする。
この構成によると、車輪と共に回転する前記回転側の部材の回転が、この部材に取付けられた磁気エンコーダを介して磁気センサで検出され、車輪の回転速度および回転方向が検出される。前記磁気エンコーダは、着磁部を設けた形式のものであるため、ピッチ誤差の小さなものとできて、磁気センサの検出信号をABSによる車両速度制御に適用でき、また回転方向の検出が可能なため、坂道発進時の車輪後退防止制御等に適用することもでできる。
車輪用軸受装置は、一般に路面にされされた厳しい環境下にあるが、磁気エンコーダの着磁部が磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、安定したセンシングが可能である。車輪用軸受装置は、磁気エンコーダとこれに対面する磁気センサとの間に砂粒等の粒子を噛み込むことがあるが、上記混合粉の焼結体を着磁に用いたものであるとゴム磁石やプラスチック磁石等に比べて硬い。そのため、走行中に砂粒等の噛み込みか生じても、着磁の摩耗,損傷低減される。
この発明の磁気エンコーダは、リング状に形成されて全周に着磁部を有し、この着磁部が磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体であり、前記着磁部の肉厚が、円周方向に正逆の方向性を有するように、円周方向に沿って変化したものであるため、1つの磁気センサで回転速度および回転方向の両方を検出することができ、かつコンパクトな構成で安定したセンシングの行える磁力が得られ、また磁性粉のみを混合させたものに比べて強度的に優れたものとなる。
この発明の車輪用軸受装置は、互いに転動体を介して回転可能な内方部材および外方部材のうちの回転側の部材に、この発明の磁気エンコーダを取付けたため、ABSによる車両速度制御や、坂道発進時の車輪後退防止制御等に適用でき、また一つの磁気センサで回転速度および回転方向の両方が可能なため、センサ系がコンパクトになる。しかも、着磁部が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなるため、その安定したセンシングが行える磁力確保、および磁性粉のみの焼結体に比べて強度的に優れるという効果が、有効に発揮される。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1はこの実施形態の磁気エンコーダの斜視図を示し、図2(A)はその正面図を、図2(B)は図2(A)におけるX−X矢視断面図をそれぞれ示す。この磁気エンコーダ11は、全体がリング状に形成されたものであって、断面L字状とした鋼板製の芯金12の立板部12bの表面全周に着磁部13を設けて構成される。
着磁部13の肉厚は、円周方向に正逆の方向性を有するように、円周方向に沿って変化させてある。具体的には、前記着磁部13は、円周方向に複数の区間Rに区分されて、各区間R毎に正逆の方向性を有するように、肉厚が変化させてある。各区間Rは一定の区間幅とされ、肉厚変化も同じとなる繰り返し形状とされている。ここでは、各区間Rの肉厚は、所定方向に漸増して区間の変わり目で最大肉厚となるように変化させてある。したがって、着磁部13の円周方向に沿う展開形状の断面形状は、鋸歯状の形状となる。
また、図2(A)におけるY−Y矢視断面図を拡大して図3に示すように、各区間Rには、円周方向に磁極N,Sが交互に並ぶように複数の磁極が着磁されている。ここでは、1区間R毎に磁極N,Sの対が3対並べて着磁されている。
着磁部13の材質は、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を成形して焼結させた焼結体とされている。その着磁は、例えば焼結後に行われる。
着磁部13に混入する磁性粉としては、バリウム系およびストロンチウム系などの等方性または異方性フェライト粉であっても良い。また、磁性粉は希土類系磁性材料であっても良い。例えば希土類系磁性材料であるサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉やネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉のそれぞれ単独磁性粉であっても良い。また、磁性粉はマンガンアルミ(MnAl)ガスアトマイズ粉であっても良い。上記磁性粉は、これらサマリウム鉄(SmFeN)系磁性粉、ネオジウム鉄(NdFeB)系磁性粉、およびマンガンアルミ(MnAl)ガスアトマイズ粉のいずれか2種以上を混合させたものであっても良い。
着磁部13を形成する非磁性金属粉には、スズ、銅、アルミ、ニッケル、亜鉛、タングステン、マンガンなどの粉体、または非磁性のステンレス系金属粉のいずれか単独(1種)の粉体、もしくは2種以上からなる混合した粉体、もしくは2種以上からなる合金粉末を使用することができる。
この磁気エンコーダ11は、例えば軸受の回転側軌道輪に固定され、磁気エンコーダ11の前記着磁部13に対向させて固定側軌道輪に固定されるアクティブ型の磁気センサ14とで、回転検出装置10が構成される。磁気センサ14はホール素子などからなり、磁気エンコーダ11の回転に伴う磁界の変化を検出する。
図4は、図3において、磁気エンコーダ11が矢印Pの方向(右回り)に回転する場合の磁気センサ14の出力波形図を示す。この場合、1区間Rの出力波形には、1区間Rに含まれる3対の磁極N,Sに対応して3組のピーク値部分が現れる。ここでは、1区間Rでの着磁部13と磁気センサ14との間のエアギャップは磁気エンコーダ11の回転に伴い増大するので、出力波形での3組のピーク値部分は段階的に減少する。
磁気エンコーダ11の回転方向が逆の場合には、図4における1区間Rの出力波形での3組のピーク値部分は段階的に増大する。したがって、1区間Rでの前記3組のピーク値部分の増減から、回転方向を検出することができる。また、回転速度は、前記出力波形に現れるピーク値部分の単位時間当たりの数によって検出することができる。
このように、この構成の磁気エンコーダ11によると、1つの磁気センサ14で回転速度および回転方向の両方を検出することができる。そのため、回転速度および回転方向の検出機能を備えながら、安価なものとできる。また、着磁部13を設けた形式のものであるため、高精度な回転検出が行える。
また、着磁部13が、磁性粉と非磁性金属粉との混合粉を焼結させた焼結体からなるため、安定したセンシングが行える磁力が確保でき、かつ磁性粉のみの焼結体に比べて強度的に優れる。特に、この磁気エンコーダ11は、着磁部13の肉厚が、円周方向に沿って変化するものであるため、上記混合粉を焼結させた焼結体を用いて安定したセンシングが行える磁力確保の効果が、その方向検出や、検出精度の面で有効に発揮される。
なお、前記実施形態では、磁気エンコーダ11の着磁部13の1区間Rの磁極対を3対としたが、4対以上としても良い。また、前記実施形態では、磁気エンコーダ11の着磁部13を複数区間に区分したが、このような区分を行わず、着磁部13の肉厚をその1周にわたって一方向に漸増させるようにしても良い。
図5は、図1の実施形態に係る磁気エンコーダ11を備えた転がり軸受の一例を示す。この転がり軸受1は、転動体4を介して互いに回転自在な回転側軌道輪2および固定側軌道輪3を有し、回転側軌道輪2の一端部に磁気エンコーダ11が取付けられている。この転がり軸受1は 深溝玉軸受からなり、その内輪が回転側軌道輪2となり、外輪が固定側軌道輪3となる。回転側軌道輪2の外径面および固定側軌道輪3の内径面には転動体4の軌道面2a,3aが形成されており、転動体4は保持器5で保持されている。回転側軌道輪2と固定側軌道輪3の間の環状空間は、前記磁気エンコーダ11の設置側とは反対側の端部がシール部材6で密封されている。
磁気エンコーダ11は、その芯金12の円筒部12aを回転側軌道輪2の外径面に圧入嵌合することにより、回転側軌道輪2に取付けられる。この磁気エンコーダ11と、その着磁部13に対して軸方向に対面配置される磁気センサ14とで回転検出装置10が構成される。磁気センサ14は、固定側軌道輪3や、固定側軌道輪3を支持するハウジング(図示せず)等の固定側部材に、直接または別の取付部材を介して取付けられる。
この磁気エンコーダ付き転がり軸受1によると、1つの磁気センサ14により、回転側軌道輪2の回転速度および回転方向を検出することができる。
図6は、前記磁気エンコーダ11を備えた車輪用軸受装置の一例を示す。この車輪用軸受装置20は第3世代型のものであって、内周に複列の軌道面21aを有する外方部材21と、これら軌道面21aに対向する軌道面22aを外周に有する内方部材22と、対向する軌道面21a,22a間に介在した複列の転動体23とを備える。転動体23は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられている。転動体23は各列毎に保持器24で保持されている。内外の部材22,21間の端部環状空間の両端は、シール28,29で密封される。一端のシール29は磁気エンコーダ11と組合せられたものである。
この車輪用軸受装置20は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その内方部材22は、ハブ輪25とその軸部外周に嵌合する内輪26とでなり、各転動体列の軌道面22a,22aがハブ輪25および内輪26の各外周にそれぞれ形成されている。ハブ輪25はその外周に車輪取付用フランジ部25aを有し、このフランジ部25aに車輪(図示せず)がボルト27で取付けられる。外方部材21は、その外周のフランジ部21bを介して懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。
図7は、磁気エンコーダ11と組合わせられるシール29の設置部を拡大して示す。このシール29は、磁気エンコーダ11とシール部材34とでなり、磁気エンコーダ11はその芯金12がスリンガとなってシール付きエンコーダ30のエンコーダ部分を構成する。磁気エンコーダ11は、外方部材21および内方部材22のうちの回転側の部材に取付けられ、シール部材34は固定側の部材に取付けられる。この例では、内方部材22が回転側であり、外方部材21が固定側であるため、内方部材22の内輪26に磁気エンコーダ11が、外方部材21にシール部材34がそれぞれ取付けられる。
磁気エンコーダ11は、その芯金円筒部12aを内方部材内輪26の外径面に圧入嵌合することで内方部材22に取付けられる。この磁気エンコーダ11の着磁部13に対面して、図7のように磁気センサ14を配置することで、回転検出装置10が構成される。
シール部材34は、シール芯金35と、このシール芯金35に加硫接着された弾性体36とでなる。シール芯金35は、圧入用の円筒部35aと、この円筒部35aの一端から内径側に伸びる立板部35bとを有する断面逆L字状の金属製環体とされており、その円筒部35aを外方部材21の内径面に圧入嵌合することで外方部材21に取付けられる。このシール部材34は、磁気エンコーダ11の芯金立板部12bに摺接するサイドリップ36aと芯金円筒部12aに摺接するラジアルリップ36b,36cとを一体に有する。これらリップ36a〜36cは、シール芯金35に加硫接着された弾性体36の一部として設けられている。シール部材34は、シール芯金35の外方部材21との嵌合部に弾性体36を抱持したものとしてある。すなわち、弾性体36は、シール芯金35の円筒部35aの内径面から先端部外径までを覆う先端覆い部36dを有するものとし、この先端覆い部36dが、シール芯金35と外方部材21との嵌合部に介在する。シール芯金35の円筒部35aと磁気エンコーダ11の芯金立板部12bとは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール38を構成している。
この構成の車輪用軸受装置20によると、車輪と共に回転する内方部材22の回転が、この内方部材22に取付けられた磁気エンコーダ11を介して磁気センサ14で検出され、車輪の回転速度および回転方向が検出される。これにより、磁気センサ14の検出信号をABSに取り込むことで、車両速度制御や、坂道発進時に車輪が後退するのを防止する制御等が可能となる。
車輪用軸受装置は、一般に路面にされされた厳しい環境下にあるが、磁気エンコーダ11の着磁部13が磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体であるため、安定したセンシングが可能である。また、車輪用軸受装置は、磁気エンコーダ11とこれに対面する磁気センサ14との間に砂粒等の粒子を噛み込むことがあるが、上記混合粉の焼結体を着磁に用いたものであるとゴム磁石やプラスチック磁石等に比べて硬い。そのため、走行中に砂粒等の噛み込みか生じても、着磁の摩耗,損傷低減される。
また、シール付き磁気エンコーダ30は、回転検出装置10の構成部品である磁気エンコーダ11の芯金12をシール29のスリンガとして兼用しているため、部品点数を増やすことなく、高い密封機能を持たせることができる。
この発明の一実施形態にかかる磁気エンコーダの斜視図である。 (A)は同磁気エンコーダの正面図、(B)は(A)におけるX−X矢視断面図である。 図2(A)におけるY−Y矢視断面の拡大図である。 図3における磁気センサの出力信号の波形図である。 この実施形態の磁気エンコーダを備えた転がり軸受の断面図である。 この実施形態の磁気エンコーダを備えた車輪用軸受装置の断面図である。 同磁気エンコーダを構成部品とするシールの拡大断面図である。 従来例の正面図である。
符号の説明
1…転がり軸受
2…回転側軌道輪(内輪)
3…固定側軌道輪(外輪)
4…転動体
11…磁気エンコーダ
12…芯金
20…車輪用軸受装置
21…外方部材
21a…軌道面
22…内方部材
22a…軌道面
23…転動体
29…シール
30…シール付きエンコーダ
34…シール部材
R…区間

Claims (6)

  1. リング状に形成されて全周に着磁部を有し、この着磁部が磁性粉と非金属磁性粉との混合粉を焼結させた焼結体であり、前記着磁部の肉厚が、円周方向に正逆の方向性を有するように、円周方向に沿って変化した磁気エンコーダ。
  2. 請求項1において、前記着磁部は、円周方向に一定の区間毎に肉厚が変化し、各区間の肉厚が、前記正逆の方向性を有するように変化するものである磁気エンコーダ。
  3. 請求項2において、前記各区間が、円周方向にNS交互に着磁された複数の磁極を有する磁気エンコーダ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、リング状の芯金に前記着磁部を設けたスリンガ兼用の磁気エンコーダとし、この磁気エンコーダは、前記芯金に摺接するシールと組合せられてシール付きエンコーダを構成するエンコーダ部分となるものである磁気エンコーダ。
  5. 内輪および外輪とこれら内外輪間に介在した転動体とを有し、前記内輪および外輪のうちの回転側輪に請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の磁気エンコーダを取付けたエンコーダ付き転がり軸受。
  6. 内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を外周に有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置において、前記内方部材および外方部材のうちの回転側の部材に請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の磁気エンコーダを取付けたことを特徴とする車輪用軸受装置。
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