JP2019044933A - 油圧作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作レバーの操作量に応じて油圧ポンプの吐出流量を増減させる油圧作業機械において、省エネ性を確保しつつ油圧アクチュエータの初動応答性を改善することができる油圧作業機械を提供する。【解決手段】操作レバー15a,16a,17aの操作量に応じて、油圧アクチュエータ5a,6a,7aに供給される流量の目標値であるアクチュエータ目標流量を算出し、前記アクチュエータ目標流量に応じて、油圧ポンプ30,31の吐出流量の目標値であるポンプ目標流量を算出し、前記ポンプ目標流量に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を制御するコントローラ20を備えた油圧ショベルにおいて、前記コントローラは、前記操作レバーの中立位置からの操作後から所定の補正時間が経過するまでの間、前記油圧ポンプのポンプ最小流量よりも大きい所定の補正流量を前記ポンプ目標流量に加算することにより前記ポンプ目標流量を補正する。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベル等の油圧作業機械に関するものである。
省エネルギ化を図った油圧作業機械の従来技術を開示するものとして、例えば特許文献1がある。
特許文献1には、可変容量型のポンプと、このポンプの吐出油で駆動するアクチュエータと、このアクチュエータへの作動油の流量を制御するオープンセンター型のアクチュエータ流量制御弁(方向制御弁)と、このアクチュエータ流量制御弁をタンクに接続するブリードオフ管路と、このブリードオフ管路に配置したブリードオフ流量制御弁と、前記アクチュエータの動作を指示する操作装置と、この操作装置の操作量に応じて前記ブリードオフ流量制御弁の開度を制御するブリードオフ制御装置と、前記操作装置の操作量に応じた基準ポンプ流量を前記ブリードオフ流量制御弁の開度に応じて補正してポンプ流量を制御するポンプ制御装置とを備えたことを特徴とする作業機械が記載されている。
また、電気式の操作レバー装置を備えた油圧作業機械の従来技術を開示するものとして、例えば特許文献2がある。
特許文献2には、作業装置を油圧アクチュエータにより駆動するよう構成するとともに、前記油圧アクチュエータの電磁式比例流量制御弁(方向制御弁)の開度を、操作レバーの操作量に応じた電流を供給して比例制御する流量制御手段を備えてある土工機における油圧アクチュエータ制御装置であって、前記第1操作レバーの中立位置からの駆動用操作開始時において、該操作レバーの操作量に対応する目標電流よりも大きな電流を所定の短時間だけ前記電磁式比例流量制御弁に供給する電流制御手段を備えてある土工機における油圧アクチュエータ制御装置が記載されている。
特許5886976号公報
特開平5−195546号公報
特許文献1に記載の作業機械によれば、操作装置の操作量に応じてポンプ流量を制御することにより、アクチュエータに供給されない余剰なポンプ流量の発生が抑制されるため、ポンプの消費エネルギを削減することができる。
また、特許文献2に記載の油圧アクチュエータ制御装置によれば、操作レバーの中立位置からの操作開始時において、操作レバーの操作量に対応する目標電流よりも大きな電流を所定の短時間だけ電磁式比例流量制御弁に供給することにより、電磁式比例流量制御弁の起動応答が改善する。これにより、操作レバーの中立位置からの操作開始時に油圧ポンプから油圧アクチュエータへの油の供給が速やかに開始されるため、油圧アクチュエータの初動応答を改善することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の作業機械に特許文献2に記載の油圧アクチュエータ制御装置を適用した場合、次のような課題が生じる。
油圧アクチュエータを停止状態から駆動状態に移行させるためには、操作レバーの中立位置からの操作開始時に油圧ポンプから油圧アクチュエータに向けて吐出される油の総量(ポンプ流量の積算値)に比例する油の力が、油圧アクチュエータの停止中の力を上回る必要がある。ここでいう「油の力」は、油圧アクチュエータを動かそうとする力であり、油圧アクチュエータに供給された油の圧力と油圧アクチュエータの受圧面積との積で計算される。一方、「停止中の力」は、油圧アクチュエータを静止状態に留めようとする力であり、油圧アクチュエータによって駆動される部材の慣性(質量)や油圧アクチュエータに作用する負荷に応じて異なる。すなわち、操作レバーの中立位置からの操作開始時に油圧ポンプから油圧アクチュエータに向けて吐出される油の総量(ポンプ流量の積算値)が油圧アクチュエータの停止中の力に応じた油量(所要油量)に達するまでは、油圧アクチュエータは動き出さない。
特許文献1に記載の作業機械に特許文献2に記載の油圧アクチュエータ制御装置を適用した場合、方向制御弁の起動応答が改善することにより、操作レバーの中立位置からの操作開始時に油圧ポンプから油圧アクチュエータへの油の供給を速やかに開始することができる。一方、ポンプ流量は、油圧ポンプの応答性が低いため、ポンプ最小流量から操作量に応じたポンプ目標流量まで緩やかに増加する。そのため、油圧ポンプから油圧アクチュエータに向けて吐出される油の総量(ポンプ流量の積算値)が所要油量に達するまでに長い時間を要することとなり、油圧アクチュエータの初動応答性が損なわれるおそれがある。特に、油圧アクチュエータによって駆動される部材の慣性(質量)が大きくなるほど所要油量が大きくなり、油圧アクチュエータの初動応答遅れが顕著となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作レバーの操作量に応じて油圧ポンプの吐出流量を増減させる油圧作業機械において、省エネ性を確保しつつ油圧アクチュエータの初動応答性を改善することができる油圧作業機械を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、可変容量型の第1油圧ポンプと、第1油圧アクチュエータと、前記第1油圧アクチュエータを操作するための第1操作レバーを有する操作レバー装置と、前記第1操作レバーの操作量に応じて、前記第1油圧アクチュエータに供給される流量の目標値であるアクチュエータ目標流量を算出し、前記アクチュエータ目標流量に応じて、前記第1油圧ポンプの吐出流量の目標値であるポンプ目標流量を算出し、前記ポンプ目標流量に応じて前記第1油圧ポンプの吐出流量を制御する制御装置とを備えた油圧作業機械において、前記制御装置は、前記第1操作レバーの中立位置からの操作後から所定の補正時間が経過するまでの間、前記第1油圧ポンプのポンプ最小流量よりも大きい所定の補正流量を前記ポンプ目標流量に加算することにより前記ポンプ目標流量を補正するものとする。
以上のように構成した本発明によれば、第1操作レバーの操作量に基づいてアクチュエータ目標流量を算出し、このアクチュエータ目標流量に基づいてポンプ目標流量を算出することにより、第1油圧アクチュエータに供給されない余剰なポンプ流量の発生が抑制される。これにより、第1油圧ポンプの消費エネルギが削減されるため、油圧ショベルの省エネ性を確保することができる。
また、操作レバーの中立位置からの操作後から所定の補正時間が経過するまでの間、アクチュエータ目標流量に基づいて設定されたポンプ目標流量にポンプ最小流量よりも大きい所定の補正流量を加算することにより、ポンプ流量がポンプ最小流量から立ち上がるタイミングを早めることができる。これにより、操作レバーの中立位置からの操作後から油圧アクチュエータが動き出すまでの時間が短縮されるため、油圧アクチュエータの初動応答性を改善することができる。
本発明によれば、操作レバーの操作量に応じて油圧ポンプの吐出流量を増減させる油圧作業機械において、省エネ性を確保しつつ油圧アクチュエータの初動応答性を改善することができる。
本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。 図1に示す油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。 図2に示すコントローラの制御ブロック図である。 図3に示すブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。 図3に示すバケット巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。 図3に示すブーム上げ操作に対応した電磁弁目標算出部の演算ブロック図である。 図3に示す各ポンプ流量目標算出部における補正流量および補正時間の設定例を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作と、従来技術に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作とを比較して示す図である。 本発明の第2の実施例に係る油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。 本発明の第2の実施例に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作と、本発明の第2の実施例に係る油圧駆動装置に第1の実施例に係る油圧駆動装置の制御(図4に示す)を適用した場合のアクチュエータ初動時の動作とを比較して示す図である。 本発明の第3の実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。 本発明の第4の実施例に係る油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。 本発明の第5の実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部およびバケット巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る油圧作業機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。
図1において、油圧ショベル200は、走行体1と、この走行体1上に旋回装置8を介して旋回可能に搭載された旋回体2と、この旋回体2の前側に上下方向に回動可能に連結されたフロント作業装置11とを備えている。
旋回体2は、基礎下部構造をなす旋回フレーム2aを有する。旋回フレーム2aの前側には、フロント作業装置11が上下方向に回動可能に連結されている。旋回フレーム2aの後部には、フロント作業装置11との重量バランスを取るためのカウンタウェイト3が取り付けられている。旋回フレーム2aの左側前部には、運転室4が設けられている。運転室4内には、ブーム5を操作するための操作レバー装置15(図2に示す)、アーム6を操作するための操作レバー装置16(図2に示す)、バケット7を操作するための操作レバー装置17(図2に示す)等が配置されている。旋回フレーム2a上には、原動機としてのエンジン(図示せず)、エンジンにより駆動されるポンプ装置9、走行体1に対して旋回体2(旋回フレーム2a)を旋回駆動する旋回モータ8a、ポンプ装置9から旋回モータ8aおよび後述するブームシリンダ5a、アームシリンダ6a、バケットシリンダ7aを含む複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブユニット10等が搭載されている。
フロント作業装置11は、基端部が旋回フレーム2aの前側に上下方向に回動可能に連結されたブーム5と、このブーム5の先端部に上下、前後方向に回動可能に連結されたアーム6と、このアーム6の先端部に上下、前後方向に回動可能に連結されたバケット7と、ブーム5を駆動するブームシリンダ5aと、アーム6を駆動するアームシリンダ6aと、バケット7を駆動するバケットシリンダ7aとを備えている。
図2は、図1に示す油圧ショベル200に搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。なお、図2では、説明の簡略化のため、ブームシリンダ5a、アームシリンダ6aおよびバケットシリンダ7aの駆動に関わる部分のみを示し、旋回モータ8aを含むその他の油圧アクチュエータの駆動に関わる部分は省略している。
図2において、油圧駆動装置300は、ブームシリンダ5aと、アームシリンダ6aと、バケットシリンダ7aと、ポンプ装置9と、操作レバー装置15〜17と、コントロールバルブユニット10と、制御装置としてのコントローラ20とを備えている。
操作レバー装置15〜17は、それぞれ、操作信号として電気信号を出力する電気式の操作レバー装置であり、オペレータにより把持される操作レバー15a,16a,17aと、これら操作レバーの操作方向と操作量に応じた電気信号を生成する複数のポテンショメータを内蔵した電気信号生成部15b,16b,17bとを有している。操作レバー装置15〜17の電気信号生成部15b,16b,17bによって生成された電気信号は、コントローラ20に入力される。なお、操作レバー装置15〜17は、操作レバー15a,16a,17aの操作方向と操作量に応じたパイロット圧を生成する複数のパイロット弁を有する油圧式の操作レバー装置であっても良い。その場合、操作レバー15a,16a,17aから出力される操作信号としてのパイロット圧は、圧力センサで電気信号に変換され、コントローラ20に入力される。
ポンプ装置9は、第1および第2ポンプ30,31を有する。第1および第2ポンプ30,31は、可変容量型の油圧ポンプであり、吐出流量(ポンプ流量)を調整するためのレギュレータ30a,31aをそれぞれ備えている。
コントロールバルブユニット10は、第1ポンプ30とタンク32とを接続する第1センタバイパスライン33と、第2ポンプ31とタンク32とを接続する第2センタバイパスライン34とを有する。第1センタバイパスライン33には、第1ポンプ30からブームシリンダ5aに供給される圧油の流れを制御する第1ブーム方向制御弁21と、第1ポンプ30からバケットシリンダ7aに供給される圧油の流れを制御するバケット方向制御弁24とが配置されている。第2センタバイパスライン34には、第2ポンプ31からブームシリンダ5aに供給される圧油の流れを制御する第2ブーム方向制御弁22と、第2ポンプ31からアームシリンダ6aに供給される圧油の流れを制御するアーム方向制御弁23とが配置されている。また、コントロールバルブユニット10は、コントローラ20から出力される指令電流により駆動され、方向制御弁21〜24を駆動するためのパイロット圧を生成する電磁比例弁26a,26b,27a,27b,28a,28b,29a,29bを有している。
第1ブーム方向制御弁21は、第1ブーム上げ電磁比例弁26aから出力されるパイロット圧を図示左側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示右方向に駆動され、第1ブーム下げ電磁比例弁26bから出力されるパイロット圧を図示右側の操作部に作用させることより図示左方向に駆動される。第1ブーム方向制御弁21が図示右方向に駆動されると、第1ポンプ30からの圧油がブームシリンダ5aのヘッド側に供給され、ブームシリンダ5aのロッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、ブームシリンダ5aが伸長し、ブーム5(図1に示す)が上げ動作する。一方、第1ブーム方向制御弁21が図示左方向に駆動されると、第1ポンプ30からの圧油がブームシリンダ5aのロッド側に供給され、ブームシリンダ5aのヘッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、ブームシリンダ5aが縮小し、ブーム5が下げ動作する。
第2ブーム方向制御弁22は、第2ブーム上げ電磁比例弁27aから出力されるパイロット圧を図示左側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示右方向に駆動され、第2ブーム下げ電磁比例弁27bから出力されるパイロット圧を図示右側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示左方向に駆動される。第2ブーム方向制御弁22が図示右方向に駆動されると、第2ポンプ31からの圧油がブームシリンダ5aのヘッド側に供給され、ブームシリンダ5aのロッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、ブームシリンダ5aが伸長し、ブーム5が上げ動作する。一方、第2ブーム方向制御弁22が図示左方向に駆動されると、第2ポンプ31からの圧油がブームシリンダ5aのロッド側に供給され、ブームシリンダ5aのヘッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、ブームシリンダ5aが縮小し、ブーム5が下げ動作する。
アーム方向制御弁23は、アーム巻込み電磁比例弁28aから出力されるパイロット圧を図示左側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示右方向に駆動され、アーム押出電磁比例弁28bから出力されるパイロット圧を図示左側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示左方向に駆動される。アーム方向制御弁23が図示右方向に駆動されると、第2ポンプ31からの圧油がアームシリンダ6aのヘッド側に供給され、アームシリンダ6aのロッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、アームシリンダ6aが伸長し、アーム6(図1に示す)が巻込み動作する。一方、アーム方向制御弁23が図示左方向に駆動されると、第2ポンプ31からの圧油がアームシリンダ6aのロッド側に供給され、アームシリンダ6aのヘッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、アームシリンダ6aが縮小し、アーム6が押出動作する。
バケット方向制御弁24は、バケット巻込み電磁比例弁29aから出力されるパイロット圧を図示左側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示右方向に駆動され、バケット押出電磁比例弁29bから出力されるパイロット圧を図示左側の操作部(受圧部)に作用させることにより図示左方向に駆動される。バケット方向制御弁24が図示右方向に駆動されると、第1ポンプ30からの圧油がバケットシリンダ7aのヘッド側に供給され、バケットシリンダ7aのロッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、バケットシリンダ7aが伸長し、バケット7(図1に示す)が巻込み動作する。一方、バケット方向制御弁24が図示左方向に駆動されると、第1ポンプ30からの圧油がバケットシリンダ7aのロッド側に供給され、バケットシリンダ7aのヘッド側の圧油がタンク32に排出される。これにより、バケットシリンダ7aが縮小し、バケット7が押出動作する。
コントローラ20は、操作レバー15a,16a,17aから入力された操作信号に応じて指令電流を生成し、電磁比例弁26a,26b,27a,27b,28a,28b,29a,29bに出力する。これにより、電磁比例弁26a,26b,27a,27b,28a,28b,29a,29bは、操作レバー15a,16a,17aの操作量に応じたパイロット圧を方向制御弁21〜24の操作部(受圧部)に出力する。また、コントローラ20は、操作レバー15a,16a,17aから入力された操作信号に応じて指令信号を生成し、レギュレータ30a,31aに出力する。これにより、第1および第2ポンプ30,31は、操作レバー15a,16a,17aの操作量に応じたポンプ流量を吐出する。
図3は、図2に示すコントローラ20の制御ブロック図である。
図3において、コントローラ20は、ポンプ流量目標算出部40〜45と、電磁弁目標算出部46〜51と、第1ポンプ制御部52と、第2ポンプ制御部53とを備えている。
ポンプ流量目標算出部40および電磁弁目標算出部46には、ブーム5を操作するための操作レバー(以下「ブーム操作レバー」という。)15aがブーム上げ方向に操作されたときのレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ポンプ流量目標算出部40は、ブーム上げ方向のレバー操作量に応じて、第1ポンプ30に対する要求流量(第1ポンプ目標流量)および第2ポンプ31に対する要求流量(第2ポンプ目標流量)を算出し、第1ポンプ制御部52および第2ポンプ制御部53にそれぞれ出力する。電磁弁目標算出部46は、ブーム上げ方向のレバー操作量に応じて第1ブーム方向制御弁21および第2ブーム方向制御弁22がそれぞれ図2中右方向に駆動されるように、第1および第2ブーム上げ電磁比例弁26a,27aに指令電流を出力する。
ポンプ流量目標算出部41および電磁弁目標算出部47には、ブーム操作レバー15aがブーム下げ方向に操作されたときのレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ポンプ流量目標算出部41は、ブーム下げ方向のレバー操作量に応じて、第1ポンプ30に対する要求流量(第1ポンプ目標流量)および第2ポンプ31に対する要求流量(第2ポンプ目標流量)を算出し、第1ポンプ制御部52および第2ポンプ制御部53にそれぞれ出力する。電磁弁目標算出部47は、ブーム下げ方向のレバー操作量に応じて第1ブーム方向制御弁21および第2ブーム方向制御弁22がそれぞれ図2中左方向に駆動されるように、第1および第2ブーム下げ電磁比例弁26b,27bに指令電流を出力する。
ポンプ流量目標算出部42および電磁弁目標算出部48には、アーム6を操作するための操作レバー(以下「アーム操作レバー」という。)16aがアーム巻込み方向に操作されたときのレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ポンプ流量目標算出部42は、アーム巻込み方向のレバー操作量に応じて、第2ポンプ31に対する要求流量(第2ポンプ目標流量)を算出し、第2ポンプ制御部53に出力する。電磁弁目標算出部48は、アーム巻込み方向のレバー操作量に応じてアーム方向制御弁23が図2中右方向に駆動されるように、アーム巻込み電磁比例弁28aに指令電流を出力する。
ポンプ流量目標算出部43および電磁弁目標算出部49には、アーム操作レバー16aがアーム押出方向に操作されたときのレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ポンプ流量目標算出部43は、アーム押出方向のレバー操作量に応じて、第2ポンプ31に対する要求流量(第2ポンプ目標流量)を算出し、第2ポンプ制御部53に出力する。電磁弁目標算出部49は、アーム押出方向のレバー操作量に応じてアーム方向制御弁23が図2中左方向に駆動されるように、アーム押出電磁比例弁28bに指令電流を出力する。
ポンプ流量目標算出部44および電磁弁目標算出部50には、バケット7を操作するための操作レバー(以下「バケット操作レバー」という。)17aがバケット巻込み方向に操作されたときのレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ポンプ流量目標算出部44は、バケット巻込み方向のレバー操作量に応じて、第1ポンプ30に対する要求流量(第1ポンプ目標流量)を算出し、第1ポンプ制御部52に出力する。電磁弁目標算出部50は、バケット巻込み方向のレバー操作量に応じてバケット方向制御弁24が図2中右方向に駆動されるように、バケット巻込み電磁比例弁29aに指令電流を出力する。
ポンプ流量目標算出部45および電磁弁目標算出部51には、バケット操作レバー17aがバケット押出方向に操作されたときのレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ポンプ流量目標算出部45は、バケット押出方向のレバー操作量に応じて、第1ポンプ30に対する要求流量(第1ポンプ目標流量)を算出し、第1ポンプ制御部52に出力する。電磁弁目標算出部51は、バケット押出方向のレバー操作量に応じてバケット方向制御弁24が図2中左方向に駆動されるように、バケット押出電磁比例弁29bに指令電流を出力する。
第1ポンプ制御部52は、第1ポンプ30のポンプ流量がポンプ流量目標算出部40,41,44,45からの第1ポンプ目標流量(後述)の合計流量と一致するように、レギュレータ30aを制御する。ただし、第1ポンプ目標流量の合計流量がポンプ最小流量を下回る場合は、第1ポンプ30のポンプ流量はポンプ最小流量に制御される。第2ポンプ制御部53は、第2ポンプ31のポンプ流量がポンプ流量目標算出部40〜43からの第2ポンプ目標流量(後述)の合計流量と一致するように、レギュレータ31aを制御する。ただし、第2ポンプ目標流量の合計流量がポンプ最小流量を下回る場合は、第2ポンプ31のポンプ流量はポンプ最小流量に制御される。
図4は、図3に示すブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部40の演算ブロック図である。なお、図3に示すブーム下げ操作に対応したポンプ流量目標算出部41については、図4に示すポンプ流量目標算出部40と同様であるため、説明は省略する。
図4において、ポンプ流量目標算出部40は、ブーム上げ目標流量算出部60と、第1ポンプ目標流量算出部61と、補正部62と、ゲイン63と、第2ポンプ目標流量算出部64と、補正部65と、ゲイン66と、加算部79と、加算部80とを有する。
ブーム上げ目標流量算出部60には、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向のレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。ブーム上げ目標流量算出部60は、レバー倒しこみ量(操作量)に応じて、ブームシリンダ5aのヘッド側に供給される流量の目標値であるブーム上げ目標流量を算出し、第1ポンプ目標流量算出部61、第2ポンプ目標流量算出部64、補正部62および補正部65に出力する。
第1ポンプ目標流量算出部61は、ブーム上げ目標流量算出部60からのブーム上げ目標流量(アクチュエータ目標流量)に応じて、第1ポンプ30の吐出流量の目標値である第1ポンプ目標流量を算出し、加算部79に出力する。補正部62は、ブーム上げ目標流量算出部60からのブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間はゲイン63に1を出力し、それ以外のときはゲイン63に0を出力する。ゲイン63は、補正部62の出力値が1のときは、加算部79にKBmU/2(補正流量の1/2)を出力し、補正部62の出力値が0のときは、加算部79に0を出力する。
加算部79は、第1ポンプ目標流量算出部61からの第1ポンプ目標流量にゲイン63の出力値を加算し、第1ポンプ制御部52に出力する。これにより、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量にKBmU/2(補正流量の1/2)が加算される。これにより、第1ポンプ30は、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、通常時のポンプ目標流量よりもKBmU/2(補正流量の1/2)だけ大きいポンプ目標流量に従うように制御される。
第2ポンプ目標流量算出部64は、ブーム上げ目標流量算出部60からのブーム上げ目標流量(アクチュエータ目標流量)に応じて、第2ポンプ31の吐出流量の目標値である第2ポンプ目標流量を算出し、加算部80に出力する。補正部65は、ブーム上げ目標流量算出部60からのブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間はゲイン66に1を出力し、それ以外のときはゲイン66に0を出力する。ゲイン66は、補正部65の出力値が1のときは、加算部80にKBmU/2(補正流量の1/2)を出力し、補正部65の出力値が0のときは、加算部80に0を出力する。
加算部80は、第2ポンプ目標流量算出部64からの第2ポンプ目標流量にゲイン66の出力値を加算し、第2ポンプ制御部53に出力する。これにより、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、第2ポンプ制御部53に入力される第2ポンプ目標流量にKBmU/2(補正流量の1/2)が加算される。これにより、第2ポンプ31は、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、通常時のポンプ目標流量よりもKBmU/2(補正流量の1/2)だけ大きいポンプ目標流量に従うように制御される。
図5は、図3に示すバケット巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部44の演算ブロック図である。なお、図3に示すアーム巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部42、アーム押出操作に対応したポンプ流量目標算出部43およびバケット押出操作に対応したポンプ流量目標算出部45については、図5に示すポンプ流量目標算出部44と同様であるため、説明は省略する。
図5において、ポンプ流量目標算出部44は、バケット巻込み目標流量算出部74と、第1ポンプ目標流量算出部75と、補正部76と、ゲイン78と、加算部83とを有する。
バケット巻込み目標流量算出部74には、バケット操作レバー17aのバケット巻込み方向のレバー倒しこみ量(操作量)に応じた操作信号が入力される。バケット巻込み目標流量算出部74は、レバー倒しこみ量(操作量)に応じて、バケットシリンダ7aのヘッド側に供給される流量の目標値であるバケット巻込み目標流量を算出し、第1ポンプ目標流量算出部75および補正部76に出力する。
第1ポンプ目標流量算出部75は、バケット巻込み目標流量算出部74からのバケット巻込み目標流量(アクチュエータ目標流量)に応じて、第1ポンプ30の吐出流量の目標値である第1ポンプ目標流量を算出し、加算部83に出力する。補正部76は、バケット巻込み目標流量算出部74からのバケット巻込み目標流量が0から立ち上がってからTBkC秒間(補正時間)が経過するまでの間はゲイン78に1を出力し、それ以外のときはゲイン78に0を出力する。ゲイン78は、補正部76の出力値が1のときは、加算部83にKBkCを出力し、補正部76の出力値が0のときは、加算部83に0を出力する。
加算部83は、第1ポンプ目標流量算出部75からの第1ポンプ目標流量にゲイン78の出力値を加算し、第1ポンプ制御部52に出力する。これにより、バケット巻込み目標流量が0から立ち上がってからTBkC秒間(補正時間)が経過するまでの間、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量にKBkC(補正流量)が加算される。これにより、バケット巻込み目標流量が0から立ち上がってからTBkC秒間(補正時間)が経過するまでの間、通常時の目標流量よりもKBkC(補正流量)だけ大きい目標流量に従うように第1ポンプ30が制御される。
図6は、図3に示すブーム上げ操作に対応した電磁弁目標算出部46の演算ブロック図である。なお、図3に示すその他の電磁弁目標算出部47〜51については、図6に示す電磁弁目標算出部46と同様であるため、説明は省略する。
図6において、電磁弁目標算出部46は、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の倒しこみ量(操作量)に応じた電磁比例弁26a,27aのパイロット目標圧を算出し、このパイロット目標圧に応じた制御信号を電磁比例弁26a,27aに出力する。これにより、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の倒しこみ量(操作量)に応じて、第1ブーム方向制御弁21および第2ブーム方向制御弁22が図2中右方向に駆動され、第1および第2ポンプ30,31から吐出された圧油がブームシリンダ5aのヘッド側に供給できるようになる。
図7は、図3に示すポンプ流量目標算出部40〜45における補正流量および補正時間の設定例を示す図である。
図7において、KBmUおよびTBmUは、ブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部40における補正流量および補正時間である。KBmDおよびTBmDは、ブーム下げ操作に対応したポンプ流量目標算出部41における補正流量および補正時間である。KAmCおよびTAmCは、アーム巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部42における補正流量および補正時間である。KAmDおよびTAmDは、アーム押出操作に対応したポンプ流量目標算出部43における補正時間および補正流量である。KBkCおよびTBkCは、バケット巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部44における補正流量および補正時間である。KBkDおよびTBkDは、バケット押出操作に対応したポンプ流量目標算出部45における補正流量および補正時間である。
図7において、補正流量(KBmU,KBmD,KAmC,KAmD,KBkC,KBkD)は、第1および第2ポンプ30,31のポンプ最小流量よりも大きい値に設定されている。
また、ブーム上げ操作に対応する補正流量(KBmU)および補正時間(TBmU)は、補正流量の積算値(KBmU×TBmU)が大の値となるように設定されている。これは、ブームシリンダ5aによって駆動されるブーム5の慣性(質量)が大きく、ブームシリンダ5aの伸長方向の動き出しに必要な油量(所要油量)が大きいためである。一方、ブーム下げ操作に対応する補正流量(KBmD)および補正時間(TBmD)は、補正流量の積算値(KBmD×TBmD)が小の値となるように設定されている。これは、ブーム下げ操作の場合は、ブーム5の自重作用によりブームシリンダ5aの縮小方向の動き出しに必要な油量(所要油量)が小さくなるためである。
また、アーム巻込み操作に対応する補正時間(TAmC)および補正流量(KAmC)は、補正流量の積算値(KAmC×TAmC)が中の値となるように設定されている。同様に、アーム押出操作に対応する補正時間(TAmD)および補正流量(KAmD)は、補正流量の積算値(KAmD×TAmD)が中の値となるように設定されている。これは、アームシリンダ6aによって駆動されるアーム6の慣性(質量)は、ブーム5の慣性とバケット7の慣性との中間にあり、アームシリンダ6aの動き出しに必要な油量(所要油量)は、ブームシリンダ5aの伸長方向の所要油量とバケットシリンダ7aの所要油量との中間にあるためである。
また、バケット巻込み操作に対応する補正時間(TBkC)および補正流量(KBkC)は、補正流量の積算値(KBkC×TBkC)が小の値となるように設定されている。同様に、バケット押出操作に対応する補正時間(TBkD)および補正流量(KBkD)は、補正流量の積算値(KBkD×TBkD)が小の値となるように設定されている。これは、バケットシリンダ7aによって駆動されるバケット7の慣性(質量)が小さく、バケットシリンダ7aの動き出しに必要な油量(所要油量)が小さいためである。
図8は、本実施例に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作と、従来技術に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作とを比較して示す図である。
まず、従来技術における動作(図8左側に示す)について説明する。
操作レバーが中立位置から操作されると、レバー入力(操作量)は、図中左側1段目に示すように、ある時刻T0で立ち上がる。
電磁比例弁のパイロット目標圧は、図中左側2段目の破線で示すように、時刻T0から通信・演算遅れ時間後の時刻T1で立ち上がる。また、電磁比例弁の実パイロット圧は、図中左側2段目の実線で示すように、時刻T1から電磁比例弁の応答遅れ時間後の時刻T2で立ち上がる。この実パイロット圧が立ち上がる時刻T2で方向制御弁21〜24が動き始め、ポンプ流量が油圧アクチュエータに流入し始める。
アクチュエータ目標流量は、図中左側3段目の破線で示すように、レバー入力がレバー倒しこみ量対目標流量の不感帯D(図4に示す)を超える時刻T3で立ち上がる。
ポンプ目標流量は、図中左側4段目の破線で示すように、ポンプ目標流量がポンプ最小流量を超える時刻T4で立ち上がる。また、実ポンプ流量は、図中左側4段目の実線で示すように、時刻T4からポンプ応答遅れ時間後の時刻T5で立ち上がる。ここで、第1および第2ポンプ30,31は応答性が低いため、実ポンプ流量の立ち上がり方はアクチュエータ目標流量の立ち上がり方よりも緩やかとなる。
アクチュエータ速度は、図中左側5段目に示すように、油圧アクチュエータに流入するポンプ流量の積算値が所要油量を超える時刻T6で立ち上がる。
次に、本実施例における動作(図8右側に示す)について、従来技術と相違する部分を説明する。
ポンプ目標流量は、図中右側4段目の破線で示すように、アクチュエータ目標流量が立ち上がる時刻T3からポンプ最小流量よりも大きい補正流量が加算されることにより、時刻T3で立ち上がる。すなわち、本実施例におけるポンプ目標流量は、従来技術においてポンプ目標流量が立ち上がる時刻T4よりも早く立ち上がる。
また、実ポンプ流量は、図中右側4段目の実線で示すように、時刻T3からポンプ応答遅れ時間後の時刻T7で立ち上がる。すなわち、本実施例における実ポンプ流量は、従来技術において実ポンプ流量が立ち上がる時刻T5よりも早く立ち上がる。
アクチュエータ速度は、図中右側5段目に示すように、油圧アクチュエータに流入するポンプ流量の積算値が所要油量を超える時刻T8で立ち上がる。ここで、本実施例における実ポンプ流量は、上述の通り従来技術における実ポンプ流量よりも早くポンプ最小流量から立ち上がるため、ポンプ流量の積算値が所要油量に達するまでの時間は従来技術よりも短縮される。すなわち、本実施例におけるアクチュエータ速度は、従来技術においてアクチュエータ速度が立ち上がる時刻T6よりも早く立ち上がる。
以上のように構成した本実施例によれば、操作レバー15a,16a,17aの操作量に基づいて各アクチュエータ目標流量を設定し、各アクチュエータ目標流量に基づいて第1および第2ポンプ目標流量を設定することにより、油圧アクチュエータ5a,6a,7aに供給されない余剰なポンプ流量の発生が抑えられる。これにより、第1および第2ポンプ30,31の消費エネルギが削減されるため、油圧ショベル200の省エネ性を確保することができる。
また、操作レバー15a,16a,17aの中立位置からの操作後から補正時間が経過するまでの間、各アクチュエータ目標流量に基づいて設定された第1および第2ポンプ目標流量にポンプ最小流量よりも大きい補正流量を加算することにより、ポンプ流量がポンプ最小流量から立ち上がるタイミングを早めることができる。これにより、操作レバー15a,16a,17aの中立位置からの操作後から油圧アクチュエータ5a,6a,7aが動き出すまでの時間が短縮されるため、油圧アクチュエータ5a,6a,7aの初動応答性を改善することができる。
また、補正流量の積算値が油圧アクチュエータ5a,6a,7aによって駆動される部材5,6,7の慣性(質量)に応じた値となるように補正流量および補正時間を設定することにより、油圧アクチュエータ5a,6a,7aの初動時に、第1および第2ポンプ30,31から過剰なポンプ流量が吐出されることを防止することができる。
本発明の第2の実施例に係る油圧ショベルについて、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
本実施例に係る油圧ショベルの構成は、第1の実施例(図1に示す)と同様であるため、説明は省略する。
図9は、本実施例に係る油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。以下、第1の実施例に係る油圧駆動装置300(図2に示す)との相違点を説明する。
図9において、本実施例に係る油圧駆動装置300Aは、一般的な応答遅れ時間を有する電磁比例弁26a,26b,27a,27b,28a,28b,29a,29bに代えて、小さい応答遅れ時間を有する電磁比例弁36a,36b,37a,37b,38a,38b,39a,39bを備えている。ここでいう「一般的な応答遅れ時間」は、コントローラ20の通信演算遅れ時間の数倍程度の時間であり、「小さい応答遅れ時間」は、コントローラ20の通信演算遅れ時間と同程度の時間である。
図10は、本実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。以下、第1の実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部40(図4に示す)との相違点を説明する。
図10において、補正部62および補正部65には、ブーム上げ目標流量算出部60からのブーム上げ目標流量に代えて、ブーム操作レバー15aからの操作信号が直接入力される。補正部62は、ブーム操作レバー15aからの操作信号が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間はゲイン63に1を出力し、それ以外のときはゲイン63に0を出力する。同様に、補正部65は、ブーム操作レバー15aからの操作信号が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間はゲイン66に1を出力し、それ以外のときはゲイン66に0を出力する。
図11は、本実施例に係る油圧駆動装置300Aのアクチュエータ初動時の動作と、本実施例に係る油圧駆動装置300Aに第1の実施例に係る制御(図4に示す)を適用した場合のアクチュエータ初動時の動作とを比較して示す図である。
まず、本実施例に係る油圧駆動装置300Aに第1の実施例に係る制御(図4に示す)を適用した場合の動作(図11左側に示す)について、第1の実施例(図8右側に示す)と相違する部分を説明する。
本実施例における電磁比例弁の実パイロット圧は、図11左側2段目に実線で示すように、電磁比例弁のパイロット目標圧が立ち上がる時刻T1から小さい応答遅れ時間後の時刻T2’で立ち上がる。これにより、方向制御弁21〜24は、第1の実施例における時刻T2よりも早く動き始める。しかし、実ポンプ流量は、図11左側4段目に実線で示すように、第1の実施例における実ポンプ流量(図8右側4段目に実線で示す)と同様に時刻T7で立ち上がる。このように、方向制御弁21〜24が動いてポンプ流量を油圧アクチュエータ5a,6a,7aに流入させることができる状態であるにも関わらず、実ポンプ流量が立ち上がるタイミングは変わらないため、電磁比例弁36a,36b,37a,37b,38a,38b,39a,39bの高速な応答性能を油圧アクチュエータ5a,6a,7aの初動応答性の改善に生かすことができない。
次に、本実施例に係る油圧駆動装置300Aの動作(図11右側に示す)について、第1の実施例の制御を適用した場合の動作(図11左側に示す)と相違する部分を説明する。
本実施例では、図11右側4段目の破線で示すように、電磁比例弁のパイロット目標圧が立ち上がる時刻T1(すなわち、方向制御弁21〜24が動き始める前)からポンプ目標流量に補正流量を加算されるため、図11右側4段目に実線で示すように、実ポンプ流量が立ち上がる時刻T9が第1の実施例において実ポンプ流量が立ち上がる時刻T7よりも早まる。これにより、油圧アクチュエータが動き出す時刻T10が第1の実施例において油圧アクチュエータが動き出す時刻T8よりも早まるため、油圧アクチュエータ5a,6a,7aの初動応答性を更に改善することができる。
以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様の効果が得られる。
また、応答遅れ時間の小さい電磁比例弁36a,36b,37a,37b,38a,38b,39a,39bを備えた油圧ショベル200において、油圧アクチュエータ5a,6a,7aの初動応答性を更に改善することができる。
本発明の第3の実施例に係る油圧ショベルについて、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
本実施例に係る油圧ショベルおよび油圧駆動装置の構成は、第1の実施例(図1〜図3に示す)と同様であるため、説明は省略する。
図12は、本実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。なお、ブーム下げ操作に対応したポンプ流量目標算出部は、図12に示すポンプ流量目標算出部と同様であるため、説明は省略する。以下、第1の実施例に係るポンプ流量目標算出部40(図4に示す)との相違点を説明する。
図12において、ポンプ流量目標算出部40Bは、補正部65およびゲイン66を備えておらず、ゲイン63に代えてゲイン85を備えている。
ゲイン85は、補正部62の出力値が1のときは、加算部79にKBmUを出力し、補正部62の出力値が0のときは、加算部79に0を出力する。
加算部79は、第1ポンプ目標流量算出部61からの第1ポンプ目標流量にゲイン85の出力値を加算し、第1ポンプ制御部52に出力する。これにより、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量にKBmU(補正流量)が加算される。一方、第2ポンプ制御部53には、第2ポンプ目標流量算出部64からの第2ポンプ目標流量が直接入力される。
次に、本実施例に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作について、第1の実施例と比較して説明する。
第1の実施例(図4に示す)および本実施例(図12に示す)では、第1ポンプ目標流量算出部61において第1ポンプ目標流量が増加し始めるときのアクチュエータ目標流量F1は、第2ポンプ目標流量算出部64において第2ポンプ目標流量が増加し始めるときのアクチュエータ目標流量F2よりも小さい値に設定されている。すなわち、ポンプ流量目標算出部40Bは、ブーム操作レバー15aがブーム上げ方向に操作されたときに、第1ポンプ30の目標流量が第2ポンプ31の目標流量よりも先に増加し始めるように構成されている。そして、第2ポンプよりも先に第1ポンプ30からブームシリンダ5aに圧油を供給できるように、第1ブーム方向制御弁21が動き始めるときのパイロット圧は、第2ブーム方向制御弁22が動き始めるときのパイロット圧よりも小さい値に設定されている。そのため、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作量が微小な場合(具体的には、ブーム上げ目標流量算出部60からのブーム上げ操作量がF1より大きくかつF2以下となる場合)は、第1ポンプ30のみからブームシリンダ5aに圧油が供給される状態となる。
ここで、第1の実施例(図4に示す)では、第1および第2ポンプ目標流量にそれぞれ補正流量の1/2が加算されるため、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作量が微小で第1ポンプ30のみからブームシリンダ5aのヘッド側に圧油が供給される状態では、第2ポンプ31から補正流量の1/2が供給されず、ブームシリンダ5aのブーム上げ方向の初動応答性を十分に改善できないおそれがある。
これに対して、本実施例(図12に示す)では、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作開始時に、ブームシリンダ5aのヘッド側に最初に圧油を供給する第1ポンプ30のポンプ目標流量(第1ポンプ目標流量)に補正流量の全てが加算されるため、ブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作量が微小で第1ポンプ30のみからブームシリンダ5aのヘッド側に圧油が供給される状態でも、ブームシリンダ5aのブーム上げ方向の初動応答性を改善することができる。また、ブームシリンダ5aのブーム下げ方向の初動応答性も同様に改善することができる。
以上のように構成した本実施例においても、第1の実施例と同様の効果が得られる。
また、第2ポンプ30が第1ポンプ31よりも遅れてブームシリンダ5aに接続される油圧ショベル200において、ブーム操作レバー15aの操作量が微小であり、第1ポンプ30のみからブームシリンダ5aに圧油が供給される場合でも、ブームシリンダ5aの初動応答性を改善することができる。
本発明の第4の実施例に係る油圧ショベルについて、第3の実施例との相違点を中心に説明する。
本実施例に係る油圧ショベルの構成は、第1の実施例(図1に示す)と同様であるため、説明は省略する。
図13は、本実施例に係る油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。以下、第3の実施例に係る油圧駆動装置(図2に示す)との相違点を説明する。
図13において、本実施例に係る油圧駆動装置300Bは、油圧ショベル200(図1に示す)の動作モードを選択するためのモード選択装置としてのモード選択スイッチ90を更に備えている。モード選択スイッチ90は、運転室4(図1に示す)に配置されている。
図14は、本実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。なお、その他のポンプ流量目標算出部41〜45については、図14に示すポンプ流量目標算出部40Cと同様であるため、説明は省略する。以下、第3の実施例に係るポンプ流量目標算出部40B(図12に示す)との相違点を説明する。
図14において、ポンプ流量目標算出部40Cは、モード補正部91と積算部92とを更に備えている。
モード補正部91には、モード選択スイッチ90からの信号が入力される。モード補正部91は、モード選択スイッチ90からの信号が1の場合は、作業精度が要求されない動作モード(通常モード)が選択されたと判断し、1を積算部92へ出力する。一方、モード選択スイッチ90からの信号が0の場合は、作業精度が要求される動作モード(精度重視モード)が選択された判断し、予め設定された値であるKModeを積算部92へ出力する。ここで、KModeには、0以上1未満の値が設定されている。
積算部92は、ゲイン85の出力値(0またはKBmU)にモード補正部91の出力値(1またはKmode)を積算し、加算部79に出力する。
加算部79は、第1ポンプ目標流量算出部61からの第1ポンプ目標流量に積算部101からの積算値を加算し、第1ポンプ制御部52に出力する。これにより、通常モードが選択されている場合は、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量にKBmUが加算される。一方、精度重視モードが選択されている場合は、ブーム上げ目標流量が0から立ち上がってからTBmU秒間(補正時間)が経過するまでの間、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量にKBmU×Kmodeが加算される。
次に、本実施例における油圧駆動装置300Bのアクチュエータ初動時の動作について、第3の実施例と比較して説明する。
第3の実施例(図12に示す)では、ブームシリンダ5aの初動時に第1ポンプ目標流量に補正流量(KBmU)が加算されることにより、ブームシリンダ5aの初動応答性が改善される。しかし、ブームシリンダ5aの初動応答時間が短縮されることにより、ブームシリンダ5aの初動時にブーム5に振動が発生し、例えば作業精度が要求される作業においてフロント作業装置11の位置合わせをやり直す必要が生じるおそれがある。その場合、ブームシリンダ5aの駆動回数が増加し、第1ポンプ30の消費エネルギが大きくなることにより、省エネ性が損なわれることとなる。
これに対して、本実施例(図14に示す)では、モード選択スイッチ90の操作を介して精度重視モードを選択することにより、第1ポンプ目標流量に加算される補正流量がKmode(0以上1未満)倍に低下するため、ブームシリンダ5aの初動応答時間が長くなる。これにより、ブームシリンダ5aのブーム下げ方向の初動時にブーム5の振動が抑制されるため、例えば作業精度が要求される作業においてフロント作業装置11の位置合わせが容易となる。その結果、ブームシリンダ5aの駆動回数が抑えられ、第1ポンプ30による消費エネルギの増加を防ぐことができる。なお、ブームシリンダ5aのブーム下げ方向の初動時、アームシリンダ6aの初動時およびバケットシリンダ7aの初動時についても同様である。
以上のように構成した本実施例においても、第3の実施例と同様の効果が得られる。
また、油圧アクチュエータ5a,6a,7aの初動時にフロント作業装置11の振動が抑制されるため、フロント作業装置11の位置合わせが容易となり、油圧アクチュエータ5a,6a,7aの駆動回数が抑えられるため、第1および第2ポンプ30,31による消費エネルギの増加を防ぐことができる。
本発明の第5の実施例に係る油圧ショベルについて、第3の実施例との相違点を中心に説明する。
本実施例に係る油圧ショベルおよび油圧駆動装置の構成は、第1の実施例(図1〜図3に示す)と同様である。
図15は、本実施例に係るブーム上げ操作に対応したポンプ流量目標算出部およびバケット巻込み操作に対応したポンプ流量目標算出部の演算ブロック図である。以下、第3の実施例(図10に示す)との相違点を説明する。
図15において、ポンプ流量目標算出部40Dは、判定部100と積算部101とを更に備えている。判定部100には、バケット巻込み目標流量算出部74からの目標流量が入力される。判定部100は、バケット巻込み目標流量の信号が0のときは判定値として1を積算部101に出力し、それ以外のときは判定値として0を積算部101に出力する。積算部101は、ゲイン85の出力値に判定部100からの判定値を積算し、加算部79に出力する。
以上の構成により、バケット操作レバー17aがバケット巻込み方向に操作されてない状態でブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作が開始された場合は、判定部100からの判定値が1となり、ゲイン85の出力値がそのまま加算部29に出力され、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量が補正される。一方、バケット操作レバー17aがバケット巻込み方向に操作されている状態でブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作が開始された場合は、判定部100から積算部101に入力される判定値が0となり、ゲイン85の出力値が加算部29に入力されないため、第1ポンプ制御部52に入力される第1ポンプ目標流量は補正されない。
次に、本実施例に係る油圧駆動装置のアクチュエータ初動時の動作について、第3の実施例と比較して説明する。
第3の実施例(図10に示す)では、第1ポンプ目標流量および第2ポンプ目標流量の補正が操作レバー15a,16a,17aの各操作に対して独立に行われる。従って、バケット操作レバー17aがバケット巻込み方向に操作されている状態でブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作が開始された場合でも、第1ポンプ目標流量の補正が行われる。そのため、バケット7の巻込み動作中にブーム上げ操作が開始されると、第1ポンプ30の補正流量(KBmU)の一部がバケットシリンダ7aに流入し、バケット7(図1に示す)が意図せず増速するおそれがある。
これに対して、本実施例(図15に示す)では、バケット操作レバー17aがバケット巻込み方向に操作されている状態でブーム操作レバー15aのブーム上げ方向の操作が開始された場合は、第1ポンプ目標流量の補正は行われない。これにより、バケット7の巻込み動作中(バケットシリンダ7aの伸長動作中)にブーム上げ操作を開始した場合において、バケット7が意図せず増速することを防止することができる。なお、本実施例では、バケット操作レバー17aの操作中にブーム操作レバーの操作が開始された場合に第1ポンプ目標流量の補正を行わない構成としたが、ブーム操作レバー15aが操作されている状態でバケット操作レバーの操作が開始された場合に、第1ポンプ目標流量の補正を行わない構成としても良い。
以上のように構成した本実施例においても、第3の実施例と同様の効果が得られる。
また、バケット7の動作中(バケットシリンダ7aの動作中)にブーム5の操作を開始した場合において、バケット7が意図せず増速することを防止することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
1…走行体、2…旋回体、2a…旋回フレーム、3…カウンタウェイト、4…運転室、5…ブーム、5a…ブームシリンダ、6…アーム、6a…アームシリンダ、7…バケット、7a…バケットシリンダ、8…旋回装置、8a…旋回モータ、9…ポンプ装置、10…コントロールバルブユニット、11…フロント作業装置、15…操作レバー装置、15a…操作レバー(ブーム操作レバー)、15b…電気信号生成部、16…操作レバー装置、16a…操作レバー(アーム操作レバー)、16b…電気信号生成部、17…操作レバー装置、17a…操作レバー(バケット操作レバー)、17b…電気信号生成部、20…コントローラ(制御装置)、21…第1ブーム方向制御弁、22…第2ブーム方向制御弁、23…アーム方向制御弁、24…バケット方向制御弁、26a,36a…第1ブーム上げ電磁比例弁、26b,36b…第1ブーム下げ電磁比例弁、27a,37a…第2ブーム上げ電磁比例弁、27b,37b…第2ブーム下げ電磁比例弁、28a,38a…アーム巻込み電磁比例弁、28b,38b…アーム押出電磁比例弁、29a,39a…バケット巻込み電磁比例弁、29b,39b…バケット押出電磁比例弁、30…第1ポンプ、30a…レギュレータ、31…第2ポンプ、31a…レギュレータ、32…タンク、33…第1センタバイパスライン、34…第2センタバイパスライン、40〜45…ポンプ流量目標算出部、40A,40B,40C,40D…ポンプ流量目標算出部、46〜51…電磁弁目標算出部、52…第1ポンプ制御部、53…第2ポンプ制御部、60…ブーム上げ目標流量算出部、61…第1ポンプ目標流量算出部、62…補正部、62a…補正部、63…ゲイン、64…第2ポンプ目標流量算出部、65…補正部、65a…補正部、66…ゲイン、74…バケット巻込み目標流量算出部、75…第1ポンプ目標流量算出部、76…補正部、78…ゲイン、79…加算部、80…加算部、83…加算部、84…表、85…ゲイン、90…モード選択スイッチ、91…モード補正部、92…積算部、100…判定部、101…積算部、200…油圧ショベル、300,300A,300B…油圧駆動装置。

Claims (6)

  1. 可変容量型の第1油圧ポンプと、
    第1油圧アクチュエータと、
    前記第1油圧アクチュエータを操作するための第1操作レバーを有する操作レバー装置と、
    前記第1操作レバーの操作量に応じて、前記第1油圧アクチュエータに供給される流量の目標値であるアクチュエータ目標流量を算出し、前記アクチュエータ目標流量に応じて、前記第1油圧ポンプの吐出流量の目標値であるポンプ目標流量を算出し、前記ポンプ目標流量に応じて前記第1油圧ポンプの吐出流量を制御する制御装置とを備えた油圧作業機械において、
    前記制御装置は、前記第1操作レバーの中立位置からの操作後から所定の補正時間が経過するまでの間、前記第1油圧ポンプのポンプ最小流量よりも大きい所定の補正流量を前記ポンプ目標流量に加算することにより前記ポンプ目標流量を補正する
    ことを特徴とする油圧作業機械。
  2. 請求項1に記載の油圧作業機械において、
    前記第1操作レバーの操作に応じて駆動され、前記第1油圧ポンプから前記第1油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向制御弁を更に備え、
    前記制御装置は、前記第1操作レバーの中立位置からの操作後でかつ前記方向制御弁の動き始める前に前記ポンプ目標流量の補正を開始する
    ことを特徴とする油圧作業機械。
  3. 請求項1に記載の油圧作業機械において、
    前記第1油圧アクチュエータを含む複数の油圧アクチュエータと、
    前記第1操作レバーを含み、前記複数の油圧アクチュエータをそれぞれ操作するための複数の操作レバーとを備え、
    前記制御装置は、前記複数の操作レバーのそれぞれの中立位置からの操作に応じて前記ポンプ目標流量を補正するように構成されており、
    前記複数の操作レバーのそれぞれに対応した前記所定の補正流量の積算値は、前記複数の油圧アクチュエータによって駆動される部材の慣性の大きさに応じた値に設定されている
    ことを特徴とする油圧作業機械。
  4. 請求項1に記載の油圧作業機械において、
    前記第1油圧ポンプを含み、前記第1油圧アクチュエータに接続された複数の油圧ポンプを備え、
    前記制御装置は、前記複数の油圧ポンプのポンプ目標流量のうち、前記第1操作レバーの操作が開始されたときに前記第1油圧アクチュエータに最初に圧油を供給する油圧ポンプのポンプ目標流量のみを補正する
    ことを特徴とする油圧作業機械。
  5. 請求項1に記載の油圧作業機械において、
    作業精度が要求されない動作モードである通常モードおよび作業精度が要求される動作モードである精度重視モードのいずれかを選択するモード選択装置を備え、
    前記モード選択装置によって前記精度重視モードが選択されたときの前記所定の補正流量は、前記モード選択装置によって前記通常モードが選択されたときの前記所定の補正流量よりも小さい値に設定されている
    ことを特徴とする油圧作業機械。
  6. 請求項1に記載の油圧作業機械において、
    前記第1油圧ポンプに接続された第2油圧アクチュエータを更に備え、
    前記制御装置は、
    前記第1油圧ポンプから前記第2油圧アクチュエータに圧油が供給されている状態では、前記ポンプ目標流量の補正を行わない
    ことを特徴とする油圧作業機械。
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