JP2019044884A - 変速制御装置 - Google Patents

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秀信 渡辺
Hidenobu Watanabe
秀信 渡辺
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Abstract

【課題】実用燃費を高めること。【解決手段】車両10は、加速度センサ68とブレーキ機構46とCVTとを備える。エンジンECU72は、加速度センサ68の検知結果とブレーキ機構46の動作状態とに基づいて速度制御に関する運転者の意思を推定し、推定された意思が減速を示すときCVTの設定をローギヤ側の設定に切り替える。【選択図】図1

Description

この発明は、変速制御装置に関し、特に、車両に設けられた変速機の設定を制御する変速制御装置に関する。
この種の変速制御装置の一例が、特許文献1に開示されている。この文献によれば、エンジンの動力は、直接的にオルタネータに伝達されるとともに、自動変速機を介して駆動輪に伝達される。バッテリには、オルタネータで発電された電力が充電される。
ここで、車両が減速するように自動変速機が制御される場合には、オルタネータの発電トルクの制限値は、通常時に比べて低くなるように一時的に変更される。これによって、減速時にオルタネータによる効率的な回生発電を行いながらも、自動変速機における変速制御精度、およびドライバビリティを良好に確保することができる。
特開2015−89186号公報
しかし、オルタネータの発電トルクの制限値を車両の減速時に一時的に低くする制御は、ドライバビリティを向上させる反面、実用燃費の向上に限界をもたらす。また、特許文献1では、運転者による減速の意思が推定されることはなく、減速の意思に応じてローギヤ側の変速比が積極的に選択されることもない。この点においても、実用燃費の向上に限界がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、実用燃費を高めることができる、変速制御装置を提供することである。
この発明に係る変速制御装置は、加速度センサとブレーキ機構とを備える車両に設けられた変速機の設定を制御する変速制御装置であって、加速度センサの検知結果とブレーキ機構の動作状態とに基づいて速度制御に関する運転者の意思を推定する推定手段、および推定手段によって推定された意思が減速を示すとき変速機の設定をローギヤ側の設定に切り替える切り替え手段を備える。
速度制御に関する運転者の意思は加速度センサの検知結果とブレーキ機構の動作状態とに基づいて推定できるところ、変速機の設定は、推定された意思が減速を示すときに積極的にローギヤ側の設定に切り替えられる。これによって、ブレーキ機構の動作から変速線図の切り替えまでのタイムラグを短縮することができ、ひいては実用燃費を改善することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この実施例の車両の要部構成の一部を示すブロック図である。 この実施例の車両の要部構成の他の一部を示すブロック図である。 図2に示すCVT_ECUによって参照される変速線図の一例を示す図解図である。 図1に示すエンジンECUの動作の一部を示すフロー図である。 他の実施例の車両によって参照される変速線図の一例を示す図解図である。
図1および図2を参照して、この実施例の車両10は、3つの気筒141〜143を有する4ストローク型のエンジン(内燃機関)12を動力源として備える。吸気管32は、気筒141〜143の上流の位置で3つに分岐する。一方、排気管36は、気筒141〜143の下流の位置で3つから1つに集約される。気筒141〜143の各々に設けられた燃焼室16は、吸気弁18を介して吸気管32と連通し、排気弁20を介して排気管36と連通する。
吸気管32の分岐点には、空気流量を平準化するためのサージタンク44が設けられる。また、サージタンク44よりも上流の位置には、大気から粉塵を分離するエアクリーナ34と、バルブモータ42によって開度が調整される単一のスロットルバルブ38とが設けられる。
さらに、サージタンク44よりも下流の位置には、吸気管32に燃料を噴射するべく気筒141〜143の各々に割り当てられた燃料噴射装置40が設けられる。一方、排気管36の集約点よりも下流の位置には、触媒62を有するマフラー64が設けられる。
イグニッションキー(図示せず)によってIGオン操作が行われると、エンジンECU72は、エンジン12を始動するべく図2に示すリレー80をオンする。バッテリ84の電力はオン状態のリレー80を介してスタータ82に供給され、スタータ82はバッテリ84の電力によってクランキングを実行する。これによって、エンジン12が始動する。
エンジン12が始動すると、エンジンECU72は、アイドル状態が維持されるように、バルブモータ42を通してスロットルバルブ38の開度を調整する。エアクリーナ34を経た吸入空気の量は、スロットルバルブ38によって規定され、燃料噴射装置40の燃料噴射量は、理論空燃比を示す混合気が生成されるように調整される。
この状態でアクセルペダル66が踏み込まれると、エンジンECU72は、バルブモータ42を駆動する。スロットルバルブ38はバルブモータ42によって開かれ、これによって、理論空燃比を保ちつつ吸入空気量および燃料噴射装置40の燃料噴射量が増大する。
混合気は、吸気弁18が開かれたときに燃焼室16に供給される。供給された混合気は、コンロッド24を介してクランクシャフト26と結合されたピストン22が上死点に達する直前に、点火プラグ30によって点火される。ピストン22は、混合気の爆発によって上下動し、これによってクランクシャフト26が回転する。
混合気を燃焼した後の空気つまり燃焼ガスは、排気弁20が開かれたときに燃焼室16から排出され、排気管36を介してマフラー64に供給される。触媒62は、燃焼ガスに含まれる一酸化炭素,炭化水素および窒素酸化物を酸化・還元し、水,二酸化炭素および窒素を生成する。車両10からは、こうして浄化されたガスが排出される。
クランクシャフト26にはフライホイール28が装着され、クランクシャフト26の回転数つまりエンジン12の回転数のぶれはフライホイール28によって抑制される。また、エンジン12の回転数は、エンジン回転センサ60によって検知される。加速度センサ68は、エンジン回転センサ60の検知結果に基づいて車両10の加速度を検知し、検知結果をエンジンECU72に与える。
クランクシャフト26の回転力は、図2に示すCVT74を介してドライブシャフト(図示せず)に伝達される。CVT74の変速比は、CVT_ECU86によって調整されるところ、この調整にあたっては、メモリ86mに記憶された図3に示す変速線図が参照される。
図3によれば、変速線図は、スロットルバルブ38の開度(=TTL)に応じて異なる変速線を描く。CVT_ECU86は、現時点のスロットルバルブ38の開度に対応する変速線を選択し、エンジン12の回転数に対応する車両10の走行速度を選択した変速線上で検出し、そして検出した走行速度が得られるように変速比を調整する。この結果、車両10は、CVT74に設定された変速比に従う速度で走行する。
なお、この実施例では、実線で示す変速線図が標準変速線図とされ、運転者の意思およびエコスイッチ70の設定に応じて、破線で示すようなローギヤ側の設定に対応する変速線図、または一点鎖線で示すような最もローギヤ側の設定に対応する変速線図に切り替えられる(詳細は後述)。
クランクシャフト26の回転力はまた、ベルト76を介してオルタネータ78の回転軸78sに伝達される。回転軸78sの回転力は電力に変換され、変換された電力はバッテリ84に蓄えられる。
ブレーキ機構46を構成するブレーキペダル52が踏み込まれると、ブレーキ踏力はブレーキブースタ50を介してブレーキパッド(図示せず)に伝達される。ブレーキパッドはディスク(図示せず)を挟み込み、車速はブレーキパッドとディスクとの摩擦力によって低減する。
ブレーキブースタ50の負圧室はチェックバルブ48を介して吸気管32と連通し、ブレーキブースタ50は、インマニ負圧(吸気管32に生じている負圧)ないしブースタ負圧(負圧室に生じている負圧)と大気圧との差分を利用して運転者のブレーキ踏力を助勢する。したがって、車両10は小さいブレーキ踏力で速やかに減速する。
ブレーキペダル52の近傍には、ブレーキスイッチ54およびブレーキストロークセンサ56が設けられ、ブレーキブースタ50にはブレーキ液圧センサ58が設けられる。ブレーキスイッチ54は、ブレーキペダル52が踏み込まれたときにオンされ、ブレーキペダル52の踏み込みが解除されたときにオフされる。
また、ブレーキストロークセンサ56はブレーキペダル52の踏み込み量を検知し、ブレーキ液圧センサ58はブレーキブースタ50に充填されたブレーキオイルの圧力を検知する。ブレーキスイッチ54のオン/オフ状態,ブレーキストロークセンサ56の検知結果およびブレーキ液圧センサ58の検知結果はいずれも、エンジンECU72に与えられる。
減速のためにブレーキペダル52を踏み込むと、エンジン12の回転力がブレーキパッド・ディスク間の摩擦熱として消費される。このようなエネルギー消費を抑制して実用燃費を改善するべく、最近は、ブレーキペダル52が踏み込まれた場合に、CVT74の変速線図をローギヤ側の設定に対応する変速線図に切り替え、エンジン12の回転力によってバッテリ84を充電するシステムがある。また、このようなシステムは、車種によっては、エコドライブモードが選択されているときに起動される。
しかし、ブレーキペダル52の踏み込みから変速線図の切り替えまでのタイムラグが長いと、エネルギー消費を十分に抑制することができず、ひいては実用燃費を十分に改善することができない。
そこで、この実施例では、ブレーキペダル52の踏み込みから変速線図の切り替えまでのタイムラグを短縮し、実用燃費を改善するべく、図4に示すフロー図に従う変速線図制御をエンジンECU72に繰り返し実行させるようにしている。なお、図4に示すフロー図に対応する制御プログラムはメモリ72mに記憶される。
ステップS1では、ブレーキスイッチ54のオン/オフ状態,ブレーキストロークセンサ56の検知結果およびブレーキ液圧センサ58の検知結果を参照して、ブレーキ機構46の動作状態を検出する。ステップS3では、加速度センサ68の検知結果を参照して、車両10の減速度を検出する。ステップS5では、ステップS1で検出された動作状態とステップS3で検出された減速度とに基づいて、速度制御に関する運転者の意思を推定する。
ステップS7では、ステップS5の推定結果が“減速の意思あり”を示すか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS9に進み、CVT_ECU86によって参照される変速線図を標準変速線図に切り替える。切り替えが完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
これに対して、ステップS7の判別結果がYESであれば、エコスイッチ70によってエコドライブモードが選択されているか否かをステップS11で判別する。判別結果がNOであればステップS13に進み、CVT_ECU86によって参照される変速線図をローギヤ側の設定に対応する変速線図に切り替える。一方、判別結果がYESであればステップS15に進み、CVT_ECU86によって参照される変速線図を最もローギヤ側の設定に対応する変速線図に切り替える。変速線図の切り替えが完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
以上の説明から分かるように、車両10は、ブレーキ機構46と加速度センサ68とCVT74とを備える。エンジンECU72は、ブレーキ機構46の動作状態(ブレーキペダル52の踏み込みの有無,ブレーキペダル52の踏み込み量およびブレーキオイルの圧力)と加速度センサ68の検知結果(車両10の減速度)とに基づいて、速度制御に関する運転者の意思を推定する(S5)。推定された意思が減速を示せば、エンジンECU72は、CVT74の設定をローギヤ側の設定に切り替える(S7, S13, S15)。
運転者の減速意思を推定することで、ブレーキペダル52の踏み込みから変速線図の切り替えまでのタイムラグを短縮することができ、ひいては実用燃費を改善することができる。
なお、この実施例では、CVT78を車両10に搭載するようにしているが、CVT78に代えてATを搭載するようにしてもよい。この場合、ATを制御するAT_ECTは、図3に示す変速線図に代えて図5に示す変速線図を参照する。
図5において、実線で示す変速線図は標準変速線図に相当し、破線で示す変速線図はローギヤ側の設定に対応する変速線図に相当し、一点鎖線で示す変速線図は最もローギヤ側の設定に対応する変速線図に相当する。また、シフトダウン時の変速比は太線(実線,破線または一点鎖線)で示す変速線図に沿って調整され、シフトアップ時の変速比は細線(実線,破線または一点鎖線)で示す変速線図に沿って調整される。
また、この実施例では、エコドライブモードが選択されているか否かによって参照すべきローギヤ側の変速線図を異ならせるようにしている(ステップS11〜S15参照)。しかし、エコドライブモードが選択されていない場合には、ローギヤ側の変速線図への切り換えを制限するようにしてもよい。これによって、ドライバビリティを運転者の好みに応じて変えることができる。
さらに、この実施例のブレーキ機構は機械式であるが、これに代えてブレーキバイワイヤ方式を採用し、エンジンブレーキの強さに応じて制動力を調整するようにしてもよい。こうすることで、より自然な減速フィーリングが得られる。
10 …車両
12 …エンジン
16 …燃焼室
46 …ブレーキ機構
68 …加速度センサ
70 …エコスイッチ
72 …エンジンECU
74 …CVT

Claims (1)

  1. 加速度センサとブレーキ機構とを備える車両に設けられた変速機の設定を制御する変速制御装置であって、
    前記加速度センサの検知結果と前記ブレーキ機構の動作状態とに基づいて速度制御に関する運転者の意思を推定する推定手段、および
    前記推定手段によって推定された意思が減速を示すとき前記変速機の設定をローギヤ側の設定に切り替える切り替え手段を備える、変速制御装置。
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