JP2019044545A - かばん・ケース類の錠前 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩みにより蓋体のがたつきや、施錠保持性、気密性を損なうことがない、かばん・ケース類の錠前を提供する。【解決手段】筐体に取り付けられる錠前本体10と、蓋体に取り付けられる差込部材100とから成るかばん・ケース類の錠前に於いて、凹所状収納部11iに施錠カム用軸12aを中心として係合・非係合方向に回動する施錠カム12と、施錠レバー13と、施錠レバー13を少なくとも施錠方向に付勢する付勢手段14を組み込み、係合片102が施錠カム12に形成された第1係合部12bに係合した後、係合片102が錠前本体内に更に進入すると、付勢手段14の付勢力により、施錠カム12は係合片102を施錠位置へと引き寄せるように自動的に回動して施錠状態となる。【選択図】図3

Description

本発明は、各種かばん類、スーツケース、トローリーバック、ブリーフケース、トランク、クーラーボックス、コンテナー、その他各種ケース類やその他各種物品を収納する筐体製品など(以下、これらを総称して本明細書において、かばん・ケース類と称する。)の蓋体及び筐体に取り付けられるかばん・ケース類の錠前に関し、特に、かばん・ケース類の筐体に取り付けられる錠前本体と、この錠前本体の位置に対応するように蓋体に取り付けられ、係合片が前記錠前本体に着脱自在に係合する差込部材とから成るかばん・ケース類の錠前に関する。
本出願人は、かばん類の筐体に取り付けられるかばん・ケース類の錠前として、かばん・ケース類の筐体に開閉可能に取り付けられた蓋体の施錠及び開錠をワンタッチ式で操作することができるようにしたかばん・ケース類の錠前を、先に特願2014−159843号(特開2016−37713号)として提案している。本出願人は、さらに、かばん・ケース類の錠前のかばん・ケース類への取付けの際の位置の誤差、取扱い時の衝撃、永年の使用により取付けの緩みや位置ずれや部品の磨耗等によって生じる「がたつき」や気密性が損なわれるという問題点を一層改善することに着目した。
特開2016−37713号公報
本発明の主たる課題は、付勢手段の付勢力を利用し、いわゆるワンタッチで自動的に施錠できると共に、施錠時、蓋体に取り付けられ差込部材を可能な限り施錠位置へと引き寄せ、かばん・ケース類の錠前に発生するがたつきを自動的に吸収して常に気密性、保持力を保ち、これにより、いわゆる「がたつき」が生じにくいかばん・ケース類の錠前を提供するものである。本発明の二次的な課題は、前記課題に加え、かばん・ケース類の蓋体を無理やり開けようとしたりするという人為的な操作(特に第三者による不正開錠)や、かばん・ケース類取扱い時の衝撃(振動)による不意の開錠に対して一層保持力を増強できるかばん・ケース類の錠前を提供するものである。
さらに、本発明の付加的な課題は、かばん・ケース類の蓋体に複数のかばん・ケース類の錠前を左右に取り付けたときに発生する左右勝手の使いづらさ、そのために左右仕様のかばん・ケース類の錠前を別々に2種類の作製しなければならならないという製品点数、工数、管理、コストアップ等という無駄をなくし、一種類のかばん・ケース類の錠前で左右使いの双方を兼用することができるかばん・ケース類の錠前を提供するものである。なお、二次的な課題及び付加的な課題は、本発明の特定要件となった場合に主たる課題に加味されるものである。
本発明のかばん・ケース類の錠前は、筐体に取り付けられる錠前本体10と、この錠前本体の位置に対応するように蓋体に取り付けられ、係合片102が前記錠前本体に着脱自在に係合する差込部材100とから成るかばん・ケース類の錠前に於いて、前記錠前本体10に凹所状収納部11iを設け、この凹所状収納部に施錠カム用軸12aを中心として係合・非係合方向に回動する施錠カム12と、前記施錠カム12と共働するように連係部12d、13dが該施錠カム12の偏心部位に取付けられた施錠レバー13、13Aと、この施錠レバーを少なくとも施錠方向に付勢するようバネ端部が該施錠レバー13に圧接する付勢手段14を組み込み、前記係合片102が前記施錠カムに形成された第1係合部としての切欠状被係合部12bに係合した後、該係合片102が前記錠前本体10内に更に進入すると、前記付勢手段14の付勢力により前記施錠カム12は前記係合片102を施錠位置へと引き寄せるように自動的に回動して施錠状態となることを特徴とする。
上記構成に於いて、前記施錠状態時、不正開錠操作により前記差込部材100が退出方向に移動したとき、前記取付け基台11の係合部としての一部11fに前記施錠カム12の第2係合部としての一部12eが食い込むように当たり、これにより前記施錠状態を保持することを特徴とする。
また錠前本体10は、差込部材100の係合片102と施錠カム12の切欠状被係合部12bとの係合解除用の操作部材19、19Aを有し、この係合解除用の操作部材19は、取付け基台11に結合するケースカバー18に回転可能に設けられた操作摘み、又は前記取付け基台11に摺動自在に嵌合すると共に、施錠レバーを付勢手段14の付勢力に抗して作動させる押圧部を有する摺動可動体19A、19Bのいずれかであることを特徴とする。
また係合解除用の操作部材19Aが取付け基台11に摺動自在に嵌合すると共に、施錠レバー13Aを付勢手段14の付勢力に抗して作動させる押圧部を有する摺動可動体19Aの場合には、前記押圧部23は、前記取付け基台11を左右勝手として使用することができるように施錠レバー13Aの中心軸24を基準として上下の位置に略回転対称に設けられていることを特徴とする。
また施錠カムは、その略中央部に施錠カム用軸と遊嵌合する軸孔を有し、不正開錠時に係合片が後退方向に移動すると、前記施錠カムは前記軸孔を介して前記係合片と略同方向へ移動し、これにより、取付け基台側に設けられた係合部11fに前記施錠カムの第2係合部12eが食い込むように当たることを特徴とする。
また錠前本体は、ケースカバー18の内側に係合解除用の操作部材と共働すると共に、施錠カムを係合解除の方向へと位置変位させる作動カム16を有し、差込部材の進入により該差込部材の係合片102に設けた係合突起103が、前記施錠カムの第1係合部12bと係合し、施錠カムが回動する際、施錠カムと共働して作動カムが回動するように構成し、一方、前記係合解除用の操作部材の操作力により、前記施錠カムと施錠レバーの連係部が施錠カム用軸12aを基準として位置変位し、これにより施錠カムと差込部材との解除が、前記係合解除用の操作部材の左右のいずれの回転方向によってもできるように構成したことを特徴とする。
さらに、錠前本体は施錠カムと施錠レバーとを有し、前記施錠カムには、前記施錠レバーの一方の端部が施錠カムを上方に回動させるように取り付けられており、かつ施錠レバーの他方の端部は錠前本体の係合解除用の操作部材と連動させるように取り付けられており、施錠カムと差込部材との解除が、施錠レバーとの連動により、係合解除用の操作部材の下方への移動によってできるように構成したことを特徴とする。
加えて、付勢手段14は、クリック機能を有する付勢バネであり、この付勢バネの付勢力は、施錠カムと施錠レバーの連係部12d、13dが施錠カム用軸12aを基準として上方に位置変位した場合には施錠方向に作用し、一方、前記連係部が施錠カム用軸12aを基準として下方に位置変位した場合には開錠方向に作用することを特徴とする。
ここで「取付け基台側に設けられた係合部」は、取付け基台11の周壁の一部11fや取付け基台内に固定的に設けられた施錠用カバー15のストッパー、その他のストッパーを言うもので、位置変位する施錠カム12を所定位置で受け止める機能を有するストッパー部位やストッパー部材である。
独立請求項に記載の本発明は、従来のかばん・ケース類に取付けられるかばん・ケース類の錠前においては、かばん・ケース類の錠前の取付け位置の僅かなずれ、または使用中に発生するかばん・ケース類の錠前の緩みにより、または取扱い中の衝撃等により蓋体のがたつきが発生し、かばん・ケース類の錠前の施錠維持性、筐体と蓋体との施錠時の気密性、保持力を損なうことがあったが、このような欠点を解消することができる。すなわち、付勢手段の付勢力を利用し、いわゆるワンタッチで自動的に施錠できると共に、施錠時、蓋体に取り付けられ差込部材を可能な限り施錠位置へと引き寄せ、かばん・ケース類の錠前に発生するがたつきを自動的に吸収して常に気密性、保持力を保ち、これにより、いわゆる「がたつき」が生じにくいかばん・ケース類の錠前を提供することができる。
また請求項2に記載の発明は、施錠状態時、例えば不正開錠操作により前記差込部材100が退出方向に移動したとき、取付け基台側に設けられた係合部11fに施錠カムの第2係合部一部12eが食い込むように当たり、これにより前記施錠状態を保持することができる。さらに、実施形態如何によっては、サムターン式操作つまみ、スライド式可動体等の係合解除用の操作部材を左右のどちらに廻しても、或いは左右方向のいずれにスライドさせても開錠(係合解除)操作ができる。
また実施形態如何によっては、操作つまみ、操作カバー等のスライド式可動体を下方に移動しても開錠操作ができるので、非常に使い勝手が良いという利点がある。また従来においては、右回転開錠用と左回転開錠用の2種類のかばん・ケース類の錠前を別々に用意しなければならないという状況も生じ、その場合、右用と左用の2種類のかばん・ケース類の錠前を別々に作製するという必要が生じ、製品点数の増加、コストアップの要因となっていたが、本発明の一実施態様によれば、右回転開錠用と左回転開錠用の2種類のかばん・ケース類の錠前を別々に作製することなく、一種類で共用できるという効果もあるので、製品点数の削減、コスト低減に繋がる等の付随的果的がある。
図1乃至図8は本発明の第1実施形態を示す各説明図(回転方式の開錠タイプ)。図9乃至図11は本発明の第2施形態を示す各説明図(横引き方式の開錠タイプ)。図12及び図13は本発明の第3施形態を示す各説明図(縦引き方式の開錠タイプ)。
本発明の第1実施形態を示す正面視からの概略説明図(差込前)。 錠前本体に差込部材が差し込まれた状態を示す側面視側からの概略説明図。 図2に於いて、施錠状態の一例を示す内部構造の概略説明図。 主要部を含む分解説明図。 図4に於いて、錠前本体10を構成する取付け基台11の説明図。 引き寄せ機能の流れを示す正面視側からの概略説明図。 同様に引き寄せ機能の流れを示す正面視側からの概略説明図。 同様に引き寄せ機能の流れを示す正面視側からの概略説明図。 (A)、(B)は施錠保持力強化機能を示す正面視側からの概略説明図、 施錠状態の一例の説明図。 操作部材を(A)を基準として時計方向(符号H方向)に回した一例の説明図。 は操作部材を(A)を基準として反時計方向(符号I方向)に回した一例の説明図。 第2施形態を示す図3と同様の内部構造の概略説明図。 図4と同様の主要部を含む分解説明図。 施錠状態の一例の説明図。 操作部材を(A)を基準として左方向(符号K方向)に移動させた一例の説明図。 操作部材を(A)を基準として右方向(符号L方向)に移動させた一例の説明図。 第3施形態を示す図3と同様の内部構造の概略説明図。 は施錠状態の一例の説明図。 操作部材を(A)を基準として下方向(符号N方向)に移動させた一例の説明図。 操作部材の内面(裏側)から見た概略説明図 第1実施形態の取付け基台11をケースカバー18Aに置換し、該ケースカバー18Aに凹所状収納部11iを設け、一方、第1実施形態の取付け基台11を蓋体に相当する取付けベース板(11A)に設計変更した実施形態。
各図は、本発明の技術的思想が、「筐体に取り付けられる錠前本体10と、この錠前本体の位置に対応するように蓋体に取り付けられ、係合片102が前記錠前本体に着脱自在に係合する差込部材100とから成るかばん・ケース類の錠前に於いて、前記錠前本体10に凹所状収納部11iを設け、この凹所状収納部に施錠カム用軸12aを中心として係合・非係合方向に回動する施錠カム12と、前記施錠カムと共働するように連係部が該施錠カムの偏心部位に取付けられた施錠レバー13、13Aと、この施錠レバーを少なくとも施錠方向に付勢するようバネ端部が該施錠レバーに圧接する付勢手段14を組み込み、前記係合片が前記施錠カムに形成された第1係合部12bに係合した後、該係合片102が前記錠前本体内に更に進入すると、前記付勢手段14の付勢力により前記施錠カム12は前記係合片102を施錠位置へと引き寄せるように自動的に回動して施錠状態となること」を示すものである。
その余の構成は、発明の課題との関係で付加的事項である。なお、前記施錠レバー13は、施錠カムに連動して主として上下方向に移動するものであり(第1実施形態)、一方、施錠レバー13Aは、施錠カムに連動して主として左右方向に摺動するものである(第2実施形態)。
まず、図1乃至8を参照して第1実施形態を説明する。この第1実施形態は、その操作部材が回転方式の開錠タイプである。図1は本発明の第1実施形態を示す正面視からの概略説明図(差込前)で、より正確には、かばん・ケース類の蓋体Aに取り付けられた「かばん・ケース類の錠前1」の差込部材100が、かばん・ケース類の筐体Bに取り付けられた錠前本体10の嵌合部(開口部)11hに差し込まれる(嵌入、係入)前の状態を説明するための概略正面図である。以下、差込部材100及び錠前本体10を構成する主たる部材の位置関係を説明する「上端部」、「下端部」、「左」、「右」、中央部等の各用語はこの図1又は図3を基準とする。
図1に於いて、符号Aは蓋体、Bは筐体である。かばん・ケース類の蓋体Aは、周知の如く、筐体Bに対して開閉自在である。図1は説明の便宜上、蓋体A及び筐体Bを含めて正面図とするが、蓋体A及び筐体Bは発明の特定要件ではない。
符号1は金属製の錠前で、この錠前1は、差込部材100と錠前本体10とから成り、前記差込部材100は、横長矩形板状に形成され、かつ左右端部に一対の取付け孔(不番)を有する基部101と、この基部の下端部を後側に略直角に折り曲げ形成された水平連設部と、この水平連設部の内端部を下方方向に略直角に折り曲げ形成され、かつ、一側面に係合突起103を有する係合片102とを有している。
図2は錠前本体10に差込部材100が差し込まれた状態を示す側面視側からの概略説明図であるが、この図2を参照にすると、差込部材100は、後述する取付け基台11側に位置する垂直プレート状の基部101と、アングル状の折り曲げ部分(不番)と、この折り曲げ部分に連設して下方に所要量延在する垂直プレート状の係合片102と、この係合片102の下端部の内面に取付け基台10の垂直ベース板に対して略直交するように突設されたやや小さな係合突起103とから成る。
符号18は、本実施形態では、取付け基台11と一体的に結合するケースカバー(化粧カバー)で、このケースカバー18にはサムターン式の操作摘み19が、その操作軸としてのサムターン軸20を介して回転自在に設けられている。なお、操作摘み19は操作カバー21を有している(図4参照)。
次に、図3は図2に於いて施錠状態の一例を示す内部構造の概略説明図、図4は主要部を含む分解説明図、図5は錠前本体10を構成する取付け基台11の説明図である。
さて、図2乃至図5を参照にすると、錠前本体10は、少なくとも取付け基台11と、例えば取付け基台側に形成した凹所状収納部11iに組み込まれる施錠部材12、13、14とを備え、前記施錠部材は、その軸12aを含む施錠カム12と、その連係部13dを含む施錠レバー13と、施錠レバーを少なくとも施錠方向に付勢する付勢手段14とから成り、前記付勢手段14、好ましくはクリック機能を有する付勢バネであり、この付勢バネの付勢力は、施錠カムと施錠レバーの連係部が施錠カム用軸12aを基準として上方に位置変位した場合には施錠方向に作用し、一方、前記連係部が施錠カム用軸12aを基準として下方に位置変位した場合には開錠方向に作用する(図8参照)。
すなわち、本実施形態では、錠前本体10の取付け基台11に凹所状収納部11iを設け、この凹所状収納部11iに施錠カム用軸12aを中心として係合・非係合方向に回動する施錠カム12と、前記施錠カムと共働するように連係部13dが該施錠カムの偏心部位に取付けられた施錠レバー13と、この施錠レバーを常に施錠方向に付勢するようバネ端部が該施錠レバーに直接圧接する付勢手段14とを組み込んでいる。なお、符号18はケースカバーで、このケースカバーに形成された横向き凹所内には、サムターン式の操作摘み19に装着されている。
付言すると、錠前を販売する段階での実施レベルでは、図1〜図5に示すように、本発明のかばん・ケース類の錠前は、全体的な構成部材として、かばん・ケース類の蓋体Aの所定位置に取付けられる差込部材100と、かばん・ケース類の筐体Bの所定位置に前記差込部材100と対応するように取り付けられる錠前本体10とを有し、錠前本体10は、筐体Bの所定位置に取り付けるための取付け基台11と、取付け基台11に内蔵される施錠カム12と、施錠レバー13と、付勢手段としての施錠用ばね14と、ケースカバー18と、錠前の開錠(係合解除)の操作を行なう操作部材としての操作摘み19と、操作摘みと連動するように前記ケースカバー18と前記施錠レバー13との間に配設されていると共に、前記操作摘みの操作力を前記施錠レバー13に伝える作動カム16と、この作動カム16を水平状態の初期位置へ戻す作動カム用復帰バネ17とを備えている。
図4を正確に説明すると、図面右側の差込部材100、図面左側のケースカバー18に装着される操作部材19、この操作部材と共働する作動カム16等と共に、錠前本体10の主要部を含む分解説明図である。
この図4と共に図5を参照にして各部材を説明する。図面右側の差込部材100の構成は説明した通りである。その係合突起103は係合片102の向こう側の内面に突出している。係合突起103の形状は円形、楕円形、多角形等であり、特に形状を問わないが、左右方向の幅や突出量は、取付け基台11に形成したスリット11b、プレート状の施錠カム用仕切り板15の配設位置、施錠カム用仕切り板15に形成したスリット15bの幅等を考慮している。
なお、符号101aは、差込部材100用の化粧カバーで、この化粧カバー101aは、差込部材100に外嵌合する形態であり、差込部材100の基部101をカバーする上端部カバーと、この上端部カバーに連設し、かつ、差込部材100の係合片102をカバーする下端部とを有し、前記上端部カバーには前記基部101に形成した左右一対の取付け孔に対応する鋲体用の受入れ孔が形成されている。
錠前本体10を構成する取付け基台11は、垂直状態の取付けベース板11aを有し、この取付けベース板11aの中央部或いは中央部寄りの部位には、その上端から下方に略垂直状態に所定量形成された前述のスリット11bと、このスリット付近の部位に形成された小さな軸孔11cと、この小さな軸孔11cよりも下方部位の適宜箇所に縦方向に形成され、かつ、施錠レバー13の一側面に設けた突起状ガイド部13bと係合する縦ガイド(例えば垂直切欠溝)11dと、上端部の左右部位及びその下端部の中央部にそれぞれ突設された固定手段用の複数個の取付け部11eがそれぞれ設けられている。
また取付けベース板11aの上端部には、該取付けベース板の内壁面に略直交するように略水平方向に突設され、かつ取付け基台11の一部を構成する左右一対の係合部11f、11fと、これらの係合部にその両端部に相当する上端部が接続する正面視略U字形状の突壁状周壁11gが設けられている。
したがって、取付け基台11は、前記取付けベース板11aと、左右一対の係合部11f、11fと、突壁状周壁11gとにより形成された開口部11h及び該開口部に連通する凹所状収納部11iとを有している(符号は図3と共に参照)。
次に、取付け基台11の内側(図2において右側)には、施錠レバー13が配され、その内側には施錠カム12が施錠カム用軸12aを介して配されている。施錠カム用軸12aは、前述した取付け基台11の小さな軸孔11cに固定的に取付けられる。施錠カム12は略円形状に形成され、その周面から半径内方向に形成された切欠状被係合部(ここでは「第1係合部」とする)12bと、略中央部に形成された施錠カム用軸12aよりも大きい軸孔(例えば上下方向が長径の楕円状の孔)12cと、この軸孔12cを基準として施錠カム12の一側面の偏心部位に突設された連係手段を構成する施錠レバー用取付け軸12dとを有する。
そして、該施錠カム12には施錠カム用仕切り板15がその内側(図2において右側)に配されている。この施錠カム用仕切り板15は、プレート状垂直カバー部15aの上端部の略中央部に前述した取付け基台11の平面視左右対称の係合部11f、11f(取付け基台11の一部)の内側に入り込む突起部分を有し、この突起部分の上端から下方に向かって略垂直のスリット15bを有している。このスリット15bは、前述取付け基台11のスリット11bと対向することから、差込部材100の係合突起103がスムースに上下方向にスライド可能である。
ところで、符号12bは施錠カム12の円周方向の一部に凹状に設けられた第1係合部としての切欠状被係合部であり、該切欠状被係合部12bに差込部材100の係合突起103が係脱するが、本実施形態では、発明の主たる課題との関係で、施錠カム12と共働する施錠レバー13を、少なくとも施錠方向に付勢するようバネ端部が該施錠レバー13に直接又は間接的に圧接するクリック機能を有する付勢手段14を取付け基台11の凹所状収納部11iに組み込んでいる。
したがって、差込部材100の係合片102が前記施錠カム12の切欠状被係合部12bに係合した後、係合片102が錠前本体10内に更に進入すると、付勢手段14の付勢力により、施錠カム12は前記切欠状被係合部或いは係合片102の係合突起103を施錠位置へと引き寄せるように自動的に回動して施錠状態となる。
なお、本実施形態の施錠カム12の係合態様は、後述するように、(a)差込部材100の係合突起103と係合する第1係合と、(b)前記第1係合を保持しながら取付け基台11の一部を構成する係合部11fと食い込むように、或いは楔状に係合する第2係合の、合計二つの係合態様が存在するが、これは本発明の二次的な課題との関係で、本発明の特定要件と成り得る事項である。
次に、施錠レバー13は、施錠カム12の外側面(すなわち取付け基台11と反対側面)内の所定位置に設けられた施錠レバー取付け用軸12dと係合するように取り付けられており、一方、付勢手段としての施錠用ばね14は、取付け基台11の内側において施錠レバー13と一部において係合するように取り付けられており、差込部材100の進入、退却による施錠カム12の回動に応じた施錠レバー13動きに対応し、該施錠レバー13に対し付勢力を加えるようになっており、施錠レバー13が、差込部材の係合突起103と施錠カムの切欠状被係合部12bとが係合し、施錠状態となった位置において、施錠用ばね14の付勢力によって、その位置が保持されるようになっている。
ここで、図4の斜視図及び図6の施錠する場合の引き寄せ作動状態を示す施錠カム12との共働部材、例えば施錠レバー13を参照にして、この施錠レバー13をさらに説明すると、13aは略垂直板の立ち上り部分で、この立ち上り部分13aの一側面(図4では向こう側)の下端部寄りの部位には、前述した突起状ガイド部13bが取付け基台11の縦ガイド11dに向かって突設されている。13cは前記立ち上り部分13aの下端部を作動カム16側に折り曲げて形成され、かつ、前記作動カム16の左右対称の押圧部16aを受けることができる水平端板状の受け部で、この受け部13cは、係合解除時、操作部材19の操作力によって回転する前記作動カム16の弧状壁状に形成された左右の下端面(押圧部)16a、16aの一方を受け、これにより、施錠レバー13は下方に移動(図8の如く位置変位)することができる。13dは立ち上り部分13aの上端部に人差し指形状に延在するオス又はメス側の連係部で、この連係部13dは前述した施錠カム用のメス又はオス側の連係部(取付け軸)12dに係合する。
次に、取付け基台11の外側には、ケースカバー18が配され、取付け基台11とケースカバー18とは固定手段(例えばビス)を介して一体的に係合する。ケースカバー18の外側には、操作部材19が取付けられ、前記操作部材19には化粧カバー21が配されている。操作部材19は、作動カム16と直接的に、あるいは間接部材を介して接続されており、該操作部材19の操作に応じて作動カム16が回動する。
次に、図6の(A)、(B)、(C)は、係合片102の係合突起103を施錠方向へと引き寄せる引き寄せ機能の流れを示す正面視側からの各概略説明図である。繰り返しになるが、施錠カム12は、施錠カム用軸12aを介して取付け基台11に取り付けられている。また施錠カム12には、その円周の一部(図6においては紙面の左側)に切欠状被係合部12bが設けられており、当該切欠状被係合部12bと差込部材100の係合突起103とが係合する。付言すると、差込部材100の進入に応じて所定位置に達したとき、差込部材100の係合突起103と施錠カム12の切欠状被係合部12bとが係合し、これにより施錠カム12を、例えば反時計方向(矢印E方向)に回動し、施錠が開始されるようになっている。
一方、図8(B)で示すように、操作部材19による開錠操作によって、施錠カム12は反時計方向(矢印H方向)に回動し、差込部材100の退却が行われ、開錠が開始されるようになっている。さらに、施錠カム12の一方の面内(すなわち取付け基台11と反対側の面)の所定位置には施錠レバー取付け用軸12dが設けられており、施錠レバー13の一端部は、前記施錠レバー取付け用軸12dに軸支され、施錠カム12の回動を規制するようになっている。当該施錠カム用仕切り板15には受け入れスリット15bが設けられており、差込部材100の係合突起103が当該受け入れスリット15b内を上下に走行するようになっている。
以上、上記構成の錠前1においては、差込部材100の差込みによって、該差込部材の係合突起103と施錠カム12の第1係合部としての切欠状被係合部12bとが係合し、施錠カム12を施錠方向に回動させ、さらにクリック機能を有する付勢手段14の付勢力により、前記係合突起103を引き寄せるように自動的に施錠されるようになっている。この作動によって、いわゆるワンタッチでの施錠が可能となっている。作動カム16は、施錠カム12と対応する位置関係で設けられており、かつケースカバー18内に内蔵される位置関係で設けられている。また、作動カム16は、ケースカバー18の作動カム収納部18a内にばね17を介して取り付けられている。ケースカバー18には、前述したようにサムターン式の操作部材19が取付けられており、この操作部材19と作動カム16とは作動カム16を回動できるように取り付けられており、係合解除用の操作部材19の操作力により、作動カム16に連動する施錠レバー13を介して錠前1の開錠(係合解除)が可能である。
ここで、本発明の主たる課題である「錠前の施錠の確実性」に関する引き寄せ機構について、図6を参照して説明する。図6(A)に示すように、差込部材100が筐体Bに向かって進入し、錠前本体の嵌合部位となる位置に向かうと、差込部材100の係合片102の係合突起103が当該係合突起103に対応して設けられた施錠カム12の切欠状被係合部(第1係合部)12bと係合し、差込部材の進入(同図においては下方への移動)に応じて施錠カム12は矢印E方向に回転する、これに対応して、施錠レバー13は、その上端部の指先状連係部13dが施錠カム12の偏心位置にある軸状連係部12dに連結されていることから、施錠カム用軸12aよりも上方へと位置変位する。この時、付勢手段14の付勢力が「係合解除(開錠)方向」から「係合(施錠)方向」へと切り替わる。そこで、図6(B)に示すよう、施錠カム12が施錠方向(矢印E方向)に回転中、さらに、図6(C)に示すように、更なる差込部材100の係合片102が進入すると、つまり、付勢手段14の付勢力により、施錠カム12がE方向に回動し続けると、前記施錠カムは前記係合片102を施錠位置へと引き寄せるように自動的に回動して施錠状態となる。
次に、本発明の二次的な課題である「施錠保持力の強化」について、図7(A)、(B)を参照にして説明する。この態様における施錠カム12においては、その軸孔12cが楕円状の長孔とされている。すなわち、同図に示した様に、施錠カム12の軸孔12cは、差込部材100の係合突起103の進入方向に長軸を持つ楕円形状となっており、取付け基台11に設けられた施錠カム用軸12aが前記軸孔12c内を遊嵌するように、すなわち、施錠カム12は、図7に示したように上下移動可能となるように軸支されている。したがって、施錠状態時、不正開錠操作により前記差込部材100が退出方向に移動したとき、取付け基台側に設けられた係合部一部11fに施錠カム12の第2係合部12eが食い込むように当たり、これにより前記施錠状態を保持することができる。
さらに付言すると、差込部材100の係合突起103が差込まれて進入し、施錠された初期の第1の状態においては、図7(A)に図示したように、取付け基台11の係合部11fと施錠カム12の第2係合部12eとは若干の間隔mをもって離れた状態であって、施錠カム用軸12aは、楕円形状の軸孔12cの上方の円周部に当接された状態となって保持され、施錠状態に維持される。一方、「がたつき」が生じて施錠状態の差込部材100が、図7(B)において上方(F方向)に変動した場合、つまり、係合片102が上方に退出した時には、係合突起103が第1係合部12bを形成する横向き凹所状の上方内壁面に押し上げるように当たるので、図7(B)に図示したように、その変動に応じて施錠カム12は縦方向の楕円形状の軸孔12cを介して上方に若干移動し、楕円形状の軸孔12cの下方の円周部に当接された状態となって保持され、これにより取付け基台の施錠カムとの係合部11fと施錠カムの取付け基台との第2係合部12eとは係合し、両係合部11f、12eとの間で、いわば楔のように抵抗力がかかった状態となる。
それ故に、施錠カム12の施錠カム用軸12aの楕円形状の軸孔12c内の上方への移動、および抵抗力がかかった状態の取付け基台の施錠カムとの係合部11fと施錠カムの取付け基台との第2係合部12eとは係合の抵抗力の増大により、両方の係合部の保持力が強化され、これにより施錠力が強化される。
好ましい態様においては、図7に示したように、施錠カムの軸孔12cの長孔内における施錠カム用軸12aとの隙間の間隔nが、取付け基台の施錠カムの係止部11aと、施錠カムの所定の初期設定位置に軸支された際の係止部12eとの間隔mがより大とされ、施錠カム用軸12aが前記楕円状の長孔の軸孔12c内において遊嵌され、施錠カム用軸12aが差込部材の進入方向と反対方向に移動した際、施錠カムの取付け基台との係合部12dと、錠前本体の取付け基台の係合部11fとが係合し、施錠の保持力が高められるようにされている。
次に、図8は錠前1の開錠(係合解除)の動作を示した図面である。より正確には、図8の(A)は、本発明の一実施態様の錠前の施錠状態を示す一部省略概略正面図であり、差込部材100が進入して(図においては下降して)、施錠カム12の第1係合部12bと差込部材の係合突起103とが係合して施錠状態に達した状態を示す図面であり、施錠状態において、施錠レバー13の上端方向の先端部に設けられた連係部13dの位置に施錠用ばね14の施錠レバーとのバネ端部(当接部)14aが達し、この部分において施錠用ばね14の付勢力によって、施錠レバー13の位置が保持され、施錠状態が維持されている。
上記の施錠状態から開錠するために、係合解除用の操作部材19を図8(B)の様にH方向(すなわち右回り方向)に回すと、該操作部材の回す方向に応じて作動カム16が右方向に回動し、作動カム16の回動と連動して施錠レバー13が下方に移動し、この動きに応じて施錠カム12がH方向と同方向に回動し、施錠カムの第1係合部12bが上方に位置するようになり、差込部材の係合突起103と施錠カムの第1係合部12bとの係合が外れ、開錠状態となる。
一方、操作部材19を図8の(C)の様にI方向(すなわち左回り方向)に回すと、係合解除用の操作部材の回す方向に応じて作動カム16が左方向に回動し、作動カム16の回動と連動して施錠レバー13が下方に移動し、この動きに応じて施錠カム12がI方向と反対方向に回動し、施錠カムの切欠状被係合部12bが上方に位置するようになり、差込部材の係合突起103と施錠カムの切欠状被係合部12bとの係合が外れ、開錠状態となる。
以上のように、この実施態様の錠前1によれば、係合解除用の操作部材19を右方向に廻しても、左方向に廻しても、どちらの方向に廻しても同様に開錠を行なうことができ、一種類で左右共用できる。すなわち、右用、左用の2種類の商品を作る必要がなくなる。
この欄では、本発明の第2実施形態及び第3実施形態を説明する(同一の構成部分には同一・同様の符号を付して重複する説明を割愛する)。
まず、図9乃至図11は、本発明の第2実施形態を示す各説明図である。この第2実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、操作部材19Aと施錠レバー13Aである。図9は、図3と同様の内部構造の概略説明図、図10は図4と同様の主要部と共に操作部材を含む分解説明図、図11は図8と同様の各概略説明図で、(A)は施錠状態の一例、(B)はケース状カバーに相当する操作部材19Aを(A)を基準として左方向(符号K方向)に移動させた一例、は前記操作部材19Aを(A)を基準として右方向(符号L方向)に移動させた一例をそれぞれ示す。
さて、好ましい操作部材の一例として、ケースカバー18に外嵌合する操作カバー19Aを、左右の横方向のどちらに押しても開錠できるようにした第2実施態様について簡単に説明する。例えば図9は、その側壁が略矩形形状のケースカバー18を正面図から見た概略説明図である。このケースカバー18の外壁面に摺接するようにその側壁が略矩形形状の操作カバー19Aが手前側に外嵌合している。
この図9を基準にすると、ケースカバー18の上方に位置するのが施錠カム12、この施錠カム12に上端部側の連係部13dが位置するように中心軸としての支軸24を介して傾倒状に配設されているのが棒状の施錠レバー13A、前記支軸(中心軸)24を基準として前記棒状の施錠レバー13Aの下杆部分の左側壁に当接或いは接近しているのが第1押圧部22としてのボス(突起部)、一方、前記支軸(中心軸)24を基準として前記棒状の施錠レバー13Aの上杆部分の右側壁に当接或いは接近しているのが第2押圧部22としてのボス(突起部)である。
このように、第2実施形態の操作部材19Aは、取付け基台11或いはケースカバー18に比して左右方向に大きく形成され、かつ、前記取付け基台11或いはケースカバー18に摺動自在に嵌合すると共に、施錠レバー13Aを右側に配設された付勢手段14の付勢力に抗して作動させる単数又は複数(この実施形態)の押圧部22を有する摺動可動体である。なお、符号12fは施錠カム12の第1係合部12bとは反対側の部位に突設したバネ端支持部で、このバネ端支持部12fは施錠カムの一部に相当するもので、付勢手段14の一方側のバネ端部が圧接する。
この第2実施形態の好ましい例は、前記一対の押圧部22、22は、左右方向にスライド可能な摺動可動体19Aを、固定部材であるケースカバー18に対して右又は左方向にいずれにスライドさせても、摺動可動体19Aに連動する摺動式施錠レバー13Aの中心軸24を基準として上下の位置に略回転対称に設けられている。
上記構成により、本発明の付随的課題である「かばん・ケース類の蓋体に複数のかばん・ケース類の錠前を左右に取り付けたときに発生する左右勝手の使いづらさを解消する」。であるから左右仕様のかばん・ケース類の錠前を別々に2種類の作製しなければならならないという製品点数、工数、管理、コストアップ等という無駄をなくし、一種類のかばん・ケース類の錠前で左右使いの双方を兼用することができるかばん・ケース類の錠前を提供するということを達成することができる。
ここで、図11の(A)、(B)及び(C)を参照にして、左右引きの開錠動作についてさらに付言する。図11に於いて、100は差込み部材、10は錠前本体、12は施錠カム、13Aは中心軸としての支軸24に左右方向に回動自在に軸支された施錠レバーである。
前述したように施錠レバー13Aの上端部は、施錠カム12の施錠用取付け用軸12dに軸支され、施錠レバー13Aの動きに応じて施錠カム12を回動できるようになっている。22は上下一対の押圧部で、これらの押圧部22、22はケース状操作部材(例えば操作カバー)19Aの内壁面に固定的に設けられている。
そこで、図11(A)は、差込部材100が進入して(図においては下降して)、施錠カム12の切欠状被係合部12bと差込部材の係合突起103が係合し、施錠レバー13Aにて両者の係合が維持されている施錠状態を示す。この施錠状態において、操作カバーである係合解除用の操作部材19Aを図11の(B)の様に、K方向(すなわち左方向)に動かすと、該操作部材19Aの移動に伴って上方の第2のボス22が施錠レバー13AをK方向に押して、施錠レバー13Aが支軸24を支点として左方向(反時計方向)に旋回し、この施錠レバー13Aの移動方向に応じて施錠カム12が右上方向(時計方向)に回動し、これにより施錠カム12の切欠状被係合部12bが上方に位置するようになり、差込部材の係合突起103と施錠カムの切欠状被係合部12bとの係合が外れ、開錠状態となる。
一方、図11の(C)の様に、L方向(すなわち右方向)に動かすと、操作部材19Aの移動に伴って下方の第1押圧部22が施錠レバー13AをL方向と反対方向に押して施錠レバー13Aが支軸24を支点として左方向(反時計方向)に旋回し、施錠レバー13Aの移動方向に応じて施錠カム12が右上方向(時計方向)に回動し、これにより施錠カム12の切欠状被係合部12bが上方に位置するようになり、差込部材の係合突起103と施錠カムの切欠状被係合部12bとの係合が外れ、開錠状態となる。
上記のように構成すると、係合解除用の操作部材19Aを左右の横方向のいずれの方向に押しても開錠を行なうことができ、左用、右用の2種類の商品を作ることなく、1種類で左右共用(左右勝手)することができる。
次に、図12及び図13は、本発明の第3実施形態を示す各説明図である。この第3実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、操作部材19Bである。この第3実施形態も、第1実施形態と同様に錠前本体10は、施錠カム12と施錠レバー13等とを有し、前記施錠カム12には、前記施錠レバー12の一方の端部が施錠カム12を上方方向に回動させるように取り付けられており、かつ、該施錠レバーの他方の端部は錠前本体の係合解除用の操作部材19Bの複数個の押圧部(係合部)22、22に連動させるように取り付けられている。
そして、図13(B)で示すように、施錠カム12と差込部材100との解除が、施錠レバー13との連動により、係合解除用の操作部材19Bの下方への移動によってできるように構成している。このように操作部材19Bの形状、操作態様を適宜に設計変更しても、本発明の主たる課題を達成することができる。また本発明の二次的な発明の課題も達成することができる。
なお、第2実施形態及び第3実施形態も、本発明の付加的な課題(錠前を左右勝手として使用すること)を達成するために、操作部材に連動する複数の押圧部22.22を適宜箇所に一対設けている。
最後に、図14は第1実施形態の取付け基台11をケースカバー18Aに置換し、該ケースカバー18Aに凹所状収納部(18a、11i)を設け、一方、第1実施形態の取付け基台11を、単なる板状の取付けベース板11Aに設計変更した実施形態である。したがって、前記ケースカバー18Aの方に、左右一対の係合部(18f、11f)が形成されている。その他、本発明の主たる課題に必要な構成要素を適宜に設ける。
また施錠カム12と施錠レバー13の位置関係を逆にし、例えば施錠カム用仕切り板15側に施錠カム12を配設し、該施錠カム12と前記板状の取付けベース板11Aとの間に前記施錠レバー13を配設している。このように凹所状収納部(18a、11i)を第1実施形態の取付け基台11に設けるか又はケースカバー18Aに設けるか否か、また施錠カム12と施錠レバー13の位置関係を変更しても、本発明の主たる課題を逸脱しない限り、自由に設計変更し得る事項である。
1…かばん・ケース類の錠前、
11、18A…取付け基台、
11d…縦ガイド、
11f、18f…取付け基台側に設けられた係合部としての一部、
11i、18a…凹所状収納部、
12…施錠カム、
12a…施錠カム用軸、
12b…切欠状被係合部(第1係合部)、
12a…施錠レバー取付け用軸、
12e…施錠レバーの取付け基台との係合部(第2係合部、弧状部)、
12c…施錠カムの軸孔、
13、13A…施錠レバー、
13a…立ち上り部分、
14…付勢手段(施錠用ばね)、
14a…施錠用ばねの施錠レバーとの圧接部、
15…施錠カム用仕切り板、
15b…施錠カム用仕切り板のスリット、
16…作動カム、
17…作動カム用ばね、
18…ケースカバー、
19、19A、19B…係合解除用の操作部材、
20…サムターン軸、
22…押圧部、
100…差込部材、
101…基部、
102…係合片、
103…係合突起、
A…かばん・ケース類の蓋体、
B…かばん・ケース類の筐体。

Claims (8)

  1. 筐体に取り付けられる錠前本体(10)と、この錠前本体の位置に対応するように蓋体に取り付けられ、係合片(102)が前記錠前本体に着脱自在に係合する差込部材(100)とから成るかばん・ケース類の錠前に於いて、
    前記錠前本体(10)に凹所状収納部(11i)を設け、この凹所状収納部に施錠カム用軸(12a)を中心として係合・非係合方向に回動する施錠カム(12)と、前記施錠カムと共働するように連係部が該施錠カムの偏心部位に取付けられた施錠レバー(13、13A)と、この施錠レバーを少なくとも施錠方向に付勢するようバネ端部が該施錠レバーに圧接する付勢手段(14)を組み込み、前記係合片(102)が前記施錠カムに形成された第1係合部としての切欠状被係合部(12b)に係合した後、該係合片が前記錠前本体内に更に進入すると、前記付勢手段の付勢力により、前記施錠カムは前記係合片を施錠位置へと引き寄せるように自動的に回動して施錠状態となる、かばん・ケース類の錠前。
  2. 請求項1に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、前記施錠状態時、不正開錠操作により前記差込部材(100)が退出方向に移動したとき、前記取付け基台側に設けられた係合部(11f)に前記施錠カムの第2係合部(12e)が食い込むように当たり、これにより前記施錠状態を保持することを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、錠前本体は、差込部材の係合片と施錠カムの第1係合部との係合解除用の操作部材を有し、この係合解除用の操作部材は、取付け基台(11)に結合するケースカバー(18)に回転可能に設けられた操作摘み、又は前記取付け基台(11)に摺動自在に嵌合すると共に、施錠レバーを付勢手段の付勢力に抗して作動させる押圧部(22)を有する摺動可動体(19A、19B)のいずれかであることを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
  4. 請求項3に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、係合解除用の操作部材が取付け基台に摺動自在に嵌合すると共に、施錠レバーを付勢手段の付勢力に抗して作動させる押圧部を有する摺動可動体(19A、19B)の場合には、前記押圧部(22、22)は、施錠レバー(13A)の中心軸(24)を基準として上下の位置に略回転対称に設けられていることを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
  5. 請求項2に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、施錠カムは、その略中央部に施錠カム用軸が遊嵌合する軸孔を有し、不正開錠時に係合片が後退方向に移動すると、前記施錠カムは前記軸孔を介して前記係合片と略同方向へ移動し、これにより、取付け基台側に設けられた係合部(11f)に前記施錠カムの第2係合部(12e)が食い込むように当たることを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、錠前本体は、ケースカバー(18)の内側に係合解除用の操作部材と共働すると共に、施錠カムを係合解除の方向へと位置変位させる作動カム(16)を有し、差込部材の進入により該差込部材の係合片に設けた係合突起(103)が、前記施錠カムの第1係合部(12b)と係合し、施錠カムが回動する際、施錠カムと共働して作動カムが回動するように構成し、一方、前記係合解除用の操作部材の操作力により、前記施錠カムと施錠レバーの連係部が施錠カム用軸(12a)を基準として位置変位し、これにより施錠カムと差込部材との解除が、前記係合解除用の操作部材の左右のいずれの回転方向によってもできるように構成したことを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
  7. 請求項1又は請求項2に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、錠前本体は施錠カムと施錠レバーとを有し、前記施錠カムには、前記施錠レバーの一方の端部が施錠カムを上方に回動させるように取り付けられており、かつ施錠レバーの他方の端部は錠前本体の係合解除用の操作部材と連動させるように取り付けられており、施錠カムと差込部材との解除が、施錠レバーとの連動により、係合解除用の操作部材の下方への移動によってできるように構成したことを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
  8. 請求項1に記載のかばん・ケース類の錠前に於いて、付勢手段は、クリック機能を有する付勢バネであり、この付勢バネの付勢力は、施錠カムと施錠レバーの連係部が施錠カム用軸(12a)を基準として上方に位置変位した場合には施錠方向に作用し、一方、前記連係部が施錠カム用軸(12a)を基準として下方に位置変位した場合には開錠方向に作用することを特徴とするかばん・ケース類の錠前。
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