JP2019043327A - 振動制御装置 - Google Patents

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福田 達也
Tatsuya Fukuda
達也 福田
安士 光男
Mitsuo Yasushi
光男 安士
高志 飯澤
Takashi Iizawa
高志 飯澤
磯崎 賢太
Kenta Isozaki
賢太 磯崎
隆司 森重
Takashi Morishige
隆司 森重
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Abstract

【課題】複数の振動ユニットを用い、振動をユーザに適切に認識させることができる振動制御装置を提供する。【解決手段】既に振動している振動ユニットにおける振幅比よりも、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を小さくして振動開始させることにより、ユーザが、新たに振動させる振動ユニットの振動を過度に認識してしまうことを抑制することができる。即ち、既に振動している振動ユニットによる振動にユーザが慣れてしまっていると、ユーザは新たな振動を強く認識しやすく、既に振動している振動ユニットが動作しているか否かが判断しにくくなってしまうことがある。そこで、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を小さくことにより、既に振動している振動ユニットの振動を認識させやすくすることができる。従って、複数の振動ユニットを用いる際、振動をユーザに適切に認識させることができる。【選択図】図9

Description

本発明は、複数の振動ユニットを制御する振動制御装置に関する。
車両等の移動体は、センサ及び警報器が設けられることにより、障害物(他車両や路上の設置物、歩行者等)の接近を検知した際に、搭乗者(特に運転者)に対して警報を発生するように構成されることがある。このように警報を発生する際に、振動を発生する振動体(振動ユニット)を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された報知システムでは、座席を構成する車両用シート装置のシートクッション(座面部)に2つ、シートバック(背もたれ部)に1つの振動体を配置し、これらの振動体を制御している。このとき、障害物が接近している方向に応じて振動させる振動体を選択することにより、どの方向から障害物が接近しているかを搭乗者に認識させるようになっている。
特開2000−225877号公報
特許文献1に記載されたように複数の振動体を振動させる場合、種々振動パターンが考えられ、複数の振動体を同期間に振動させるパターンも考えられる。このとき、着座者による振動の感じ方は、1つの振動体のみを振動させる場合とは異なるため、複数の振動体を単に振動させただけでは、全ての振動を適切に認識することが困難な場合があった。
したがって、本発明の課題は、複数の振動ユニットを用い、振動をユーザに適切に認識させることができる振動制御装置を提供することが一例として挙げられる。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の振動制御装置は、ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する制御部を備え、前記制御部は、一の前記振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、前記他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が1未満となるように、当該他の振動ユニットを振動開始させることを特徴としている。
請求項2に記載の本発明の振動制御装置は、ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する制御部を備え、前記制御部は、一の前記振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、前記一の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比よりも、前記他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が小さくなるように、前記他の振動ユニットを振動開始させることを特徴としている。
請求項6に記載の本発明の振動制御方法は、ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する振動制御装置が実行する振動制御方法であって、一の前記振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、前記一の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比よりも、前記他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が小さくなるように、前記他の振動ユニットを振動開始させることを特徴としている。
本発明の実施例に係る振動制御装置が設けられた車両の概略を示すブロック図である。 前記車両にセンサが設けられた様子を示す平面図である。 前記車両の座席に振動ユニットが設けられた様子を示す側面図である。 前記振動ユニットを示す斜視図である。 前記振動ユニットを示す断面図である。 前記振動ユニットが単独で振動する場合の振動パターンを示すグラフである。 前記振動ユニットの第1振動パターンの一例を示すグラフである。 前記振動ユニットの第1振動パターンの他の例を示すグラフである。 前記振動ユニットの第2振動パターンの一例を示すグラフである。 前記振動ユニットの第3振動パターンの一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る振動制御装置は、ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する制御部を備える。制御部は、一の振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が1未満となるように、他の振動ユニットを振動開始させる。
このような本実施形態の振動制御装置によれば、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比が1未満となるように、振動ユニットを振動開始させることにより、ユーザが、新たに振動させる振動ユニットの振動を過度に認識してしまうことを抑制することができる。即ち、既に振動している振動ユニットによる振動にユーザが慣れてしまっていると、ユーザは新たな振動を強く認識しやすく、既に振動している振動ユニットが動作しているか否かが判断しにくくなってしまうことがある。そこで、新たに振動させる振動ユニットを、標準振幅よりも小さい振幅で振動させることにより、既に振動している振動ユニットの振動を認識させやすくすることができる。従って、複数の振動ユニットを用いる際、振動をユーザに適切に認識させることができる。
本発明の他の実施形態に係る振動制御装置は、ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する制御部を備える。制御部は、一の振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、一の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比よりも、他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が小さくなるように、他の振動ユニットを振動開始させる。このような本実施形態の振動制御装置によれば、上記の振動制御装置と同様に、既に振動している振動ユニットの振動を認識させやすく、複数の振動ユニットを用いる際、振動をユーザに適切に認識させることができる。
制御部は、一の振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、一の振動ユニットにおける振幅比を1よりも大きくしてもよい。即ち、既に振動している振動ユニットの振幅を標準振幅より大きくしてもよい。
制御部は、他の振動ユニットの振動開始から所定時間経過後に、一の振動ユニット及び他の振動ユニットにおける振幅比を1にすることが好ましい。新たに振動させる振動ユニットの振動開始から所定の時間が経過すると、ユーザにとっての振動の認識のしやすさは、両方の振動ユニットに対して同程度となる。両方の振動ユニットにおける振幅比を1にすることで、振動開始から所定時間経過後に、新たに振動させた振動ユニットの振動をユーザに認識させやすくすることができる。
標準振幅は、振動ユニットを単独で振動させる際の振幅であればよい。
本発明の実施形態に係る振動制御方法は、ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する振動制御装置が実行する振動制御方法である。一の振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、一の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比よりも、他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が小さくなるように、他の振動ユニットを振動開始させる。このような本実施形態の振動制御方法によれば、複数の振動ユニットを用いる際に、振動をユーザに適切に認識させることができる。
また、上述した振動制御方法をコンピュータにより実行させる振動制御プログラムとしてもよい。このようにすることにより、コンピュータを用いて、複数の振動ユニットを用いる際に、ユーザに振動を適切に認識させることができる。
また、上述した振動制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。本発明の実施例1に係る振動制御装置30は、図1、2に示すように、移動体としての車両1に設けられるものであって、制御部320とアンプ330とを備える。
車両1には、前方左側角部に左前センサ41が設けられ、前面の左右中央部に中前センサ42が設けられ、前方右側角部に右前センサ43が設けられ、左面の前後中央部に左センサ44が設けられ、右面の前後中央部に右センサ45が設けられ、後方左側角部に左後センサ46が設けられ、後面の左右中央部に中後センサ47が設けられ、後方右側角部に右後センサ48が設けられている。即ち、車両1には計8つの障害物センサが設けられ、それぞれから所定範囲に存在する障害物が検出されるようになっている。
センサ41〜48は、例えば電磁波を送受信することにより、他車両や路上の設置物、歩行者等を障害物として検出するとともに、障害物との距離を測定可能に構成されている。また、障害物との距離を測定時間の間隔で除すことによって車両1と障害物との相対速度を算出してもよい。センサ41〜48は、障害物を検出した際に、制御部320に検出信号を送信する。検出信号には、障害物との距離や相対速度の情報が含まれている。
車両1の座席(運転席)10には、図3にも示すように、座面左振動ユニット20Aと、座面右振動ユニット20Bと、背もたれ左振動ユニット20Cと、背もたれ右振動ユニット20Dと、が設けられている。即ち、一の座席10のそれぞれ異なる位置に4つの振動ユニットが配置されている。座面左振動ユニット20Aは、座席10の座面部11のうち幅方向(左右方向)における中央部よりも左側に配置されている。座面右振動ユニット20Bは、座席10の座面部11のうち幅方向(左右方向)における中央部よりも右側に配置されている。背もたれ左振動ユニット20Cは、座席10の背もたれ部12のうち幅方向(左右方向)における中央部よりも左側に配置されている。背もたれ右振動ユニット20Dは、座席10の背もたれ部12のうち幅方向(左右方向)における中央部よりも右側に配置されている。
座面振動ユニット20A、20Bは、座面部11の上面に略直交するように(即ち、上下方向に沿った方向を振動方向として)振動するように設けられ、着座者(ユーザ)の大腿部や臀部に振動を伝達する。背もたれ振動ユニット20C、20Dは、背もたれ部12の前面に略直交するように(即ち、車両の進行方向に沿った方向を振動方向として)振動するように設けられ、着座者(ユーザ)の背中に振動を伝達する。
ここで、振動ユニット20A〜20Dの詳細について、図4、5に基づいて説明する。尚、図5は、図4(A)中のV1−V1切断線に沿った断面を示す断面図である。
振動ユニット20A〜20Dは、ケース210内に磁気回路220が収容されたものである。ケース210は、背の低い円筒フレーム211の一端側の開口が、中央部に複数の貫通孔212が設けられた円形の第1板壁213で塞がれ、他端側の開口が円形の第2板壁214で塞がれたものである。図4(A)には貫通孔212が設けられた第1板壁213側から見た振動ユニット20A〜20Dが示されており、図4(B)にはその反対側から見た振動ユニット20A〜20Dが示されている。
第1板壁213の略中央からは、複数の貫通孔212を囲むように円筒状のボビン215が第2板壁214に向かって立設されており、そのボビン215の外周にボイスコイル216が設けられている。このように、ボイスコイル216は、ボビン215を介して第1板壁213に固定されている。また、複数の貫通孔212は、第1板壁213と交差する方向から見たときの平面視でボイスコイル216の内側に相当する領域213aに設けられている。
磁気回路220は、各々がリング状のプレート221及びマグネット222と円盤状のヨーク223とを備えている。プレート221及びマグネット222が、ボイスコイル216に対してギャップを開けて同軸に配置されている。プレート221、即ち磁気回路220は、ダンパ230を介して円筒フレーム211の内壁面に、第1板壁213に対する接離方向D1に振動可能に支持されている。
ボイスコイル216に交流信号が通電されると、磁気回路220が、第1板壁213に対する接離方向D1に振動する。また、その振動のダンパ230を介した反作用でケース210も振動する。このように、振動ユニット20A〜20Dでは、ボイスコイル216への通電によりケース210と磁気回路220との間に相対振動が生じる。この相対振動により、振動ユニット20A〜20Dは、ケース210ごと振動する。また、ケース210においては、磁気回路220からの反作用を受けるボイスコイル216が固定されている第1板壁213が局部的に振動する。この第1板壁213の振動により音が発生する。このように、振動ユニット20A〜20Dは、ケース210と磁気回路220との、ボイスコイル216への通電による相対振動によりケース210ごと振動して放音する。
制御部320は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成され、振動制御装置30の全体制御を司る。即ち、制御部320は、センサ41〜48から受信した検出信号に応じて、警告度を算出するとともに、振動ユニット20A〜20Dに駆動信号を送信する。
制御部320は、障害物との距離が近いほど警告度を高くするとともに、相対速度が高いほど警告度を高くする。本実施例では、警告度は3段階(高レベル、中レベル、低レベル)であるものとする。尚、警告度は、障害物との距離のみに基づくものであってもよいし、相対速度のみに基づくものであってもよい。
制御部320と振動ユニット20A〜20Dとの間にはアンプ330が設けられており、制御部320が送信した駆動信号が増幅されて振動ユニット20A〜20Dに供給されるようになっている。
制御部320は、警告度に応じた振動パターンで振動ユニット20A〜20Dを振動させるように駆動信号を送信する。振動ユニット20A〜20Dのうち1つを単独で振動させる場合の振動パターンの一例を図6に示す。振動ユニット20A〜20Dは、いずれの警告度においても、所定時間(連続振動時間TL1〜TL3)だけ振動を継続し、インターバル時間Ti0をあけて再び振動を継続し、これを繰り返す。このとき、警告度によって連続振動時間TL1〜TL3が変化し、インターバル時間Ti0は一定である。警告度が高いほど、連続振動時間が短くなっており、所定期間における振動再開回数が多い。図示された期間における振動再開回数は、警告度が高レベルの場合に5回であり、中レベルの場合に4回であり、低レベルの場合に3回である。また、振動ユニット20A〜20Dのうち1つを単独で振動させる場合の振幅を標準振幅WSとする。標準振幅WSは、全ての振動ユニットについて共通の振幅としてもよいし、各振動ユニットが着座者(ユーザ)に同等の刺激を感じさせるように、身体の部位ごとの触覚の感度に応じて各振動ユニットごとに異なる振幅としてもよい。
また、制御部320は、車両1の周辺において検出された障害物の位置に対応した振動ユニット20A〜20Dを振動させるように駆動信号を送信する。座面左振動ユニット20Aが前方左側角部(左前センサ41)に対応し、座面右振動ユニット20Bが前方右側角部(右前センサ43)に対応し、背もたれ左振動ユニット20Cが後方左側角部(左後センサ46)に対応し、背もたれ右振動ユニット20Dが後方右側角部(右後センサ47)に対応する。障害物を検出したセンサと振動する振動ユニットとの関係を表1に示す。
Figure 2019043327
次に、4つの振動ユニット20A〜20Cのうち2つ以上を同期間に振動させる場合の振動パターンの例について説明する。
[第1振動パターン]
表1に示すように、センサ42、44、45、47のいずれかが障害物を検出した場合、制御部320は、2つの振動ユニットを振動させる。このような第1振動パターンの一例として、中前センサ42が障害物を検出した場合について以下に説明する。
中前センサ42が障害物を検出し、警告度が高レベルである場合の振動パターンを図7に示す。座面左振動ユニット20Aのみを標準振幅で振動させる第1標準振動期T1と、全ての振動ユニット20A〜20Dを振動させない(振幅を0とすることにより、標準振幅よりも振幅を小さくする)低振動期Tiと、座面右振動ユニット20Bのみを標準振幅で振動させる第2標準振動期T2と、が連続し、第1標準振動期T1と低振動期Tiと第2標準振動期T2とを1セットとして、これが繰り返される。即ち、第1標準振動期T1と第2標準振動期T2との間に低振動期Tiが介在させられており、且つ、第1標準振動期T1と第2標準振動期T2とが低振動期Tiを挟んで交番する。
第1標準振動期T1及び第2標準振動期T2の継続時間は、警告度が高レベルであり、且つ、振動ユニット20A〜20Dを単独で振動させる場合の連続振動時間TL1と等しい。また、低振動期Tiの継続時間は、振動による刺激がなくなったとユーザが認識可能な最短時間(例えば0.3〜1秒)以上である。尚、低振動期Tiの継続時間は、振動ユニット20A〜20Dを単独で振動させる場合のインターバル時間Ti0と等しくてもよい。
中前センサ42が障害物を検出し、警告度が中レベルである場合の振動パターンを図8に示す。図7に示す振動パターンと同様に、第1標準振動期T1と第2標準振動期T2とが低振動期Tiを挟んで交番する。このとき、第1標準振動期T1及び第2標準振動期T2の継続時間は、警告度が中レベルであり、且つ、振動ユニット20A〜20Dを単独で振動させる場合の連続振動時間TL2と等しい。また、低振動期Tiの継続時間は、図7に示す振動パターンにおける低振動期Tiの継続時間と等しい。
[第2振動パターン]
角部のセンサ41、43、46、48によって障害物が検出された状態から、障害物又は車両1が移動することにより、前後方向又は幅方向中央のセンサ42、44、45、47によってその障害物が検出された場合、1つの振動ユニットが振動した状態から、2つの振動ユニットが振動する状態となる。また、1つの角部のセンサによって障害物が検出された状態において、他の角部のセンサによって新たに障害物が検出される場合にも、1つの振動ユニットが振動した状態から、2つの振動ユニットが振動した状態となる。
このように一の振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる第2振動パターンの一例として、右後センサ48によって障害物が高レベルの警告度で検出されている状態において、左前センサ41によって他の障害物が低レベルの警告度で新たに検出された場合について以下に説明する。
右後センサ48によって障害物が高レベルの警告度で検出されている状態において、左前センサ41によって他の障害物が低レベルの警告度で新たに検出された場合の振動パターンを図9に示す。まず、背もたれ右振動ユニット20Dは、インターバル時間Ti0をあけつつ、高レベルの警告度に応じた連続振動時間TL1で振動しており、その振幅は標準振幅WSと等しい。タイミングt0において左前センサ41によって他の障害物が新たに検出されると、座面左振動ユニット20Aが振動を開始する。このとき、座面左振動ユニット20Aの振幅W1は標準振幅WSよりも小さく、振幅W1の標準振幅WSに対する振幅比(W1/WS)は、1未満である。一方、背もたれ右振動ユニット20Dの振幅は一定であり、振幅比は1である。
また、座面左振動ユニット20Aは、インターバル時間Ti0をあけつつ、低レベルの警告度に応じた連続振動時間TL3で振動する。一回目のインターバル時間Ti0の後、座面左振動ユニット20Aの振幅W2を振幅W1よりも大きくし、標準振幅WSに近づける。二回目のインターバル時間Ti0の後、座面左振動ユニット20Aの振幅を標準振幅WSとする。即ち、座面左振動ユニット20Aの振幅を徐々に大きくして標準振幅WSとすることにより、振動開始から所定時間経過後に、振幅比を1にする。
[第3振動パターン]
前後方向中央部のセンサ44、45によって障害物が検出された場合、座面振動ユニットおよび背もたれ振動ユニットが同期間に振動する状態となる。また、前方のセンサと後方のセンサとの両方において障害物が検出される場合にも、座面振動ユニットおよび背もたれ振動ユニットが同期間に振動する状態となる。
このように座面振動ユニット20A、20B及び背もたれ振動ユニット20C、20Dを同期間に振動させる第3振動パターンの一例として、右前センサ43によって障害物が高レベルの警告度で検出されている状態から、右センサ45によってこの障害物が高レベルの警告度で検出されるようになった場合について以下に説明する。
右前センサ43によって障害物が高レベルの警告度で検出されている状態から、右センサ45によってこの障害物が高レベルの警告度で検出されるようになった場合の振動パターンを図10に示す。まず、座面右振動ユニット20Bは、インターバル時間Ti0をあけつつ、高レベルの警告度に応じた連続振動時間TL1で振動しており、その振幅は標準振幅WSと等しい。タイミングt1において右センサ45によってこの障害物が検出されるようになると、背もたれ右振動ユニット20Dが振動を開始する。このとき、背もたれ右振動ユニット20Dは、振幅が標準振幅WSと等しく、インターバル時間Ti0をあけつつ、高レベルの警告度に応じた連続振動時間TL1で振動する。一方、座面右振動ユニット20Bは、t1以降に、標準振幅WSよりも大きい振幅W3で振動する。また、座面右振動ユニット20Bのインターバル時間Ti0と、背もたれ右振動ユニット20Dのインターバル時間Ti0と、が同時期に設定されている。
[第1振動パターンの効果]
上記の構成により、第1振動パターンにおいて、第1標準振動期T1と第2標準振動期T2との間に低振動期Tiを介在させることで、第2標準振動期T2において振動する振動ユニット(上記の例では座面右振動ユニット20B)による振動をユーザが認識しやすい。従って、ユーザの体重が、第2標準振動期T2において振動する振動ユニットに対して小さくかかっている場合であっても、この振動ユニットの振動が認識されやすい。
また、第1振動パターンにおいて、第1標準振動期T1と第2標準振動期T2とが低振動期Tiを挟んで交番することで、第1標準振動期T1および第2標準振動期T2のいずれもが低振動期Tiに続き、いずれの標準振動期において振動する振動ユニットの振動も認識されやすい。
また、第1振動パターンにおいて、低振動期Tiの継続時間が、振動による刺激がなくなったとユーザが認識可能な最短時間以上であることで、ユーザは振動ユニットの振動を認識しやすい。
また、4つの振動ユニット20A〜20Dのうち2つが座面部11の幅方向において異なる位置に配置されるとともに、2つが背もたれ部12の幅方向において互いに異なる位置に配置され、検出された障害物の位置に対応した振動ユニットを振動させることで、障害物が車両1の前後左右いずれに存在するかをユーザに認識させることができる。
また、障害物についての警告度が高いほど振動ユニット20A〜20Dの連続振動時間を短くすることにより、障害物が存在することをユーザに強く認識させることができる。
[第2振動パターンの効果]
上記の構成により、第2振動パターンにおいて、既に振動している振動ユニットにおける振幅比よりも、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を小さくして振動開始させることにより、ユーザが、新たに振動させる振動ユニットの振動を過度に認識してしまうことを抑制することができる。即ち、既に振動している振動ユニットによる振動にユーザが慣れてしまっていると、ユーザは新たな振動を強く認識しやすく、既に振動している振動ユニットが動作しているか否かが判断しにくくなってしまうことがある。そこで、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を小さくことにより、既に振動している振動ユニットの振動を認識させやすくすることができる。従って、複数の振動ユニットを用いる際、振動をユーザに適切に認識させることができる。
また、第2振動パターンにおいて、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を、振動開始から所定時間経過後に1にすることで、新たに振動させた振動ユニットの振動をユーザに認識させやすくすることができる。即ち、新たに振動させる振動ユニットの振動開始から時間が経過し、ユーザがこの振動に慣れてしまって認識されにくくなることを抑制することができる。
また、4つの振動ユニット20A〜20Dのうち2つが座面部11の幅方向において異なる位置に配置され、2つが背もたれ部12の幅方向において互いに異なる位置に配置されるとともに、検出された障害物の位置に対応した振動ユニットを振動させることで、障害物が車両1の前後左右いずれに存在するかをユーザに認識させることができる。
また、障害物についての警告度が高いほど振動ユニット20A〜20Dの連続振動時間を短くすることにより、障害物が存在することをユーザに認識させやすくすることができる。
[第3振動パターンの効果]
上記の構成により、第3振動パターンにおいて、背もたれ振動ユニット及び座面振動ユニットを同期間に振動させる場合に、座面振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合よりも大きくすることで、背もたれ振動ユニット及び座面振動ユニットの両方の振動をユーザに認識させやすくすることができる。
背もたれ振動ユニット及び座面振動ユニットを等しい振幅で振動させた場合、ユーザは背もたれ振動ユニットの振動を強く感じやすく、座面振動ユニットが振動しているか否かを判断しにくくなってしまう。そこで、座面振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合よりも大きくすることにより、座面振動ユニットの振動をユーザに認識させやすくすることができる。従って、複数の振動ユニットを用いる際に、振動をユーザに適切に認識させることができる。また、座面振動ユニットが単独で振動する場合には、ユーザはこの振動を認識しやすく、単独での振動時と複数での振動時とで振幅を変化させることにより、単独での振動時において振幅が大きくなりすぎず、ユーザに不快感を与えにくい。
また、第3振動パターンにおいて、背もたれ振動ユニットの振幅を単独振動時の振幅(標準振幅WS)と等しくすることで、背もたれ振動ユニットの振動がユーザに認識されにくくなることを抑制することができる。
また、4つの振動ユニット20A〜20Dのうち2つが座面部11の幅方向において異なる位置に配置され、2つが背もたれ部12の幅方向において互いに異なる位置に配置されるとともに、検出された障害物の位置に対応した振動ユニットを振動させることで、障害物が車両1の前後左右いずれに存在するかをユーザに認識させることができる。
また、障害物についての警告度が高いほど振動ユニット20A〜20Dの連続振動時間を短くすることにより、障害物が存在することをユーザに認識させやすくすることができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施例における第1振動パターンでは、低振動期Tiにおいて全ての振動ユニット20A〜20Dの振動を停止させるものとしたが、低振動期では、全ての振動ユニットの振幅がそれぞれの標準振幅よりも小さければよく、例えば、ユーザが振動を感じない程度の振幅(不感振幅)で振動ユニットを振動させてもよい。不感振幅は、例えば振動ユニットとユーザとの距離や、間に挟まれる部材、配置、振動ユニットの配置(座面部に配置されるか又は背もたれ部に配置されるか)に応じた大きさであればよい。
また、前記実施例における第1振動パターンでは、低振動期Tiの継続時間が、振動による刺激がなくなったとユーザが認識可能な最短時間以上であるものとしたが、低振動期の継続時間は、この最短時間よりも短くてもよい。全ての振動素子の振動による刺激がないとユーザが認識しなくても、低振動期を設けることにより、ユーザは、低振動期に続く標準振動期において振動を認識しやすい。
また、前記実施例における第2振動パターンでは、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を1未満とし、既に振動している振動ユニットにおける振幅比を1としたが、既に振動している振動ユニットにおける振幅比を1よりも大きくしてもよい。この場合においても、既に振動している振動ユニットの振動をユーザに認識させやすくすることができる。尚、既に振動している振動ユニットにおける振幅比を1よりも大きくする場合、振幅を徐々に小さくすることにより、振動開始から振動開始から所定時間経過後に振幅比を1にしてもよい。また、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を1未満とし、且つ、既に振動している振動ユニットにおける振幅比を1よりも大きくしてもよい。また、既に振動している振動ユニットにおける振幅比よりも、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比が小さければよく、これらの振幅比がいずれも1未満であってもよいし、いずれも1よりも大きくてもよい。
また、前記実施例における第2振動パターンでは、新たに振動させる振動ユニットの振幅を徐々に大きくすることで、振動開始から所定時間経過後に振幅比を1にするものとしたが、振動開始から所定時間経過後に振幅を一段階で大きくすることで振幅比を1にしてもよい。また、振動開始から所定の時間が経過した際に、新たに振動させる振動ユニットの振幅比を1よりも大きくしてもよいし、振幅比が1まで上昇しないようにしても(即ち上限を1未満としても)よい。
また、前記実施例における第2振動パターンでは、振動ユニットが単独で振動する場合の標準振幅と、複数の振動ユニットが振動する場合の標準振幅と、が等しいものとしたが、単独で振動する場合の振幅とは別に、複数の振動ユニットが振動する場合の標準振幅を設定してもよい。例えば、複数の振動ユニットが振動する場合、ユーザへの刺激が大きくなりすぎてしまわないように、単独で振動する場合よりも小さい標準振幅としてもよい。
また、前記実施例における第3振動パターンでは、背もたれ振動ユニット及び座面振動ユニットを同期間に振動させる場合に、座面振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合よりも大きくするものとしたが、背もたれ振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合よりも小さくしてもよい。この場合においても、背もたれ振動ユニット及び座面振動ユニットの両方の振動をユーザに認識させやすくすることができる。このとき、座面振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合と等しくしてもよい。また、背もたれ振動ユニット及び座面振動ユニットを同期間に振動させる場合に、座面振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合よりも大きくし、且つ、背もたれ振動ユニットの振幅を、単独で振動させる場合よりも小さくしてもよい。
また、前記実施例では、4つの振動ユニット20A〜20Dのうち2つが座面部11の幅方向において異なる位置に配置され、2つが背もたれ部12の幅方向において互いに異なる位置に配置されるものとしたが、振動ユニットの数や配置はこれに限定されず、少なくとも2つの振動ユニットの振動が制御されればよい。
例えば、座面部と背もたれ部とに振動ユニットを1つずつ配置し、前方側において障害物が検出された場合には座面部の振動ユニットを振動させ、後方側において障害物が検出された場合には背もたれ部の振動ユニットを振動させてもよい。また、座面部または背もたれ部に、複数の振動ユニットを幅方向に並設し、左側において障害物が検出された場合には左側の振動ユニットを振動させ、右側において障害物が検出された場合には右側の振動ユニットを振動させてもよい。また、座面部において複数の振動ユニットを前後方向に並設したり、背もたれ部において複数の振動ユニットを上下方向に並設したりし、前方側または後方側の障害物の検出に応じて各振動ユニットを振動させてもよい。
また、前記実施例では、障害物についての警告度が高いほど振動ユニット20A〜20Dの連続振動時間を短くするものとしたが、警告度が高いほど振動ユニットの振幅を大きくしたり周波数を高くしたりしてもよい。また、例えば音や光を用いた警告と、振動による警告と、を組み合わせることで警告度の強さを区別してもよい。
また、前記実施例では、2つの振動ユニットを同期間に振動させる際に低振動期Tiを設ける第1振動パターンと、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を既に振動している振動ユニットにおける振幅比よりも小さくする第2振動パターンと、座面振動ユニット及び背もたれ振動ユニットを同期間に振動させる場合に座面振動ユニットの振幅を単独で振動させる場合よりも大きくする第3振動パターンと、をそれぞれ独立に示したが、これらを適宜に組み合わせた振動パターンとしてもよい。
例えば、第1振動パターンと第2振動パターンとを組み合わせ、一の振動ユニットが振動している際に新たに他の振動ユニットを振動させる場合に、低振動期を設けてもよい。また、第1振動パターンと第3振動パターンとを組み合わせ、座面振動ユニット及び背もたれ振動ユニットを同期間に振動させる場合に、低振動期を設けてもよい。また、第2振動パターンと第3振動パターンとを組み合わせ、背もたれ振動ユニット(又は座面振動ユニット)が振動している際に新たに座面振動ユニット(又は背もたれ振動ユニット)を振動させる場合に、新たに振動させる振動ユニットにおける振幅比を既に振動している振動ユニットにおける振幅比よりも小さくしてもよい。このように第2振動パターンと第3振動パターンとを組み合わせる場合には、同期間に振動させる際の座面振動ユニットの標準振幅を、単独振動時の振幅よりも大きくすればよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 車両(移動体)
10 座席
11 座面部
12 背もたれ部
20A〜20D 振動ユニット
30 振動制御装置
320 制御部
41〜48 センサ

Claims (8)

  1. ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する制御部を備え、
    前記制御部は、一の前記振動ユニットを振動させた状態で他の前記振動ユニットを新たに振動させる場合、前記他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が1未満となるように、当該他の振動ユニットを振動開始させることを特徴とする振動制御装置。
  2. ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する制御部を備え、
    前記制御部は、一の前記振動ユニットを振動させた状態で他の前記振動ユニットを新たに振動させる場合、前記一の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比よりも、前記他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が小さくなるように、前記他の振動ユニットを振動開始させることを特徴とする振動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記一の振動ユニットを振動させた状態で前記他の振動ユニットを新たに振動させる場合、前記一の振動ユニットにおける前記振幅比を1よりも大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記他の振動ユニットの振動開始から所定時間経過後に、前記一の振動ユニット及び前記他の振動ユニットにおける前記振幅比を1にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の振動制御装置。
  5. 前記標準振幅は、前記振動ユニットを単独で振動させる際の振幅であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動制御装置。
  6. ユーザの身体を刺激する振動を発生可能な複数の振動ユニットを独立に制御する振動制御装置が実行する振動制御方法であって、
    一の前記振動ユニットを振動させた状態で他の振動ユニットを新たに振動させる場合、前記一の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比よりも、前記他の振動ユニットにおける標準振幅に対する振幅比が小さくなるように、前記他の振動ユニットを振動開始させることを特徴とする振動制御方法。
  7. 請求項6に記載の振動制御方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とする振動制御プログラム。
  8. 請求項7に記載の振動制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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