JP2019041664A - 反芻動物用飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、反芻を促進することによりルーメンアシドーシスの発症や、分娩前後に種々の代謝障害や繁殖障害を引き起こすことが少ない反芻動物用飼料の提供を目的とする。【解決手段】 リグノセルロース材料を原料とする機械パルプを含有する反芻動物用飼料であって、該機械パルプはカナダ標準濾水度が750ml以下で、かつJIS Z8801で規定される標準篩い24メッシュオンで定義される長繊維の含量が70%以下とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、反芻動物用飼料およびその製造方法に関する。
一般に、牧畜分野においては、家畜の乳量の増加や増体重などを目的に、栄養価の高い濃厚飼料が、牧草などの粗飼料とともに使用されることが多い。
濃厚飼料は、トウモロコシ、麦類、大豆などの易消化性炭水化物(デンプンなど)を多く含む一方、粗飼料は、牧草を乾燥した干草(乾草、わら類)や、青刈りした牧草を発酵させたもの(サイレージ化したもの)などを主とする。
反芻動物が粗飼料を摂取し消化することが可能であるのは、ルーメン(第一胃)を有するためである。ルーメンは、反芻動物が有する複数の胃のうち最大の容積を占め、粗飼料中のセルロースやヘミセルロースなどの難消化性の多糖類を分解(ルーメン発酵)し得る微生物群(ルーメン微生物)が豊富に含まれている。
しかし、粗飼料中のセルロースやヘミセルロースは、リグニン類と結合し、それぞれリグニン−セルロース複合体やリグニン−ヘミセルロース複合体として存在している場合が多い。このような複合体は、ルーメン発酵において十分に分解されないおそれがあり、粗飼料は、飼料効率が不十分になりやすいという問題点があった。また、未消化物が多くなると糞量の増加を引き起こすため、環境面においても望ましくないとされていた。
さらに、粗飼料は、牧草の収穫量や作柄により影響を受けやすく、供給量が不安定である。特にわが国では粗飼料の多くを輸入に頼っているため、概して価格変動が大きく、また、輸出国の諸事情により輸入困難になる場合もあり、牧場経営を圧迫する場合がある。
このため、牧草に代替でき、飼料効率に優れ、且つ安定的に入手可能な反芻動物用飼料が望まれている。
ここで、飼料中の栄養濃度を高めるため、易消化性の炭水化物(デンプン)を多く含む濃厚飼料を粗飼料に配合することが一般に行われている。乳用家畜の乳量を維持し、或いは、肉用家畜の増体を維持するためは、飼料摂取量をも増加させる必要があるが、乳量の増加や体格の増強にともなうエネルギー要求量の増加率は、摂取飼料量の増加率を超えるためである。ところが、濃厚飼料中のデンプンなどの炭水化物は、第一胃(ルーメン)のpHを急激に低下させることがあり、結果としてルーメンアシドーシスが発生することがある。ルーメンアシドーシスとは、反芻動物の疾病の一種であり、炭水化物に富む穀物、濃厚飼料、果実類などを急激に摂取することにより引き起こされる。ルーメンアシドーシスにおいては、ルーメン内において、グラム陽性乳酸生成菌、特にStreptcoccus bovisおよびLactobacillus属微生物が増加し、乳酸あるいは揮発性脂肪酸(VFA:Volatile Fatty Acid)の異常な蓄積が生じ、ルーメン内のpHが低下する(pH5以下)。その結果、ルーメン内のプロトゾア(原生動物)、及びある種の細菌の減少あるいは消滅を引き起こす。特に急性アシドーシスは、ルーメンの鬱血や脱水症(胃内容浸透圧の上昇に伴い体液が大量に胃内に移動)、さらには昏睡や死をもたらすため、極めて危険である。
ルーメンアシドーシスの予防には、飼料配合の急激な変化を避け、ルーメン発酵を安定化させ、pHの変動を少なくすることが重要である。また、唾液には重曹が含まれpH調節に寄与するため、十分な反芻により唾液分泌のできる飼料を給与することも重要である。ただし、ルーメンアシドーシスを恐れ、飼料の栄養価を低くすると、エネルギーが不足して乳生産量が低下してしまうという懸念もある。
ルーメンアシドーシスを予防する飼料として、特許文献1には、セルロースおよび/またはヘミセルロースを80%以上含有する木材パルプを含む反芻動物用飼料が開示されている。また、特許文献2には、水分率15%以下としたカッパー価が90以下のクラフトパルプをペレット化して反芻動物の飼料とすることが記載されている。一方、特許文献3にはクラフトパルプは水分率が低下するほど繊維の角質化が進みセルラーゼによる糖化率が低下することが記載されている。
特開2011−083281号公報 特開平10−75719号公報 国際公開WO2011/097075 特開2015−198653号公報
一般に、トウモロコシのような濃厚飼料の多給は、発酵性が高いために栄養価が高く、ミルクの脂肪含量の増加や脂肪交雑が高くなる一方で、反芻刺激の低下に伴い、ルーメンアシドーシスの発症や、分娩前後に種々の代謝障害や繁殖障害を引き起こすことが知られている。
そこで本発明の課題は、反芻を促進することによりルーメンアシドーシスの発症や、分娩前後に種々の代謝障害や繁殖障害を引き起こすことが少ない反芻動物用飼料を提供することである。
本発明の発明者らは、上記課題について鋭意検討したところ、カナダ標準濾水度が750ml以下、及びJIS Z8801で規定される標準篩い24メッシュオンで定義される長繊維の含量が70%以下である機械パルプを配合することによって、反芻を促進する効果があり、消化効率のよい反芻動物用飼料を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(1) リグノセルロース材料を原料とする機械パルプを含有する反芻動物用飼料であって、該機械パルプはカナダ標準濾水度が750ml以下で、かつJIS Z8801で規定される標準篩い24メッシュオンで定義される長繊維の含量が70%以下であることを特徴とする反芻動物用飼料。
(2) 機械パルプのJIS Z8801で規定される標準篩い150メッシュパスで定義される繊維の含量が5%以上である、(1)記載の反芻動物用飼料。
(3) 水分率が5質量%以上95質量%以下であることを特徴とする(1)乃至(2)に記載の飼料。
(4) リグノセルロース材料が木質材料を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の反芻動物用飼料。
(5) リグノセルロース材料が針葉樹を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の反芻動物用飼料。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の反芻動物用飼料を製造するための方法であって、リグノセルロース材料を、蒸気にて予備加熱する工程、リファイナーまたは加圧リファイナーにて機械的に解繊する工程、を含む方法により機械パルプを製造する、反芻動物用飼料の製造方法。
本発明によれば、反芻動物の反芻を促進しうる飼料であって、反芻動物の嗜好性が高い飼料を得ることができる。また、本発明の反芻動物用飼料は、木材などのリグノセルロース原料から製造できるので安定かつ安価に供給することができる。
反芻動物用飼料
本発明の反芻動物用飼料は、反芻動物に適用される。反芻動物としては、例えば、乳牛及び肥育牛などの牛、羊、山羊などが挙げられる。本発明の飼料を反芻動物に給与する時期、すなわち適用対象である反芻動物の年齢、体格、健康状態等には特に制限はなく、例えば、哺乳期の仔牛から成牛まで用途があると考えられる。
本発明の反芻動物用飼料はペレット化することもできる。ペレット化は、例えば圧縮成型によって行うことができ、公知の装置を使用することができる。圧縮成型を行うための装置は特に限定されないが、例えば、ブリケッター(北川鉄工所製)、リングダイ式ペレタイザー(CPM製)、フラットダイ式ペレタイザー(ダルトン製)を好適な例として挙げることができる。
本発明の反芻動物用飼料は、機械パルプを含有するが、クラフトパルプやサルファイトパルプ等の化学パルプを含有してもよい。機械パルプを10質量%以上含有することが好ましく、50重量%以上含有することがより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、機械パルプのみからなっていてもよい。必要に応じて、他の飼料成分を含有させてもよい。機械パルプとしては、クラーソンリグニン量が5〜40%であることが好ましく、15〜30%であるとより好ましい。
本発明で使用する機械パルプは、カナダ標準濾水度が750ml以下である必要がある。カナダ標準濾水度が750ml以下であれば、リグノセルロース材料が十分に解繊され繊維化されていると判断できる。一方、カナダ標準濾水度が750mlを超えた場合は、十分に繊維化されておらず消化が困難になる可能性がある。
また、本発明で使用する機械パルプは、JIS Z8801で規定される標準篩い24メッシュオンで定義される長繊維の含量が70%以下であることが必要である。さらに、JIS Z8801で規定される標準篩い150メッシュパスで定義される繊維の含量が5%以上であることが好ましい。これらの範囲にある場合、ルーメン内に比較的長時間留まり、反芻を促進し、また、飼料効率(最終消化率)も向上する。
本発明の反芻動物用飼料において、パルプは1種類のものから成るものでもよく、複数のパルプを混合したものでもよい。例えば、原料や製造方法の異なる機械パルプ(砕木パルプ、リファイナーグラウンドウッドパルプ)、あるいは、化学パルプ(広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、溶解広葉樹クラフトパルプ、溶解針葉樹クラフトパルプ)を2種以上混合して使用してもよい。
本発明で使用する機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等、が挙げられる。また、グラインダー処理(砕木パルプの場合)あるいはリフィニング処理後に、精選工程を経ないで製造することにより繊維化されていない粕をパルプに含ませてもよい。
原料の木材としては、例えば、広葉樹、針葉樹、雑木、タケ、ケナフ、バガス、パーム油搾油後の空房が使用できる。具体的には、広葉樹としては、ブナ、シナ、シラカバ、ポプラ、ユーカリ、アカシア、ナラ、イタヤカエデ、センノキ、ニレ、キリ、ホオノキ、ヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキ、アオダモ等が例示される。針葉樹としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。
機械パルプ
以下に、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)の製造方法について説明する。
亜硫酸ナトリウムによるチップの予備処理工程、一次リファイニングによる解繊工程、二次リファイニングによる叩解工程を含む製造工程を経て、CTMP化される。亜硫酸ナトリウムによるチップの予備処理により、木材チップの柔軟化と膨潤化が起こり、後続の一次リファイニングによるパルプ繊維の損傷や切断が著しく低減されるので、長繊維含有率が高いパルプを得ることができる。
まず、チップをチップウオッシャーで洗浄し、チップに付着している土砂などの異物を充分に洗浄除去する。次いで、洗浄チップをスチーミングすることにより、チップ中の空気を完全に除去できると同時に、チップが柔軟化され圧縮されやすくなり、後工程での亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸が容易となる。
亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸処理は、チップを圧縮し、圧縮した状態、或いは圧縮した後に亜硫酸ナトリウム水溶液に浸漬させ、圧を解放しチップを膨張させながら亜硫酸ナトリウムを含浸させることで達成できる。この亜硫酸ナトリウム水溶液含浸段階では、薬液をチップ中に十分含浸させることが重要である。亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸を完全にするため、プレックススクリューまたはインプレッサーの後にサージビンを設けることもできる。
亜硫酸ナトリウムの添加率は、絶乾チップに対して0.5〜2.0固形分重量%である。亜硫酸ナトリウム水溶液を含浸させたチップは、解繊を良好とする目的で一次リファイニングに先立って予熱処理することが好ましい。この場合の温度は100〜135℃が好ましい。プレヒーティングされたチップは1 次加圧リファイナーで解繊される。用いる装置は加圧リファイニング装置であり、リファイナープレート(リファイナセグメント)を除き、他の条件は公知の方法でパルプ繊維に解繊される。リファイニング装置は、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等を用いることができるが、解繊時の濃度が高いほどパルプ繊維のフィブリル化が進行し高品質のパルプを得られることから、好適にはダブルディスクリファイナーが用いられる。リファイニング工程中のチップの濃度は約20〜60固形分重量%で実施するのが好ましく、処理温度は100〜180℃が好ましい。更に好ましくは120〜135℃である。
次いで、解繊パルプは常圧下で二次リファイナーに送られ、目標濾水度まで叩解される。装置としては、公知のリファイニング装置を用い、公知の条件で精砕し、所望のパルプ濾水度まで低下させる。この工程は常圧下で行い、リファイニング装置は一般の常圧型または加圧型装置を用いるのが好ましく、濃度は約4〜60%で実施することができる。二次リファイナーは1段でも良いし、複数段であっても良い。
二次リファイニング後、必要に応じて漂白処理を施しても良い。漂白剤としては、BCTMPの製造に使用されている公知の漂白剤を使用でき、特に限定はない。好ましくは、過酸化水素などの過酸化物を使用する。この場合、金属イオンによる過酸化物の分解を防止する目的で、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)などのキレート剤を併用することもできる。これらの処理は公知の条件で実施することができる。
尚、本願のCTMPの製造方法は、カラマツと他の樹種(例えばスギなど)との混合チップにも適用でき、配合率には特に限定は無い。また、他樹種のみのチップにも問題なく適用できる。
飼料の反芻動物への給餌
本発明の飼料は、他の飼料と併せて反芻動物に給与することができる。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えばトウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどや添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。これらの他の飼料成分は圧縮成型を行う際に、木材パルプに混合させてもよい。
本発明の反芻動物用飼料は、水分含有率(水分率)を5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、8質量%以上15質量%以下とすることがより好ましい。水分含有率を15質量%以下とすることで、運搬性が向上し、微生物による腐敗を軽減できる。
具体的な例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の具体例によって何ら限定されるものではない。なお、本明細書において、濃度や%は特に断らない限り質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
[実施例1]
実験1:サンプルの製造
亜硫酸ナトリウムを対絶乾チップ1.5固形分重量%含浸させたカラマツ材100%のチップを、蒸気を吹き込み135℃、15分間予備加熱した。予備加熱後、ラボ用加圧リファイナー(熊谷理器工業BRP45−300SS)を用いて、濃度25固形分重量%で1次リファイニングを行い、カナダ標準濾水度(CSF)が664mlのパルプを得た。
<濾水度の測定>
JIS P 8121に基づいてカナダ標準濾水度(CSF)を測定した。
<篩分け組成の測定>
JIS P 8207に従って篩い分けを行い、篩分け組成を調べた。
実験2:セルラーゼ処理試験
実験1で得られた飼料サンプル(風乾重量400mg)を、樹脂製サンプル瓶(50ml容)に正確に秤量した。pH4.8、セルラーゼ(商品名:セルラーゼ オノズカ 飼料分析用、ヤクルト薬品工業株式会社製)0.1%を添加した懸濁液45mlを容器に添加し、45℃にて48時間糖化処理を行った。
4時間後、8時間後、16時間後、24時間後、48時間後の時点でサンプルを採取し、糖化されたパルプの割合(セルラーゼ糖化率)を測定した。具体的には、あらかじめ恒量を求めたろ紙上でろ過し、4回水洗を行った後に、135℃の通風乾燥機中で2時間乾燥し、残渣の乾物重量を測定した。
セルラーゼ糖化率は、反芻動物における消化率と高い相関があり、糖化率が高いほど、反芻動物において消化されやすいと考えられる。
[実施例2]
カナダ標準濾水度512mlまで1次リファイニングした以外は実施例1と同様に製造し、各試験に供した。
[実施例3]
実施例2で得られたパルプを、ラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業BR−300CB)を用いてパルプ濃度20固形分重量%で、カナダ標準濾水度234mlまで2次リファイニングで叩解した以外は実施例1と同様に製造し、各試験に供した。
[実施例4]
実施例2で得られたパルプを、ラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業BR−300CB)を用いてパルプ濃度20固形分重量%で、カナダ標準濾水度102mlまで2次リファイニングで叩解した以外は実施例1と同様に製造し、各試験に供した。
[比較例1]
カナダ標準濾水度756mlまで1次リファイニングした以外は実施例1と同様に製造し、各試験に供した。
[比較例2]
カラマツ材を200℃、15kg/cmの圧力下で10分間蒸煮処理を行った後、ラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業BR−300CB)によりリファイニングし、実施例1と同様に試験に供した。
Figure 2019041664
カナダ標準濾水度が750ml以下の機械パルプ(実施例1〜4)は、カナダ標準濾水度が750mlを超える機械パルプ及び蒸煮木材と比較して、24メッシュオンの組成比が70%以下となることが分かった。特に実施例3と比較例1を比較すると、セルラーゼ糖化率はほぼ同等であるが、24メッシュオンの組成比が大きく異なっている。実施例1〜4は反芻動物に給与した際、ルーメン内に形成されるルーメンマットが高密度化するため、同時に採食された他の飼料のルーメン滞在時間が長くなり、飼料効率(最終消化率)が向上するものと推測される。また、実施例1〜4と比較例2を比較すると、実施例1〜4はセルラーゼ糖化率が低く、ルーメン内に長時間留まり、反芻を促進するものだった。本発明による反芻動物用飼料は、より長い時間ルーメン内に留まることができるため、反芻の誘発に寄与するものと考えられる。
このように、本発明によって、採食性に富み、反芻を促進することができる反芻動物用飼料を製造することができた。

Claims (6)

  1. リグノセルロース材料を原料とする機械パルプを含有する反芻動物用飼料であって、該機械パルプはカナダ標準濾水度が750ml以下で、かつJIS Z8801で規定される標準篩い24メッシュオンで定義される長繊維の含量が70%以下であることを特徴とする、上記反芻動物用飼料。
  2. 機械パルプのJIS Z8801で規定される標準篩い150メッシュパスで定義される繊維の含量が5%以上である、請求項1記載の反芻動物用飼料。
  3. 水分率が5質量%以上95質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の反芻動物用飼料。
  4. リグノセルロース材料が木質材料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の反芻動物用飼料。
  5. リグノセルロース材料が針葉樹を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の反芻動物用飼料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の反芻動物用飼料を製造するための方法であって、
    リグノセルロース材料を、
    蒸気にて予備加熱する工程、
    リファイナーまたは加圧リファイナーにて機械的に解繊する工程、
    を含む方法により機械パルプを製造する、反芻動物用飼料の製造方法。
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