JP2019041212A - 弾性波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振特性などの電気的特性に優れた弾性波装置を提供する。【解決手段】支持基板2と、前記支持基板2上に直接または間接に積層された多結晶ナノダイヤモンド層4と、前記多結晶ナノダイヤモンド層4上に積層された少なくとも1層の無機材料層5と、前記少なくとも1層の無機材料層5上に積層された圧電体6と、前記圧電体6上に設けられたIDT電極7とを備え、前記圧電体6を伝搬する弾性波の音速よりも、前記多結晶ナノダイヤモンド層4を伝搬するバルク波の音速が高速であり、前記圧電体6を伝搬する弾性波の音速よりも、前記少なくとも1層の無機材料層5を伝搬するバルク波の音速が低速であり、前記多結晶ナノダイヤモンド層4におけるsp3結合比が50%以上である、弾性波装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、支持基板を含む積層体上に圧電体及びIDT電極が積層されている弾性波装置に関する。
従来、伝搬損失を低めるために、ダイヤモンド系材料を用いた弾性波装置が知られている。例えば、下記の特許文献1では、グラファイト状ダイヤモンドと、カーボンクラスターとの複合材料である硬質炭素膜が用いられている。硬質炭素膜上に、圧電体層が設けられている。
特開2000−203822号公報
しかしながら、特許文献1に記載したような複合材料では、弾性波装置において良好な共振特性を得ることができないという問題があった。
本発明の目的は、ダイヤモンド系材料を用いており、共振特性やフィルタ特性などの電気的特性が良好な弾性波装置を提供することにある。
本発明に係る弾性波装置は、支持基板と、前記支持基板上に直接または間接に積層された多結晶ナノダイヤモンド層と、前記多結晶ナノダイヤモンド層上に積層された少なくとも1層の無機材料層と、前記少なくとも1層の無機材料層上に積層された圧電体と、前記圧電体上に設けられたIDT電極とを備え、前記圧電体を伝搬する弾性波の音速よりも、前記多結晶ナノダイヤモンド層を伝搬するバルク波の音速が高速であり、前記圧電体を伝搬する弾性波の音速よりも、前記少なくとも1層の無機材料層を伝搬するバルク波の音速が低速であり、前記多結晶ナノダイヤモンド層におけるsp3結合比が50%以上である。
本発明において、好ましくは、多結晶ナノダイヤモンド層の平均粒径は100nm以下である。
本発明に係る弾性波装置では、好ましくは、前記IDT電極の電極指ピッチで定まる波長をλとしたときに、前記多結晶ナノダイヤモンド層の厚みが0.1λ以上、0.5λ未満である。この場合には、多結晶ナノダイヤモンド層の厚みが0.5λ未満と薄いため、弾性波装置の薄型化を図ることができる。また、多結晶ナノダイヤモンド層の厚みが薄くなるため、材料を節約することができ、かつ成膜に際しての反りも生じ難い。
本発明に係る弾性波装置の他の特定の局面では、前記多結晶ナノダイヤモンド層の前記支持基板側に積層された結晶性ダイヤモンド層がさらに備えられている。
本発明に係る弾性波装置の別の特定の局面では、前記多結晶ナノダイヤモンド層が、W及びTaの内少なくとも1種を含む。この場合には、膜応力が緩和され、多結晶ナノダイヤモンド層にクラックが生じ難い。
本発明に係る弾性波装置のさらに他の特定の局面では、前記圧電体を伝搬する板波S0モードを利用している。
本発明の別の広い局面によれば、支持基板と、前記支持基板上に直接または間接に積層された、相対的に音響インピーダンスが高い高音響インピーダンス層と、前記高音響インピーダンス層上に積層されており、相対的に音響インピーダンスが低い低音響インピーダンス層と、前記低音響インピーダンス層上に直接または間接に積層された圧電体と、前記圧電体上に設けられたIDT電極とを備え、前記高音響インピーダンス層が、sp3結合比が50%以上である、多結晶ナノダイヤモンド層からなる、弾性波装置が提供される。この場合において、ある特定の局面では、圧電体を伝搬する板波S0モードが利用される。
本発明によれば、共振特性などの電気的特性に優れた弾性波装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の正面断面図である。 第1の実施形態の弾性波装置の電極構造を示す略図的平面図である。 多結晶ナノダイヤモンド、グラファイト及びアモルファスカーボンのTEM−EELSによる炭素の分析結果を示す図である。 第1の実施形態の実験例で得られた多結晶ナノダイヤモンド層、結晶性ダイヤモンド層及び比較例としてのアモルファスグラファイトのEELSスペクトルを示す図である。 第1の実施形態の実験例で得られた多結晶ナノダイヤモンド層及び下地に結晶性ダイヤモンド層のXPS分析による炭素の元素マップ図を示す図である。 第1の実施形態の実験例で得られた多結晶ナノダイヤモンド層及び下地に結晶性ダイヤモンド層のXPS分析によるタングステンの元素マップ図を示す図である。 sp3結合比=22%である、弾性波装置の共振特性を示す図である。 sp3結合比=35%である、弾性波装置の共振特性を示す図である。 sp3結合比=50%である、弾性波装置の共振特性を示す図である。 sp3結合比=65%である、弾性波装置の共振特性を示す図である。 sp3結合比=85%である、弾性波装置の共振特性を示す図である。 sp3結合比=95%である、弾性波装置の共振特性を示す図である。 sp3結合比が50%である弾性波装置における多結晶ナノダイヤモンド層の膜厚と、インピーダンス比との関係を示す図である。 sp3結合比が95%である弾性波装置における多結晶ナノダイヤモンド層の膜厚と、インピーダンス比との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る弾性波装置の正面断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波装置の正面断面図であり、図2はその電極構造を示す略図的平面図である。
弾性波装置1は、1ポート型弾性表面波共振子である。弾性波装置1は、支持基板2を有する。支持基板2はSiからなる。もっとも、支持基板2の材料は特に限定されない。他の絶縁性材料や半導体材料を用いてもよい。
支持基板2上に、結晶性ダイヤモンド層3及びsp3結合比が50%以上である多結晶ナノダイヤモンド層4がこの順序で積層されている。
弾性波装置1の特徴は、sp3結合比が50%以上である多結晶ナノダイヤモンド層4を用いたことにある。弾性波装置1では、多結晶ナノダイヤモンド層4を伝搬するバルク波の音速は、後述する圧電体6を伝搬する弾性波の音速よりも高速である。また、多結晶ナノダイヤモンド層4において、sp3結合比は50%以上であり、より好ましくは60%以上である。sp3結合比が50%以上であるため共振特性が良好である。sp3結合比が60%以上である場合には、共振特性がより一層良好となる。
多結晶ナノダイヤモンド層は、好ましくは、平均粒径が100nm以下の多結晶構造を有している。
結晶性ダイヤモンド層3は、多結晶ナノダイヤモンド層4の下地層として設けられている。すなわち、支持基板2上に、多結晶ナノダイヤモンド層4を成膜する場合、下地層として、結晶性ダイヤモンド層3が設けられていることが好ましい。この結晶性ダイヤモンド層3では、結晶粒が、多結晶ナノダイヤモンド層4における結晶粒よりも大きい。そのため、電子の移動が生じ難いため、IMD特性を改善することができる。もっとも、結晶性ダイヤモンド層3は、設けられずともよい。
上記多結晶ナノダイヤモンド層4上に、少なくとも1層の無機材料層として誘電体層5が設けられている。誘電体層5を伝搬するバルク波の音速は、後述する圧電体6を伝搬する弾性波の音速よりも低速である。本実施形態では、誘電体層5は、酸化ケイ素からなる。
弾性波装置1では、バルク波の音速が高速である多結晶ナノダイヤモンド層4上にバルク波の音速が弾性波の音速よりも低速である誘電体層5が積層されているため、圧電体6内に弾性波のエネルギーを十分に閉じ込めることができる。
上記音速関係を満たす限り、誘電体層5を構成する材料は特に限定されない。すなわち、酸化ケイ素の他、酸窒化ケイ素、アルミナ、窒化ケイ素などを用いてもよい。さらに、複数の誘電体層が積層されていてもよい。さらに、弾性波装置1では、1層の多結晶ナノダイヤモンド層4上に、誘電体層5が積層されていたが、この積層構造が複数繰り返されていてもよい。
また、誘電体層5上に圧電薄膜からなる圧電体6が積層されている。圧電体6は、本実施形態では、オイラー角(90°,90°,40°)のLiNbOが形成されている。オイラー角(90°,90°,40°)のLiNbOでは、縦波成分が優性な弾性表面波が励振される。
もっとも、本発明において、圧電体の材料及び結晶方位は特に限定されない。例えば、上記結晶方位以外のLiNbOを用いてもよい。また、LiTaOを用いてもよい。例えば、(0°,140°,0°)のLiTaOのように、SH波成分が優性な弾性表面波が励振される圧電体を用いてもよい。
圧電体6上に、IDT電極7及び反射器8,9が設けられている。IDT電極7及び反射器8,9は、Alからなる。もっとも、Alに限定されず、Cu、W、Pt、Mo、Agなどの他の金属やこれらの金属を主体とする合金を用いてもよい。
また、IDT電極7及び反射器8,9は、複数の金属膜の積層体からなるものであってもよい。その場合、Ti、NiまたはNiCrなどの金属からなる金属層を密着層として設けてもよい。あるいは拡散防止層として、Ti層やNi層などを設けてもよい。
また、IDT電極7及び反射器8,9の一部または全体を覆うように、周波数調整膜や保護膜が設けられていてもよい。
弾性波装置1では、上記結晶方位のLiNbOからなる圧電体6を用いており、該圧電体6を伝搬する板波S0モードを用いている。この板波S0モードを用いた1ポート型弾性波共振子が構成されている。
弾性波装置1の特徴は、上述したように、sp3結合比が50%以上である多結晶ナノダイヤモンド層4を有することにある。従来、様々なダイヤモンド系材料を、圧電体の下方に配置した弾性波装置が種々提案されていた。しかしながら、良好な共振特性やフィルタ特性を得ることは困難であった。
これに対して、弾性波装置1では、sp3結合比が50%以上である、特定の多結晶ナノダイヤモンド層4を用いているため、良好な共振特性を得ることができる。これを図3〜図14を参照してより詳細に説明する。
支持基板2としてのSi基板上に、熱フィラメント法により、結晶性ダイヤモンド層3及び多結晶ナノダイヤモンド層4を形成した。この場合、メタンガス濃度を1体積%、メタンガス流路を50sccm、圧力を10Torr、フィラメント温度を2000℃、支持基板2の加熱温度を650℃とした。それによって、400nmのダイヤモンド膜を形成した。このダイヤモンド膜は、厚み約300nmの多結晶ナノダイヤモンド層4と、下地となる厚み約100の結晶性ダイヤモンド層3とを有していた。上記のようにして形成した多結晶ナノダイヤモンド層4のTEM−EELS分析により、多結晶ナノダイヤモンド層4中の炭素を分析した。結果を図3に示す。図3の一点鎖線が上記多結晶ナノダイヤモンド層4の分析結果を示し、破線は比較例としてのグラファイト、実線は比較例としてのアモルファスカーボンの分析結果を示す。
TEM−EELS分析は、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy, TEM)に電子エネルギー損失分光法(Electron Energy−Loss Spectroscopy, EELS)を組み合わせた装置によって,高い空間分解能で組成、構造、電子状態などに関する知見を得ることができる。
図3に示すように、グラファイトやアモルファスカーボンでは、1s→π*のピークと、1s→σ*の2つのピークが現れている。1s→π*は、sp2結合によるピークである。
これに対して、多結晶ナノダイヤモンドでは、1s→σ*のピークのみ、すなわちsp3結合によるピークがほとんどである。
図4は、上記実験例で得られた多結晶ナノダイヤモンド層4及び結晶性ダイヤモンド層3、並びに比較例としてのグラファイトのTEM−EELSによる炭素の分析結果を示す図である。
実線が多結晶ナノダイヤモンド層4の結果を示し、破線が結晶性ダイヤモンド層3の結果を示し、一点鎖線がグラファイトの結果を示す。
図4から明らかなように、多結晶ナノダイヤモンド層4及び結晶性ダイヤモンド層3のいずれもが、sp3結合が支配的であることがわかる。なお、ここでは、多結晶ナノダイヤモンド層4における285eV付近のわずかなピークにより、sp2結合がわずかに存在することがわかる。もっとも、上記図4から、多結晶ナノダイヤモンド層4では、sp3結合比は、95%程度であることがわかる。
本実験例では、IDT電極7の電極指ピッチをpとし、p=0.5μmとした。したがって、IDT電極7の電極指ピッチpで定まる波長λは、1.0μmとした。上記多結晶ナノダイヤモンド層4上に、誘電体層5として、厚み0.24pのSiO膜を形成した。さらに、オイラー角(90°,90°,40°)のLiNbOからなる圧電体6を、厚み0.4pとなるように形成した。IDT電極7及び反射器8,9は、Alを用いて形成し、その膜厚は、0.12pとした。すなわち、IDT電極の膜厚は、0.06λとした。
上記弾性波装置1において、多結晶ナノダイヤモンド層4の成膜条件を変更し、sp3結合比が異なる多結晶ナノダイヤモンド層4を形成し、種々の弾性波装置1を作製した。すなわち、sp3結合比が22%、35%、50%、65%、85%、または95%の多結晶ナノダイヤモンド層4を有する弾性波装置1を作製した。このsp3結合比は、後述した実験例と同様に、TEM−EELSによる炭素の分析により評価した。
上記多結晶ナノダイヤモンド層4の成膜条件を変化させ、上述したとおり、sp3結合比22%、35%、50%、65%、85%、または95%の多結晶ナノダイヤモンド層4を設け、弾性波装置1を作製した。これらの弾性波装置1におけるsp結合比を、前述したTEM−EELSによる炭素の分析に従って、評価した。
図7〜図12は、上記sp3結合比の多結晶ナノダイヤモンド層4を有する弾性波装置1の共振特性を示す図である。
図7及び図8に示すように、sp3結合比が50%未満である場合には、良好な共振特性が得られていない。特に、共振点と反共振点との間の帯域及び反共振点付近に、非常に大きなスプリアスが多数現れている。
これに対して、図9〜図12の示すように、sp3の結合比が50%以上であれば、良好な共振特性が得られていることがわかる。加えて、sp3結合比が60%以上であれば、共振点より広域にほとんどスプリアスが生じていない、より一層良好な共振特性が得られており、山谷比も十分大きい。加えて、sp3結合比が85%以上であれば、共振周波数と反共振周波数との間の帯域内及び反共振周波数付近にほとんどスプリアスがほとんど現れていない。よって、より好ましくは、sp3結合比は、60%以上、さらに好ましくは、85%以上である。
次に、sp3結合比が50%の多結晶ナノダイヤモンド層を用いた弾性波装置1において、多結晶ナノダイヤモンド層の膜厚を種々変化させ、インピーダンス比を求めた。結果を図13に示す。
図13から明らかなように、多結晶ナノダイヤモンド層4の膜厚が、0.4λ以上であれば、インピーダンス比が十分大きくなることがわかる。また、sp3結合比が95%である多結晶ナノダイヤモンド層4を用い、同様に、多結晶ナノダイヤモンド層4の膜厚が異なる複数種の弾性波装置を作製した。この多結晶ナノダイヤモンド層の膜厚と、インピーダンス比との関係を図14に示す。
図14から明らかなように、sp3結合比が95%の場合、多結晶ナノダイヤモンド層4の膜厚が0.3λ以上であれば、インピーダンス比が90以上と十分に大きい。従って、多結晶ナノダイヤモンド層4の膜厚は、sp3結合比の値の如何にかかわらず、sp3結合比が50%以上であれば、0.4λ以上であることが好ましい。
図13及び図14から明らかなように、インピーダンス比は、それぞれ0.4λ以上、0.3λ以上の膜厚にあると、ほぼ飽和している。
もっとも、多結晶ナノダイヤモンド層4の厚みが厚くなると、成膜に際して反りが生じ易くなり、コストも高くつく。また、弾性波装置1の薄型化が困難となる。従って、弾性波装置1の薄型化及び製造工程の簡略化を果たすには、多結晶ナノダイヤモンド層4の厚みは薄いことが望ましい。
従って、薄いことが好ましいため、多結晶ナノダイヤモンド層4の厚みは、0.5λ未満であることが望ましい。
また、多結晶ナノダイヤモンド層4の厚みの下限は、特に限定されないが、図13及び図14に示すように、0.1λ以上であれば、十分に弾性波を閉じ込める効果により、共振特性を得ることができる。
従って、多結晶ナノダイヤモンド層4の厚みは好ましくは、0.1λ以上、0.5λ未満である。
図5は、XPS分析による上記多結晶ナノダイヤモンド層4及び結晶性ダイヤモンド層3における炭素の元素マップを示す図であり、図6はタングステンWの元素マップを示す図である。
図5から明らからなように、多結晶ナノダイヤモンド層4よりも、下地である結晶性ダイヤモンド層3において、カーボン量が多いことがわかる。また、図6より、多結晶ナノダイヤモンド層4には、わずかであるが、タングステンWが含有されていることがわかる。タングステンWがわずかに含有されていることにより、被膜応力が緩和され、成膜時の多結晶ナノダイヤモンド層4のクラックが生じ難い。
もっとも、タングステンWにかえて、タンタルTaが含有されていてもよい。
図15は本発明の第2の実施形態に係る弾性波装置21の正面断面図である。
弾性波装置21では、図1に示した誘電体層5にかえて、低音響インピーダンス層25,26が設けられている。また、結晶性ダイヤモンド層3及び多結晶ナノダイヤモンド層4からなる積層構造が、低音響インピーダンス層25と低音響インピーダンス層26との間に配置されている。その他の構造は、弾性波装置21は、弾性波装置1と同様である。
低音響インピーダンス層25,26は、本実施形態では、酸化ケイ素からなる。低音響インピーダンス層25,26は、その音響インピーダンスが、多結晶ナノダイヤモンド層4よりも低い限りその材料は特に限定されない。
弾性波装置21では、上記低音響インピーダンス層25,26と、高音響インピーダンス層である多結晶ナノダイヤモンド層4とが交互に積層されているため、弾性波を圧電体6に効果的に閉じ込めることができる。このように、本発明の弾性波装置では、音響インピーダンスが異なる複数の層を含む音響多層膜を有するものであってもよい。すなわち、音響多層膜中の高音響インピーダンス層として、多結晶ナノダイヤモンド層4を用いてもよい。
なお、音響多層膜においては、少なくとも1層の多結晶ナノダイヤモンド層からなる高音響インピーダンス層と、少なくとも1層の低音響インピーダンス層とを有する限り、音響多層膜の積層構造は特に限定されるものではない。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、1ポート型弾性波共振子につき説明したが、本発明は、1ポート型弾性波共振子に限らず、縦結合共振子型弾性波フィルタなどの他の電極構造を有するものであってもよい。このような縦結合共振子型フィルタの場合には、良好なフィルタ特性を実現することができる。
また、支持基板2と多結晶ナノダイヤモンド層4との間、多結晶ナノダイヤモンド層4と誘電体層5との間、誘電体層5と圧電体6との間にそれぞれ、密着層やバッファ層などの中間層を設けてもよい。弾性波装置21においても同様に、低音響インピーダンス層25,26と多結晶ナノダイヤモンド層4との間、低音響インピーダンス層26と圧電体6との間に、他の中間層が設けられていてもよい。
また、上記多結晶ナノダイヤモンド層4の製造方法は、上記方法に限定されず、マイクロ波CVD法やプラズマCVD法などのさまざまな製造方法を用いることができる。
なお、上記製造方法では、原料の炭素水素混合ガスとしてメタンガスを用いたが、ブタンガスやアセチレンガス等を用いてもよく、炭素水素混合ガスの材料は特に限定されない。
1,21…弾性波装置
2…支持基板
3…結晶性ダイヤモンド層
4…多結晶ナノダイヤモンド層
5…誘電体層
6…圧電体
7…IDT電極
8,9…反射器
25,26…低音響インピーダンス層

Claims (8)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に直接または間接に積層された多結晶ナノダイヤモンド層と、
    前記多結晶ナノダイヤモンド層上に積層された少なくとも1層の無機材料層と、
    前記少なくとも1層の無機材料層上に積層された圧電体と、
    前記圧電体上に設けられたIDT電極とを備え、
    前記圧電体を伝搬する弾性波の音速よりも、前記多結晶ナノダイヤモンド層を伝搬するバルク波の音速が高速であり、前記圧電体を伝搬する弾性波の音速よりも、前記少なくとも1層の無機材料層を伝搬するバルク波の音速が低速であり、前記多結晶ナノダイヤモンド層におけるsp3結合比が50%以上である、弾性波装置。
  2. 前記多結晶ナノダイヤモンド層の平均粒径が100nm以下である、請求項1に記載の弾性波装置。
  3. 前記IDT電極の電極指ピッチで定まる波長をλとしたときに、前記多結晶ナノダイヤモンド層の厚みが0.1λ以上、0.5λ未満である、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  4. 前記多結晶ナノダイヤモンド層の前記支持基板側に積層された結晶性ダイヤモンド層をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  5. 前記多結晶ナノダイヤモンド層が、W及びTaの内少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  6. 前記圧電体を伝搬する板波S0モードを利用している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  7. 支持基板と、
    前記支持基板上に直接または間接に積層された、相対的に音響インピーダンスが高い高音響インピーダンス層と、
    前記高音響インピーダンス層上に積層されており、相対的に音響インピーダンスが低い低音響インピーダンス層と、
    前記低音響インピーダンス層上に直接または間接に積層された圧電体と、
    前記圧電体上に設けられたIDT電極とを備え、
    前記高音響インピーダンス層が、sp3結合比が50%以上である、多結晶ナノダイヤモンド層からなる、弾性波装置。
  8. 前記圧電体を伝搬する板波S0モードを利用している、請求項7に記載の弾性波装置。
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