JP2019040841A - 燃料電池用の膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用の膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質膜を形成する際に、第1電極層に電解質溶液を塗工したとしても、第1電極層内への電解質樹脂の浸透を抑制することができる燃料電池用の膜電極接合体の製造方法を提供する。【解決手段】膜電極接合体1の製造方法は、支持フィルム11上に、第1溶媒中に金属触媒が担持された導電性粒子を分散させた触媒インク12Xを塗工する工程と、塗工された触媒インク12X(塗工層12Y)に第1溶媒が含まれた状態で、触媒インク12X上に、第1溶媒よりも比重の小さい第2溶媒中に電解質樹脂を溶解させた電解質溶液13Xを塗工する工程と、触媒インク12X及び電解質溶液13Xを乾燥させることにより、触媒インク12Xから第1電極層12を形成するとともに、第1電極層12の表面に電解質溶液13Xから電解質膜13を形成する工程と、第1電極層12が形成された電解質膜13の反対側の電解質膜13の表面に第2電極層15を形成する工程と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池に利用される膜電極接合体は、固体高分子膜(電解質膜)に電極層が接合された構造である。膜電極接合体は、電解質膜に電極層を転写することにより製造されるのが一般的である。転写により製造する際には、電解質膜および2つの電極層を、個別に支持フィルム上に形成し、電解質膜に電極層を転写するため、1つの膜電極接合体を作製するには、少なくとも3つの支持フィルムが必要になり、製造コストが増加する。
この課題に対して、たとえば、特許文献1では、以下の製造方法が提案されている。この製造方法では、まず、支持フィルムに、金属触媒が担持された導電性粒子を含む触媒インクを塗工し、これを乾燥させることにより、支持フィルムに第1電極層を形成する。次に、この第1電極層の上に、電解質樹脂が溶解した電解質溶液を塗工し、これを乾燥させることにより、電解質膜を形成する。最後に、電解質膜の上に、さらに触媒インクを塗工し、これを乾燥させることにより、第2電極層を形成する。
このようにして、1つの支持フィルムに、第1電極層、電解質膜、および第2電極層を順次積層することにより、電解質膜の両面に、第1および第2電極層が接合された膜電極接合体を、簡易的な工程で得ることができる。
特開2010−272222号公報
しかしながら、特許文献1に示す製造方法で膜電極接合体を製造した場合、第1電極層が、導電性粒子により多孔質状であるため、第1電極層の上に、電解質溶液を塗工した際に、第1電極層に、電解質溶液(具体的にはこれに溶解した電解質樹脂)が浸透してしまうことがある。
これにより、第1電極層の導電性粒子に担持された触媒金属に、電解質溶液に由来する電解質樹脂が被覆されるばかりでなく、多孔質状である第1電極層のガス流路が塞がれてしまう。このような結果、得られた膜電極接合体を、燃料電池に適用した場合には、燃料電池の発電性能が低下してしまう。
本発明は、電解質膜を形成する際に、第1電極層に電解質溶液を塗工したとしても、第1電極層内への電解質樹脂の浸透を抑制することができる燃料電池用の膜電極接合体の製造方法を提供する。
上記課題を鑑みて、本発明は、支持フィルム上に、第1溶媒中に金属触媒が担持された導電性粒子を分散させた触媒インクを塗工する工程と、塗工された前記触媒インクに前記第1溶媒が含まれた状態で、前記触媒インク上に、前記第1溶媒よりも比重の小さい第2溶媒中に電解質樹脂を溶解させた電解質溶液を塗工する工程と、前記触媒インク及び前記電解質溶液を乾燥させることにより、前記触媒インクから第1電極層を形成するとともに、前記第1電極層の表面に前記電解質溶液から電解質膜を形成する工程と、前記第1電極層が形成された前記電解質膜の反対側の前記電解質膜の表面に第2電極層を形成する工程と、を有することを特徴とする、燃料電池用の膜電極接合体の製造方法に関する。
本発明によれば、支持フィルム上に触媒インクを塗工した後、乾燥させる前に、塗工した触媒インク上に電解質溶液を塗工するようにしている。そして、触媒インクの第1溶媒に対して、電解質溶液の第2溶媒の比重を小さくしている。したがって、この状態では、下側に触媒インクの塗工層が存在し、上側に電解質溶液の塗工層が存在するようになる。このため、電解質溶液の電解質樹脂が触媒インクの塗工層中に入ることがないので、当該電解質樹脂の第1電極層内への浸透を抑制することができる。
また、本発明によれば、第1溶媒とこの第1溶媒よりも比重の小さい第2溶媒とを準備し、第1溶媒から触媒インクを作製し、第2溶媒から電解質溶液を作製するという簡易な工程で、電極層への電解質溶液の浸透を抑制することができる。換言すれば、第1溶媒とこの第1溶媒よりも比重の小さい第2溶媒とを準備するという工程を追加することのみで、第1電極層への電解質樹脂の浸透を抑制することができる。
このような結果、第1電極層の導電性粒子に担持された金属触媒に、電解質溶液に由来する電解質樹脂が被覆されることを抑えることができるばかりでなく、多孔質状である第1電極層のガス流路が塞がれることも低減できる。これにより、得られた膜電極接合体を適用した燃料電池の発電性能の低下を抑えることができる。
また、第1電極層内への電解質樹脂の浸透を抑制することができるので、第1電極層内の白金(Pt)などの金属触媒と、電解質溶液の電解質樹脂との反応を抑えることができるため、この反応による発熱を低減することができる。
以上、燃料電池用の膜電極接合体の製造方法によれば、電解質膜を形成する際に、第1電極層に電解質溶液を塗工したとしても、第1電極層内への電解質樹脂の浸透を抑制することができる。
実施形態の膜電極接合体の製造方法の触媒インクを塗工する工程を説明するための模式的工程図である。 実施形態の膜電極接合体の製造方法の触媒インクを一部乾燥させる工程を説明するための模式的工程図である。 実施形態の膜電極接合体の製造方法の電解質溶液を塗工する工程を説明するための模式的工程図である。 実施形態の膜電極接合体の製造方法の触媒インクと電解質溶液を乾燥する工程を説明するための模式的工程図である。 実施形態の膜電極接合体の製造方法の触媒インクを塗工する工程を説明するための模式的工程図である。 実施形態の膜電極接合体の製造方法の触媒インクを乾燥させる工程を説明するための模式的工程図である。
以下、本発明の具体的特徴について、発明を実施するための形態に基づいて説明する。
図1〜図6は、本実施形態の燃料電池用の膜電極接合体の製造方法を説明するための各工程における模式的工程図である。膜電極接合体1は、図6に示すように、電解質膜13の両面に、第1電極層12および第2電極層15が形成されたものであり、この両側をセパレータ(図示せず)で挟み込み、燃料電池用のセルとして用いられる。
最初に、図1に示すように、支持フィルム11を準備し、支持フィルム11上に第1溶媒を含む触媒インク12Xを図示しない塗工ノズルを用いて塗工(塗布)する。なお、支持フィルム11を構成する材料は、用途に応じて適宜選択することができ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエチレンテレフタレート(PET)など、汎用のものを用いることができる。
図1に示すように第1溶媒を含む触媒インク12Xを塗工した後、触媒インク12Xは、図2に示すように、完全に乾燥していない湿潤した状態(未乾燥状態)の塗工層(触媒インク)12Yとなる。すなわち、塗工層12Yには、第1溶媒が含まれた状態である。なお、第1溶媒中には触媒インクを構成する金属触媒が担持された導電性粒子が分散し、さらに、第1溶媒には電解質樹脂(アイオノマー)が溶解している。金属触媒には、Ptなどを挙げることができ、導電性粒子には、カーボンブラックなどの炭素粒子を挙げることができる。
次いで、図3に示すように、未乾燥状態の塗工層12Y上に、第2溶媒を含む電解質溶液13Xを図示しない塗工ノズルを用いて塗工する。なお、第2溶媒中には電解質溶液を構成する電解質樹脂が溶解している。
電解質溶液13Xの塗工のタイミングは特に限定されるものではないが、例えば、未乾燥で湿潤した塗工層12Yの厚さt1が、当該塗工層12Yを乾燥させて得る第1電極層12の厚さt2の1.2倍以下(すなわち、t1≦1.2×t2)となるタイミングであることが好ましい。この場合、湿潤した塗工層12Yの厚さが厚いと、電解質溶液13Xを塗工し、乾燥する際に、塗工層12Yが局所的に流動してしまい、電解質樹脂と導電性粒子に濃度ムラが発生し、第1電極層12にひび割れが発生し易い。
また、触媒インク12Xを構成する第1溶媒及び電解質溶液13Xを構成する第2溶媒に関して、第1溶媒の比重よりも第2溶媒の比重が小さいことが必要である。本実施形態では、支持フィルム11上に触媒インク12Xを塗工した後、乾燥させる前に、塗工した触媒インク12X上に電解質溶液13Xを塗工するようにしているので、下側に触媒インク12Xの塗工層12Yが存在し、上側に電解質溶液13Xが存在するようになる。このため、電解質溶液13Xの電解質樹脂が触媒インク12Xの塗工層12Y中に入ることがないので、結果として、当該電解質樹脂の塗工層12Y(すなわち後述する第1電極層12)内への浸透を抑制することができる。
第1溶媒及び第2溶媒は、上記要件を満足すれば、特に限定されるものではないが、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、t−ペンタノール)から構成することができる。
また、第1溶媒及び第2溶媒は、単独の溶媒から構成してもよいし、複数の溶媒からなる混合溶媒としてもよい。第1溶媒及び第2溶媒を単独の溶媒から構成する場合、上記要件、すなわち、第1溶媒の比重よりも第2溶媒の比重が小さいという要件を満足するためには、例えば第1溶媒を水から構成し、第2溶媒をアルコール類から構成すればよい。さらに、第1溶媒及び第2溶媒を混合溶媒から構成する場合、例えば、第1溶媒及び第2溶媒を水とアルコール類との混合溶媒から構成する場合、第1溶媒中の水の割合を第2溶媒中の水の割合よりも高くし、第1溶媒中のアルコール類の割合を第2溶媒中のアルコール類の割合より低くすればよい。
次いで、図4に示すように、未乾燥で湿潤状態の塗工層12Y及び電解質溶液13Xを乾燥させて、第1電極層12及び電解質膜13を得る。
次いで、図5に示すように、電解質膜13の、第1電極層12とは反対側の面に追加の触媒インク15Xを塗工し、その後、図6に示すように乾燥させて前記面上に第2電極層15を形成する。触媒インク15Xは、上述した触媒インク12Xと同じものである。この後、支持フィルム11を剥離して、電解質膜13の両面に第1および第2電極層12、15が積層された電解質膜−電極接合体(膜電極接合体)1を得ることができる。膜電極接合体1は、燃料電池等のデバイスに使用される。なお、触媒インク15Xは、上述した触媒インク12Xと同じものであるが、第2電極層15を形成することができるのであれば、金属触媒、導電性粒子、高分子樹脂の種類または量を変更が異なっていてもよい。第2電極層15は、触媒インク15Xを塗布し乾燥することにより形成したが、たとえば、予め、別の支持フィルムに形成された電極層を転写することにより形成されてもよい。
以上、本実施形態によれば、支持フィルム11上に触媒インク12Xを塗工した後、完全に乾燥させる前に、塗工した触媒インク12X(塗工層12Y)上に電解質溶液13Xを塗工するようにしている。そして、触媒インク12Xを含む溶媒(第1溶媒)に対して、電解質樹脂を溶解させる溶媒(第2溶媒)の比重を小さくしている。したがって、この状態では、下側に触媒インク12Xの塗工層12Yが存在し、上側に電解質溶液13Xの塗工層が存在するようになる。このため、電解質溶液13X中の電解質樹脂が触媒インクの塗工層12Y中に入ることがないので、結果として、当該電解質樹脂の第1電極層12内への浸透を抑制することができる。
これにより、多孔質状の第1電極層12の金属触媒に、電解質溶液に由来する電解質樹脂が被覆されることを低減することができ、製造された膜電極接合体1を燃料電池に用いたとしても、燃料電池の発電性能が低下することを抑えることができる。さらに、多孔質状の第1電極層12のガス流路を電解質樹脂が塞ぐことがないので、水素ガスなどの燃料ガスまたは空気などの酸素を含むガスが通過する第1電極層12の実質的な表面積を確保でき、製造された膜電極接合体1を燃料電池に用いたとしても、発電性能が低下することを抑えることができる。
また、第1電極層内12への、電解質溶液に由来する電解質樹脂の浸透を抑制することができるので、第1電極層12内の白金(Pt)と電解質樹脂との反応を抑えることができる。
(実施例1)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、水に電解質樹脂を溶解した電解質溶液と、第1溶媒としての水(比重1)と、を混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、乾燥後の厚みが約2.5μmとなるように塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する前に、エタノール(比重0.79)に電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。なお、電解質膜を作製する際の乾燥工程において、触媒インクも同時に乾燥され、第1電極層が作製された。
(比較例1)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、水に電解質樹脂を溶解した電解質溶液と、第1溶媒としての水(比重1)とを混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、乾燥後の厚みが約2.5μmとなるように塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する前に、水(比重1)に電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。なお、電解質膜を作製する際の乾燥工程において、触媒インクも同時に乾燥され、第1電極層が作製された。
(比較例2)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、エタノールに電解質樹脂を溶解した電解質溶液と、第1溶媒としてのエタノール(比重0.79)とを混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、乾燥後の厚みが約2.5μmとなるように塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する前に、水(比重1)に電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。なお、電解質膜を作製する際の乾燥工程において、触媒インクも同時に乾燥され、第1電極層が作製された。
(比較例3)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、エタノールに電解質樹脂を溶解した電解質溶液と、第1溶媒としてのエタノール(比重0.79)とを混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、乾燥後の厚みが約2.5μmとなるように塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する前に、エタノール(比重0.79)に電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。なお、電解質膜を作製する際の乾燥工程において、触媒インクも同時に乾燥され、第1電極層が作製された。
(燃料電池の放電性能評価)
実施例1及び比較例1−3で得た第1電極層が形成された表面に対して、反対側に位置する電解質膜の表面に、それぞれPt目付が0.2mg/cmとなるように第2電極層を形成した。
次いで、実施例1及び比較例1−3で作製した第1電極層がアノード側、Pt目付0.2mg/cmとなるように形成した第2電極層がカソード側となるように放電治具にセットし、アノード側に水素ガス、カソード側に空気を用いて放電評価を行った。
その結果、電流密度2.0A/cmにおける電圧値は、実施例1で0.57Vであり、比較例1で0.53V、比較例2で0.51V、比較例3で0.54Vであった。
このように、実施例1の方が、電圧値が高く、良好な放電特性を示すことが確認された。これは、比較例1−3の場合、電解質溶液が第1電極層となる触媒インクの塗工層内に浸透したためと考えられる。
(実施例2)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、電解質溶液とを、最終的な溶媒組成が、水70質量%、エタノール30質量%となるように第1溶媒(比重0.94)を調合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、水及びエタノールからなる第1溶媒を含む触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、乾燥後の厚みが約2.5μmとなるように塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する前に、水30質量%と、エタノール70質量%を混合した第2溶媒(比重0.85)に、電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。なお、電解質膜を作製する際の乾燥工程において、触媒インクも同時に乾燥され、第1電極層が作製された。
(比較例4)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、電解質溶液とを、最終的な溶媒組成が、水30質量%とエタノール70質量%となるように第1溶媒(比重0.85)を調合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、水及びエタノールからなる混合溶媒を含む触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、乾燥後の厚みが約2.5μmとなるように塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する前に、水70質量%と、エタノール30質量%を混合した第2溶媒(比重0.94)に、電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。なお、電解質膜を作製する際の乾燥工程において、触媒インクも同時に乾燥され、第1電極層が作製された。
(燃料電池の放電性能評価)
実施例2及び比較例4で第1電極層が形成された表面に対して、反対側に位置する電解質膜の表面に、それぞれPt目付が0.2mg/cmとなるように、第2電極層を形成した。
次いで、実施例2及び比較例4で作製した第1電極層がアノード側、Pt目付0.2mg/cmとなるように形成した第2電極層がカソード側となるように放電治具にセットし、アノード側に水素ガス、カソード側に空気を用いて放電評価を行った。
その結果、電流密度2.0A/cmにおける電圧値は、実施例2で0.57Vであり、比較例4で0.52Vであった。
このように、実施例2の方が、電圧値が高く、良好な放電特性を示すことが確認された。これは、比較例4の場合、電解質溶液が第1電極層となる触媒インクの塗工層内に浸透したためと考えられる。
(電解質溶液を塗工するタイミング)
白金(Pt)を30質量%担持したカーボンブラック(ケッチェン)と、電解質樹脂と、水およびエタノールを混合した第1溶媒とを、撹拌しながら超音波ホモジナイザーで分散処理をして、触媒インクを作製した。
次いで、触媒インクを支持フィルム(厚み100μmのPTFEシート)上に、27μmの厚さに塗工した。
次いで、塗工した触媒インクが乾燥する途中、25μm、5μm、および3μmの厚みに減少するそれぞれのタイミングで、電解質膜用の電解質溶液を塗工した後、触媒インクおよび電解質溶液を乾燥した。具体的には、溶媒に電解質樹脂を溶解した13質量%の電解質溶液を用意し、この電解質溶液を塗工した触媒インク上に塗工して乾燥し、厚みが10μmの電解質膜を作製した。
このとき、触媒インクの塗工層の厚さが25μmおよび5μmのときは、第1電極層にひび割れが発生したが、塗工厚さが3μmのときは第1電極層にひび割れは発生しなかった。塗工厚さ3μmの第1電極層は、乾燥後に2.5μmの厚さまで減少することから、第1電極層を塗工して形成する場合は、塗工後の未乾燥状態の厚さが乾燥後の厚さの1.2倍以下の条件下で行うことが重要であることが判明した。
これは、乾燥途中の塗工層の厚さが25μmおよび5μmの場合は、3μmの場合に比べて、これに含まれる固形成分である電解質樹脂と導電性粒子とが流動し易い。このため、この塗工層に、電解質溶液を塗布すると、乾燥する際に、塗工層が局所的に流動してしまい、電解質樹脂と導電性粒子に濃度ムラが発生し、第1電極層にひび割れが発生したと考えられる。
以上のことから、電解質溶液を塗布する際には、第1電極層になる塗工層に含まれる固形成分の濃度が重要になる、特に、触媒インクの流動性や乾燥厚みに寄与するカーボンの濃度が重要であり、乾燥途中の塗工層の厚さが3μmにおける、第1溶媒に対するカーボン(導電性粒子)の濃度は、25.5質量%であることから、第1溶媒に対するカーボンの濃度が、25.5質量%以下の状態で、電解質溶液を塗工することが好ましい。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
1 膜電極接合体
11 支持フィルム
12 第1電極層
12X 触媒インク
12Y 塗工層(触媒インク)
13 電解質膜
13X 電解質溶液
15X 触媒インク
15 第2電極層

Claims (1)

  1. 支持フィルム上に、第1溶媒中に金属触媒が担持された導電性粒子を分散させた触媒インクを塗工する工程と、
    塗工された前記触媒インクに前記第1溶媒が含まれた状態で、前記触媒インク上に、前記第1溶媒よりも比重の小さい第2溶媒中に電解質樹脂を溶解させた電解質溶液を塗工する工程と、
    前記触媒インク及び前記電解質溶液を乾燥させることにより、前記触媒インクから第1電極層を形成するとともに、前記第1電極層の表面に前記電解質溶液から電解質膜を形成する工程と、
    前記第1電極層が形成された前記電解質膜の反対側の前記電解質膜の表面に第2電極層を形成する工程と、を有することを特徴とする、燃料電池用の膜電極接合体の製造方法。
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