JP2019038981A - 防曇剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(A)アセトアセトキシ基を有する単量体に由来する構成単位、アミド基を有する単量体に由来する構成単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂と、
(B)1分子中に2個以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート化合物と、
(C)シクロアミジン系化合物と、
(D)有機酸化合物と、を含み、
前記(メタ)アクリル系樹脂は、前記アミド基を有する単量体に由来する構成単位の割合が30質量%以上90質量%以下であり、
かつ、前記(メタ)アクリル系樹脂100gあたりに含まれる前記アセトアセトキシ基が15mmol以上280mmol以下である、
防曇剤組成物が提供される。
本発明における防曇剤組成物は、
(A)アセトアセトキシ基を有する単量体に由来する構成単位及びアミド基を有する単量体に由来する構成単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂と、
(B)1分子中に2個以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート化合物と、
(C)シクロアミジン系化合物と、
(D)有機酸化合物と、を含み、
前記(メタ)アクリル系樹脂は、前記アミド基を有する単量体に由来する構成単位の割合が30質量%以上90質量%以下であり、
かつ、前記(メタ)アクリル系樹脂100gあたりに含まれる前記アセトアセトキシ基が15mmol以上280mmol以下である。
<(A)(メタ)アクリル系樹脂>
本防曇剤組成物は(メタ)アクリル系樹脂を含む。
本発明における(メタ)アクリル系樹脂としては、(а−1)アセトアセトキシ基を有する単量体と、(a−2)アミド基を有する単量体と、必要に応じて(a−3)その他の単量体を共重合する事で得られる樹脂化合物を採用できる。
(a−1)アセトアセトキシ基を有する単量体は、一般式(1)に示すアセトアセトキシ基を有するエチレン性不飽和化合物である。
アミド基を有する単量体は、一般式(2)で示すアミド基を有するエチレン性不飽和化合物である。
(メタ)アクリル系樹脂は、(a−1)、(a−2)に加えて、必要に応じて(a−3)その他の単量体に由来する構成単位を有していても良い。
(a―3)その他の単量体は、(a−1)、(a−2)と共重合可能なエチレン性不飽和化合物である。
片末端(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサンの含有量は、0.5質量%以上であれば、本防曇剤組成物から得られる塗膜の摩擦抵抗を低下させることができ、30質量%以下であれば相溶性が良好になりやすく、透明な塗膜を得ることが出来る。
((メタ)アクリル系樹脂の重合)
(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、(a−1)アセトアセトキシ基を有する単量体、(а−2)アミド基を有する単量体、必要に応じて、(а−3)その他の単量体を混合した単量体混合物を有機溶剤に溶解又は分散し、重合開始剤の存在下、反応温度は80℃〜200℃程度、反応時間は1〜10時間程度で撹拌しながら加熱することによって得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂は、ラジカル重合反応で得られてもよく、アニオン重合反応のようなイオン重合反応で得られた樹脂であってもよい。
上記反応に用いられる有機溶剤(以下、重合溶剤いう)としては、特に限定はしないが、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アセテート類、芳香族などが、挙げられる。重合溶剤は、1種類に限らず、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
これらの重合溶剤は、1種類に限らず、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。
重合溶剤に沸点の高い有機溶剤は、インキの乾燥性を遅らせ、印刷適性が向上する。
重合開始剤は、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤等の一般的な重合開始剤を使用することができる。前記重合開始剤は、1種類に限らず、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。
Mnが1,000以上、Mwが5,000以上であると、本防曇剤組成物から得られる塗膜の耐水性、防曇性が向上し、Mnが100,000以下、Mwが200,000以下では、本防曇剤組成物を塗布する時の作業性が向上する傾向がある。
本防曇剤組成物は(B)多官能アクリレート化合物を含む。
多官能アクリレート化合物は、一般式(4)に示すアクリレート基を1分子内に2個以上有する化合物である。
アクリルアクリレート系樹脂は、自ら製造しても良いし、市販品を用いても良い。
非環式脂肪族系ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物の中でも、非環式脂肪族系ジイソシアネートが好ましく、その中でも、非環式脂肪族系ジイソシアネート用いて得られるポリイソシアネート系化合物がより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いて得られるポリイソシアネート系化合物がさらに好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型多量体またはヌレート型多量体が特に好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂中のアセトアセトキシ基と多官能アクリレート化合物中のアクリレート基との比は、式(1):
[(B)化合物中のアクリレート基の数]/[(A)樹脂中のアセトアセトキシ基の数]・・・(1)
で表すことが出来る。
式(1)で求められる値が1の時は、本防曇組成物中のアクリレート基の数とアセトアセトキシ基の数が等しいことを表している。
式(1)で求められる値が0.1〜3.0であることが好ましく、0.2〜2.5であることがより好ましく、0.5〜2.0であることがさらに好ましい。
本防曇剤組成物は、(C)シクロアミジン系化合物を含む。
シクロアミジン系化合物は、シクロアミジン骨格を有する化合物である。
シクロアミジン系化合物[Y]とアセトアセトキシ基[X]の比は式(2):
[Y]/[X]・・・(2)
で表すことが出来る。
すなわち、式(2)で求められる値は、「触媒」と「反応点」の比を表すことが出来る。
式(2)で求められる値が大きいほど、アセトアセトキシ基に対して、シクロアミジン系化合物が多いことを示している。
本防曇剤組成物は有機酸化合物を含む。
有機酸化合物は、酸性基を有する有機化合物である。
そのため、有機酸化合物の沸点は、90℃〜350℃の範囲が好ましく、特に95℃〜300℃が好ましく、さらには100〜250℃の範囲がより好ましい。
そのため、本防曇剤組成物の貯蔵安定性と、低温条件下での硬化塗膜形成を両立させるには、シクロアミジン系化合物の物質量[Y]と有機酸化合物の物質量[Z]の比を適切に調整する必要がある。
シクロアミジン系化合物の物質量[Y]と有機酸化合物の物質量[Z]の比は式(3):
[Z]/[Y]・・・(3)
で表すことが出来る。
式(3)から求められる値は、「触媒」と「安定化剤」の比率を表すことが出来る。
式(3)で求められる値がこのような範囲であれば、「触媒」に対して「安定化剤」が適度に含まれていて、「触媒」を十分に安定化できると考えられる。結果、本防曇剤組成物の低温条件下での硬化塗膜形成と貯蔵安定性を両立することが出来ると考えられる。
アセトアセトキシ基は、通常、ケト型とエノール型との平衡状態で存在している。
有機酸化合物は、アセトアセトキシ基のケトエノール互変異性の平衡をエノール型に偏らせることが出来ると考えられる。その結果、本防曇剤組成物は、貯蔵中のマイケル付加反応が抑えられ、貯蔵安定性が向上すると推定される。
[Z]/([X]+[Y])・・・(4)
で表すことが出来る。
式(4)で求められる値は、「反応点」と「触媒」の総量と「安定化剤」の比を表すことが出来る。
式(4)で求められる値が大きいほど、アセトアセトキシ基とシクロアミジン系化合物の総量に対して、有機酸化合物が多いことを示している。
式(4)で求められる値が、0.01以上ではアセトアセトキシ基とシクロアミジン系化合物の総量に対して有機酸化合物が十分量含まれており、本防曇剤組成物の貯蔵安定性が向上する傾向があり、4以下では低温条件下でマイケル付加反応が十分に進行し硬化塗膜を形成することが出来、塗膜の耐水性が向上する傾向がある。
本防曇剤組成物は、(A)〜(D)の成分に加えて(E)界面活性剤を含有しても良い。
しかし、界面活性剤を使用することで、界面活性剤「特有の課題」が発生する傾向がある。
もう一つの「特有の課題」としては、防曇持続性が挙げられる。塗膜が、大量の蒸気にさらされると、界面活性剤は塗膜からブリードアウトしてしまい、高い耐スチーム性が持続しにくく、後述する防曇持続性の評価が悪くなる傾向がある。
しかし、本塗料組成物において、界面活性剤は(メタ)アクリル系樹脂が有するアミド基との相乗効果で、水たれ跡が発生しにくく、かつ高い防曇持続性を持つ防曇剤組成物を得ることが出来る。
もう一つの「特有の問題」としては、防曇持続性が挙げられる。塗膜が、大量の蒸気にさらされると、界面活性剤は塗膜からブリードアウトしてしまい、高い耐スチーム性が持続しにくく、後述する防曇持続性の評価が悪くなる傾向がある。
しかし、適切な界面活性剤を選択することで水たれ跡が発生しにくく、かつ高い防曇持続性を持つ防曇剤組成物を得ることが出来る。
本防曇剤組成物の製造方法としては特に限定されるものではなく、上記の各構成成分を公知の方法により混合することで製造することができる。例えば、上記の各成分を全て一括で混合し、公知の高速分散機等で撹拌することにより製造することができる。
本発明の塗膜は、本防曇剤組成物の硬化物からなる。
塗膜の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、基材上に、公知の方法により本防曇剤組成物を塗布し、硬化させることで形成することができる。
(基材)
基材としては、特に限定はしないが、例えば、プラスチック等の有機素材、ガラス、セラミックス及び金属等の無機素材が挙げられる。上記プラスチックとしては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアルキレン及びこれらの混合物が挙げられる。
防曇剤組成物の塗布方法としては、例えば、塗装方法と印刷方法などが挙げられ、公知の方法を適用することができ、塗膜を形成することができる。
本防曇剤組成物から得られる塗膜の硬化方法としては、特に限定されないが、公知の熱硬化性樹脂の硬化方法にて実施することができる。硬化温度としては50℃〜200℃、好ましくは60℃〜170℃、より好ましくは65〜150℃で行い、硬化時間としては、前記硬化温度にて、好ましくは1分〜24時間、より好ましくは3分〜12時間、さらに好ましくは10分〜2時間加熱することで硬化塗膜を得ることが出来る。このような硬化温度及び硬化時間の範囲内であれば、耐水性に優れた塗膜を得ることができる。
上述のような方法によって得られる塗膜を備える塗装物品としては、特に限定はしないが、例えば、洗面所鏡、浴室鏡、ゴーグル、保護メガネ、メガネ又はカメラのレンズ、建物の窓、建物の外装材、自動車の窓、自動車ランプ類のレンズ又はカバー、自動車のサイドミラー又はルームミラー、カーブミラー、道路反射鏡、農業用ハウスの被覆材料、及び冷凍庫のショーケース等が挙げられ、有機素材、無機素材を問わず使用できる。
これら対象となる物品に対して、本防曇剤組成物を直接塗布することもできるし、あらかじめ、別の基材に本防曇剤組成物を塗布してフィルム又はシートにしたものを対象となる物品に貼り付けて使用することもできる。また、上述の調湿効果から建物の内装用壁紙等に使用できる。
[合成例1]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた4つ口フラスコにPGM−AC(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)150質量部を仕込み110度まで撹拌しながら加温した。ついで、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)30質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)50質量部、メタクリル酸メチル(MMA)10質量部、メタクリル酸ブチル(BMA)10質量部、1,1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル(和光純薬工業株式会社製 V−40)0.6質量部を混ぜた混合液を滴下ロートより2時間かけて前記フラスコに連続滴下した。
滴下後、110℃で4時間撹拌し、反応させた。加熱を止めて室温まで冷却し、(A−1)の(メタ)アクリル系樹脂を含む樹脂組成物(固形分比率約40質量%)を得た。
下記表1、2の配合比に従い、合成例1と同様の方法で(メタ)アクリル系樹脂(A−2)〜(A−17)を合成し、各(メタ)アクリル系樹脂を含む樹脂組成物を得た。
・AAEM:2-アセトアセトキシエチルメタクリレート
・DMAA:ジメチルアクリルアミド
・DEAA:ジエチルアクリルアミド
・MMA:メタクリル酸メチル
・BMA:メタクリル酸ブチル
・FM‐0721:サイラプレーン FM−0721
片末端メタクリレート変性ポリジメチルシロキサン:分子量5,000(JNC株式会社製)
・V−40:1,1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル
・PGM−AC:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・二塩基酸エステル:No.23エステルDBE(三協化学株式会社製)
なお、数平均分子量、重量平均分子量、ガラス転移温度の求め方は以下の通り。
以下のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム測定条件で行った。
使用機器:HLC8220GPC(東ソー(株)製)
使用カラム:TSKgel SuperHZM−M、TSKgel GMHXL−H、TSKgel G2500HXL、TSKgel G5000HXL(東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
標準物質:TSKgel 標準ポリスチレンA1000、A2500、A5000、F1、F2、F4、F10(東ソー(株)製)
検出器:RI
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1ml/min
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、当該樹脂の原料として用いられる単量体成分に含まれている単量体からなる単独重合体のガラス転移温度(Tg)(絶対温度:K)と単量体の質量分率から、
式(5):
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・+Wn/Tgn・・・ (5)
〔式中、Tgは、求めようとしている(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(K)、W1、W2、W3・・・・Wnは、それぞれ各単量体の質量分率、Tg1、Tg2、Tg3・・・・Tgnは、それぞれ各単量体の質量分率に対応する単量体からなる単独重合体のガラス転移温度(K)を示す〕で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求めることができる。
[実施例1]
(メタ)アクリル系樹脂(A−1)を含む樹脂組成物250質量部(固形分としては100質量部)、多官能アクリレート化合物(新中村化学株式会社製A−DPH、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)14質量部、DBU(サンアプロ株式会社製、ジアザビシクロウンデセン)0.5質量部、88%ギ酸水溶液4.5質量部を配合し撹拌した。さらに、イソプロパノールで希釈し防曇剤組成物(固形分比率30質量%)を得た。
表3〜9記載の配合比に従い、実施例1と同様に実施例2〜51、比較例1〜7の各防曇剤組成物を得た。なお、表の配合量は(メタ)アクリル系樹脂100質量部対しての有効成分あたりの添加量を記載している。
ポリカーボネート樹脂板(エンジニアリングテストサービス製 厚み2mm 70mm×70mm)に、得られた各防曇剤組成物をスプレー塗装した。得られた塗装物を80℃に設定した乾燥炉に60分間静置し加熱硬化させ、厚み10μmの塗膜を備えたポリカーボネート板(以下、試験板という)を得た。
[貯蔵安定性(60℃促進)]
JIS K5600−2−7の常温貯蔵安定性の操作に準拠して各防曇剤組成物の貯蔵安定性を評価した。容量約250mlの密閉できるガラス容器に200ml充填し、60℃で10日間静置した防曇剤組成物について、試験前の粘度と試験後の粘度を評価した。
B型粘度計[型番「TVB−10M」、東機産業(株)製、回転数60rpm]により、JIS K7117−1に準じて25℃での粘度を測定した。
増粘率(促進試験後の粘度/促進試験前の粘度)を算出し、下記の評価基準で評価した。
△以上であれば実用上問題はない。
◎・・・増粘率が1.5未満
○・・・増粘率1.5以上2未満
□・・・増粘率2以上4未満
△・・・増粘率4以上
×・・・ゲル状態(防曇剤組成物を撹拌しても動かなくなった)
[低温硬化性]
(耐水性)
耐水性によって、本防曇剤組成物が試験板作成条件(80℃、60分)という低温条件で、硬化塗膜を形成しているかを確認した。
JIS K−5600−6−1塗膜の化学的性質―耐液体性(一般的方法)に準拠した方法により、試験板を、25℃の水で24時間浸漬させた。24時間経過後、水から試験板を取り出して室温で24時間乾燥させたのち、塗膜外観を目視で観察した。評価は下記の基準で行った。
△以上であれば、試験板作成条件(80℃、60分)の低温条件下で硬化塗膜を形成しており、実用上問題ない。
◎・・・無変化
○・・・塗膜の白化、フクレが塗膜全体の5%未満の面積で、認められる。
□・・・塗膜の白化、フクレが塗膜全体の5%以上10%未満で認められる。
△・・・塗膜の白化、フクレが塗膜全体の10%以上で認められる。
×・・・塗膜が溶解している。(十分に硬化していない)
(耐スチーム性)
40℃に保った温水浴の水面から3cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からの蒸気を塗膜に連続照射し、照射から曇る時間を目視で評価した。
△以上であれば実用上問題はない。
◎・・・30秒以上曇らない。
○・・・10秒から30秒で曇らない。
□・・・5秒から10秒で曇る。
△・・・3秒から5秒で曇る。
×・・・0秒から3秒で曇る。もしくは、塗膜が溶け出す。
・DPHA:A−DPHジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学株式会社製)
・DBU:ジアザビシクロウンデセン(サンアプロ株式会社製)
・DBN:ジアザビシクロノネン(サンアプロ株式会社製)
・DBUオクチル酸塩:U‐CAT SA 102 ジアザビシクロウンデセンオクチル酸塩(サンアプロ株式会社製)
・DBNオクチル酸塩:U―CAT 1102 ジアザビシクロノネンオクチル酸塩(サンアプロ株式会社製)
・ギ酸:蟻酸(88%:三菱ガス株式会社)*有効成分量にて記載
・酢酸:酢酸(一級:和光純薬工業株式会社)
・ラウリン酸:ラウリン酸(一級:和光純薬工業株式会社)
すなわち、本防曇剤組成物におけるアセトアセトキシ基は「反応点」となることが判る。
表3に示す実施例1〜5からは、(A)樹脂中のアセトアセトキシ基「反応点」の数が多いと低温条件下でも硬化塗膜を形成することが可能で、塗膜の耐水性が向上することが判る。また、「反応点」数が少ないと、塗膜の耐スチーム性が向上することが判る。アセトアセトキシ基の数を適切に調整することで、低温条件下で十分に硬化塗膜を形成することが可能で、塗膜の耐水性と耐スチーム性を両立させることが出来ると考えられる。
これらの結果から、本防曇剤組成物は、1液型の防曇剤組成物として好適に使用が可能なことが判る。
また、表4に示す実施例1、6〜7からは、(A)樹脂中のアミド基を有する単量体に由来する構造単位が多いほど防曇性の高くなる傾向があることが判る。
表4に示す実施例1、11からは、アミド基を有する単量体のジメチルアクリルアミドとジエチルアクリルアミドを比較すると、ジメチルアクリルアミドの方が防曇性能に効果があることが判る。(A)樹脂中のアミド基が塗膜の吸湿性に関与し、防曇性能に効果があることが推定される。
表5に示す比較例5、6からは(C)の成分が含まれていないと、塗膜形成時マイケル付加反応が進行せず、得られる塗膜の耐水性が悪いことが判る。
すなわち、アセトアセトキシ基「反応点」に対して、シクロアミジン系化合物「触媒」が十分に添加されていると、マイケル付加反応が十分に進行し低温条件化で硬化塗膜を形成することが出来、塗膜の耐水性が向上すると考えられる。
すなわち、シクロアミジン系化合物「触媒」に対して、有機酸化合物「安定化剤」が十分に添加されていることで、本防曇剤組成物の貯蔵安定性が向上する事が判る。
本防曇剤組成物の貯蔵安定性には、[Z]/[Y]から求められる値が影響し、値が大きいほど貯蔵中のマイケル付加反応を抑制する事ができると推定される。
さらに、実施例5、29は、実施例30、31よりも、[Y]/[X]から求められる値が大きい(「反応点」に対して「触媒」が多い)にもかかわらず、本防曇剤組成物の貯蔵安定性が優れる傾向があることが判る。
有機酸化合物は、(A)樹脂中のアセトアセトキシ基のケトエノール互変異性の平衡をエノール型へ偏らせることで、本防曇剤組成物貯蔵中のマイケル付加反応を抑制し、貯蔵安定性を向上させることができると考えられる。
(A)樹脂中のアセトアセトキシ基の数と(B)中のアクリレート基の数の比を適切に調節することで、本防曇剤組成物から得られる塗膜の防曇性と耐水性を両立できると考えられる。
[「特定の化学構造」を有する多官能アクリレート化合物の合成]
(b−1:ε−カプロラクトン由来の構造を有する多官能アクリレート化合物(n=1))
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(三井化学株式会社製タケネートD−170N、イソシアネート含有量:20.9%)44質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製プラクセルFA1)56部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、撹拌しながら70℃で5時間保持した。赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認し、反応を終了し、εカプロラクトン変性アクリレート化合物(b−1)を得た。なお、このε−カプロラクトン変性アクリレート化合物におけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は1である。
また、表中では、化合物(b−1)を「ε−カプロラクトン変性体(n=1)」と表記している。
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(三井化学株式会社製タケネートD−170N、イソシアネート基含有量:20.9質量%)36質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製、プラクセルFA―2D)を64質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.2部およびを仕込み、撹拌しながら70℃まで昇温した。その後、同温度で5時間保持した。赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認した後、反応を終了し、ε−カプロラクトン変性アクリレート化合物(b−2)を得た。
なお、このε−カプロラクトン変性アクリレート化合物におけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は2である。
また、表中では、化合物(b−2)を「ε−カプロラクトン変性体(n=2)」と表記している。
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(三井化学株式会社製タケネートD−170N)22部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製プラクセルFA5)78質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、撹拌しながら70℃で5時間保持した。赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認した後、反応を終了し、ε−カプロラクトン変性アクリレート化合物(b−3)を得た。
なお、このε−カプロラクトン変性アクリレート化合物におけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は5である。
また、表中では、化合物(b−3)を「ε−カプロラクトン変性体(n=5)」と表記している。
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(三井化学株式会社製タケネートD−170N、イソシアネート基含有量:20.9質量%)42質量部、ポリエチレングリコールモノアクリレート(日油株式会社製ブレンマーAE−200(水酸基価:205(mgKOH/g))58質量部、ジブチル数ラウレート0.02質量部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を仕込んだ。そして、70℃で撹拌しながら5時間保持して反応を行った。赤外線吸収スペクトル装置(Perkin Elmer製FT−IR Spectrum100)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認した後、反応を終了し、ポリエチレンオキサイド変性アクリレート化合物(b−4)を得た。なお、このウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのエチレングリコール単位の繰り返し数は4.5である。
また、表中では、化合物(b−1)表中では「エチレンオキサイド変性体(n=4.5)」と表記している。
[防曇剤組成物の製造]
上記の実施例1の工程に準じて、表10に示す成分組成の防曇剤組成物を得た。
[試験板の作成]
上記の実施例1の工程に準じて、試験板を得た。
上記「1、防曇剤組成物の製造と評価」で行った防曇剤組成物の評価と同様の評価を行った。(貯蔵安定性、耐水性、耐スチーム性)
(追加評価(1))
「特定の化学構造」を有する多官能アクリレート化合物を含む防曇剤組成物は、上記評価に加えて、追加評価(1):耐擦傷性も評価した。
≪耐擦傷性≫
試験板に、ペーパータオルを500g(直径36mm 500g分銅)の荷重をかけた状態で乗せ50回往復させた。その後目視にて、1cm以上の長さの傷の数を確認し、以下の基準に従って評価を行った。
◎・・・まったく傷がつかない。
○・・・傷が5本未満。
△・・・傷が5本以上20本未満。
×・・・傷が20本以上。
「特定の化学構造」であるε−カプロラクトン由来の構造、アルキレンオキサイド構造は、適度に柔軟で弾力性を有しているため、塗膜の柔軟性、弾力性を高めることができ、外力を吸収し、塗膜への傷を残りにくくすると推定される。
[防曇剤組成物の調製]
上記の実施例1の工程に準じて、表11及び12に示す成分組成の防曇剤組成物を得た。
[験板の作成]
上記の実施例1の工程に準じて、試験板を得た。
上記「1.防曇剤組成物の製造と評価」で行った防曇剤組成物の評価と同様の貯蔵安定性、耐水性、耐スチーム性の3つ評価を行った。
(追加評価(2))
防曇剤組成物は界面活性剤を使用することで、界面活性剤由来の「特有の問題」が発生する傾向にある。
例えば、耐スチーム性の試験後に、ブリードアウトした界面活性剤が流れ落ち、界面活性剤が流れ落ちた跡が白化する現象(水たれ跡)が起こる。
また、耐スチーム性の試験を繰り返すと、界面活性剤は塗膜の表面からブリードアウトしてしまい、高い耐スチーム性が持続しにくくなるという傾向がある。
これらの、(E)成分を含む防曇剤組成物「特有の問題」を評価するため、(E)を含む防曇剤組成物は、上記の評価に加えて、追加評価(2):水たれ跡、防曇持続性も評価した。
≪水たれ跡≫
耐スチーム性の試験後の試験板を垂直に立て、室温で30分乾燥させた。乾燥後の塗膜上の水たれ跡の状態について目視で観察を行い、以下の基準に従って評価を行った。
◎・・・水たれ跡は確認できない。
○・・・光の当て方によって、うっすらと水たれ跡が見える。
△・・・水たれ跡がはっきりと見え、若干の塗膜白化が生じる。
×・・・水たれ跡がはっきりと確認でき、塗膜の白化が著しい。
40℃に保った温水浴の水面から3cmの高さの所に、塗膜面が下向きになるように試験板を設置し、温水浴からの水蒸気を塗膜に10秒間当て、その後、5分間常温で乾燥させるというサイクルを1工程とし、当該工程を10回繰り返した。その後、再度蒸気をあて、照射から曇る時間を目視で評価した。曇る時間を目視で確認し、以下の基準に従って評価を行った。
◎・・・30秒以上曇らない。
○・・・10秒以上30秒未満曇らない。
□・・・5秒以上10秒未満曇らない。
△・・・3秒以上5秒未満曇らない。
×・・・3秒未満で曇る。もしくは、塗膜外観が劣化する。
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、A−DPH(新中村化学株式会社製)
・ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート:レオドール TW−L106(有効成分100% 花王株式会社製)
・ショ糖ラウリン酸エステル:リョートーシュガーL−1695(有効成分95% 三菱ケミカルフーズ株式会社製)
・ポリグリセリン10モノラウリン酸エステル:PGLE ML10(有効成分100% 株式会社ダイセル製)
・フッ素系界面活性剤:サーフロンS−242(有効成分100% AGCセイミケミカル株式会社製)
・ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム:サンモリンOT−70(有効成分70% 三洋化成株式会社製)
・ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート:カチオーゲンES−L−9(有効成分90% 第一工業製薬株式会社製)
・ラウリン酸アミドプロピルベタイン:ソフタゾリンLPB(有効成分30% 川研ファインケミカル株式会社製)
・ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン:ソフタゾリンLSB(有効成分30% 川研ファインケミカル株式会社製)
ここで、実施例1を再掲載しているのは、界面活性剤を添加したことによる、耐スチーム性の向上を示すためである。
「特定の化学構造」を有する(B)化合物と(E)成分とを併用することで、耐擦傷性と、耐スチーム性を両立させることが出来た。
<インキ用防曇剤組成物の製造>
[実施例54]
(メタ)アクリル系樹脂(A−15)を含む樹脂組成物200質量部(固形分としては100質量部)、多官能アクリレート化合物(新中村化学株式会社製A−DPH、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)14質量部、DBUオクチル酸塩(サンアプロ株式会社製SA−102)0.5質量部、88%ギ酸水溶液4.5質量部を配合し撹拌し、インキ用防曇剤組成物(固形分比率53質量%)を得た。得られたインキ用防曇剤組成物の粘度は2200(mPa・s)であった。
表13記載の配合比に従い、実施例54と同様に各インキ用防曇剤組成物を得た。なお、表の配合量は表3〜12と同様に(メタ)アクリル系樹脂100g対しての固形分の添加量を記載している。
実施例54〜56について、インキ用防曇剤組成物を易接着処理PETフィルム(東洋紡株式会社製 コスモシャイン A4300)に、スクリーン印刷法にて、#150メッシュのスクリーン(印刷パターン100mm×100mm)を用い、印刷を行った。得られた印刷物を100℃に設定した乾燥炉に60分間静置し加熱硬化させ、厚み10μmの塗膜を備えたPETフィルム(以下、印刷板という)を得た。
(粘度)
B型粘度計[型番「TVB−10M」、東機産業(株)製、回転数60rpm]により、JIS K7117−1に準じて25℃での粘度を測定した。
(貯蔵安定性)
上記「1.防曇剤組成物の製造と評価」で行った防曇剤組成物と同様の条件で貯蔵安定性の評価を行った。
(印刷外観)
印刷板の印刷外観を目視で確認し、印刷外観の評価を行った。ハジキ、カスレ及びエッジ部転写不良の有無を以下の基準にしたがって評価した
◎・・・ハジキ、カスレ及びエッジの部転写不良が印刷板全体の5%未満で認められる。
○・・・ハジキ、カスレ及びエッジの部転写不良が印刷板全体の5%以上10%未満で認められる。
△・・・ハジキ、カスレ及びエッジの部転写不良が印刷板全体の10%以上15%未満で認められる。
×・・・ハジキ、カスレ及びエッジの部転写不良が印刷板全体の15%以上で認められる。
前記の条件でスクリーン印刷法にて連続で印刷を行った。印刷板を目視で確認し、印刷外観不良のない回数を以下の基準に従って評価した。前記印刷外観の評価が○以上を印刷外観に不良がないとものと判断した。
◎・・・100回の連続印刷で、印刷外観に不良がない。
〇・・・80〜99回の連続印刷で、印刷外観に不良がある。
△・・・50〜79回の連続印刷で、印刷外観に不良がある。
×・・・1〜49回の連続印刷で、印刷外観に不良がある。
上記「1、防曇剤組成物の製造と評価」で行った試験板の評価と同様の耐水性、耐スチーム性の2つの評価を行った。
また、シクロヘキサノンや二塩基酸エステルといった沸点の高い有機溶剤を使用することで、連続印刷の際、溶剤の揮発を防ぎ、スクリーンの目詰まりなどを抑制すると推定される。
表3〜表13に示す実施例から、(A)アセトアセトキシ基を有する単量体に由来する構成単位及びアミド基を有する単量体に由来する構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂と、(B)1分子中に2個以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート化合物と、(C)シクロアミジン系化合物と、(D)酸性化合物とを組み合わせた実施例1〜56は、高い防曇性能を発現する塗膜を得ることが出来、かつ、低温硬化が可能で貯蔵安定性が優れていることが判った。
上述のような方法によって得られる塗膜を備える塗装物品としては、特に限定はしないが、例えば、洗面所鏡、浴室鏡、ゴーグル、保護メガネ、メガネ又はカメラのレンズ、建物の窓、建物の外装材、自動車の窓、自動車ランプ類のレンズ又はカバー、自動車のサイドミラー又はルームミラー、カーブミラー、道路反射鏡、農業用ハウスの被覆材料、及び冷凍庫のショーケース等が挙げられ、有機素材、無機素材を問わず使用できる。
これら対象となる物品に対して、本防曇剤組成物を直接塗布することもできるし、あらかじめ、別の基材に本防曇剤組成物を塗布してフィルム又はシートにしたものを対象となる物品に貼り付けて使用することもできる。また、上述の調湿効果から建物の内装用壁紙等に使用できる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
[1]
防曇剤組成物であって、
(A)アセトアセトキシ基を有する単量体に由来する構成単位及びアミド基を有する単量体に由来する構成単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂と、
(B)1分子中に2個以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート化合物と、
(C)シクロアミジン系化合物と、
(D)有機酸化合物と、を含み、
前記(メタ)アクリル系樹脂は、前記アミド基を有する単量体に由来する構成単位の割合が30質量%以上90質量%以下であり、
かつ、前記(メタ)アクリル系樹脂100gあたりに含まれる前記アセトアセトキシ基が15mmol以上280mmol以下である、
防曇剤組成物。
[2]
前記(C)シクロアミジン系化合物の含有量は、前記(メタ)アクリル系樹脂100gに対して0.05mmol以上15mmol以下である、[1]に記載の防曇剤組成物。
[3]
前記(D)有機酸化合物の含有量は、前記(メタ)アクリル系樹脂100gに対して1mmol以上400mmol以下である、[1]または[2]に記載の防曇剤組成物。
[4]
前記(D)有機酸化合物の含有量が、前記有機酸化合物と前記シクロアミジン系化合物の当量比[有機酸化合物/シクロアミジン系化合物]が5以上40以下である、[1]乃至[3]いずれか1つに記載の防曇剤組成物。
[5]
前記(D)有機酸化合物は、酸解離定数pKaが0以上7以下、かつ、カルボキシ基を有する有機酸化合物を含む、[1]乃至[4]いずれか1つに記載の防曇剤組成物。
[6]
前記多官能アクリレート化合物は、ε−カプロラクトン由来の構造、および/または、アルキレンオキサイド構造を有する多官能アクリレート化合物を含む、[1]乃至[5]いずれか1つに記載の防曇剤組成物。
[7]
(E)界面活性剤を含む、[1]乃至[6]いずれか1つに記載の防曇剤組成物。
[8]
塗料用である、[1]乃至[7]いずれか1つに記載の防曇剤組成物。
[9]
インキ用である、[1]乃至[7]いずれか1つに記載の防曇剤組成物。
[10]
[1]乃至[9]いずれか1つに記載の防曇剤組成物の硬化物からなる塗膜。
[11]
[10]に記載の塗膜を備える物品。
Claims (11)
- 防曇剤組成物であって、
(A)アセトアセトキシ基を有する単量体に由来する構成単位及びアミド基を有する単量体に由来する構成単位を含有する(メタ)アクリル系樹脂と、
(B)1分子中に2個以上のアクリレート基を有する多官能アクリレート化合物と、
(C)シクロアミジン系化合物と、
(D)有機酸化合物と、を含み、
前記(メタ)アクリル系樹脂は、前記アミド基を有する単量体に由来する構成単位の割合が30質量%以上90質量%以下であり、
かつ、前記(メタ)アクリル系樹脂100gあたりに含まれる前記アセトアセトキシ基が15mmol以上280mmol以下である、
防曇剤組成物。 - 前記(C)シクロアミジン系化合物の含有量は、
前記(メタ)アクリル系樹脂100gに対して0.05mmol以上15mmol以下である、
請求項1に記載の防曇剤組成物。 - 前記(D)有機酸化合物の含有量は、
前記(メタ)アクリル系樹脂100gに対して1mmol以上400mmol以下である、
請求項1乃至2いずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - 前記(D)有機酸化合物の含有量が、
前記有機酸化合物と前記シクロアミジン系化合物の当量比[有機酸化合物/シクロアミジン系化合物]が5以上40以下である、
請求項1乃至3いずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - 前記(D)有機酸化合物は、
酸解離定数pKaが0以上7以下、かつ、カルボキシ基を有する有機酸化合物を含む、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - 前記多官能アクリレート化合物は、
ε−カプロラクトン由来の構造、および/または、アルキレンオキサイド構造を有する多官能アクリレート化合物を含む、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - (E)界面活性剤を含む、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - 塗料用である、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - インキ用である、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の防曇剤組成物。 - 請求項1乃至9いずれか1項に記載の防曇剤組成物の硬化物からなる塗膜。
- 請求項10に記載の塗膜を備える物品。
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