JP2019038105A - 静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置およびその製造方法 - Google Patents

静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コスト化が可能でかつ信頼性も高く、また低背化も可能な静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を提供する。【解決手段】静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、板状の絶縁基材30の第1面30Aと第2面30Bのそれぞれに所定のパターンで導体層が形成され、絶縁基材の内部に、第1面側導体層31と第2面側導体層32を電気的に導通させるための貫通導体部33が形成されて、プリント配線板21が構成され、プリント配線板の第1面側に、互いに対向する可動電極24および固定電極23A、23Bからなるアクチュエータを構成するアクチュエータ構造部分22が形成されるとともに、そのアクチュエータ構造部分の可動電極および固定電極の給電部位が、第1面側の前記導体層における端子部に接合一体化されて、可動電極および固定電極に、第2面側導体層から貫通導体部及び第1面側導体層を介して給電される構成とした。【選択図】図6

Description

本発明は、静電駆動アクチュエータをプリント配線板に組み込んでなる静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置、およびその製造方法に関するものである。
近年に至り、MEMS( Micro Electro Mechanical Systems )デバイスが、機械的微小変位を要する機器に使用されるようになっている(例えば特許文献1等)。この種のMEMSデバイスの代表的なものとしては、静電駆動アクチュエータが挙げられる。
この種の静電駆動アクチュエータとしては、代表的には、可動電極と固定電極とが実質的に同一の平面上において対向していて、可動電極が上記平面に沿って固定電極に接近・離隔する方向に変位する平面駆動型のアクチュエータがある。またそのほか、いわゆるデジタルミラーデバイス(DMD)等に好適な静電駆動アクチュエータとして、可動電極の板面が固定電極に対向していて、可動電極が固定電極に対して傾動する(角度が変位する)傾動駆動型のアクチュエータも知られている。
図1〜図3に、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ1の原理的な構成を示す。
図1〜図3において、シリコン基板(キャリアウエハ)10の片面(上面)に、SiO膜からなる犠牲層(中間酸化膜)11を介して、一対の固定電極12A、12Bが、シリコン基板10の板面と平行な面内において、間隔を置いて形成されている。一対の固定電極12A、12Bの間には、これらの固定電極12A、12Bに対して間隔S1を置いて、シリコン基板10の板面と平行な面内において可動電極13が配設されている。この可動電極13は、その中央部分(一対の固定電極12A、12Bに対応する部分)は、可動部13aとして、シリコン基板10から浮いており、可動電極13の両端部13b、13cは、固定部として犠牲層11を介してシリコン基板10に固定されている。なお固定電極12A、12Bにおける可動電極13に近い側の端部12Aa、12Baは、下側の犠牲層11が若干えぐられて、可動電極13に向かって突出する形状となっている。このようにして、固定電極12A、12Bと可動電極13とは、シリコン基板10の板面と平行な面内において対向していることになる。
このような原理的構成を有する平面駆動型の静電駆動アクチュエータ1においては、図示しない電源によって固定電極12A、12Bのいずれか一方(例えば12A)と、可動電極13との間に電圧を印加すれば、その間に電界が発生し、それによって静電引力が生じて、可動電極13の可動部13aが固定電極12Aの側に吸引され、可動部13aの弾性復元力と釣り合う位置まで変位する。ここで、可動部13aの変位量は印加電圧によって制御することができ、また一方の固定電極12Aの側と他方の固定電極12Bの側とに交番的に電圧を印加することによって、可動電極13の可動部13aをシリコン基板10の板面と平行な面内で左右に往復変位させることができる。
このように静電駆動アクチュエータは、可動電極13の可動部13aに微小変位を生起させることができ、そこで微小かつ制御可能な機械的変位が要求される小型機器、小型部品、例えばインクジェットプリンタのヘッドや、高周波スイッチ、光通信用光スイッチ、マイクロバルブなど、各種の機器や部品に使用されるようになっている。なお、上記のように、可動電極13の可動部13aを共通する水平な面内で変位させるタイプの静電駆動アクチュエータを、ここでは平面駆動型アクチュエータと称している。
なお実際に使用される平面駆動型の静電駆動アクチュエータにおいては、可動電極と固定電極との間の対向面積を大きくするために、可動電極の固定電極側の部位と、固定電極の可動電極側の部位とを互いに櫛歯状に入れ込ませた形態とすることが多いが、図1〜図3では、原理的に簡略化した形態で示している。
このような静電駆動アクチュエータを製造する方法としては、半導体製造のための加工技術を使用して製造するのが一般的であり、特に深彫り反応性イオンエッチング( Deep−RIE )を適用するのが通常である。
従来の平面駆動型静電駆動アクチュエータの製造方法の代表的な例について、図4の(a)〜(f)に原理的に示す。なお図4の(a)〜(e)においては、その左側に、多数の静電駆動アクチュエータを1枚のウエハから作製する場合のウエハ全体を示し、右側には、一つの静電駆動アクチュエータに相当する部位の断面構造を示す。
先ず、図4の(a)に示すように、薄いシリコン基板(活性層;可動電極および固定電極となるべき層)15と厚いシリコン基板(キャリアウエハとなるシリコン基板)16を、SiO膜(中間酸化膜;犠牲層となるべき層)17を介して張り合わせたSOI(Silicon-on-Insulator)基板18を用意する。
そして、図4の(b)に示すように、SOI基板18の上面(薄いシリコン基板15の表面)に、可動電極および固定電極の平面形状に相当するパターンでレジスト層19を形成する。次いで、図4の(c)に示すように、深彫り反応性イオンエッチング( Deep−RIE )によってシリコン基板15をエッチングする。その後、図4の(d)に示すように、レジスト層19を除去する。そして図4の(e)に示すように、SiO膜17をエッチングする。これによって、1枚のウエハに多数の平面駆動型静電駆動アクチュエータ1が形成された状態となる。
その後、図4の(f)に示すように、各アクチュエータに相当する部位ごとに分断(ダイシング)すれば、図1〜図3に示したような静電駆動アクチュエータ1が得られる。
ところでこの種の静電駆動アクチュエータの駆動を制御したり、静電駆動アクチュエータからの信号を処理するための電子部品としては、最近では、いわゆる特定用途向け集積回路(ASIC : Application Specific Integrated Circuit )を使用することが多い。その場合、静電駆動アクチュエータと、各種の電子部品、例えば静電駆動アクチュエータの制御や信号処理のためのASICダイとを、共通のプリント配線板の上に搭載して、一つのパッケージ内に収容した装置(静電駆動アクチュエータ/ASIC組み込み装置)とすることが従来から行われている。
図5に、共通のプリント基板3の上に平面駆動型の静電駆動アクチュエータ1とASICダイ2とを搭載して、一つのパッケージに収めた静電駆動アクチュエータ/ASIC組み込み装置4の従来品の一例を示す。
図5において、プリント基板3は、従来の一般的な方法によって、片面もしくは両面に所定の配線パターンで導体層5が形成されるとともに、その導体層5のうちの必要な箇所に、搭載部品を接続するための接続端子部7が適宜形成されたものである。そしてプリント基板3の所定の箇所には、静電駆動アクチュエータ1が搭載され、同じプリント基板3の別の箇所にはASICダイ2が搭載されている。ここで、静電駆動アクチュエータ1は、プリント基板3の上面に予め形成しておいた半田バンプや接着フィルムなど(図示せず)を利用して、プリント基板3上の所定の箇所に固定される。またASICダイ2も、プリント基板3の上面に予め形成しておいた半田バンプ3aなどを利用して、プリント基板3上の所定の箇所に固定される。
このような従来の平面駆動型静電駆動アクチュエータ/ASIC組み込み装置4では、その組立前の段階で、図4を参照して説明した様な手法によって平面駆動型の静電駆動アクチュエータ1を作製しておき、またASICダイ2も別に作製しておく。一方プリント基板3は、静電駆動アクチュエータ1およびASICダイ2を搭載し得る形態として、静電駆動アクチュエータ1およびASICダイ2とは別に(すなわち別個の製造ラインで)作製しておく。そして、プリント基板3上に静電駆動アクチュエータ1およびASICダイ2を搭載し、さらにワイヤボンディングの手法によって、静電駆動アクチュエータ1の端子部(可動電極、固定電極に設けられた端子部)と、プリント基板3に形成された端子部7との間を金線などの導電線材(ワイヤ)8によって接続し(ワイヤボンディングし)、金属などからなるキャップ9を被せて封止(パッケージング)する。
上記のところでは、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ1をASICとともに組み込んだ従来の装置について説明したが、傾動型の静電駆動アクチュエータをASICダイとともに組み込んだ装置を製造するにあたっても、その組立前の段階で、予め傾動型の静電駆動アクチュエータとASICダイを別に作製しておき、プリント基板も別に(すなわち別個の製造ラインで)作製しておいて、プリント基板上に傾動型静電駆動アクチュエータおよびASICダイを搭載し、さらにワイヤボンディングの手法によって接続し(ワイヤボンディングし)、封止(パッケージング)することが考えられている。
特開2015−3381号公報
上述のような従来の一般的な方法によって静電駆動アクチュエータ/ASIC組み込み装置を製造する場合、静電駆動アクチュエータの製造に、半導体製造に適用される複雑かつ高コストの微細加工技術が要求されるのが通常である。例えば図4に示した前述の静電駆動アクチュエータの製造方法においては、深彫り反応性イオンエッチング( Deep−RIE )が適用されるが、深彫り反応性イオンエッチングには、特殊かつ高価なエッチング装置を必要とするため、その製造コストが高くならざるを得ない。また同時に、HFなどの危険な薬液を用いなければならないため、安全管理や薬液廃棄処理などに高コストを要し、これらが低コスト化のネックとなっていた。
またワイヤボンディングによって静電駆動アクチュエータをプリント基板の端子部に接続しているが、この種の静電駆動アクチュエータの用途では、それ自体で振動が発生したり、外部から振動や衝撃が加わることが多く、そのためワイヤボンディングでは接続の信頼性、耐久性に欠ける問題がある。
さらに、前述のようにキャップを被せてパッケージングする場合、ワイヤボンディングのための導電線の取り回しのために、静電駆動アクチュエータの上側にある程度の空間が必要であり、そのため装置の薄型化(低背化)を図るにも限界があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、低コスト化が可能でかつ信頼性も高く、また低背化も可能な、静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置及びその製造方法を提供することを課題としている。
前述のような課題を解決するため、本発明においては、静電駆動アクチュエータにおける構造部分をプリント配線板と一体化し、これによって深彫り反応性イオンエッチングなどの高コストを要する特殊な半導体製造技術を要さずに製造し得るようにするとともに、静電駆動アクチュエータをプリント配線板に接続するためのワイヤボンディングやフリップチップボンディングを不要として、振動や衝撃に対する信頼性、耐久性を高め、また装置の低背化も可能とするようにした。
したがって本発明の基本的な態様(第1の態様)による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、
板状の絶縁基材の2面の一方を第1面、他方を第2面とし、前記第1面に、導電材料によって1以上の固定電極用端子部と1以上の可動電極用端子部とを有する電極端子用導体層が形成され、前記第1面と第2面とのうち少なくとも一方の面に、前記固定電極用端子部および可動電極用端子部に給電するように、前記電極端子用導体層に導通される導電材料からなる給電用導体層が所定のパターンで形成されて、プリント配線板が構成され、
さらに、前記プリント配線板の第1面側に、絶縁基材の板面と平行な面内で互いに対向する部位を有する可動電極および固定電極が形成され、且つ前記可動電極は、前記固定電極に対向する部位が固定電極に接近・離隔する方向に変位可能な可動部とされるとともに、その可動部に連続しかつ前記可動電極用端子部に固定された固定部を有する構成とされて、これらの可動電極および固定電極によって、平面駆動型の静電駆動アクチュエータを構成するアクチュエータ構造部分が形成され、
前記アクチュエータ構造部分の可動電極の、前記固定部のすくなくとも一部が可動電極給電部位とされて、その可動電極給電部位が前記可動電極用端子部に一体化されるとともに、前記固定電極の少なくとも一部が前記固定電極用端子部に一体化されて、前記可動電極および固定電極に、給電用導体層から前記電極端子用導体層を介して給電される構成としたことを特徴とする。
また本発明の第2の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、
板状の絶縁基材の2面の一方を第1面、他方を第2面とし、前記第1面に、導電材料によって1以上の固定電極用端子部と1以上の可動電極用端子部とを有する電極端子用導体層が形成され、前記第1面と第2面とのうち少なくとも一方の面に、前記固定電極用端子部および可動電極用端子部に給電するように、前記電極端子用導体層に導通される導電材料からなる給電用導体層が所定のパターンで形成されて、プリント配線板が構成され、
さらに、前記プリント配線板の第1面側に、その第1面から間隔を置いて第1面と平行な板状をなす可動電極と、その可動電極におけるプリント配線板の第1面側の表面に対して間隔を置いて対向する固定電極とが形成され、
前記可動電極は、前記第1面に対して傾動可能な可動部と、少なくとも一部が可動電極用端子部に固定されるとともに前記可動部を傾動可能に支持する固定部とを有する構成とされ、
これらの可動電極および固定電極によって、傾動駆動型の静電駆動アクチュエータを構成するアクチュエータ構造部分が形成され、
前記アクチュエータ構造部分の可動電極の固定部の少なくとも一部が可動電極給電部位とされて、その可動電極給電部位が前記可動電極用端子部に一体化されるとともに、前記固定電極の少なくとも一部が前記固定電極用端子部に一体化されて、前記可動電極および固定電極に、給電用導体層から前記電極端子用導体層を介して給電される構成としたことを特徴とする。
また本発明の第3の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1もしくは第2の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記電極端子用導体層が、前記絶縁基材中に埋め込まれた状態で形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第4の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第3のいずれかの態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記給電用導体層が、前記絶縁基材の前記第2面に形成されており、前記絶縁基材の内部に、前記給電用導体層と電極端子用導体層を電気的に導通させるための貫通導体部が形成されて、プリント配線板が構成されていることを特徴とする。
さらに本発明の第5の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第4のいずれかの態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記給電用導体層が、前記絶縁基材の前記第1面に形成されており、第1面において前記給電用導体層が前記電極端子用導体層に電気的に導通されて、プリント配線板が構成されていることを特徴とするものである。
さらに本発明の第6の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第5のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記プリント配線板が、複数の絶縁基材を積層しかつ層間導体層を形成した多層構造とされ、前記電極端子用導体層が積層絶縁基材の第1面に形成され、前記給電用導体層が積層絶縁基材の第2面に形成されて、給電用導体層が前記層間導体層を介して前記電極端子用導体層に電気的に導通されていることを特徴とするものである。
本発明の第7の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第6のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
さらに前記プリント配線板の第1面側をカバーするキャップを備え、
且つ前記絶縁基材の第1面の周辺部にキャップ支持部が形成され、そのキャップ支持部に前記キャップの周縁部が接合されていることを特徴とするものである。
本発明の第8の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第7の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記キャップ支持部が、導電材料によって形成されていることを特徴とする前記可動電極の給電部位と固定電極とが、前記電極端子用導体層の各端子部に、導電支持体を介して接合されていことを特徴とするものである。
また本発明の第9の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第8の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記キャップ支持部が、前記電極端子用導体層と同じ導電材料によって形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第10の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第8、第9のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記キャップキャップ支持部の表面に、酸化防止用の保護層が形成されており、その保護層の表面に、前記キャップの周縁部がはんだ接合されていることを特徴とするものである。
また本発明の第11の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第10の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記酸化防止用の保護層としてNi/Au複合層もしくはNi/Pd/Au複合層、またはOSP処理皮膜が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第12の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第8〜第11のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記基材と前記導電材料からなるキャップ支持部との間に、無機絶縁材料からなる透湿防止膜が介在されていることを特徴とするものである。
また本発明の第13の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第12の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記透湿防止膜として、SiO、Al、ダイヤモンドライクカーボンの一種以上が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第14の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極の固定部と固定電極とが、前記電極端子用導体層の各端子部に、導電支持体を介して接合されていることを特徴とするものである。
また本発明の第15の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面から突出していることを特徴とするものである。
また本発明の第16の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極における、前記可動電極に対向しない部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第17の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第18の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極における、前記可動電極に対向しない部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、かつ前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第19の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極の可動部が前記固定部に接近・離隔する方向に変位する空間領域に、前記可動部に接触することを阻止するためのストッパ部が設けられていることを特徴とするものである。
また本発明の第20の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第19の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記ストッパ部が、前記絶縁基材の一部によって構成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第21の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極における、前記可動電極に対向しない部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、かつ前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、しかも前記可動電極の可動部が前記固定部に接近・離隔する方向に変位する空間領域に、前記可動部に接触することを阻止するためのストッパ部が、前記絶縁基材の一部によって構成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第22の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面から突出していることを特徴とするものである。
また本発明の第23の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第24の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極給電部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第25の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極が前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、かつ前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第26の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第25のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極および前記可動電極が、それぞれ導電材料で形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第27の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第26のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極と前記可動電極とのうち、いずれか一方もしくは双方が帯電可能な材料で形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の第28の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記導電支持体は、その構成材料として、可動電極と固定電極および電極端子用導体層の構成材料とは異種の、選択エッチング可能な導電材料が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第29の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第28の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記導電支持体の構成材料としてNiが用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第30の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第28の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記導電支持体の構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてNiが用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第31の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記導電支持体、可動電極、固定電極、及び電極端子用導体層の構成材料として、NiもしくはNi合金が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第32の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極支持体部は、その構成材料として、可動電極と固定電極および電極端子用導体層の構成材料とは異種の、選択エッチング可能な導電材料が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第33の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第32の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極支持体部の構成材料としてNiが用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第34の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第32の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極支持体部の構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてNiが用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第35の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極支持体部、可動電極、固定電極、及び電極端子用導体層の構成材料として、NiもしくはNi合金が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第36の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記固定電極の少なくとも一部が、絶縁材層によって覆われていることを特徴とするものである。
また本発明の第37の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第2の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記可動電極支持体部の可動電極給電部位の少なくとも一部が、絶縁材層によって覆われていることを特徴とするものである。
また本発明の第38の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第37のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記絶縁基材の第1面もしくは第2面に、電子部品が搭載されていることを特徴とするものである。
また本発明の第39の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第37のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記前記絶縁基材の内部に、電子部品が埋め込まれていることを特徴とするものである。
また本発明の第40の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第38、第39のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記電子部品が、ASICダイであることを特徴とするものである。
また本発明の第41の態様による静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、前記第1〜第40のいずれかの態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置において、
前記絶縁基板における第2面側に、前記絶縁基材よりも高い剛性を有する材料からなる補強部材が設けられていることを特徴とするものである。
さらに以下の第42〜第44の態様は、静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法についての態様である。
すなわち第42の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、
第28の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法であって、
前記アクチュエータ構造部分の可動電極を形成するにあたり、前記絶縁基材の第1面側に前記可動電極の導電材料に対して選択エッチング可能な導電材料からなる犠牲層を形成するとともに、その犠牲層上に可動電極用の導体層を形成した後、前記犠牲層の少なくとも一部を選択エッチングによって除去することによって、前記可動電極用導体層の少なくとも一部を、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能となるように、前記絶縁基材から空間を隔てて浮かせた状態として、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能な可動部を可動電極に形成することを特徴とするものである。
また第43の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、
第32の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置であって、しかも前記導電支持体は、その構成材料として、可動電極と固定電極および電極端子用導体層の構成材料とは異種の、選択エッチング可能な導電材料が用いられている静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法であって、
前記アクチュエータ構造部分の可動電極を形成するにあたり、前記絶縁基材の第1面側に予め前記ストッパ部となるべき部位を形成しておき、その後、前記絶縁基材の第1面側に可動電極の導電材料に対して選択エッチング可能な導電材料からなる犠牲層を形成するとともに、その犠牲層上に可動電極用の導体層を形成した後、前記犠牲層の少なくとも一部を選択エッチングによって除去することによって、前記可動電極用導体層の少なくとも一部を、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能となるように、前記絶縁基材から空間を隔てて浮かせた状態として、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能な可動部を可動電極に形成するとともに、前記ストッパ部を絶縁基材の一部として形成することを特徴とするものである。
また第44の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、
第32の態様の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法であって、
前記アクチュエータ構造部分の可動電極を形成するにあたり、前記絶縁基材の第1面側に、表面が露呈する固定電極上に、前記可動電極及び固定電極の導電材料に対して選択エッチング可能な導電材料からなる犠牲層を形成するとともに、その犠牲層上に可動電極用の導体層を形成した後、前記犠牲層の少なくとも一部を選択エッチングによって除去することによって、前記可動電極用導体層の少なくとも一部を、前記固定電極に対し傾動可能となるように前記固定電極から浮かせた状態として、前記固定電極に対し傾動可能な可動部を可動電極に形成することを特徴とするものである。
本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、プリント配線板自体に静電駆動アクチュエータの構造部分が一体的に形成されるため、アクチュエータへの給電のための接続にワイヤボンディングやフリップチップボンディング等の実装方法を用いなくて済み、そのため信頼性が高いとともに低背化が可能であり、またその製造にあたって、深彫り反応性イオンエッチングなどの特殊かつ高価な加工技術が不要となり、またHFなどの危険な薬液を不要とすることができるため、安全管理や薬液廃棄処理などのコストを低減することができ、そのため従来よりも大幅な低コスト化が可能となる。また本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法によれば、上記のような静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を、実際的に容易且つ低コストで製造することができる。
平面駆動型の静電駆動アクチュエータを原理的に示す平面図である。 図1におけるII−II線での縦断面図である。 図1におけるIII−III線での縦断面図である。 図1〜図3に示される静電駆動アクチュエータの従来の製造方法を原理的かつ段階的に示す略解図である。 従来の平面駆動型の静電駆動アクチュエータの一例を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 図6におけるVII−VII線での縦断側面図である。 図6におけるVIII−VIII線位置での平面図である。 平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置における、アクチュエータ構造部分の実際的な平面形状の一例を示す平面図である。 本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置における、プリント配線板の端子部の別の例を示す拡大縦断面図である。 本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置における、プリント配線板の端子部のさらに別の例を示す拡大縦断面図である。 本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の別の例を示す縦断面図である。 図6〜図8に示される第1の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の第1の例の概要を、図6に対応する断面位置で段階的に示す略解図である。 図13に示す方法をより具体化した製造方法の前半のプロセスを、(A)〜(J)として段階的に示す略解図である。 図13に示す方法をより具体化した製造方法の後半のプロセスを、図14の(A)〜(J)に続く(K)〜(Q)として段階的に示す略解図である。 図6〜図8に示される第1の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の第2の例の概要を、図6に対応する断面位置で段階的に示す略解図である。 図16に示す方法をより具体化した製造方法の前半のプロセスを、(A)〜(J)として段階的に示す略解図である。 図16に示す方法をより具体化した製造方法の後半のプロセスを、図17の(A)〜(J)に続く(K)〜(Q)として段階的に示す略解図である。 本発明の第2の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 図19に示される第2の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の第1の例について、前半のプロセスを、(A)〜(L)として段階的に示す略解図である。 図19に示される第2の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の第1の例について、後半のプロセスを、図20の(A)〜(L)に続く(M)〜(S)として段階的に示す略解図である。 本発明の第3の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 図22に示される第3の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の第2の例について、前半のプロセスを、(A)〜(K)として段階的に示す略解図である。 図22に示される第3の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の第2の例について、後半のプロセスを、図22の(A)〜(K)に続く(L)〜(R)として段階的に示す略解図である。 本発明の第4の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置について、キャップ及びASICデバイスを省略した状態で示す縦断正面図である。 図25に示される第4の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の一例の概要を段階的に示す略解図である。 本発明の第5の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置について、キャップ及びASICデバイスを省略した状態で示す縦断正面図である。 図27に示される第5の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法の一例の概要を段階的に示す略解図である。 本発明の第6の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置のアクチュエータ構造部分を示す平面図である。 図29のX−X線における略解的な断面図である。 図29のY−Y線における略解的な断面図である。 本発明の第7の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を、図31と同じ断面位置で示す断面図である。 本発明の第8の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を、図31と同じ断面位置で示す断面図である。 本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置のさらに別の例を、図30に対応する位置で示す略解的な断面図である。 図34に示す例を、図31に対応する位置で示す略解的な断面図である。 本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の別の例を、図6に対応する位置で示す縦断面図である。 図36に示される静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の例についての裏面側からの斜視図である。 本発明の第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す平面図である。 図38のA−A線における断面図である。 図38のB−B線における断面図である。 図38〜図40に示される第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、その初期の段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図41に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図42に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図43に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図44に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図45に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図46に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図47に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図48に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第9の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図49に続く各段階を示す略解的な断面図である。 本発明の第10の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す断面図である。 図51に示される第10の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、その中途の段階を示す略解的な断面図である。 前記第10の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図52に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第10の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図53に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第10の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図54に続く各段階を示す略解的な断面図である。 本発明の第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す平面図である。 図56のA−A線における断面図である。 図56、図57に示される第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、その中途の段階を示す略解的な断面図である。 前記第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図58に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図59に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図60に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図61に続く各段階を示す略解的な断面図である。 本発明の第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す平面図である。 図63におけるA−A線での断面図である。 図63におけるB−B線での断面図である。 図63〜図65に示される第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、その初期の段階を示す略解的な断面図である。 前記第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図66に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図67に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図68に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図69に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第12の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図70に続く各段階を示す略解的な断面図である。 本発明の第13の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 図72に示される第13の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、その中途の段階を示す略解的な断面図である。 前記第13の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図73に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第13の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図74に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第13の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図75に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第13の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図76に続く各段階を示す略解的な断面図である。 本発明の第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 図78に示される第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、その中途の段階を示す略解的な断面図である。 前記第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図79に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図80に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図81に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図82に続く各段階を示す略解的な断面図である。 前記第14の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の例について、図83に続く各段階を示す略解的な断面図である。 本発明の第15の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 本発明の第15の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断側面図である。 本発明の第16の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を示す縦断正面図である。 図87のAA−AA線における断面図である。 図87のBB−BB線における断面図である。 前記第16の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法の一例の概略を段階的に示す断面図である。 実験例におけるアクチュエータ構造部分の寸法関係を説明するための略解的な縦断面図である。 実験例におけるアクチュエータ構造部分の寸法関係を説明するための略解的な平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の第1の実施形態>
先ず図6〜図8に、本発明の第1の実施形態として、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の一例を示す。なお第1の実施形態としては、平面駆動型の静電駆動アクチュエータとともに、電子部品、例えば静電駆動アクチュエータの制御や信号処理のためのASICダイを組み込んだ状態でプリント配線板装置を示している。
図6〜図8に示される静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板は、基本的には、プリント配線板21と、そのプリント配線板21の一部に、プリント配線板21と一体に形成されたアクチュエータ構造部分22と、プリント配線板21における上記のアクチュエータ構造部分22から離れた位置に搭載されたASICダイ2と、キャップ9とからなる構成とされている。
具体的には、プリント配線板21は、絶縁性材料からなる板状もしくはシート状の絶縁基材30をベースとしている。この絶縁基材30は、一般的なプリント配線板の絶縁基材と同様に、ガラスクロスやフィラーのどちらか一方または両方をエポキシ、フェノールなどの有機樹脂を組み合わせた熱硬化性絶縁樹脂、あるいはガラスクロスやフィラーのどちらか一方または両方をテフロンやLCPなどの有機樹脂を組み合わせた熱可塑性絶縁樹脂、Siやガラス、セラミック等の無機材料からなる。
ここで、絶縁基材30における、一方の面(図6、図7における上側の面;アクチュエータ構造部分22が形成される側の面)を第1面30Aと称し、他方の面(図6、図7における下側の面)を第2面30Bと称することとする。
絶縁基材30の第1の面30Aには、金属銅(Cu)もしくはCu合金などの良導電材料からなる導体層(第1面側導体層)31が、所定のパターンで絶縁基材30に埋め込まれた状態で形成されている。ここで、第1面側導体層31の形成パターンとしては、本実施形態の場合、図6に示される断面位置で見て、ASICダイ2を固定支持すると同時にそのASICダイ2の入出力のためのASICダイ用端子部もしくはそのASICダイ用端子部への配線導体部位31b、31cと、アクチュエータ構造部分22における固定電極23A、23B,可動電極24への給電のための可動電極用端子部及び固定電極用端子部を有する電極端子用導体層31d〜31gと、絶縁基材30の周辺部においてキャップ9の周縁部を支持・封止するためのキャップ支持用端子部31a、31hとが現われている。ここで、前記電極端子用導体層31d〜31gは、第1面における、可動電極用端子部及び固定電極用端子部への配線部位をも含んでいるが、説明の簡略化のため、単に「電極端子用導体層31d〜31g」と称することとする。またキャップ支持用端子部31a、31hは、電気的な接続のための端子部ではなく、キャップを支持・固定するための部位(キャップ支持部)であるが、便宜上、端子部と称することとしている。
なお、上記の「ASICダイ用端子部もしくはそのASICダイ用端子部への配線導体部位31b、31c」も、説明の簡略化のため、単に「ASICダイ用端子部31b、31c」と称することとする。また、キャップ支持用端子部31a、31gは、図6では別の部位のように描かれているが、実際には、絶縁基材30の外周に沿って連続している共通の部位である。
ここで、第1面側導体層31が絶縁基材30の第1面30Aに埋め込まれた状態とは、第1面側導体層31の上面が、絶縁基材30の第1面30Aから実質的に突出していない状態を意味する。本実施形態では、第1面側導体層31が構成している各部位31a〜31hのうち、端子部(もしくはその端子部への配線部分)31b〜31gは、その表面が絶縁基材30の表面(第1面30A)と同一平面に位置しており、キャップ支持部位(キャップ支持用用端子部)31a、31gは、その表面が、絶縁基材30の表面(第1面30A)よりもわずかに低い位置となっている。
また絶縁基材30の第2面30Bの上には、第1面導体層31と同様な金属銅(Cu)もしくは銅合金などの良導電材料からなる導体層(第2面側導体層;給電用導体層)32が、所定のパターンで形成されている。ここで給電用導体層32の形成パターンは、本実施形態の場合、主として端子部間の配線回路を構成する回路パターンとされ、その少なくとも一部は外部接続(マザーボートとの接続や搭載部品の接続)のための接続端子部とされる。
絶縁基材30の内部には、第1面側導体層31の所定の部位と第2面側導体層32の所定部位との間を電気的に導通させるために、第1面側導体層31、第2面側導体層32と同様な良導電性材料からなる貫通導体部(面間導通部)33が設けられている。
プリント配線板21の第1面側には、本実施形態では平面駆動型の静電駆動アクチュエータを構成するアクチュエータ構造部分22が形成されている。このアクチュエータ構造部分22は、本実施形態では、間隔を置いて形成された一対の固定電極23A、23Bと、その一対の固定電極23A、23Bの間に、これらの固定電極の先端部23Aa、23Baの端面に対向するように形成された可動電極24と、固定電極23A、23Bを支持する導電支持体25A、25Bと、可動電極24を支持する導電支持体26A、26B(図7、図8参照)とによって構成されている。
さらにアクチュエータ構造部分22について詳細に説明すると、第1面側導体層31のアクチュエータ用端子部31d、31gの表面を覆って面接合(もしくは一体化)されるように固定電極支持用の導電支持体25A、25Bが形成されている。そしてこれらの導電支持体25A、25Bの表面に、それぞれ固定電極23A、23Bが形成されている。ここで、固定電極23A、23Bは、それぞれ絶縁基材30の第1面30Aと平行な平板状をなしており、それぞれの下面の少なくとも一部が導電支持体25A、25Bの上面に面接合(一体化)され、その先端部(可動電極24に対向する部分)23Aa、23Baが、絶縁基材30の第1面30Aから空間を置いて浮くように突出形成されている。
また第1面側導体層31のアクチュエータ用端子部31e、31fの表面の少なくとも一部が面接合(もしくは一体化)されるように可動電極支持用の一対の導電支持体26A、26Bが形成されており、これらの一対の導電支持体26A、26Bに、可動電極24の両端部24a、24bが接合(もしくは一体化)されている(図7、図8参照)。可動電極24は、絶縁基材30の第1面30Aと平行な平板状をなすものであって、その中間部分の側面24c、24dが固定電極23A、23Bに対向するとともに、その対向方向に対して直交する方向の両側の端部24a、24bの下面が、前記導電支持体25A、25Bに面接合(もしくは一体化)されて、その動きが規制され(固定され)ている。そして可動電極24における両側の端部24a、24bの間の中間部分24eが、第1面30Aと平行な面内で、一方の固定電極23A、他方の固定電極23Bに接近/離隔する方向に弾性的に変位し得る(撓み得る)ようになっている。そこで本実施形態では、可動電極24における両側の端部24a、24bを固定部24a、24bと称し、中間部分24eを可動部24eと称している。
ここで、各固定電極23A、23Bおよび可動電極24は、第1面側導体層31の材料と同種の導電材料、例えば銅もしくは銅合金からなる。一方、導電支持体26A、26B、26A、26Bは、第1面側導体層31の材料とは、化学エッチングにより選択エッチング可能な異種の導電材料、例えばNiからなる。ここで、上記の各導電材料についての化学エッチングにより選択エッチングが可能な異種の材料とは、例えば導電支持体25A、25B;26A、26Bの導電材料を化学エッチングするにあたって、エッチング液を適切に選択しておけば、そのエッチング液が第1面側導体層31、各固定電極23A、23Bおよび可動電極24の導電材料に接しても、その導電材料を溶解(エッチング)させずに、導電支持体25A、25B;26A;26Bの導電材料のみを選択的にエッチングすることができ、また逆に第1面側導体層31、各固定電極23A、23Bおよび可動電極24の導電材料を化学エッチングするにあたって、エッチング液を適切に選択しておけば、そのエッチング液が導電支持体25A、25B;26A、26Bの導電材料に接しても、その導電材料料を溶解(エッチング)させずに、第1面側導体層31、各固定電極23A、23Bおよび可動電極24の導電材料のみを選択的にエッチングすることができるような関係を有する材料であることを意味する。なおここで、上記の選択エッチングの説明において、選択エッチングが可能な異種(2種)の導電材料のうちの一方の材料についての「溶解(エッチング)しない」とは、全く溶解しない場合だけではなく、他方の材料よりも溶解速度が著しく遅く、他方の材料の溶解のためのエッチング時間では溶解量が少なく、実質的にほとんど溶解しないような場合も含むこととする。
そして上記に例示したような第1面側導体層31、固定電極23A、23Bおよび可動電極24に使用されている銅もしくは銅合金と、導電支持体25A、25B、26A、26BのNiとは、選択エッチングが可能な異種の導電材料に相当する。
さらに第1面側導体層31におけるASICダイ用端子部31b、31cの上面には、はんだボールあるいははんだバンプ(クリームはんだ)等によりはんだ層35a、35bが形成されて、そのはんだ層35a、35bによってASICダイ2が接合されている。すなわちその箇所において電子部品としてASICダイ2がプリント配線板21上に搭載されている。なお実際上は、ASICダイ用端子部31b、31cの上面に、酸化防止やはんだ性の向上のための表面保護層として金属保護膜、例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層との2層の複合層からなる保護層(Ni/Au層)、あるいはNiからなる下地層とPdからなる中間層とAuからなる表面層との3層の複合層からなる保護層(Ni/Pd/Au層)、もしくは有機酸化防止膜としてOSP(Organic Solderability Preservative)処理皮膜等を形成しておき、その表面保護層の上にはんだボールあるいははんだバンプ(クリームはんだ)等のはんだ層35a、35bが形成されることが望ましい。
また第1面側導体層31の両端側の端子部(キャップ支持用端子部)31a、31hの表面には、酸化防止用保護層38として、例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層38が形成されている。なお保護層38は、前記と同様な、Ni/Pd/Auの3層の複合層からなる保護層、あるいはOSP処理皮膜等の有機酸化防止膜であってもよい。
そして、プリント配線板21の第1面側のほぼ全体を覆うように、AlもしくはAl合金、あるいはステンレス鋼等からなる金属製のキャップ9が配設されて、そのキャップ9の周縁部9aが、図示しないはんだ等によって、保護層38の上面に接合されている。
なお本実施形態では、絶縁基材30の第1面30Aにおける、第1面側導体層31が存在しない箇所のうち、主としてアクチュエータ構造分22を除いた箇所は、いわゆるソルダレジストに相当する第1面側絶縁層36によって覆われている。また絶縁基材30の第2面30Bにおける適宜の箇所も、いわゆるソルダレジストに相当する第2面側絶縁層37によって覆われている。第1面側絶縁層36及び第2面側絶縁層37は、一般的なプリント配線板のソルダレジストと同様に、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの絶縁性樹脂に、絶縁性無機物質、例えばシリカ、アルミナ、硫酸バリウムなどを配合した材料によって構成される。これらの第1面側絶縁層36及び第2面側絶縁層37は必ずしも必須ではないが、キャップを外した状態での内部構造の目隠しや保護などのために必要に応じて設けられる。
以上のような図6〜図8に示す第1の実施形態の装置において、第1面側導体層31の端子部31d〜31gから、固定電極23A、23Bを支持する導電支持体25A、25B及び可動電極24を支持する導電支持体26A、26Bを介し、固定電極23A、23Bと可動電極24との間に電圧を加えることができる。そこで例えば一方の固定電極23Aと可動電極24との間に電圧を加えれば、それらの対向する電極が正電荷もしくは負電荷に帯電する。これによって、同極性の電荷の場合は反発する力が電極間に発生し、一方異極性の電荷の場合は引きつけ合う力が電極間に発生し、このような力によって可動電極24の中間部分(可動部)24eが、固定電極23A、23Bのいずれかに近接する方向もしくは離隔する方向に変位する。すなわち平面駆動型のアクチュエータとして機能させることができる。
ここで、上記の実施形態の装置では、固定電極23A、23Bおよび可動電極24への給電が、第2面側導体層32から貫通導体部33を経て、さらに第1面側導体層31から各導電支持体25A、25B;26A、26Bを介してなされることから、電極への給電のためのワイヤボンディングは不要であり、したがって給電接続の信頼性も高い。また上記のようにワイヤボンディングが不要であるため、装置の上部空間(キャップ9によって取り囲まれる空間)について、ワイヤの取り回しのための余裕を考慮する必要がなく、そのため装置の低背化(薄型化)が可能となる。
なお図6〜図8では、第1の実施形態の装置についての原理的な構成として、固定電極23A、23B、可動電極24は、それぞれの対向する端面が、平面視で単純な直線状をなすように示している.しかしながら実際には、図9に示しているように、対向する端面を含む部分(端部)を平面視で凹凸状(櫛状)とし、それらの櫛状部分を互いに入れ込ませることによって電極間の対向面積を大きくし、これによって固定電極23A、23Bと可動電極24との間の静電気力(帯電量)を増大させ、比較的小さい電圧印加でも可動電極24が確実かつ容易に動き得るようにすることが好ましい。
<装置の付加的形態―その1>
以上のところにおいて、第1面側導体層31のうちキャップ支持用端子部31a、31hは、図10に、一方のキャップ支持用端子部31hに関して示しているような断面形状構造とすることが好ましい。すなわち端子部31hの頂上面が絶縁基材30の表面から1〜7μm程度窪む状態とし、且つ絶縁基材30の表面からの距離が、端子部31hの幅方向の中央部では小さく、幅方向の両端部の側で大きくなるような、断面凸状とすることが好ましい。そしてこのような断面形状の端子部31hの表面の全体を覆うように、前述のような保護層38が形成されている。ここで保護層38は、断面凸状の端子部31hの上面を全体的に例えばNiからなる下地層38Aが覆い、さらにその下地層38Aの上面を、例えばAuからなる表面層38Bが平坦に覆う構成とすることが望ましい。ここで、表面層38Bは、その表面が絶縁基材30の第1面と同じか、それより低い位置(第1面から窪んだ状態)とすることが望ましい。なお保護層38は、上記の例に限らず、Niからなる下地層とPdからなる中間層とAuからなる表面層との3層構造の保護層(Ni/Pd/Au層)、もしくはOSP(Organic Solderability Preservative)処理皮膜等の有機酸化防止層であってもよい。
なおまた、図10では、キャップ支持用端子部31hについて示しているが、他の端子部についても同様な構成とすることができる。なおまた、このような端子部構造は、図6に示した第1の実施形態の装置に限らず、後述する各実施形態の装置におけるプリント配線板にも適用することができる。
<装置の付加的形態−その2>
さらに第1面側導体層31のキャップ支持用端子部31a、31hと絶縁基材30との間には、透湿防止膜150を介在させることが好ましい。例えば図11には、キャップ支持用端子部31hに関して、その端子部31hと絶縁基材30との間に透湿防止膜150を介在させた構造を示している。そしてこの例では、透湿防止膜150は、端子部31hと絶縁基材30との間だけではなく、それに続く絶縁基材30の表面にも連続して形成した構成としている。この透湿防止膜150は、絶縁性の無機材料、例えばSiOや、Al、あるいはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などからなる膜を、スパッタあるいは蒸着によって形成すればよい。
このように透湿防止膜150を、少なくとも端子部31hと絶縁基材30との間に介在させておくことによって、絶縁基材の内部へ侵入した水分が端子部31hに至って、端子部31hが酸化もしくは腐食してしまうことを防止し、耐久性を向上させることができる。
なお図11では、キャップ支持用端子部31hについて示しているが、他の端子部についても同様な構成とすることができる。またこのように少なくとも第1面側導体層の端子部と絶縁基材との間に透湿防止膜150を介在させた構造は、図6に示した第1の実施形態の装置に限らず、後述する各実施形態の装置におけるプリント配線板にも適用することができる。
<装置の付加的形態−その3>
図6〜図8に示した実施形態では、固定電極23A、23Bの上面が露呈しているが、固定電極23A、23Bを堅固に固定して、信頼性、耐久性を向上させるためには、図12に示しているように、固定電極23A、23Bの上面を、ソルダレジストなどの絶縁材層501によって覆われた構成とすることが望ましい。この絶縁材層501は、固定電極23A、23Bにおける基端付近の部分(可動電極24に対向しない側の部分)だけを覆ってもよいが、可動電極24に対向する端面の位置まで、あるいはそれに近い位置まで覆った構成とすることが望ましい。なお絶縁材層501は、固定電極23A、23Bの基端側の基部501aにおいて、絶縁基材30の第1面30Aに接合一体化されている。
<第1の実施形態の装置の製法についての第1の例>
次に図6〜図8に示される第1の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の一例の概要を図13の(A)〜(E)に段階的に示し、さらにその方法をより具体化したプロセスの例について、図14の(A)〜(J)、図15の(K)〜(Q)に段階的に示す。
先ず、図13の(A)〜(E)を参照して、第1の実施形態の平面駆動型のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法の一例の概要を説明する。
図13の(A)〜(E)に示す製造方法では、概略的には、次のS1〜S5の各工程をその順に実施する。
S1:第1面側導体層形成工程
この工程S1は、基本的には、図13の(A)に示しているように、薄板状の導電支持体用金属板100の一方の板面100aに、導電支持体用金属板100の導電材料(例えばNi)に対し選択エッチング可能な異種の導電材料(例えばCuもしくはCu合金)を用いて、所定のパターンで第1面側導体層31を形成する工程である。ここで、導電支持体用金属板100は、最終的には、アクチュエータ構造部分22における導電支持体25A、25B;26A、26Bとなる層である。またここで、第1面側導体層31のパターンは、例えば、前述の図6に示した端子部31a〜31hが形成されるパターンとする。
S2:第1面側導体層埋め込み及び第2面側導体層形成工程
この工程S2は、基本的には、図13の(B)に示しているように、第1面側導体層31を、板状もしくはシート状の絶縁基材30の第1面30Aの側に埋め込むとともに、絶縁基材30の第2面30Bに、第1面側導体層31と同じ導電材料(例えばCuもしくはCu合金)からなる第2面側導体層32を形成する工程である。絶縁基材30としては、例えば、ガラスクロスやフィラーのどちらか一方または両方をエポキシ、フェノールなどの有機樹脂を組み合わせた熱硬化性絶縁樹脂、あるいはガラスクロスやフィラーのどちらか一方または両方をテフロン(登録商標)やLCPなどの有機樹脂を組み合わせた熱可塑性絶縁樹脂、Siやガラス、セラミック等の無機材料からなる絶縁性材料を用いることが出来る。
S3:導電支持体の部分的除去工程
この工程S3は、基本的には、図13の(C)に示しているように、アクチュエータ構造部分22となる領域R22に導電支持体用金属板100を残すように、導電支持体用金属板100を部分的にエッチング除去する工程である。なお図13の(C)に示す段階では、第1面側導体層31と第2面側導体層32との間に、第1面側導体層31、第2面側導体層32と同じ導電材料(例えばCuもしくはCu合金)によって絶縁基材30を貫通する貫通導体部(面間導通部)33が既に形成されおり、且つ第2面側導体層32が所定のパターンにエッチングされた状態としているが、この貫通導電部33の形成及び第2面側導体層32のパターンエッチングの工程については、ここでは省略し、後に図14、図15に示す詳細な工程の説明において、改めて説明する。
S4:電極用導体層形成工程
この工程S4は、基本的には、前の工程S3において残された導電支持体用金属板100の表面上に、図13の(D)に示しているように、第1面側導体層31、第2面側導体層32と同じ導電材料(例えばCuもしくはCu合金)、言い換えれば導電支持体用金属板100の導電材料(例えばNi)と異なる導電材料を用いてアクチュエータ構造部分22の固定電極23A、23Bおよび可動電極24となるべき電極用導体層102をパターン形成する工程である。
S5:可動電極形成工程
この工程S5は、基本的には、電極用導体層102に選択エッチングを施して、図13の(E)に示しているように、導電支持体用金属板100のうち、可動電極24の可動部24eとなるべき部位の下側の部分を除去する工程である。すなわち、第1面側にエッチングを施すにあたって、電極用導体層102の材料(例えばCuもしくはCu合金)は溶解させずに、導電支持体用金属板100の導電材料(例えばNi)のみをエッチングさせ得るような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。この選択エッチング液としては、例えば硫酸+硝酸+m−ニトロベンゼンスルホン酸の混合水溶液または、硫酸+硝酸+燐酸+酢酸+過酸化水素の混合水溶液を用いることが出来る。
そしてこの際のエッチング液濃度及びエッチング時間を適切に調整することによって、導電支持体用金属板100のうち、可動電極24の両側の端部(固定部)24a、24b(図7。図8参照)の下側の箇所の導電支持体用金属板を残しながら、可動電極24の中間の可動部24eの下側の導電支持体用金属板を溶解除去し、可動部24eを浮かせた状態とする。なおこの際、固定電極23A、23Bの下側の導電支持体用金属板も、ある程度は溶解されて、固定電極23A、23Bの先端部分が可動電極24に向かって突出する状態となる。
以上のようにして、アクチュエータ構造部分22の固定電極23A、23Bおよび可動電極24を所定の形状、所定の導電支持状態とした後には、ASICダイ2の搭載や、キャップ9の取り付けを行えば、図6〜図8に示したようなプリント配線板が得られる。
上記のように、図13の(A)〜(E)に概要を示した第1の実施形態のプリント配線板の製造法の第1の例のプロセスを、より具体化した詳細なプロセスを図14の(A)〜(J)及びそれに続く図15の(K)〜(Q)に段階的に示し、その詳細なプロセスについて次に説明する。
予め図14の(A)に示すように、0.001〜0.3mm程度の厚みの導電金属材料薄板からなる第1の金属板100を用意しておく。この導電支持体用金属板100は、最終的にアクチュエータ構造部分22における導電支持体25A、25B;26A、26Bを構成するものであり、例えばNi等からなる。
次いで図14の(B)に示すように、第1の金属板100の一方の板面100aに、めっきレジスト層41を所定のパターンで形成する。
続いて図14の(C)に示すように、めっきレジスト層41を形成した側の第1の金属板100の板面100aに、第1面側導体層31を電気めっきによって形成する。ここで、第1面側導体層31から、前述の端子部31a〜31hがパターン形成されるように、前述のめっきレジスト層41のパターンを設定しておく。なお第1面側導体層31の導電金属材料としては、前記第1の金属板100の材料に対して選択エッチング可能な異種の材料、例えばCuもしくはCu合金を用いる。
めっき後、めっきレジスト層41を剥離すれば、図14の(D)に示すように、第1の金属板100の板面100aに、第1面側導体層31からなる前記端子部31a〜31hが所定のパターンで形成される。
次いで、既に図13の(B)を参照して説明した第1面側導体層埋め込み及び第2面側導体層形成工程S2として、図14の(E)に示すように、パターン化された第1面側導体層31を絶縁基材30の第1面30Aの側に埋め込むとともに、絶縁基材30の第2面30Bの側に、第1面側導体層31と同じ導電材料(例えばCuもしくはCu合金)からなる第2面側導体層32を形成する。この工程は、実際上は、例えば、パターン化された第1面側導体層31の表面にプリプレグおよび銅箔を重ねて一括積層すればよい。
次に図14の(F)に示すように、第2面側導体層32の側から第1面側導体層31に達する表裏導通用の穴102を、レーザ加工等によって形成する。
さらに図14の(G)に示すように、第2面側導体層32をパターン化する。この工程は、常法にしたがって、図示しないエッチングマスクを第2面側導体層32の表面に所定のパターンで形成し、エッチング後、マスクを除去すればよい。
次いで、前述の図13の(C)を参照して説明した導電支持体の部分的除去工程S3として、先ず図14の(H)に示すように、導電支持体用金属板100の表面の特定領域(アクチュエータ構造部分22となる領域)R22に、エッチングマスク104を形成する。続いて、第1面側導体層31の材料(例えばCu)を溶解させずに、導電支持体用金属板100のみを溶解させる選択エッチング液を用いて、導電支持体用金属板100を選択エッチングし、図14の(I)に示すように、前記領域R22以外の箇所の導電支持体用金属板100を除去する。その後、エッチングマスク104を除去して、図14の(J)に示す状態とする。次いで、図15の(K)に示すように、第1面側、第2面側の必要な箇所にソルダ―レジスト106、108を形成する。
その後、前述の図13の(D)を参照して説明した電極用導体層形成工程S4として、先ず、図15の(L)に示すように、第1面側に、所定のパターンでめっきレジスト110を形成するとともに、第2面側にめっきレジスト112を形成する。ここで、第1面側のめっきレジスト110は、アクチュエータ構造部分22の固定電極23A、23Bおよび可動電極24を形成する箇所以外の領域に形成する。次いで、図15の(M)に示すように、固定電極23A、23Bおよび可動電極24となる導電材料、例えばCuをめっきする。その後、めっきレジスト110を除去すれば、図15の(N)に示すように、固定電極23A、23Bとなる部位および可動電極24となる部位が形成された状態となる。
その後、図15の(O)に示すように、必要な端子部、例えばキャップ支持用端子部となる部位などに、Niめっき及びAuめっきの2層めっき(Ni/Auめっき)116を施す。この際、必要に応じて、図示しないめっきレジストを用いて、必要部位以外をマスクしてから、上記のNi/Auめっきを施してもよいことはもちろんである。また、場合によっては、Ni/Auめっきに代えて、Ni/Pd/Auの3層めっき、あるいはSnめっき、はんだめっき等を施してもよい。さらにはOSP処理皮膜を形成してもよい。
次いで、前述の図13の(E)を参照して説明した可動電極形成工程S5として、図15の(P)に示すように、第1面側導体層及び電極用導体層の材料(例えばCu)は溶解させずに、導電支持体用金属板100の導電材料(例えばNi)のみをエッチングさせ得るような選択エッチング液を用い、導電支持体用金属板100にエッチング(過剰エッチング)を施す。このエッチングは、可動電極24の中間部位(可動部24eとなる部位)の下側の導電支持体用金属板が除去されるまで行う。すなわち、可動電極24の中間部位が浮いた状態、すなわち可動状態となるまで行う。またこのエッチングでは、固定電極23A、23Bの下側の導電支持体用金属板も、ある程度は溶解されて、固定電極23A、23Bの先端部分が可動電極24に向かって突出する状態となる。なおこの過剰エッチングを施すにあたっては、必要に応じて、図示しないエッチングレジスト(マスク)を用いて、必要部位以外をマスクしてから、エッチングを施してもよいことはもちろんである。
このようにして、アクチュエータ構造部分22の固定電極23A、23Bが導電支持体25A、25Bに支持され、且つ可動電極24の中間部が浮き且つ両端部が導電支持体26A、26Bに支持された構成、すなわちアクチュエータ構造部分22が形成された状態となる。
その後、図15の(Q)に示すように、ASICダイ2、その他の電子部品の搭載や、キャップ9の取り付けを行えば、図6〜図8に示したような静電駆動アクチュエータ一体化プリント配線板が得られる。
<第1の実施形態の装置の製法についての第2の例>
以上のような図13の(A)〜(E);図14の(A)〜(J)、図15の(K)〜(Q)に示したプリント配線板製造方法の例では、導電支持体の部分的除去工程S3として、アクチュエータ構造部分22となる領域R22に例えばNiからなる導電支持体用金属板100を残すように、導電支持体用金属板100を部分的にエッチング除去した後、電極用導体層形成工程S3として、アクチュエータ構造部分22の固定電極23A、23Bおよび可動電極24となるべき電極用導体層102を例えばCuによって形成するというプロセス順序を適用しているが、場合によっては、これとは逆のプロセス順序を適用することもできる。その場合の製造方法の例のプロセス概要を図16の(A)〜(E)に示し、さらにそれをより具体化したプロセスを図17の(A)〜(J)、図18の(K)〜(Q)に示す。
図16の(A)〜(E)に示す製造方法の例では、概略的には、次のS1、S2、S3´、S4´、S5の各工程をその順に実施する。
S1:第1面側導体層形成工程
この工程S1を図16の(A)に示すが、図13の(A)に示した工程S1と同様である。
S2:第1面側導体層埋め込み及び第2面側導体層形成工程
この工程S2を図16の(B)に示すが、図13の(B)に示した工程S2と同様である。
S3´:電極用導体層形成工程
この工程S3´は、基本的には、図16の(C)に示しているように、導電支持体用金属板100の表面に、アクチュエータ構造部分22の固定電極23A、23Bおよび可動電極24となるべき電極用導体層102をパターン形成する工程である。ここで、電極用導体層102の材料としては、既に述べたように、導電支持体用金属板100(第1面側導体層31)の材料(例えばNi)に対して選択エッチング可能なCu等を用い、固定電極23A、23Bおよび可動電極24となるべき電極用導体層102をパターン形成する。
S4´:導電支持体の部分的除去工程
この工程S4´は、図16の(D)に示しているように、アクチュエータ構造部分22となる領域R22に導電支持体用金属板100を残すように、導電支持体用金属板100を部分的にエッチング除去する工程である。
S5:可動電極形成工程
この工程S5を図16の(E)に示すが、図13の(E)に示した工程と同様である。すなわち、導電支持体用金属板100に選択エッチングを施して、導電支持体用金属板100のうち、可動電極24の可動部24eとなるべき部位の下側の部分を除去して、可動電極24を可動状態とする工程である。
その後は、既に述べたようにASICダイ2の搭載や、キャップ9の取り付けを行えば、図6〜図8に示したようなプリント配線板が得られる。
上記のように、図16の(A)〜(E)に概要を示した第1の実施形態のプリント配線板の製造法の第2の例のプロセスについて、より具体化した詳細なプロセスを図17の(A)〜(J)及びそれに続く図18の(K)〜(Q)に段階的に示す。なお図17、図18の詳細については説明を省略する。
<静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の第2の実施形態>
図19に、本発明の第2の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込み装置を示す。
この第2の実施形態の装置では、前述の図6〜図8を参照して説明した第1の実施形態の装置と同様に、プリント配線板21と、そのプリント配線板21の一部に、プリント配線板21と一体に形成されたアクチュエータ構造部分22と、プリント配線板21における上記のアクチュエータ構造部分22から離れた位置に搭載されたASICダイ2と、キャップ9とからなる構成とされている。
ここで、図6〜図8に示した第1の実施形態では、アクチュエータ構造部分22における固定電極支持用の導電支持体25A、25B及び可動電極支持用の導電支持体26A、26Bの材料として、第1面側導体層31(端子部31a〜31h、固定電極23A、23B及び可動電極24の材料、例えばCuもしくはCu合金と異なる材料(選択エッチング可能な異種の材料)、例えばNiを用いることとしているが、第2の実施形態の装置では、固定電極支持用の導電支持体25A、25B及び可動電極支持用の導電支持体(図18には示していないが、形状・構造は実質的に図7に示した可動電極支持用の導電支持体26A、26Bと実質的に同様)の材料として、第1面側導体層31(端子部31a〜31h)、固定電極23A、23B及び可動電極24の材料(例えばCu)と同じ材料(例えばCu)によって構成されている点が、第1の実施形態の装置とは異なる。
その他の構成については、図6〜図8に示した第1の実施形態の構成と実質的に同様であり、したがってその詳細な説明は省略する。
<第2の実施形態の装置の製造方法>
図19に示した第2の実施形態の装置の製造方法の一例を、図20の(A)〜(L)及びそれに続く図21の(M)〜(S)に段階的に示す。
図20、図21において、図20の(A)〜(G)のプロセスは、図14の(A)〜(G)のプロセスと同様である。但し、Ni等からなる金属板101は、第1の実施形態の装置の製造方法の場合の導電支持体用金属板100に対応しているが、本例の場合の金属板101は、最終的に導電支持体となるものではなく、その後のプロセス中において除去されてしまうものであり、後述するところから明らかなように、製造プロセスの必要上、形成しているものに過ぎない。
図20の(G)に示すように第2面側導体層32をパターン化した後には、図20の(H)に示しているように、Ni等からなる金属板101の表面の必要な箇所(導電支持体が形成されるべき領域を除く部位)にエッチングレジスト120を形成して、Ni等からなる金属板101に選択エッチングを施し、金属板101のうち、その後に導電支持体が形成されるべき領域をエッチング除去する。これによって、第1面側導体層31のうち、固定電極用支持体、可動電極用支持体が形成されるべき端子部の表面が第1面側に露出することになる。
その後、図20の(I)に示すように前記エッチングレジスト120を剥離除去した後、固定電極23A、24B及び可動電極24が形成されるべき領域R22に、図20の(J)に示すようにめっきレジスト122A、122Bを形成する。そして図20の(K)に示すように、第1面側導体層31の材料(例えばCuもしくはCu合金)と同じ材料、言い換えれば金属板101の材料(例えばNi)に対して選択エッチング可能な材料をめっきする。これによって、固定電極用導電支持体25A、25B、及び可動電極用導電支持体(図20の(K)では現われていない)および固定電極23A、23B、可動電極24が、連続してCu等によりめっき形成される。
さらに、図20の(L)に示すように、めっきレジスト122A、122Bを剥離除去した後、図21の(M)に示すように、第1面側のアクチュエータ構造部分22を形成すべき領域R22、及び第2面側を、エッチングレジスト124A、124Bによってマスキングし、金属板101の導電材料(例えばNi)をエッチングさせるエッチング液によってエッチングして、第1面側におけるアクチュエータ構造部分22を形成すべき領域R22以外の部分の金属板101(例えばNi;犠牲層に相当する部位)を溶解除去する(図21の(O))。そしてエッチングレジスト124A,124Bを剥離除去すれば、図21の(O)に示す状態となる。
その後、図21の(P)に示すように、第1面側、第2面側の必要な箇所にソルダ―レジスト126A、126Bを形成する。さらに図21の(Q)に示すように、必要な端子部に、保護層として例えばNiめっき/Auめっきの2層めっき116を施す。この際、必要に応じて、図示しないめっきレジストを用いて、必要部位以外をマスクしてからめっきしてもよいことはもちろんである。
次いで、残っていたNi等からなる金属板101を、選択エッチングによって除去する。この際も、図示しないエッチングレジストを用いて、必要部位以外をマスクしてからエッチングしてもよいことはもちろんである。このような選択エッチングによって、図21の(R)に示すように、固定電極23A、23Bおよび可動電極24が形成された状態となる。
その後、図21の(S)に示すように、ASICダイ2、その他の電子部品の搭載や、キャップ9の取り付けを行えば、図19に示した第2の実施形態の装置が得られる。
<静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の第3の実施形態>
次に、図22に、本発明の第3の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板を示す。
この第3の実施形態の装置では、前述の図6〜図8を参照して説明した第1の実施形態の装置、図19に示した第2の実施形態の装置と同様に、プリント配線板21と、そのプリント配線板21の一部に、プリント配線板21と一体に形成されたアクチュエータ構造部分22と、プリント配線板21における上記のアクチュエータ構造部分22から離れた位置に搭載されたASICダイ2と、キャップ9とからなる構成とされている。
この第3の実施形態の装置では、図19に示した第2の実施形態の装置と同様に、固定電極支持用の導電支持体25A、25B及び可動電極支持用の導電支持体(図22には示していないが、形状・構造は実質的に図7に示した可動電極支持用の導電支持体26A、26Bと実質的に同様)の材料として、第1面側導体層31(端子部31a〜31g)、固定電極23A、23B及び可動電極24の材料(例えばCu)と同じ材料(例えばCu)が用いられている。そして、固定電極23A、23B及び可動電極24の裏面(固定電極導電の導電支持体25A、25B及び可動電極支持用の導電支持体の側の面)に、同じCu等からなる支持層130が形成されている点が、図19に示した第2の実施形態の装置とは異なる。
<第3の実施形態の装置の製造方法>
図22に示した第3の実施形態の装置の製造方法の一例を、図23の(A)〜(K)及びそれに続く図24の(L)〜(R)に段階的に示す。
予め図23の(A)に示すように、0.001〜0.3mm程度の厚みの導電金属材料薄板からなる第2の金属板132を用意しておく。この金属板132は、最終的に前述の支持層130となるものであって、第1面側導体層31(端子部31a〜31g)、固定電極23A、23B及び可動電極24の材料(例えばCu)と同じ材料(例えばCu)からなるものである。そして図23の(B)に示すように、第2の金属板132における一方の板面132aに、めっきレジスト134を所定のパターンで形成する。この際、めっきレジストは、最終的に、固定電極用導電支持体25A、25B及び可動電極用が形成されるべき箇所以外をマスキングする。そして、第1面側導体層31(端子部31a〜31g)、固定電極23A、23B及び可動電極24の材料(例えばCu)に対して選択エッチング可能な材料(例えばNi)をめっきして、図23の(C)に示すように犠牲層135を形成する。
さらに前記のめっきレジスト134を剥離除去した後、図23の(D)に示すように、別のめっきレジスト136を形成する。このめっきレジスト136は、第1面側導体層31(端子部31a〜31h)を形成する箇所以外をマスキングする。そして、図23の(E)に示すように、Cu等をめっきして、第1面側導体層31(端子部31a〜31g)をCu等によって形成する。その後、めっきレジスト136を剥離除去すれば、図23の(F)に示す状態となる。
次いで上記のようにパターン形成された第1面側導体層31を、絶縁基材30の第1面側に埋め込むとともに、絶縁基材30の第2面に、第1面側導体層31と同じ導電材料(例えばCuもしくはCu合金)からなる第2面側補助導体層32´を形成する。この工程は、実際上は、パターン化された第1面側導体層31の表面にプリプレグおよび銅箔を重ねて一括積層すればよい。さらにレーザ加工によって表裏貫通導電用の穴138を第2面側導体層32の側から形成する。この状態を図23の(G)に示す。
さらに、図23の(H)に示すように、第1面側及び第2面側にめっきレジスト140を形成する。このめっきレジスト140は、めっきによって、第1面側の固定電極と可動電極および第2面側導体層をパターン形成するためのマスクである。そして、第1面側及び第2面側に、CU等、第1面側の固定電極23A、23Bと可動電極24および第2面側導体層となる導電材料めっきする。この状態を図23の(I)に示す。その後、めっきレジスト140を剥離すれば、図23の(J)に示す状態となる。さらに、第2の金属板132のうち、固定電極23A、23Bと可動電極24の裏面以外の部分および第二面側補助導体層32′をエッチングによって除去すれば、図23の(K)に示す状態となる。
次いで、図24の(L)に示すように、第1面側におけるアクチュエータ構造部分となるべき領域R22、及び第2面側を覆うようにエッチングレジスト142を形成する。そして、エッチングを施して、図24の(M)に示すように、第2の金属板132のうち、アクチュエータ構造部分となるべき領域R22の外側の部分を除去する。その後、図24の(N)に示すように、エッチングレジスト142を剥離除去する。
さらに図24の(O)に示すように、第1面、第2面の必要な部位にソルダレジスト144、146を形成し、その後、図24の(P)に示すように、必要な端子部などに、保護層として例えばNiめっき114及びAuめっき116を施す。この際、必要に応じて、図示しないめっきレジストを用いて、必要部位以外をマスクしてからめっきしてもよいことはもちろんである。
その後、図24の(Q)に示すように、第2の金属板132のうち、アクチュエータ構造部分の固定電極23A、23Bと可動電極24の裏面側に残っていた部位を、選択エッチングによって除去する。これによって、可動電極24は、その中間部(可動部位)が浮いた状態となる。
その後、その後、図24の(R)に示すように、ASICダイ2、その他の電子部品の搭載や、キャップ9の取り付けを行えば、図22に示した第3の実施形態の装置が得られる。
<静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の第4の実施形態>
前述の各実施形態では、絶縁基材30の第1面30Aに、第1面側導体層31(端子部31a〜31h)が埋め込まれた構造としているが、場合によっては、このような埋め込み構造とせず、例えば図25に示すように、各第1面側導体層31の各部位が、絶縁基材30の第1面30A上に突出形成されていてもよい。なお図24では、アクチュエータ構造部分22以外の構成については、簡略化して示している。
<第4の実施形態の装置の製造方法>
図25に示した第4の実施形態の装置の製造法の一例の概要を、図26の(A)〜(F)に段階的に示し、次に説明する。なお図26の(A)〜(F)においても、アクチュエータ構造部分22以外については、簡略化して示している。
先ず図26の(A)に示すように、一般的なプリント配線板の製造方法と同様に、絶縁基材30の表面に、第1面側導体層31をCuもしくはCu合金によって所定のパターンで形成する。次いで、図26の(B)に示すように、第1面における、固定電極および可動電極を形成すべき箇所以外にめっきレジスト200を形成した後、図26の(C)に示すように、CuもしくはCu合金とは異種の選択エッチング可能な導電材料(例えばNi)をめっきして、固定電極23A、23Bの可動電極24を形成する。その後、めっきレジスト200を剥離除去した後、エッチングレジスト202を形成する。この状態を図26の(D)に示す。
そして図26の(E)に示すように、第1面側導体層31のCuもしくはCu合金を選択エッチングの手法により過剰エッチングして、可動電極24の中間部位を浮かせた状態とする。その後、エッチングレジスト202を除去すれば、図26の(F)に示す状態、すなわち前述の図24に示した構造が得られる。
<静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の第5の実施形態>
さらに、プリント配線板に端子部埋め込み構造を適用する場合において、図27に示しているように、第1面側導体層31の一部(端子部)それ自体を、固定電極23A、23Bを支持する導電支持体25A、25B、および可動電極24を支持する導電支持体とすることもできる。なお図27においても、アクチュエータ構造部分22以外については、簡略化して示している。
<第5の実施形態の装置の製造方法>
図27に示した第5の実施形態の装置の製造法の一例の概要を、図28の(A)〜(E)に段階的に示し、次に説明する。なお図28の(A)〜(E)においても、アクチュエータ構造部分22以外については、簡略化して示している。
図28の(A)に示しているように、Cu等からなる板状の支持体300の表面に、一般的なプリント配線板の製造方法と同様に、Cu等からなる第1面側導体層31を所定のパターンで形成して、その第1面側導体層31を絶縁基材30に押し込む。その後、支持体300を剥離して、図28の(B)に示す状態とする。
その後、図28の(C)に示すように、固定電極および可動電極が形成されるべき部位以外を、めっきレジスト302によってマスキングして、第1面側導体層31の材料に対して選択エッチング可能な異種の材料(例えばNi)をめっきして、固定電極23A、23Bおよび可動電極24を形成する。
さらに、めっきレジスト302を剥離除去した後、エッチングレジスト304を形成する。この状態を図28の(D)に示す。そして第1面側導体層31のCuもしくはCu合金を選択エッチングの手法により過剰エッチングして、可動電極24の中間部位を浮かせた状態とする。これによって図28の(E)に示す状態、すなわち前述の図27に示した構造が得られる。
以上のような各実施形態の装置の製造方法の例では、選択エッチングの手法を有効活用することによって、従来の静電駆動アクチュエータの製造に適用されていた深彫り反応性イオンエッチング( Deep−RIE )などの、特殊な半導体製造のための加工技術が不要となって、製造コストを低減することが可能となり、またHFなどの危険な薬液を用いなくても済むため、安全管理や薬液廃棄処理などに高コストを要しないというメリットがある。
以上、可動電極をプリント配線板の板面と平行な面内で変位させる構成、すなわち平面駆動型のアクチュエータに適用した例の実施形態について説明した。これらの各実施形態では、ASICダイ2で代表される電子部品を搭載する場合、ASICダイ2等の電子部品をプリント配線板21における絶縁基材30の第1面30Aの側に搭載する構成としたが、場合によっては第2面30Bの側に搭載した構成としてもよい。さらには、ASICダイ2等の電子部品をプリント配線板21の内部(第1面30Aと第2面30Bとの間)に配設した内蔵型の構成としてもよい。
また以上の実施形態では、プリント配線板21における絶縁基材20の両面側(第1面側30A及び第2面側30B)に導体層31、32を所定のパターンで設けた、いわゆる両面配線型のプリント配線板として示している。しかしながら、場合によっては、片面側(第1面側)のみに所定のパターンで導体層31を設けた、いわゆる片面配線型のプリント配線板としてもよい。さらには、多層構造のプリント配線板として、内部にも配線パターンを形成した多層プリント配線板としてもよい。
さらに、以上の各実施形態では、可動電極をプリント配線板の板面と平行な面内で変位させる平面駆動型のアクチュエータに適用した例として示したが、本発明は、可動電極をプリント配線板の板面に対して傾動させるアクチュエータ、すなわち傾動型のアクチュエータにも適用することができる。その場合、例えば、可動電極の表面をミラー(光学反射面)とするか、あるいは可動電極にミラーを取り付け、いわゆるデジタルミラーデバイス(DMD)を構成することができる。このように可動電極を傾動させるように構成した例について、次に第6の実施形態として説明する。
<第6の実施形態の装置>
第6の実施形態の装置における、アクチュエータ構造部分22の平面図を図29に示し、さらにその断面構造を図30、図31に示す。
図29〜図31に示しているように、可動電極400は、全体的には、プリント配線板における第1面30Aと平行な面に沿った板状をなしている。この可動電極400は、平面的な円盤状(プリント配線板における第1面30Aと平行な面に沿った円盤)をなす可動部400Aと、その可動部外周側を、空隙402を隔てて取り囲む中間リング400Bと、その中間リング400Bの外周側を、空隙406を隔てて取り囲み且つ内周縁が環状をなす外周リング部400Cとからなる構成とされている。そして上記の中間リング400Bと外周リング部400Cとが、可動部400Aを傾動可能に支持し且つ可動電極の少なくとも一部をプリント配線板に固定する固定部408を構成している。
そして、可動電極400の面内の所定の方向をX軸とすれば、そのX軸上の対称位置において可動部400Aが一対の梁部410によって中間リング400Bに一体的に連結され、さらにX軸に対して直交する方向のY軸上の対称位置において一対の梁部412によって中間リング400Bが外周リング部400Cに一体的に連結されている。なお上記各梁部410、412は、弾性的にねじり変形可能となっている。したがって、可動電極400の可動部400Aは、垂直軸線Oに対して直交する面(X−Y面)に対し、いずれの方向へも傾動可能となっている。
そして、可動電極400の下方における、可動電極400の中心を通る垂直軸線Oを基準として点対称をなし、且つ可動部400Aの下面に対向する位置に、2対の固定電極401A、401B;401C、401Dが形成されている。ここで、固定電極401A、401Bは、X軸の位置、また固定電極401C、401Dは、X軸に対して直交するY軸の位置に形成されている。
また各固定電極401A、401B;401C、401Dは、プリント配線板21における絶縁基材30の第1面30Aに埋め込まれた状態で形成されている。すなわち、前述の第1の実施形態(図6)における第1面側導体層31の一部として各固定電極401A、401B;401C、401Dが形成されていることになる。なお可動電極の固定部400Cは、導電支持体414によってプリント配線板31に支持されており、その導電支持体414は、その少なくとも一部が、絶縁基材30の第1面30Aに埋め込まれた第1面側導体層31の一部(端子部31p)に一体に接合されている。
図29〜図31に示す第6の実施形態の装置の装置において、可動電極400と、それに対向する各固定電極401A、401B;401C、401Dのうちのいずれか一つもしくは二つとの間に電圧を印加すれば、既に平面駆動型アクチュエータについて説明したと同様に、それらの対向する電極が正電荷もしくは負電荷に帯電する。これによって、同極性の電荷の場合は反発する力が電極間に発生し、一方異極性の電荷の場合は引きつけ合う力が電極間に発生し、このような力によって可動電極400の可動部401が、電圧印加した固定電極の位置に応じて、水平面(絶縁基材の第1面と平行な面)に対し傾動することになる。したがって例えば可動電極400の可動部400Aの表面を鏡面としたり、あるいは可動部400Aにミラーを取り付けておけば、デジタルミラーデバイス(DMD)として機能させることができる。
なお、上記の実施形態の傾動型のアクチュエータでは、可動電極400の可動部400Aが水平面(絶縁基材の第1面と平行な面)に対して傾動すると説明したが、印加電圧の加え方によっては、可動電極の可動部を、その姿勢として水平状態を保ったまま、沈み込み/浮き上がりするように駆動させる(すなわち可動電極の可動部が水平なまま、固定電極401A〜401Dに対して全体的に接近・離隔するように)駆動することも可能である。例えば図29〜図31の例では、二対の固定電極401A〜401Dのすべてに、可動電極400と同相もしくは異相の電圧を同時に加えれば、可動電極400の可動部400Aは、水平状態を保ったまま、全体的に沈み込みもしくは浮き上ることになる。したがってこのような動作が要求されるアクチュエータとして使用することが出来る。
なお図29〜図31に示す第6の実施形態の装置の装置において、可動電極400の可動部400Aへの給電は、図示しない第2面側導体層から貫通導電部を経て、第1面側導体層31の一部(端子部31p)から導電支持体414を経由し、固定部408の外周リング部400Cから中間リング400Bを経て行われる。また固定電極401A、401B;401C、401Dへの給電も、図示しない第2面側導体層から貫通導電部を経て行われる。
なお傾動型アクチュエータにおける可動電極400及び固定電極401A〜401Dと、それを支持・給電する部位以外の部位については、図29〜図31ではそのほとんどを省略しているが、それらの部位の具体的構成は、既に述べた平面駆動型のアクチュエータと同様であればよい。そして、プリント配線板自体の構成のみならず、ASICダイの搭載、さらにはキャップの構成についても、既に述べた平面駆動型のアクチュエータと同様であればよい。
<第7の実施形態の装置>
図32に示す第7の実施形態の装置も、第6の実施形態と同様に、可動電極400の可動部400Aをプリント配線板の板面に対して傾動させるアクチュエータに適用した例である。但し、第6の実施形態では、プリント配線板21における絶縁基材30の第1面30Aに、第1面側導体層31(固定電極401A、401B;401C、401D)が埋め込まれた構造としているが、図32に示す第7の実施形態の装置では、第6の実施形態とは異なり、第1面側導体層31の一部(固定電極を含む部分)が絶縁基材30の第1面30A上に突出形成された構成としている。言い換えれば、第7の実施形態は、図25に示した第4の実施形態の構成を転用した例である。
<第8の実施形態の装置>
図33に示す第8の実施形態の装置も、第6の実施形態と同様に、可動電極をプリント配線板の板面に対して傾動させるアクチュエータに適用した例である。但し、第8の実施形態では、第1面側導体層31の一部(端子部31p)自体を、導電支持体414(図30、図31参照)と兼ねさせている。言い換えれば、第8の実施形態は、図27に示した第5の実施形態の構成を転用した例である。
<装置の付加的形態―その4>
さらに、傾動型アクチュエータの場合においても、可動電極の信頼性、耐久性を向上させるためには、平面駆動型アクチュエータに関して図12に示したと同様に、可動電極400の固定部408のうち、外周リング部400Cを、例えばソルダレジストなどの絶縁材によって覆った構成とすることが望ましい。その場合の実施形態を、前述の図30、図31に対応して、図34、図35に示す。
図34、図35において、可動電極400の固定部408のうち、外周リング部400Cの上面は、ソルダレジストなどの絶縁材層502によって覆われている。なお絶縁材層502は、可動電極400の外周リング部400Cの外側において、絶縁基材30の第1面30Aに接合一体化されている。
なお、傾動型アクチュエータのばあいにおいても、既に説明した平面駆動型アクチュエータと同様に、ASICダイ2等の電子部品をプリント配線板21における絶縁基材30.の第2面30Bの側に搭載した構成としてもよい。さらには、ASICダイ2等の電子部品をプリント配線板21の内部(第1面30Aと第2面30Bとの間)に配設した内蔵型の構成としてもよい。
また、片面側(第1面側)のみに所定のパターンで導体層31を設けた、いわゆる片配線型のプリント配線板としてもよい。さらには、多層構造のプリント配線板として、内部にも配線パターンを形成した多層プリント配線板としてもよい。
<装置の付加的形態−その5>
以上のところにおいて、本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置においては、プリント配線板21の補強のために、プリント配線板21に補強部材500を設けた構成としてもよい。図6に示した第1の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置に補強部材400を設けた例を図36、図37に示す。
図36、図37に示す例では、補強部材500としては、例えば断面が四角形の棒状の部材がプリント配線板21の第2面における周辺部分に取り付けられて、全体として中空矩形状をなしている。補強部材500としては、金属材料やセラミック材料などの高剛性を有する材料を用いればよく、また樹脂に金属やセラミック等の無機材料を分散させて高剛性化した複合材料を用いることができる。金属としては、銅、銅合金、鉄―ニッケル合金、ケイ素などを用いることができ、またセラミック材料としては、アルミナ、ガラスセラミック、結晶化ガラスなどの低温焼成、そのほか窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。さらに樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ポリブテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)樹脂等を用いることができる。
このように補強部材を設けておけば、プリント配線板の剛性を高めて、振動や外力、周囲温度の変化等によってプリント配線板に反りやねじれが生じることを抑制でき、そのため、このような反りやねじれによってアクチュエータが正常に動作しなくなったりすることを防止し、また装置の耐久性を高めることができる。なお図36、図37では、平面駆動型アクチュエータを組み込んだプリント配線板装置について補強部材を設けた例を示しているが、傾動型アクチュエータを組み込んだプリント配線板装置について補強部材を設けてもよいことはもちろんである。
なおまた、前述の各実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置では、キャップ9を設けているが、装置の使用態様や使用環境によっては、キャップ9を省くことも許容される。
そしてまた、前述の各実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置では、ASICダイを設けた構成、すなわち静電駆動アクチュエータとASICとの両者を組み込んだ構成としているが、場合によってはASICダイを搭載しない、静電駆動アクチュエータだけを組み込んだプリント配線板装置とすることもできる。
<第9の実施形態の装置>
図38〜図40には、傾動型のアクチュエータを組み込んだ静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の、より具体化した例を第9の実施形態として示す。第9の実施形態のプリント配線板装置における、アクチュエータ構造部分22の平面図を図38に示し、さらにプリント配線板21のアクチュエータ構造部分22を含む部位の断面構造を図39、図40に示す。
図38〜図40に示される静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、基本的には、プリント配線板21と、そのプリント配線板21の一部に、プリント配線板21と一体に形成されたアクチュエータ構造部分22とを有する構成とされている。またプリント配線板21における上記のアクチュエータ構造部分22から離れた位置(本実施形態ではプリント配線板21における第2面側)には、電子部品例えばASICダイ2が搭載されている。なお通常は、プリント配線板21の全体を覆うようにキャップが設けられることが多いが、図38〜図40ではキャップは省略している。
ここで、前述の第6の実施形態として図29〜図31に示した傾動型アクチュエータでは、傾動型アクチュエータ構造部分における可動電極400の可動部400Aを、垂直軸線Oに対して直交する面(X−Y面)に対し、いずれの方向へも傾動可能に構成しているが、図38〜図35に示す第9の実施形態では、可動電極400の可動部400Aを、Y軸を中心として揺動可能に構成している。
図38〜図40を参照して第9の実施形態のプリント配線板装置について次に詳細に説明する。
可動電極400は、全体的には、プリント配線板21における第1面と平行な面に沿った板状をなしている。この可動電極400は、平面的な円盤状(プリント配線板における第1面と平行な面に沿った円盤状)をなす可動部400Aと、その可動部400AのX軸方向両側の外方に位置して可動部400Aを傾動可能に支持し且つ可動電極400の少なくとも一部をプリント配線板に固定する一対の固定部408と、可動部400Aの両側と各固定部408とを結ぶ一対の梁部413を有する構成とされている。なお可動電極400は良導電材で構成されていれば良いが、本実施形態ではNiによって構成されている。
可動電極400の可動部400Aは、可動電極400の板面(X−Y面)のY軸上の対称位置両側において、それぞれ弾性的にねじり変形可能な梁部413によって各固定部408に一体的に連結されている。したがって、可動電極400の可動部400Aは、梁部413のねじれによって、垂直軸線Oに対して直交する面(X−Y面)に対し、Y軸を基準として傾動可能となっている。
一対の固定電極401C、401Dは、X軸上の対称位置において、プリント配線板21における絶縁基材30の表面(第1面)に埋め込まれた状態で形成されている。すなわち、前述の第1の実施形態(図6)における第1面側導体層31の一部として一対の固定電極401C、401Dが形成されていることになる。なお可動電極の固定部408は、Niからなる導電支持体414によってプリント配線板31に支持されており、その導電支持体414は、その少なくとも一部が、絶縁基材30の第1面に埋め込まれた第1面側導体層31の一部(後述する可動電極給電用導体層)に一体に接合されている。
プリント配線板21は、絶縁基材30をベースとし、その絶縁基材30の第1面(図39、図40における上側の面;アクチュエータ構造部分22が形成された側の面)には、良導電材料からなる導体層(第1面側導体層)31が、所定のパターンで絶縁基材30に埋め込まれた状態で形成されている。ここで、本実施形態では、第1面側導体層31を構成する良導電材料としては、Niが用いられている。なお第1面側導体層31のパターンとしては、本実施形態の場合、アクチュエータ構造部分22における可動電極400の固定部408を支持して可動電極400に給電するための可動電極用端子部420のパターンと、アクチュエータ構造部分22における固定電極401C、401Dのパターンを構成している。
また絶縁基材30の第2面上には、良導電材料からなる導体層(第2面側導体層)32*が、所定のパターンで形成されている。この第2面側導体層32の良導電材料としては、本実施形態の場合、銅(Cu)が用いられている。ここで、第2面側導体層32のパターンとしては、本実施形態では、マザーボードとの接続など、外部接続のための外部接続用端子部422、および電子部品、例えばASICダイ2の搭載ための部品実装用端子部424を形成するパターンとされている。
さらに絶縁基材30の内部には、第1面側導体層31の所定の部位と第2面側導体層32の所定部位との間を電気的に導通させるために、第2面側導体層32と同様な良導電性材料(本実施形態ではCuもしくはCu合金)からなる貫通導体部(面間導通部)33が設けられている。
さらに第2面側導体層32の外部接続用端子部422および部品実装用端子部424の表面には、酸化防止用保護層38として、例えばNiからなる下地層38AとAuからなる表面層38Bの2層の複合層からなる保護層38が形成されている。なお保護層38は、Ni/Pd/Auの3層の複合層からなる保護層、あるいはOSP処理皮膜等の有機酸化防止膜であってもよい。
保護層38上には、はんだボール等のはんだ層426、428が形成されている。そして部品実装用端子部424の側のはんだ層428によって、電子部品、例えばASICダイ2が接続されている。
また絶縁基材30の第1面のうち、可動電極400の可動部400Aと梁部413の大部分(梁部413の可動部400A寄りの部位)とを除く箇所は、第1面側絶縁層36としてのソルダレジストによって覆われている。したがって可動電極400は、その可動部400Aの上面と梁部413の大部分の上面は上方空間に露呈しており、固定部はソルダレジスト36によって覆われていることになる。
また絶縁基材30の第2面のうち、外部接続用端子部422および部品実装用端子部424以外の部位は、第2面側絶縁層37としてのソルダレジストによって覆われている。
上記のような図38〜図40に示す第9の実施形態の装置の装置において、可動電極400と、それに対向する各固定電極401C、401Dのいずれか一方との間に電圧を印加すれば、既に述べたような静電気力が電極間に発生し、可動電極400の可動部400Aが、電圧を印加した固定電極の位置に応じて、傾動することになる。
また例えば一対の固定電極401C、401Dの双方に、可動電極400と同相もしくは異相の電圧を同時に加えれば、可動電極400の可動部400Aは、水平状態を保ったまま、全体的に沈み込みもしくは浮き上ることになる。
<第9の実施形態の装置の製造方法>
次に第9の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法について、図41〜図50の(P1A)〜(P27A)、(P1B)〜(P27B)を参照し、段階P1〜段階P27として順を追って説明する。なお(P1A)〜(P27A)は、図38のA−A線における断面(したがって図39と同じ断面位置)で示し、(P1B)〜(P27B)は、図38のB−B線における断面(したがって図40と同じ断面位置)で示す。なおまた、第9の実施形態の製造方法では、中途の段階(段階P18)までは出発材(積層体440)の両面側に同じ処理・加工を施して、二つの中間製品468A、468Bを出発材の両面側に同時に形成し、その後に二つの中間製品468A、468Bを分離して、各中間製品468A、468Bをそれぞれ最終製品のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置に仕上げることとしている。
・段階P1(図41の(P1A)、(P1B)参照); 出発材準備
先ず出発材として、両面キャリア銅箔付き積層体440を用意する。この両面キャリア銅箔付き積層体440は、絶縁材からなる板状の支持体440Aの両面に相対的に厚いキャリア銅箔(例えば18μmの銅箔)440Bが接合されるとともに、両側のキャリア銅箔440Bのそれぞれの表面に相対的に薄い銅箔(例えば3μmの極薄銅箔)440Cが、引き剥がし可能に密着されたものである。
・段階P2(図41の(P2A)、(P2B)参照);めっきレジスト形成
ドライフィルム等のめっきレジスト442を、両面キャリア銅箔付き積層体440の両面に所定のパターンで形成する。このめっきレジスト442は、次の可動電極用Niめっき段階P3での電気Niめっきによる第1面側導電層パターン形成時のレジストとなるものである。具体的には、例えばドライフィルムをラミネートして、フォトリソグラフィの技法を用いて所定のパターンで露光、現像して、パターン形成すればよい。
・段階P3(図42の(P3A)、(P3B)参照);可動電極用Niめっき
電気めっきによりNiめっきを施して、最終的に可動電極400となるNi層444を所定のパターンで形成する。
・段階P4(図42の(P4A)、(P4B)参照);めっきレジスト剥離
段階P2で形成しためっきレジスト442を剥離除去する。
・段階P5(図42の(P5A)、(P5B)参照);めっきレジスト形成
次の犠牲層用Cuめっき段階P6での電気Cuめっきによる犠牲層パターン形成時のレジストとなるめっきレジスト446をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階P6(図43の(P6A)、(P6B)参照);犠牲層用Cuめっき
後の選択エッチング段階P24において選択的に溶解除去されるべき、Cuからなる犠牲層448を電気めっきによって所定のパターンで形成する。
・段階P7(図43の(P7A)、(P7B)参照);めっきレジスト剥離
前の段階P5で形成しためっきレジスト446を剥離する。
・段階P8(図43の(P8A)、(P8B)参照);めっきレジスト形成
次の第1面側導体層用Niめっき段階P9での電気Niめっきによる第1面側導体層31のパターン形成時のレジストとなるめっきレジスト450をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階P9(図44の(P9A)、(P9B)参照);第1面側導体層用Niめっき
電気Niめっきを施して第1面側導体層31を所定のパターンで形成する。ここで第1面側導体層31は、アクチュエータ構造部分22における可動電極400の固定部408を支持して可動電極400に給電するための可動電極用端子部420を有する可動電極給電用の導体層と、アクチュエータ構造部分22における固定電極401C、401Dとなる固定電極用の導体層とを構成する導体層であり、したがって第1面側導体層31のパターンは、これらの部位に相当するように設定する。
・段階P10(図44の(P10A)、(P10B)参照);めっきレジスト剥離
前の段階P8で形成しためっきレジスト450を剥離する。
・段階P11(図45の(P11A)、(P11B)参照);絶縁層と銅箔を一括積層
両面側に絶縁基材30と銅箔456を一括積層する。
・段階P12(図45の(P12A)、(P12B)参照);レーザ加工(ビア形成)
面間導通部33を形成するための、絶縁基材30と銅箔456を貫通するビア458を、COレーザ等によるレーザ穴明け加工によって形成する。
・段階P13(図45の(P13A)、(P13B)参照);無電解銅めっき(ビア内導通)
ビア458内を電気的導通可能な状態とするために無電解銅めっきを施す(無電解銅めっき層460の形成)。
・段階P14(図46の(P14A)、(P14B)参照);めっきレジスト形成
次の外層銅めっき段階P15でのパターンめっきのためにめっきレジスト462を形成する。
・段階P15(図46の(P15A)、(P15B)参照);外層銅めっき
ビア458内に銅を充填して面間導電部33を形成するとともに、第2面側導体層32を形成するように、外層に銅めっき464を施す。
・段階P16(図47の(P16A)、(P16B)参照);めっきレジスト剥離
段階P14で形成しためっきレジスト462を剥離する。
・段階P17(図47の(P17A)、(P17B)参照);シード層除去(余分な銅箔及び無電解めっきを除去)
段階P11で積層した銅箔456と段階P13で形成した無電解銅めっき層460のうち、めっきレジスト462の下面側に残っていた余分な層(段階P15でめっきレジスト462によって妨げられて銅めっき464が施されなかった部位の銅箔456および無電解銅めっき層460)をエッチングによって除去する。
・段階P18(図48の(P18A)、(P18B)参照);外層保護用エッチングレジスト形成
後述する段階P20におけるエッチングでのレジストとなる外層保護用エッチングレジスト466を形成する。
・段階P19(図48の(P19A)、(P19B)参照);セパレート
段階P1の出発材であった両面キャリア銅箔付き積層体440の両面側におけるキャリア銅箔440Bと極薄銅箔440Cとの間を引き剥がす。これによって、上下二つのプリント基板中間体468A、468Bと、積層体440における残りの部分(支持体440Aとその両面のキャリア銅箔440B)440´とに3分割された状態となる。そして以下の工程では、二つのプリント基板中間体468A、468Bのそれぞれについて、引き続き処理を施して、最終製品まで仕上げることになる。但し、図49〜図51では、図48の(P19A)、(P19B)の下側に示されているプリント基板中間体468Bについてのみ、その処理過程を示す。
・段階P20(図44の(P20A)、(P20B)参照);銅箔エッチング
段階P19のセパレートによって外層に表われた極薄銅箔440Cをエッチング除去する。
・段階P21(図49の(P21A)、(P21B)参照);外層保護用エッチングレジスト剥離
段階P18で形成した外層保護用エッチングレジスト466を剥離する。
・段階P22(図49の(P22A)、(P22B)参照);ソルダレジスト形成
両面の所定箇所に、第1面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト36、第2面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト37を形成する。
・段階P23(図49の(P23A)、(P23B)参照);表面保護層(Ni/Au等)形成
外部接続用端子部422および部品実装用端子部424を含む第2面側導体層32の表面に、酸化防止用保護層38(例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層など)を形成する。ここで、保護層の形成を電気めっきなどによって行う場合は、必要に応じて事前にマスクを形成しておく。
・段階P24(図50の(P24A)、(P24B)参照);犠牲層の選択エッチング
段階P6で形成したCuからなる犠牲層448を溶解除去するための選択エッチングを施す。すなわち、Niは実質的に溶解させずにCuのみを溶解除去させるような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。これによって、可動電極400の可動部400A及び梁部413(図50の(P24B)の断面には表れないが、図38、図39を参照されたい)が浮いた状態となる。すなわち可動電極400の可動部400Aが傾動可能な状態となる。
・段階P25(図50の(P25A)、(P25B)参照);はんだプリコート
部品実装用端子部424となる導体層表面に、はんだ層428としてはんだプリコートを形成する。
・段階P26(図50の(P26A)、(P26B)参照);部品実装
電子部品、例えばASICダイを、はんだプリコート428上に載置して、リフロー処理などによりASICダイ2を部品実装用端子部424に接続する。
・段階P27(図50の(P27A)、(P27B)参照);マザーボード接続用のはんだボールマウント
外部接続用端子部422の導体層表面にはんだ層426としてのはんだボールをマウントする。
以上のようにして、図38〜図40に示した第9の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置を得ることができる。
<第10の実施形態の装置>
図51には、ASICダイ2等の電子部品を内蔵した、傾動タイプの静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の例(第10の実施形態)を示す。なおこの第10の実施形態のプリント配線板は、平面視の形状は図38に示した第9の実施形態の平面視と同じであり、また図38におけるA−A線での断面は、第10実施形態でも同様であり、そこで第10の実施形態のプリント配線板については、図38のB−B線における断面のみを図51に示している。
本実施形態では、図51に示しているように、電子部品、例えばASICダイ2は、絶縁基材30における第1面側30Aに埋め込まれている。ASICダイ2の表面側には、ASIC出力をプリント配線外部に導くためのASIC出力用端子部470がNiによって形成されている。また絶縁基材30内には、第2面側導体層32からASICダイ2に導通させるための貫通導電体472がCuによって形成されている。なおマザーボード等に接続するための外部接続用端子部426は、図46に示す断面では2か所に表われている。そのほか、稼働電極400や固定電極401C、401Dを含むアクチュエータ構造部分22等の構成は、図38〜図51に示した第9の実施形態と同様である。
<第10の実施形態の装置の製法>
第10の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、出発段階から中途の段階P10までは、第9の実施形態の製造方法の段階P1〜段階P10と同じであり、そこで、段階P10よりも後の段階について、段階P10−2−1〜P27B2として、図52〜図55に(P10B2−1)〜(P27B2)として示し、図52の(P10B−1)以降の各段階について順を追って説明する。なお(P10B−1)〜(P27BB)は、図38のB−B線における断面(したがって図40と同じ断面位置)で示す。
・段階P10−2−1(図52の(P10B2−1)参照);接着層形成
後の段階P10−2−2において電子部品、例えばASICダイ2を実装すべき個所の表面に、接着層474を形成する。この接着層464は、例えば感光性を用いてパターン形成したり、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などのソルダレジストなどを用いることができる。
・段階P10−2−2(図52の(P10B2−1)参照);部品実装
電子部品、例えばASICダイ2を、接着層474上に載置して接着する。
・段階P11−2(図52の(P11B2)参照);絶縁層と銅箔を一括積層
両面側に絶縁基材30と銅箔456を一括積層する。
・段階P12−2(図52の(P12B2)参照);レーザ加工 ビア形成)
面間導通部33、472を形成するための、絶縁基材30と銅箔456を貫通するビア458、459を、COレーザ等によるレーザ穴明け加工によって形成する。
・段階P13−2(図53の(P13B2)参照);無電解銅めっき(ビア内導通)
ビア458、459内を電気的導通可能な状態とするために無電解銅めっきを施す(無電解銅めっき層460の形成)。
・段階P14−2(図53の(P14B2)参照);めっきレジスト形成
次の外層銅めっき段階P15−2でのパターンめっきのためにめっきレジスト462を形成する。
・段階P15−2(図53の(P15B2)参照);外層めっき
ビア458、459内に銅を充填して面間導電部33、472を形成するとともに、第2面側導体層32を形成するように、外層に銅めっき464を施す。
・段階P16−2(図53の(P16B2)参照);めっきレジスト剥離
段階P14−2で形成しためっきレジスト462を剥離する。
・段階P17−2(図54の(P17B2)参照);シード層除去(余分な銅箔および無電解銅めっきの除去)
段階P11−2で積層した銅箔456と段階P13−2で形成した無電解銅めっき層460のうち、めっきレジスト462の下面側に残っていた余分な層(段階P15−2でめっきレジスト462によって妨げられて銅めっき464が施されなかった部位の銅箔456および無電解銅めっき層460)をエッチングによって除去する。
・段階P18−2(図54の(P18B2)参照);外層保護用エッチングレジスト形成
後述する段階P20−2におけるエッチングでのレジストとなる外層保護用エッチングレジスト466を形成する。
・段階P19−2(図54の(P19B2)参照);セパレート
出発材であった両面キャリア銅箔付き積層体440の両面側におけるキャリア銅箔440Bと極薄銅箔440Cとの間を引き剥がす。これによって、上下二つのプリント基板中間体468A、468Bと、積層体440における残りの部分(支持体440Aとその両面のキャリア銅箔440B)440´とに3分割された状態となる。以下の工程では、第9の実施形態の製造方法と同様に、二つのプリント基板中間体468A、468Bのそれぞれについて、引き続き処理を施して、最終製品まで仕上げることになる。但し、図54の(P20B2)以降では、図54の(P19B2)の下側に示されているプリント基板中間体468Bについてのみ、その処理過程を示す。
・段階P20−2(図54の(P20B2)参照);銅箔エッチング
段階P19−2のセパレートによって外層に表われた極薄銅箔440Cをエッチング除去する。
・段階P21−2(図55の(P21B2)参照);外層保護用エッチングレジスト剥離
段階P18−2で形成した外層保護用エッチングレジスト466を剥離する。
・段階P22−2(図55の(P22B2)参照);ソルダレジスト形成
両面の所定箇所に、第1面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト(図55のP22B2の断面には表れないが図49の(P22A)の符号36に相当する)、第2面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト37を形成する。
・段階P23−2(図55の(P23B2)参照);表面保護層(Ni/Au等)形成
外部接続用端子部422を含む第2面側導体層32の表面に、酸化防止用保護層38(例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層など)を形成する。保護層の形成を電気めっきなどによって行う場合は、必要に応じて事前にマスクを形成しておく。
・段階P24−2(図55の(P24B2)参照);犠牲層の選択エッチング
第1の実施形態の製造方法の段階P6で形成したCuからなる犠牲層448を溶解除去するための選択エッチングを施す。すなわち、Niは実質的に溶解させずにCuのみを溶解除去させるような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。これによって、可動電極400の可動部400A及び梁部(図55の(P24B2)の断面には表れない)が浮いた状態となり、可動電極400の可動部400Aが傾動可能な状態となる。
・段階P27−2(図55の(P27B2)参照);マザーボード接続用のはんだボールのマウント
外部接続用端子部422の導体層表面にはんだ層426としてのはんだボールをマウントする。
以上のようにして、図51に示した第10の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置、すなわち電子部品例えばASICダイ2を組み込んだアクチュエータ組み込みプリント配線板装置を得ることができる。
<第11の実施形態の装置>
図56、図57には、ASICダイ2等の電子部品を第1面側に実装した、傾動タイプの静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の例(第11の実施形態)を示す。第11の実施形態のプリント配線板装置における、アクチュエータ構造部分22の平面図を図56に示し、さらにプリント配線板21のアクチュエータ構造部分22を含む部位のA−A線での断面構造を図57に示す。なおこの第11の実施形態のプリント配線板のB−B線での断面構造は、図40に示した第9の実施形態の断面と同じであり、そこで第11の実施形態のプリント配線板の断面については、A−A線での断面構造のみを図57に示している。
図56、図57に示される第11の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、基本的には、プリント配線板21の第1面側に、ASICダイ2等の電子部品を搭載するための部品実装用端子部424AがCuによって形成され、その部品実装用端子部424Aには、Cuからなる中間導電層425を介して、プリント配線板21の第1面に埋め込まれたNiからなる第1面側導体層31が電気的に接続されている。部品実装用端子部424の表面には、既に述べたと同様なAu/Niなどからなる保護層38Aが形成されており、その保護層38A上に、はんだ層427を介して電子部品例えばASICダイ2が接続されている。なおプリント配線板21の第2面側には、マザーボードとの接続など、外部接続のための外部接続用端子部422が形成され、その表面にAu/Niなどからなる保護層38が形成されており、その保護層38B上にマザーボードとの接続のためのはんだボ―ル426が形成されている。
<第11の実施形態の装置の製法>
第11の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、出発段階から中途の段階までは、第9の実施形態の製造方法の段階P1〜段階P4と同じであり、そこで、段階P4よりも後の段階について、段階P5−3〜P27−3として図58〜図62の(P5A−3)〜(P27A3)として示し、P5−3以降の各段階について順を追って説明する。なお(P5A−3)〜(P27A3)は、図56のA−A線における断面(したがって図57と同じ断面位置)で示す。
・段階P5−3(図58の(P5A3)参照);めっきレジスト形成
次の犠牲層用Cuめっき段階P6−3での電気Cuめっきによる犠牲層パターン形成時のレジストとなるめっきレジスト446をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階P6−3(図58の(P6A3)参照);犠牲層用Cuめっき
後の選択エッチング段階P24−3において選択的に溶解除去されるべき、Cuからなる犠牲層448を電気めっきによって所定のパターンで形成する。なおこの犠牲層448の一部は、後の選択エッチング段階P24−3において溶解除去されずに、中間導電層425(図57参照)となる。
・段階P7−3(図58の(P7A3)参照);めっきレジスト剥離
前の段階P5−3で形成しためっきレジスト446を剥離する。
・段階P8−3(図58の(P8A3)参照);めっきレジスト形成
次の第1面側導体層用Niめっき段階P9−3での電気Niめっきによる第1面側導体層31のパターン形成時のレジストとなるめっきレジスト450をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階P9−3(図58の(P9A3)参照);第1面側導体層用Niめっき
電気Niめっきを施して第1面側導体層31を所定のパターンで形成する。ここで第1面側導体層31は、アクチュエータ構造部分22における可動電極400の固定部408を支持して可動電極400に給電するための可動電極用端子部420を有する可動電極給電用の導体層と、アクチュエータ構造部分22における固定電極401C、401Dとなる固定電極用の導体層とを構成する導体層であり、したがって第1面側導体層31のパターンは、これらの部位に相当するように設定する。
・段階P10−3(図59の(P10A3)参照);めっきレジスト剥離
前の段階P8−3で形成しためっきレジスト450を剥離する。
・段階P11−3(図59の(P11A3)参照);絶縁層と銅箔を一括積層
両面側に絶縁基材30と銅箔456を一括積層する。
・段階P12−3(図59の(P12A3)参照);レーザ加工(ビア形成)
面間導通部33を形成するための、絶縁基材30と銅箔456を貫通するビア458を、COレーザ等によるレーザ穴明け加工によって形成する。
・段階P13−3(図59の(P13A3)参照);無電解銅めっき(ビア内導通)
ビア458内を電気的導通可能な状態とするために無電解銅めっきを施す(無電解銅めっき層460の形成)。
・段階P14−3(図60の(P14A3)参照);めっきレジスト形成
次の外層銅めっき段階P15−3でのパターンめっきのためにめっきレジスト462を形成する。
・段階P15−3(図60の(P15A3)参照);外層めっき
ビア458内に銅を充填して面間導電部33を形成するとともに、第2面側導体層32を形成するように、外層に銅めっき464を施す。
・段階P16−3(図60の(P16A3)参照);めっきレジスト剥離
段階P14−3で形成しためっきレジスト462を剥離する。
・段階P17−3(図60の(P17A3)参照);シード層除去(余分な銅箔および無電解めっきを除去)
段階P11−3で積層した銅箔456と段階P13で形成した無電解銅めっき層460のうち、めっきレジスト462の下面側に残っていた余分な層(段階P15でめっきレジスト462によって妨げられて銅めっき464が施されなかった部位の銅箔456および無電解銅めっき層460)をエッチングによって除去する。
・段階P18−3(図61の(P18A3)参照);外層保護用エッチングレジスト形成
後述する段階P20−3におけるエッチングでのレジストとなる外層保護用エッチングレジスト466を形成する。
・段階P19−3(図61の(P19A3)参照);セパレート
出発材であった両面キャリア銅箔付き積層体440の両面側におけるキャリア銅箔440Bと極薄銅箔440Cとの間を引き剥がす。これによって、上下二つのプリント基板中間体468A、468Bと、積層体440における残りの部分(支持体440Aとその両面のキャリア銅箔440B)440´とに3分割された状態となる。そして以下の工程では、二つのプリント基板中間体468A、468Bのそれぞれについて、引き続き処理を施して、最終製品まで仕上げることになる。但し、図61の(P20A3)〜図62の(P27A3)では、図61の(P19A3)の下側に示されているプリント基板中間体468Bについてのみ、その処理過程を示す。
・段階P20−3(図61の(P20A3)参照);銅箔エッチング
段階P19−3のセパレートによって外層に表われた極薄銅箔440Cをエッチング除去する。
・段階P21−3(図61の(P21A3)参照);外層保護用エッチングレジスト剥離
段階P18−3で形成した外層保護用エッチングレジスト466を剥離する。
・段階P22−3(図61の(P22A3)参照);ソルダレジスト形成
両面の所定箇所に、第1面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト36、第2面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト37を形成する。
・段階P23−3(図62の(P23A3)参照);表面保護金属(Ni/Au等)
第1面側の部品実装用端子部424A及び第2面側の外部接続用端子部422の表面に、酸化防止用保護層38A、38B(それぞれ例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層など)を形成する。ここで、保護層の形成を電気めっきなどによって行う場合は、必要に応じて事前にマスクを形成しておく。
・段階P24−3(図62の(P24A3)参照);犠牲層の選択エッチング
段階P6で形成したCuからなる犠牲層448を溶解除去するための選択エッチングを施す。すなわち、Niは実質的に溶解させずにCuのみを溶解除去させるような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。これによって、可動電極400の可動部400A及び梁部413が浮いた状態となる。すなわち可動電極400の可動部400Aが傾動可能な状態となる。なお犠牲層448の一部は、中間導電層425として残る。
・段階P25−3(図62の(P25A3)参照);はんだプリコート
部品実装用端子部424Aとなる中間導電層425の表面の保護層38A上に、はんだ層427としてはんだプリコートを形成する。
・段階P26−3(図62の(P26A3)参照);部品実装
第1面側のはんだ層427上に、電子部品例えばASICダイ2を接合、実装する。
・段階P27−3(図62の(P27A3)参照);マザーボード接続端子用のはんだボールマウント
第2面側の外部接続用端子部422の表面の保護層38B上にマザーボード接続端子用のはんだボール426を形成する。
<第12の実施形態の装置>
図63〜図65には、平面駆動型のアクチュエータを組み込んだ静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の、より具体化した例を第12の実施形態として示す。第12の実施形態のプリント配線板装置における、アクチュエータ構造部分22の平面図を図63に示し、さらに図63におけるプリント配線板21のアクチュエータ構造部分22を含む部位のA−A断面構造を図64に示し、B−B断面構造を図65に示す。
なおこの第12の実施形態の装置は、電子部品例えばASICダイ2を、プリント配線板21における第2面側に搭載した例として示している。
<第12の実施形態の装置の製造方法>
図63〜図65に示した平面駆動型のアクチュエータを組み込んだ静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法の一例を図66〜図71の(Q1A)〜(Q27A)、(Q1B)〜(Q27B)を参照し、段階Q1〜段階Q27として順を追って説明する。なお(Q1A)〜(Q27A)は、図63のA−A線における断面(したがって図64と同じ断面位置)で示し、(Q1B)〜(Q27B)は、図63のB−B線における断面(したがって図65と同じ断面位置)で示す。
・段階Q1(図66の(Q1A)、(Q1B)参照);出発材(キャリア付き極薄銅箔)を準備
先ず出発材として、両面キャリア銅箔付き積層体440を用意する。この両面キャリア銅箔付き積層体440は、図41の(P1A)、(P1B)に示したものと同様である。
・段階Q2(図66の(Q2A)、(Q2B)参照);めっきレジスト形成
ドライフィルム等のめっきレジスト442を、両面キャリア銅箔付き積層体440の両面に所定のパターンで形成する。具体的には、例えばドライフィルムをラミネートして、フォトリソグラフィの技法を用いて所定のパターンで露光、現像して、パターン形成すればよい。
・段階Q3(図66の(Q3A)、(Q3B)参照);可動電極及び固定電極用Niめっき
電気めっきによりNiめっきを施して、最終的に可動電極24、固定電極23A、23BとなるNi層444を所定のパターンで形成する。
・段階Q4(図66の(Q4A)、(Q4B)参照);めっきレジスト剥離
段階Q2で形成しためっきレジスト442を剥離除去する。
・段階Q5(図66の(Q5A)、(Q5B)参照);めっきレジスト形成
次の犠牲層用Cuめっき段階Q6での電気Cuめっきによる犠牲層パターン形成時のレジストとなるめっきレジスト446をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階Q6(図66の(Q6A)、(Q6B)参照);犠牲層用Cuめっき
後の選択エッチング段階Q24において選択的に溶解除去されるべき、Cuからなる犠牲層448を電気めっきによって所定のパターンで形成する。
・段階Q7(図67の(Q7A)、(Q7B)参照);めっきレジスト剥離
前の段階Q5で形成しためっきレジスト446を剥離する。
・段階Q8(図67の(Q8A)、(Q8B)参照);めっきレジスト形成
次の第1面側導体層用Niめっき段階Q9での電気Niめっきによる第1面側導体層452のパターン形成時のレジストとなるめっきレジスト450をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階Q9(図67の(Q9A)、(Q9B)参照);第1面側導体層用Niめっき
電気Niめっきを施して第1面側導体層452を所定のパターンで形成する。
・段階Q10(図67の(Q10A)、(Q10B)参照);めっきレジスト剥離
前の段階Q8で形成しためっきレジスト450を剥離する。
・段階Q11(図68の(Q11A)、(Q11B)参照);絶縁層と銅箔を一括積層
両面側に絶縁基材30と銅箔456を一括積層する。
・段階Q12(図68の(Q12A)、(Q12B)参照);レーザ加工(ビア形成)
面間導通部33を形成するための、絶縁基材30と銅箔456を貫通するビア458を、COレーザ等によるレーザ穴明け加工によって形成する。
・段階Q13(図68の(Q13A)、(Q13B)参照);無電解銅めっき(ビア内導通)
ビア458内を電気的導通可能な状態とするために無電解銅めっきを施す(無電解銅めっき層460の形成)。
・段階Q14(図68の(Q14A)、(Q14B)参照);めっきレジスト形成
次の外層銅めっき段階Q15でのパターンめっきのためにめっきレジスト462を形成する。
・段階Q15(図69の(Q15A)、(Q15B)参照);外層銅めっき
ビア458内に銅を充填して面間導電部33を形成するとともに、第2面側導体層32を形成するように、外層に銅めっき464を施す。
・段階Q16(図69の(Q16A)、(Q16B)参照);めっきレジスト剥離
段階Q14で形成しためっきレジスト462を剥離する。
・段階Q17(図69の(Q17A)、(Q17B)参照);シード層除去(余分な銅箔及び無電解めっきを除去)
段階Q11で積層した銅箔456と段階Q13で形成した無電解銅めっき層460のうち、めっきレジスト462の下面側に残っていた余分な層(段階Q15でめっきレジスト462によって妨げられて銅めっき464が施されなかった部位の銅箔456および無電解銅めっき層460)をエッチングによって除去する。
・段階Q18(図69の(Q18A)、(Q18B)参照);外層保護用エッチングレジスト形成
後述する段階Q20におけるエッチングでのレジストとなる外層保護用エッチングレジスト466を形成する。
・段階Q19(図70の(Q19A)、(Q19B)参照);セパレート
出発材であった両面キャリア銅箔付き積層体440の両面側におけるキャリア銅箔440Bと極薄銅箔440Cとの間を引き剥がす。これによって、上下二つのプリント基板中間体468A、468Bと、積層体440における残りの部分(支持体440Aとその両面のキャリア銅箔440B)440´とに3分割された状態となる。そして以下の工程では、二つのプリント基板中間体468A、468Bのそれぞれについて、引き続き処理を施して、最終製品まで仕上げることになる。但し、図70の(Q20A)、(Q20B)〜図71の(Q27A)、(Q27B)では、図70の(Q19A)、(Q19B)の下側に示されているプリント基板中間体468Bについてのみ、その処理過程を示す。
・段階Q20(図70の(Q20A)、(Q20B)参照);銅箔エッチング
段階Q19のセパレートによって外層に表われた極薄銅箔440Cをエッチング除去する。
・段階Q21(図70の(Q21A)、(Q21B)参照);外層保護用エッチングレジスト剥離
段階Q18で形成した外層保護用エッチングレジスト466を剥離する。
・段階Q22(図70の(Q22A)、(Q22B)参照);ソルダレジスト形成
両面の所定箇所に、第1面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト36、第2面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト37を形成する。
・段階Q23(図70の(Q23A)、(Q23B)参照);表面保護層(Ni/Au等)形成
外部接続用端子部422および部品実装用端子部424を含む第2面側導体層32の表面に、酸化防止用保護層38(例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層など)を形成する。ここで、保護層の形成を電気めっきなどによって行う場合は、必要に応じて事前にマスクを形成しておく。
・段階Q24(図70の(Q24A)、(Q24B)参照);犠牲層の選択エッチング
段階Q6で形成したCuからなる犠牲層448を溶解除去するための選択エッチングを施す。すなわち、Niは実質的に溶解させずにCuのみを溶解除去させるような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。これによって、可動電極24の可動部24e(が浮いた状態となる。すなわち可動電極24の中央部分(可動部24eとなる部位)が水平面内で移動可能な状態となる。
・段階Q25(図71の(Q25A)、(Q25B)参照);はんだプリコート
部品実装用端子部424となる導体層上の保護層38の表面に、はんだ層428としてはんだプリコートを形成する。
・段階Q26(図71の(Q26A)、(Q26B)参照);部品実装
電子部品、例えばASICダイを、はんだプリコート428上に載置して、リフロー処理などによりASICダイ2を部品実装用端子部424に接続する。
・段階Q27(図71の(Q27A)、(Q27B)参照);マザーボード接続端子用のはんだボールマウント
外部接続用端子部422の導体層上の保護層38の表面にはんだ層426としてのはんだボールをマウントする。
<第13の実施形態の装置>
図72には、ASICダイ2等の電子部品を内蔵した、平面駆動タイプの静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置、すなわちASICダイ2等の電子部品を絶縁基材30に埋め込んだ例(第13の実施形態)を示す。なおこの第13の実施形態のプリント配線板は、平面視の形状は図63に示した第12の実施形態の平面視と同じであり、また図63におけるA−A線での断面は、第13実施形態でも同様であり、そこで第13の実施形態のプリント配線板については、図63のB−B線における断面のみを図72に示している。
<第13の実施形態の装置の製造方法>
第13の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、出発段階から中途の段階Q10までは、第12の実施形態の製造方法の段階Q1〜段階Q10と同じであり、そこで、段階Q10よりも後の段階について、段階Q10−2−1〜Q27B2として、図73〜図77に(Q10B2−1)〜(Q27B2)として示し、図73の(Q10B−1)以降の各段階について順を追って説明する。なお(Q10B−1)〜(Q27B−2)は、図63のB−B線における断面(したがって図65と同じ断面位置)で示す。
・段階Q10−2−1(図73の(Q10B2−1)参照);接着層形成
両面側の銅箔440Cの表面における、電子部品、例えばASICダイ2を実装すべき個所の表面に、接着層474を形成する。この接着層474は、例えば感光性樹脂を用いてパターン形成したり、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などのソルダレジストなどを用いることができる。
・段階Q10−2−2(図73の(Q10B2−2)参照);部品実装
電子部品、例えばASICダイ2を、接着層474上に載置して接着する。
・段階Q11−2(図73の(Q11B2)参照);絶縁層と銅箔を一括積層
両面側に絶縁基材30と銅箔456を一括積層する。
・段階Q12−2(図74の(Q12B2)参照);レーザ加工 (ビア形成)
絶縁基材30と銅箔456を貫通するビア458、459を、COレーザ等によるレーザ穴明け加工によって形成する。
・段階Q13−2(図74の(Q13B2)参照);無電解銅めっき(ビア内導通)
ビア458、459内を電気的導通可能な状態とするために無電解銅めっきを施す(無電解銅めっき層460の形成)。
・段階Q14−2(図74の(Q14B2)参照);めっきレジスト形成
次の外層銅めっき段階Q15−2でのパターンめっきのためにめっきレジスト462を形成する。
・段階Q15−2(図74の(Q15B2)参照);外層めっき
ビア458、459内に銅を充填して面間導電部33、472を形成するとともに、第2面側導体層32を形成するように、外層に銅めっき464を施す。
・段階Q16−2(図75の(Q16B2)参照);めっきレジスト剥離
段階Q14−2で形成しためっきレジスト462を剥離する。
・段階Q17−2(図75の(Q17B2)参照);シード層除去(余分な銅箔および無電解銅めっきの除去)
段階Q11−2で積層した銅箔456と段階Q13−2で形成した無電解銅めっき層460のうち、めっきレジスト462の下面側に残っていた余分な層(段階Q15−2でめっきレジスト462によって妨げられて銅めっき464が施されなかった部位の銅箔456および無電解銅めっき層460)をエッチングによって除去する。
・段階Q18−2(図75の(Q18B2)参照);外層保護用エッチングレジスト形成
後述する段階Q20−2におけるエッチングでのレジストとなる外層保護用エッチングレジスト466を形成する。
・段階Q19−2(図76の(Q19B2)参照);セパレート
出発材であった両面キャリア銅箔付き積層体440の両面側におけるキャリア銅箔440Bと極薄銅箔440Cとの間を引き剥がす。これによって、上下二つのプリント基板中間体468A、468Bと、積層体440における残りの部分(支持体440Aとその両面のキャリア銅箔440B)440´とに3分割された状態となる。以下の工程では、第9の実施形態の製造方法と同様に、二つのプリント基板中間体468A、468Bのそれぞれについて、引き続き処理を施して、最終製品まで仕上げることになる。但し、図76の(Q20B2)以降では、図76の(Q19B2)の下側に示されているプリント基板中間体468Bについてのみ、その処理過程を示す。
・段階Q20−2(図76の(Q20B2)参照);銅箔エッチング
段階Q19−2のセパレートによって外層に表われた極薄銅箔440Cをエッチング除去する。
・段階Q21−2(図76の(Q21B2)参照);外層保護用エッチングレジスト剥離
段階Q18−2で形成した外層保護用エッチングレジスト466を剥離する。
・段階Q22−2(図76の(Q22B2)参照);ソルダレジスト形成
第2面側に、第2面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト37を形成する。
・段階Q23−2(図76の(Q23B2)参照);表面保護層(Ni/Au等)形成
第1面側の部品実装用端子部424A及び第2面側の外部接続用端子部422の表面に、酸化防止用保護層38A、38B(それぞれ例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層など)を形成する。保護層の形成を電気めっきなどによって行う場合は、必要に応じて事前にマスクを形成しておく。
・段階Q24−2(図77の(Q24B2)参照);犠牲層の選択エッチング
Cuからなる犠牲層448を溶解除去するための選択エッチングを施す。すなわち、Niは実質的に溶解させずにCuのみを溶解除去させるような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。これによって、可動電極24の可動部24eが浮いた状態となる。すなわち可動電極24の中央部分(可動部24eとなる部位)が水平面内で移動可能な状態となる。
・段階Q25−2(図77の(Q25B2)参照);マザーボード接続端子用のはんだボールのマウント
外部接続用端子部422の導体層表面にはんだ層426としてのはんだボールをマウントする。
<第14の実施形態の装置>
(平面駆動タイプの表面実装の例)
図78には、ASICダイ2等の電子部品を第1面側に実装した、平面駆動タイプの静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の例(第14の実施形態)を示す。この第14の実施形態のプリント配線板装置における、アクチュエータ構造部分22を含む部位の断面構造を図78に示す。なお図78に示す断面構造は、図64に示した第12の実施形態の断面と同じ位置で示す。この第14の実施形態の平面駆動タイプの静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、可動電極24と固定電極23A、23B(但し固定電極23A、23Bは図78の断面には表れていない)とが絶縁基材30に埋め込まれた状態となっている。言い換えれば、可動電極24と固定電極23A、23Bの第1面側の表面レベルが、絶縁基材30の第1面側の表面レベル以下(同じレベルもしくはそれより低いレベル)となるように、各電極が形成されている。なお図78の例では、各電極の第1面側の表面レベルが、絶縁基材30の第1面側の表面レベルと同じレベルとされた例として示しているが、各電極の第1面側の表面レベルを、絶縁基材30の第1面側の表面レベルよりも低いレベルとしてもよいことはもちろんである。
<第14の実施形態の装置の製造方法>
第14の実施形態のアクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法は、出発段階から中途の段階までは、第12の実施形態の製造方法の段階Q1〜段階Q4と同じであり、そこで、段階Q4よりも後の段階について、段階Q5−3〜Q27−3として図79〜図84の(Q5A−3)〜(Q27A3)として示し、Q5−3以降の各段階について順を追って説明する。
・段階Q5−3(図79の(Q5A3)参照);めっきレジスト形成
次の犠牲層用Cuめっき段階Q6−3での電気Cuめっきによる犠牲層パターン形成時のレジストとなるめっきレジスト446をドライフィルム等によりパターン形成する。
・段階Q6−3(図79の(Q6A3)参照);犠牲層用Cuめっき
後の選択エッチング段階Q24−3において選択的に溶解除去されるべき、Cuからなる犠牲層448を電気めっきによって所定のパターンで形成する。なおこの犠牲層448の一部は、後の選択エッチング段階Q24−3において溶解除去されずに、中間導電層425(図78参照)となる。
・段階Q7−3(図79の(Q7A3)参照);めっきレジスト剥離
前の段階Q5−3で形成しためっきレジスト446を剥離する。
・段階Q8−3(図79の(Q8A3)参照);めっきレジスト形成
次の第1面側導体層用Niめっき段階Q9−3でのパターンNiめっきのレジストとなるめっきレジスト501を形成する。
・段階Q9−3(図79の(Q9A3)参照);第1面側導体層用Niめっき
両面側にNiめっきを施して、第1面側導体層31を形成する。
・段階Q10−3(図80の(Q10A3)参照);めっきレジスト剥離
前の段階Q8−3で形成しためっきレジスト501を剥離する。
・段階Q11−3(図80の(Q11A3)参照);絶縁層と銅箔を一括積層
両面側に絶縁基材30と銅箔456を一括積層する。
・段階Q12−3(図80の(Q12A3)参照);レーザ加工(ビア形成)
絶縁基材30と銅箔456を貫通するビア458を、COレーザ等によるレーザ穴明け加工によって形成する。
・段階Q13−3(図81の(Q13A3)参照);無電解銅めっき(ビア内導通)
ビア458内を電気的導通可能な状態とするために無電解銅めっきを施す(無電解銅めっき層460の形成)。
・段階Q14−3(図81の(Q14A3)参照);めっきレジスト形成
次の外層銅めっき段階Q15−3でのパターンめっきのためにめっきレジスト462を形成する。
・段階Q15−3(図81の(Q15A3)参照);外層めっき
ビア458内に銅を充填して面間導電部33を形成するとともに、第2面側導体層32を形成するように、外層に銅めっき464を施す。
・段階Q16−3(図81の(Q16A3)参照);めっきレジスト剥離
段階Q14−3で形成しためっきレジスト462を剥離する。
・段階Q17−3(図82の(Q17A3)参照);シード層除去(余分な銅箔および無電解めっきを除去)
段階Q11−3で積層した銅箔456と段階Q13−3で形成した無電解銅めっき層460のうち、めっきレジスト462の下面側に残っていた余分な層(段階Q15−3でめっきレジスト462によって妨げられて銅めっき464が施されなかった部位の銅箔456および無電解銅めっき層460)をエッチングによって除去する。
・段階Q18−3(図82の(Q18A3)参照);外層保護用エッチングレジスト形成
後述する段階Q20−3におけるエッチングでのレジストとなる外層保護用エッチングレジスト466を形成する。
・段階Q19−3(図82の(Q19A3)参照);セパレート
出発材であった両面キャリア銅箔付き積層体440の両面側におけるキャリア銅箔440Bと極薄銅箔440Cとの間を引き剥がす。これによって、上下二つのプリント基板中間体468A、468Bと、積層体440における残りの部分(支持体440Aとその両面のキャリア銅箔440B)440´とに3分割された状態となる。そして以下の工程では、二つのプリント基板中間体468A、468Bのそれぞれについて、引き続き処理を施して、最終製品まで仕上げることになる。但し、図82の(Q20A3)〜図84の(Q27A3)では、図70の(Q19A3)の下側に示されているプリント基板中間体468Bについてのみ、その処理過程を示す。
・段階Q20−3(図82の(Q20A3)参照);銅箔エッチング
段階Q19−3のセパレートによって外層に表われた極薄銅箔440Cをエッチング除去する。
・段階Q21−3(図83の(Q21A3)参照);外層保護用エッチングレジスト剥離
段階Q18−3で形成した外層保護用エッチングレジスト466を剥離する。
・段階Q22−3(図83の(Q22A3)参照);ソルダレジスト形成
両面の所定箇所に、第1面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト36、第2面側絶縁被覆層としてのソルダレジスト37を形成する。
・段階Q23−3(図83の(Q23A3)参照);表面保護金属(Ni/Au等)
外部接続用端子部422および部品実装用端子部424を含む第2面側導体層32の表面に、酸化防止用保護層38(例えばNiからなる下地層とAuからなる表面層の2層の複合層からなる保護層など)を形成する。ここで、保護層の形成を電気めっきなどによって行う場合は、必要に応じて事前にマスクを形成しておく。
・段階Q24−3(図83の(Q24A3)参照);犠牲層の選択エッチング
段階Q6−3で形成したCuからなる犠牲層448を溶解除去するための選択エッチングを施す。すなわち、Niは実質的に溶解させずにCuのみを溶解除去させるような選択エッチング液を用いてエッチングを行う。これによって、可動電極24の可動部24eが浮いた状態となる。すなわち可動電極24の中央部分(可動部24eとなる部位)が水平面内で移動可能な状態となる。なお犠牲層448の一部は、中間導電層425として残る。
・段階Q25−3(図83の(Q25A3)参照);はんだプリコート
部品実装用端子部424となる中間導電層425上の保護層38Aの表面に、はんだ層427としてはんだプリコートを形成する。
・段階Q26−3(図84の(Q26A3)参照);部品実装
第1面側のはんだ層427上に、電子部品例えばASICダイ2を搭載して接合する。
・段階Q27−3(図84の(Q27A3)参照);マザーボード接続端子用のはんだボールマウント
第2面側の外部接続用端子部422の表面の保護層38B上にマザーボード接続端子用のはんだボール426を形成する。
<第15の実施形態の装置>
本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置は、導体層を絶縁基材の一面側(片面側)のみに形成した、いわゆる片面プリント配線板にも適用することができ、その一例を、第15の実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を、図85、図86に示す。なおこの例では、静電駆動アクチュエータは平面駆動タイプのものとして示しているが、傾動タイプの静電駆動アクチュエータを組み込んだ装置についても、同様に片面プリント配線板で構成することができる。
以上のところにおいて、前記各実施形態の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置においては、可動電極自体がバネ(弾性体)として機能し、可動電極の可動部がその固定部側から弾性的に支持されている。そして可動電極の可動部は、固定電極と可動電極との間に加えられる電圧(駆動電圧)による静電引力によって固定電極に向かって弾性的に変位する。すなわち駆動電圧の上昇に伴って、弾性的に支持された可動電極の可動部が固定電極に接近するが、ある程度以上駆動電圧が高くなれば、静電引力が可動電極の弾性復元力よりも大きくなって、その可動部が固定電極に吸い付いてしまう現象が生じることがある。この現象は、静電プルイン現象と称される。この静電プルイン現象により可動部が固定電極に吸い付いてしまえば、可動電極と固定電極との間に大きな短絡電流が流れてしまい、回路配線や電源が焼き切れたり、半導体素子が破壊されたりするなどの故障が生じる。
このような、可動部が固定電極に吸い付いてしまう静電プルイン現象は、特に平面駆動型のアクチュエータで生じやすいと考えられる。そこで、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置では、静電プルイン現象が生じないように、前記可動電極の可動部が前記固定部に接近・離隔する方向に変位する空間領域内に、前記可動部に接触することを阻止するためのストッパを設けておくことが望ましい。
このような平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置におけるストッパとしては、固定電極や可動電極と同様な金属(導電材料)からなる部材(ストッパ部材)を、固定電極の先端面(可動電極に対向する面)よりも可動電極よりの個所に、絶縁基材に支持させた状態で形成しておくことが考えられている。この場合、可動電極の可動部がストッパ部材に衝突した際の衝撃によってストッパ部材が脱落したり、位置変動したりしないように、確実にストッパ部材を絶縁基材(樹脂)によって保持させるためには、ある程度、厚みのある部材とすることが望まれる。しかしながらこのような厚みのあるストッパ部材を設ける場合、その位置精度を良好にするには、製造上、かなりの困難を伴う。
そこで、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置におけるストッパとしては、上記のような部材を設けるのではなく、プリント配線板における絶縁基材の一部として形成しておくことが望ましい。すなわち、絶縁基材の第1面側に、絶縁基材の一部としてストッパ部を形成しておくことが望まれる。
この場合の、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の一例を、第16の実施形態として、図87〜図89に示す。
図87〜図89に示す第16の実施形態の装置は、図63〜図65に示した第12の実施形態の変形例に相当する。
本例では、各固定電極23A,23Bにおける先端付近の両側でかつ各固定電極23A,23Bの先端面よりも可動電極24の可動部24eに近い位置に、絶縁基材30の一部として(すなわち絶縁基材30に一体に連続するように)突起状のストッパ部901が形成されている。なお本例では、固定電極23A、23Bは、その基端側の部分が絶縁基材30に埋め込まれて、絶縁基材30の第1面30A以下のレベルで形成されている。また可動電極24も、その基端部分が絶縁基材30に埋め込まれて、絶縁基材30の第1面30A以下のレベルで形成されている。そしてストッパ部901はその突出側先端面も、固定電極23A、23B、可動電極24の表面と同じレベルとされている。
このような第16の実施形態の平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置においては、固定電極と可動電極との間に加えられる電圧(駆動電圧)が大きくなって、可動電極24の可動部24aがいずれか一方の固定電極に接近した場合、その可動部24aはストッパ部901に当接して、それ以上固定電極に近接して固定部に吸い付いてしまうことが防止される。
そしてストッパ部901は、絶縁基材30の一部として形成されているから、プリント配線板の製造過程中において、絶縁基材30の第1面側の形状が、ストッパ部を有する形状とすればよく、したがってストッパ部形成のための工程も簡略化される。また、ストッパ部は、絶縁基材と一体化しているため、可動電極の衝突によって脱落したり変形したりするおそれも少ない。
図87〜図89に示すような、絶縁基材30にストッパ部901を一体形成した第16の実施形態の平面駆動型静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法のうち、特にストッパ部を形成する方法を、図90の(A)〜(F)に概略的かつ段階的に示す。なお図90の(A)〜(F)では、図88、図89とは上下が逆となる状態(すなわち絶縁基材30の第1面30Aが下側、第2面30Bが上側となる状態)で示している。
図90において、(A)に示すような支持体銅箔903の第2面側に、めっきレジスト形成後、(B)に示すように、Niめっきを施して、各電極となる第1面側導体層905,907を形成する。その後、めっきレジスト形成後、(C)に示すように犠牲層としてのCu層909を形成する。このとき、犠牲層としてのCu層909は、のちにストッパ部901の外面形状が形成されるように設ける。
さらに、図90の(D)に示すように絶縁基材30の樹脂911を貼り合わせ、(E)に示すように支持体銅箔903を剥離する。その後、(F)に示すように、Cuを溶解する一方、Niは溶解させないエッチング液を用いて、選択エッチングを施し、犠牲層としてのCu層909を助教する。これによって、可動電極24が絶縁基材30〜浮き上がった状態となるとともに、ストッパ部901が絶縁基材30(樹脂911)に一体化された状態で形成されることになる。
なお上記の第16の実施形態では、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置について、絶縁基材に一体化させたストッパ部を形成した例を示しているが、傾動駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の場合においては、このようなストッパ部を形成しなくてもよい。すなわち傾動駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の場合においては、その構造上、可動電極の可動部が大きく傾いた場合、可動部の縁部が絶縁基材の表面(絶縁基材における、固定電極を取り囲んでいる部位の表面)に当接して、それ以上傾くことが阻止される結果、可動部が固定電極に吸引されることが防止されるのが一般的である。すなわち絶縁基材における、固定電極を取り囲んでいる部位の表面がストッパとしての機能を果たす。したがって、平面駆動型の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の場合のようなストッパ部901を積極的に形成しておかなくても、可動部が固定電極に吸い付いてしまう静電プルイン現象が生じることを防止できる。
本発明の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置が、アクチュエータとして正常に機能するか否かの点について実験により調べたので、その結果を次に実施例として示す。
図6〜図8に示す第1の実施形態の平面駆動型の装置におけるアクチュエータ構造部分を模した実験用サンプル(図91、図92)について、次の実験例1〜実験例5に示すように、可動電極24の幅(電極幅W)、固定電極23A、23Bと可動電極24との間の距離(電極間距離S)、可動電極24の可動部(中間部位)の長さ(電極長L)を、それぞれ種々変化させるとともに、固定電極23Aと可動電極24との間に加える電圧Vを種々変化させて、可動電極24が変位するか否か(駆動されるか否か)を調べた。なお固定電極23A、23B及び可動電極24の厚みT1は、いずれの実験例でも5μmで一定とし、また各導電支持体25A、25B;26A、26Bの厚みT2は、いずれの実験例でも15μmで一定とした。なお固定電極23A、23Bと可動電極24は、いずれもCuからなり、各導電支持体25A、25B;26A、26Bは、いずれもNiからなる。
<実験例1>
電極厚T1を5μmで一定、電極長Lを14μmで一定、印加電圧Vを500Vで一定として、電極幅W及び電極間距離Sを、表1に示すように変化させて、可動電極の駆動状況を調べた。その結果を表1中に示す。
<実験例2>
電極厚T1を5μmで一定、電極長Lを14μmで一定、印加電圧Vを250Vで一定として、電極幅W及び電極間距離Sを、表2に示すように変化させて、可動電極の駆動状況を調べた。その結果を表2中に示す。
<実験例3>
電極厚T1を5μmで一定、電極長Lを14μmで一定、印加電圧Vを100Vで一定として、電極幅W及び電極間距離Sを、表3に示すように変化させて、可動電極の駆動状況を調べた。その結果を表3中に示す。
<実験例4>
電極厚T1を5μmで一定、電極間距離Sを10μmで一定、電極幅Wを14μmで一定とし、電極長L及び印加電圧Vを表4に示すように変化させて、可動電極の駆動状況を調べた。その結果を表4中に示す。
<実験例5>
電極厚T1を5μmで一定、電極間距離Sを5μmで一定、電極幅Wを14μmで一定とし、電極長L及び印加電圧Vを表5に示すように変化させて、可動電極の駆動状況を調べた。その結果を表5中に示す。
Figure 2019038105
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Figure 2019038105
Figure 2019038105
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なお表1〜表5において可動状況を示す各記号は次の通りである。
○印:水平方向変位量が5μm以上で、良好に駆動されたと評価できた例を示す。
●印:駆動されたが、水平方向変位量が5μm未満とわずかであり、良好に駆動されたとは評価できない例を示す。
△印:駆動されたが、電極間で放電が生じてしまった。なおこの放電発生時には、駆動状況が安定せず、また電極が放電によって消耗されてしまうため、実際上はアクチュエータとして不適切である。
×印:駆動されなかった。
表1〜表5から明らかなように、各部の寸法や距離、印加電圧を適切に設定することによって、放電が生じることなく、アクチュエータとして可動電極を良好に駆動し得ることが確認された。
以上、本発明の好ましい実施形態、および実験例を説明したが、本発明はこれらの実施形態、実験例に限定されないことはもちろんである。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
2・・・ASICダイ(電子部品)
9・・・キャップ
21・・・プリント配線板
22・・・アクチュエータ構造部分
23A、23B・・・固定電極
24・・・可動電極
24a、24b・・・固定部
24e・・・可動部
30・・・絶縁基材
30A・・・第1面
30B・・・第2面
31・・・第1面側導体層
31d〜31g・・・電極端子用導体層
31d、31g・・・固定電極用端子部
31d、31h・・・キャップ支持用端子部(キャップ支持部)
32・・・給電用導体層
33・・・貫通導体部
38・・・保護層
150・・・透湿防止膜
400・・・可動電極
400A・・・可動部
400B・・・中間リング」
400C・・・外周リング部
408・・・固定部
401A〜401D・・・固定電極
500・・・補強部材
501・・・絶縁材層
901・・・ストッパ部

Claims (44)

  1. 板状の絶縁基材の2面の一方を第1面、他方を第2面とし、前記第1面に、導電材料によって1以上の固定電極用端子部と1以上の可動電極用端子部とを有する電極端子用導体層が形成され、前記第1面と第2面とのうち少なくとも一方の面に、前記固定電極用端子部および可動電極用端子部に給電するように、前記電極端子用導体層に導通される導電材料からなる給電用導体層が所定のパターンで形成されて、プリント配線板が構成され、
    さらに、前記プリント配線板の第1面側に、絶縁基材の板面と平行な面内で互いに対向する部位を有する可動電極および固定電極が形成され、且つ前記可動電極は、前記固定電極に対向する部位が固定電極に接近・離隔する方向に変位可能な可動部とされるとともに、その可動部に連続しかつ前記可動電極用端子部に固定された固定部を有する構成とされて、これらの可動電極および固定電極によって、平面駆動型の静電駆動アクチュエータを構成するアクチュエータ構造部分が形成され、
    前記アクチュエータ構造部分の可動電極の、前記固定部のすくなくとも一部が可動電極給電部位とされて、その可動電極給電部位が前記可動電極用端子部に一体化されるとともに、前記固定電極の少なくとも一部が前記固定電極用端子部に一体化されて、前記可動電極および固定電極に、給電用導体層から前記電極端子用導体層を介して給電される構成としたことを特徴とする静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  2. 板状の絶縁基材の2面の一方を第1面、他方を第2面とし、前記第1面に、導電材料によって1以上の固定電極用端子部と1以上の可動電極用端子部とを有する電極端子用導体層が形成され、前記第1面と第2面とのうち少なくとも一方の面に、前記固定電極用端子部および可動電極用端子部に給電するように、前記電極端子用導体層に導通される導電材料からなる給電用導体層が所定のパターンで形成されて、プリント配線板が構成され、
    さらに、前記プリント配線板の第1面側に、その第1面から間隔を置いて第1面と平行な板状をなす可動電極と、その可動電極におけるプリント配線板の第1面側の表面に対して間隔を置いて対向する固定電極とが形成され、
    前記可動電極は、前記第1面に対して傾動可能な可動部と、少なくとも一部が可動電極用端子部に固定されるとともに前記可動部を傾動可能に支持する固定部とを有する構成とされ、
    これらの可動電極および固定電極によって、傾動駆動型の静電駆動アクチュエータを構成するアクチュエータ構造部分が形成され、
    前記アクチュエータ構造部分の可動電極の固定部の少なくとも一部が可動電極給電部位とされて、その可動電極給電部位が前記可動電極用端子部に一体化されるとともに、前記固定電極の少なくとも一部が前記固定電極用端子部に一体化されて、前記可動電極および固定電極に、給電用導体層から前記電極端子用導体層を介して給電される構成としたことを特徴とする静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  3. 前記電極端子用導体層が、前記絶縁基材中に埋め込まれた状態で形成されていることを特徴とする、請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  4. 前記給電用導体層が、前記絶縁基材の前記第2面に形成されており、前記絶縁基材の内部に、前記給電用導体層と電極端子用導体層を電気的に導通させるための貫通導体部が形成されて、プリント配線板が構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  5. 前記給電用導体層が、前記絶縁基材の前記第1面に形成されており、第1面において前記給電用導体層が前記電極端子用導体層に電気的に導通されて、プリント配線板が構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  6. 前記プリント配線板が、複数の絶縁基材を積層しかつ層間導体層を形成した多層構造とされ、前記電極端子用導体層が積層絶縁基材の第1面に形成され、前記給電用導体層が積層絶縁基材の第2面に形成されて、給電用導体層が前記層間導体層を介して前記電極端子用導体層に電気的に導通されていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  7. さらに前記プリント配線板の第1面側をカバーするキャップを備え、
    且つ前記絶縁基材の第1面の周辺部にキャップ支持部が形成され、そのキャップ支持部に前記キャップの周縁部が接合されていることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  8. 前記キャップ支持部が、導電材料によって形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  9. 前記キャップ支持部が、前記電極端子用導体層と同じ導電材料によって形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  10. 前記キャップキャップ支持部の表面に、酸化防止用の保護層が形成されており、その保護層の表面に、前記キャップの周縁部がはんだ接合されていることを特徴とする、請求項8、請求項9のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  11. 前記酸化防止用の保護層としてNi/Au複合層もしくはNi/Pd/Au複合層、またはOSP処理皮膜が用いられていることを特徴とする、請求項10に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  12. 前記基材と前記導電材料からなるキャップ支持部との間に、無機絶縁材料からなる透湿防止膜が介在されていることを特徴とする、請求項8〜請求項11のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  13. 前記透湿防止膜として、前記透湿防止膜として、SiO、Al、ダイヤモンドライクカーボンの一種以上が用いられていることを特徴とする、請求項12に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  14. 前記可動電極の固定部と固定電極とが、前記電極端子用導体層の各端子部に、導電支持体を介して接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  15. 前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面から突出している、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  16. 前記固定電極における、前記可動電極に対向しない部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されている、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  17. 前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されている、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  18. 前記固定電極における、前記可動電極に対向しない部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、かつ前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されている、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  19. 前記可動電極の可動部が前記固定部に接近・離隔する方向に変位する空間領域に、前記可動部に接触することを阻止するためのストッパ部が設けられている、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  20. 前記ストッパ部が、前記絶縁基材の一部によって構成されている、請求項19に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  21. 前記固定電極における、前記可動電極に対向しない部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、かつ前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、しかも前記可動電極の可動部が前記固定部に接近・離隔する方向に変位する空間領域に、前記可動部に接触することを阻止するためのストッパ部が、前記絶縁基材の一部によって構成されている、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  22. 前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面から突出している、請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  23. 前記固定電極が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されている、請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  24. 前記可動電極給電部位の少なくとも一部が、前記絶縁基材に埋め込まれて、前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されている、請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  25. 前記固定電極が前記絶縁基材に埋め込まれて、前記固定電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されており、かつ前記可動電極が、前記絶縁基材の第1面のレベル以下の位置に形成されている、請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  26. 前記固定電極および前記可動電極が、それぞれ導電材料で形成されている、請求項1〜請求項25のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  27. 前記固定電極と前記可動電極とのうち、いずれか一方もしくは双方が帯電可能な材料で形成されている、請求項1〜請求項26のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  28. 前記導電支持体は、その構成材料として、可動電極と固定電極および電極端子用導体層の構成材料とは異種の、選択エッチング可能な導電材料が用いられていることを特徴とする、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  29. 前記導電支持体の構成材料としてNiが用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられていることを特徴とする、請求項28に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  30. 前記導電支持体の構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてNiが用いられていることを特徴とする、請求項28に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  31. 前記導電支持体、可動電極、固定電極、及び電極端子用導体層の構成材料として、NiもしくはNi合金が用いられていることを特徴とする、請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  32. 前記可動電極支持体部は、その構成材料として、可動電極と固定電極および電極端子用導体層の構成材料とは異種の、選択エッチング可能な導電材料が用いられていることを特徴とする、請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  33. 前記可動電極支持体部の構成材料としてNiが用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられていることを特徴とする、請求項32に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  34. 前記可動電極支持体部の構成材料としてCuもしくはCu合金が用いられ、可動電極と固定電極および電極端子用導体層は、その構成材料としてNiが用いられていることを特徴とする、請求項32に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  35. 前記可動電極支持体部、可動電極、固定電極、及び電極端子用導体層の構成材料として、NiもしくはNi合金が用いられていることを特徴とする、請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  36. 前記固定電極の少なくとも一部が、絶縁材層によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  37. 前記可動電極支持体部の可動電極給電部位の少なくとも一部が、絶縁材層によって覆われていることを特徴とする請求項2に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  38. 前記絶縁基材の第1面もしくは第2面に、電子部品が搭載されていることを特徴とする、請求項1〜請求項37のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  39. 前記前記絶縁基材の内部に、電子部品が埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜請求項37のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  40. 前記電子部品が、ASICダイであることを特徴とする、請求項38、請求項39のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  41. 高い剛性を有する材料からなる補強部材が設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項40のいずれかの請求項に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置。
  42. 請求項28に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法であって、
    前記アクチュエータ構造部分の可動電極を形成するにあたり、前記絶縁基材の第1面側に前記可動電極の導電材料に対して選択エッチング可能な導電材料からなる犠牲層を形成するとともに、その犠牲層上に可動電極用の導体層を形成した後、前記犠牲層の少なくとも一部を選択エッチングによって除去することによって、前記可動電極用導体層の少なくとも一部を、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能となるように、前記絶縁基材から空間を隔てて浮かせた状態として、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能な可動部を可動電極に形成することを特徴とする静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法。
  43. 請求項21に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置であって、しかも前記導電支持体は、その構成材料として、可動電極と固定電極および電極端子用導体層の構成材料とは異種の、選択エッチング可能な導電材料が用いられている静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法であって、
    前記アクチュエータ構造部分の可動電極を形成するにあたり、前記絶縁基材の第1面側に予め前記ストッパ部となるべき部位を形成しておき、その後、前記絶縁基材の第1面側に可動電極の導電材料に対して選択エッチング可能な導電材料からなる犠牲層を形成するとともに、その犠牲層上に可動電極用の導体層を形成した後、前記犠牲層の少なくとも一部を選択エッチングによって除去することによって、前記可動電極用導体層の少なくとも一部を、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能となるように、前記絶縁基材から空間を隔てて浮かせた状態として、前記固定電極に接近・離隔する方向に変位可能な可動部を可動電極に形成するとともに、前記ストッパ部を絶縁基材の一部として形成することを特徴とする静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法。
  44. 請求項32に記載の静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置を製造する方法であって、
    前記アクチュエータ構造部分の可動電極を形成するにあたり、前記絶縁基材の第1面側に、表面が露呈する固定電極上に、前記可動電極及び固定電極の導電材料に対して選択エッチング可能な導電材料からなる犠牲層を形成するとともに、その犠牲層上に可動電極用の導体層を形成した後、前記犠牲層の少なくとも一部を選択エッチングによって除去することによって、前記可動電極用導体層の少なくとも一部を、前記固定電極に対し傾動可能となるように前記固定電極から浮かせた状態として、前記固定電極に対し傾動可能な可動部を可動電極に形成することを特徴とする静電駆動アクチュエータ組み込みプリント配線板装置の製造方法。
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