JP2019035880A - 画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】非飽和状態の感光体で現像を行う電子写真においてトナー付着量を適切に校正する。【解決手段】画像形成装置は、色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理部と、現像部の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、第1の校正処理において調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正部とを備える。校正部は、調整されたドット面積率に基づいて、感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素におけるCMYKの各色のトナーの総量を推定し、推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に色変換処理における下色除去の量を増大させる。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法及び画像形成プログラムに関する。
従来から正確な色再現を実現するためにカラーパッチを印刷し、印刷されたカラーパッチをセンサで検知して画像形成プロセスを校正する技術が提案されている。特許文献1は、省エネモードにおいて、定着速度や画像のトナー載せ量(本明細書では、トナー付着量とも呼ばれる。)との相関関係を維持しつつ定着温度を下げる技術を提案している。特許文献2は、画像データの累積値から転写トナー量(本明細書では、トナー付着量とも呼ばれる。)を推定して適切な熱量制御を行う手段を有し、低消費電力化を図った画像形成装置において、画像の線幅が異なる場合でも、画像の定着性を悪化させることなく、良好な画像を出力可能な技術を提案している。一方、特許文献3は、濃度エッジ近傍部において濃度エッジ部からの距離が遠ざかるに従い現像トナー量(本明細書では、トナー付着量とも呼ばれる。)の減じる割合を徐々に小さくするよう調整する技術を提案している。特許文献3は、これにより、中抜けの発生を防止すると共に、トナー濃度差に起因するボイドを軽減し、輪郭が自然な発色を実現することができるとしている。この技術では、現像トナー量の削減は、特にUCR補正によって行うことが好ましいとしている。
特開2013−76953号公報 特開平5−333728号公報 特開2005−094296号公報
しかし、非飽和状態の感光体で現像を行う電子写真においては、その感光体の特性に着目してトナー付着量を適切に校正する方法については十分な検討が行われていなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、非飽和状態の感光体で現像を行う電子写真においてトナー付着量を適切に校正する技術を提供することを目的とする。
本発明は、画像データに応じて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成装置を提供する。前記画像形成装置は、前記画像データに対して色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理部と、回転可能な感光体と、前記CMYK画像データに基づいて前記感光体に露光して静電潜像を形成する露光部と、磁気ローラと、現像ローラとを有し、前記磁気ローラと前記現像ローラと間のトナー層形成電位差に応じた厚さのトナー層を前記現像ローラに形成し、前記現像ローラの電位である現像バイアス電位と前記静電潜像とに基づいて前記トナー層から前記感光体にトナーを付着させるCMYKの各色の現像部と、前記感光体から前記CMYKの各色のトナーが転写され、前記転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に転写する中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトから前記画像形成媒体上に転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に定着させる定着部と、前記現像部の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、前記第1の校正処理において前記調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正部とを備え、前記校正部は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定し、前記推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に前記色変換処理における下色除去の量を増大させる。
本発明は、画像データに応じて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成方法を提供する。前記画像形成方法は、前記画像データに対して色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理工程と、前記CMYK画像データに基づいて回転可能な感光体に露光して静電潜像を形成する露光工程と、磁気ローラと、現像ローラとを用い、前記磁気ローラと前記現像ローラと間のトナー層形成電位差に応じた厚さのトナー層を前記現像ローラに形成し、前記現像ローラの電位である現像バイアス電位と前記静電潜像とに基づいて前記トナー層から前記感光体にトナーを付着させるCMYKの各色の現像工程と、前記感光体から前記CMYKの各色のトナーが転写され、前記転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に転写する中間転写工程と、前記中間転写工程で前記画像形成媒体上に転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に定着させる定着工程と、前記現像工程の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、前記第1の校正処理において前記調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正工程とを備え、前記校正工程は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定し、前記推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に前記色変換処理における下色除去の量を増大させる。
本発明は、画像データに応じて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成装置を制御するための画像形成プログラムを提供する。前記画像形成装置は、前記画像データに対して色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理部と、回転可能な感光体と、前記CMYK画像データに基づいて前記感光体に露光して静電潜像を形成する露光部と、磁気ローラと、現像ローラとを有し、前記磁気ローラと前記現像ローラと間のトナー層形成電位差に応じた厚さのトナー層を前記現像ローラに形成し、前記現像ローラの電位である現像バイアス電位と前記静電潜像とに基づいて前記トナー層から前記感光体にトナーを付着させるCMYKの各色の現像部と、前記感光体から前記CMYKの各色のトナーが転写され、前記転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に転写する中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトから前記画像形成媒体上に転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に定着させる定着部とを有し、前記画像形成プログラムは、前記現像部の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、前記第1の校正処理において前記調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正部として前記画像形成装置を機能させ、前記校正部は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定し、前記推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に下色除去の量を増大させる。
本発明によれば、非飽和状態の感光体で現像を行う電子写真においてトナー付着量を適切に校正する技術を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロックダイアグラムである。 一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す断面図である。 一実施形態に係る現像部100の構造を示した側面断面図である。 一実施形態に係る画像形成装置1のハーフパッチ校正処理の内容を示すフローチャートである。 一実施形態に係る画像形成装置1の印刷設定値調整処理の内容を示すフローチャートである。 変形例に係る複合ハーフパッチを示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロックダイアグラムである。画像形成装置1は、制御部10と、画像形成部20と、記憶部40と、画像読取部50と、定着部80とを備えている。画像読取部50は、原稿から画像を読み取ってデジタルデータである画像データIDを生成する。
画像形成部20は、色変換処理部21と、ハーフトーン処理部22と、校正用濃度センサ28と、露光部29と、アモルファスシリコン感光体である感光体ドラム(像担持体)30c〜30kと、現像部100c〜100k、帯電部25c〜25kとを有している。色変換処理部21は、第1色変換テーブル21L1と第2色変換テーブル21L2とを有し、色変換処理を実行する。
色変換処理部21は、原則として第1色変換テーブル21L1を使用してRGBデータである画像データIDをCMYK画像データに色変換する。ハーフトーン処理部22は、CMYK画像データにハーフトーン処理を実行してCMYKのハーフトーンデータを生成する。第2色変換テーブル21L2については後述する。
制御部10は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部10は、各種I/O、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、バス、その他ハードウェア等のインターフェイスに関連するコントローラ機能を備え、画像形成装置1全体を制御する。
記憶部40は、非一時的な記録媒体であるハードディスクドライブやフラッシュメモリー等からなる記憶装置で、制御部10が実行する処理の制御プログラム(画像形成プログラム)やデータを記憶する。記憶部40は、本実施形態では、さらにCMYK階調校正用調整パッチと、CMYKハーフパッチとを形成するための校正用画像データCDと、印刷設定値SD(後述)とを格納している。
ハーフパッチは、100%未満のドット面積率を有し、ベタ画像を表現するパッチである。ハーフパッチでベタ画像を表現するのは、詳細については後述するが、感光体ドラム30c〜30kにアモルファスシリコン感光体が採用されているからである。
ドット面積率とは、各ドットが予め設定されている面積を有していると仮定した場合のドットが占める面積率を意味する。実際には、現像バイアス電位Vslv等に応じてドットサイズが変動するので、光学的な観点の面積率とは相違する。一方、ベタ濃度は、光学的な観点でドットによって印刷媒体(画像形成媒体とも呼ばれる。)が隙間なく覆われているように見える濃度を意味する。
図2は、一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す断面図である。本実施形態の画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1は、その筐体70内に、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色に対応させて感光体ドラム(像担持体)30m、30c、30y及び30kが一列に配置されている。感光体ドラム30m、30c、30y及び30kのそれぞれに隣接して、現像部100m、100c、100y及び100kが配置されている。
感光体ドラム30m、30c、30y及び30kには、露光部29から各色用のレーザー光Lm、Lc、Ly及びLkが照射される。この照射によって、感光体ドラム30m、30c、30y及び30kに静電潜像が形成される。現像部100m、100c、100y及び100kは、トナーを攪拌しながら、感光体ドラム30m、30c、30y及び30kの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより、現像工程が完了し、感光体ドラム30c〜30kの表面に各色のトナー像が形成される。
画像形成装置1は、無端状の中間転写ベルト27を有している。中間転写ベルト27は、テンションローラ24、駆動ローラ26a及び従動ローラ26bに張架されている。中間転写ベルト27は、駆動ローラ26aの回転によって循環駆動させられる。
たとえば感光体ドラム30k上のブラックのトナー像は、感光体ドラム30kと一次転写ローラ23kとで中間転写ベルト27を挟み、中間転写ベルト27が循環駆動させられることによって中間転写ベルト27に一次転写される。この点は、シアン、イエロー、マゼンタの3色についても同様である。中間転写ベルト27の表面には、所定のタイミングで相互に重ね合わせられるように一次転写が行われることによってフルカラートナー像が形成される。
フルカラートナー像は、その後、給紙カセット60から供給された印刷用紙Pに二次転写され、定着部80の定着ローラ対81によって印刷用紙Pに定着される。校正用濃度センサ28は、一次転写が完了し、二次転写の前のトナー像の濃度が計測できる位置に配置されている。
定着ローラ対81は、内部に図示しないヒーターを有し、予め設定されている目標温度となるように定着温度を制御する。目標温度は、通常作動モード用の比較的に高い第1の目標温度と、省エネ作動モード用の比較的に低い第2の目標温度とがある。第2の目標温度では、定着が可能な最大トナー付着量が設定されている。最大トナー付着量は、トナー量制限値とも呼ばれる。
図3は、本発明の一実施形態に係る現像部100の構造を示した側面断面図である。現像部100m、100c、100y及び100kは同一の構成を有し、単に現像部100とも呼ばれる。現像部100は、2本の攪拌搬送部材141,142と、磁気ローラ143と、現像ローラ(現像剤担持体)144と、現像容器145と、規制ブレード146とを備えている。
現像容器145は、現像部100の外郭を構成している。現像容器145の下部には、仕切り部145bが設けられている。仕切り部145bは、現像容器145の内部を第1搬送室145aと第2搬送室145cとに仕切っている。第1搬送室145a及び第2搬送室145cは、図3に垂直な方向に柱状に延びており、磁性キャリアとブラックトナーからなる2成分現像剤(単に現像剤とも呼ばれる。)を収容している。
現像容器145は、磁気ローラ143及び現像ローラ144を回転可能に保持している。現像容器145には、現像ローラ144を感光体ドラム30(30k)に向けて露出させる開口147が形成されている。
2本の攪拌搬送部材141,142は、それぞれ第1搬送室145a及び第2搬送室145cの内部で現像剤を攪拌しつつ循環的に移動させている。攪拌搬送部材142は、磁気ブラシとして、帯電した現像剤を磁気ローラ143に供給する。磁気ローラ143は、非磁性の回転スリーブ143aと、回転スリーブ143aの内部に固定されている固定マグネット体143bとを有している。磁気ローラ143と現像ローラ144とは、所定のクリアランスで対向している。規制ブレード146は、磁気ブラシを予め設定されている所定の高さに調整する。
現像ローラ144は、回転可能な非磁性の現像スリーブ144aと、現像スリーブ144aの内部に固定されている現像ローラ側磁極144bとを有している。磁気ローラ143には、磁気ローラ電位Vmagが印加されている。現像ローラ144には、現像バイアス電位Vslvが印加されている。現像ローラ144には、現像バイアス電位Vslvと磁気ローラ電位Vmagとの間の電位差ΔV(トナー層形成電位差とも呼ばれる。)に応じた厚さのトナー薄層(単にトナー層とも呼ばれる。)が形成される。
現像ローラ144は、感光体ドラム30との間に所定のクリアランスを有する対向部分(現像ニップ)を介してトナー像を感光体ドラム30の表面に形成する。トナー像は、感光体ドラム30の表面の静電潜像の電位と現像ローラ144に印加される現像バイアス電位Vslvの電位差に基づいて形成される。
図4は、一実施形態に係る画像形成装置1のハーフパッチ校正処理手順の内容を示すフローチャートである。本実施形態では、感光体ドラム30c〜30kにアモルファスシリコン感光体が採用されているので、後端溜まりの問題を抑制するためにハーフパッチでベタを表現するように画像形成装置1が構成されている。
アモルファスシリコン感光体は、有機感光体(OPC)に比べ比誘電率が3倍程度高く、現像コントラスト電圧に対して、感光体が保持できるトナー量が多いという特徴を有している。このため、アモルファスシリコン感光体は、通常使用するベタ濃度よりも多くのトナーを保持することが可能である。したがって、アモルファスシリコン感光体は、飽和状態で使用すると、ベタ濃度に必要な量を超えて保持してしまうことになる。よって、アモルファスシリコン感光体は、ベタ濃度においても非飽和状態において使用され、現像ローラ144上に形成されたトナーがほぼすべて感光体に現像されて現像が終了することでベタ濃度が決定されるように使用されることがある。
ところが、ベタ現像時にベタの後端部の近傍には、トナーが未消費の現像ローラ144の表面が存在する。このトナーが未消費の表面は、ニップ部でアモルファスシリコン感光体30におけるベタの潜像画像の後端部を追い越していくことになる。この際、アモルファスシリコン感光体30が非飽和状態なので、トナーが未消費の現像ローラ144の表面から、さらにトナーが現像されてしまうことになる。この現像によって、予め想定されている濃度よりも高いベタ濃度としての後端溜まりが顕在化することになる。
このような後端溜まりの問題は、ハーフパッチでベタを表現することによって抑制することができる。この例では、画像形成装置1は、70%乃至90%のドット面積率のハーフパッチでベタを表現するものとする。
本実施形態では、ハーフパッチによるベタ濃度は、現像部100m、100c、100y及び100kの印加電位である現像バイアス電位Vslvやドット面積率の調整によって校正される。
ステップS10では、制御部10は、校正部として機能し、現像バイアス電位Vslvを段階的に変更した複数のハーフパッチを有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。具体的には、制御部10は、校正前の初期値としてのドット面積率(この例では70%)で現像バイアス電位Vslvが相違する複数のハーフパッチの有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。複数のハーフパッチには、現像バイアス電位Vslvが最大値となっているものも含まれる。
現像バイアス電位Vslvを段階的に変更した複数のハーフパッチを使用するのは、トナー像は、感光体ドラム30の表面の静電潜像の電位と現像ローラ144に印加される現像バイアス電位Vslvの電位差に基づいて形成されるからである。複数のハーフパッチは、CMYKのそれぞれについて形成される。以下では、シアン(C)のハーフパッチを例として説明する。
ステップS20では、制御部10は、校正用濃度センサ28を使用して各色(たとえばシアン(C))のパッチの濃度を計測する。パッチの濃度は、たとえばシアン(C)の補色の関係にある赤色の反射光の光量を計測することができる。MYKについても同様に処理が行われる。
本実施形態では、校正用濃度センサ28は、たとえばLED(図示せず)から赤外光を出射し、P波のみを透過させる偏光フィルタを透過させて赤外光のP波をパッチに照射し、受光素子で検出した反射光のP波とS波の比率に基づいて濃度を検出する。なお、校正用濃度センサ28には、パッチからの正反射光を検出する正反射方式やパッチからの拡散反射光を検出する拡散反射方式もある。
ステップS30では、制御部10は、現像バイアス調整処理を実行する。現像バイアス調整処理では、制御部10は、現像バイアス電位Vslvが段階的に変更されている複数のシアン(C)のハーフパッチの中から予め設定されているベタ画像目標濃度に達しているパッチが存在する場合には、そのパッチに対応する現像バイアス電位Vslvを選択することによって実行される。具体的には、制御部10は、P波とS波の比率が予め設定されている閾値以下のハーフパッチが存在する場合には、そのハーフパッチの中で最も低い現像バイアス電位Vslvを校正後の現像バイアスの電位に調整する。
ステップS40では、制御部10は、ハーフパッチの校正が現像バイアスの調整範囲内で可能である場合には、処理をステップS90に進め、ハーフパッチの校正が現像バイアス電位Vslvの調整範囲内で可能でない場合には、処理をステップS50に進める。ステップS90では、制御部10は、校正後の現像バイアス電位Vslvを記憶部40に印刷設定値SDの一部として記憶する。現像バイアス電位Vslvの調整による校正は、第1の校正処理とも呼ばれる。
ハーフパッチの校正が現像バイアスの調整範囲内で可能でない場合とは、複数のシアン(C)のパッチの中から予め設定されているベタ画像目標濃度に達しているパッチが存在しないことを意味している。通例では、複数のハーフパッチのいずれかがベタ画像目標濃度に達するが、たとえば環境変動などによってトナー帯電量が増加している状態においてベタ画像目標濃度に到達しないこともある。
ステップS50では、制御部10は、現像バイアス電位Vslvを最大値に設定し、ドット面積率を調整して校正する作動モードを開始する。現像バイアス電位Vslvの最大値は、電位制限値とも呼ばれ、たとえば現像バイアスの出力限界や画像への悪影響(かぶりなど)の観点から設定される。
ステップS60では、制御部10は、ドット面積率を段階的に変更した複数のハーフパッチを有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。この例では、ドット面積率は、ドット面積率が71%〜90%の範囲で段階的に変更されている。
ステップS70では、制御部10は、制御部10は、校正用濃度センサ28を使用してシアン(C)のパッチの濃度を計測する。校正用濃度センサ28は、P波とS波の比率を計測する。MYKについても同様に処理が行われる。
ステップS80では、制御部10は、ドット面積率を設定する。具体的には、制御部10は、P波とS波の比率が予め設定されている閾値以下のハーフパッチが存在する場合には、そのハーフパッチの中で最も低いドット面積率のハーフパッチのドット面積率を校正データとして取得する。ドット面積率の調整による校正は、第2の校正処理とも呼ばれる。
ステップS100では、制御部10は、印刷設定値調整処理を実行する。印刷設定値調整処理では、制御部10は、初期値としてのドット面積率(この例では70%)を超えるドット面積率を使用して印刷を行うために印刷設定値を調整する処理である。印刷設定値の調整は、特にトナー付着量に着目して行われる。この例では、ドット面積率が80%に設定されたものとする。
図5は、一実施形態に係る画像形成装置1の印刷設定値調整処理の内容を示すフローチャートである。ステップS110では、制御部10は、CMYKの総トナー量算出処理を実行する。総トナー量算出処理では、制御部10は、第1色変換テーブル21L1を参照し、ドット面積率が80%に設定された場合において、後端部の近傍の画素群で想定される総トナー量が最大トナー付着量を超過するRGB階調値を検索する。総トナー量とは、CMYKの各色のトナー付着量の総量である。
最大トナー付着量は、省エネ作動モード用の第2の目標温度で定着可能として設定されている最大のトナー付着量である。制御部10は、最大トナー付着量を超過するRGB階調値に対応する総トナー量を出力する。後端部の近傍の画素群は、特定画素とも呼ばれ、たとえば後端位置から15画素程度の範囲に相当する。
ステップS120では、制御部10は、UCR(Under Color Removal)調整処理を実行する。UCR調整処理では、制御部10は、CMYKの総トナー量が最大トナー付着量以下となるようにUCR(下色除去)を増大させる。すなわち、制御部10は、CMYからKへの黒置き換え率を増大させる。黒置き換え率の増大は、たとえば総トナー量が予め設定されている基準状態の1.2倍に達したら黒置き換え率を10%増大させるといったテーブルや近似曲線を設定して実行することができる。テーブルや近似曲線は、実験やシミュレーションに基づいて設定することができる。
ただし、制御部10は、黒置き換え率の増加に起因して粒状感の悪化や艶(グロス)感等の画像の質感が過度に劣化しないように予め設定された範囲内で黒置き換え率を調整する。制御部10は、第1色変換テーブル21L1に対して黒置き換え率が調整されたテーブルとして第2色変換テーブル21L2を生成する。
ステップS130では、制御部10は、調整後総トナー量算出処理を実行する。調整後総トナー量算出処理では、制御部10は、黒置き換え率が調整された第2色変換テーブル21L2においてCMYKの調整後総トナー量を算出する。
ステップS140では、制御部10は、調整後総トナー量が制限範囲内、すなわち最大トナー付着量以下の場合には、処理をステップS160に進め、調整後総トナー量が制限範囲内でない場合、すなわち最大トナー付着量を超える場合には、処理をステップS150に進める。
ステップS150では、制御部10は、定着温度調整フラグ処理を実行する。定着温度調整フラグ処理では、制御部10は、第2色変換テーブル21L2において調整後総トナー量が最大トナー付着量を超過するRGB階調値に対して定着温度調整フラグを設定する。定着温度調整フラグは、画像形成装置1が省エネ作動モードに設定されている場合に、通常作動モードに変更することを要求するための制御データとしてのフラグである。
ステップS160では、制御部10は、色変換テーブル更新処理を実行する。色変換テーブル更新処理では、制御部10は、第2色変換テーブル21L2を更新する。これにより、第2色変換テーブル21L2は、80%のドット面積率でベタを再現する印刷を想定した下色除去の実行を可能とし、後端部の近傍の画素群で適切な印刷ができるように定着温度調整フラグが設定されることになる。
印刷設定値の内容は以下のとおりである。
(1)UCR調整処理:後端部の近傍の画素群で想定される総トナー量が最大トナー付着量を超過するRGB階調値に対しては粒状感等が過度に劣化しない範囲で黒置き換え率を増大。
(2)フラグ設定処理:調整後の総トナー量が最大トナー付着量を超過するRGB階調値に対しては画像形成装置1が省エネ作動モードに設定されている場合に通常作動モードに変更。
色変換処理部21は、後端部の近傍の画素群(特定画素)においては第1色変換テーブル21L1と第2色変換テーブル21L2とを使用して色変換処理を実行し、他の画素においては第1色変換テーブル21L1を使用して色変換処理を実行することができる。
一方、画像形成装置1が省エネ作動モードに設定されている場合において、色変換処理部21が第2色変換テーブル21L2において制御データとしての定着温度調整フラグを検出したときには、画像形成装置1の作動モードを通常作動モードに変更することができる。なお、定着温度調整フラグが検出されたときには、RGB階調値やCMYK画像データを調整して総トナー量を削減するようにしてもよい。
このように、一実施形態に係る画像形成装置1では、非飽和状態の感光体で現像を行う電子写真においては、その感光体ドラム30c〜30kの特性に着目してトナー付着量を適切に校正することができる。これにより、色変換処理部21は、色再現の観点からドット面積率が高くなっても後端部の近傍の画素群において定着不良を抑制しつつ安定的に画像を形成することができる。
このように、一実施形態に係る画像形成装置1によれば、非飽和状態の感光体で現像を行ってベタ濃度を実現する電子写真の校正精度を向上させることができる。さらに、画像形成装置1は、ドット面積率が高い校正状態であっても後端部の近傍の画素群において総トナー量が多い混色に対して適切な印刷制御を実現することができる。
本発明は、上記実施形態だけでなく、以下のような変形例でも実施することができる。
変形例1:上記実施形態では、ドット面積率に基づいて後端部の近傍の画素群(特定画素)におけるCMYKの各色のトナーの総量である総トナー量を推定しているが、このような方法に限られず、たとえば図6に示されるような複合ハーフパッチを使用して後端溜まりの影響を計測して総トナー量を推定してもよい。
この変形例では、複合ハーフパッチは、5mm角の正方形のベタパッチSPと、1mm×5mmの直線状の8本のラダーパッチLPとから構成されている。ベタパッチSPの濃度は、後端溜まりの領域を回避するために感光体ドラム30の周速方向の後端部から2mm以上離れた位置に置いて計測される一方、8本のラダーパッチLPは、濃度ピークの平均値として計測される。
ベタパッチSPの濃度は、後端溜まりの影響を殆ど受けないのに対し、8本のラダーパッチLPは、後端溜まりの影響を強く受ける。よって、ベタパッチSPと8本のラダーパッチLPの濃度比を使用して後端溜まりの影響を計測して感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定することができる。
変形例2:上記実施形態は、現像部100c〜100kの現像バイアス電位Vslvで校正し、現像バイアス電位Vslvで校正できない場合に、ドット面積率を調整して校正している。しかしながら、現像バイアス電位Vslvやドット面積率に限られず、露光部29による露光の光量を調整することによって校正してもよい。
ただし、露光の光量を調整することによって校正する場合には、ドット面積率よりも優先的に校正に利用することが好ましい。本発明では、現像バイアス電位Vslvと露光の光量の調整で校正できない場合に、ドット面積率を調整して校正することが好ましい。
変形例3:上記実施形態では、アモルファスシリコン感光体が使用されているが、本発明は、アモルファスシリコン感光体の使用に限定されない。本発明は、一般に非飽和状態の感光体でベタ濃度を再現する画像形成装置に適用することができる。
1 画像形成装置
10 制御部
20 画像形成部
21 色変換処理部
28 校正用濃度センサ
29 露光部
40 記憶部
50 画像読取部
60 給紙カセット
70 筐体

Claims (7)

  1. 画像データに応じて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記画像データに対して色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理部と、
    回転可能な感光体と、
    前記CMYK画像データに基づいて前記感光体に露光して静電潜像を形成する露光部と、
    磁気ローラと、現像ローラとを有し、前記磁気ローラと前記現像ローラと間のトナー層形成電位差に応じた厚さのトナー層を前記現像ローラに形成し、前記現像ローラの電位である現像バイアス電位と前記静電潜像とに基づいて前記トナー層から前記感光体にトナーを付着させるCMYKの各色の現像部と、
    前記感光体から前記CMYKの各色のトナーが転写され、前記転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に転写する中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトから前記画像形成媒体上に転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に定着させる定着部と、
    前記現像部の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、前記第1の校正処理において前記調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正部と、
    を備え、
    前記校正部は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定し、前記推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に前記色変換処理における下色除去の量を増大させる画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記定着部は、比較的に高い第1の目標温度に定着温度を制御する通常作動モードと、比較的に低い第2の目標温度に定着温度を制御する省エネ作動モードとを有し、
    前記トナー量制限値は、前記定着部が前記省エネ作動モードで作動している場合において、前記定着が可能であるとして設定されている制限値であり、
    前記校正部は、予め設定されている範囲で前記下色除去の量を増大させ、前記下色除去された総トナー量が前記トナー量制限値を超える場合に、前記定着部の作動モードを前記省エネ作動モードから前記通常作動モードに変更するための制御データを生成し、
    前記色変換処理部は、前記制御データの検出に応じて前記定着部の作動モードを前記省エネ作動モードから前記通常作動モードに変更する画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、
    前記校正部は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定する画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
    前記校正部は、前記現像バイアス電位と前記ドット面積率の一方が段階的に変更された複数のハーフパッチを前記感光体から前記中間転写ベルトに転写させ、
    前記画像形成装置は、さらに前記中間転写ベルトに形成されている前記複数のハーフパッチの濃度を計測する濃度センサを備え、
    前記校正部は、前記濃度センサによって計測された前記複数のハーフパッチの濃度に基づいて前記第1の校正処理と前記第2の校正処理のいずれか一方を実行する画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、
    前記感光体は、アモルファスシリコン感光体であり、
    前記アモルファスシリコン感光体は、非飽和状態で前記ベタ画像を形成する画像形成装置。
  6. 画像データに応じて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、
    前記画像データに対して色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理工程と、
    前記CMYK画像データに基づいて回転可能な感光体に露光して静電潜像を形成する露光工程と、
    磁気ローラと、現像ローラとを用い、前記磁気ローラと前記現像ローラと間のトナー層形成電位差に応じた厚さのトナー層を前記現像ローラに形成し、前記現像ローラの電位である現像バイアス電位と前記静電潜像とに基づいて前記トナー層から前記感光体にトナーを付着させるCMYKの各色の現像工程と、
    前記感光体から前記CMYKの各色のトナーが転写され、前記転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に転写する中間転写工程と、
    前記中間転写工程で前記画像形成媒体上に転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に定着させる定着工程と、
    前記現像工程の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、前記第1の校正処理において前記調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正工程と、
    を備え、
    前記校正工程は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定し、前記推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に前記色変換処理における下色除去の量を増大させる画像形成方法。
  7. 画像データに応じて画像形成媒体上に画像を形成する画像形成装置を制御するための画像形成プログラムであって、
    前記画像形成装置は、前記画像データに対して色変換処理を実行し、CMYKの各階調値から構成されるCMYK画像データを生成する色変換処理部と、回転可能な感光体と、前記CMYK画像データに基づいて前記感光体に露光して静電潜像を形成する露光部と、磁気ローラと、現像ローラとを有し、前記磁気ローラと前記現像ローラと間のトナー層形成電位差に応じた厚さのトナー層を前記現像ローラに形成し、前記現像ローラの電位である現像バイアス電位と前記静電潜像とに基づいて前記トナー層から前記感光体にトナーを付着させるCMYKの各色の現像部と、前記感光体から前記CMYKの各色のトナーが転写され、前記転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に転写する中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトから前記画像形成媒体上に転写されたCMYKの各色のトナーを前記画像形成媒体上に定着させる定着部とを有し、
    前記画像形成プログラムは、前記現像部の現像バイアス電位を予め設定された調整範囲内で調整して第1の校正処理を実行し、前記第1の校正処理において前記調整範囲内の電位制限値となった場合にベタ画像を形成するためのドット面積率を調整して第2の校正処理を実行する校正部として前記画像形成装置を機能させ、
    前記校正部は、前記調整されたドット面積率に基づいて、前記感光体の回転方向の後端側の端部を構成する特定画素における前記CMYKの各色のトナーの総量を推定し、前記推定されたトナーの総量である総トナー量が予め設定されているトナー量制限値を超える場合に下色除去の量を増大させる画像形成プログラム。

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