以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロックダイアグラムである。画像形成装置1は、制御部10と、画像形成部20と、記憶部40と、画像読取部50と、定着部80とを備えている。画像読取部50は、原稿から画像を読み取ってデジタルデータである画像データIDを生成する。
画像形成部20は、色変換処理部21と、ハーフトーン処理部22と、校正用濃度センサ28と、露光部29と、アモルファスシリコン感光体である感光体ドラム(像担持体)30c〜30kと、現像部100c〜100k、帯電部25c〜25kとを有している。色変換処理部21は、RGBデータである画像データIDをCMYKデータに色変換する。ハーフトーン処理部22は、CMYKデータにハーフトーン処理を実行してCMYKのハーフトーンデータとして印刷データPDを生成する。ハーフトーンデータは、CMYKの各トナーによって形成されるドットの形成状態を表し、ドットデータとも呼ばれる。
制御部10は、ベタ画像検出部11と後端部検出部12と画像解析部13と校正処理部14とを備えている。印刷データPDは、複数の画像領域を含む画像領域群を表している。画像領域群の各画像領域は、ベタ画像領域と、ベタ画像以外を表す非ベタ画像領域(ベタ画像領域以外の画像領域ともいえる。)とに分類される。ベタ画像検出部11、後端部検出部12、画像解析部13及び校正処理部14の機能については後述する。
制御部10は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部10は、各種I/O、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、バス、その他ハードウェア等のインターフェイスに関連するコントローラ機能を備え、画像形成装置1全体を制御する。
記憶部40は、非一時的な記録媒体であるハードディスクドライブやフラッシュメモリー等からなる記憶装置で、制御部10が実行する処理の制御プログラムやデータを記憶する。記憶部40は、本実施形態では、さらに校正用データ格納領域R1及び印刷設定データ格納領域R2を格納している。
図2は、一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す断面図である。本実施形態の画像形成装置1は、タンデム型のカラープリンターである。画像形成装置1は、その筐体70内に、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色に対応させて感光体ドラム(像担持体)30m、30c、30y及び30kが一列に配置されている。感光体ドラム30m、30c、30y及び30kのそれぞれに隣接して、現像部100m、100c、100y及び100kが配置されている。
感光体ドラム30m、30c、30y及び30kには、露光部29から各色用のレーザー光Lm、Lc、Ly及びLkが照射(露光)される。この照射によって、感光体ドラム30m、30c、30y及び30kに静電潜像が形成される。現像部100m、100c、100y及び100kは、トナーを攪拌しながら、感光体ドラム30m、30c、30y及び30kの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより、現像工程が完了し、感光体ドラム30c〜30kの表面に各色のトナー像が形成される。
画像形成装置1は、無端状の中間転写ベルト27を有している。中間転写ベルト27は、テンションローラ24、駆動ローラ26a及び従動ローラ26bに張架されている。中間転写ベルト27は、駆動ローラ26aの回転によって循環駆動させられる。
感光体ドラム30kの上流位置において、中間転写ベルト27を挟んで従動ローラ26bに対抗する位置にクリーニング装置200が配置されている。クリーニング装置200は、微細な繊維が植えられ、高速回転するファーブラシ210を有している。ファーブラシ210は、ブラシ先端の掻き取り力で中間転写ベルト27上のトナーを機械的に除去することができる。このように、画像形成装置1は、中間転写ベルト27に当接するファーブラシ210を使用するブラシクリーニング方式を採用し、使用済みのトナーを掻き取って廃棄している。
たとえば感光体ドラム30k上のブラックのトナー像は、感光体ドラム30kと一次転写ローラ23kとで中間転写ベルト27を挟み、中間転写ベルト27が循環駆動させられることによって中間転写ベルト27に一次転写される。この点は、シアン、イエロー、マゼンタの3色についても同様である。
中間転写ベルト27の表面には、所定のタイミングで相互に重ね合わせられるように一次転写が行われることによってフルカラートナー像が形成される。校正用濃度センサ28は、一次転写が完了し、二次転写の前のトナー像の濃度が計測できる位置に配置されている。
フルカラートナー像は、その後、給紙カセット60から供給された印刷用紙Pに二次転写され、定着部80の定着ローラ対81によって印刷用紙Pに定着される。クリーニング装置200は、校正パッチについても中間転写ベルト27に残留する残留トナーを中間転写ベルト27から除去することができる。印刷媒体は、画像形成媒体とも呼ばれる。
図3は、一実施形態に係る現像部100kの構造を示した側面断面図である。現像部100m、100c及び100yは、現像部100kと同一の構成を有し、これらは単に現像部100とも呼ばれる。現像部100は、2本の攪拌搬送部材141,142と、磁気ローラ143と、現像ローラ(現像剤担持体)144と、現像容器145と、規制ブレード146とを備えている。
現像容器145は、現像部100の外郭を構成している。現像容器145の下部には、仕切り部145bが設けられている。仕切り部145bは、現像容器145の内部を第1搬送室145aと第2搬送室145cとに仕切っている。第1搬送室145a及び第2搬送室145cは、図3に垂直な方向に柱状に延びており、磁性キャリアとブラックトナーからなる2成分現像剤(単に現像剤とも呼ばれる。)を収容する。
現像容器145は、さらに磁気ローラ143及び現像ローラ144を保持している。現像容器145には、現像ローラ144を感光体ドラム30(30k)に向けて露出させる開口147が形成されている。
2本の攪拌搬送部材141,142は、それぞれ第1搬送室145a及び第2搬送室145cの内部で現像剤を攪拌しつつ循環的に移動させている。攪拌搬送部材142は、磁気ブラシとして、正に帯電した現像剤を磁気ローラ143に供給する。磁気ローラ143は、非磁性の回転スリーブ143aと、回転スリーブ143aの内部に固定されている固定マグネット体143bとを有している。磁気ローラ143と現像ローラ144とは、所定のクリアランスで対向している。規制ブレード146は、磁気ブラシを予め設定されている所定の高さに調整する。
現像ローラ144は、回転可能な非磁性の現像スリーブ144aと、現像スリーブ144aの内部で固定されている現像ローラ側磁極144bとを有している。磁気ローラ143には、磁気ローラ電位Vmagが印加されている。現像ローラ144には、現像バイアス電位Vslvが印加されている。
本実施形態において、感光体ドラム30では、表面電位が20Vに設定され、現像ローラ144との間に現像電界を形成している。一方、現像ローラ144には、現像バイアス電位Vslvとしての直流電位20〜80Vと、周波数2kHzのピークツーピーク値2000Vの正弦波電位とが重畳された交番バイアスが印加されている。磁気ローラ143には、現像時において、磁気ローラ電位Vmagとして直流電位200Vが印加され、非現像時において、直流電位−200Vが印加される。
これにより、現像時においては、現像バイアス電位Vslv<磁気ローラ電位Vmag(トナーが現像ローラ144に供給される電位状態)の時間が長くなってトナーが現像ローラ144に供給される時間が長くなり、非現像時においては、現像バイアス電位Vslv>磁気ローラ電位Vmag(トナーが現像ローラ144から回収される電位状態)の時間が長くなってトナーが現像ローラ144から回収される時間が長くなる。
さらに、磁気ローラ143に現像時と非現像時に印加される磁気ローラ電位Vmagを調整することによって、現像バイアス電位Vslvと磁気ローラ電位Vmagとの間の現像時のトナー層形成電位差ΔVを変化させることができる。これにより、現像ローラ144には、現像バイアス電位Vslvと磁気ローラ電位Vmagとの間のトナー層形成電位差ΔVに応じた厚さD(後述の図4(a)参照)のトナー薄層(単にトナー層とも呼ばれる。)が形成される。
現像ローラ144は、感光体ドラム30との間に所定のクリアランスを有する対向部分(現像ニップ)を介して感光体ドラム30にトナーを付着させて、トナー像を感光体ドラム30の表面に形成する。トナー像は、感光体ドラム30の表面における静電潜像の電位と現像ローラ144に印加される現像バイアス電位Vslvの電位差に基づいて形成される。
アモルファスシリコン感光体は、有機感光体(OPC)に比べ比誘電率が3倍程度高く、現像コントラスト電位に対して、感光体が保持できるトナー量が多いという特徴を有している。このため、アモルファスシリコン感光体は、通常使用するベタ濃度よりも多くのトナーを保持することが可能である。したがって、アモルファスシリコン感光体は、飽和状態で使用すると、ベタ濃度に必要な量を超えて保持してしまうことになる。よって、本実施形態では、アモルファスシリコン感光体は、ベタ濃度においても非飽和状態において使用され、現像ローラ144上に形成されたトナーがほぼすべて感光体に現像されて現像が終了することでベタ濃度が決定されるように使用される。
図4は、一実施形態に係る現像工程において後端溜まりが発生する様子を示す概念図である。図4(a)は、画像の先端部と中央部において画像を形成している様子を示している。図4(b)は、画像の後端部において画像を形成している様子を示している。本明細書では、先端部、中央部及び後端部は、感光体ドラム30の進行方向を基準にして、進行方向から順に先端部、中央部及び後端部と定義されている。
本実施形態では、図4(a)に示されるように、感光体ドラム30は、潜像画像の電位を中和しつつ、現像ローラ144の現像スリーブ144aからトナーの供給を受けている。この際、現像工程は、電位の飽和ではなく、非飽和状態において現像スリーブ144a上に形成されたトナー薄層が消費尽くされることによって完了するように構成されている。トナー薄層の厚さDは、画像形成におけるベタ現像時の最高濃度を達成するための厚さT1を有するように設定されている。
図4(b)に示されるように、現像スリーブ144aは、周速Vsを有し、周速Vdの感光体ドラム30を追い越しながら画像を形成するように構成されている。このため、ベタ現像時にベタの後端部の近傍には、トナーが未消費の現像スリーブ144aの表面が存在することになる。このトナーが未消費の表面は、アモルファスシリコン感光体30におけるベタの潜像画像の後端部を追い越していくことになる。
この際、アモルファスシリコン感光体としての感光体ドラム30が非飽和状態なので、トナーが未消費の現像スリーブ144aの表面から、さらにトナーが現像されてしまうことになる。この現像によって、予め想定されている濃度よりも高いベタ濃度としての後端溜まり(厚さT2)が顕在化することになる。
図4(c)は、一例としてベタ画像TPの画像形成時におけるトナーの付着状態(積層状態)を示している。ベタ画像TPでは、画像形成時において後端部においてトナー層が盛り上がっている。このトナー層の盛り上がりは、後端溜まりと呼ばれる。
このような後端溜まりの問題は、ドット面積率を低下させたパッチであるハーフパッチでベタを表現することによって抑制することができる。この例では、画像形成装置1は、70%乃至90%のドット面積率のハーフパッチでベタを表現するものとする。本実施形態では、ハーフパッチによるベタ濃度は、現像部100m、100c、100y及び100kの印加電位である現像バイアス電位Vslvやドット面積率の調整によって校正される。
ただし、後端溜まりの問題は、感光体ドラム30の進行方向において中央部が極度に小さい場合、たとえば感光体ドラム30の進行方向(周速方向)に垂直な方向に細い罫線を再現する場合には、罫線全体の濃度が高くなる。よって、このような罫線は、後端溜まりのような色むらとしての画質劣化を生じさせず、罫線全体の濃度が高くなるだけである。本発明は、後端溜まりに起因する画質劣化の低減を抑制することができる。
図5は、一実施形態に係る画像形成装置1における画像形成処理の内容を示す説明図である。図5(a)は、一実施形態に係る画像形成処理(ステップS100)の内容を示すフローチャートである。ステップS110では、画像形成部20は、色変換処理部21と、ハーフトーン処理部22とを使用してドットデータ生成処理を実行する。ドットデータ生成処理では、画像形成部20は、色変換処理やハーフトーン処理によって、ドットの形成状態を表すドットデータ(印刷データPD)を生成する。
ステップS120では、制御部10は、画像データ解析処理を実行する。画像データ解析処理では、制御部10は、印刷対象となるページ毎に後端溜まりの発生の程度を定量的に数値化する。
図6は、一実施形態に係る画像形成装置1における画像データ解析処理(ステップS120)の内容を示すフローチャートである。ステップS121では、ベタ画像検出部11は、画像属性判定処理を実行する。画像属性判定処理は、印刷データPDによって表される画像領域群に含まれる各画像領域がベタ画像領域であるか否かを判定する処理である。
画像属性判定処理では、ベタ画像検出部11は、各画像領域に順に着目し、ベタ画像領域であるか否か、すなわちベタ画像領域と非ベタ画像領域(ベタ画像領域以外の画像領域ともいえる。)のいずれであるかを判定する。ベタ画像検出部11は、予め設定されたサイズ以上の画像領域であって、画像領域が最高階調値や略最高階調値といった略均一の階調値を有する画像領域をベタ画像領域であると判定する。着目された画像領域は、着目画像領域と呼ばれる。
ステップS122では、ベタ画像検出部11は、着目画像領域がベタ画像領域でない場合には、すなわち非ベタ画像領域である場合には処理をステップS126に進め、着目画像領域がベタ画像領域である場合には処理をステップS123に進める。
ステップS123では、後端部検出部12は、後端部検出処理を実行する。後端部検出処理では、後端部検出部12は、着目画像領域としてのベタ画像領域の後端部を構成する画素を検出する。後端部(画素)の検出は、たとえば微分フィルタやソーベルフィルタ等のフィルタを使用して感光体ドラム30c〜30kの周速方向に垂直な方向の輪郭を検出することによって実現することができる。
ステップS124では、画像解析部13は、特定後端部検出処理を実行する。特定後端部検出処理では、画像解析部13は、周速方向において予め設定されている閾値以上のサイズ(たとえば3乃至7mmといった長さや画素数)を有している中央部に隣接する後端部を特定後端部として抽出する(図4参照)。特定後端部は、後端溜まりを発生させる程のサイズを有する中央部に隣接する後端部である。
ステップS125では、画像解析部13は、特定後端部カウント処理を実行する。特定後端部カウント処理では、着目画像領域の特定後端部を構成する画素の数をカウントする。制御部10は、各画像領域に順に着目して、ステップS121乃至ステップS125の処理を全ての画像領域に対して実行する(ステップS126)。
ステップS127では、画像解析部13は、特定後端部集計処理を実行する。特定後端部集計処理では、画像解析部13は、各画像領域の特定後端部を構成する画素の数を加算して集計し、特定後端部総数を算出する。
ステップS130(図5参照)では、画像解析部13は、印刷条件設定処理を実行する。印刷条件設定処理では、画像解析部13は、特定後端部総数に基づいて予め準備されている印刷条件1乃至印刷条件4のいずれか1つを選択する。印刷条件1乃至印刷条件4は、記憶部40の印刷設定データ格納領域R2に記憶されている。
図5(b)は、一実施形態に係る画像形成装置1において設定可能な4つの印刷条件(印刷条件1乃至印刷条件4)を示している。4つの印刷条件は、ドット面積率が相互に相違するという特徴を有している。
印刷条件1は、ベタ画像を形成する際のドット面積率70%と、70%のドット面積率でベタを形成するためのバイアス電圧であるバイアス1と、70%のドット面積率でベタを形成する際にリニアな入出力関係を実現するための入出力ガンマであるガンマ1とを設定している。一方、印刷条件4は、ベタ画像を形成する際のドット面積率100%と、100%のドット面積率でベタを形成するためのバイアス電圧であるバイアス4と、100%のドット面積率でベタを形成する際にリニアな入出力関係を実現するための入出力ガンマであるガンマ4とを設定している。入出力ガンマは、入出力ガンマ補正値とも呼ばれる。
印刷条件1(ドット面積率70%)は、後端溜まりの抑制に最も効果が高い一方、細線の途切れやジャギー発生の要因となる印刷条件である。印刷条件4(ドット面積率100%)は、細線の途切れやジャギー発生の抑制に最も効果が高い一方、後端溜まりの要因となる印刷条件である。印刷条件2(ドット面積率80%)は、比較的に後端溜まりの抑制を優先する印刷条件である。印刷条件3(ドット面積率90%)は、比較的に細線の途切れやジャギー発生の抑制を優先する印刷条件である。
画像解析部13は、たとえば特定後端部総数が10000以上の後端溜まりが発生しやすい画像に対しては、後端溜まりの抑制に最も効果が高い印刷条件1を選択することができる一方、特定後端部総数が0の後端溜まりの発生が想定されていない画像に対しては、細線の途切れやジャギー発生の抑制に最も効果が高い印刷条件4を選択することができる。
従来は、後端溜まりの抑制と細線の途切れやジャギー発生は、トレードオフの対象となっていた。これに対して、本発明は、画像データPDに基づいて後端溜まりの発生の程度を予測し、予測された後端溜まりの発生の程度に基づいて印刷条件を切り替えることができる。
ステップS140では、画像形成部20は、印刷物出力処理を実行する。印刷物出力処理では、制御部10は、選択された印刷条件に基づいてドット面積率、現像バイアス電位Vslv及び入出力ガンマを設定し、画像形成部20を制御して画像形成媒体に画像を形成させる。制御部10は、画像形成条件設定部やガンマ補正部としての機能をも有している。
このように、画像形成装置1は、画像データPDに基づいて後端溜まりの発生の程度を予測(推測)し、予測された後端溜まりの発生の程度に基づいて印刷条件を切り替えることができるので、後端溜まりの抑制と細線の途切れやジャギー発生というトレードオフの問題を解消することができる。
図7は、一実施形態に係る印刷条件校正処理(ステップS200)の内容を示すフローチャートである。図8は、一実施形態に係る画像形成装置1で使用される光量調整用パッチPL及びバイアス電圧設定用のハイブリッドパッチPHを示す説明図である。このような印刷条件1乃至印刷条件4の印刷条件は、印刷条件校正処理によって実現することができる。
ステップS210では、校正処理部14は、光量校正処理を実行する。光量校正処理では、校正処理部14は、予め設定されている複数の段階で段階的に変更した複数の光量のレーザー光で露光部29に露光させて複数の光量調整用パッチPLを有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。光量調整用パッチPLを表す画像データは、記憶部40の校正用データ格納領域R1に格納されている。
校正処理部14は、複数の相違する光量のレーザー光で光量調整用パッチPLを形成するように感光体ドラム30c〜30kを露光する。この例では、光量調整用パッチPLは、光量調整に適切なドット面積率として25%のドット面積率を有している。
校正処理部14は、校正用濃度センサ28を使用して各色(たとえばブラック(K))のパッチの濃度を計測する。校正処理部14は、複数の相違する光量のレーザー光で露光された複数の光量調整用パッチPLの反射光を使用して、たとえば内挿計算を実行して予め設定された目標濃度となるような光量である校正光量を設定する。校正処理部14は、校正光量を記憶部40の印刷設定データ格納領域R2に記憶する。この例では、印刷条件1乃至印刷条件4に対して、単一の校正光量が共通に使用される。
本実施形態では、校正用濃度センサ28は、たとえばLED(図示せず)から赤外光を出射し、P波のみを透過させる偏光フィルタを透過させて赤外光のP波をパッチに照射し、受光素子で検出した反射光のP波とS波の比率に基づいて濃度を検出する。なお、校正用濃度センサ28には、パッチからの正反射光を検出する正反射方式やパッチからの拡散反射光を検出する拡散反射方式もある。
図9は、一実施形態に係る現像バイアス校正処理(ステップS220)の内容を示すフローチャートである。ステップS220では、校正処理部14は、現像バイアス校正処理を実行する。現像バイアス校正処理では、校正処理部14は、校正光量において、画像形成用バイアス電位と、レジストレーション用バイアス電位とを校正する。レジストレーション用バイアス電位は、色ずれ検知用の現像バイアス電位である。
ステップS221では、校正処理部14は、ハイブリッドパッチ形成処理を実行する。ハイブリッドパッチ形成処理では、校正処理部14は、現像バイアス電位Vslvを予め設定されている複数の段階で段階的に変更した複数のハイブリッドパッチPHを有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。ハイブリッドパッチPHを表す画像データは、記憶部40の校正用データ格納領域R1に格納されている。
なお、この例では、ハイブリッドパッチPHは、説明を分かりやすくするために、ハーフパッチP80と、ソリッドパッチP100とから構成されている。ハーフパッチP80は、印刷条件2のドット面積率が80%の画像形成用バイアス電位の校正に使用されるパッチである。ソリッドパッチP100は、レジストレーション用バイアス電位の校正に使用されるドット面積率が100%、すなわち色ずれ検知用のドット面積率を有するパッチである。
また、ハイブリッドパッチPHは、印刷条件1乃至印刷条件4にそれぞれ対応するドット面積率が70%、80%、90%及び100%の4つのパッチの組合せとして構成することができる。
現像バイアス電位Vslvを段階的に変更した複数のハイブリッドパッチPHを使用するのは、トナー像は、感光体ドラム30の表面の静電潜像の電位と現像ローラ144に印加される現像バイアス電位Vslvの電位差に基づいて形成されるからである。複数のハーフパッチは、CMYKのそれぞれについて形成される。以下では、シアン(C)のハーフパッチを例として説明する。
ステップS222では、校正処理部14は、濃度検知処理を実行する。濃度検知処理では、校正処理部14は、校正用濃度センサ28を使用してハーフパッチP80及びソリッドパッチP100の各色(たとえばシアン(C))のパッチの濃度を計測する。パッチの濃度は、たとえばシアン(C)の補色の関係にある赤色の反射光の光量として計測することができる。MYKについても同様に処理が行われる。
ステップS223では、校正処理部14は、校正用データ格納領域R1から読み出された前回面積率偏差が閾値0よりも大きいか否かを判断する。前回面積率偏差が閾値0以上の場合には、校正処理部14は、処理をステップS224に進め、前回面積率偏差が閾値0未満の場合には、校正処理部14は、処理をステップS225に進める。この例では、前回面積率偏差は、前回の入出力ガンマの校正で最終的に残存した階調値の偏差である。この例では、階調値は、0乃至255の階調を有している。
ステップS224では、校正処理部14は、画像形成用バイアス電位の校正に使用される濃度目標値を調整して調整目標値を設定する。調整目標値(バイアス電位の校正に実際に使用される濃度目標値)は、たとえば前回面積率偏差に相当する階調偏差αをノミナルの濃度目標値(ベタの濃度値)に加算することによって算出することができる。これにより、画像形成用バイアス電位は、階調偏差αに応じて上昇することになる。
ステップS225では、校正処理部14は、たとえば前回面積率偏差に相当する階調偏差αをノミナルの濃度目標値(ベタの濃度値)から減算することによって調整目標値(バイアス電位の校正に実際に使用される濃度目標値)を算出して設定することができる。これにより、画像形成用バイアス電位は、階調偏差αに応じて低下することになる。
画像の濃度は、画像形成用バイアス電位が高いほど上昇し、ドット面積率が高いほど上昇する。よって、画像形成用バイアス電位の上昇は、目標濃度の再現においてドット面積率の減少の要因となり、画像形成用バイアス電位の低下は、目標濃度の再現においてドット面積率の上昇の要因となる。よって、階調偏差αを使用する目標値の調整は、前回面積率偏差を相殺するように働くことになる。
ステップS226では、校正処理部14は、画像形成用バイアス校正処理を実行する。画像形成用バイアス校正処理では、校正処理部14は、現像バイアス電位Vslvを段階的に変更した複数のハイブリッドパッチPHのうちのハーフパッチP80の計測濃度と調整目標値とを使用して、現像バイアス電位Vslvを校正することができる。
具体的には、校正処理部14は、現像バイアス電位Vslvが段階的に変更されている複数のシアン(C)のハーフパッチの中から予め設定されているベタ画像目標濃度に達しているパッチが存在する場合には、そのパッチに対応する現像バイアス電位Vslvを選択することによって実行される。すなわち、校正処理部14は、P波とS波の比率が予め設定されている閾値以下のハーフパッチが存在する場合には、そのハーフパッチの中で最も低い現像バイアス電位Vslvを校正後の現像バイアスの電位に調整する。これにより、校正処理部14は、印刷条件2のバイアス2の現像バイアス電位Vslvを校正することができる。
ステップS227では、校正処理部14は、色ずれ検知用の校正処理であるレジストレーション用バイアス校正処理を実行する。レジストレーション用バイアス校正処理では、現像バイアス電位Vslvを段階的に変更した複数のハイブリッドパッチPHのうちのソリッドパッチP100の計測濃度と調整目標値とを使用して、現像バイアス電位Vslvを校正することができる。これにより、校正処理部14は、レジストレーション用バイアス校正用の現像バイアス電位Vslv(色ずれ検知用の現像バイアス電位)を校正することができる。
校正処理部14は、同様の方法で、印刷条件1及び印刷条件3の現像バイアス電位Vslvを校正することができる。一方、レジストレーション用バイアス校正用の現像バイアス電位Vslvは、印刷条件4の現像バイアス電位Vslvとして共用することができる。校正処理部14は、校正後の全ての現像バイアス電位Vslvを記憶部40の印刷設定データ格納領域R2に記憶する。
ステップS230(図7)では、校正処理部14は、印刷条件1乃至印刷条件4について、ハーフパッチの校正が現像バイアスの調整範囲内で可能である場合には、処理をステップS250に進め、ハーフパッチの校正が現像バイアス電位Vslvの調整範囲内で可能でない場合には、処理をステップS240に進める。
ハーフパッチの校正が現像バイアスの調整範囲内で可能でない場合とは、複数のシアン(C)のパッチの中から予め設定されているベタ画像目標濃度に達しているパッチが存在しないことを意味している。通例では、複数のハーフパッチのいずれかがベタ画像目標濃度に達するが、たとえば環境変動などによってトナー帯電量が増加している状態においてベタ画像目標濃度に到達しないこともある。
この例では、校正処理部14は、印刷条件1(ドット面積率70%)については現像バイアス電位Vslvの調整範囲内で可能でないと判断し、印刷条件2乃至4(ドット面積率70%)については現像バイアスの調整範囲内で可能であると判断したものとする。この場合、印刷条件1についてのみ、処理がステップS240に進められる。
図10は、一実施形態に係るドット面積率調整処理(ステップS240)の内容を示すフローチャートである。ステップS241では、校正処理部14は、現像バイアス電位Vslvを最大値に設定し、ドット面積率を調整して校正する処理を開始する。現像バイアス電位Vslvの最大値は、電位制限値とも呼ばれ、たとえば現像バイアスの出力限界や画像への悪影響(かぶりなど)の観点から設定される。
ステップS242では、校正処理部14は、ドット面積率を段階的に変更した複数のハーフパッチを有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。この例では、ドット面積率は、ドット面積率が71%〜79%の範囲で段階的(たとえば73%、75%、77%の3段階)に変更されている。印刷条件2(ドット面積率80%)については、ハーフパッチの校正が現像バイアスの調整範囲内で可能であると判断されたからである。
ステップS243では、校正処理部14は、校正用濃度センサ28を使用してシアン(C)のパッチの濃度を計測する。校正用濃度センサ28は、P波とS波の比率を計測する。MYKについても同様に処理が行われる。
ステップS244では、校正処理部14は、ドット面積率設定処理を実行する。具体的には、校正処理部14は、P波とS波の比率が予め設定されている閾値以下のハーフパッチが存在する場合には、そのハーフパッチ(たとえば73%、75%、77%の3段階)の中で最も低いドット面積率のハーフパッチのドット面積率を印刷条件設定データとして取得する。この例では、調整後のドット面積率は、ハーフパッチP73(ドット面積率73%)でP波とS波の比率が予め設定されている閾値以下となったものとする。
校正処理部14は、調整後のドット面積率(73%)及び現像バイアス電位Vslvの最大値で印刷条件1のデータを更新し、記憶部40の印刷設定データ格納領域R2に記憶する。
ステップS250(図7)では、校正処理部14は、ガンマ設定処理を実行する。ガンマ設定処理では、校正処理部14は、印刷条件1については最大のドット面積率を73%に設定する。これにより、校正処理部14は、0乃至255(濃度0%〜100%)の入力階調値に対してリニアに0乃至255(濃度0%〜100%)の画像濃度としての出力階調値(ドット面積率0%〜73%)を実現するための入出力ガンマを設定することができる。
校正処理部14は、印刷条件2、印刷条件3及び印刷条件4については、0乃至255の入力階調値に対して、それぞれ最大のドット面積率を80%、90%及び100%に設定する。これにより、校正処理部14は、0乃至255の入力階調値に対して、それぞれリニアに0乃至255の出力階調値(ドット面積率0%〜80%、ドット面積率0%〜90%及びドット面積率0%〜100%、)を実現するための入出力ガンマを設定することができる。
図11は、一実施形態に係るガンマ校正処理で使用されるガンマ調整用パッチを示す説明図である。ガンマ調整用パッチは、ドット面積20%のハーフパッチP20、ドット面積40%のハーフパッチP40、ドット面積60%のハーフパッチP60、ドット面積80%のハーフパッチP80及びドット面積100%のソリッドパッチP100を有している。
校正処理部14は、印刷条件1(ドット面積率73%に更新済み)については、現像バイアス電位Vslvをバイアス1に設定し、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60及びハーフパッチP73を有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。校正処理部14は、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60及びハーフパッチP73の濃度を計測し、0乃至255の入力階調値に対して、それぞれリニアに0乃至255の出力階調値(ドット面積率0%〜73%)を実現するための入出力ガンマ(ガンマ1)を設定する。
校正処理部14は、印刷条件2(ドット面積率80%)については、現像バイアス電位Vslvをバイアス2に設定し、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60及びハーフパッチP80を有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。校正処理部14は、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60及びハーフパッチP80の濃度を計測し、0乃至255の入力階調値に対して、それぞれリニアに0乃至255の出力階調値(ドット面積率0%〜80%)を実現するための入出力ガンマ(ガンマ2)を設定する。
校正処理部14は、印刷条件3(ドット面積率90%)については、現像バイアス電位Vslvをバイアス3に設定し、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60、ハーフパッチP80及びハーフパッチP90(ドット面積率90%)を有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。校正処理部14は、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60、ハーフパッチP80及びハーフパッチP90の濃度を計測し、0乃至255の入力階調値に対して、それぞれリニアに0乃至255の出力階調値(ドット面積率0%〜90%)を実現するための入出力ガンマ(ガンマ3)を設定する。
校正処理部14は、印刷条件4(ドット面積率100%)については、現像バイアス電位Vslvをバイアス4に設定し、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60、ハーフパッチP80及びソリッドパッチP100を有するチャートを中間転写ベルト27に形成する。校正処理部14は、ハーフパッチP20、ハーフパッチP40、ハーフパッチP60、ハーフパッチP80及びソリッドパッチP100の濃度を計測し、0乃至255の入力階調値に対して、それぞれリニアに0乃至255の出力階調値(ドット面積率0%〜100%)を実現するための入出力ガンマ(ガンマ4)を設定する。
本願発明者は、目標となる出力階調値(濃度)を実現するためには、現像バイアス電位Vslvの設定時に想定したドット面積率(たとえば印刷条件2の場合には、80%)から入出力ガンマ設定後のドット面積率が遊離することがあることを見いだした。
ステップS260では、校正処理部14は、面積率偏差取得処理を実行する。面積率偏差取得処理では、校正処理部14は、校正された入出力ガンマ補正値を使用して、ベタ画像を再現するための入力階調値に対応するドット面積率を決定し、決定されたドット面積率と目標値としての所定のドット面積率との間の偏差を算出する。校正処理部14は、たとえば入出力ガンマ補正値を使用してドット面積率と目標値の偏差を0乃至255の階調偏差αに換算し、印刷条件1乃至印刷条件4でのそれぞれの階調偏差α(α1乃至α4)を記憶部40の校正用データ格納領域R1に格納する。このように、校正処理部14は、偏差管理部としても機能する。
具体的には、印刷条件1では、校正処理部14は、ガンマ校正処理後の入力階調値が100%に対するドット面積率とドット面積率73%(目標値)の偏差を算出する。印刷条件2乃至4については、入力階調値が100%に対する印刷条件2乃至4でのドット面積率のそれぞれと、ドット面積率80%乃至100%(目標値)の偏差を算出する。
ステップS270では、校正処理部14は、レジストレーション調整処理を実行する。レジストレーション調整処理では、校正処理部14は、CMYKの各画像を相互に重ね合わせてフルカラートナー像を形成するためのCMYKの画像形成タイミングを調整する。すなわち、校正処理部14は、複数の現像部100c〜100kによって中間転写ベルト27上に形成されるCMYKの複数の画像間の色ずれを検知し、複数の画像間の色ずれを抑制するように複数の現像部での画像形成タイミングや主走査方向の相対的な画像形成位置を調整する。
図12は、一実施形態に係るレジストレーション調整処理で使用されるレジストレーション調整用チャートを示す説明図である。校正処理部14は、レジストレーション用バイアス電位を使用し、ドット面積率100%でレジストレーション調整用チャートPRを中間転写ベルト27に形成する。
レジストレーション調整用チャートPRは、所定のタイミングでCMYKの各トナーで、それぞれK主パッチKm、M主パッチMm、C主パッチCm及びY主パッチYmと、K副パッチKs、M副パッチMs、C副パッチCs及びY副パッチYsとを形成する。K主パッチKm、M主パッチMm、C主パッチCm及びY主パッチYmは、主走査方向(搬送方向と垂直方向)の色ずれ量を検知するためのパッチである。K副パッチKs、M副パッチMs、C副パッチCs及びY副パッチYsは、副走査方向(搬送方向と平行方向)の色ずれ量を検知するためのパッチである。
校正処理部14は、各パッチの先端側での濃度上昇のタイミングを検知し、複数の現像部100c〜100kによって形成される画像の位置関係を計測する。校正処理部14は、計測された画像の位置関係に基づいて複数の画像間の色ずれを検知することができる。校正処理部14は、検知された色ずれを抑制するように、複数の現像部100c〜100kによる画像形成の相対的な時間差(タイミング)や主走査方向の位置を校正する。
レジストレーション調整用チャートPRは、ドット面積率100%で形成される。たとえばドット面積率70%程度でレジストレーション調整用チャートPRを形成すると、輪郭(この場合は、先端側の輪郭)にジャギー(ギザギザの輪郭)が発生して、正確な色ずれ量の検知ができないからである。
しかしながら、従来は、後端溜りを抑制するためのドット面積率70%(色ずれ検知用のドット面積率よりも低いドット面積率)程度でベタ濃度を実現するための現像バイアス電位が使用されていた。本願発明者は、このような現像バイアス電位Vslvを使用してドット面積率100%でレジストレーション調整用チャートPRを形成すると、パッチのトナー量が過多となってパッチのクリーニング性の悪化や色ずれ検知のバラツキが発生することを見出した。
本実施形態は、ドット面積率100%を想定して設定された現像バイアス電位Vslvを使用してレジストレーション調整用チャートPRを形成するので、レジストレーション調整用チャートPRのトナー過多によるクリーニング性の悪化や検知バラツキを抑制することができる。
ステップS280では、校正処理部14は、印刷パラメータ設定処理を実行する。印刷パラメータ設定処理では、印刷条件1乃至印刷条件4のそれぞれにドット面積率、現像バイアス電位Vslv及び入出力ガンマを設定して印刷設定データ格納領域R2に格納する。一方、特定後端部装数の範囲は、各サイズの印刷媒体毎に実験やシミュレーションを実施して決定することができる。
このように、一実施形態に係る画像形成装置1では、非飽和状態の感光体でベタ濃度を再現する画像形成装置において、後端溜りを抑制しつつ高画質を実現するための主として3つの特徴を有している。
第1の特徴は、画像データPDに基づいて後端溜まりの発生の程度を予測し、予測された後端溜まりの発生の程度に基づいて印刷条件(画像形成条件とも呼ばれる。)を切り替えることができる。これにより、後端溜まりの抑制と細線の途切れやジャギー発生というトレードオフの問題を解消することができる。
第2の特徴は、ガンマ校正後のドット面積率に着目し、次回に現像バイアス電位Vslvを設定する校正実施時の目標値を補正することで、ガンマ校正後のドット面積率を目標値に近づけることができる。これにより、後端溜まりの抑制と細線の途切れやジャギー発生を高精度のバランスで実現することができる。
第3の特徴は、ドット面積率100%を想定してレジストレーション調整用に個別に設定された現像バイアス電位Vslvを使用してレジストレーション調整用チャートPRを形成することができる。これにより、レジストレーション調整用チャートPRのトナー過多によるクリーニング性の悪化や検知バラツキを抑制することができる。
本発明は、上記実施形態だけでなく、以下のような変形例でも実施することができる。
上記実施形態では、アモルファスシリコン感光体が使用されているが、本発明は、アモルファスシリコン感光体の使用に限定されない。本発明は、一般に非飽和状態の感光体でベタ濃度を再現する画像形成装置に適用することができる。