JP2019034492A - 転写媒体、印刷物、樹脂組成物及び転写方法 - Google Patents

転写媒体、印刷物、樹脂組成物及び転写方法 Download PDF

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Abstract

【課題】布帛等の印刷媒体に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成するための転写媒体を提供する。【解決手段】転写媒体(10)は、剥離シート(1)と、ポリエステル樹脂を含む樹脂層(2)と、着色剤として昇華染料を含む画像層(3)とを備え、当該ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が25℃以下、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上である。【選択図】図1

Description

本発明は転写媒体、印刷物、樹脂組成物及び転写方法に関する。
昇華転写は、熱を加えると昇華する昇華染料を含むインクをインクジェットプリンタによって転写紙等の転写媒体に印刷し、当該転写媒体と印刷媒体とを重ねて加熱及び加圧することで、転写媒体上の昇華染料を含むインクを印刷媒体に転写する転写方法である。この昇華転写によれば、高画質の写真画像や、グラデーション等のオリジナルの画像を高画質のまま印刷可能であり、製版が不要なため、コストを削減することができる。また、分散染料及びカチオン可染型染料等の染料を用いた転写方法と異なり、昇華転写は、蒸し工程及び水洗工程等の後処理も不要なため、工程を簡略化することができる。
しかし、一般的に、昇華染料を含むインクによって画像を印刷することができる布帛は、ポリエステルのような一部の合成繊維に限られ、天然繊維である綿等のセルロース系繊維には昇華染料を含むインクによって画像を印刷することは困難である。
そこで、セルロース系繊維の水酸基(−OH)をエステル化する化学処理法(特許文献1及び2)や、ポリエステル、アクリル及びウレタン等の樹脂層を布帛に形成し、その樹脂層に昇華染料を含むインクで画像を印刷する表面処理法(特許文献3〜7)が検討されている。
化学処理法は、化学構造そのものが変化するため、エステル化された天然繊維の耐久性の低下、複雑な反応装置、薬品の管理、及び、後処理等が必要となる等の問題がある。そのため、化学処理法よりも表面処理法を用いることが多い。
特開2003−11935号公報(2003年1月15日公開) 特開2013−7130号公報(2013年1月10日公開) 特開平7−3368号公報(1995年1月6日公開) 特開2002−2352228号公報(2002年8月23日公開) 特開2003−268682号公報(2003年9月25日公開) 特開2005−29900号公報(2005年2月3日公開) 特開2005−29908号公報(2005年10月27日公開)
しかしながら、上述の表面処理法のように、単なるポリエステル、アクリル、ウレタン等を含む樹脂層を布帛に形成し、当該樹脂層の表面に昇華染料を含むインクを染着させることで、画像を印刷するだけでは、樹脂層は発色性に優れない。また、このような樹脂層は布帛から剥離し易く、洗濯堅牢性に優れない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、布帛等の印刷媒体に、発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成するための転写媒体、及び、その関連技術を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、以下の本発明に達した。
本発明に係る転写媒体は、剥離シートと、上記剥離シート上に形成されている樹脂層と、上記樹脂層上に形成されている画像層とを備え、上記樹脂層は、ポリエステル樹脂を含み、上記画像層は、着色剤として昇華染料を含み、上記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であることを特徴とする。
樹脂層を布帛等の印刷媒体に転写し、熱圧着すると、樹脂層上に形成された画像層中の昇華染料が昇華する。このとき、樹脂層は昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂を含むため、高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層は印刷媒体に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成することができる。また、分散染料及びカチオン可染型染料等の染料を用いた転写方法と異なり、昇華転写は、蒸し工程及び水洗工程等の後処理も不要なため、工程を簡略化することができる。
本発明に係る転写媒体では、上記ポリエステル樹脂は、上記ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が5000以上15000以下又は25000以上30000以下のポリエステル樹脂であることが好ましい。
上記構成によれば、より発色性及び洗濯堅牢性に優れたポリエステル樹脂を樹脂層が含むことで、布帛等の印刷媒体に、発色性及び洗濯堅牢性により優れる樹脂層を形成することができる。
本発明に係る転写媒体では、上記樹脂層の厚さは、4μm以上1000μm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、樹脂層の厚さが4μm以上であることで、樹脂層上に形成されている画像層中の昇華染料を加熱によって昇華させた場合、樹脂層を高濃度で発色させることができる。また、樹脂層の厚さが1000μm以下であることにより、コストを高めることなく、剥離シートに好適に樹脂層を形成することができる。
本発明に係る転写媒体では、上記剥離シートと上記樹脂層との間に、上記樹脂層を保護する層であるオーバーコート層をさらに備えていることが好ましい。
上記構成によれば、転写媒体を印刷媒体に転写した場合、樹脂層の上面にオーバーコート層を形成することができる。これにより、樹脂層がオーバーコート層によって保護されるため、樹脂層の洗濯堅牢性、及び、特に、耐擦過性等の耐候性を向上させることができる。
本発明に係る印刷物は、印刷媒体と、上記印刷媒体上に形成されている画像層と、上記画像層上に形成されている樹脂層と、を備え、上記画像層は、着色剤として昇華染料を含み、上記樹脂層は、ポリエステル樹脂を含み、上記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であるであることを特徴とする。
樹脂層と、布帛等の印刷媒体とを熱圧着すると、画像層中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂層は昇華染料に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂を含むため、高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層は印刷媒体に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体に、発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成することができる。
本発明に係る樹脂組成物は、転写媒体が備える樹脂層を形成するための樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂を含み、上記ポリエステル樹脂はガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であることを特徴とする。
上記構成の樹脂組成物によって形成された樹脂層上に昇華染料を含む画像層を形成し、この樹脂層を布帛等の印刷媒体に転写し、熱圧着すると、画像層中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂組成物は昇華染料に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂を含むため、樹脂層は高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層は印刷媒体に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成することができる。
本発明に係る転写方法は、剥離シート上に樹脂層を形成し、当該樹脂層上に画像層を形成する層形成工程と、上記層形成工程の後に、上記剥離シートと上記樹脂層と上記画像層とを備えた転写媒体から印刷媒体に上記樹脂層と上記画像層とを転写する転写工程と、を包含し、上記樹脂層はポリエステル樹脂を含み、上記画像層は、着色剤として昇華染料を含み、上記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であることを特徴とする。
上記樹脂層を布帛等の印刷媒体に転写し、熱圧着すると、画像層中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂層は昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂を含むため、高濃度で発色する。また、転写後に熱圧着された樹脂層は印刷媒体に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成することができる。
本発明に係る転写方法は、上記層形成工程では、上記剥離シート上に、コーターを用いて上記樹脂層を形成することが好ましい。
剥離シート上に、コーターを用いて樹脂層を形成することで、剥離シート上に均一な樹脂層を形成することができる。これにより、樹脂層の耐擦過性を向上させることができる。
本発明に係る転写方法は、上記層形成工程では、上記剥離シートと上記樹脂層との間に、上記樹脂層を保護する層であるオーバーコート層をさらに形成し、上記転写工程では、上記剥離シートと上記オーバーコート層と上記樹脂層と上記画像層とを備えた転写媒体から印刷媒体に上記オーバーコート層と上記樹脂層と上記画像層とを転写することが好ましい。
上記構成によれば、転写媒体を印刷媒体に転写した場合、樹脂層の上面にオーバーコート層を形成することができる。これにより、樹脂層がオーバーコート層によって保護されるため、樹脂層の洗濯堅牢性、及び、特に、耐擦過性等の耐候性を向上させることができる。
本発明に係る転写方法は、上記層形成工程では、上記樹脂層上に、インクジェットプリンタを用いて画像層を形成することが好ましい。
インクジェットプリンタを用いて画像層を形成することで、効率的に樹脂層上に画像層を形成することができる。
本発明に係る転写媒体によれば、布帛等の印刷媒体に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層を形成することができるという効果を奏する。
本発明に一実施形態に係る転写媒体の概要を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る転写方法の概要を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1及び2を参照して、以下に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る転写媒体を示す模式図であり、図2は本発明の一実施形態に係る転写方法の概要を示す模式図である。
<転写媒体10>
本発明の一実施形態に係る転写媒体10は、剥離シート1と、剥離シート1上に形成されている樹脂層2と、樹脂層2上に形成されている画像層3とを備え、印刷媒体20に、樹脂層2及び画像層3を転写するものである。図1の(a)に示すように、転写媒体10は、剥離シート1、樹脂層2及び画像層3のみを備えていてもよく、図1の(b)に示すように、剥離シート1と樹脂層2との間に、オーバーコート層4をさらに備えていてもよい。
〔剥離シート1〕
剥離シート1は、転写媒体10において樹脂層2を支持するものであり、樹脂層2が印刷媒体20上に転写及び熱圧着された後に樹脂層2から剥離可能なものである。剥離シート1としては、例えば、表面に非シリコーン系剥離剤等の剥離剤を含む紙、フィルム、金属、ガラス、樹脂及びゴム等が挙げられ、表面に剥離剤を含む紙及びフィルムが好ましい。表面に剥離剤を含む紙を剥離シート1として用いることで、凸凹のある紙に樹脂層2を形成し、これにより樹脂層2を剥離シート1からより剥離しやすくすることができる。また、フィルムを剥離シート1として用いることで、表面に剥離剤を含む紙に比べて、より透明で平坦な樹脂層2を剥離シート1上に形成することができる。
〔樹脂層2〕
樹脂層2は、後述するポリエステル樹脂Aを含み、転写媒体10から布帛等の印刷媒体20に転写される。樹脂層2を布帛等の印刷媒体20に転写し、熱圧着すると、画像層3中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂層2は、昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、一般的な樹脂層と異なり、樹脂層2を厚くしなくても、高濃度で発色する。また、布帛等の印刷媒体20の転写面のみに樹脂層2を薄く形成することができるため、樹脂層2を形成した印刷媒体20である印刷物30の風合いの低下(ゴワツキ)を抑制することができる。なお、上述の染着性とは、加熱により昇華染料を含む着色剤が樹脂層に浸透する浸透のしやすさを意味する。
樹脂層2の厚さとしては、4μm以上1000μm以下が好ましく、10μm以上300μm以下であることがより好ましく、15μm以上100μm以下がさらに好ましい。樹脂層2の厚さが4μm以上であることで、樹脂層2に形成されている画像層3中の昇華染料を加熱によって昇華させた場合、樹脂層2は高濃度で発色する。また、樹脂層2の厚さが1000μm以下であることにより、コストを高めることなく、剥離シート1に好適に樹脂層2を形成することができる。
(ポリエステル樹脂A)
ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂である。このようなポリエステル樹脂Aは、昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有する。樹脂層2がポリエステル樹脂Aを含むことで、樹脂層2上の画像層3中の昇華染料を加熱によって昇華させたとき、樹脂層2は高濃度で発色する。また、この樹脂層2を布帛等の印刷媒体20に転写したときに、樹脂層2は印刷媒体20に密着するため、印刷媒体20から剥離しにくい。これにより、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層2を形成することができる。その結果、樹脂層2上にオーバーコート材を塗布しなくてもよく、印刷媒体20に転写後に、印刷媒体20を洗浄するといった後処理を行う必要がない。なお、上述の数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用い、溶媒としてテトラヒドロフランを用いたゲルバーミエーションクロマトグラフィーによって測定したときの値である。
また、ポリエステル樹脂Aは、転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が5000以上15000以下又は25000以上30000以下のポリエステル樹脂であることが好ましい。ガラス転移温度が好ましい範囲にあることで、ポリエステル樹脂Aに対する昇華染料を含む着色剤の染着性はより高く、より優れた発色性の樹脂層2を印刷媒体20に形成することができる。また、ガラス転移温度が好ましい範囲にあることで、樹脂層2が柔軟になり、屈曲による樹脂層2の割れや剥離シート1からの剥離が起こりにくくなる。その結果、洗濯しても、樹脂層2の発色濃度が低下しにくくなり、樹脂層2はより洗濯堅牢性に優れる。
また、ポリエステル樹脂Aの融点又は軟化点は、樹脂層2の転写と樹脂層2中の昇華染料の昇華とを同時に行う点から、120℃以上200℃以下が好ましく、昇華染料の昇華温度よりも低い温度で布帛等の印刷媒体20に樹脂層2を転写する点から、140℃以上180℃以下がより好ましい。転写するときの加熱温度が高いほど布帛等の印刷媒体20に対する樹脂層2の密着性が高まる。
ポリエステル樹脂Aとしては、例えば、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエステル変性物のうちの少なくとも1つを含むことが好ましく、芳香族ポリエステル変性物を含むことがより好ましい。また、芳香族ポリエステル変性物のなかでも芳香族ポリエステルを変性した飽和共重合ポリエステルを含むことが好ましい。芳香族ポリエステルを樹脂層2が含むことにより、発色性により優れた樹脂層2を布帛等の印刷媒体20に形成することができる。また、ポリエステル樹脂Aは、水溶性ポリエステル樹脂でもよいが、印刷媒体20に転写した後、洗濯堅牢性に優れるメチルエチルケトン及びトルエン等の有機溶剤に可溶な非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレートの共重合体、ポリトリブチレンテレフタレートの共重合体及びポリエチレンナフトレートの共重合体等が挙げられる。このような非晶性ポリエステル樹脂を用いることにより、水溶性ポリエステル樹脂に比べて、耐水性に優れる樹脂層2を形成することができる。なお、水溶性ポリエステル樹脂の製品としては、例えば、東洋紡株式会社製のバイロナールMD−1480等が挙げられる。また、非晶性ポリエステル樹脂の製品としては、例えば、ユニチカ株式会社製のエリーテルUE−3223、エリーテルUE−3300、エリーテルUE−3500、及び、東洋紡株式会社製のGK−680等が挙げられる。
(その他の成分)
樹脂層2は、上述のポリエステル樹脂A以外の成分として、例えば、積層性の観点からアクリル系樹脂及びSiO等のアンチブロッキング材と、堅牢性の観点から架橋剤とを含んでいてもよい。また、樹脂層2の樹脂膜中に機能性材料を積層してもよく、例えば、UV吸収基を持つウレタン及びアクリル樹脂を積層して、樹脂層2に耐光性を付与したり、TiO又はZnO等を積層して樹脂層2を白色化し、濃色の印刷媒体20に転写したりしてもよい。また、樹脂層2は、剥離シート1が金属、樹脂又はガラス等であっても密着性を高めるために、樹脂改質剤をさらに含んでいてもよい。
〔画像層3〕
画像層3は、着色剤として昇華染料を含み、例えば、インクジェットプリンタから昇華染料を含むインクを吐出して印刷することができる。例えば、図1及び図2の(a)、(b)のように、樹脂層2上に画像層3を印刷してもよいが、図2の(c)及び(d)のように、印刷媒体20上に直接画像層3を印刷してもよい。どちらの場合も、樹脂層2と印刷媒体20とを熱圧着することで、同様の効果を得ることができる。また、図1の(c)のように、インク受理層6上に画像層3を印刷してもよい。
ここで、昇華染料を含むインクとしては、例えば、昇華染料を含む水性インクが挙げられるが、加熱によって昇華するインクであればよく、顔料等を含んでいてもよい。昇華染料を含むインクの製品としては、例えば、ミマキエンジニアリング株式会社製のSb53等が挙げられる。昇華染料を含むインクの昇華温度は、樹脂への染着性の観点から樹脂層2のガラス転移温度と同等であるか、高い温度が好ましく、例えば、80℃以上200℃以下が好ましい。
〔オーバーコート層4〕
オーバーコート層4は、樹脂層2を保護する層である。転写媒体10は、オーバーコート層4を備えていてよいし、備えていなくともよい。転写媒体10において、剥離シート1と、樹脂層2との間にオーバーコート層4を設けることで、転写媒体10を印刷媒体20に転写したとき、図2の(b)及び(d)に示すように、樹脂層2の上面にオーバーコート層4が形成される。その結果、樹脂層2がオーバーコート層4によって保護されるため、樹脂層2の洗濯堅牢性、及び、特に、耐擦過性等の耐候性を向上させることができる。オーバーコート層4は、下面の樹脂層2の発色性を損なわないように、透明であることが好ましい。
オーバーコート層4は、公知の前処理剤用の樹脂を含んでいてもよく、撥水性及び耐摩擦性に優れるという観点から、例えば、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系の樹脂のうちの少なくとも一つを含むことが好ましく、シリコンを含むことで、薄くても高強度となるという観点から、シリコンウレタン及びシリコンアクリル系の樹脂のうちの少なくとも一つを含むことがより好ましい。シリコンウレタン系の樹脂の製品としては、例えば、荒川化学工業株式会社製の「U−303」等を挙げることができる。また、オーバーコート層4は、樹脂層2により優れた洗濯堅牢性を付与するために、上述の樹脂に、さらにブロックイソシアネート系架橋剤等の架橋剤を混合することが好ましい。ブロックイソシアネート系架橋剤の製品としては、例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製の「デュラネート17B−60P」等を挙げることができる。オーバーコート層4は、樹脂層2を保護しつつ、樹脂層2の発色性を損なわないように、4μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上10μm以下がより好ましい。
また、一態様において、本実施形態に係る転写媒体は、図1の(c)に示すように、樹脂層2の上に接着層5とインク受理層6とをさらに備える転写媒体11であってもよい。
〔接着層5〕
接着層5は、図1の(c)に示すように、樹脂層2とインク受理層6とを接着する層である。接着層5は、100℃以上130℃以下という低温で転写媒体10から乖離することができる点から、ブロックイソシアネート系架橋剤を含むことが好ましい。ブロックイソシアネート系架橋剤の製品として、村山化学研究所株式会社の「fikisa−#104E」等が挙げられる。接着層5の厚さは、例えば、0.5μm以上5μm以下である。
〔インク受理層6〕
インク受理層6は、インク受理層6上に形成された画像層3中の昇華染料を弾くことなく浸透させ、樹脂層2に染着させるためのものである。インク受理層6は塗布膜がマット状となるシリカと混合したウレタン樹脂を含むことが好ましい。ウレタン系樹脂の製品としては、例えば、高松油脂株式会社製のMZ−477等が挙げられる。また、インク受理層6はカチオン性凝集剤をさらに含むことで、昇華染料による印刷媒体20の滲みを、より防止できる。
<転写方法1>
本発明の一実施形態に係る転写方法(転写方法1)は、剥離シート1上に樹脂層2を形成し、樹脂層2上に画像層3を形成する層形成工程と、層形成工程の後に、転写媒体10から印刷媒体20に樹脂層2を転写する転写工程と、を含む。転写方法1によれば、布帛等の印刷媒体20に対しても、発色性及び洗濯堅牢性の両方に優れた樹脂層2を形成することができる。
〔印刷媒体20〕
印刷媒体20は、転写媒体10の転写の対象となるものである。印刷媒体20としては、布帛、ポリエステル等の合成繊維、金属、陶器及びガラス等が挙げられ、布帛が好ましい。布帛は、綿及びシルク等の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、又はこれらの繊維の混紡若しくは交織繊維を挙げることができ、綿及びシルク等の天然繊維が好ましい。
〔層形成工程〕
層形成工程では、剥離シート1上に樹脂層2を形成し、樹脂層2上に画像層3を形成する。このようにして、図1の(a)に示す転写媒体10が製造される。転写方法1における層形成工程は、図1の(b)に示すように、剥離シート1と、樹脂層2との間にオーバーコート層4をさらに含む場合は、剥離シート1上にオーバーコート層4を形成し、オーバーコート層4上に樹脂層2を形成し、樹脂層2上に画像層3を形成する。
層形成工程では、剥離シート1上に、コーターを用いて樹脂層2を形成することが好ましい。剥離シート1上に、インクジェットプリンタを用いて樹脂層2を形成する場合、ドットゲインが生じる。そのため、樹脂層2の表面が凸凹状になることで、耐擦過性が低下してしまう虞がある。また、インクジェットプリンタを用いて樹脂層2を形成する場合、一般的に用いられるバインダの固形分が1重量%以上10重量%以下の染料インクによっては、好適に4μm以上の樹脂層2を形成することができない。これに対し、コーターを用いて樹脂層2を形成することで、均一な膜の樹脂層2を剥離シート1上に形成することができる。これにより、樹脂層2の耐過性を向上させることができる。コーターとしては、例えば、グラビアコーター、キャップコーター、P&Rコーター、スロットダイコーター、リップコーター及びコンマコーター等を挙げることができ、グラビアコーター及びコンマコーターが好ましく、グラビアコーターがより好ましい。グラビアコーターのなかでも、マイクログラビアコーターが好ましい。
また、剥離シート1上にオーバーコート層4を形成し、オーバーコート層4上に樹脂層2を形成する場合は、インクジェットプリンタを用いて樹脂層2を形成してもよい。剥離シート1上にオーバーコート層4を形成する場合は、転写媒体10を印刷媒体20に転写したときに、オーバーコート層4が最上層になる。この場合、樹脂層2がオーバーコート層4によって保護されるため、インクジェットプリンタを用いて樹脂層2を形成したとしても、樹脂層2の洗濯堅牢性、及び、特に、耐擦過性等の耐候性を向上させることができる。ただし、剥離シート1上にオーバーコート層4を形成し、オーバーコート層4上に樹脂層2を形成する場合であっても、コーターを用いて樹脂層2を形成することが好ましい。仮にインクジェットプリンタを用いて樹脂層2を形成した場合、樹脂層2の表面が凸凹形状になり、当該樹脂層2を含む転写媒体10を印刷媒体20に押圧して転写すると、樹脂層2の凸凹形状がオーバーコート層4の表面にも出現してしまう虞がある。これに対し、剥離シート1上にオーバーコート層4を形成し、オーバーコート層4上に樹脂層2を形成する場合であっても、コーターを用いて樹脂層2を形成することで、オーバーコート層4の表面をより均一にすることができる。これにより、樹脂層2の耐擦過性をより向上させることができる。
また、層形成工程では、樹脂層2上に、インクジェットプリンタを用いて画像層3を形成することが好ましい。これにより、効率的に樹脂層2上に画像層3を形成することができる。
〔転写工程〕
次に、図2の(a)に示すように、剥離シート1と樹脂層2と画像層3とを備えた転写媒体10を、剥離シート1を上にして、印刷媒体20に貼りつけ、剥離シート1を転写媒体10から剥離する。その後、樹脂層2と、印刷媒体20とをヒートプレス機等で熱圧着することで樹脂層2を印刷媒体20に転写する。画像層3中の昇華染料は、加熱されることで昇華する。樹脂層2は印刷媒体20に熱融着され、固定される。このようにして、印刷物30が得られる。すなわち、印刷物30は、印刷媒体20と、樹脂層2と、画像層3とを備え、樹脂層2は、ポリエステル樹脂Aを含み、昇華染料によって染着されている。
樹脂層2は、昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、熱圧着によって昇華染料が昇華する際に、高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層2は印刷媒体20に密着し、剥離しにくい。そのため、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層2を形成することができる。また、通常の樹脂を印刷媒体に形成する場合と異なり、樹脂層2を印刷媒体20に転写した後、オーバーコート材を塗布したり、印刷媒体20を洗浄したりするといった後処理を行う必要がない。
熱圧着するときの温度は、120℃以上200℃以下が好ましく、140℃以上180℃以下がより好ましい。低温で転写することで、熱圧着による印刷媒体20の変色を抑制することができる。また、樹脂層2は昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、低温でも高い発色濃度の樹脂層2を形成することができる。また、熱圧着する時間は、1秒以上120秒以下が好ましく、10秒以上90秒以下がより好ましい。上述の好ましい範囲にあることにより、発色が良好な印刷媒体20を得ることができる。
なお、剥離シート1と、樹脂層2との間にオーバーコート層4をさらに備える場合、樹脂層2と、オーバーコート層4と、印刷媒体20とを熱圧着する以外は、同様の条件で転写工程を行うことができる。これにより、図2の(b)に示すように、オーバーコート層4が樹脂層2の上面に形成された印刷物30が得られる。その結果、樹脂層2はオーバーコート層4によって保護され、樹脂層2はより優れた洗濯堅牢性を有する。
また、転写方法1は、層形成工程の前に、剥離シート1にオーバーコート層4を形成するオーバーコート層形成工程及び樹脂層2を剥離シート1又はオーバーコート層4上に形成する樹脂層形成工程のうちの少なくとも1つの工程をさらに包含してもよい。樹脂層2及びオーバーコート層4のいずれも、インクジェットプリンタから、上述の各層を形成する樹脂組成物を吐出したり、当該樹脂組成物を溶媒に溶解して塗布したりすることで形成することができる。
<転写方法2>
以上で説明した転写方法1では、剥離シート1上に樹脂層2を形成し、樹脂層2上に画像層3を形成した転写媒体10を印刷媒体20に転写していたが、本発明に係る転写方法は、このような形態に限定されない。
他の態様に係る転写方法(転写方法2)では、図2の(c)及び(d)に示すように、印刷媒体20上に直接画像層3を形成し、この画像層3と重なるように、樹脂層2を転写する。このような形態でも、転写方法1と同様に、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性の両方に優れる樹脂層2を形成することができる。なお、説明の便宜上、上述の実施形態で説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、説明を省略する。
〔層形成工程〕
転写方法2における層形成工程では、例えば、インクジェットプリンタから昇華染料を含むインクを吐出することで、図2の(c)の左図に示すように、印刷媒体20上に画像層3を形成する。また、図2の(d)の左図に示すように、剥離シート1と、樹脂層2との間にオーバーコート層4をさらに含む場合でも、同様に画像層3を形成する。
〔転写工程〕
次に、図2の(c)の左図に示すように、転写媒体10を、剥離シート1を上にして、印刷媒体20に貼りつけ、図2の(c)の右図に示すように、剥離シート1を転写媒体10から剥離する。その後、樹脂層2と、印刷媒体20とをヒートプレス機等で熱圧着することで、樹脂層2を印刷媒体20に転写する。画像層3中の昇華染料は、加熱されることで昇華する。樹脂層2は印刷媒体20に熱融着され、固定される。その結果、転写方法と同様の印刷物30を得ることができる。転写方法2の転写工程によれば、転写方法1の転写工程と同様の熱圧着温度及び熱圧着時間で同様の効果を得ることができる。また、剥離シート1と樹脂層2との間にオーバーコート層4を備える場合でも、図2の(d)に示すように、樹脂層2と、オーバーコート層4と印刷媒体20とを、熱圧着する以外は同様の条件で転写工程を行うことができる。
<転写方法3>
続いて、図1の(c)に示すように、接着層5と、インク受理層6とをさらに備える転写媒体11を転写する方法(転写方法3)について説明する。転写方法3は、層形成工程の前に、接着層5を形成する接着層形成工程と、インク受理層6等を形成するインク受理層形成工程とをさらに包含する。
〔接着層形成工程、インク受理層形成工程〕
接着層形成工程は、例えば、インクジェットプリンタで、接着剤組成物を樹脂層2上に吐出したり、接着剤組成物を溶剤で溶解し、樹脂層2上に塗布したりことで接着層5を形成する。また、インク受理層形成工程は、接着層形成工程の次に行う工程であり、インクジェットプリンタでインク受理層6を形成するための樹脂組成物を接着層5上に吐出することで形成する。
〔層形成工程〕
転写方法3における層形成工程では、転写方法1と同様に剥離シート1上に樹脂層2を形成した後、インク受理層6上に画像層3を形成する。画像層3における昇華染料は、印刷媒体20への熱転写時にインク受理層6と接着層5とを介して、樹脂層2上まで浸透し、染着する。これにより、図1の(c)に示される転写媒体11が得られる。
〔転写工程〕
転写方法3における転写工程では、転写媒体11を印刷媒体20に貼り付ける際に、接着層5及びインク受理層6をさらに印刷媒体20に転写すること以外は、転写方法1及び転写方法2と同様の条件で転写媒体11を印刷媒体20に転写する。これにより、転写方法1及び2と同様に、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性の両方に優れる樹脂層2を形成することができる。
<樹脂組成物>
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、転写媒体10又は転写媒体11等が備える樹脂層2を形成するための樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂Aを含む。すなわち、本発明に係る樹脂組成物の一実施形態は、転写媒体10又は転写媒体11における樹脂層2を形成するためのものであるため、本実施形態に係る樹脂組成物の説明は、上述した転写媒体10、転写媒体11及び転写方法1、転写方法2、転写方法3の説明に準じる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<付記事項>
以上のように、転写媒体10は、剥離シート1と、剥離シート1上に形成されている樹脂層2と、樹脂層2上に形成されている画像層3とを備え、樹脂層2は、ポリエステル樹脂Aを含み、画像層3は、着色剤として昇華染料を含み、ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂である。
樹脂層2を布帛等の印刷媒体20に転写し、熱圧着すると、樹脂層2に印刷された画像層3中の昇華染料は昇華する。このとき、樹脂層2は昇華染料に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層2は印刷媒体20に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層2を形成することができる。
また、転写媒体10では、ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が5000以上15000以下又は25000以上30000以下のポリエステル樹脂であることが好ましい。
上記構成によれば、より発色性及び洗濯堅牢性に優れたポリエステル樹脂Aを樹脂層2が含むことで、布帛等の印刷媒体20に、発色性及び洗濯堅牢性により優れる樹脂層2を形成することができる。
また、転写媒体10では、樹脂層2の厚さは、4μm以上1000μm以下であることが好ましい。
上記構成によれば、樹脂層2の厚さが4μm以上であることで、樹脂層2に形成されている画像層3中の昇華染料を加熱によって昇華させた場合、樹脂層2は高濃度で発色させることができる。また、樹脂層2の厚さが1000μm以下であることにより、コストを高めることなく、剥離シート1に好適に樹脂層2を形成することができる。
また、転写媒体10では、剥離シート1と樹脂層2との間に、樹脂層2を保護する層であるオーバーコート層4をさらに備えていることが好ましい。
上記構成によれば、転写媒体10を印刷媒体20に転写した場合、樹脂層2の上面にオーバーコート層4を形成することができる。これにより、樹脂層2がオーバーコート層4によって保護されるため、樹脂層2の洗濯堅牢性、及び、特に、耐擦過性等の耐候性を向上させることができる。
また、印刷物30は、印刷媒体20と、印刷媒体20上に形成されている画像層3と、画像層3上に形成されている樹脂層2と、を備え、樹脂層2は、ポリエステル樹脂Aを含み、ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であるである。
樹脂層2と、布帛等の印刷媒体20とを熱圧着すると、画像層3中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂層2は昇華染料に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層2は印刷媒体20に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体20に、発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層2を形成することができる。
また、樹脂組成物は、転写媒体10が備える樹脂層2を形成するための樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂Aを含み、ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂である。
上記構成の樹脂組成物によって形成された樹脂層2上に昇華染料を含む画像層3を形成し、この樹脂層2を布帛等の印刷媒体20に転写し、熱圧着すると、画像層3中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂組成物は昇華染料に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、樹脂層2は高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層2は印刷媒体20に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層2を形成することができる。
また、本発明に係る転写方法1は、剥離シート1上に樹脂層2を形成し、当該樹脂層2上に画像層3を形成する層形成工程と、層形成工程の後に、剥離シート1と樹脂層2と画像層3とを備えた転写媒体10から印刷媒体20に樹脂層2を転写する転写工程と、を包含し、樹脂層2はポリエステル樹脂Aを含み、画像層3は、着色剤として昇華染料を含み、ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又はガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂である。
樹脂層2を布帛等の印刷媒体20に転写し、熱圧着すると、画像層3中の昇華染料は加熱によって昇華する。このとき、樹脂層2は昇華染料を含む着色剤に対して優れた染着性を有するポリエステル樹脂Aを含むため、高濃度で発色する。また、熱圧着された樹脂層2は印刷媒体20に密着し、剥離しにくい。その結果、布帛等の印刷媒体20に発色性及び洗濯堅牢性に優れる樹脂層2を形成することができる。
また、本発明に係る転写方法1は、層形成工程では、剥離シート1上に、コーターを用いて樹脂層2を形成することが好ましい。
剥離シート1上に、コーターを用いて樹脂層2を形成することで、剥離シート1上に均一な樹脂層2を形成することができる。これにより、樹脂層2の耐擦過性を向上させることができる。
本発明に係る転写方法は、層形成工程では、剥離シート1と樹脂層2との間に、樹脂層2を保護する層であるオーバーコート層4をさらに形成し、転写工程では、剥離シート1とオーバーコート層4と樹脂層2と画像層3とを備えた転写媒体10から印刷媒体20にオーバーコート層4と樹脂層2と画像層3とを転写することが好ましい。
上記構成によれば、転写媒体10を印刷媒体20に転写した場合、樹脂層2の上面にオーバーコート層4を形成することができる。これにより、樹脂層2がオーバーコート層4によって保護されるため、樹脂層2の洗濯堅牢性、及び、特に、耐擦過性等の耐候性を向上させることができる。
本発明に係る転写方法は、層形成工程では、樹脂層2上に、インクジェットプリンタを用いて画像層3を形成することが好ましい。
インクジェットプリンタを用いて画像層3を形成することで、効率的に樹脂層2上に画像層3を形成することができる。
<印刷物の特性の評価>
剥離紙上に、表1にそれぞれ示すポリエステル樹脂を溶媒に溶解して塗布し、樹脂を乾燥することで、8μmのポリエステル樹脂層を形成した。この樹脂層に昇華染料を含むインク(ミマキエンジニアリング株式会社製のSb53)を用いて画像層を形成し、転写媒体を得た。それぞれの転写媒体における樹脂層を綿布帛(綿ブロード)に当接させた状態でヒートプレス機を用いて200℃で90秒間、熱圧着を行った。熱圧着して冷却した後、剥離紙を転写媒体から剥離し、表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜4の印刷物を得た。これらの印刷物に対し、それぞれ発色性、摩擦堅牢性、耐水性、洗濯堅牢性及び曲げ硬さの評価を行った。また、上述の剥離紙上にポリエステル樹脂層を形成した実施例1〜5及び比較例1〜4とは別に、剥離紙上に8μmのウレタン樹脂を含む透明なオーバーコート層(荒川化学株式会社製のU−303)を形成した。その上に16μmの溶剤溶解型のポリエステル層(東洋紡株式会社製のGK−680)を形成し、シリカ含有ポリウレタン樹脂(高松油脂株式会社製のMZ−477)をさらに塗布し、3μmのインク受理層を積層して転写媒体を得た。この転写媒体に対し、上述の実施例1〜5及び比較例1〜4と同様の処理を行い、表1に示す実施例6の印刷物を得た。
Figure 2019034492
〔発色性の評価〕
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る印刷物に対し、蛍光分光濃度計(コニカミノルタ株式会社製蛍光濃度分光計FD−7)を用いて測定した。発色性の評価は、マゼンタの濃度を比較することで行い、マゼンタの濃度が1.45以上である場合は、「◎」とし、1.4以上1.45未満である場合は、「○」とし、1.35以上1.4未満である場合は「△」とし、1.35未満である場合は、「×」と判定した。結果を表2に示す。
〔摩擦堅牢性の評価〕
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る印刷物に対し、JISL0849に規定されている摩擦試験機II形(学振形)(株式会社大栄科学精器製作所製RT−300)を用いて摩擦堅牢性試験を行った。摩擦堅牢性の評価は、乾式摩擦3級及び湿潤摩擦2−3級の両方を満たす場合は、「○」とし、乾式摩擦3級及び湿潤摩擦2−3級のいずれか一方を満たす場合は、「△」とし、両方とも満たさない場合は、「×」と判定した。結果を表2に示す。
〔耐水性の評価〕
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る印刷物に対し、耐水性試験を行った。耐水性の評価は、25℃の水道水に1時間浸した場合、耐水性試験前のマゼンタの濃度に対するマゼンタの濃度の低下が5%未満である場合は、「○」とし、5%以上10%未満である場合は、「△」とし、10%以上である場合は、「×」と判定した。結果を表2に示す。
〔洗濯堅牢性の評価〕
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る印刷物に対し、合成洗剤を洗濯水1Lあたり5gの量だけ用いて洗濯機で3回洗濯して洗濯堅牢性試験を行った。洗濯堅牢性の評価は、洗濯堅牢性試験前のマゼンタの濃度に対するマゼンタの濃度の低下が15%未満である場合は、「○」とし、マゼンタの濃度の低下が15%以上20%未満であり、印刷媒体から剥離しないだけの濯堅牢性は有している場合は、「△」とし、マゼンタの濃度の低下が20%以上である場合は、「×」と判定した。結果を表2に示す。
〔曲げ硬さの評価〕
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る印刷物に対し、カトーテック株式会社製KES−2FB−Aを用いて曲げ硬さ試験を行った。曲げ硬さの評価は、曲げ硬さが0.3g・cm/cm未満である場合は、「○」とし、0.3g・cm/cm以上0.6g・cm/cm未満である場合は、「△」とし、0.6g・cm/cmである場合は、「×」と判定した。結果を表2に示す。
Figure 2019034492
表1及び2から明らかなように、ガラス転移温度(Tg)が、25℃以下のポリエステル樹脂を含む樹脂層を備えた実施例1、2、5及び6の印刷物は、良好な発色性及び洗濯堅牢性を有していた。また、ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であって、数平均分子量が15000以下のポリエステル樹脂を含む実施例3の印刷物、及び、数平均分子量が25000以上のポリエステル樹脂を含む実施例4の印刷物も良好な発色性及び洗濯堅牢性を有していた。
一方、ガラス転移温度が25℃より高く50℃以下であり、数平均分子量が20000のポリエステル樹脂を含む樹脂層を備えた実施例2及び4の印刷物は、発色性又は洗濯堅牢性に優れなかった。これらのことから、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下のときに、数平均分子量が20000の場合、当該ポリエステル樹脂を含む樹脂層は、特異的に発色性又は洗濯堅牢性に優れないと考えられる。
本発明は、布帛等の印刷媒体への画像の印刷に利用することができる。
1 剥離シート
2 樹脂層
3 画像層
10、11 転写媒体
20 印刷媒体
30 印刷物

Claims (10)

  1. 剥離シートと、
    上記剥離シート上に形成されている樹脂層と、
    上記樹脂層上に形成されている画像層とを備え、
    上記樹脂層は、ポリエステル樹脂を含み、
    上記画像層は、着色剤として昇華染料を含み、
    上記ポリエステル樹脂は、
    ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又は
    ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であることを特徴とする転写媒体。
  2. 上記ポリエステル樹脂は、上記ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が5000以上15000以下又は25000以上30000以下のポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の転写媒体。
  3. 上記樹脂層の厚さは、4μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写媒体。
  4. 上記剥離シートと上記樹脂層との間に、上記樹脂層を保護するためのオーバーコート層をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写媒体。
  5. 印刷媒体と、
    上記印刷媒体上に形成されている画像層と、
    上記画像層上に形成されている樹脂層と、を備え、
    上記画像層は、着色剤として昇華染料を含み、
    上記樹脂層は、ポリエステル樹脂を含み、
    上記ポリエステル樹脂は、
    ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又は
    ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であるであることを特徴とする印刷物。
  6. 転写媒体が備える樹脂層を形成するための樹脂組成物であって、
    ポリエステル樹脂を含み、
    上記ポリエステル樹脂は、
    ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又は
    ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
  7. 剥離シート上に樹脂層を形成し、当該樹脂層上に画像層を形成する層形成工程と、
    上記層形成工程の後に、上記剥離シートと上記樹脂層と上記画像層とを備えた転写媒体から印刷媒体に上記樹脂層と上記画像層とを転写する転写工程と、を包含し、
    上記樹脂層はポリエステル樹脂を含み、
    上記画像層は、着色剤として昇華染料を含み、
    上記ポリエステル樹脂は、
    ガラス転移温度が25℃以下のポリエステル樹脂、又は
    ガラス転移温度が25℃よりも高く50℃以下であり、且つ、数平均分子量が15000以下若しくは25000以上のポリエステル樹脂であることを特徴とする転写方法。
  8. 上記層形成工程では、上記剥離シート上に、コーターを用いて上記樹脂層を形成することを特徴とする請求項7に記載の転写方法。
  9. 上記層形成工程では、上記剥離シートと上記樹脂層との間に、上記樹脂層を保護する層であるオーバーコート層をさらに形成し、
    上記転写工程では、上記剥離シートと上記オーバーコート層と上記樹脂層と上記画像層とを備えた転写媒体から印刷媒体に上記オーバーコート層と上記樹脂層と上記画像層とを転写することを特徴とする請求項7又は8に記載の転写方法。
  10. 上記層形成工程では、上記樹脂層上に、インクジェットプリンタを用いて画像層を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の転写方法。
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