JP2019034406A - 工作機械に環状または円板状の工作物を受けるための装置 - Google Patents

Abstract

【課題】工作物の工作機械上での受けのための、それによって工作物の複数の面を特に精密に加工することができる装置を提供する。【解決手段】中心軸ａに対して同軸的に解除可能に互いに接続可能である受け上部４および受け下部５を含み、受け上部は一定数の作動要素６を有し、それらにより１つの半径方向ｒに作用する力および／または半径方向の変位を工作物２に及ぼすことができ、作動要素は圧力流体により作動され、受け下部の中に作動要素の数に相応する数のアクチュエータ７が配置され、定義された容積の圧力流体が１つの転送要素８に搬送されることができ、各転送要素が受け上部の中に配置された部分および受け下部に配置された部分を有し、各部分は圧力流体のための１つの受け空間を有し、受け空間は１つの伝達要素に画定され、それによって圧力流体の流出の結果として生じる１つの伝達要素の運動がもう１つの伝達要素に伝達される。【選択図】図３

Description

本発明は、工作機械に環状または円板状の工作物を受けるための装置に関する。

言及した種類の工作物は例えばサイクロイド歯車に必要である；それは特にいわゆる（「ニードルリング」とも呼ばれる）ボルトリングである。このような工作物は用途に関わらず場合により精巧に硬性の精密加工がなされるべきプロファイルを有する。そのため均等に正確に加工されなければならない円筒面並びに平面も存在する。

ここで要請される公差は大抵、異なる工作機械での加工のための工作物の張り替えが問題となる領域にある。

汎用の装置は米国特許第６１２３３４１Ａ１号（特許文献１）に記載されている。類似の解決法は米国特許第７６５４１７８Ｂ２号（特許文献２）に示される。静水圧計量器のために独国特許出願公開第１０４８１０８Ａ号（特許文献３）は可撓性膜と協働する圧力伝達装置を開示する。独国特許出願公開第６４５７７０Ａ号（特許文献４）はマノメータの接続ラインのための解除可能な接続のための類似の解決法を示す。

米国特許第６１２３３４１Ａ１号 米国特許第７６５４１７８Ｂ２号 独国特許出願公開第１０４８１０８Ａ号 独国特許出願公開第６４５７７０Ａ号

本発明の課題は冒頭で述べられた種類の装置を、環状または円板状の工作物を高精度に張架しその後複数の加工面を固定して加工できるように形成することである。つまり工作物の複数の面での特に精密な加工が可能であるべきである。さらに様々な工作物が高精度および経済的に加工できるべきでもある。

本発明によるこの課題の解決は、
工作物の受けのために形成される受け上部、および工作機械への受けのために形成される受け下部を含み、受け上部および受け下部は中心軸に対して同軸に解除可能に互いに接続可能であり、
受け上部は中心軸の周囲に配置された一定数の作動要素を有し、それらによってそれぞれ１つの半径方向に作用する力および／または半径方向の変位が工作物にもたらされることができ、作動要素は特に油圧オイルである圧力流体の排出により作動され、
受け下部の中には作動要素の数に相応する数のアクチュエータが配置され、それらによってそれぞれ１つの定義された容積の圧力流体がそれぞれ１つの転送要素に搬送されることができ、作動要素の数に相応する数の転送要素が存在し、
各転送要素は受け上部に配置された部分および受け下部に配置された部分を有し、各部分はそれぞれ圧力流体のための受け空間を有し、それはそれぞれ１つの各伝達要素によって画定され、それによって圧力流体の排出の結果生じる伝達要素の運動がもう１つの伝達要素に伝送されることができ、
伝達要素は受け上部と受け下部が接続されているところで、受け上部と受け下部の間の分離面に相当する１つの面に互いに当接することを特徴とする。

環状または円板上の工作物の受けのための提案された特別なクランプ要素はつまり、工作機械およびここでは特にその回転テーブルと接続された下部および、工作物を担持する上部から成る。工作物の精密な配向および張架のために、好ましくは油圧により（場合によっては空気圧でも）作動する一定数の作動要素が設けられ、上述の伝達要素を介して（油圧）流体によって生じる運動が下部から上部へと伝達される。

この形態の実質的な利点は複数の受け上部が様々な大きさおよびすなわち様々な直径で製造され、その後受け下部と組み合わされることができることであり、そのために受け上部と受け下部の間の解除可能な固定が役立つ。

伝達要素は好ましくは弾性膜として形成される。膜は好ましくはエラストマー材料かまたは金属から成る。有利には膜のために非常に延性の金属材料が使用されうる。

また代替的に伝達要素が受け空間に摺動可能に配置されるピストンとして形成されることも企図されうる。ピストンは好ましくはセラミック材料から成る。

受け上部には少なくとも３つおよび好ましくは１２個までの作動要素、特に好ましくは９個の作動要素が中心軸の周囲に配置される。作動要素は好ましくは等距離で中心軸の周囲に配置される。

好ましい発展形態では、作動要素の数に相応する数の解除可能な電気コンタクトが配置され、電気コンタクトの一部は受け上部の中に、電気コンタクトの一部は受け下部の中に配置される。この場合、各作動要素の中に圧力センサが配置されることができ、圧力に応じた圧力センサの電気信号が電気コンタクトを介して受け上部から受け下部へと伝達されることができる。

好ましくはそれによって受け上部が受け下部に相関してセンタリングされることができるセンタリング手段が配置される。センタリング手段は円錐形の協働する部分として形成されることができる。

各アクチュエータに好ましくは受け下部の中に配置される電子制御装置が割り当てられる。これは特に調整された力生成あるいは作動要素中の変位運動を担当する。

受け上部は好ましくは工作物のための座面を有し、座面の領域に少なくとも１つの電磁石が配置され、それによって工作物が受け上部の上またはそれに接して固定されることができる。そのとき特に各作動要素に１つの電磁石が割り当てられる。

中心軸の周囲を回動できるように、装置は好ましくは工作機械の回転テーブル上に配置される。それによって例えばその後内径面および平面での回動工程の実施も可能になる。

作動要素は受け上部の中に好ましくは解除可能に固定される。それによって作動要素をモジュール式に交換し、それによって異なる工作物への適応を簡単に可能にする。

アクチュエータ（作動要素）は弾性膜または（セラミックの）ピストンの形でも形成され、あるいはそのような要素を有することができる。つまり上記で転送要素のために説明されたテクノロジーがアクチュエータの場合にも使用されることができる。

作動要素を定義された（工作物の軸方向延在に関する）軸方向の高さで工具の周囲に配置することで通常は充分である。工作物が特に大きな軸方向延在を有する場合、つまり工作物が例えば（直径に対して比較的大きな延在を有して）環状に形成されるとき、軸方向に変位された２つの（またはそれより多い）グループの作動要素が、工作物にそのように同時に異なる軸方向位置で作動要素を使って接触し、あるいは工作物を張架するために配置されることが有利に企図されることもできる（下記で説明される実施形態例であれば、すなわち２×９の作動要素が設けられ、第２の９個の作動要素が第１の９個の作動要素に対して（中心軸方向に）軸方向に変位して配置されるだろう）。

環状または円板状の工作物のための提案されたクランプ装置により、全ての重要なまたは少なくとも多数の作用面が精巧に加工されることができる。そのときプロファイル加工のために大抵、研磨工程が行われる。円筒内径面および平面は回動（精密回動）および場合によってはそれに続く円形あるいは平面研磨によって加工されることができる。

提案された装置は特に有利にサイクロイド歯車のボルトリングのために使用される。

装置は良好な生産性において言及された種類の工作物を非常に高い精度で加工する。

図の中で本発明の実施形態例が示される。

加工するべき工作物の斜視図 工作物の受けのための装置の斜視図（工作物は図示せず） 工作物およびその中に装置を受ける工作機械の一部分を含めた図２の装置の半径方向断面図 図３の一部分の拡大図 図２の装置の受け下部の斜視図 それによって受け上部が受け下部の上に着座する図２の装置の受け上部の下座面を示す説明図 図２の装置の制御の概略説明図

図１は以下に説明される装置によって張架され、その後工作機械上で精密加工されるべきサイクロイド歯車のボルトリング２を示す。ボルトリング２は以下で説明される装置の軸に相応する中心軸ａを有する。ここでは半径方向ｒが延在する。

ここでの目的は、溝２１、２つの円筒内径面２２および２３並びに前面２４を固定して加工し、その限りで正確さの問題が伴う工作物の張り替えが不要となることである。

ここでは図２〜６に完全にあるいは部分的に示されるような装置１が使用される。

図３から分かるように、工作物２の受けと張架のための装置１は工作機械３の機械テーブル（回転テーブル）上に受けられる。装置１は一緒に装置１を成形する受け上部４および受け下部５を有する。受け下部５が工作機械３の機械テーブルと接続しているのに対し、受け上部４は中心軸ａに同軸に受け下部５と解除可能に接続されている。（協働する円錐部を有する）センタリング手段１７は受け上部４と受け下部５の間の半径方向ｒへのセンタリングを保証する。

受け上部４と受け下部５の解除可能性は、受け下部５が工作機械３の中に取り付けられたままに留まり、受け上部４の交換により特別な工作物２に適合した受けが受け下部５の上に取り付けられることを可能にする。それによって加工の経済性が実質的に向上する。

中心軸ａに関連した工作物２のセンタリングおよびその張架のために作動要素６が働き、そのうちの一定数 − 実施形態例では９個 − が中心軸の周囲に配置される。各作動要素６は半径方向ｒに工作物２あるいは半径方向の変位軌道に圧接力を及ぼすことのできる自給式の油圧要素として作動する。

言及された半径方向の圧接力あるいは半径方向の変位軌道の生成のために、作動要素６は油圧で印加され、それは受け下部５の中に配置されるアクチュエータ７を使って行われる。アクチュエータ７の並進的変位は油圧オイルの排出に繋がり、これが最終的に作動要素６の中の作動運動をもたらす。

但しここでは受け下部５の中のアクチュエータ７による油圧流体の排出が受け上部４およびここでは相応する作動要素６に伝達されなければならない。

図４にそれらが詳細に示されるように、そのために転送要素８が使用される。

転送要素８の上部９が受け上部４の中にあるのに対し、転送要素８の下部１０は受け下部５の中にある。各部分９、１０は油圧流体のための受け空間１１あるいは１２を有する。さらに受け空間１１あるいは１２はそれぞれ伝達要素１３あるいは１４によって画定される。両伝達要素１３および１４はそのとき互いに接して、受け上部４と受け下部５の間の分離面１５にある（図４参照）。

その数が作動要素６およびアクチュエータ７の数に相応する転送要素８によって、作動要素６のアクチュエータ７による油圧式作動を受け下部５から受け上部４に伝達することが可能になり、そのときそれぞれ気密に密閉された部分システムが存在し、それによって油圧流体は受け下部５でも受け上部４でもそれぞれ密封される。圧力流体を介して（アクチュエータ７から受け空間１２の中まで、あるいは受け空間１１から作動要素６へ）案内される受け上部４および受け下部５中の孔は詳細に示されない。但し気密封鎖は特に、受け下部を見て、ここでは場合によっては圧力流体のための補充タンクが用意できていないと理解されるべきではない。そのようなものによって場合によりアクチュエータ（すなわち調整ピストン）の漏洩分が補充されることができる。

各作動要素６の中に１つの（図示されない）圧力センサがあり、その電気信号が受け上部４から受け下部５へ伝達されなければならない。ここではその数がまたも作動要素６の数に相応する電気的コンタクト１６が使用される。

工作物２の受け上部４の中またはそれに接した固定のために電磁石２０が使用され、電磁石２０は工作物２のための座面１９の領域に配置され、それによって工作物２を受け上部４に相関して固定することができる。

受け下部５の中にさらに電子制御装置１８が配置され、その数はまたも作動要素６の数に相応する。制御装置１８は概略的にのみ暗示される。図７には装置１の言及された制御装置を使った制御の概略図がある。

（実施形態例では９個の）各アクチュエータ７（リニアアクチュエータ）はつまり１つの独自のコントローラ１８をチャック装置中に備え、それは個々のアクチュエータ７の個別の位置付けを工作機械のＳＰＳ（プログラマブルロジックコントローラ）により可能にする。

ＳＰＳはバスシステムを使って制御装置１８と接続される。作動要素６（クランプ要素室）中の圧力の決定は、直接割り当てられたコントローラ１８によって検出される既述の図示されない圧力センサによって行われる。

全ての個々の作動要素６（クランプ要素）には１つの電磁石２０が割り当てられる。駆動はアクチュエータ制御装置のデジタル出力を介して行われる。

作動要素６（クランプ要素）の工作物２への載置はアクチュエータ制御装置と接続したＳＰＳにより自給的な圧力制御で行われる。

変位工程の際、工作機械の数値制御は工作物２の位置を検出し、個々の作動要素６（クランプ要素）の変位軌道を算出する。この数値はＳＰＳに伝達され、ＳＰＳが個々のアクチュエータ７のための手順軌道を決め、アクチュエータ７を相応に起動する。付加的な制御変数として、工作物２の到達されるべき最終位置を検証する工作機械の中に固定装着された少なくとも１つの測定テスターが使用される。

提案された装置１は溝２１、円筒内径面２２および２３並びに前面２４を固定して加工することを可能にするため、高精密度が達成されることができる。

１ 装置
２ 工作物
３ 工作機械（機械テーブル）
４ 受け上部
５ 受け下部
６ 作動要素
７ アクチュエータ
８ 転送要素
９ 転送要素の部分
１０ 転送要素の部分
１１ 受け空間
１２ 受け空間
１３ 伝達要素（膜、ピストン）
１４ 伝達要素（膜、ピストン）
１５ 受け上部と受け下部の間の分離面
１６ 電気的コンタクト
１７ センタリング手段
１８ 電子制御装置
１９ 工作物のための座面
２０ 電磁石
２１ 溝
２２ 円筒内径面
２３ 円筒内径面
２４ 前面
ａ 中心軸
ｒ 半径方向

Claims (12)

1. 工作機械（３）に環状または円板状の工作物（２）を受けるための装置（１）であり、
   前記工作物（２）の受けのために形成された受け上部（４）、および前記工作機械（３）での受けのために形成された受け下部（５）を含み、前記受け上部（４）および前記受け下部（５）は中心軸（ａ）に対して同軸に解除可能に互いに接続可能であり、
   前記受け上部（４）は前記中心軸（ａ）の周囲に配置された一定数の作動要素（６）を有し、それらによってそれぞれ１つの半径方向（ｒ）に作用する力および／または半径方向の変位が前記工作物（２）にもたらされることができ、前記作動要素（６）は特に油圧オイルである圧力流体の排出により作動され、
   前記受け下部（５）の中には前記作動要素（６）の数に相応する数のアクチュエータ（７）が配置され、それらによってそれぞれ１つの定義された容積の圧力流体がそれぞれ１つの転送要素（８）に搬送されることができ、前記作動要素（６）の数に相応する数の転送要素（８）が存在し、
   各転送要素（８）は前記受け上部（４）の中に配置された部分（９）および前記受け下部（５）に配置された部分（１０）を有し、各部分（９、１０）はそれぞれ圧力流体のための受け空間（１１、１２）を有し、前記受け空間（１１、１２）はそれぞれ１つの伝達要素（１３、１４）によって画定され、それによって圧力流体の排出の結果生じる前記伝達要素（１４）の１つの運動が前記もう１つの伝達要素（１３）に伝送されることができ、
   前記伝達要素（１３、１４）は受け上部（４）と受け下部（５）が接続されているところで、受け上部（４）と受け下部（５）の間の分離面（１５）に相当する１つの面に互いに当接する
   ことを特徴とする装置。
2. 前記伝達要素（１３、１４）が弾性膜として形成され、前記膜が好ましくはエラストマー材料または金属から成る
   請求項１に記載の装置。
3. 前記伝達要素（１３、１４）が前記受け空間（１１、１２）の中に摺動可能に配置されるピストンとして形成され、前記ピストンが好ましくはセラミック材料から成る
   請求項１に記載の装置。
4. 前記受け上部（４）の中に３〜１２個の作動要素（６）、好ましくは６〜９個の作動要素（６）が前記中心軸（ａ）の周囲に配置され、前記作動要素（６）が好ましくは等距離で前記中心軸（ａ）の周囲に配置される
   請求項１ないし３のいずれかに記載の装置。
5. 前記作動要素（６）の数に相応する数の解除可能な電気的コンタクト（１６）が配置され、前記電気的コンタクトの一部が前記受け上部（４）の中に、前記電気的コンタクトの一部が前記受け下部（５）の中に配置される
   請求項１ないし４のいずれかに記載の装置。
6. 各作動要素（６）の中に１つの圧力センサが配置され、圧力に応じた前記圧力センサの電気信号が前記電気的コンタクト（１６）を介して前記受け上部（４）から前記受け下部（５）へと伝達されることができる
   請求項５に記載の装置。
7. それによって前記受け上部（４）が前記受け下部（５）に相関してセンタリングされることができるセンタリング手段（１７）が配置される
   請求項１ないし６のいずれかに記載の装置。
8. 各アクチュエータ（７）に前記受け下部（５）の中に配置された１つの電子制御装置（１８）が割り当てられる
   請求項１ないし７のいずれかに記載の装置。
9. 前記受け上部（４）が前記工作物（２）のための座面（１９）を有し、前記座面（１９）の領域に少なくとも１つの電磁石（２０）が配置され、それによって前記工作物（２）が前記受け上部（４）の上またはそれに接して固定されうる
   請求項１ないし８のいずれかに記載の装置。
10. 各作動要素（６）に電磁石（２０）が割り当てられる
    請求項９に記載の装置。
11. 前記工作機械（３）の回転テーブルの上に配置され前記中心軸（ａ）の周囲を回動する
    請求項１ないし１０のいずれかに記載の装置。
12. 前記作動要素（６）が前記受け上部（４）の中に解除可能に固定される
    請求項１ないし１１のいずれかに記載の装置。

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