JP2019033798A - 月経カップ - Google Patents

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Akihide Mori
昭秀 森
貴行 植草
Takayuki Uekusa
貴行 植草
正治 村上
Masaharu Murakami
正治 村上
貴則 多田
Takanori TADA
貴則 多田
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Abstract

【課題】形状追従性を高めつつ、適度な復元性を有する月経カップを提供すること。
【解決手段】本発明は、経血収集部を有する月経カップに関する。経血収集部は、以下の特性を有する熱可塑性樹脂組成物の成形体を含む。
(I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である
(II)JIS K7107に準拠して測定した40℃での圧縮応力緩和率が25%以上である
(III)ガラス転移温度(Tg)が20℃以上45℃以下である
【選択図】なし

Description

本発明は、月経カップに関する。
女性の経血、粘液および膣分泌物など(以下、単に「経血等」ともいう。)は、漏れを防止するため、ナプキンまたはタンポンなどに吸収させて処理されている。また、経血等の漏れを防止するための器具として、特許文献1および特許文献2に記載のような月経カップも知られている。
月経カップは、開口部を折りたたんで膣内に挿入され、膣内で広がって経血等をカップ内に収集する。挿入された月経カップは、一定時間ごとに、開口部を折りたたんで膣から取り出され、空の月経カップが代わりに挿入される。月経カップは、膣への挿入および膣からの取り出しを容易にするため、可撓性の材料から成形される。月経カップの材料として、特許文献1には柔軟な加硫ゴムが好ましいと記載されており、特許文献2にはシリコーンゴムが好ましいと記載されている。
米国特許第2089113号明細書 米国特許出願公開第2008/0077097号明細書
特許文献1および特許文献2に記載のように、月経カップの材料として、ゴムが知られている。月経カップの材料には、膣内で開口部が膣孔の形状に変形しやすくするための形状追従性および適度な復元性が求められる。
上記の課題に鑑み、本発明は、形状追従性を高めつつ、適度な復元性を有する月経カップを提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下の月経カップに関する。
[1]以下の特性を有する熱可塑性樹脂組成物の成形体を含む経血収集部を有する月経カップ。
(I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である
(II)JIS K7107に準拠して測定した40℃での圧縮応力緩和率が25%以上である
(III)ガラス転移温度(Tg)が20℃以上45℃以下である
[2]前記熱可塑性樹脂組成物は、さらに以下の特性を有する、[1]に記載の月経カップ。
(IV)JIS K6262に準拠して測定した40℃での圧縮永久歪が50%以下である
[3]前記熱可塑性樹脂組成物は、
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(A−i)および
4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(A−ii)を含み、
任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(A−iii)を含んでもよい
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であって、
構成単位(A−i)、(A−ii)および(A−iii)の合計を100モル%としたときに、
構成単位(A−i)を55モル%以上85モル%以下、
構成単位(A−ii)を15モル%以上45モル%以下、
構成単位(A−iii)を0モル%以上10モル%以下含む、
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する組成物である、[1]または[2]に記載の月経カップ。
[4]前記熱可塑性樹脂組成物は、
10質量%以上90質量%以下の含有量の前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、
10質量%以上90質量%以下の含有量のスチレン系エラストマー(B)と、
を含有する組成物である、[3]に記載の月経カップ。
[5]前記スチレン系エラストマー(B)は、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)である、[4]に記載の月経カップ。
本発明によれば、形状追従性を高めつつ、適度な復元性を有する月経カップが提供される。
本発明の一実施形態に係る月経カップは、熱可塑性樹脂組成物を成形してなる経血収集部を有する。経血収集部は、開口部を有する容器状の形状を有し、たとえば、略半球状または略半楕円球状であって開口部において内径が最も大きくなる形状を有する。経血収集部は、内圧調整などのための穴または切れ込みを側面に有してもよい。また、経血収集部は、収集された経血等の量を測定するための計量目盛を側面に有してもよい。
また、月経カップは、経血収集部の底部に突起部または紐状部を有してもよい。突起部または紐状部は、指でつまんで膣口方向に引っ張ることで、膣内からの月経カップの取り出しを容易にする。突起部または紐状部は、経血収集部と同じ熱可塑性樹脂組成物から成形されてもよいし、別の材料から成形されてもよい。
また、月経カップは、経血収集部が有する開口部の機械強度を高めるための縁部を開口部の周方向に有していてもよい。縁部は、経血収集部と同じ熱可塑性樹脂組成物から成形されてもよいし、別の材料から成形されてもよい。
月経カップは、経血収集部の開口部を2つ折りなどに降りたたんで、開口部側から女性の膣内に挿入される。挿入された月経カップは、膣内で開口部が元の形状に復元して膣孔を塞ぎ、月経等を経血収集部に収集する。一定時間(たとえば12時間)経過後、月経カップは、経血収集部の開口部を2つ折りなどに降りたたむか、または上記突起部または紐状部をつまんで引っ張る等により、膣内から取り出される。取り出された月経カップは、収取された経血等を洗い流し、洗浄、消毒等して、再利用される。
1.経血収集部
上記経血収集部は、以下の特性(I)〜(III)を有する熱可塑性樹脂組成物を含む成形体、好ましくは上記熱可塑性樹脂組成物を主成分とする成形体、を含む。上記熱可塑性樹脂組成物は、以下の特性(IV)〜(IX)をさらに有してもよい。なお、主成分とするとは、実質的に上記熱可塑性樹脂組成物のみからなるが、上記熱可塑性樹脂組成物による形状追従性および復元性が顕著に変化しない限りにおいて、不可避的に含まれる他の成分を含んでもよいことを意味する。
なお、経血収集部は、単層の成形体でも多層の成形体でもよいが、単層の成形体であることが好ましい。異なる材料からなる多層の成形体であるとき、経血収集部は、少なくとも最外層が上記熱可塑性組成物から成形されることが好ましい。
要件(I):
JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である。
ΔHSが5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、ΔHSが50以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがない。そのため、ΔHSが上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、形状追従性が高く、経血収集部としたときに、挿入および取り出し時の変形が容易であり、かつ膣内の形状に追従しやすくなる。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のΔHSは5以上45以下であることが好ましく、10以上40以下であることがより好ましい。
要件(II):
JIS K7107に準拠して測定した40℃での圧縮応力緩和率が25%以上である。
上記圧縮応力緩和率が25%以上である熱可塑性樹脂組成物は、形状追従性および応力吸収性が高いため、経血収集部としたときに、膣内で元の形状に復元しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記圧縮応力緩和率は30%以上であることが好ましく、32%以上であることがより好ましい。
圧縮応力緩和率は、上記熱可塑性樹脂組成物から成形した厚さ2mmのプレスシートに、圧縮試験機(たとえば島津製作所製、AG−100kNX)を用いて、温度40℃で、試験片に500Nの圧縮量がかかるまで10mm/minで圧縮させて求めることができる。このとき、500Nの圧縮量がかかった状態で5分間保持させ、5分間保持した後の応力との差(緩和後応力:W5min)を圧縮量が500Nとなったときの応力(初期応力:W)で除算して得られる値(単位:%)を、上記圧縮応力緩和率とする。
要件(III):
ガラス転移温度(Tg)が20℃以上45℃以下である。
Tgが15℃以上35℃以下である熱可塑性樹脂組成物は、人体に近い体温で適度に軟化しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のTgは25℃以上40℃以下であることが好ましく、25℃以上38℃以下であることがより好ましい。
Tgは、上記熱可塑性樹脂組成物から成形した厚さ3mmのプレスシートに、動的粘弾性測定装置を用いて、昇温速度2℃/分、周波数1.6Hzの引張モードによる動的粘弾性測定により求めた貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の比である損失正接(tanδ)ピーク温度とすることができる。
要件(IV):
JIS K6262に準拠して測定した40℃での圧縮永久歪が50%以下である。
上記圧縮永久歪が50%以下である熱可塑性樹脂組成物は、加圧を止めた後に元の形状を回復しやすいため、経血収集部としたときに、膣内で元の形状に復元しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記圧縮永久歪は5%以上40%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましい。
要件(V):
1.6Hzの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの0〜50℃の間にあるピーク値が0.5以上5.0以下である。
tanδのピーク値が5.0以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、tanδのピーク値が0.5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがない。また、tanδのピーク値が0.5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力吸収性が高い。そのため、tanδのピーク値が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、形状追従性および応力吸収性が高いため、経血収集部としたときに、挿入および取り出し時の変形が容易であり、かつ膣内で元の形状に復元しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のtanδのピーク値は0.5以上3.0以下であることが好ましく、0.8以上3.0以下であることがより好ましい。
tanδは、上記貯蔵弾性率の測定時に得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)から算出することができる。このとき、0〜50℃の範囲でtanδがピーク値(最大値)となる際の温度を、上記tanδがピーク値となる温度とし、その際のtanδの値を上記tanδのピーク値とする。なお、上記ピークは、熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度に起因すると考えられる。
要件(VI):
23℃において、JIS K7161で測定される引張弾性率またはJIS K7171で測定される曲げ弾性率が1MPa以上600MPa以下である。
上記引張弾性率または曲げ弾性率が10MPa以上である熱可塑性樹脂組成物は、経血収集部としたときに、内部に溜まった経血等からの応力による破断が生じにくい。また、上記引張弾性率または曲げ弾性率が600MPa以下である熱可塑性樹脂組成物は、適度に軟いため、応力の印加によって変形させやすい。そのため、上記引張弾性率または曲げ弾性率が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、経血収集部としたときに、経血収集部の破損を抑制しつつ、挿入および取り出し時の変形が容易である。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記引張弾性率または曲げ弾性率は10以上600以下であることが好ましく、30以上500以下であることがより好ましい。
要件(VII):
ASTM D 412に準拠して測定される引裂強度が、5N/mm以上である。
上記引裂強度が5N/mm以上である熱可塑性樹脂組成物は、経血収集部としたときに、内部に溜まった経血等からの応力による破断が生じにくい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記引裂強度は10N/mm以上であることが好ましく、15N/mm以上であることがより好ましい。
要件(VIII):
ASTM D 1505に準拠して測定される密度が、830kg/m以上950kg/m以下である。
密度が830kg/m以上である熱可塑性樹脂組成物は、強度および衝撃吸収性が高く、落下などによる経血収集部の破損を抑制できる。密度が950kg/m以下である熱可塑性樹脂組成物は、軽量であり、月経カップの持ち運びや取扱いを容易にする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の密度は840kg/m以上950kg/m以下であることが好ましく、850kg/m以上945kg/m以下であることがより好ましい。
要件(IX):
融点(Tm)が、50℃以上160℃以下、または観測されない。
融点(Tm)が50℃以上150℃以下、または観測されない熱可塑性樹脂組成物は、成形が容易である。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)は70℃以上145℃以下であることが好ましく、80℃以上140℃以下であることがより好ましい。
融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)(たとえば、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C)を用いて測定することができる。このとき、7〜12mg程度の熱可塑性樹脂組成物をアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱し、完全融解させるために試料を200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−50℃まで冷却し、−50℃で5分間静置した後、10℃/分で200℃まで再度加熱する。この再度の(2度目の)加熱で測定されるピーク値温度を、融点(Tm)とする。
上記熱可塑性樹脂組成物は、上述した物性を満たすものであれば限定されないが、例えば、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する組成物とすることができる。また、上記熱可塑性樹脂組成物は、復元性付与の観点から、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、を含有する組成物としてもよい。また、上記熱可塑性樹脂組成物は、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、その他の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(C)と、を含有する組成物としてもよいし、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、その他の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(C)と、を含有する組成物としてもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、その全質量に対して50質量%以上100質量%以下の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有することが好ましい。このような組成比の上記熱可塑性樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が有する後述の特性が十分に発現されて、熱可塑性樹脂組成物の形状追従性、復元性および柔軟性などがより適度に高まるため、挿入および取り出し時の変形が容易であり、かつ膣内で元の形状に復元しやすい。上記観点からは、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の含有量は、上記熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、を含有する組成物であるとき、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、の含有量の合計を100質量%として、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を10質量%以上含有することが好ましく、20質量%以上含有することがより好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することがより好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがより好ましい。また、このとき、上記熱可塑性樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、の含有量の合計を100質量%として、スチレン系エラストマー(B)を10質量%以上含有することが好ましく、20質量%以上含有することがより好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することがより好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することがより好ましく、80質量%以上含有することがより好ましい。
1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)
1−1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の構成
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、任意に、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、構成単位(i)、構成単位(ii)および構成単位(iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(i)を55モル%以上85モル%以下、構成単位(ii)を15モル%以上45モル%以下、構成単位(iii)を0モル%以上10モル%以下含む。
なお、構成単位(i)の割合の下限値は、55モル%であるが、60モル%であることが好ましく、68モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の上限値は、85モル%であるが、84モル%であることが好ましく、80モル%であることがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が含む構成単位(ii)の割合が上記範囲であると、上記熱可塑性樹脂組成物のΔHSおよびTgを上述した範囲に調整しやすい。
当然ながら、このとき、構成単位(ii)の割合の上限値は、45モル%であるが、40モル%であることが好ましく、32モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、15モル%であるが、16モル%であることが好ましく、20モル%であることがより好ましい。
構成単位(ii)を導くα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンなどを含む炭素原子数2〜20(好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10)の直鎖状のα−オレフィン、ならびに、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、および3−エチル−1−ヘキセンなどを含む炭素原子数5〜20(好ましくは炭素原子数5〜15)の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。構成単位(ii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
構成単位(iii)を導く非共役ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、および4−エチリデン−1,7−ウンデカジエンなどを含む鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエンなどを含む環状非共役ジエン、ならびに、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、および4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエンなどを含むトリエンなどが含まれる。これらのうち、特に構成単位(ii)を導くα−オレフィンがプロピレンであるときは、架橋効率を高める観点からは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。構成単位(iii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、実質的に構成単位(i)および構成単位(ii)からなることが好ましい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(a)、(b)および(c)から選ばれる1以上の要件を満たすことが好ましい。
要件(a)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1dL/g以上5.0dL/g以下であることが好ましく、0.5dL/g以上4.0dL/g以下であることがより好ましく、0.5dL/g以上3.5dL/g以下であるさらに好ましい。上記極限粘度[η]が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、上記熱可塑性樹脂組成物としたときにシート状の軟質層への成形が容易である。また、上記極限粘度[η]が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、特に発泡体としたときの機械強度、衝撃吸収性および柔軟性などが高いため、経血収集部の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、挿入および取り出し時の変形が容易である。
上記極限粘度[η]は、135℃でデカリン中に異なる量の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を溶解させたときの、それぞれの4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の単位濃度cあたりの粘度増加率ηspを求めて還元粘度ηradとし、ηradを4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の単位濃度cがゼロになるように外挿して、求めることができる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の上記極限粘度[η]は、重合による製造中に水素を添加して分子量や重合活性を制御して、上記範囲に調整することができる。
要件(b)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布:Mw/Mn)は、1.0以上3.5であることが好ましく、1.2以上3.0以下であることがより好ましく、1.5以上2.8以下であることがさらに好ましい。上記Mw/Mnが上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、低分子量、低立体規則性ポリマーによる成形性の低下が生じにくく、上記熱可塑性樹脂組成物としたときにシート状の軟質層への成形が容易である。また、上記Mw/Mnが上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、機械強度、衝撃吸収性および耐摩耗性が高いため、経血収集部の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、成形時のべたつきを生じにくくして経血収集部の手触りを良好にすることができる。
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、500以上10,000,000以上であることが好ましく、1,000以上5,000,000以下であることがより好ましく、1,000以上2,500,000以下であることがさらに好ましい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のMw/MnおよびMwは、たとえばメタロセン触媒を使用することで、上記範囲に調整することができる。
要件(c)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、1.0以上3.5以下であることが好ましく、1.3dL/g以上3.5dL/g以下であることがより好ましく、2.0dL/g以上3.5dL/g以下であるさらに好ましい。tanδのピーク値が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、特に発泡体としたときの衝撃吸収性および耐衝撃性などが高いため、経血収集部を破損しにくくすることができる。
なお、経血収集部の常温での衝撃吸収性を高める観点からは、上記tanδがピーク値となる温度は5℃以上40℃以下であることが好ましい。好ましくは上記tanδがピーク値となる温度は10℃以上40℃以下、さらに好ましくは上記tanδがピーク値となる温度は20℃以上40℃以下である。tanδピーク温度が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、人体に近い体温で適度に軟化しやすい。
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(d)、(e)および(f)から選ばれる1以上の要件をさらに満たすことが好ましい。
要件(d)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、13C−NMRにより測定した共重合モノマーの連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値は、0.9以上1.5以下であることが好ましく、0.9以上1.3であることがより好ましく、0.9以上1.2以下であることがさらに好ましい。パラメータB値が上記範囲である上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、重合体中の組成分布が少なく、柔軟性、衝撃吸収性、および衝撃緩和性などが高いため、経血収集部の挿入および取り出し時の変形を容易とする。
要件(e)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ASTM D 1505に準拠して測定される密度は、810kg/m以上850kg/m以下であることが好ましく、820kg/m以上850kg/m以下であることがより好ましく、830kg/m以上850kg/m以下であることがさらに好ましい。上記密度が上記範囲である上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、軽量であり、かつ、衝撃吸収性が高いため、経血収集部をより破損しにくくすることができる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の上記密度は、構成単位(i)〜構成単位(iii)の組成比によって適宜調整することができる。
要件(f)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、融点(Tm)は、110℃未満であるかまたは認められないことが好ましく、100℃未満であるかまたは認められないことがより好ましく、85℃未満であるかまたは認められないことがさらに好ましい。融点(Tm)が上記範囲である上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、柔軟性および靭性が高く、経血収集部を破損しにくくしつつ、挿入および取り出し時の変形が容易である。
融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)(たとえば、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C)を用いて測定することができる。このとき、7〜12mg程度の熱可塑性樹脂組成物をアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱し、完全融解させるために試料を200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−50℃まで冷却し、−50℃で5分間静置した後、10℃/分で200℃まで再度加熱する。この再度の(2度目の)加熱で測定されるピーク値温度を、融点(Tm)とする。
1−1−2.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーを、マグネシウム担持型チタン触媒またはメタロセン触媒などの適当な触媒の存在下で重合させて,製造することができる。重合は、溶解重合および懸濁重合などを含む液相重合法、ならびに気相重合法などから適宜選択して行うことができる。
液相重合法では、液相を構成する溶媒として不活性炭化水素溶媒を用いることができる。上記不活性炭化水素の例には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、および灯油などを含む脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンなどを含む脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどを含む芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、およびテトラクロロメタンなどを含むハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などが含まれる。
また、液相重合法では、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマー自身を溶媒とする塊状重合とすることもできる。
なお、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーの共重合を段階的に行うことにより、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を構成する構成単位(i)〜構成単位(iii)の組成分布を適当に制御することもできる。
重合温度は、−50℃以上200℃以下が好ましく、0℃以上100℃以下がより好ましく、20℃以上100℃以下がさらに好ましい。
重合圧力は、常圧以上10MPaゲージ圧であることが好ましく、常圧以上5MPaゲージ圧であることがより好ましい。
重合の際に、生成するポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加してもよい。添加される水素の量は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーの合計量1kgに対して、0.001NL以上100NL以下程度が適当である。
1−2.スチレン系エラストマー(B)
1−2−1.スチレン系エラストマー(B)の構成
スチレン系エラストマー(B)の例には、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと軟質部となるイソプレンまたはブタジエンなどの共役ジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBC)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合(SBS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などが含まれる。スチレン系エラストマー(B)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。これらのうち、○○の観点から、スチレン系エラストマー(B)は、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、であることが好ましい。
上記ブロック共重合体(SBC)またはスチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)は、共役ジエンがイソプレンである場合、中間ブロックがビニル−ポリイソプレンであることが好ましい。このとき、中間ブロックを構成する共役ジエン由来の構成要素は水素添加されていてもよい。そのようなスチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)の例には、株式会社クラレ製ハイブラー5127(「ハイブラー」は同社の登録商標)(スチレン含有量20wt%、tanδピーク値=1.1、ピーク値温度=19℃)」などが含まれる。
また、上記ブロック共重合体(SBC)またはスチレン・ブタジエン・スチレン共重合(SBS)は、共役ジエンがブタジエンである場合、ブタジエン由来の構成要素は水素添加されていてもよい。また、このとき、軟質部となるブタジエンブロックはブタジエンとスチレンとの共重合体であってもよい。このようなスチレン・ブタジエン・スチレン共重合(SBS)の例には、旭化成ケミカルズ株式会社製S.O.E.L609(「S.O.E」は同社の登録商標)(スチレン含量=67wt%、tanδピーク値=1.3、ピーク値温度=19℃)、S.O.E.L606(スチレン含量=51wt%、tanδピーク値=1.7、ピーク値温度=8℃)、S.O.E.S1605(スチレン含量=67wt%、tanδピーク値=1.5、ピーク値温度=17℃)などが含まれる。
なお、スチレン系エラストマー(B)も、上述した要件(a)、(b)および(c)から選ばれる1以上の要件を満たすことが好ましい。
1−2−2.スチレン系エラストマー(B)の製造方法
スチレン系エラストマー(B)は、重合体を構成する構成単位を導くスチレンおよびその他の共役ジエンなどを、アルキルリチウム化合物を開始剤とするアニオン重合により製造することができる。
上記アルキルリチウム化合物の例には、メチルリチウム、エチルリチウム、ペンチルリチウム、およびブチルリチウムなどの炭素数1以上10以下のアルキル基を有するアルキルリチウム、ナフタレンジリチウム、ならびにジチオヘキシルベンジルリチウムなどが含まれる。
重合方法の例には、(1)アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレンに続いて共役ジエンを逐次重合し、次いでスチレンを逐次重合する方法、(2)スチレンに続いて共役ジエンを重合し、これをカップリング剤によりカップリングする方法、などが含まれる。上記カップリング剤の例には、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジブロモベンゼンなどが含まれる。
重合の際には、反応を適切に制御するために溶媒を使用することが好ましい。上記溶媒の例には、重合開始剤に対して不活性な有機溶媒、例えばヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、およびベンゼン等の炭素数が6〜12の脂肪族高水素、脂環式炭化水素、ならびに芳香族炭化水素などが含まれる。
重合温度は−70℃以上80℃以下であることが好ましく、重合時間は0.5時間以上50時間以下であることが好ましい。
ブロック共重合体のtanδのピーク値やピーク値温度、ΔHSは、イソプレン、ブタジエンの3,4結合、又は1,2結合の数およびスチレンブロックとイソプレン、ブタジエンブロックの各分子量を調整する方法等により調整することが可能であり、共触媒としてルイス塩基を用いることにより比較的容易に調整することができる。ルイス塩基としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、トリエチルアミン、N,N,N‘N−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモルホリンなどのアミン化合物などが挙げられる。これらのルイス塩基は、重合開始剤のリチウムのモル数に対して0.1〜1000倍用いることが好ましい。また、ピーク値温度やピーク値は水素添加の有無や水素転化率を調整することによっても調整可能である。
1−3.その他の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(C)
1−3−1.材料(C)の構成
材料(C)は、熱可塑性樹脂組成物の各種物性および成形性を調整するために添加される材料であり、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)またはスチレン系エラストマー(B)以外の熱可塑性樹脂またはゴムであればよい。
材料(C)は、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が、0℃未満であることが好ましく、−5℃未満であることがより好ましく、−10℃未満であることがさらに好ましく、−30℃未満であることが特に好ましい。tanδがピーク値となる温度の下限は特に限定されないが、例えば−100℃とすることができる。
熱可塑性樹脂組成物が含有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)またはスチレン系エラストマー(B)と材料(C)との合計量を100質量部としたとき、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)またはスチレン系エラストマー(B)の含有量の上限値は、90質量部であることが好ましく、75質量部であることがより好ましく、60質量部であることがさらに好ましく、50質量部であることが特に好ましい。また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)またはスチレン系エラストマー(B)の含有量の下限値は、10質量部であることが好ましく、15質量部であることがより好ましく、25質量部であることがさらに好ましく、30質量部であることが特に好ましい。このような組成比とすると、熱可塑性樹脂組成物の形状追従性、復元性および柔軟性、成形性等をより適度に調整しやすい。
言い換えると、材料(C)の含有量の下限値は、10質量部であることが好ましく、25質量部であることがより好ましく、40質量部であることがさらに好ましく、50質量部であることが特に好ましく、上限値は、90質量部であることが好ましく、85質量部であることがより好ましく、75質量部であることがさらに好ましく、70質量であることが特に好ましい。
材料(C)は、オレフィン系樹脂(C−1)、オレフィン系エラストマー(C−2)、または熱可塑性エラストマー組成物(C−3)であることが好ましい。また、材料(C)は、上記以外の熱可塑性樹脂(C−4)であってもよい。これらの材料(C)は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
1−3−1−1.オレフィン系樹脂(C−1)
オレフィン系樹脂(C−1)の例には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系共重合体などが含まれる。オレフィン系樹脂(C−1)は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、および塩素化ポリオレフィンなどが好ましい。
1−3−1−2.オレフィン系エラストマー(C−2)
オレフィン系エラストマー(C−2)の例には、オレフィン系ブロック共重合体から形成されるエラストマーを使用することができる。例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体などが含まれる。オレフィン系エラストマー(C−2)の市販品の例には、JSR株式会社製DYNARON(「DYNARON」は同社の登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(「タフマー」は同社の登録商標)、ノティオ(「ノティオ」は同社の登録商標)、ダウケミカル株式会社製ENGAGE(「ENGAGE」は同社の登録商標)、VERSIFY(「VERSIFY」は同社の登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社製Vistamaxx(「Vistamaxx」は同社の登録商標)などが含まれる。
1−3−1−3.熱可塑性エラストマー組成物(C−3)
熱可塑性エラストマー組成物(C−3)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物を動的架橋して得られる組成物である。
1−3−1−3−1.エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、エチレンから導かれる構成単位(I−a)と、α−オレフィンから導かれる構成単位(I−b)とを、(I−a)/(I−b)が50/50以上95/5以下であることが好ましく、60/40以上80/20以下であることがより好ましく、65/35以上75/25以下であることがさらに好ましい。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]が含有する、非共役ポリエン量から導かれる構成単位(I−c)の含有量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]の全質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
上記α−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであることが好ましい。このようなα−オレフィンの例には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、および12−エチル−1−テトラデセンなどが含まれる。上記α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。これらα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記非共役ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、および4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン、ならびに、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、および4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエン等のトリエンなどが含まれる。上記非共役ポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、非共役ポリエンから導かれる構成単位(I−c)の含有量の一指標であるヨウ素価が1以上50以下であることが好ましく、5以上40以下であることがより好ましく、10以上30以下であることがさらに好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上10dl/g以下であることが好ましく、1.5dl/g以上8dl/g以下であることがより好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、その製造の際に軟化剤好ましくは鉱物油系軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。上記鉱物油系軟化剤の例には、公知の鉱物油系軟化剤、たとえばパラフィン系プロセスオイルなどが含まれる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、10以上250以下であることが好ましく、30以上150以下であることがより好ましい。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、単独で、あるいは二種以上のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いてもよい。 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、従来公知の方法により製造することができる。
1−3−1−3−2.ポリオレフィン樹脂[II]
ポリオレフィン樹脂[II]は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独重合体であるか、または、二種以上の上記α−オレフィンの共重合体であって、主たるα−オレフィンの含有量が90モル%以上の共重合体である。ポリオレフィン樹脂[II]は、融点(Tm)が70℃以上200℃以下で在ることが好ましく、80℃以上170℃以下であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、主鎖に不飽和結合を実質的に有さないことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、単独で、あるいは二種以上のオレフィン系重合体を用いてもよい。
これらのポリオレフィン樹脂[II]の中でも、プロピレン系重合体(II−1)、エチレン系重合体(II−2)が好ましい。
1−3−1−3−2−1.プロピレン系重合体(II−1)
プロピレン系重合体(II−1)は、プロピレンの単独重合体、プロピレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、または、プロピレンの単独重合体と非晶性あるいは低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体とのブロック共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。プロピレン系重合体(II−1)は、融点(Tm)が120℃以上170℃以下であることが好ましく、145℃以上165℃以下であることがより好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、ポリプロピレン樹脂として市販されているものとすることができる。
プロピレン系重合体(II−1)は、立体構造がアイソタクチック構造であるものが好ましいが、シンジオタクチック構造のものやこれらの構造の混ざったもの、あるいは、一部アタクチック構造を含むものであってもよい。
プロピレン系重合体(II−1)は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)0.05g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、種々公知の重合方法によって重合される。
1−3−1−3−2−2.エチレン系重合体(II−2)
エチレン系重合体(II−2)は、エチレンの単独重合体、または、エチレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。エチレン系重合体(II−2)は、融点(Tm)が80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、または高密度ポリエチレンとして市販されているものとすることができる。
エチレン系重合体(II−2)は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)0.05g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、種々公知の重合方法によって重合される。
1−3−1−4.その他の熱可塑性樹脂(C−4)
材料(C)は、上記以外の熱可塑性樹脂(C−4)であってもよい。このような熱可塑性樹脂(C−4)の例には、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、およびナイロン612)などを含むポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系エラストマー、ビニル芳香族系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、およびAS樹脂などを含むポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、公知のアイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイドポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ならびにポリエーテルスルホンなどが含まれる。
1−3−2.材料(C)の製造方法
上述したオレフィン系樹脂(C−1)、オレフィン系エラストマー(C−2)、およびその他の熱可塑性樹脂(C−4)は、公知の重合方法でこれらを構成する構成単位を導くモノマーを重合することにより得られる。
熱可塑性エラストマー組成物(C−3)は、上述したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物、好ましくはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを[I]/[II](質量比)が90/10以上5/95以下、より好ましくは70/30以上10/90以下の範囲で含む混合物、あるいは、必要に応じて公知の軟化剤などを所定量含む混合物(前駆体)を動的架橋することにより得られる。動的架橋を行う際には、公知の架橋剤の存在下、あるいは上記架橋剤と公知の架橋助剤の存在下に、動的に熱処理するのがよい。ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう。
動的な熱処理は、非開放型の装置中で行われることが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。熱処理の温度は、ポリオレフィン樹脂[II]の融点以上300℃以下の範囲であり、150℃以上270℃以下が好ましく、170℃以上250℃以下がより好ましい。混練時間は、1分間以上20分間以下であることが好ましく、1分間以上10分間以下であることがよりこのましい。このとき、剪断速度で10sec−1以上50,000sec−1以下、好ましくは100sec−1以上10,000sec−1以下の剪断力が加えられることが好ましい。
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用いることができるが、非開放型の装置が好ましい。
1−4.その他の成分
熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、上述した以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。
たとえば、熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、分解温度調整剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、金属害防止剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、および軟化剤等の添加剤を含んでもよい。
上記架橋剤の例には、加熱により分解して熱可塑性樹脂を発泡させる有機過酸化物が含まれる。上記有機過酸化物の例には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどが含まれる。
上記有機過酸化物の含有量は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。有機過酸化物の含有量が上記範囲内であると、上記熱可塑性樹脂組成物の架橋が進行しやすく、また、上記熱熱可塑性樹脂組成物を発泡して得られる発泡体中に残存する有機過酸化物の分解残渣の量を抑制することができる。
上記架橋助剤の例には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、およびトリアリルイソシアヌレートおよびの1分子中に3個の官能基を持つ化合物、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、ジビニルベンゼンおよびネオペンチルグリコールジメタクリレート、などの1分子中に2個の官能基を持つ化合物、ならびに、エチルビニルベンゼン、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどの1分子中に1個の官能基を持つ化合物が含まれる。
上記発泡剤の例には、熱分解型発泡剤が含まれる。熱分解型発泡剤は、熱可塑性樹脂組成物を製造する際の混練温度より高い分解温度を有する化合物であればよく、例えば、分解温度が160℃以上270℃以下の有機系発泡剤および無機系発泡剤とすることができる。
上記有機系発泡剤の例には、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウムなどを含むアゾジカルボン酸金属塩、アゾビスイソブチロニトリルなどを含むアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどを含むニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)およびトルエンスルホニルヒドラジドなどを含むヒドラジン誘導体、ならびにトルエンスルホニルセミカルバジドなどを含むセミカルバジド化合物などが含まれる。
上記無機系発泡剤の例には、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、および無水クエン酸モノソーダなどが含まれる。
上記熱分解型発泡剤は、微細な気泡を得られ、かつ、安価であり安全性も高いことから、アゾ化合物およびニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、およびN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドがさらに好ましい。
上記熱分解型発泡剤の含有量は、発泡後の熱可塑性位樹脂組成物100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.7質量部以上25質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以上20質量部以下であることがさらに好ましい。熱分解型発泡剤の含有量が上記範囲内であると、上記熱可塑性樹脂組成物を十分に発泡させることができ、また、発泡により生じた気泡の破裂も生じにくい。
上記軟化剤の例には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどを含む石油系物質、コールタールおよびコールタールピッチなどを含むコールタール類、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などを含む脂肪油、トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどを含むロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などを含む脂肪酸またはその金属塩、石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどを含む合成高分子、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどを含むエステル系可塑剤、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物、ならびに液状チオコールなどを含む公知の軟化剤が含まれる。
前記充填剤の例には、マイカ、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウムなどの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などを含む繊維状充填剤、親水性の層状粘土鉱物、および公知の特定形状(層状を除く)の親水性無機化合物などが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、2次元に広がる層が複数積層されたフィロ珪酸塩鉱物、たとえば、スメクタイトなどが含まれる。スメクタイトは、モンモリロン石群鉱物である。スメクタイトの例には、モンモリロン石(モンモリロンナイト)、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノントロン石、アルミニアンノントロナイト、サポー石(サポナイト)、アルミニアンサポー石、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、およびベントナイトなどが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、バーミキュル石(バーミキュライト)、ハロイサイト、膨潤性マイカ、および黒鉛などが含まれる。このような親水性の層状粘土鉱物の市販品の例には、クニミネ工業社製クニピアシリーズ(モンモリロナイト)、ホージュン社製ベンゲルシリーズ(ベントナイト)、およびコープケミカル社製ソマシフMEシリーズ(膨潤性マイカ)などを含む天然品、ならびに、クニミネ工業社製スメクトン(サポナイト)、コープケミカル社製ルーセンタイトSWNシリーズ(ヘクトライト)、およびロックウッドホールディングス社製ラポナイト(ヘクトライト)などの合成品などが含まれる。一般に、合成品は天然品よりも最大長さが小さいため小さい油滴を得ることができるため、上記親水性の層状粘土鉱物は、合成品が好ましい。
前記難燃剤の例には、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリリン酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のリン酸エステルおよびその他のリン化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、およびテトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤、ならびにこれらの混合物が含まれる。
これら軟化剤、充填剤、難燃化剤等、粘着付与剤以外の添加剤の使用量の合計は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、その他の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(C)と、の合計を100質量部として、0.001〜50質量部とすることが好ましい。
1−5.熱可塑性樹脂組成物の製造方法
上記熱可塑性樹脂組成物は、公知の方法で製造することができる。たとえば、上述した4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、スチレン系エラストマー(B)と、材料(C)と、任意に含まれる上記その他の成分と、を混合して、熱可塑性樹脂組成物とすることができる。このとき、上記各樹脂の溶融温度以上に加熱して混合してもよい。
1−6.経血収集部の製造方法
上記熱可塑性樹脂組成物は、押出成形、プレス成形、射出成形、カレンダー成形、中空成形などを含む公知の方法で開口部を有する容器状に成形して、上記経血収集部とすることができる。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、上記公知の方法で塊状に成形した後、樹脂組成物等から経血収集部の形状に切削加工して、上記経血収集部とすることもできる。
経血収集部は、成形後に、内圧調整などのための穴または切れ込みを側面に形成されてもよい。また、経血収集部は、成形後に、収集された経血等の量を測定するための計量目盛を側面に形成されてもよい。また、経血収集部は、これらの穴、切れ込みまたは計量目盛等を有する形状に成形されてもよい。
2.月経カップ
上記経血収集部は、そのまま月経カップすることができるほか、樹脂組成物等から別途成形した突起部、紐状部または縁部などと接合させて、月経カップとすることができる。なお、突起部、紐状部または縁部などは、経血収集部と同一の熱可塑性樹脂組成物から経血収集部と一体成形してもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
1.物性の測定
実施例および比較例における各種物性は以下の方法により測定した。
1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)
〔組成〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)中の各構成単位(4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン)の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。
・測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
・観測核:13C(125MHz)
・シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
・パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
・繰り返し時間:5.5秒
・積算回数:1万回以上
・溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
・試料濃度:55mg/0.6mL
・測定温度:120℃
・ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
〔極限粘度[η]〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。
約20mgの上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を25mlのデカリンに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液に5mlのデカリンを加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求めた(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
〔重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)、および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
−条件−
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、およびGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
〔密度〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m)を軽量性の指標とした。
〔融点(Tm)〕
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。約5mgの重合体を、測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
1−2.熱可塑性樹脂組成物
〔各種測定用プレスシートの作製〕
200℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力でシート成形した。0.4〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に80×80×0.4〜3mm、4個取り)の場合、余熱を5〜7分程度とし、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として、5mm厚の真鍮板を用いた。得られたサンプルを用いて、各種物性評価を行った。
〔ショアーA硬度測定〕
JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートを用いてショアー硬度計により測定した。ショアー硬度計は、A硬度計を用いた。さらに測定直後と測定15秒後の値の変化率ΔHSを以下のようにして求めた。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアーA硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアーA硬度値)。
〔動的粘弾性〕
動的粘弾性の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出した。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−60〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、0〜50℃の範囲でガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク値温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定した。
〔機械特性(引張破断伸び、引張破断強度、ヤング率〕
厚みが1mmのプレスシートを、JIS K7127 5号に規定するダンベル状に切断したものを試験片として用いた。
JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、および温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(YM)(単位:MPa)、引張破断伸び(EL)(単位:%)、および引張破断強度(TS)(単位:MPa)を測定した。
〔圧縮永久歪〕
[ゴム弾性(圧縮永久歪 CS)]
圧縮永久歪はJIS K6262に従って以下の方法で測定した。
実施例または比較例に記載の方法で調製した重合体組成物から得た厚さ2mmのプレスシートについて、これを6枚重ねて12mmtとしたものを試験片として用いた。この試験片を25%圧縮し、23℃で22時間保持した後解放し、試験後厚みを測定した。この結果より、下式に従って、22時間保持後の残留歪(圧縮永久歪)を算出した。
残留歪(%)=100×(試験前厚みー試験後厚み)/(試験前厚みー圧縮時厚み)
〔圧縮応力緩和率〕
圧縮試験機(AG−100kNX、島津製作所製)を用いて、温度40℃の条件で、試
験片に1.0トンの圧縮量がかかるまで1mm/minで圧縮させた。所定の圧縮量がか
かった状態で60秒保持させ、その間の応力の変化についても計測した。そして、上記初
期応力と伸長から60秒後の応力との差から応力緩和率(単位:%)を算出し、応力緩和
性の評価の指標とした。
2.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の調製
次に、実施例および比較例において用いた4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)(α−オレフィンとしてプロピレンを使用)の調製例を以下に示す。
〔調製例1〕
<4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A−1)の調製>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、および450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、および0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体(A−1)の各種物性の測定結果を表1に示す。
共重合体(A−1)中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体B−1の密度は839kg/mであった。共重合体B−1の極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。融点(Tm)は観測されなかった。ピーク値温度は31℃であり、その際のtanδの値は2.8だった。
〔調製例2〕
<4−メチル−1−ペンテン・α-オレフィン共重合体(A−2)の調製>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、および450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、および0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−2)を得た。
共重合体(A−2)中の4−メチル−1−ペンテンの含有率は84.1mol%であり、プロピレンの含有率は15.9mol%であった。また、共重合体(A−2)の密度は838kg/mであった。極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は340,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。融点(Tm)は132℃であった。ピーク値温度は39℃であり、その際のtanδの値は1.6だった。
上記の調製例1よび2で得られた4−メチル−1−ペンテン・α―オレフィン共重合体(A−1)および(A−2)の特性一覧を表1に示した。
Figure 2019033798
3.熱可塑性樹脂組成物の調製
<実施例1>
スチレン系エラストマー(B−1)としての旭化成株式会社タフテックH1221を90質量部と、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)10質量部とを、熱プレス成形により1mm、3mm厚みのシートを作製した。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例2>
スチレン系エラストマー(B−1)としての旭化成株式会社タフテックH1221を80質量部と、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)20質量部とを用いた以外は実施例1と同様の方法によりシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例3>
スチレン系エラストマー(B−1)としての旭化成株式会社タフテックH1221を60質量部と、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)40質量部とを用いた以外は実施例1と同様の方法によりシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例4>
スチレン系エラストマー(B−2)としてのクラレ株式会社セプトン2063を60質量部と、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−1)40質量部を用いた以外は実施例1と同様の方法によりシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<実施例5>
スチレン系エラストマー(B−1)として旭化成株式会社タフテックH1221を60質量部と、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(A−2)40質量部を用いた以外は実施例1と同様の方法によりシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<比較例1>
スチレン系エラストマー(B−1)として旭化成株式会社タフテックH1221を100質量部用いた以外は実施例1と同様の方法によりシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
<比較例2>
スチレン系エラストマー(B−3)として旭化成株式会社タフテックH1042を100質量部用いた以外は実施例1と同様の方法によりシートを得た。得られたシートの物性評価結果を表2に示す。
Figure 2019033798

Claims (5)

  1. 以下の特性を有する熱可塑性樹脂組成物の成形体を含む経血収集部を有する月経カップ。
    (I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である
    (II)JIS K7107に準拠して測定した40℃での圧縮応力緩和率が25%以上である
    (III)ガラス転移温度(Tg)が20℃以上45℃以下である
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物は、さらに以下の特性を有する、請求項1に記載の月経カップ。
    (IV)JIS K6262に準拠して測定した40℃での圧縮永久歪が50%以下である
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物は、
    4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(A−i)および
    4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(A−ii)を含み、
    任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(A−iii)を含んでもよい
    4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であって、
    構成単位(A−i)、(A−ii)および(A−iii)の合計を100モル%としたときに、
    構成単位(A−i)を55モル%以上85モル%以下、
    構成単位(A−ii)を15モル%以上45モル%以下、
    構成単位(A−iii)を0モル%以上10モル%以下含む、
    4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を含有する組成物である、請求項1または2に記載の月経カップ。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物は、
    10質量%以上90質量%以下の含有量の前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、
    10質量%以上90質量%以下の含有量のスチレン系エラストマー(B)と、
    を含有する組成物である、請求項3に記載の月経カップ。
  5. 前記スチレン系エラストマー(B)は、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)である、請求項4に記載の月経カップ。
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