JP2018043789A - チューブ型容器 - Google Patents

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貴行 植草
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Abstract

【課題】より硬い材料から作製可能であり、かつ、残り僅かになった内容物の押し出しや絞り出しによる排出も容易なチューブ型容器を提供すること。【解決手段】本発明のチューブ型容器は、以下の(I)および(II)を含む熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層を含む複数の層から形成される積層体を含む。上記積層体全体の厚みに対する上記熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層の厚みは、50%以上である。(I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である(II)10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる、15℃における貯蔵弾性率(G’@15℃)と40℃における貯蔵弾性率(G’@40℃)との比率(G’@15℃/G’@40℃)が、100以上である【選択図】図2

Description

本発明は、チューブ型容器に関する。
液体物やペースト状の固形物を保存し、使用時に排出させるためのチューブ型容器の材料として、樹脂組成物の積層体を用いる技術が知られている。
たとえば、特許文献1には、ポリエチレンからなる複数の層を有する積層体から胴部が構成される、歯磨きペースト用のチューブ型容器が記載されている。また、特許文献2には、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ウレタン、およびエチレン−メタクリル酸共重合体からなる複数の層を有する積層体から胴部が構成、歯磨きペースト用のチューブ型容器が記載されている。
また、特許文献3には、ポリプロピレンからなる層−変性ポリエチレンからなる層−ガスバリア層−変性ポリエチレンからなる層−ポリエチレンからなる層がこの順に積層した積層体から胴部が構成される、塩基性酸化染料を主成分とする染毛剤用のチューブ型容器が記載されている。特許文献3には、最内層であるポリプロピレンからなる層は塩基性酸化染料を吸着させにくいため、上記染料が積層体内を浸透して最内層であるポリエチレンからなる層に到達し、外気中の酸素と反応することにより、上記ポリエチレンからなる層の変色を抑制できると記載されている。また、特許文献3には、上記ガスバリア層は、ガスバリア性の樹脂からなるため、外部から液体または気体などがチューブ型容器の内部に透過しにくいと記載されている。
特開2016−088577号公報 特開2008−162599号公報 特開2006−240666号公報
チューブ型容器には、シャンプーなどの粘度が高い液体物や歯磨きペーストなどのペースト状の固形物が保存され、使用時に排出される。これらの液体には、チューブ型容器内の内容量が残り僅かになったときの容器からの押し出しや絞り出しによる排出の容易さと、チューブ型容器の容量をより大きくすることと、が両立しにくいという問題が存在する。
特許文献1や特許文献2などでは、比較的柔らかい材料を用いてチューブ型容器を作製しているため、容器を押し潰したり丸めたりして変形させて、残り僅かになった内容物を排出させることが容易である。しかし、比較的柔らかい材料を用いてチューブ型容器を作製すると、容器の直立が困難であり、容器の容量を大きくしにくい。そのため、これらの文献に記載の容器は歯磨きペーストの用に一回の使用量が少ない物を保存するためには使用できるが、一回の使用量がより多いシャンプーなどを保存するための容器には適さない。
一方で、特許文献3のように常温での硬度がより高い樹脂を用いてチューブ型容器を作製すると、容器の容量をより大きくすることは可能であるものの、容器の変形が困難であり、残り僅かになった内容物の押し出しや絞り出しによる排出が難しい。
上記の課題に鑑み、本発明は、常温での硬度がより高い樹脂を用いて作製可能であり、かつ、残り僅かになった内容物の押し出しや絞り出しによる排出も容易なチューブ型容器を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下のチューブ型容器に関する。
[1]以下の(I)および(II)を満たす熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層を含む複数の層から形成される積層体であって、前記積層体全体の厚みに対する前記熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層の厚みは、50%以上である積層体を含む、チューブ型容器。
(I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である
(II)10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる、15℃における貯蔵弾性率(G’@15℃)と40℃における貯蔵弾性率(G’@40℃)との比率(G’@15℃/G’@40℃)が、100以上である
[2]前記熱可塑性樹脂組成物の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度は、20℃以上40℃以下である、[1]に記載のチューブ型容器。
[3]前記熱可塑性樹脂組成物の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、0.5以上5.0以下である、[1]または[2]に記載のチューブ型容器。
[4]前記熱可塑性樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(A−i)および4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(A−ii)を含み、任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(A−iii)を含んでもよい4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であって、構成単位(A−i)、(A−ii)および(A−iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(A−i)を55〜85モル%、構成単位(A−ii)を15〜45モル%、構成単位(A−iii)を0〜10モル%含む、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含有する組成物である、[1]〜[3]のいずれかに記載のチューブ型容器。
[5]前記積層体は、さらにガスバリア層を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のチューブ型容器。
[6]前記ガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂およびポリアクリロニトリル樹脂からなる群から選択される樹脂を含む、[5]に記載のチューブ型容器。
[7]前記積層体は、さらにポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分としてなる層を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載のチューブ型容器。
[8]前記積層体は、この順に積層された、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分としてなる層、前記熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層、前記ガスバリア層、およびポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分としてなる層を含む、[5]または[6]に記載のチューブ型容器。
[9]少なくとも胴部に前記積層体を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載のチューブ型容器。
本発明によれば、常温での硬度がより高い樹脂を用いて作製可能であり、かつ、残り僅かになった内容物の押し出しや絞り出しによる排出も容易なチューブ型容器が提供される。
図1は、本発明の一実施の形態に係るチューブ型容器を表す模式図である。 図2A、図2Bおよび図2Cは、図1に示す領域2の部分拡大断面図である。
本発明の一実施形態に係るチューブ型容器100は、図1に示すように、中空状の胴部110と、胴部110の底面を覆う底部120と、胴部110の帳面を覆う頂部130とを有する。頂部130には、チューブ型容器100の内部を略密閉状態とするためのキャップを嵌め込み可能なキャップ装着部140が形成されてもよい。
チューブ型容器100は、図1に点線で囲った領域2の部分拡大断面図である図2に示すように、樹脂の層が積層された積層体から形成される。
積層体は、以下の(I)および(II)を満たす熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層(以下、単に「加温変形層」ともいう。)210を含む複数の層からなる積層体である。
(I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である
(II)10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる、15℃における貯蔵弾性率(G’@15℃)と40℃における貯蔵弾性率(G’@40℃)との比率(G’@15℃/G’@40℃)が、100以上である
また、上記積層体における加温変形層210の厚み(図2中「a」)は、積層体全体の厚み(図2中「b」)に対して50%以上である。上記積層体における加温変形層210の厚みが占める割合を大きくすることで、加温変形層210による加温時のチューブ型容器100の変形を他の層が阻害しにくくなり、チューブ型容器100の変形が容易になる。上記観点からは、上記積層体における加温変形層210の厚み(a)は、積層体全体の厚み(b)に対して50%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。
上記積層体は、構成する樹脂の種類(特には、加温変形層210以外の層を構成する樹脂の種類)を適切に選択することで、常温付近では形状を保てるだけの十分な硬度を有する。そのため、上記積層体を含むチューブ型容器100は、容量をより大きくしても自立可能である。一方で、上記積層体は、加温(たとえば40℃近くへの加温)すると、加温変形層210が軟化して変形可能となる。そのため、上記積層体を含むチューブ型容器100は、風呂などの湯に浸けるなどして加温すると軟化して、容器を押し潰したり丸めたりして変形させて内容物を押し出したり絞り出したりすることが容易である。
なお、上記加温後の変形とは、チューブ型容器100の内容積(体積)を減少させて、内容物の押し出しや絞り出しによる排出を容易にするような変形を意味する。たとえば、チューブ型容器100を容器の内側方向に人力で加圧したときに、変形できればよい。
チューブ型容器100は、少なくとも胴部110に上記積層体を含むことが好ましい。胴部110が上記積層体を含むと、加温した後に胴部110を変形させて、内容物の押し出しや絞り出しによる排出がより容易に行える。このとき、胴部110の全体が上記積層体から構成されることが好ましいが、加温後の変形により内容物の押し出しによる排出や絞り出しが容易になる限りにおいて、胴部の一部(たとえば胴部110の中心部を含む領域)のみに上記積層体を含んでいてもよい。
一方で、チューブ型容器100は、底部120または頂部130に上記積層体を含んでいてもよい。これらの部分に上記積層体を含んでいても、加温後にチューブ型容器100を底部120または頂部130から変形させて、内容物の押し出しや絞り出しによる排出を容易にすることが可能である。変形による内容物の押し出しや絞り出しによる排出をより容易にする観点からは、チューブ型容器100は、少なくとも胴部110および底部120が上記積層体を含むことが好ましい。また、一体成型を可能として製造を容易にする観点からは、チューブ型容器100の、キャップ装着部140を除く全体が上記積層体から構成されることが好ましい。
1.加温変形層210
加温変形層210は、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下であり、かつ、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる、15℃における貯蔵弾性率(G’@15℃)と40℃における貯蔵弾性率(G’@40℃)との比率(G’@15℃/G’@40℃)が、100以上である熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる。
ΔHSが5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、ΔHSが50以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがない。そのため、ΔHSが上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、加温変形層210の形状追従性を高めて、チューブ型容器100を変形させたときの適量の内容物の押し出しや絞り出しによる排出を容易にする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のΔHSは5以上45以下であることが好ましく、10以上40以下であることがより好ましい。
ショアーA硬度は、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、JIS K6253に準拠してショアーA硬度計で測定して求めることができる。ただし、熱可塑性樹脂組成物のショアーA硬度の測定が困難である場合は、代わりにショアーD硬度計を用いて測定したショアーD硬度を、その熱可塑性樹脂組成物のショアーA硬度と推定してもよい。
また、上記貯蔵弾性率の比率(G’@15℃/G’@40℃)が100以上である熱可塑性樹脂は、より低い温度での保管時に比べて、加温時に加圧によって変形しやすくなる。そのため、上記貯蔵弾性率の比率(G’@15℃/G’@40℃)が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、加温変形層210としたときに、風呂などの湯に浸けるなどしたときにチューブ型容器100を容易に変形可能とする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記貯蔵弾性率の比率(G’@15℃/G’@40℃)は100以上200以下であることが好ましく、100以上150以下であることがより好ましい。上記貯蔵弾性率の比率(G’@15℃/G’@40℃)に特に上限はないが、150以下であることが好ましい。
貯蔵弾性率は、45mm×10mm×3mmの短冊片を測定試料として用い、粘弾性測定装置(たとえば、ANTONPaar社製MCR301)を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定して求めることができる。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が、20℃以上40℃以下であることが好ましい。上記温度が20℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物は、加温後の加圧による加温変形層210の変形を容易にする。そのため、tanδがピーク値となる温度が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、加温変形層210としたときに、風呂などの湯に浸けるなどしたときにチューブ型容器100を容易に変形可能とする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のtanδがピーク値となる温度は25℃以上40℃以下であることが好ましく、30℃以上40℃以下であることがより好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、上記tanδのピーク値が0.5以上5.0以下であることが好ましい。tanδのピーク値が5.0以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、tanδのピーク値が0.5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがない。そのため、tanδのピーク値が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、加温変形層210の形状追従性を高めて、チューブ型容器100を変形させたときの適量の内容物の押し出しや絞り出しによる排出を容易にする。また、tanδのピーク値が0.5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力吸収性が高いため、使用中の落下などによるチューブ型容器100の破損を抑制できる。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のtanδのピーク値は0.5以上3.0以下であることが好ましく、0.8以上3.0以下であることがより好ましい。
tanδは、上記貯蔵弾性率の測定時に得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)から算出することができる。このとき、0〜30℃の範囲でtanδがピーク値(最大値)となる際の温度を、上記tanδがピーク値となる温度とし、その際のtanδの値を上記tanδのピーク値とする。なお、上記ピークは、熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度に起因すると考えられる。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、JIS K7107に準拠して測定した40℃での圧縮応力緩和率が10%以上であることが好ましい。上記圧縮応力緩和率が10%以上である熱可塑性樹脂組成物は、40℃で押圧を止めた後に元の形状を回復しやすい。そのため、上記圧縮応力緩和率が10%以上である熱可塑性樹脂組成物は、加温変形層210としたときに、チューブ型容器100を、押圧による内容物の押し出しや絞り出しによる排出後に直立するためのバランスが取れた形状に戻りやすくする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記圧縮応力緩和率は15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
圧縮応力緩和率は、上記熱可塑性樹脂組成物から成形した厚さ2mmのプレスシートに、圧縮試験機(たとえば島津製作所製、AG−100kNX)を用いて、温度40℃で、試験片に500Nの圧縮量がかかるまで10mm/minで圧縮させて求めることができる。このとき、500Nの圧縮量がかかった状態で5分間保持させ、5分間保持した後の応力との差(緩和後応力:W5min)を圧縮量が500Nとなったときの応力(初期応力:W)で除算して得られる値(単位:%)を、上記圧縮応力緩和率とする。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、JIS K6262に準拠して測定した40℃での圧縮永久歪が、50%以下であることが好ましい。上記圧縮永久歪が50%以下である熱可塑性樹脂組成物は、押圧を止めた後に元の形状を回復しやすい。そのため、上記圧縮永久歪が50%以上である熱可塑性樹脂組成物は、加温変形層210としたときに、チューブ型容器100を、押圧による内容物の押し出しや絞り出しによる排出後に直立するためのバランスが取れた形状に戻りやすくする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記圧縮永久歪は5%以上40%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、ASTM D 1505に準拠して測定される密度が、830kg/m以上950kg/m以下であることが好ましい。密度が830kg/m以上である熱可塑性樹脂組成物は、強度および衝撃吸収性が高く、加温変形層210としたときに、使用中の落下などによるチューブ型容器100の破損を抑制できる。密度が950kg/m以下である熱可塑性樹脂組成物は、軽量であり、加温変形層210としたときに、チューブ型容器100の持ち運びや取扱いを容易にする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の密度は840kg/m以上950kg/m以下であることが好ましく、850kg/m以上945kg/m以下であることがより好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、融点(Tm)が50℃以上160℃以下であることが好ましい。融点(Tm)が60℃以上150℃以下である熱可塑性樹脂組成物は、成形が容易である。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)は70℃以上145℃以下であることが好ましく、80℃以上140℃以下であることがより好ましい。
融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)(たとえば、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C)を用いて測定することができる。このとき、7〜12mg程度の熱可塑性樹脂組成物をアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱し、完全融解させるために試料を200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−50℃まで冷却し、−50℃で5分間静置した後、10℃/分で200℃まで再度加熱する。この再度の(2度目の)加熱で測定されるピーク値温度を、融点(Tm)とする。
上記熱可塑性樹脂組成物は、上述した物性を満たすものであれば限定されないが、例えば、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含有する組成物とすることができる。
1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)
1−1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の構成
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、任意に、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、構成単位(i)、構成単位(ii)および構成単位(iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(i)を55モル%以上85モル%以下、構成単位(ii)を15モル%以上45モル%以下、構成単位(iii)を0モル%以上10モル%以下含む。
なお、構成単位(i)の割合の下限値は、55モル%であるが、60モル%であることが好ましく、68モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の上限値は、85モル%であるが、84モル%であることが好ましく、80モル%であることがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)が含む構成単位(ii)の割合が上記下限値以上であると、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)のtanδがピーク値となる温度が室温付近になるため、熱可塑性樹脂組成物のtanδがピーク値となる温度も上述した範囲に調整しやすい。また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)が含む構成単位(i)の割合が上記上限値以下であると、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)が適度な柔軟性を有するため、熱可塑性樹脂組成物のΔHSを上述した範囲に調整しやすい。
当然ながら、このとき、構成単位(ii)の割合の上限値は、45モル%であるが、40モル%であることが好ましく、32モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、15モル%であるが、16モル%であることが好ましく、20モル%であることがより好ましい。
構成単位(ii)を導くα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンなどを含む炭素原子数2〜20(好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10)の直鎖状のα−オレフィン、ならびに、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、および3−エチル−1−ヘキセンなどを含む炭素原子数5〜20(好ましくは炭素原子数5〜15)の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。構成単位(ii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
構成単位(iii)を導く非共役ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、および4−エチリデン−1,7−ウンデカジエンなどを含む鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエンなどを含む環状非共役ジエン、ならびに、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、および4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエンなどを含むトリエンなどが含まれる。これらのうち、特に構成単位(ii)を導くα−オレフィンがプロピレンであるときは、架橋効率を高める観点からは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。構成単位(iii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、実質的に構成単位(i)および構成単位(ii)からなることが好ましい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、以下の要件(a)、(b)および(c)から選ばれる1以上の要件を満たすことが好ましい。
要件(a)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1dL/g以上5.0dL/g以下であることが好ましく、0.5dL/g以上4.0dL/g以下であることがより好ましく、0.5dL/g以上3.5dL/g以下であるさらに好ましい。上記極限粘度[η]が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、シート状の熱可塑性樹脂組成物への成形が容易である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の上記極限粘度[η]は、重合による製造中に水素を添加して分子量や重合活性を制御して、上記範囲に調整することができる。
要件(b)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布:Mw/Mn)は、1.0以上3.5であることが好ましく、1.2以上3.0以下であることがより好ましく、1.5以上2.8以下であることがさらに好ましい。上記Mw/Mnが上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、低分子量、低立体規則性ポリマーによる成形性の低下が生じにくく、シート状の熱可塑性樹脂組成物への成形が容易である。
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、500以上10,000,000以上であることが好ましく、1,000以上5,000,000以下であることがより好ましく、1,000以上2,500,000以下であることがさらに好ましい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)のMw/MnおよびMwは、たとえばメタロセン触媒を使用することで、上記範囲に調整することができる。
要件(c)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)のASTM D 1505に準拠して測定される密度は、870kg/m3以上830kg/m3以下であることが好ましく、865kg/m3以上830kg/m3以下であることがより好ましく、855kg/m3以上830kg/m3以下であることがさらに好ましい。上記密度が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、軽量であるため、持ち運びや取扱いが容易なチューブ型容器100を製造しやすい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の上記密度は、構成単位(i)〜構成単位(iii)の組成比によって適宜調整することができる。
なお、上記要件(a)〜要件(c)に係る極限粘度[η]、Mw/Mn、Mwおよび密度は、上述した熱可塑性樹脂組成物と同様の測定で求めることができる。
1−1−2.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の製造方法
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーを、マグネシウム担持型チタン触媒またはメタロセン触媒などの適当な触媒の存在下で重合させて,製造することができる。重合は、溶解重合および懸濁重合などを含む液相重合法、ならびに気相重合法などから適宜選択して行うことができる。
液相重合法では、液相を構成する溶媒として不活性炭化水素溶媒を用いることができる。上記不活性炭化水素の例には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、および灯油などを含む脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンなどを含む脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどを含む芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、およびテトラクロロメタンなどを含むハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などが含まれる。
また、液相重合法では、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマー自身を溶媒とする塊状重合とすることもできる。
なお、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーの共重合を段階的に行うことにより、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)を構成する構成単位(i)〜構成単位(iii)の組成分布を適当に制御することもできる。
重合温度は、−50℃以上200℃以下が好ましく、0℃以上100℃以下がより好ましく、20℃以上100℃以下がさらに好ましい。
重合圧力は、常圧以上10MPaゲージ圧であることが好ましく、常圧以上5MPaゲージ圧であることがより好ましい。
重合の際に、生成するポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加してもよい。添加される水素の量は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーの合計量1kgに対して、0.001NL以上100NL以下程度が適当である。
1−2.熱可塑性樹脂(B)
1−2−1.熱可塑性樹脂(B)の構成
熱可塑性樹脂(B)は、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)以外の熱可塑性樹脂であればよい。
熱可塑性樹脂(B)は、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が、0℃未満であることが好ましく、−5℃未満であることがより好ましく、−10℃未満であることがさらに好ましく、−30℃未満であることが特に好ましい。tanδがピーク値となる温度の下限は特に限定されないが、例えば−60℃とすることができる。このような熱可塑性樹脂からは、tanδがピーク値となる温度が20℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物を製造しやすい。
熱可塑性樹脂組成物が含有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と熱可塑性樹脂(B)との合計量を100質量部としたとき、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の含有量の上限値は、90質量部であることが好ましく、75質量部であることがより好ましく、60質量部であることがさらに好ましく、50質量部であることが特に好ましい。また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)の含有量の下限値は、10質量部であることが好ましく、15質量部であることがより好ましく、25質量部であることがさらに好ましく、30質量部であることが特に好ましい。このような組成比とすると、熱可塑性樹脂組成物の柔軟性、応力緩和性および凹凸追従性をより高めることができる。
言い換えると、熱可塑性樹脂(B)含量の下限値は、10質量部であることが好ましく、25質量部であることがより好ましく、40質量部であることがさらに好ましく、50質量部であることが特に好ましく、上限値は、90質量部であることが好ましく、85質量部であることがより好ましく、75質量部であることがさらに好ましく、70質量であることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂(B)は、オレフィン系樹脂(B−1)、オレフィン系エラストマー(B−2)、スチレン系エラストマー(B−3)、または熱可塑性エラストマー組成物(B−4)であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂(B)は、上記以外の熱可塑性樹脂(B−5)であってもよい。これらの熱可塑性樹脂(B)は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
1−2−1−1.オレフィン系樹脂(B−1)
オレフィン系樹脂(B−1)の例には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系共重合体などが含まれる。オレフィン系樹脂(B−1)は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、および塩素化ポリオレフィンなどが好ましい。
1−2−1−2.オレフィン系エラストマー(B−2)
オレフィン系エラストマー(B−2)の例には、オレフィン系ブロック共重合体から形成されるエラストマーを使用することができる。例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体などが含まれる。オレフィン系エラストマー(B−2)の市販品の例には、JSR株式会社製DYNARON(「DYNARON」は同社の登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(「タフマー」は同社の登録商標)、ノティオ(「ノティオ」は同社の登録商標)、ダウケミカル株式会社製ENGAGE(「ENGAGE」は同社の登録商標)、VERSIFY(「VERSIFY」は同社の登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社製Vistamaxx(「Vistamaxx」は同社の登録商標)などが含まれる。
1−2−1−3.スチレン系エラストマー(B−3)
スチレン系エラストマー(B−3)の例には、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、およびスチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などが含まれる。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)の市販品の例には、JSR株式会社製ダイナロン(「ダイナロン」は同社の登録商標)などが含まれる。
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)に水素添加してなるものである。SISの市販品の例には、JSR株式会社製JSR SIS(「JSR SIS」は同社の登録商標)、株式会社クラレ製ハイブラー(「ハイブラー」は同社の登録商標)、およびシェル株式会社製クレイトンD(「クレイトン」は同社の登録商標)などが含まれる。
SEPSの市販品の例には、株式会社クラレ製セプトン(「セプトン」は同社の登録商標)、およびシェル株式会社製クレイトンなどが含まれる。
SEBSの市販品の例には、旭化成株式会社製タフテック(「タフテック」は同社の登録商標)、およびシェル株式会社製クレイトンなどが含まれる。
また、SIBSおよびSIBの市販品の例には、株式会社カネカ製シブスター(「シブスター」は同社の登録商標などが含まれる。
1−2−1−4.熱可塑性エラストマー組成物(B−4)
熱可塑性エラストマー組成物(B−4)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物を動的架橋して得られる組成物である。
1−2−1−4−1.エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、エチレンから導かれる構成単位(I−a)と、α−オレフィンから導かれる構成単位(I−b)とを、(I−a)/(I−b)が50/50以上95/5以下であることが好ましく、60/40以上80/20以下であることがより好ましく、65/35以上75/25以下であることがさらに好ましい。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]が含有する、非共役ポリエン量から導かれる構成単位(I−c)の含有量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]の全質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
上記α−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであることが好ましい。このようなα−オレフィンの例には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、および12−エチル−1−テトラデセンなどが含まれる。上記α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。これらα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記非共役ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、および4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン、ならびに、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、および4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエン等のトリエンなどが含まれる。上記非共役ポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、非共役ポリエンから導かれる構成単位(I−c)の含有量の一指標であるヨウ素価が1以上50以下であることが好ましく、5以上40以下であることがより好ましく、10以上30以下であることがさらに好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上10dl/g以下であることが好ましく、1.5dl/g以上8dl/g以下であることがより好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、その製造の際に軟化剤好ましくは鉱物油系軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。上記鉱物油系軟化剤の例には、公知の鉱物油系軟化剤、たとえばパラフィン系プロセスオイルなどが含まれる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、10以上250以下であることが好ましく、30以上150以下であることがより好ましい。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、単独で、あるいは二種以上のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いてもよい。 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、従来公知の方法により製造することができる。
1−2−1−4−2.ポリオレフィン樹脂[II]
ポリオレフィン樹脂[II]は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独重合体であるか、または、二種以上の上記α−オレフィンの共重合体であって、主たるα−オレフィンの含有量が90モル%以上の共重合体である。ポリオレフィン樹脂[II]は、融点(Tm)が70℃以上200℃以下で在ることが好ましく、80℃以上170℃以下であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、主鎖に不飽和結合を実質的に有さないことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、単独で、あるいは二種以上のオレフィン系重合体を用いてもよい。
これらのポリオレフィン樹脂[II]の中でも、プロピレン系重合体(II−1)、エチレン系重合体(II−2)が好ましい。
1−2−1−4−2−1.プロピレン系重合体(II−1)
プロピレン系重合体(II−1)は、プロピレンの単独重合体、プロピレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、または、プロピレンの単独重合体と非晶性あるいは低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体とのブロック共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。プロピレン系重合体(II−1)は、融点(Tm)が120℃以上170℃以下であることが好ましく、145℃以上165℃以下であることがより好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、ポリプロピレン樹脂として市販されているものとすることができる。
プロピレン系重合体(II−1)は、立体構造がアイソタクチック構造であるものが好ましいが、シンジオタクチック構造のものやこれらの構造の混ざったもの、あるいは、一部アタクチック構造を含むものであってもよい。
プロピレン系重合体(II−1)は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)0.05g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、種々公知の重合方法によって重合される。
1−2−1−4−2−2.エチレン系重合体(II−2)
エチレン系重合体(II−2)は、エチレンの単独重合体、または、エチレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。エチレン系重合体(II−2)は、融点(Tm)が80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、または高密度ポリエチレンとして市販されているものとすることができる。
エチレン系重合体(II−2)は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)0.05g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、種々公知の重合方法によって重合される。
1−2−1−5.その他の熱可塑性樹脂(B−5)
熱可塑性樹脂(B)は、上記以外の熱可塑性樹脂(B−5)であってもよい。このような熱可塑性樹脂(B−%)の例には、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、およびナイロン612)などを含むポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系エラストマー、ビニル芳香族系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、およびAS樹脂などを含むポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、公知のアイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイドポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ならびにポリエーテルスルホンなどが含まれる。
1−2−2.熱可塑性樹脂(B)の製造方法
上述したオレフィン系樹脂(B−1)、オレフィン系エラストマー(B−2)、スチレン系エラストマー(B−3)、およびその他の熱可塑性樹脂(B−5)は、公知の重合方法でこれらを構成する構成単位を導くモノマーを重合することにより得られる。
熱可塑性エラストマー組成物(B−4)は、上述したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物、好ましくはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを[I]/[II](質量比)が90/10以上5/95以下、より好ましくは70/30以上10/90以下の範囲で含む混合物、あるいは、必要に応じて公知の軟化剤などを所定量含む混合物(前駆体)を動的架橋することにより得られる。動的架橋を行う際には、公知の架橋剤の存在下、あるいは上記架橋剤と公知の架橋助剤の存在下に、動的に熱処理するのがよい。ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう。
動的な熱処理は、非開放型の装置中で行われることが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。熱処理の温度は、ポリオレフィン樹脂[II]の融点以上300℃以下の範囲であり、150℃以上270℃以下が好ましく、170℃以上250℃以下がより好ましい。混練時間は、1分間以上20分間以下であることが好ましく、1分間以上10分間以下であることがよりこのましい。このとき、剪断速度で10sec−1以上50,000sec−1以下、好ましくは100sec−1以上10,000sec−1以下の剪断力が加えられることが好ましい。
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用いることができるが、非開放型の装置が好ましい。
1−3.その他の成分
熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、上述した以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。
たとえば、熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、および軟化剤等の添加剤を含んでもよい。
上記軟化剤の例には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどを含む石油系物質、コールタールおよびコールタールピッチなどを含むコールタール類、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などを含む脂肪油、トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどを含むロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などを含む脂肪酸またはその金属塩、石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどを含む合成高分子、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどを含むエステル系可塑剤、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物、ならびに液状チオコールなどを含む公知の軟化剤が含まれる。
前記充填剤の例には、マイカ、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウムなどの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などを含む繊維状充填剤、親水性の層状粘土鉱物、および公知の特定形状(層状を除く)の親水性無機化合物などが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、2次元に広がる層が複数積層されたフィロ珪酸塩鉱物、たとえば、スメクタイトなどが含まれる。スメクタイトは、モンモリロン石群鉱物である。スメクタイトの例には、モンモリロン石(モンモリロンナイト)、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノントロン石、アルミニアンノントロナイト、サポー石(サポナイト)、アルミニアンサポー石、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、およびベントナイトなどが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、バーミキュル石(バーミキュライト)、ハロイサイト、膨潤性マイカ、および黒鉛などが含まれる。このような親水性の層状粘土鉱物の市販品の例には、クニミネ工業社製クニピアシリーズ(モンモリロナイト)、ホージュン社製ベンゲルシリーズ(ベントナイト)、およびコープケミカル社製ソマシフMEシリーズ(膨潤性マイカ)などを含む天然品、ならびに、クニミネ工業社製スメクトン(サポナイト)、コープケミカル社製ルーセンタイトSWNシリーズ(ヘクトライト)、およびロックウッドホールディングス社製ラポナイト(ヘクトライト)などの合成品などが含まれる。一般に、合成品は天然品よりも最大長さが小さいため小さい油滴を得ることができるため、上記親水性の層状粘土鉱物は、合成品が好ましい。
前記難燃剤の例には、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリリン酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のリン酸エステル及びその他のリン化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、およびテトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤、ならびにこれらの混合物が含まれる。
これら軟化剤、充填剤、難燃化剤等、粘着付与剤以外の添加剤の使用量の合計は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、の合計を100質量部として、0.001〜50質量部とすることが好ましい。
1−4.熱可塑性樹脂組成物の製造方法
上記熱可塑性樹脂組成物は、公知の方法で製造することができる。たとえば、上述した4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、任意に含まれる上記その他の成分と、を混合して、熱可塑性樹脂組成物とすることができる。このとき、上記各樹脂の溶融温度以上に加熱して混合してもよい。
2.その他の層
積層体は、加温変形層210以外の層として、液体または気体などの透過性を低下させるためのガスバリア層220(図2A)、および容器の形状を維持して内容物を保護するための保護層230(図2B)などを有してもよい。また、積層体は、不図示の印刷層などをさらに有していてもよい。
ガスバリア層220は、チューブ型容器100の内部から外部への液体の透過を抑制して内容量の意図せぬ低下やチューブ型容器100の劣化を抑制し、かつ、チューブ型容器100の外部から内部への液体の透過を抑制して内容物の意図せぬ劣化を抑制できる材料から形成される層であればよい。ガスバリア層220は、チューブ型容器に通常用いられるエチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタラートおよびポリアクリロニトリルなどから選択することができる。
保護層230は、成形が容易であり、チューブ型容器100の形状を保てる強度を有し、かつ、チューブ型容器100の内容物との反応性が低い材料から形成される層であればよい。保護層230は、チューブ型容器に通常用いられるポリエチレンまたはポリプロピレンから形成される層とすることができる。
なお、上記加温変形層210、ガスバリア層220および保護層230は、それぞれ複数設けられてもよい。また、これらの層の間には、変性ポリエチレンなどの熱融着性を有する樹脂からなる接着層が設けられていてもよい。なお、ポリエチレンおよびポリプロピレンは、上記材料から形成されるガスバリア層との接着性が高い。このように各層が互いに十分な接着性を有するときは、上記接着層は設けられなくてもよい。
特に、保護層230は、複数設けられ、加温変形層210(および任意に設けられるガスバリア層220)を挟むように配置されることが好ましい。つまり、図2Bに示すように、保護層230、加温変形層210、ガスバリア層220および保護層230が、この順に積層されることが好ましい。なお、図2Bでは加温変形層210がガスバリア層220よりもチューブ型容器100の内側に配置されているが、これらの層の配置順は特に限定されず、加温変形層210がガスバリア層220よりもチューブ型容器100の外側に配置されてもよい。
ガスバリア層220および保護層230の厚みは、上記各層の機能が発揮され、かつ、上記積層体における加温変形層210の厚み(a)が、積層体全体の厚み(b)に対して50%以上となる範囲で、任意に定めることができる。
3.積層体の製造方法
積層体は、上述した熱可塑性樹脂組成物をシート状に成形して形成される加温変形層210と、上述した材料をシート状に成形して形成されるその他の層とを積層させて、製造することができる。積層方法には多層シート成形機を用いての多層シートの成形、および多層ダイスを有する押出し機を用いてのチューブ状の積層体の直接成形などが含まれるが、特に限定されず、それぞれ成形したシート同士を上述した接着剤層を用いて積層させてもよいし、材料の種類によっては熱融着または超音波融着などによって積層させてもよい。
4.その他
上記積層体は、公知の方法で容器の形状に成形して、チューブ型容器100を製造することができる。
このとき、胴部110、底部120および頂部130がすべて上記積層体から形成されるときは、チューブ型容器100を一体的に成形できるためチューブ型容器100の製造が容易である。なお、これらのうちいずれかが別の材料からなるときは、それぞれの部分を別個に成形し、接着剤、熱融着または超音波融着などによって接合させて、チューブ型容器100を製造してもよい。
また、チューブ型容器100がキャップ装着部またはポンプ装着部などを有するときは、これらの装着部を別個に成形し、接着剤、熱融着または超音波融着などによって接合させて、チューブ型容器100を製造してもよい。
なお、上述の記載では胴部110、底部120および頂部130を有するチューブ型容器100を例に挙げて説明したが、チューブ型容器100の形状は特に限定されず、三方シール体およびスタンディングパウチなどのいかなる形状としてもよい。これらの形状を有するチューブ型容器100も、上記積層体から公知の方法で製造することができる。
また、キャップを嵌め込み可能なキャップ装着部140は、ポンプを嵌め込み可能なポンプ装着部などとして機能する形状としてもよい。
チューブ型容器100は、台所用液体洗剤および洗濯用液体洗剤などの線材、液体柔軟剤、シャンプー、リンス、ボディーソープなどの洗浄液、飲食品などを保存および排出できる。これらのうち、40℃近くへの加温が容易な風呂場などで用いるシャンプー、リンス、ボディーソープなどの洗浄液や、レンジ等で温めて用いる飲食品などの保存および排出に用いられることが好ましい。
100 チューブ型容器
110 胴部
120 底部
130 頂部
140 キャップ装着部
210 加温変形層
220 ガスバリア層
230 保護層

Claims (9)

  1. 以下の(I)および(II)を満たす熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層を含む複数の層から形成される積層体であって、前記積層体全体の厚みに対する前記熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層の厚みは、50%以上である積層体を含む、チューブ型容器。
    (I)JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である
    (II)10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる、15℃における貯蔵弾性率(G’@15℃)と40℃における貯蔵弾性率(G’@40℃)との比率(G’@15℃/G’@40℃)が、100以上である
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度は、20℃以上40℃以下である、請求項1に記載のチューブ型容器。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、0.5以上5.0以下である、請求項1または2に記載のチューブ型容器。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物は、
    4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(A−i)および
    4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(A−ii)を含み、
    任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(A−iii)を含んでもよい
    4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であって、
    構成単位(A−i)、(A−ii)および(A−iii)の合計を100モル%としたときに、
    構成単位(A−i)を55〜85モル%、
    構成単位(A−ii)を15〜45モル%、
    構成単位(A−iii)を0〜10モル%含む、
    4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A−1)と、
    前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、
    を含有する組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチューブ型容器。
  5. 前記積層体は、さらにガスバリア層を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のチューブ型容器。
  6. 前記ガスバリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂およびポリアクリロニトリル樹脂からなる群から選択される樹脂を含む、請求項5に記載のチューブ型容器。
  7. 前記積層体は、さらにポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分としてなる層を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のチューブ型容器。
  8. 前記積層体は、この順に積層された、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分としてなる層、前記熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる層、前記ガスバリア層、およびポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂を主成分としてなる層を含む、請求項5または6に記載のチューブ型容器。
  9. 少なくとも胴部に前記積層体を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のチューブ型容器。
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