JP2021092014A - マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】ノーズフィッターなどの変形可能な部分を、使用者が容易に変形できる、マスクを提供すること。【解決手段】本発明のマスクは、不織布を含むマスク本体と、上記マスク本体の周辺部に形成された折り曲げ部とを含む。上記折り曲げ部は、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下であり、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が25℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる。【選択図】図1

Description

本発明は、マスクに関する。
近年、花粉、ウイルス、および煤塵などの粒子状物質などから体内を保護するため、マスクの需要が高まっている。マスクは、通常、使用者の鼻孔および口を被覆するマスク本体部と、使用者の耳に掛けてマスク本体を保持する耳掛け部とを有する。マスク本体部は、通常、長方形などの鼻孔および口を被覆可能な形状に成形した不織布から形成される。
マスクを装着したときに、マスク本体部と使用者の顔面との間に隙間が生じると、使用者の息が外部に漏れることがある。たとえば、使用者の鼻と頬面との間には窪みがあるため、マスク本体部の上辺には上記窪みに由来する隙間が生じやすい。このマスク本体部の上辺に生じた隙間から使用者の息が漏れると、使用者の眼鏡を曇らせてしまうことがある。
そのため、マスクの上辺に折り曲げ可能なノーズフィッターを設けて、使用者の顔面の形状にあわせてノーズフィッターを折り曲げて隙間を生じにくくし、マスク本体部の上辺からの息漏れを抑制する技術が知られている。特許文献1などに記載のように、ノーズフィッターとしては、金属製やポリエチレン製のテープなどが使用されている。
特開2016−053237号公報
マスク本体部と使用者の顔面との間に隙間をより少なくすることが望まれている。上述したように、マスク本体部の上辺に生じた隙間から使用者の息が漏れると、使用者の眼鏡を曇らせてしまうことがあるし、マスク本体部の左右辺や下辺に隙間が生じると、これらの隙間から外部の空気が侵入して使用者の口内に到達し、花粉、ウイルスおよび粒子状物質などからの保護が不十分になることもある。
しかし、特許文献1に記載のような金属製やポリエチレン製のテープでは、応力に対する軟化の度合いが小さすぎて、所望の形状への折り曲げが容易ではない(凹凸追従性が良好ではない)ことがある。ノーズフィッターには、自分の顔の形状にあわせて使用者が容易に変形できることが望まれている。
上記の課題に鑑み、本発明は、ノーズフィッターなどの変形可能な部分を、使用者が容易に変形できる、マスクを提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下のマスクに関する。
[1]不織布を含むマスク本体と、前記マスク本体の周辺部に形成された折り曲げ部とを含み、前記折り曲げ部は、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下であり、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が25℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる、マスク。
[2]前記熱可塑性樹脂組成物の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、1.0以上5.0以下である、[1]に記載のマスク。
[3]前記熱可塑性樹脂組成物は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含み、任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であって、構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(i)を55〜85モル%、構成単位(ii)を15〜45モル%、構成単位(iii)を0〜10モル%含む、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含有する組成物である、[1]または[2]に記載のマスク。
本発明によれば、ノーズフィッターなどの変形可能な部分を、使用者が容易に変形できる、マスクが提供される。
図1A、図1Bおよび図1Cは、本発明の一実施の形態に係るマスクを表す模式図である。
本発明の一実施形態に係るマスク100は、図1に示すように、使用者の鼻孔および口を被覆するマスク本体部110を有し、マスク本体部110の周辺部には、折り曲げ部120が形成されている。また、マスク本体部110には、使用者の耳に掛けてマスク本体を保持する耳掛け部130が形成されてもよい。
A.マスク本体部
マスク本体部110は、たとえば、使用者の顔面の鼻孔、口角部および喉元のうち顎の先端に近傍する領域を少なくとも覆被する形状とすればよい。マスク本体部110は、たとえば、立体状または平面状の、略矩形状とすることができる。マスク本体部110は、鼻や喉元に掛けやすいように上辺または下辺を伸張させた略五角形または略六角形形状としてもよい。マスク本体部110は、使用者が装着したときに顔面に密着できるように、多段加工して上下方向(装着したときに使用者の鼻と顎とを結ぶ方向)に伸縮可能としてもよい。マスク本体部110は、使用者が装着したときに顔面に密着できるように、2枚の略矩形のシート材料を融着等によって接合して、中央から左右方向(装着したときに使用者の両耳を結ぶ方向)に折り曲げ可能としてもよい。
マスク本体部110は、柔軟性および通気性を有する不織布または織布から形成される。上記不織布または織布は、紙、レーヨンおよび綿などの天然繊維から形成されてもよいし、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのオレフィン重合体、ポリエステルテレフタラート(PET)などのポリエステル、ならびにエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのビニルアルコール系樹脂などを含む合成繊維から形成されてもよい。マスク本体部110は、これらの材料から形成されるシート材料が積層された積層体から形成されることが好ましい。このとき、マスク本体部110は、その左右辺(装着した時に使用者の耳側にあたる辺)にサイドシートを備え、上記サイドシートによって積層体を保持してもよい。なお、マスク本体部110の、少なくとも使用者の肌と接する面は、不織布から形成されることが好ましい。
B.折り曲げ部
1.折り曲げ部の構成
折り曲げ部120は、マスク本体部110の周辺部に線状に形成されており、応力の印加によって変形可能に構成されている。折り曲げ部120は、マスク本体部110の最外周部に形成されてもよいし、マスク本体部110の外周部から一定の幅だけ内部に形成されてもよいし、部分的に最外周部に形成され、部分的に外周部から一定の幅だけ内部の領域に形成されてもよい。
また、折り曲げ部120は、図1Aに示すようにマスク本体部110の上辺に形成されてもよいし、マスク本体部110の左右いずれかまたは両方の辺に形成されてもよいし、マスク本体部110の下辺に形成されてもよい。また、折り曲げ部120は、図1Bに示すようにマスク本体部110のすべての周辺部に形成されてもよい。
また、折り曲げ部120は、マスク本体部110の表側(使用者と当接しない側)に形成されてもよいし、マスク本体部110の裏側(使用者と当接する側)に形成されてもよい。マスク本体部110が上記積層体であるときは、折り曲げ部120は、マスク本体部110を構成する各層の間に挟まれて形成されてもよい。
また、折り曲げ部120は、マスク本体部110の各辺に1本の連続した線状に形成されてもよいし、図1Cに示すように、不連続な2本以上の線状に形成されていてもよい。折り曲げ部120は、不連続な2本以上の線状に形成されているとき、互いに異なる複数の部材から構成されてもよい。このとき、上記複数の部材は、装着したときに当接する使用者の顔面の形状に応じて後述するΔHSの値などが互いに異なる部材とすることができる。例えば、図1Cにおいて、使用者の鼻の近辺に当接するため折り曲げ量が多くなる領域では、折り曲げ部120−1のΔHSをより大きくし、使用者の頬の近辺に当接するため折り曲げ量が少なく領域では、折り曲げ部120−2のΔHSをより少なくしてもよい。
折り曲げ部120がマスク本体部110の上辺に形成されると、使用者は、自分の鼻から頬面にかけての形状にあわせて折り曲げ部120を変形させて装着することで、マスク本体部110の上辺に生じた隙間からの息漏れを抑制して、眼鏡の曇りなどを抑制することができる。
折り曲げ部120がマスク本体部110の左右辺または下辺に形成されると、使用者は、自分の頬または顎の形状にあわせて折り曲げ部120を変形させて装着することで、マスク本体部110の左右辺または下辺に生じた隙間からの外部の空気の侵入を抑制することができる。そのため、このようなマスク100は、外部の空気が使用者の口内により到達しにくく、花粉、ウイルスおよび粒子状物質などからの使用者の保護効果をさらに高めることができる。
また、折り曲げ部120によってマスクの端部(またはその近傍)が使用者の顔面の形状にあわせて折り曲げられると、マスクがより顔面に密着しやすい。
2.熱可塑性樹脂組成物
折り曲げ部120は、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる。ΔHSが5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、ΔHSが50以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがなく、使用者の顔面の形状に容易に適合させることができる。そのため、ΔHSが上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、折り曲げ部120としたときに凹凸追従性に優れる。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のΔHSは10以上40以下であることが好ましく、15以上40以下であることがより好ましい。
ショアーA硬度は、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、JIS K6253に準拠してショアーA硬度計で測定して求めることができる。ただし、熱可塑性樹脂組成物のショアーA硬度の測定が困難である場合は、代わりにショアーD硬度計を用いて測定したショアーD硬度を、その熱可塑性樹脂組成物のショアーA硬度と推定してもよい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が、25℃以上40℃以下であることが好ましい。上記温度が25℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物は、人の体温の付近で加圧で変形しやすい。そのため、tanδがピーク値となる温度が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、折り曲げ部120としたときに人の手による変形が容易である。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のtanδがピーク値となる温度は28℃以上40℃以下であることが好ましく、29℃以上38℃以下であることがより好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、上記tanδのピーク値が1.0以上5.0以下であることが好ましい。tanδのピーク値が5.0以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、tanδのピーク値が1.0以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがなく、使用者の顔面の形状に容易に適合させることができる。そのため、tanδのピーク値が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、折り曲げ部120としたときに凹凸追従性に優れる。また、tanδのピーク値が1.0以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力吸収性が高いため、折り曲げ部120としたときに使用者が違和感を覚えにくい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のtanδのピーク値は0.5以上4.0以下であることが好ましく、0.8以上3.5以下であることがより好ましい。
tanδは、45mm×10mm×3mmの短冊片を測定試料として用い、粘弾性測定装置(たとえば、ANTONPaar社製MCR301)を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定して求めることができる。具体的には、上記測定で得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)をtanδとする。0〜30℃の範囲でtanδがピーク値(最大値)となる際の温度を、上記tanδがピーク値となる温度とし、その際のtanδの値を上記tanδのピーク値とする。なお、上記ピークは、熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度に起因すると考えられる。
また、上記熱可塑性樹脂組成物は、発泡体でも未発泡体でもよいが、凹凸追従性をより高める観点からは、発泡体であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、上述した物性を満たすものであれば限定されないが、例えば、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、を含有する組成物とすることができる。
2−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)
2−1−1.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の構成
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、任意に、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、構成単位(i)、構成単位(ii)および構成単位(iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(i)を55モル%以上85モル%以下、構成単位(ii)を15モル%以上45モル%以下、構成単位(iii)を0モル%以上10モル%以下含む。
なお、構成単位(i)の割合の下限値は、55モル%であるが、60モル%であることが好ましく、68モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の上限値は、85モル%であるが、80モル%であることが好ましく、77モル%であることがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が含む構成単位(ii)の割合が上記下限値以上であると、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のtanδがピーク値となる温度が室温付近になるため、熱可塑性樹脂組成物のtanδがピーク値となる温度も上述した範囲に調整しやすい。また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が含む構成単位(i)の割合が上記上限値以下であると、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)が適度な柔軟性を有するため、熱可塑性樹脂組成物のΔHSを上述した範囲に調整しやすい。
当然ながら、このとき、構成単位(ii)の割合の上限値は、45モル%であるが、40モル%であることが好ましく、32モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、15モル%であるが、20モル%であることが好ましく、23モル%であることがより好ましい。
構成単位(ii)を導くα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンなどを含む炭素原子数2〜20(好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10)の直鎖状のα−オレフィン、ならびに、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、および3−エチル−1−ヘキセンなどを含む炭素原子数5〜20(好ましくは炭素原子数5〜15)の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。構成単位(ii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
構成単位(iii)を導く非共役ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、および4−エチリデン−1,7−ウンデカジエンなどを含む鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエンなどを含む環状非共役ジエン、ならびに、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、および4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエンなどを含むトリエンなどが含まれる。これらのうち、特に構成単位(ii)を導くα−オレフィンがプロピレンであるときは、架橋効率を高める観点からは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。構成単位(iii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
ただし、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、実質的に構成単位(i)および構成単位(ii)からなることが好ましい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(a)、(b)および(c)から選ばれる1以上の要件を満たすことが好ましい。
要件(a)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1dL/g以上5.0dL/g以下であることが好ましく、0.5dL/g以上4.0dL/g以下であることがより好ましく、0.5dL/g以上3.5dL/g以下であるさらに好ましい。上記極限粘度[η]が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、シート状の熱可塑性樹脂組成物への成形が容易である。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の上記極限粘度[η]は、重合による製造中に水素を添加して分子量や重合活性を制御して、上記範囲に調整することができる。
要件(b)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布:Mw/Mn)は、1.0以上3.5であることが好ましく、1.2以上3.0以下であることがより好ましく、1.5以上2.8以下であることがさらに好ましい。上記Mw/Mnが上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、低分子量、低立体規則性ポリマーによる成形性の低下が生じにくく、シート状の熱可塑性樹脂組成物への成形が容易である。
また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、500以上10,000,000以上であることが好ましく、1,000以上5,000,000以下であることがより好ましく、1,000以上2,500,000以下であることがさらに好ましい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のMw/MnおよびMwは、たとえばメタロセン触媒を使用することで、上記範囲に調整することができる。
要件(c)
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)のASTM D 1505に準拠して測定される密度は、870kg/m3以上830kg/m3以下であることが好ましく、865kg/m3以上830kg/m3以下であることがより好ましく、855kg/m3以上830kg/m3以下であることがさらに好ましい。上記密度が上記範囲である4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、軽量であるため、使用者に負荷がかかりにくく、違和感が生じにくい折り曲げ部120を製造しやすい。
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の上記密度は、構成単位(i)〜構成単位(iii)の組成比によって適宜調整することができる。
なお、上記要件(a)〜要件(c)に係る極限粘度[η]、Mw/Mn、Mwおよび密度は、上述した熱可塑性樹脂組成物と同様の測定で求めることができる。
2−1−2.4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法
4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーを、マグネシウム担持型チタン触媒またはメタロセン触媒などの適当な触媒の存在下で重合させて,製造することができる。重合は、溶解重合および懸濁重合などを含む液相重合法、ならびに気相重合法などから適宜選択して行うことができる。
液相重合法では、液相を構成する溶媒として不活性炭化水素溶媒を用いることができる。上記不活性炭化水素の例には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、および灯油などを含む脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンなどを含む脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどを含む芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、およびテトラクロロメタンなどを含むハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などが含まれる。
また、液相重合法では、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマー自身を溶媒とする塊状重合とすることもできる。
なお、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーの共重合を段階的に行うことにより、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)を構成する構成単位(i)〜構成単位(iii)の組成分布を適当に制御することもできる。
重合温度は、−50℃以上200℃以下が好ましく、0℃以上100℃以下がより好ましく、20℃以上100℃以下がさらに好ましい。
重合圧力は、常圧以上10MPaゲージ圧であることが好ましく、常圧以上5MPaゲージ圧であることがより好ましい。
重合の際に、生成するポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加してもよい。添加される水素の量は、上記構成単位(i)〜構成単位(iii)を導くモノマーの合計量1kgに対して、0.001NL以上100NL以下程度が適当である。
2−2.熱可塑性樹脂(B)
2−2−1.熱可塑性樹脂(B)の構成
熱可塑性樹脂(B)は、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂であればよい。
熱可塑性樹脂(B)は、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が、0℃未満であることが好ましく、−5℃未満であることがより好ましく、−10℃未満であることがさらに好ましく、−30℃未満であることが特に好ましい。tanδがピーク値となる温度の下限は特に限定されないが、例えば−60℃とすることができる。このような熱可塑性樹脂からは、tanδがピーク値となる温度が25℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物を製造しやすい。
熱可塑性樹脂組成物が含有する4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と熱可塑性樹脂(B)との合計量を100質量部としたとき、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の含有量の上限値は、90質量部であることが好ましく、75質量部であることがより好ましく、60質量部であることがさらに好ましく、50質量部であることが特に好ましい。また、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)の含有量の下限値は、10質量部であることが好ましく、15質量部であることがより好ましく、25質量部であることがさらに好ましく、30質量部であることが特に好ましい。このような組成比とすると、熱可塑性樹脂組成物の柔軟性、応力緩和性および凹凸追従性をより高めることができる。
言い換えると、熱可塑性樹脂(B)含量の下限値は、10質量部であることが好ましく、25質量部であることがより好ましく、40質量部であることがさらに好ましく、50質量部であることが特に好ましく、上限値は、90質量部であることが好ましく、85質量部であることがより好ましく、75質量部であることがさらに好ましく、70質量であることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂(B)は、オレフィン系樹脂(B−1)、オレフィン系エラストマー(B−2)、スチレン系エラストマー(B−3)、または熱可塑性エラストマー組成物(B−4)であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂(B)は、上記以外の熱可塑性樹脂(B−5)であってもよい。これらの熱可塑性樹脂(B)は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
2−2−1−1.オレフィン系樹脂(B−1)
オレフィン系樹脂(B−1)の例には、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系共重合体などが含まれる。オレフィン系樹脂(B−1)は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、環状オレフィン共重合体、および塩素化ポリオレフィンなどが好ましい。
2−2−1−2.オレフィン系エラストマー(B−2)
オレフィン系エラストマー(B−2)の例には、オレフィン系ブロック共重合体から形成されるエラストマーを使用することができる。例えば硬質部となるポリプロピレン等の結晶性の高いポリマーを形成するポリオレフィンブロックと、軟質部となる非晶性を示すモノマー共重合体とのブロック共重合体が挙げられ、具体的には、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィンブロック共重合体、ポリプロピレン・ポリオレフィン(非晶性)・ポリプロピレンブロック共重合体などが含まれる。オレフィン系エラストマー(B−2)の市販品の例には、JSR株式会社製DYNARON(「DYNARON」は同社の登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(「タフマー」は同社の登録商標)、ノティオ(「ノティオ」は同社の登録商標)、ダウケミカル株式会社製ENGAGE(「ENGAGE」は同社の登録商標)、VERSIFY(「VERSIFY」は同社の登録商標)、エクソンモービルケミカル株式会社製Vistamaxx(「Vistamaxx」は同社の登録商標)などが含まれる。
2−2−1−3.スチレン系エラストマー(B−3)
スチレン系エラストマー(B−3)の例には、硬質部(結晶部)となるポリスチレンブロックと、軟質部となるジエン系モノマーブロックとのブロック共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・イソブチレン・スチレン共重合体(SIBS)、およびスチレン・イソブチレン共重合体(SIB)などが含まれる。
水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(HSBR)の市販品の例には、JSR株式会社製ダイナロン(「ダイナロン」は同社の登録商標)などが含まれる。
スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)に水素添加してなるものである。SISの市販品の例には、JSR株式会社製JSR SIS(「JSR SIS」は同社の登録商標)、株式会社クラレ製ハイブラー(「ハイブラー」は同社の登録商標)、およびシェル株式会社製クレイトンD(「クレイトン」は同社の登録商標)などが含まれる。
SEPSの市販品の例には、株式会社クラレ製セプトン(「セプトン」は同社の登録商標)、およびシェル株式会社製クレイトンなどが含まれる。
SEBSの市販品の例には、旭化成株式会社製タフテック(「タフテック」は同社の登録商標)、およびシェル株式会社製クレイトンなどが含まれる。
また、SIBSおよびSIBの市販品の例には、株式会社カネカ製シブスター(「シブスター」は同社の登録商標などが含まれる。
2−2−1−4.熱可塑性エラストマー組成物(B−4)
熱可塑性エラストマー組成物(B−4)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物を動的架橋して得られる組成物である。
2−2−1−4−1.エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、エチレンから導かれる構成単位(I−a)と、α−オレフィンから導かれる構成単位(I−b)とを、(I−a)/(I−b)が50/50以上95/5以下であることが好ましく、60/40以上80/20以下であることがより好ましく、65/35以上75/25以下であることがさらに好ましい。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]が含有する、非共役ポリエン量から導かれる構成単位(I−c)の含有量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]の全質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
上記α−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであることが好ましい。このようなα−オレフィンの例には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、および12−エチル−1−テトラデセンなどが含まれる。上記α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。これらα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記非共役ポリエンの例には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、および4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン、ならびに、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、および4−エチリデン−8−メチル−1,7−ナノジエン等のトリエンなどが含まれる。上記非共役ポリエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、非共役ポリエンから導かれる構成単位(I−c)の含有量の一指標であるヨウ素価が1以上50以下であることが好ましく、5以上40以下であることがより好ましく、10以上30以下であることがさらに好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が1dl/g以上10dl/g以下であることが好ましく、1.5dl/g以上8dl/g以下であることがより好ましい。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、その製造の際に軟化剤好ましくは鉱物油系軟化剤を配合した、いわゆる油展ゴムであってもよい。上記鉱物油系軟化剤の例には、公知の鉱物油系軟化剤、たとえばパラフィン系プロセスオイルなどが含まれる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、10以上250以下であることが好ましく、30以上150以下であることがより好ましい。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、単独で、あるいは二種以上のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いてもよい。 エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]は、従来公知の方法により製造することができる。
2−2−1−4−2.ポリオレフィン樹脂[II]
ポリオレフィン樹脂[II]は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独重合体であるか、または、二種以上の上記α−オレフィンの共重合体であって、主たるα−オレフィンの含有量が90モル%以上の共重合体である。ポリオレフィン樹脂[II]は、融点(Tm)が70℃以上200℃以下で在ることが好ましく、80℃以上170℃以下であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、主鎖に不飽和結合を実質的に有さないことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂[II]は、単独で、あるいは二種以上のオレフィン系重合体を用いてもよい。
これらのポリオレフィン樹脂[II]の中でも、プロピレン系重合体(II−1)、エチレン系重合体(II−2)が好ましい。
2−2−1−4−2−1.プロピレン系重合体(II−1)
プロピレン系重合体(II−1)は、プロピレンの単独重合体、プロピレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、または、プロピレンの単独重合体と非晶性あるいは低結晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体とのブロック共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。プロピレン系重合体(II−1)は、融点(Tm)が120℃以上170℃以下であることが好ましく、145℃以上165℃以下であることがより好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、ポリプロピレン樹脂として市販されているものとすることができる。
プロピレン系重合体(II−1)は、立体構造がアイソタクチック構造であるものが好ましいが、シンジオタクチック構造のものやこれらの構造の混ざったもの、あるいは、一部アタクチック構造を含むものであってもよい。
プロピレン系重合体(II−1)は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)0.05g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましい。
プロピレン系重合体(II−1)は、種々公知の重合方法によって重合される。
2−2−1−4−2−2.エチレン系重合体(II−2)
エチレン系重合体(II−2)は、エチレンの単独重合体、または、エチレンと10モル%以下の炭素数2〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体である。上記炭素数2〜10のα−オレフィンの例には、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、および4−メチル−1−ペンテンが含まれる。エチレン系重合体(II−2)は、融点(Tm)が80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上130℃以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、または高密度ポリエチレンとして市販されているものとすることができる。
エチレン系重合体(II−2)は、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレート(MFR)0.05g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましい。
エチレン系重合体(II−2)は、種々公知の重合方法によって重合される。
2−2−1−5.その他の熱可塑性樹脂(B−5)
熱可塑性樹脂(B)は、上記以外の熱可塑性樹脂(B−5)であってもよい。このような熱可塑性樹脂(B−%)の例には、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、およびナイロン612)などを含むポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系エラストマー、ビニル芳香族系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、およびAS樹脂などを含むポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、公知のアイオノマー、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイドポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ならびにポリエーテルスルホンなどが含まれる。
2−2−2.熱可塑性樹脂(B)の製造方法
上述したオレフィン系樹脂(B−1)、オレフィン系エラストマー(B−2)、スチレン系エラストマー(B−3)、およびその他の熱可塑性樹脂(B−5)は、公知の重合方法でこれらを構成する構成単位を導くモノマーを重合することにより得られる。
熱可塑性エラストマー組成物(B−4)は、上述したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを含む混合物、好ましくはエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体[I]とポリオレフィン樹脂[II]とを[I]/[II](質量比)が90/10以上5/95以下、より好ましくは70/30以上10/90以下の範囲で含む混合物、あるいは、必要に応じて公知の軟化剤などを所定量含む混合物(前駆体)を動的架橋することにより得られる。動的架橋を行う際には、公知の架橋剤の存在下、あるいは上記架橋剤と公知の架橋助剤の存在下に、動的に熱処理するのがよい。ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう。
動的な熱処理は、非開放型の装置中で行われることが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。熱処理の温度は、ポリオレフィン樹脂[II]の融点以上300℃以下の範囲であり、150℃以上270℃以下が好ましく、170℃以上250℃以下がより好ましい。混練時間は、1分間以上20分間以下であることが好ましく、1分間以上10分間以下であることがよりこのましい。このとき、剪断速度で10sec−1以上50,000sec−1以下、好ましくは100sec−1以上10,000sec−1以下の剪断力が加えられることが好ましい。
混練装置としては、ミキシングロール、インテンシブミキサー(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸または二軸押出機等を用いることができるが、非開放型の装置が好ましい。
2−3.その他の成分
熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、上述した以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。
たとえば、熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、および軟化剤等の添加剤を含んでもよい。
上記軟化剤の例には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどを含む石油系物質、コールタールおよびコールタールピッチなどを含むコールタール類、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などを含む脂肪油、トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどを含むロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などを含む脂肪酸またはその金属塩、石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどを含む合成高分子、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどを含むエステル系可塑剤、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物、ならびに液状チオコールなどを含む公知の軟化剤が含まれる。
前記充填剤の例には、マイカ、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウムなどの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などを含む繊維状充填剤、親水性の層状粘土鉱物、および公知の特定形状(層状を除く)の親水性無機化合物などが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、2次元に広がる層が複数積層されたフィロ珪酸塩鉱物、たとえば、スメクタイトなどが含まれる。スメクタイトは、モンモリロン石群鉱物である。スメクタイトの例には、モンモリロン石(モンモリロンナイト)、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノントロン石、アルミニアンノントロナイト、サポー石(サポナイト)、アルミニアンサポー石、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、およびベントナイトなどが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、バーミキュル石(バーミキュライト)、ハロイサイト、膨潤性マイカ、および黒鉛などが含まれる。このような親水性の層状粘土鉱物の市販品の例には、クニミネ工業社製クニピアシリーズ(モンモリロナイト)、ホージュン社製ベンゲルシリーズ(ベントナイト)、およびコープケミカル社製ソマシフMEシリーズ(膨潤性マイカ)などを含む天然品、ならびに、クニミネ工業社製スメクトン(サポナイト)、コープケミカル社製ルーセンタイトSWNシリーズ(ヘクトライト)、およびロックウッドホールディングス社製ラポナイト(ヘクトライト)などの合成品などが含まれる。一般に、合成品は天然品よりも最大長さが小さいため小さい油滴を得ることができるため、上記親水性の層状粘土鉱物は、合成品が好ましい。
前記難燃剤の例には、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリリン酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のリン酸エステル及びその他のリン化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、およびテトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤、ならびにこれらの混合物が含まれる。
これらの添加剤の使用量の合計は、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、の合計を100質量部として、0.001〜50質量部とすることが好ましい。
2−4.熱可塑性樹脂組成物の製造方法
上記熱可塑性樹脂組成物は、公知の方法で製造することができる。たとえば、上述した4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、上記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、任意に含まれる上記その他の成分と、を混合して、熱可塑性樹脂組成物とすることができる。このとき、上記各樹脂の溶融温度以上に加熱して混合してもよい。
C.耳掛け部130
耳掛け部130は、マスク本体部110の左右両端に設けられた、紐状または帯状の部材であり、使用者の両耳に掛けてマスク100を保持可能に構成されている。耳掛け部130は、マスク本体部110と同様の材料から形成することができる。耳掛け部130とマスク本体部110とは、同一の材料からなることが好ましい。
また、マスク本体部110の左右の端部が環状に形成されるようにマスク本体部110に切れ込みを入れて、耳掛け部130とマスク本体部110と一体的に形成してもよい。
D.マスクの製造方法
マスク100は、マスク本体部110に折り曲げ部120および耳掛け部130を接着させて、製造することができる。これらの接着方法は特に限定されず、折り曲げ部120および耳掛け部130の材料によって適宜選択することができる。接着方法の例には、接着剤による接着、熱融着、超音波融着、縫合などが含まれる。
また、耳掛け部130は、マスク本体部110の左右の端部が環状に形成されるようにマスク本体部110に切れ込みを入れて、形成してもよい。
100 マスク
110 マスク本体部
120、120−1、120−2 折り曲げ部
130 耳掛け部

Claims (3)

  1. 不織布を含むマスク本体と、
    前記マスク本体の周辺部に形成された折り曲げ部とを含み、
    前記折り曲げ部は、
    JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下であり、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδがピーク値となる温度が25℃以上40℃以下である熱可塑性樹脂組成物を主成分としてなる、
    マスク。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、1.0以上5.0以下である、請求項1に記載のマスク。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物は、
    4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)および
    4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα−オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含み、
    任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい
    4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体であって、
    構成単位(i)、(ii)および(iii)の合計を100モル%としたときに、
    構成単位(i)を55〜85モル%、
    構成単位(ii)を15〜45モル%、
    構成単位(iii)を0〜10モル%含む、
    4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(A)と、
    前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂(B)と、
    を含有する組成物である、請求項1または2に記載のマスク。
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