(実施形態1)
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、実施形態1に係る空調機1の構成を示す模式図である。本実施形態1に係る空調機1は、室外機2、室内機3、該室外機2と該室内機3とを接続し冷媒が循環する冷媒回路を構成するための冷媒配管10、及び空調機1の運転操作を行うリモコン4を備える。このように、空調機1は室内機3と室外機2とからなるセパレート型空調機である。
室外機2は、冷媒を圧縮する圧縮機21、圧縮機21の吐出管と接続され冷媒の経路を切り換える四路切換弁23、外気と熱交換を行う室外熱交換器24、冷媒を減圧する膨張弁25、圧縮機21の吸入管と接続され冷媒の気液分離を行うアキュムレータ22、及び室外熱交換器24に外気を送風する室外ファン26を備える。
圧縮機21は、インバータによって圧縮機21のモータの回転数を制御するようにしてあり、冷媒循環量を増減することができる容量可変型の圧縮機21である。膨張弁25は、ステッピングモータによって弁開度を制御するようにしてある電動弁である。室外ファン26は、例えばDCモータによって回転駆動するプロペラファンである。
室外熱交換器24の風上側には、外気温度センサ241が配置してあり、室外熱交換器24を通過する前の外気の温度を検知する。アキュムレータ22と四路切換弁23とを接続する配管又は圧縮機21の吸入管には、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検知する吸入温度センサ211が、配置してある。
室外機2は、室外制御基板27を備え、室外制御基板27は、圧縮機21、室外ファン26、四路切換弁23及び膨張弁25と電気的に接続してあり、圧縮機21、室外ファン26、四路切換弁23及び膨張弁25の駆動制御及び駆動状態の検知を行う。また、室外制御基板27は、外気温度センサ241及び吸入温度センサ211と電気的に接続してあり、夫々のセンサが検知し出力した値を取得する。また、室外制御基板27は、後述する室内制御基板36と通信可能に接続してあり、室内制御基板36と協働して、空調機1の全体の制御を行う。
室内機3は、室内の空気と熱交換を行う室内熱交換器31、室内熱交換器31に室内の空気を送風する室内ファン34、及び室内ファン34で送風した空気の吹き出し方向を定める後述する風向板35を備える。室内ファン34は、例えばDCモータによって回転駆動するクロスフローファンである。なお、室内ファン34は、プロペラファン、ターボファン又はシロッコファンであってもよい。
室内熱交換器31は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、フィン(図示せず)及びフィンを貫通して設けられた伝熱管312を備える。伝熱管312は、室内熱交換器31内において複数回往復し、分岐管(図示せず)によって分岐することによって、伝熱管312の管長、すなわち有効長を長くするようにしてある。
伝熱管312又は分岐管313には、室内熱交換器31の温度を検知するための室内熱交換器温度センサ311が、配置してある。なお、伝熱管312の管長方向において、室内熱交換器温度センサ311が配置されている位置の詳細は、後述する。
室内熱交換器31の風上側、すなわち空気の吸い込み側には、室内の空気の温度を検知する吸込空気温度センサ32、及び当該空気の湿度を検知する吸込空気湿度センサ33が配置されている。
室内機3は、室内制御基板36を備え、室内制御基板36は、室内ファン34及び風向板35と電気的に接続してあり、室内ファン34及び風向板35の駆動制御及び駆動状態の検知を行う。室内制御基板36は、室内熱交換器温度センサ311、吸込空気温度センサ32及び吸込湿度温度センサと電気的に接続してあり、夫々のセンサが検知し出力した値を取得する。室内制御基板36は、リモコン4からの空調機1の運転操作を受け付ける受付部(図示せず)と電気的に接続してあり、受け付けた運転操作に関する情報に基づいて、室外制御基板27と通信を行い、空調機1の制御を行う。
リモコン4は、受付部を介して室内機3と通信可能に接続してあり、入力部(図示せず)、表示部(図示せず)及びリモコン内基板41を備える。
室外機2と室内機3とは、冷媒配管10によって接続され、冷媒が循環する冷媒回路が、構成される。図1に示す如く、冷房運転時は、四路切換弁23は、実線のとおり切り換えてあり、圧縮機21、四路切換弁23、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器31、四路切換弁23、及びアキュムレータ22の順で接続され、室外熱交換器24は凝縮器、室内熱交換器31は蒸発器として機能する。
暖房時は、四路切換弁23は、破線のとおり切り換えてあり、圧縮機21、四路切換弁23、室内熱交換器31、膨張弁25、室外熱交換器24、及びアキュムレータ22の順で接続され、室外熱交換器24は蒸発器、室内熱交換器31は凝縮器として機能する。従って、冷房運転時は、冷媒は、膨張弁25が接続されている冷媒配管10側の伝熱管312を入口として室内熱交換器31に流入し、四路切換弁23が接続されている冷媒配管10側の伝熱管312を出口として室内熱交換器31から流出する。
室内熱交換器温度センサ311は、伝熱管312の管長方向の中心部よりも、冷房運転時における入口側となる伝熱管312の位置に配置してある。冷房運転時における入口側となる伝熱管312の位置に配置することで、冷媒が二相状態での温度、すなわち飽和温度を検知することができ、室内熱交換器31の温度を適切に検知することができる。
好ましくは、室内熱交換器温度センサ311は、冷房運転した場合、冷媒の湿り度が0.8以上となり、かつ暖房運転した場合、前記冷媒の渇き度が0よりも大きくなる室内熱交換器31の伝熱管312の位置に配置してある。
室内熱交換器温度センサ311の配置を、冷房運転時における室内熱交換器31の入口、すなわち伝熱管312と、膨張弁25が接続されている冷媒配管10との接続部に近づければ、更に確実に二相状態の冷媒の温度を検知することができる。特に、後述する結露抑制制御を行った場合、冷媒循環量を低減させ冷房能力を低下させることによって、室内熱交換器31において早い段階で冷媒はガス化し、ガス化した後は過熱度(サクション過熱度)がつく。従って、冷房運転時における室内熱交換器31の入口近傍の伝熱管312に室内熱交換器温度センサ311を配置することによって、過熱度がついたガス冷媒の温度を検知することを回避することができる。
しかしながら、暖房運転時は、伝熱管312と、膨張弁25が接続されている冷媒配管10との接続部、すなわち暖房運転時における室内熱交換器31の出口近傍の伝熱管312では、冷媒は過冷却度がついた液冷媒となっている。過冷却度がついた液冷媒の温度を検知すると、暖房運転の制御を適切に行うことが困難となる。
そこで、室内熱交換器温度センサ311を、冷房運転した場合、冷媒の湿り度が0.8以上となり、かつ暖房運転した場合、前記冷媒の渇き度が0よりも大きくなる室内熱交換器31の伝熱管312の位置に配置することで、二相状態の冷媒の温度を検知することができ、冷房運転及び暖房運転における制御を適切に行うことができる。なお、冷房運転及び暖房運転は、例えば、JIS C 9612:2013等の定格運転の条件に基づいて行ってもよい。
図2は、実施形態1に係る空調機1の構成を示すブロック図である。空調機1は、結露抑制制御を行う制御部50、及び当該制御を行うために必要なプログラム51Pとデータを記憶する記憶部51を備える。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部51に予め記憶されたプログラム51P及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。CPU等は、室外制御基板27、室内制御基板36又はリモコン4内制御基板のいずれかの基板上に実装してある。又は、夫々の基板に実装されているCPU等が相互に通信し協働して、制御部50として機能するように構成してあってもよい。又は、制御部50は、図示しない外部ネットワークに、空調機1と通信可能に接続された制御サーバ上に実装してあってもよい。
記憶部51は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、CPU等と同様に室外制御基板27、室内制御基板36又はリモコン4内制御基板のいずれかの基板上に実装してある。
制御部50は、外気温度センサ241、吸入温度センサ211、室内熱交換器温度センサ311、吸込空気温度センサ32、及び吸込空気湿度センサ33と電気的に接続してあり、各センサが検知し出力した値を取得する。制御部50は、リモコン4と通信可能に接続してあり、リモコン4から送信された運転操作に関する情報を受付け、当該情報に基づき空調機1の全体の制御を行う。
制御部50は、圧縮機21、膨張弁25、室内ファン34、室外ファン26、四路切換弁23及び風向板35と電気的に接続してあり、これらアクチュエータの駆動制御、及び駆動状態の検知を行う。従って、制御部50は、圧縮機21の回転数、膨張弁25の開度、室内ファン34及び室外ファン26の回転数、四路切換弁23の切換状態、及び風向板35の方向等を含む空調機1の運転に関する運転情報を取得する取得部として機能する。
制御部50は、結露抑制制御を行う。結露抑制制御は、冷房運転又は除湿運転時、室内の空気の相対湿度が所定値以上となった場合、室内機3の結露を抑制するために行う制御である。制御部50は、室内の空気の湿度と温度から、室内の空気の露点を導出する。制御部50は、導出した露点よりも、室内熱交換器31の温度が所定以上低い場合、結露抑制制御を行い、当該室内熱交換器31の温度を上昇させ、室内機3における結露の発生を抑制する。結露抑制制御は、例えば、膨張弁25の開度を大きくする、圧縮機21の回転数を下げる、室内ファン34の回転数を上げる又は室内熱交換器31を通過する風量が増えるように風向板35の方向を変更する等の制御である。
制御部50は、室内熱交換器31の温度が、導出した露点よりも低く、かつ所定以上低くならないように、制御する。すなわち、室内熱交換器31の温度が、露点から所定値を減算した温度よりも高く、かつ露点よりも低い温度となるように制御する。室内熱交換器31の温度を、露点よりも低い温度することで、ドレン水が発生し、除湿を継続することができる。その上で、室内熱交換器31の温度が、露点から所定値を減算した温度よりも高くすることで、ドレン水の発生量を抑制すると共に、室内機3内の空気の温度が下がり過ぎることを抑制し、室内機3の内壁面、室内ファン34又は風向板35における発生する結露の発生、又は吹き出し空気といっしょにドレン水が飛散する水飛び現象を抑制することができる。
結露抑制制御を行っている場合、室内熱交換器31の温度の下限値を決定するための、露点から減算する所定値は、検知した相対湿度に基づいて、決定してもよい。例えば、相対湿度が70%の場合、当該所定値を3℃とし、相対湿度が80%の場合、当該所定値を2℃としてもよい。相対湿度が高いほど、所定値を小さくすることによって、室内機3の結露抑制を効果的に行うことができる。
制御部50は、室内熱交換器温度センサ311が検知し出力した温度を取得し、当該温度を補正した補正温度を導出する。制御部50は、導出した補正温度に基づいて、結露抑制制御を行う。すなわち、制御部50は、導出した補正温度を、室内熱交換器31の温度とみなして、結露抑制制御を行う。結露抑制制御は、室内熱交換器31の温度が露点から所定値を減算した温度よりも高く、かつ露点よりも低い温度となるように制御する必要があるため、室内熱交換器31の温度を精度良く導出することが必要となる。
制御部50は、空調機1の運転情報を取得し、取得した運転情報に基づいて、室内熱交換器温度センサ311から取得した温度を補正した補正温度を導出する。補正温度(Ti’)の導出は、例えば、室内熱交換器温度センサ311から取得した温度(Ti)に、所定の補正係数(β)を乗算(Ti’=β×Ti)することによって導出する。補正係数(β)は、取得した運転情報に基づいて決定される。
図3は、実施形態1に空調機1の運転情報と、補正温度を導出するための補正係数との関係を示す説明図である。なお、当該関係は、室内熱交換器温度センサ311を、伝熱管312の管長方向の中心部よりも、冷房運転時における入口側となる伝熱管312の位置に配置してある場合の関係である。
空調機1の運転情報は、圧縮機21の回転数、膨張弁25の開度、サクション過熱度、室内ファン34の回転数、及び室外ファン26の回転数を含む。
圧縮機21の回転数は、冷媒回路内に循環する冷媒の循環量に関連する。冷媒の循環量が多いほど、冷房運転時の室内熱交換器31内における冷媒の圧力損失は大きくなり、冷媒が二相状態の飽和状態であっても、圧力損失によって飽和圧力及び飽和温度が低下し、室内熱交換器31において、温度分布の偏りが発生する。
膨張弁25の開度は、冷房時において室内熱交換器31に流入する冷媒の流量に関連する。室内熱交換器31に流入する冷媒の流量が、少ないと冷媒は、早い段階で蒸発し、蒸発した後は過熱度(サクション過熱度)がつくため、室内熱交換器31において、温度分布の偏りが発生する。
サクション過熱度は、冷房運転時において、圧縮機21が吸入する冷媒の温度から、室内熱交換器31での冷媒の飽和温度(蒸発温度)を減算した値である。サクション過熱度が大きい場合、室内熱交換器31に流入した冷媒は、早い段階で蒸発しガス化している。ガス冷媒は、室内熱交換器31の周辺の空気と熱交換することによって、ガス冷媒の温度は上昇する(過熱度がつく)ものとなり、室内熱交換器31において、温度分布の偏りが発生する。
室内ファン34の回転数は、室内熱交換器31を通過する風量に関連する。冷房運転時において、室内熱交換器31を通過する風量によって、結露抑制が可能となる室内熱交換器31の温度が変動する。
室外ファン26の回転数は、室外熱交換器24を通過する風量に関連する。冷房運転時において、室外熱交換器24を通過する風量によって、室外機2熱交換器で凝縮された冷媒の過冷却度が変動する。室外熱交換器24を通過する風量が多い場合、冷媒の過冷却度は大きくなり、膨張弁25で減圧された冷媒も、過冷却された液冷媒となることがある。過冷却された液冷媒は、室内熱交換器31に流入した後に、二相状態になるまでの液冷媒の状態が長くなり、かつ液冷媒の温度は上昇するので、室内熱交換器31において、温度分布の偏りが発生する。
夫々の運転情報は、所定の基準値が設定してある。例えば、圧縮機21の回転数の場合、所定の基準値は、3500rpmである。制御部50は、取得した運転情報の値と、当該運転情報の基準値を比較し、両値の大小関係に基づいて、基準値の補正係数を増減し、取得した運転情報の値に対応する補正係数を決定するようにしてある。例えば、取得した圧縮機21の回転数が基準値の3500rpmよりも大きい4000rpmの場合、補正係数は、1.1とし、基準値の補正係数である1よりも大きい値としてある。また、取得した圧縮機21の回転数が基準値の3500rpmよりも小さい3000rpmの場合、補正係数は、0.9とし、基準値の補正係数である1よりも小さい値としてある。なお、取得した運転情報の値が、当該運転情報の基準値と同じ場合、取得した運転情報の値に対応する補正係数は、基準値の補正係数、すなわち補正係数は1(β=1)となる。補正係数は、0よりも大きい値となる。
図3に示すごとく、運転情報が膨張弁25の開度の場合、膨張弁25の開度の大小と、補正係数の増減との相関は、圧縮機21の回転数の場合と逆となる。すなわち、夫々の運転情報に特定に基づいて、補正係数の増減との相関を設定する。
複数の運転情報を組み合わせて、夫々の運転情報の基準値に対する大小と、補正係数の増減との相関に基づき、補正係数を設定してもよい。この場合、夫々の運転情報に、補正係数との相関の度合に基づいた重みづけ係数を設定して、補正係数を決定してもよい。
制御部50は、取得した運転情報の値と、当該運転情報の基準値を比較し、取得した運転情報の値から基準値を減算した差分の絶対値が大きいほど、補正係数の増加分を大きくするようにしてある。例えば、取得した圧縮機21の回転数が4000rpmの場合、基準値の3500rpmとの差分の絶対値は、500rpmであり、補正係数は1.1とする。そして、取得した圧縮機21の回転数が4500rpmの場合、基準値の3500rpmとの差分の絶対値は、1000rpmであり、補正係数は1.2とする。このように、同一の運転情報であっても、値が異なる場合に、補正係数を変更することによって、空調機1の運転状態に応じた適切な室内熱交換器31の温度を導出することができる。例えば、取得した圧縮機21の回転数が3000rpmの場合、基準値の3500rpmとの差分の絶対値は、500rpmであり、補正係数は0.9とする。そして、取得した圧縮機21の回転数が2500rpmの場合、基準値の3500rpmとの差分の絶対値は、1000rpmであり、補正係数は0.8とする。このように、取得した運転情報の値が、基準値よりも小さい場合、差分の絶対値が大きいほど、補正係数の減少分を大きくするようにしてある。
取得した運転情報と、当該運転情報の基準値との差異が大きいほど、すなわち取得した運転情報から基準値を減算した値の絶対値が大きいほど、基準値の補正係数との差異が、大きくなるように補正係数を決定するようにしてある。従って、運転情報夫々が示す空調機1の運転状態に応じた適切な室内熱交換器31の温度を導出することができ、結露抑制制御を適切に行うことができる。
なお、補正係数は、夫々の運転情報の値に対応させたテーブル情報として、記憶部51に記憶していてもよい。制御部50は、記憶部51に記憶してある当該テーブル情報を参照し、取得した運転情報に対応する補正係数を読み出す。
以下、夫々の運転情報に基づいた補正係数の決定及び補正温度の導出に関する処理の流れについて、フローチャートを用いて説明する。図4は、実施形態1に係る処理手順を示すフローチャートである。実施形態1の制御部50は、圧縮機21の回転数を運転情報として取得し、補正温度を導出する。
制御部50は、冷房運転又は除湿運転によって空調機1の運転を行っている場合、常時的に以下の処理を実行する。制御部50は、室内の空気の相対湿度が、所定値よりも大きい場合、すなわち結露抑制制御の実行を要する場合、以下の処理を実行してもよい。制御部50は、室内熱交換器温度センサ311が検知し出力した室内熱交換器31の温度を取得する(S11)。制御部50は、圧縮機21の回転数を取得する(S12)。
制御部50は、S12で取得した回転数から、補正係数が1となる圧縮機21の回転数の基準値を減算することによって、当該基準値との差分を演算する(S13)。制御部50は、演算した差分に基づいて、補正係数を決定する(S14)。
差分が正の値となる場合、すなわちS12で取得した回転数が、基準値よりも大きい場合、補正係数は増加し、1よりも大きい値となる。差分が負の値となる場合、すなわちS12で取得した回転数が、基準値よりも小さい場合、補正係数は減少し、1よりも小さい値となる。取得した回転数が、基準値と等しい場合、補正係数は1となる。また、差分の絶対値が大きいほど、補正係数の増減も大きくなるようにしてある。差分が正の値となる場合、差分が大きいほど、補正係数は増加するようにしてある。差分が負の値となる場合、差分が大きいほど、補正係数は減少するようにしてある。従って、差分の絶対値が大きいほど、基準値の補正係数との差異が、大きくなるように補正係数を決定するようにしてある。
制御部50は、S14で決定した補正係数に、S11で取得した室内熱交換器31の温度を乗算することによって、補正温度を導出する(S15)。そして、制御部50は、導出した補正温度に基づいて、結露抑制制御を実行する(S16)。
なお、補正係数の決定にあたっては、取得した回転数に対応する補正係数をテーブル情報として記憶部51に記憶しておき、制御部50は、テーブル情報を参照して、当該取得した回転数に対応する補正係数を読み出してもよい。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る処理手順を示すフローチャートである。実施形態2の制御部50は、サクション過熱度を運転情報として取得し、補正温度を導出する。制御部50は、実施形態1と同様に室内熱交換器31の温度を取得する(S21)。制御部50は、吸入温度センサ211が検知し出力した、圧縮機21が吸入する冷媒の温度を取得する。取得した冷媒の温度から、S21で取得した室内熱交換器31の温度を減算することによって、サクション過熱度を導出する(S22)。
制御部50は、S22で取得したサクション過熱度から、補正係数が1となるサクション過熱度の基準値を減算することによって、当該基準値との差分を演算する(S23)。制御部50は、実施形態1と同様に、演算した差分に基づいて、補正係数を決定する(S24)。差分が正の値となる場合、すなわちS22で取得したサクション過熱度が、基準値よりも大きい場合、補正係数は増加し、1よりも大きい値となる。差分が負の値となる場合、すなわちS22で取得したサクション過熱度が、基準値よりも小さい場合、補正係数は減少し、1よりも小さい値となる。また、実施形態1と同様に、差分の絶対値が大きいほど、補正係数の増減も大きくなるようにしてある。
制御部50は、実施形態1と同様に、決定した補正係数に室内熱交換器31の温度を乗算することによって、補正温度を導出し(S25)、導出した補正温度に基づいて、結露抑制制御を実行する(S26)。
なお、補正係数の決定にあたっては、導出したサクション過熱度に対応する補正係数をテーブル情報として記憶部51に記憶しておき、制御部50は、テーブル情報を参照して、当該導出したサクション過熱度に対応する補正係数を読み出してもよい。
(実施形態3)
図6は、実施形態3に係る処理手順を示すフローチャートである。実施形態3の制御部50は、膨張弁25の開度を運転情報として取得し、補正温度を導出する。制御部50は、実施形態1と同様に室内熱交換器31の温度を取得する(S31)。制御部50は、膨張弁25の開度を取得する(S32)。制御部50は、S32で取得した膨張弁25の開度から、補正係数が1となる膨張弁25の開度の基準値を減算することによって、当該基準値との差分を演算する(S33)。
制御部50は、演算した差分に基づいて、補正係数を決定する(S34)。差分が正の値となる場合、すなわちS32で取得した膨張弁25の開度が、基準値よりも大きい場合、補正係数は減少し、1よりも小さい値となる。差分が負の値となる場合、すなわちS32で取得した膨張弁25の開度が、基準値よりも小さい場合、補正係数は増加し、1よりも大きい値となる。また、差分の絶対値が大きいほど、補正係数の増減も大きくなるようにしてある。
制御部50は、実施形態1と同様に、決定した補正係数に室内熱交換器31の温度を乗算することによって、補正温度を導出し(S35)、導出した補正温度に基づいて、結露抑制制御を実行する(S36)。
なお、補正係数の決定にあたっては、取得した膨張弁25の開度に対応する補正係数をテーブル情報として記憶部51に記憶しておき、制御部50は、テーブル情報を参照して、当該取得した膨張弁25の開度に対応する補正係数を読み出してもよい。
(実施形態4)
図7は、実施形態4に係る処理手順を示すフローチャートである。実施形態4の制御部50は、室内ファン34の回転数を運転情報として取得し、補正温度を導出する。制御部50は、実施形態1と同様に室内熱交換器31の温度を取得する(S41)。制御部50は、室内ファン34の回転数を取得する(S42)。制御部50は、S42で取得した室内ファン34の回転数から、補正係数が1となる室内ファン34の回転数の基準値を減算することによって、当該基準値との差分を演算する(S43)。
制御部50は、実施形態1と同様に、演算した差分に基づいて、補正係数を決定する(S44)。差分が正の値となる場合、すなわちS42で取得した室内ファン34の回転数が、基準値よりも大きい場合、補正係数は増加し、1よりも大きい値となる。差分が負の値となる場合、すなわちS42で取得した室内ファン34の回転数が、基準値よりも小さい場合、補正係数は減少し、1よりも小さい値となる。また、実施形態1と同様に、差分の絶対値が大きいほど、補正係数の増減も大きくなるようにしてある。
制御部50は、実施形態1と同様に、決定した補正係数に室内熱交換器31の温度を乗算することによって、補正温度を導出し(S45)、導出した補正温度に基づいて、結露抑制制御を実行する(S46)。
なお、補正係数の決定にあたっては、取得した室内ファン34の回転数に対応する補正係数をテーブル情報として記憶部51に記憶しておき、制御部50は、テーブル情報を参照して、当該取得した室内ファン34の回転数に対応する補正係数を読み出してもよい。
(実施形態5)
図8は、実施形態5に係る処理手順を示すフローチャートである。実施形態4の制御部50は、室外ファン26の回転数を運転情報として取得し、補正温度を導出する。制御部50は、実施形態1と同様に室内熱交換器31の温度を取得する(S51)。制御部50は、室外ファン26の回転数を取得する(S52)。制御部50は、S52で取得した室外ファン26の回転数から、補正係数が1となる室外ファン26の回転数の基準値を減算することによって、当該基準値との差分を演算する(S53)。
制御部50は、実施形態1と同様に、演算した差分に基づいて、補正係数を決定する(S54)。差分が正の値となる場合、すなわちS52で取得した室外ファン26の回転数が、基準値よりも大きい場合、補正係数は増加し、1よりも大きい値となる。差分が負の値となる場合、すなわちS52で取得した室内ファン34の回転数が、基準値よりも小さい場合、補正係数は減少し、1よりも小さい値となる。また、実施形態1と同様に、差分の絶対値が大きいほど、補正係数の増減も大きくなるようにしてある。
制御部50は、実施形態1と同様に、決定した補正係数に室内熱交換器31の温度を乗算することによって、補正温度を導出し(S55)、導出した補正温度に基づいて、結露抑制制御を実行する(S56)。
なお、補正係数の決定にあたっては、取得した室外ファン26の回転数に対応する補正係数をテーブル情報として記憶部51に記憶しておき、制御部50は、テーブル情報を参照して、当該取得した室外ファン26の回転数に対応する補正係数を読み出してもよい。
(実施形態6)
実施形態6は、室内熱交換器温度センサ311が配置されている位置が、伝熱管312の管長方向の中心部よりも、冷房運転時における出口側である点で、実施形態1と異なる。
図9は、実施形態6に係る空調機1の構成を示す模式図である。図9に示すごとく、室内熱交換器温度センサ311を、伝熱管312の管長方向の中心部よりも、冷房運転時における出口側となる伝熱管312の位置に配置してある。従って、暖房運転時、室内熱交換器温度センサ311は、凝縮過程にある二相状態の冷媒の温度を検知することができるが、冷房運転時、室内熱交換器温度センサ311はガス化し過熱度がついた冷媒の温度を検知する傾向となる。
図10は、実施形態6に空調機1の運転情報と、補正温度を導出するための補正係数との関係を示す説明図である。なお、当該関係は、室内熱交換器温度センサ311を、伝熱管312の管長方向の中心部よりも、冷房運転時における出口側となる伝熱管312の位置に配置してある場合の関係である。図10の示す如く、各運転情報の基準値に対する取得した運転情報の大小と、補正係数の増減との相関は、室内熱交換器温度センサ311を、伝熱管312の管長方向の中心部よりも、冷房運転時における入口側に配置した場合と、逆になる。従って、室内熱交換器温度センサ311を配置する伝熱管312の位置に基づいて、各運転情報の基準値に対する取得した運転情報の大小と、補正係数の増減との相関を設定することによって、適切な補正値を決定し、室内熱交換器31の温度を適切に導出することができる。
(変形例1)
図11は、変形例1に係る空調機の室内熱交換器における温度センサの取付位置を示す説明図である。変形例1の室内熱交換器31は、側面視において両端が下方に向いて屈曲する逆V字状の形状をなしており、伝熱管312と多数のフィン314とにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、壁掛け型の室内機3に収納される。
伝熱管312は、室内熱交換器31の一端となるフィン314の貫通孔から挿通され、室内熱交換器31の両端部でU管によって折り返しされることによって、往復した後、室内熱交換器31の他端から突出して、冷媒配管10と接続してある。変形例1の室内熱交換器31の伝熱管312は、分岐管313を設けることなく、いわゆるワンパスのパス取りとして構成してある。
室内熱交換器温度センサ311は、冷房運転時において、二相状態となる伝熱管312の位置に配置してある。冷房運転時において、二相状態となる伝熱管312の位置に室内熱交換器温度センサ311を配置することによって、二相状態、すなわち飽和状態の冷媒の温度である飽和温度(蒸発温度)を検知することができる。従って、結露抑制制御を適切に行うことができる。
(変形例2)
図12は、変形例2に係る空調機の室内熱交換器における温度センサの取付位置を示す説明図である。変形例2の室内熱交換器31は、伝熱管312のパス取り及び室内熱交換器温度センサ311の配置の点で、変形例1の室内熱交換器31と異なる。
伝熱管312は、室内熱交換器31の一端となるフィン314の貫通孔から挿通され、分岐管313によって2つのパスに分岐してある。分岐した伝熱管312夫々は、室内熱交換器31の両端部でU管によって折り返しされることによって、往復した後、室内熱交換器31の他端から突出して、冷媒配管10と接続してある。
室内熱交換器温度センサ311は、冷房運転時の冷媒の流れ方向において、分岐管313よりも上流となる伝熱管312の位置に配置してある。冷媒運転時、膨張弁25で膨張された冷媒は、液の状態で室内熱交換器31に流入し二相状態となった後、分岐管313を通過する際に圧力損失が発生する。圧力損失によって、二相状態の冷媒の飽和圧力が低下し、これに伴って飽和温度も低下する。従って、冷房運転時の冷媒の流れ方向において、分岐管313よりも上流となる伝熱管312の位置に室内熱交換器温度センサ311を配置することによって、圧力損失が発生する前の二相状態の冷媒の飽和温度(蒸発温度)を検知することができる。従って、結露抑制制御を適切に行うことができる。
(変形例3)
図13は、変形例3に係る空調機の室内熱交換器における温度センサの取付位置を示す説明図である。変形例3の室内熱交換器31は、伝熱管312のパス取り及び室内熱交換器温度センサ311の配置の点で、変形例1の室内熱交換器31と異なる。
伝熱管312は、室内熱交換器31の一端となるフィン314の貫通孔から挿通され、分岐管313によって2つのパスに分岐してある。そして、分岐した伝熱管312夫々を、更に分岐管313によって2つのパスに分岐してある。
室内熱交換器温度センサ311は、冷房運転時の冷媒の流れ方向において、最も下流に位置する分岐管313と、当該分岐管313の次順に下流に位置する分岐管313との間の伝熱管312の位置に配置してある。分岐管313を複数設けることによって、夫々の分岐管313によって、圧力損失が発生する。圧力損失によって、二相状態の冷媒の飽和温度も低下し、室内熱交換器31の温度分布の偏りが発生するが、冷房運転時の冷媒の流れ方向において、最も下流に位置する分岐管313と、当該分岐管313の次順に下流に位置する分岐管313との間の伝熱管312の位置に室内熱交換器温度センサ311を配置することで、室内熱交換器31の温度を適切に検知することができる。従って、結露抑制制御を適切に行うことができる。
(変形例4)
図14は、変形例4に係る空調機の室内熱交換器における温度センサの取付位置を示す説明図である。変形例4の室内熱交換器31は、伝熱管312のパス取り及び室内熱交換器温度センサ311の配置の点で、変形例1の室内熱交換器31と異なる。膨張弁25で膨張された冷媒は、図示しない分流器によって分岐された冷媒配管10を通過して、当該冷媒配管10夫々に接続してある伝熱管312から室内熱交換器31に流入する。従って、室内熱交換器31は、2つのパスに分岐してある伝熱管312を備える。
室内熱交換器温度センサ311は、室内ファン34によって送付される空気の上流側に位置する伝熱管312に配置してある。室内熱交換器温度センサ311を収納している室内機3が、上面から室内空気を吸い込む構造を有する壁掛け型の場合、室内熱交換器温度センサ311は、室内熱交換器31の上部に位置して、配置されるものとなる。室内ファン34によって送付される空気の上流側に位置する伝熱管312に室内熱交換器温度センサ311を配置することで、冷媒と熱交換する空気との温度差と大きくとることができ、確実に二相状態となった冷媒の飽和温度を検知することができる。また、上記構造の場合、風速が上部の方が下部よりも早い。そのため、風量の変化に対する室内熱交換器31の温度変化を確実に検知する事ができる。従って、結露抑制制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、室内熱交換器31を有する室内機3と、前記室内熱交換器31の温度を検知する温度センサ311と、前記室内機3が載置された室内の空気の温湿度に基づいて該空気の露点を導出し、導出した前記露点に基づいて、前記室内熱交換器31の温度を変化させ、前記室内機3の結露を抑制する結露抑制制御を行う制御部50と、自機の運転に関する運転情報を取得する取得部50とを備える空調機1であって、前記制御部50は、前記取得部50が取得した運転情報に基づいて、前記温度センサ311が検知した前記室内熱交換器31の温度を補正した補正温度を導出し、該補正温度に基づいて、前記結露抑制制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、空調機1の運転に関する運転情報に基づいて、温度センサ311が検知した前記室内熱交換器31の温度を補正することによって、適切な室内熱交換器31の温度を取得することができる。従って、室内機3おいて発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、前記制御部50が取得した前記運転情報と、当該運転情報の所定の基準値との差異の絶対値に応じて、前記補正温度を導出するための補正係数を変更するようにしてもよい。
本発明によれば、取得した運転情報と、運転情報に対応する所定の基準値との差異の絶対値に応じて、補正温度を導出するための補正係数を変更するようにしてあるので、空調機1の運転状態に応じて、適切に室内熱交換器31の温度を補正することができる。従って、室内機3において発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、圧縮機21を備え、前記運転情報は、前記圧縮機21の回転数に関する情報を含み、前記制御部50は、前記圧縮機21の回転数に基づいて、前記補正温度を導出するようにしてもよい。
圧縮機21の回転数の増減によって、室内熱交換器31内に流れる冷媒の循環量も増減する。冷媒の循環量に応じて、室内熱交換器31内の伝熱管における冷媒の圧力損失の値も変動し、飽和圧力及び飽和温度が変動する。本発明によれば、圧縮機21の回転数に基づいて、補正温度を導出することによって、冷媒の循環量に応じた適切な室内熱交換器31の温度を取得することができる。従って、室内機3において発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、圧縮機21と、該圧縮機21が吸入する冷媒の冷媒温度を検知する吸入温度センサ211とを備え、前記運転情報は、前記吸入温度センサ211が検知した前記冷媒温度を含み、前記制御部50は、前記冷媒温度に基づいて、前記補正温度を導出するようにしてもよい。
結露抑制制御を行うことによって、冷媒の蒸発温度を露点に近づけるものとなるため、冷媒の蒸発温度は高くなる。従って、室内熱交換器31の周辺の空気と熱交換される冷媒の潜熱によるエンタルピーは小さくなる。そして、冷媒は、室内熱交換器31に流入した後、早い段階でガス化し、ガス化した以降は、顕熱を、室内熱交換器31の周辺の空気と熱交換とすることによって、過熱度(サクション過熱度)がつく。過熱度がついたガス冷媒は、圧縮機21に吸入される。本発明によれば、運転情報として、圧縮機21が吸入する冷媒の冷媒温度、すなわち蒸発温度に加熱度が加算された温度を取得し、当該冷媒温度に基づいて、補正温度を導出することによって、適切な室内熱交換器31の温度を取得することができる。従って、室内機3において発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、膨張弁25を備え、前記運転情報は、前記膨張弁25の開度に関する情報を含み、前記制御部50は、前記膨張弁25の開度に基づいて、前記補正温度を導出するようにしてもよい。
膨張弁25の開度の開閉に基づき、室内熱交換器31に流入する冷媒の流量の増減がされる。冷媒の流量によって、冷媒の過熱度(サクション過熱度)が変化し、室内熱交換器31の伝熱管312の管軸方向での温度分布が変化する。本発明によれば、運転情報として、膨張弁25の開度に関する情報を含み、膨張弁25の開度に基づいて、適切な室内熱交換器31の温度を取得することができる。従って、室内機3において発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、室内ファン34を備え、前記運転情報は、前記室内ファン34の回転数に関する情報を含み、前記制御部50は、前記室内ファン34の回転数に基づいて、前記補正温度を導出するようにしてもよい。
室内ファン34の回転数によって、室内熱交換器31に送風される空気の風量は変動する。当該風量は、室内機3における結露が発生する温度に影響を与える。本発明によれば、室内ファン34の回転数に基づいて、補正温度を導出することによって、適切な室内熱交換器31の温度を取得することができる。従って、室内機3において発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、室外ファン26を備え、前記運転情報は、前記室外ファン26の回転数に関する情報を含み、前記制御部50は、前記室外ファン26の回転数に基づいて、前記補正温度を導出するようにしてもよい。
室外ファン26の回転数によって、室外熱交換器24で凝縮した冷媒の過冷却度が変化する。冷媒の過冷却度によって、室内熱交換器31に流入した冷媒が二相状態となるまでの、伝熱管の管軸方向での温度分布が変化する。本発明によれば、運転情報として、室外ファン26の回転数に関する情報を含み、室外ファン26の回転数に基づいて、適切な室内熱交換器31の温度を取得することができる。従って、室内機3において発生する結露を回避する制御を適切に行うことができる。
本発明に係る空調機1は、冷房運転及び暖房運転の切り換えを行う四路切換弁23を備え、前記温度センサ311は、前記冷房運転した場合、前記冷媒の湿り度が0.8以上となり、かつ前記暖房運転した場合、前記冷媒の渇き度が0よりも大きくなる前記室内熱交換器31の伝熱管312の位置に配置してもよい。
結露抑制制御を行うことによって、室内熱交換器31に流入した冷媒は、早い段階でガス化する傾向となり、ガス化した後は過熱度がつく。ガス化して過熱度がついた冷媒の温度は、当該冷媒の蒸発温度よりも高くなる。従って、温度センサを、室内熱交換器31が蒸発器として機能する場合の入口近傍に配置すれば、ガス化する前の二相状態の冷媒の温度を検知することができる。しかしながら、暖房運転時には、当該入口近傍は、凝縮され、かつ過冷却された液冷媒が流れるため、当該過冷却された液冷媒の温度を検知すると、暖房運転の制御を適切に行うことができない。本発明によれば、温度センサ311を、冷媒運転した場合、冷媒の湿り度が0.8以上となり、かつ暖房運転した場合、冷媒の渇き度が0よりも大きくなる室内熱交換器31の伝熱管の位置に配置することで、結露抑制制御及び暖房運転を適正に行うための室内熱交換器31の温度を導出することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。