JP2019031995A - トルクカム装置及び無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】順方向にトルク伝達する第1トルクカム機構と、逆方向にトルク伝達する第2トルクカム機構とを備えたトルクカム装置において、トルクカム機構がトルク伝達していない場合にも、当該機構の2つのカム部材間のバックラッシの発生を抑制する。【解決手段】第1トルクカム機構91の第1入力側カム部材91Aと第1出力側カム部材91Bとの間には、逆方向にトルク伝達するときに入出力部材91A,91B同士を回転方向に追従させる第1追従ガイド94を備え、第2トルクカム機構92の第2入力側カム部材92Aと第2出力側カム部材92Bとの間には、順方向にトルク伝達するときに当該入出力部材92A,92B同士を回転方向に追従させる第2追従ガイド95を備え、第1追従ガイド94及び第2追従ガイド95は、螺旋状ガイド溝94a,95aを有するガイド部材94A,95Aと、ガイド溝94a,95aに案内されるピン94B,95Bとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、無段変速機に用いて好適のトルクカム装置、及びこのトルクカム装置を備えた無段変速機に関するものである。
ベルト式無段変速機の変速機構の推力発生機構としてトルクカム機構を使用したものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このトルクカム機構は、2つのカム部材の回転位相差に応じて推力を発生させるもので、各カム部材には、回転軸と直交する環状面に対して軸方向へ傾斜したカム斜面がそれぞれ形成され、2つのカム部材が互いにカム斜面どうしを摺動させて相対回転することにより、カム部材が離接してその全長(軸方向長)が変化する。これにより、回転軸方向への力(推力)が発生し、トルクを伝達する。
車両の変速機構では、駆動源側から車輪側にトルクを伝達するドライブ状態と、車輪側から駆動源側にトルクを伝達するコースト状態との2つの態様でトルクを伝達するので、ドライブ状態に対応した第1トルクカム機構と、コースト状態に対応した第2トルクカム機構とを装備し、これらをトルク伝達状態に応じて使い分けるようにする。
しかし、これら2つのトルクカム機構の切り替わり時に、動力を伝達していない状態から動力を伝達する状態に切り替わるトルクカム機構では、カム部材間のバックラッシに起因して、トルク伝達にタイムラグやショックが発生する。つまり、一方のトルクカム機構でトルクを伝達している時には、他方のトルクカム機構では2つのカム部材は互いに回転方向に追従操作していないため、他方のトルクカム機構でトルクを伝達させるためには、2つのカム部材を必要量だけ相対回転させることが必要になる。したがって、2つのカム部材を相対回転させる間はトルク伝達にタイムラグが発生し、2つのカム部材は相対回転後に急激にトルク伝達状態になるためトルクショックが発生する。
特許文献1には、このトルクカム機構の切り替わり時のトルク伝達にタイムラグやショックの発生を抑制する技術も提案されている。この技術では、トルクカム機構がトルクを伝達していないときにも、スプリングによって2つのカム部材のカム面どうしを圧接させて、2つのカム部材の回転位相を互いに追従させて、カム部材間のバックラッシを抑えようとしている。
特開2006−300213号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、スプリングによって2つのカム部材のカム斜面どうしを圧接させているだけなので、様々な点から、追従が確実にできなくなりバックラッシが大きくなるものと考えられる。
つまり、カム斜面どうしの摺動抵抗が大きい場合にはスプリングの付勢力が不足して追従操作が困難になる。また、2つのカム部材の相対回転量が大きく設定されていると、必要な追従量(追従のための回転)が多くなり追従操作が困難になる。さらに、車両が加速している場合にも追従操作が困難になる。このように追従が確実にできなくなると、バックラッシが大きくなるものと考えられる。
本発明は、この課題に着目して創案されたもので、順方向にトルク伝達するトルクカム機構と、逆方向にトルク伝達するトルクカム機構とを備え、トルクカム機構がトルク伝達していない場合にも、当該トルクカム機構の2つのカム部材間のバックラッシの発生を抑制することができるようにした、トルクカム装置及びこのトルクカム装置を備えた無段変速機を提供することを目的としている。
(1)上記目的を達成するために、本発明のトルクカム装置は、入力回転要素に連結され、順方向にトルクを伝達する際の入力側となり、螺旋状の第1駆動カム斜面を有する第1入力側カム部材と、出力回転要素に連結され、順方向にトルクを伝達する際の出力側となり、前記第1駆動カム斜面と伝達トルクに応じた力で摺接する螺旋状の第1被駆動カム斜面を有する第1出力側カム部材と、を備えた第1トルクカム機構と、前記入力回転要素に連結され、逆方向にトルクを伝達する際の出力側となり、螺旋状の第2被駆動カム斜面を有する第2入力側カム部材と、前記出力回転要素に連結され、逆方向にトルクを伝達する際の入力側となり、前記第2被駆動カム斜面と伝達トルクに応じた力で摺接する螺旋状の第2駆動カム斜面を有する第2出力側カム部材と、を備えた第2トルクカム機構と、を装備し、前記順方向にトルク伝達するときには、前記第1トルクカム機構を動力伝達状態とすると共に前記第2トルクカム機構を動力伝達解放状態とし、前記逆方向にトルク伝達するときには、前記第2トルクカム機構を動力伝達状態とすると共に前記第1トルクカム機構を動力伝達解放状態とする切替機構が備えられ、前記第1入力側カム部材と前記第1出力側カム部材との間には、前記逆方向にトルク伝達するときに当該入出力カム部材同士を回転方向に追従させる第1追従ガイドが備えられ、前記第2入力側カム部材と前記第2出力側カム部材との間には、前記順方向にトルク伝達するときに当該入出力カム部材同士を回転方向に追従させる第2追従ガイドが備えられ、前記第1追従ガイド及び前記第2追従ガイドの少なくとも何れかは、螺旋状のガイド斜面を有するガイド溝を備えたガイド部材と、前記ガイド溝内に配置され前記ガイド斜面により案内されるピンとを備えていることを特徴としている。
(2)前記第1追従ガイドは、前記第1入力側カム部材及び前記第1出力側カム部材の一方に設けられ前記ガイド部材である第1ガイド部材と、前記第1入力側カム部材及び前記第1出力側カム部材の他方に設けられ前記ピンである第1ピンと、を有し、前記第1入力側カム部材と前記第1出力側カム部材とが互いに軸方向へ離隔する方向に前記第2入力側カム部材と前記第2出力側カム部材とが相対移動すると、前記第1ピンが前記第1ガイド斜面に案内されながら前記第1出力側カム部材を前記第1入力側カム部材に対して軸方向に追従移動させ、前記第2追従ガイドは、前記第2入力側カム部材及び前記第2出力側カム部材の一方に設けられ前記ガイド部材である第2ガイド部材と、前記第1入力側カム部材及び前記第2出力側カム部材の他方に設けられ前記ピンである第2ピンと、を有し、前記第2入力側カム部材と前記第2出力側カム部材とが互いに軸方向へ離隔する方向に前記第1入力側カム部材と前記第1出力側カム部材とが相対移動すると、前記第2ピンが前記第2ガイド斜面に案内されながら前記第2入力側カム部材を前記第2出力側カム部材に対して軸方向に追従移動させることが好ましい。
(3)前記第1駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面は前記順方向に沿った軸方向を向き、前記第1被駆動カム斜面及び前記第2駆動カム斜面は前記逆方向に沿った軸方向を向くように配向され、前記第1ガイド斜面は前記第1入力側カム部材に形成され、前記第2ガイド斜面は前記第2入力側カム部材に形成されて、前記第1ガイド斜面及び前記第2ガイド斜面は前記逆方向に沿った軸方向を向くように配向され、前記第1ピンは前記第1出力側カム部材に形成され、前記第2ピンは前記第2出力側カム部材に形成されて、前記第1ピン及び前記第2ピンは、軸方向と直行する径方向にピン軸方向を配向されていることが好ましい。
(4)前記第1駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面は前記順方向に沿った軸方向を向き、前記第1被駆動カム斜面及び前記第2駆動カム斜面は前記逆方向に沿った軸方向を向くように配向され、前記第1ガイド斜面は前記第1出力側カム部材に形成され、前記第2ガイド斜面は前記第2出力側カム部材に形成されて、前記第1ガイド斜面及び前記第2ガイド斜面は前記順方向に沿った軸方向を向くように配向され、前記第1ピンは前記第1入力側カム部材に形成され、前記第2ピンは前記第2入力側カム部材に形成されて、前記第1ピン及び前記第2ピンは、軸方向と直行する径方向にピン軸方向を配向されていることが好ましい。
(5)前記第1トルクカム機構は、第1の半径を基準とする第1筒状空間内に配置され、前記第2トルクカム機構は、第2の半径を基準とする第2筒状空間内に配置され、前記第1筒状空間及び前記第2筒状空間は、同一軸心の内側と外側とに互いに離隔して並列に配置され、前記第1追従ガイドは、前記第1筒状空間の内側又は外側の第3筒状空間内に配置され、前記第2追従ガイドは、前記第2筒状空間の内側又は外側の第4筒状空間内に配置されていることが好ましい。
(6)前記第1トルクカム機構の前記第1駆動カム斜面及び前記第1被駆動カム斜面、並びに、前記第2トルクカム機構の前記第2駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面の各トルク伝達面は、傾斜角度が所定の一定角度の単一傾斜面により構成され、前記第1追従ガイドの前記第1ガイド斜面及び前記第2追従ガイドの前記第2ガイド斜面は、前記各トルク伝達面と同一傾斜角度の単一傾斜面により構成されていることが好ましい。
(7)前記第1トルクカム機構の前記第1駆動カム斜面及び前記第1被駆動カム斜面、並びに、前記第2トルクカム機構の前記第2駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面の各トルク伝達面は、傾斜角度が段階的且つ徐々に変化する複数段傾斜面により構成され、前記第1追従ガイドの前記第1ガイド斜面及び前記第2追従ガイドの前記第2ガイド斜面は、前記各トルク伝達面と同一傾斜角度の多段傾斜面により構成されていることが好ましい。
(8)前記第1追従ガイドの前記第1ガイド斜面は、前記第1入力側カム部材の動きを示すベクトルと逆方向で長さが少なくとも同一長さとなるベクトルを描く斜面により構成され、前記第2追従ガイドの前記第2ガイド斜面は、前記第2出力側カム部材の動きを示すベクトルと逆方向で長さが少なくとも同一長さとなるベクトルを描く斜面により構成されていることが好ましい。
(9)前記追従ガイド部材の径Rgが前記入力側カム部材又は前記出力側カム部材の径Rcと異なり、前記ガイド斜面の長さは、これらの径Rg,Rcの比率Re(=Rg/Rc)に基づいて設定された値であることが好ましい。
(10)前記ピンは、軸部と、前記軸部にベアリングを介して回転自在に軸支された円筒状部とを備え、前記円筒状部の外周面が前記ガイド斜面に摺接することが好ましい。
(11)本発明の無段変速機は、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに掛け回されたベルト状部材と、前記プライマリプーリに推力を付与する第1推力付与機構と、前記セカンダリプーリに推力を付与する第2推力付与機構と、を備え、前記第1推力付与機構及び前記第2推力付与機構の少なくともいずれか一方に、上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載のトルクカム装置が装備されていることを特徴としている。
本発明によれば、第1トルクカム機構が順方向にトルクを伝達している時には、第2追従ガイドが第2トルクカム機構の第2出力側カム部材を第2入力側カム部材に対して回転方向に互いに追従させるため、第2入力側カム部材と第2出力側カム部材との間のバックラッシの発生が抑制される。
また、第2トルクカム機構が逆方向にトルクを伝達している時には、第1追従ガイドが第1トルクカム機構の第1出力側カム部材を第1入力側カム部材に対して回転方向に互いに追従させるため、第1入力側カム部材と第1出力側カム部材との間のバックラッシの発生が抑制される。
このようにして、入力側カム部材と出力側カム部材との間のバックラッシの発生が抑制されるため、トルクの伝達方向を切り替える際に、トルク伝達のタイムラグの発生やトルクショックの発生が抑制される。
しかも、第1追従ガイドや第2追従ガイドを、螺旋状ガイド溝を有するガイド部材と、螺旋状ガイド溝に案内されるピンとにより構成することによって、追従ガイドをシンプルに構成でき、追従ガイドの強度や生産性を確保し易くなる。
本発明の各実施形態にかかる無段変速機の模式的な構成図である。 本発明の第1,第2実施形態にかかるトルクカム装置の断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるトルクカム装置の各トルクカム機構で分解して示すとともに、各トルクカム機構を入力側カム部材と出力側カム部材とで分解して示す斜視図であり、(a)は第1トルクカム機構を示し、(b)は第2トルクカム機構を示す。 本発明の第1実施形態にかかるトルクカム装置の各トルクカム機構の展開図であり、無段変速機の変速比が最Highのときの状態を示し、(a)は第1トルクカム機構を、(b)は第2トルクカム機構をそれぞれ示す。 本発明の第1実施形態にかかるトルクカム装置の各トルクカム機構の展開図であり、無段変速機の変速比が中間変速比のときの状態を示し、(a)は第1トルクカム機構を、(b)は第2トルクカム機構をそれぞれ示す。 本発明の第1実施形態にかかるトルクカム装置の各トルクカム機構の展開図であり、無段変速機の変速比が最Lowのときの状態を示し、(a)は第1トルクカム機構を、(b)は第2トルクカム機構をそれぞれ示す。 本発明の各実施形態にかかるトルクカム装置の追従ガイドの追従態様を説明する図である。 本発明の第2実施形態にかかるトルクカム装置を示す各トルクカム機構の展開図であり、無段変速機が中間変速比のときの状態を示し、(a)は第1トルクカム機構を、(b)は第2トルクカム機構をそれぞれ示す。 本発明の第1,2実施形態にかかるトルクカム装置の追従ガイドの幾何学的特徴を説明する図であり、(a)はトルクカム装置の要部の模式的横断面図、(b)はトルクカム装置の要部の周方向展開図であり径の大きさに応じた軸方向長の相違を説明している。
以下、図面を参照して本発明にかかるトルクカム装置及びこのトルクカム装置を装備する車両用の無段変速機の実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。かかる実施形態を部分的に用いて実施したり、一部を変更して実施したり、同等の機能を有する他の機構や装置に置き換えて実施したりすることができるものである。
〈各実施形態に係る無段変速機〉
図1は各実施形態に係る無段変速機を模式的に示す構成図であり、図1に示すように、車両を走行させるための内燃機関(エンジン)又は電動モータ、或いはこれらの両方等からなる駆動源2には、遊星歯車機構等で構成された前後進切換機構4を介して、無段変速機5のプライマリプーリ6の固定シーブ8に結合された回転軸10が連結されている。この回転軸10には、固定シーブ8のシーブ面に対向してプーリのV字状溝を形成するシーブ面を有する可動シーブ12が、軸方向に摺動可能且つ相対回転不能に配設されている。
また、無段変速機5のセカンダリプーリ14の固定シーブ16に結合された駆動軸(回転軸ともいう)18には、差動機構等を介して図示しない駆動輪が連結され、また、駆動軸18には固定シーブ16のシーブ面に対向してプーリのV字状溝を形成するシーブ面を有する可動シーブ20が、軸方向に摺動可能且つ相対回転不能に配設されている。
さらに、セカンダリプーリ14の両シーブ16,20間にはV字状溝を狭める方向に付勢力を付加するスプリング22とトルクカム装置90が介装されている。
また、両プーリ6,14間には、ベルト26が巻き掛けられている。
さらに、スプリング22及びトルクカム装置90はセカンダリプーリ14の推力を調整してベルト26の挟圧力を調整する推力調整機構として機能する。
なお、図1には、プライマリプーリ6,セカンダリプーリ14及びベルト26について、変速比がロー側(変速比最大)の状態とハイ側(変速比最小)の状態とを示している。プライマリプーリ6,セカンダリプーリ14の各外側の半部にロー側の状態を示し、各内側の半部にハイ側の状態を示している。ベルト26については、ロー側の状態を実線で示し、ハイ側の状態を二点鎖線で示している。但し、二点鎖線で示したハイ状態は、プーリとベルトの半径方向の位置関係を示すのみであり、実際のベルト位置がプーリの内側半部に現れることはない。
プライマリプーリ6の可動シーブ12の背面(シーブ面と反対側の面)13側には、可動シーブ12を軸方向に移動して変速比を調整する機械式プーリ移動機構30が配設されている。図1では機械式プーリ移動機構30を極めて簡略化して記載しているが、この機械式プーリ移動機構30は、トルクカム機構40と、遊星歯車機構50と、動力伝達機構60と、アクチュエータとしての電動モータ70とを備えている。
各実施形態にかかるトルクカム装置90は、このような無段変速機のセカンダリプーリ14に推力発生機構として装備されている装備される。
以下、トルクカム装置90について第1,2の二つの実施形態を例示して説明する。
なお、図1では各部に第1実施形態の符号を代表的に表示する。ただし、以下の説明では、第1実施形態のトルクカム装置は符号90で示し、トルクカム装置90の構成要素は90番台の符号で示す一方で、これと区別するために、第2実施形態のトルクカム装置は符号190で示し、トルクカム装置190の構成要素は190番台の符号で示す。
〈第1実施形態〉
(構成)
図2,図3に示すように、本実施形態のトルクカム装置90は、入力回転要素であるセカンダリプーリ14の可動シーブ20と、出力回転要素であるセカンダリプーリ14の固定シーブ16及び回転軸18との間に介装されている。本トルクカム装置90は、入力回転要素である可動シーブ20から出力回転要素である回転軸18にトルクが伝達されるドライブ走行時に推力を発生するとともにトルク伝達を行う第1トルクカム機構91と、出力回転要素である回転軸18から入力回転要素である可動シーブ20にトルクが伝達されるコースト走行時に推力を発生するとともにトルク伝達を行う第2トルクカム機構92とを、並列に有している。
なお、ここでは、トルクカム装置90において、第1トルクカム機構91がドライブ走行時にトルクを伝達する方向(図1,2中で左方向、図3中で下方向)を順方向と称し、第2トルクカム機構92がコースト走行時にトルクを伝達する方向(図1,2中で右方向、図3中で上方向)を逆方向と称して説明する。
第1トルクカム機構91は、入力回転要素であるセカンダリプーリ14の可動シーブ20に固定された円筒状(筒状体)の第1入力側カム部材91Aと、出力回転要素である回転軸18に切替機構93を介して連結された円筒状(筒状体)の第1出力側カム部材91Bとを有しており、図2に示すように、第2トルクカム機構92の内側に配置されている。したがって、図3(a),(b)に示すように、第1トルクカム機構91の筒状体は、第2トルクカム機構92の筒状体よりも小径になっている。
第1入力側カム部材91Aは、一端を可動シーブ20に固定され、他端に螺旋状の第1駆動カム斜面91aを有している。第1出力側カム部材91Bは、一端を切替機構93に連結され、他端に螺旋状の第1被駆動カム斜面91bを有している。第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとは、同一の角度で周方向に傾斜して延在する螺旋状の斜面であり、これらのカム斜面91a,91bは図示しないボールを介して滑らかに摺接している。ここでは、カム斜面91a,91bは、同一形状のものが位相角度を180度ずらせて2個ずつ設けられている。
図3(a)に示すように、第1駆動カム斜面91aは、装置の回転する方向A1(正回転方向)で且つ第1入力側カム部材91Aから第1出力側カム部材91Bに向かうトルク伝達方向〔順方向、図3(a)中で下方向〕に向くように配向されている。
また、第1被駆動カム斜面91bは、装置の回転する方向A1とは逆の方向(反回転方向)で且つ第1出力側カム部材91Bから第1入力側カム部材91Aに向かうトルク被伝達方向〔逆方向、図3(a)中で上方向〕に向くように配向されている。
第1入力側カム部材91Aが図3中に矢印A1で示す方向に回転すると、第1駆動カム斜面91aが第1被駆動カム斜面91bに圧接しながら第1入力側カム部材91Aから第1出力側カム部材91Bに回転トルクが伝達される。このとき、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとの間の圧接力は、第1入力側カム部材91Aと第1出力側カム部材91Bとを軸方向に離隔させる方向に働くが、第1出力側カム部材91Bの一端(切替機構93連結側の端部)は回転軸18に対して軸方向への相対移動不可となっているので、前記圧接力が、可動シーブ20に加わる推力となる。可動シーブ20にはこの推力に対するベルト26からの反力が加わるため、第1入力側カム部材91Aと第1出力側カム部材91Bとの全長は、この推力がバランスする長さになる。
第2トルクカム機構92は、入力回転要素であるセカンダリプーリ14の可動シーブ20に固定された円筒状(筒状体)の第2入力側カム部材92Aと、出力回転要素である回転軸18に切替機構93を介して連結された円筒状(筒状体)の第2出力側カム部材92Bとを有しており、図2に示すように、第1トルクカム機構91の外側に配置されている。
第2入力側カム部材92Aは、一端を可動シーブ20に固定され、他端に螺旋状の第2被駆動カム斜面92aを有し、第1入力側カム部材91Aと一体に形成されている。第2出力側カム部材92Bは、一端を切替機構93に連結され、他端に螺旋状の第2駆動カム斜面92bを有し、第1出力側カム部材91Bと別体に形成されている。第2被駆動カム斜面92aと第2駆動カム斜面92bとは、同一の角度で周方向に傾斜して延在する螺旋状の斜面であり、これらのカム斜面92a,92bは図示しないボールを介して滑らかに摺接している。ここでは、カム斜面92a,92bは、同一形状のものが位相角度を180度ずらせて2個設けられている。
図3(b)に示すように、第2被駆動カム斜面92aは、上記の反回転方向(矢印A2と反対の方向)で且つ上記の順方向〔図3(b)中で下方向〕に向くように配向されている。
また、第2駆動カム斜面92bは、上記の正回転方向(矢印A2の方向)で且つ上記の逆方向〔図3(b)中で上方向〕に向くように配向されている。
第2出力側カム部材92Bが図中に矢印A2で示す方向に回転すると、第2駆動カム斜面92bが第2被駆動カム斜面92aに圧接しながら第2出力側カム部材92Bから第2で入力側カム部材92Aに回転トルクが伝達される。このとき、第2駆動カム斜面92bと第2被駆動カム斜面92aとの間の圧接力は、第2入力側カム部材92Aと第2出力側カム部材92Bとを軸方向に離隔させる方向に働くが、第2出力側カム部材92Bの一端(切替機構93連結側の端部)は回転軸18に対して軸方向への相対移動不可となっているので、前記圧接力が、可動シーブ20に加わる推力となる。可動シーブ20にはこの推力に対するベルト26からの反力が加わるため、第2入力側カム部材92Aと第2出力側カム部材92Bとの全長は、この推力がバランスする長さになる。
切替機構93は、詳細は図示しないが、クラッチ機構とクラッチ機構を切替作動させるアクチュエータとを備えている。切替機構93は、入力回転要素(可動シーブ20)から出力回転要素(回転軸18)にトルクが伝達されるドライブ走行時には、第1トルクカム機構91の第1出力側カム部材91Bを固定シーブ16と一体の回転軸18と一体回転する軸連結部材(出力回転要素に含まれる)18Aと駆動連結する。このときには、第2トルクカム機構92の第2出力側カム部材92Bと軸連結部材18Aとは切り離し状態とする。この切り離し状態では、第2出力側カム部材92Bは軸方向位置には拘束されているが回転方向には拘束されない回転フリー状態となる。なお、図2では、第1出力側カム部材91Bが軸連結部材18Aと駆動連結している状態を模式的に示している。
また、切替機構93は、出力回転要素(回転軸18)から入力回転要素(可動シーブ20)にトルクが伝達されるコースト走行時には、第2トルクカム機構92の第2出力側カム部材92Bを軸連結部材18Aと駆動連結する。このときには、第1トルクカム機構91の第1出力側カム部材91Bと軸連結部材18Aとは切り離し状態とする。この切り離し状態では、第1出力側カム部材91Bは軸方向位置には拘束されているが回転方向には拘束されない回転フリー状態となる。なお、切替機構93は、例えば電磁クラッチを用いて制御装置による電気的な制御で切替を実施できるように構成することができる。
本トルクカム装置90では、各トルクカム機構91,92に、入出力部材同士を回転方向に追従させる追従ガイド94,95が備えられている。これらの追従ガイド94,95は、当該トルクカム機構の出力側カム部材が軸連結部材18Aと切り離し状態のときに、出力側カム部材を入力側カム部材の回転に追従させて回転させる。
つまり、第1トルクカム機構91には、第2トルクカム機構92が駆動連結状態で第1トルクカム機構91が駆動連結を切り離されているコースト走行状態で、第1出力側カム部材91Bを第1入力側カム部材91Aの回転に追従させて回転させる第1追従ガイド94が装備されている。コースト走行状態では、第1トルクカム機構91の第1出力側カム部材91Bは軸連結部材18Aと切り離されて、第1入力側カム部材91Aに対して回転方向に連携していないが、第1追従ガイド94により、第1出力側カム部材91Bを第1入力側カム部材91Aの回転に追従させて回転させるようにしている。
また、第2トルクカム機構92には、第1トルクカム機構91が駆動連結状態で第2トルクカム機構92が駆動連結を切り離されているドライブ走行状態で、第2出力側カム部材91Bを第2入力側カム部材91Aの回転に追従させて回転させる第2追従ガイド95が装備されている。ドライブ走行状態では、第2トルクカム機構92の第2出力側カム部材92Bは軸連結部材18Aと切り離されて、第2入力側カム部材92Aに対して回転方向に連携していないが、第2追従ガイド95により、第2出力側カム部材92Bを第2入力側カム部材92Aの回転に追従させて回転させるようにしている。
ここで、追従ガイド94,95について説明する。
第1追従ガイド94は、第1入力側カム部材91Aに設けられ、螺旋状の第1ガイド斜面94bを有する第1ガイド溝94aを備えた第1ガイド部材94Aと、第1出力側カム部材91Bに設けられ、第1ガイド溝94a内に配置され第1ガイド斜面94bに案内される円柱状の第1ピン94Bとを具備している。ここでは、第1ピン94Bは第1ガイド斜面94bを摺動又は転動するようになっている。
螺旋状の第1ガイド斜面94bは、螺旋状の第1駆動カム斜面91a及び第1被駆動カム斜面91bと平行に配設され、第1被駆動カム斜面91bと同様に、反回転方向〔図3(a)に示す矢印A1と逆の方向〕で且つ逆方向(図1,2中で右方向、図3中で上方向)を向いている。
一方、第2追従ガイド95は、第2入力側カム部材92Bに設けられ、螺旋状の第2ガイド斜面95bを有する第2ガイド溝95aを備えた第2ガイド部材95Aと、第2ガイド溝95a内に配置され第2ガイド斜面95bに案内される円柱状の第2ピン95Bとを具備している。ここでは、第2ピン95Bは第1ガイド斜面95bを摺動又は転動するようになっている。
螺旋状の第2ガイド斜面95bは、螺旋状の第2被駆動カム斜面92a及び第2駆動カム斜面92bと平行に配設され、第2駆動カム斜面91bと同様に、正回転方向〔図3(a)に示す矢印A1方向〕で且つ順方向(図1,2中で左方向、図3中で下方向)を向いている。
なお、以下の説明では、各追従ガイド94,95やその構成要素94a,95a,94b,95b、さらに、各ピン94B,95Bに関し、第1,第2を省略して記載する場合もある。
第2トルクカム機構92が第2駆動カム斜面92bから第2被駆動カム斜面92aにトルクを伝達するコースト走行状態では、第2トルクカム機構92が駆動連結状態で第1トルクカム機構91が駆動連結を切り離されていて回転フリーの状態になっている。このとき、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとが離隔しようとする動き、即ち、第1入力側カム部材91Aが第1出力側カム部材91Bよりも先行して離隔しようとする動きが生じると、これに対して、第1ピン94Bが第1ガイド溝94a内で第1ガイド斜面94bによってその動き(離隔)を規制するため、第1出力側カム部材91Bが第1入力側カム部材91Aに対して回転方向に追従する。
つまり、コースト走行状態では、第1出力側カム部材91Bと第1入力側カム部材91Aとの相対回転状態に応じて、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとが離隔しようとする。具体的には、第1入力側カム部材91Aが第1出力側カム部材91Bよりも回転方向に先行しようとするときに、両カム斜面91a,91bが離隔しようとする。このときには、反回転方向を向いた第1ガイド斜面94bが第1ピン94Bに当接して第1ピン94Bの回転方向への動き(離隔)を規制する。したがって、第1出力側カム部材91Bが第1入力側カム部材91Aに対して回転方向に追従する。
第1ガイド斜面94bの配置角度(回転軸18の軸心を中心とする中心角)は、第1駆動カム斜面91aや第2駆動カム斜面92aの配置角度以上(配置長さ以上)の大きさに設定され、第2入力側カム部材92Aと第2出力側カム部材92Bとの全相対回転域において、第1追従ガイド94による前記追従移動を実施できるようになっている。
第1トルクカム機構91が第1駆動カム斜面91aから第1被駆動カム斜面91bにトルクを伝達するドライブ走行状態では、第1トルクカム機構91が駆動連結状態で第2トルクカム機構91が駆動連結を切り離されていいて回転フリーの状態になっている。このとき、第2出力側カム部材92Bが回転フリー状態となるが、第2被駆動カム斜面92aと第2駆動カム斜面92bとが離隔しようとする動き(つまり、第2入力側カム部材92Aが第2出力側カム部材92Bよりも先行して離隔しようとする動き)に対しては、第2ガイド溝95a内で第2ピン95Bが第2ガイド斜面95bによってその動き(離隔)を規制されるため、第2出力側カム部材92Bが第2入力側カム部材92Aに対して回転方向に追従する。
つまり、ドライブ走行状態では、第2出力側カム部材92Bと第2入力側カム部材92Aとの相対回転状態に応じて、第2被駆動カム斜面92aと第2駆動カム斜面92bとが離隔しようとする。具体的には、第2入力側カム部材92Aが第2出力側カム部材92Bよりも回転方向に先行しようとするときに、両カム斜面92a,92bが離隔しようとする。このときには、正回転方向を向いた第2ガイド斜面95bが第2ピン95Bに当接して第2ピン95Bの回転方向への動き(離隔)を規制する。したがって、第2出力側カム部材92Bが第2入力側カム部材92Aに対して回転方向に追従する。
第2ガイド斜面95bの配置角度(回転軸18の軸心を中心とする中心角)も、第1駆動カム斜面91aや第2駆動カム斜面92aの配置角度以上(配置長さ以上)の大きさに設定され、第1入力側カム部材91Aと第1出力側カム部材91Bとの全相対回転域において、第2追従ガイド95による前記追従移動を実施できるようになっている。
なお、ここでは、第1ガイド部材94Aを第1入力側カム部材91Aに設け、第1ピン94Bを第1出力側カム部材91Bに設けているが、逆に、第1ガイド部材94Aを第1出力側カム部材91Bに設け、第1ピン94Bを第1入力側カム部材91Aに設けてもよい。
また、ここでは、第2ガイド部材95Aを第2入力側カム部材92Aに設け、第2ピン95Bを第2出力側カム部材92Bに設けているが、逆に、第2ガイド部材95Aを第2出力側カム部材92Bに設け、第2ピン95Bを第2入力側カム部材92Aに設けてもよい。
さらに、第1ガイド部材94Aを第1出力側カム部材91Bに設け、第1ピン94Bを第1入力側カム部材91Aに設ける一方で、第2ガイド部材95Aを第2入力側カム部材92Aに設け、第2ピン95Bを第2出力側カム部材92Bに設ける組み合わせも考えられる。
また、第1ガイド部材94Aを第1入力側カム部材91Aに設け、第1ピン94Bを第1出力側カム部材91Bに設ける一方で、第2ガイド部材95Aを第2出力側カム部材92Bに設け、第2ピン95Bを第2入力側カム部材92Aに設ける組み合わせも考えられる。
第1ガイド部材94Aを第1出力側カム部材91Bに設けると、第1ガイド溝94aを第1出力側カム部材91Bに設けることになる。この場合も、第1ガイド溝94aの螺旋状の第1ガイド斜面94bは螺旋状の第1駆動カム斜面91a及び第1被駆動カム斜面91bと平行に配設される。ただし、第1ガイド斜面94bは、第1被駆動カム斜面91bと同様に、反回転方向〔図3(a)に示す矢印A1と逆の方向〕で且つ逆方向(図1,2中で右方向、図3中で上方向)を向くように設定する。これにより、第1入力側カム部材91Aの側の第1ピン94Bに第1ガイド斜面94bが当接して、両カム斜面91a,91bが離隔しようとする動きを規制し、第1出力側カム部材91Bが第1入力側カム部材91Aに対して回転方向に追従する。
第2ガイド部材95Aを第2出力側カム部材92Bに設けると、第2ガイド溝95aを第2出力側カム部材92Bに設けることになる。この場合も、第2ガイド溝95aの螺旋状の第2ガイド斜面95bは螺旋状の第2被駆動カム斜面92a及び第2駆動カム斜面92bと平行に配設される。ただし、第2ガイド斜面95bは、第2駆動カム斜面92bと同様に、正回転方向〔図3(a)に示す矢印A1の方向〕で且つ順方向(図1,2中で左方向、図3中で下方向)を向くように設定する。これにより、第2入力側カム部材92Aの側の第2ピン95Bに第2ガイド斜面95bが当接して、両カム斜面92a,92bが離隔しようとする動きを規制し、第2出力側カム部材92Bが第1入力側カム部材92Aに対して回転方向に追従する。
なお、ピン94B,95Bは、その軸線を、回転軸18の軸心と直行する径方向に向けて排泄されており、本実施形態では、詳細は図示しないが、ピン94B,95Bは、軸部と、この軸部にベアリングを介して回転自在に軸支された円筒状部とを備え、円筒状部の外周面がガイド斜面94b、95bを摺動又は転動するように構成されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、第1追従ガイド94のガイド部材94A及びピン94Bは第1トルクカム機構91のカム斜面91a,91bよりも、軸中心からの距離が離れた位置、すなわち外側に配置され、第2追従ガイド95のガイド部材95A及びピン95Bは第2トルクカム機構92よりも、軸中心からの距離が離れた位置、すなわち外側に配置されている。
さらに、第1のガイド部材94Aは、第1入力側カム部材91Aと一体形成されているが、別体形成されたものを第1入力側カム部材91Aもしくは可動シーブ20に結合してもよい。同様に、第2のガイド部材95Aは、第2入力側カム部材92Aと一体形成されているが、別体形成されたものを第2入力側カム部材92Aもしくは可動シーブ20に結合してもよい。
つまり、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとを有する第1トルクカム機構91は、図2に示すように、最も内側の筒状空間(第1の半径r1を基準とする第1筒状空間)S1内に配置され、第2駆動カム斜面92aと第2被駆動カム斜面92bとを有する第2トルクカム機構92は、そ・BR>フ外側の筒状空間(第2の半径r2を基準とする第2筒状空間)S2内に配置されている。
第1追従ガイド94のガイド部材94A及びピン94Bは、筒状空間S1の外側に隣接し第1筒状空間S1及び第2筒状空間S2の間の筒状空間(第3の半径r3を基準とする第3筒状空間)S3内に配置されている。第2追従ガイド95のガイド部材95A及びピン95Bは、筒状空間S2の外側に隣接する筒状空間(第4の半径r4を基準とする第4筒状空間)S4内に配置されている。
ただし、第1追従ガイド94のガイド部材94A及びピン94Bを筒状空間S1の内側に隣接して配置してもよく、第2追従ガイド95のガイド部材95A及びピン95Bを筒状空間S2の内側に隣接して配置してもよい。
図4〜図6の展開図では、第1トルクカム機構91,第1追従ガイド94,第2追従ガイド95及び第2トルクカム機構92をそれぞれの中心角を基準に表示している。図4〜図6に表示するものよりも、第1トルクカム機構91,第1追従ガイド94,第2トルクカム機構92及び第2追従ガイド95は、径方向内側から外側にこの順で配置されているので、実際の周方向長さ(図4〜図6中の横方向長さ)は、径方向外側ほど長くなる。なお、図4〜図6中の矢印はトルクカム装置90の回転方向を示す。
次に、このトルクカム装置90の作動メカニズムを説明する。
無段変速機5では、車両のドライブ走行時に、ベルト26からセカンダリプーリ14に伝達される入力トルクが強まると、セカンダリプーリ14のベルト挟圧力が不足し、セカンダリプーリ14の固定シーブ18がベルト26に対して滑りを生じる。ただし、回転軸18と相対動可能な可動プーリ20はベルト26に追従するので、固定シーブ16は可動シーブ20に対して回転位相遅れを生じる。
このときには、第1トルクカム機構91の第1出力側カム部材91Bが回転軸16に駆動連結されるので、可動シーブ20と一体回転する第1入力側カム部材91Aは、図示しないボールを介して第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとをスライドさせながら、固定シーブ16と一体回転する第1出力側カム部材91Bよりも先行するように相対回転しつつ、第1出力側カム部材91Bに対して軸方向に離隔するように(つまり、第1入力側カム部材91Aと第1出力側カム部材91Bとの全長を拡大する方向に)移動して可動シーブ20を固定シーブ16に接近させる。この結果、セカンダリプーリ14のV溝の溝幅が狭まってセカンダリプーリ14の推力が強まるため、ベルト挟圧力が強まり、固定シーブ16の滑りが解消される。
一方、車両のコースト走行時に、駆動源が負の入力トルク(制動トルク)を作用する状態では、固定シーブ16の回転位相遅れは解消され、負の入力トルクに対してセカンダリプーリ14のベルト挟圧力が不足すると、固定シーブ16が可動シーブ20に対して回転位相進みを生じる(逆に言えば、可動シーブ20が固定シーブ16に対して回転位相遅れを生じる)。
このときには、第2トルクカム機構92の第2出力側カム部材92Bが回転軸18に駆動連結されるので、固定シーブ16と一体回転する第2出力側カム部材92Bは、図示しないボールを介して第2駆動カム斜面92bと第2被駆動カム斜面91bとをスライドさせながら、固定シーブ16と一体回転する第1出力側カム部材92Bよりも先行するように相対回転しつつ、第2入力側カム部材92Aに対して軸方向に離隔するように(つまり、第2入力側カム部材92Aと第2出力側カム部材92Bとの全長を拡大する方向に)移動して可動シーブ20を固定シーブ16に接近させる。この結果、セカンダリプーリ14のV溝の溝幅が狭まってセカンダリプーリ14の推力が強まるため、ベルト挟圧力が強まり、固定シーブ16の滑りが解消される。
なお、車両の停止時等には、駆動トルクも制動トルクも作用しないため、トルクカム装置90によるプーリの推力は加えられない。本装置では、可動プーリ20を固定プーリ16に接近する方向に付勢するコイルスプリング22が装備されているので、この車両の発進時等の初期駆動時にも、ベルト滑りを防止してベルト26を確実にクランプすることができる。
(作用及び効果)
本実施形態にかかる無段変速機5は、上述のように構成されているので、トルクカム装置90を利用して、セカンダリプーリ14に推力を与えながら適宜の変速比で駆動トルクを伝達する。
そして、本トルクカム装置90は、トルク伝達していない状態のトルクカム機構において、入力側カム部材と出力側カム部材との間のバックラッシの発生が抑制される効果を得ることができる。
例えば、図4は無段変速機5の変速比が最High状態でのトルクカム装置90の状態を示す展開図であり、図5は無段変速機5の変速比が中間状態でのトルクカム装置90の状態を示す展開図であり、図6は無段変速機5が最Low状態でのトルクカム装置90の状態を示す展開図であり、各図の(a)は第1トルクカム機構91の状態を示し、各図の(b)は第2トルクカム機構92の状態を示す。
例えば図4に示す最Highの状態で、ドライブ走行している場合には、切替機構93は、第1トルクカム機構91の第1出力側カム部材91Bを回転軸18と駆動連結するので、第1トルクカム機構91で、第1入力側カム部材91Aの第1駆動カム斜面91aと第1出力側カム部材91Bの第1被駆動カム斜面91bとの間でトルク伝達がなされる。
伝達トルクと推力がバランスしていればこれを保持し、伝達トルクに対して推力が不足すれば、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとの間で滑りが生じて、図5(a)に示す中間状態の方向に移行する。
このとき、第2トルクカム機構92では、第2出力側カム部材92Bは回転軸18と駆動連結されておらず、第2被駆動カム斜面92aと第2駆動カム斜面92bとの間でトルクに伝達はされていないので、追従ガイド94,95がない構成では、第2出力側カム部材92Bは特に第2入力側カム部材92Aに対して回転方向に追従することはない。
これに対して、本装置では、第2入力側カム部材92Aの回転によって第2追従ガイド95のガイド部材95Aが回転し、ガイド部材95Aのガイド斜面95bとピン95Bとの摺接によって、図5(b)に示すように、第2出力側カム部材92Bを第2入力側カム部材92Aの回転に追従移行させる。これによって、第2入力側カム部材92Aの第2被駆動カム斜面92aと第2出力側カム部材92Bの第2駆動カム斜面92bとが離隔しないか或いは離隔が抑制されて、第2被駆動カム斜面92aと第2駆動カム斜面92bとが接触状態或いは近接状態となるため、バックラッシの発生が抑制される。
したがって、この図5に示す状態でドライブ走行からコースト走行に切り替わっても、第2入力側カム部材92Aと第2出力側カム部材92Bとでタイムラグを生じることなく速やかにトルク伝達が開始される。また、トルク伝達の開始時にトルクショックの発生も抑制される。
あるいは、図5に示す中間変速比の状態で、ドライブ走行している場合に、伝達トルクに対して推力が不足すれば、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとの間で滑りが生じて、図6(a)に示す最Lowの方向に移行する。このときにも、第2入力側カム部材92Aの回転によって第2追従ガイド95のガイド部材95Aが回転し、ガイド部材95Aのガイド斜面95bとピン95Bとの摺接によって、第2出力側カム部材92Bを第2入力側カム部材92Aの回転に追従移行させて軸方向に相対動させる。これによって、第2出力側カム部材92Bは第1出力側カム部材91Bに対して回転方向に追従することになって、第2被駆動カム斜面92aと第2駆動カム斜面92bとが接触状態或いは近接状態となるため、バックラッシの発生が抑制される。
一方、例えば図6に示す最Lowの状態で、コースト走行している場合には、切替機構93は、第2トルクカム機構92の第2出力側カム部材92Bを回転軸18と駆動連結するので、第2トルクカム機構92で、第2入力側カム部材92Aの第2駆動カム斜面92aと第2出力側カム部材92Bの第2被駆動カム斜面92bとの間でトルク伝達がなされる。伝達トルクと推力がバランスしていればこれを保持し、伝達トルクに対して推力が不足すれば、第2駆動カム斜面92aと第2被駆動カム斜面92bとの間で滑りが生じて、図5(b)に示す中間状態の方向に移行する。
このとき、第1トルクカム機構91では、第1出力側カム部材91Bは回転軸18と駆動連結されておらず、第1駆動カム斜面91bと第1被駆動カム斜面91aとの間でトルクに伝達はされていないので、何の対策もしなければ、第1入力側カム部材91Aは第1入力側カム部材91Aに対して回転方向に追従することはない。
これに対して、本装置では、第1入力側カム部材91Aの回転によって第1追従ガイド94のガイド部材94Aが回転し、ガイド部材94Aのガイド斜面94bとピン94Bとの摺接によって、第1出力側カム部材91Bを第1入力側カム部材91Aの回転に追従移行させる。これによって、第1入力側カム部材91Aの第1駆動カム斜面91aと第1出力側カム部材91Bの第1被駆動カム斜面91bとが離隔しないか或いは離隔が抑制されて、第1駆動カム斜面91aと第1被駆動カム斜面91bとが接触状態或いは近接状態となるため、図5(a)に示すようにバックラッシの発生が抑制される。
したがって、この図5に示す状態でコースト走行からドライブ走行に切り替わっても、第1入力側カム部材91Aと第1出力側カム部材91Bとでタイムラグを生じることなく速やかにトルク伝達が開始される。また、トルク伝達の開始時にトルクショックの発生も抑制される。
あるいは、例えば図5に示す中間変速比の状態で、コースト走行している場合に、伝達トルクに対して推力が不足すれば、第2駆動カム斜面92aと第2被駆動カム斜面92bとの間で滑りが生じて、図4(a)に示す最Highの方向に移行する。このときにも、第1入力側カム部材91Aの回転によって第1追従ガイド94のガイド部材94Aが回転し、ガイド部材94Aのガイド斜面94bとピン94Bとの摺接によって、第1出力側カム部材91Bを第1入力側カム部材91Aの回転に追従移行させる。これによって、第1被駆動カム斜面91aと第1駆動カム斜面91bとが近接している(または接触状態となる)ため、図4(a)に示すようにバックラッシの発生が抑制される。
ところで、追従ガイド94,95による出力側カム部材91B,92Bの追従動作は、図7(a)に示すように入力側カム部材91A,92Aの周方向に追従させる回転動作と、図7(b)に示すように入力側カム部材91A,92Aの軸方向(スラスト方向)に追従させる回転動作とを合成したものとなり、図7(c)に示すように、出力側カム部材91B,92Bは入力側カム部材91A,92Aの2倍の回転量で追従回転する。
つまり、入力側カム部材91A,92Aは、周方向に移動しつつ軸方向に移動する。
入力側カム部材91A,92Aが、図7(a)の(a1)に示す状態から(a2)に矢印で示すように周方向に移動するのに対しては、出力側カム部材91B,92Bは(a3)に矢印で示すように周方向に回転移動することで周方向移動に追従する。
また、入力側カム部材91A,92Aが、図7(b)の(b1)に示す状態から(b2)に矢印で示すように軸方向に移動するのに対しては、出力側カム部材91B,92Bは(b3)に矢印で示すように周方向に回転移動することで軸方向移動に追従する。
したがって、入力側カム部材91A,92Aは、これらを合成して、7(c)の(c1)に示す状態から(c2)に矢印で示すように周方向及び軸方向に移動するのに対しては、出力側カム部材91B,92Bは(c3)に矢印で示すように周方向に入力側カム部材91A,92Aの2倍の回転量で回転移動することで、入力側カム部材91A,92Aの周方向移動及び軸方向移動に追従する。
このように、出力側カム部材91B,92Bの入力側カム部材91A,92Aへの追従動作は大きくなるが、追従ガイド94,95による追従操作をしているときには、出力側カム部材91B,92Bと入力側カム部材91A,92Aとの間でのトルク伝達はされていないため、追従ガイド94,95の入力側追従ガイド部材94A,95Aと出力側追従ガイド部材94B,95Bとの間には過剰な負荷は加わらず、追従ガイド94,95の耐久性は確保される。また、追従ガイド94,95の各追従ガイド部材94A,94B,95A,95Bには追従時に過剰な負荷が加わらないので、これらの部材の径方向の厚みは小さくてもよい。
また、追従ガイド94,95のガイドカム斜面94a,94b,95a,95bにも過剰な負荷が加わらないので、ガイドカム斜面94a,94b,95a,95bは滑らかに加工するだけで単純に油膜接触するだけで耐久性も確保される。
しかも、追従ガイド94,95を、螺旋状ガイド溝94a,95aを有するガイド部材94A,95Aと、螺旋状ガイド溝94a,95a内を摺動又は転動するピン94B,95Bとにより構成しているので、追従ガイド94,95をシンプルに構成でき、追従ガイド94,95の強度や生産性を確保し易くなる利点もある。
また、本実施形態では、追従ガイド94,95は、第1トルクカム機構91が配置される第1筒状空間S1とも第2トルクカム機構92が配置される第2筒状空間S2ともは異なる筒状空間S3,S4内に配置されるので、各トルクカム機構91,92と干渉することなく追従ガイド94,95を設けることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。
(構成)
この実施形態は、トルクカム装置190のみが第1実施形態と異なっている。
本実施形態では、図8に示すように、各カム部材191A,191B,192A,192Bのカム斜面191a,191b,192a,192b及び各第1ガイド部材194A,195Aのガイド溝194a,195Aに沿ったガイド斜面194b,195bが、傾斜角度が段階的に且つ徐々に変化する多段傾斜面により構成されている。なお、図8中の矢印はトルクカム装置190の回転方向を示す。また、トルクカム装置の断面については図2とほぼ同様に構成される。
第1実施形態の各カム部材91A,91B,92A,92Bの各カム斜面91a,91b,92a,92bが、軸と直行する環状面に対して軸方向へ同一傾斜角度で一定傾斜した単一傾斜面(単一傾斜角度の螺旋状面)により構成されているのに対して、本実施形態では、図8に示すように、各カム部材191A,191B,192A,192Bの各カム斜面191a,191b,192a,192bが、傾斜角度が段階的に変化する多段傾斜面により構成されている。
つまり、第1トルクカム機構191の第1入力側カム部材191Aの第1駆動カム斜面191a及び第1出力側カム部材191Bの第1被駆動カム斜面191bは、最Highの状態から最Low側に移動するにしたがって、接触面の傾斜角度が徐々に大きくなるように多段に構成されている。最High付近の領域では、緩やかな傾斜角度の斜面部191a1,191b1で摺接し、中間変速比付近の領域では、傾斜角度がやや急になった斜面部191a2,191b2で摺接し、最Low付近の領域では、傾斜角度がさらに急になった斜面部191a3,191b3で摺接する。最Highの時には、斜面部191a1,191b1で摺接するのに加えて非傾斜面部191a0,191b0でも当接する。
同様に、第2トルクカム機構192の第2入力側カム部材192Aの第2被駆動カム斜面192a及び第2出力側カム部材192Bの第2駆動カム斜面192bも、最Highの状態から最Low側に移動するにしたがって、接触面の傾斜角度が徐々に大きくなるように多段に構成されている。つまり、最High付近の領域では、緩やかな傾斜角度の斜面部192a1,192b1で摺接し、中間変速比付近の領域では、傾斜角度がやや急になった斜面部192a2,192b2で摺接し、最Low付近の領域では、傾斜角度がさらに急になった斜面部192a3,192b3で摺接する。また、最Highの時には、斜面部192a1,192b1で摺接するのに加えて非傾斜面部192a0,192b0でも当接する。
これに対応して、第1追従ガイド194の第1ガイド斜面194b及び第2追従ガイド195の第2ガイド斜面195bも、最High付近の領域に対応した緩やかな傾斜角度の斜面部と、中間変速比付近の領域に対応した中間的な傾斜角度の斜面部と、最Low付近の領域に対応した急な傾斜角度の斜面部とから構成されている。
ただし、第1追従ガイド194の第1ガイド斜面194bは、第1トルクカム機構191の第1駆動カム斜面191aに対して点対称の形状に形成され、第2追従ガイド195の第2ガイド斜面194bは、第2トルクカム機構192の第2被駆動カム斜面192aに対して点対称の形状に形成されている。
第1ガイド斜面194bは、第1駆動カム斜面191aの斜面部191a1に対応しこれと等しい傾斜角の斜面部194b1と、第1駆動カム斜面191aの斜面部191a2に対応しこれと等しい傾斜角の斜面部194b2と、第1駆動カム斜面191aの斜面部191a3に対応しこれと等しい傾斜角の斜面部194b3とを備え、第1駆動カム斜面191aの斜面部191a,191a2,191a3が回転方向上流から下流に向けて並んでいるのに対して、第1ガイド斜面194bの斜面部194b1,194b2,194b3は回転方向下流から上流に向けて並んでいる。
また、第1駆動カム斜面191aが正回転方向(図8の矢印方向)で且つ順方向〔図8(a)中で下方向〕に向くように配向されているのに対して、第1ガイド斜面194bは、第1被駆動カム斜面191bと同様に、反回転方向〔図8の矢印と逆の方向〕で且つ逆方向(図8(a)8中で上方向)を向いている。
第2ガイド斜面195bは、第2被駆動カム斜面192aの斜面部192a1に対応しこれと等しい傾斜角の斜面部195b1と、第2被駆動カム斜面192aの斜面部192a2に対応しこれと等しい傾斜角の斜面部195b2と、第2被駆動カム斜面192aの斜面部192a3に対応しこれと等しい傾斜角の斜面部195b3とを備え、第2被駆動カム斜面192aの斜面部192a,192a2,192a3が回転方向下流から上流に向けて並んでいるのに対して、第2ガイド斜面195bの斜面部195b1,195b2,195b3は回転方向上流から下流に向けて並んでいる。
また、第2被駆動カム斜面192aが反回転方向〔図8の矢印と逆の方向〕で且つ順方向〔図8(a)中で下方向〕に向くように配向されているのに対して、第2ガイド斜面195bは、第2被駆動カム斜面192bと同様に、正回転方向(図8の矢印方向)で且つ逆方向(図8(a)8中で上方向)を向いている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
(作用及び効果)
本実施形態のトルクカム装置190は、このように構成されるので、多段傾斜面により構成されたカム斜面191a,191b,192a,192bを通じて、伝達トルクの変化と推力の変化とが非線形な関係になり、この特性によって、最Low付近での急激なトルク変動に対して推力を安定させることができ、最High付近での推力不足に速やかに対処することができる。
そして、第1追従ガイド194のガイド斜面194b及び第2追従ガイド195のガイド斜面195bも、カム斜面191a,191b,192a,192bと対応して多段傾斜面により構成されるので、第1実施形態と同様に、トルク伝達していないトルクカム機構191又は192の入出力側カム部材の間でのバックラッシの発生を抑制することができ、ドライブ走行とコースト走行との切り替わり時にも、タイムラグを生じることなく速やかにトルク伝達が開始され、また、トルク伝達の開始時にトルクショックの発生も抑制される。
<追従ガイドの幾何学的特徴>
上記の各追従ガイド94,95,194,195(以下、追従ガイド94,95等とも称する)のガイド部材94A,95A,194A,195A(以下、追従ガイド部材94A,94B等とも称する)のガイド斜面94b,95b,194b,195b(以下、ガイド斜面94b,95b等とも称する)は、以下のような幾何学的な特徴を有している。
(1)ガイド部材の幾何学的特徴
ガイド部材94A,95A等のガイド斜面94b,95b等は何れも、対応する入力側カム部材91A,92A,191A,192A(以下、入力側カム部材91A,92A等とも称する)の動きを示すベクトルと同方向で長さが少なくとも同一長さ以上となるベクトルを描く斜面である。
(2)各追従ガイド部材の径がカム径と異なることによる幾何学的特徴
ガイド部材94A,95A,194A,195Aの径(ガイド径)Rgがカム部材91A,91B,192A,192Bの径(カム径)Rcと異なる。なお、ここでは、半径をガイド径Rg及びカム径Rcとしている、これらの径は直径でもよい。このため、上記のガイド斜面94b,95b等の動きを示すベクトルは、ガイド径Rgのカム径Rcに対する比率Re(=Rg/Rc)に応じて増減する(Rc,Rgはいずれも図示せず)。
そこで、上記の出力側追従ガイド部材及び入力側追従ガイド部材の幾何学的特徴については、各斜面の長さをこの比率Re(=Rg/Rc)に応じて増減補正するなど、比率Reに基づいて設定する。
つまり、入力側カム部材91A,92A等の動きは、軸方向の動きと周方向の動きとの合成となる。ガイド径Rgがカム径Rcと異なる場合には、軸方向の動き(軸方向の移動量h)については、カムの移動量とガイドの移動量とは同一である必要がある。一方、周方向の動きについては影響が生じる。入力側カム部材91A,92A等の周方向の動きは、出力側追従ガイド部材94B,95B等及び入力側追従ガイド部材94A,95A等を周方向に動かすが、このときの周方向移動量は、回転角度θとして一致する。
したがって、入力側カム部材91A,92A等が周方向に移動する長さ(カムの周方向移動長)Lcは、回転角度θとカム径Rcとの積算値(Lc=θ・Rc)となる。回転角度θが等しければ、カムの周方向移動長Lcはカム径Rcと比例する。
図9は、第1実施形態の第1トルクカム機構91と第1追従ガイド94及び第2トルクカム機構92と第2追従ガイド95の位置関係を示す横断面図であり、追従ガイド部材の径がカム径と異なる場合の幾何学的特徴を説明する図である。
図9において、各部を把握し易くするために、第1入力側カム部材91Aの第1駆動カム斜面91a及び第2入力側カム部材92Aの第2被駆動カム斜面92aの部分を網掛け線にて表示し、第1出力側カム部材91Bの第1被駆動カム斜面91b及び第2出力側カム部材92Bの第2駆動カム斜面92bの部分を斜線にて表示している。
第1実施形態では、図2に示すように、第1トルクカム機構91が半径r1を基準とする第1筒状空間S1内に配置され、第1追従ガイド94は第1筒状空間S1の外側に隣接し半径r3を基準とする第3筒状空間S3内に配置されている。第2トルクカム機構92が半径r2を基準とする第2筒状空間S2内に配置され、第2追従ガイド95は、筒状空間S2の外側に隣接し半径r4を基準とする第4筒状空間S4内に配置されている。
入力側カム部材91Aが出力側カム部材91Bに対して回転角度θだけ回転すると、出力側追従ガイド部材94Bも入力側追従ガイド部材94Aに対して回転角度θだけ回転する。図9(b)は、入力側カム部材91Aが配置される第1筒状空間S1と、第1追従ガイド94が配置される第3筒状空間S3とをそれぞれ展開して、周方向長さを同一目盛にして示す図である。第1筒状空間S1の外側に隣接する第3筒状空間S3内に配置されている追従ガイド94のガイド部材94Aのガイド斜面94bは、第1筒状空間S1内のトルクカム機構91の各カム部材91A,91Bに対して、ガイド径Rg1のカム径Rc1に対する比率Re1(=Rg1/Rc1、ここでは、r3/r1>1)に応じて増加する。ただし、図9(b)では螺旋傾斜を考慮せずに表示している。
このように、第1トルクカム機構91の入力側カム部材91Aと第1追従ガイド94のガイド部材94Aのそれぞれの軸方向の移動量h(図示略)は同一であり、且つ周方向移動量Lc,Lgが異なることから、入力側カム部材91Aのカム斜面91aの螺旋傾斜角度α(図示略)やこれと等しい出力側カム部材91Bのカム斜面91bの螺旋傾斜角度α(図示略)と、ガイド部材94Aのガイド斜面94bの螺旋傾斜角度β(図示略)とは、僅かであるが異なる角度で設定することが必要になる。
第2トルクカム機構92のカム斜面92a,92bと第2追従ガイド95のガイド部材95Aのガイド斜面95bとの関係も同様である。
また、第2実施形態の第1トルクカム機構191のカム斜面191a,191bと第1追従ガイド194のガイド部材194Aのガイド斜面194bとの関係や、第2トルクカム機構192のカム斜面192a,192bと第2追従ガイド195のガイド部材195Aのガイド斜面195bとの関係も同様である。
各実施形態では、このような径の相違を考慮していないため、第1ガイド斜面94bは第1駆動カム斜面91aの傾斜角と等しく、第2ガイド斜面95bは第2駆動カム斜面92aの傾斜角と等しいと説明し、また、第1ガイド斜面194bの各斜面部194b1,194b2,194b3は第1駆動カム斜面191aの各斜面部191a,191a2,191a3の傾斜角と等しく、第2ガイド斜面195bの各斜面部195b1,195b2,195b3は第2駆動カム斜面192aの各斜面部192a,192a2,192a3の傾斜角と等しいと説明したが、厳密には、傾斜角には径の相違に応じた差異がある。
したがって、ガイド斜面94b,95b,194b,195bについて厳密に説明すれば、第1ガイド斜面94b,194bは、第1駆動カム斜面91a,191a及び第1被駆動カム斜面91b,191bとほぼ平行に配設され、第2ガイド斜面95b,195bは、第2駆動カム斜面92a,192a及び第2被駆動カム斜面92b,192bとほぼ平行に配設されていると表現できる。
また、第2実施形態において、第1ガイド斜面194bは第1駆動カム斜面191aに対してほぼ点対称の形状に形成され、第2ガイド斜面194bは第2被駆動カム斜面192aに対してほぼ点対称状に形成されていると表現できる。
<その他>
以上、実施形態について説明したが、本発明は各実施形態を適宜変形して実施することができる。
例えば上記実施形態では、セカンダリプーリ側に本トルクカム装置を装備しているが、プライマリプーリの側に本トルクカム装置を装備してもよい。
また、第2実施形態のカム斜面が多段傾斜面で構成されるカムの変形例として、この多段化をさらに進めてカム斜面が無段階に連続的に変化するものに適用することも可能である。
また、本発明のトルクカム装置及びこれを備えた無段変速機は、両用の変速機として用いるのに適しているが、その他の種々の動力伝達系にも適用できる。
また、上記実施形態では、駆動カム斜面91a,191aや被駆動カム斜面91b,191bが同一形状のものが位相角度を180度ずらせて2個ずつ設けられている例を示したが、カム斜面は同一形状のものを、位相角度を130度ずらせて3個ずつ設けてもよく、個数は限定されない。
2 駆動源
4 前後進切換機構
5 無段変速機
6 プライマリプーリ
8 プライマリプーリ6の固定シーブ
10 プライマリプーリ6の回転軸
12 プライマリプーリ6の可動シーブ
14 セカンダリプーリ
16 セカンダリプーリ14の固定シーブ(出力回転要素)
18 セカンダリプーリ14の駆動軸(回転軸,出力回転要素)
18A 軸連結部材(出力回転要素)
20 セカンダリプーリ14の可動シーブ(入力回転要素)
26 ベルト
22 スプリング
30 機械式プーリ移動機構
40 トルクカム機構
50 遊星歯車機構
60 動力伝達機構
70 アクチュエータとしての電動モータ
90,190 トルクカム装置(推力調整機構)
91,191 第1トルクカム機構
91A,191A 第1入力側カム部材
91a,191a 第1駆動カム斜面
91B,191B 第1出力側カム部材
91b,191b 第1被駆動カム斜面
92,192 第2トルクカム機構
92A,192A 第2入力側カム部材
92a,192a 第2被駆動カム斜面
92B,192B 第2出力側カム部材
92b,192b 第2駆動カム斜面
93 切替機構
94,194 第1追従ガイド
94A,194A 第1ガイド部材
94a,194a 第1ガイド溝
94b,194b 第1ガイド斜面
94B,194B 第1ピン
95,195 第2追従ガイド
95A,195A 第2ガイド部材
95a,195a 第2ガイド溝
95b,195b 第2ガイド斜面
95B,195B 第2ピン

Claims (11)

  1. 入力回転要素に連結され、順方向にトルクを伝達する際の入力側となり、螺旋状の第1駆動カム斜面を有する第1入力側カム部材と、出力回転要素に連結され、順方向にトルクを伝達する際の出力側となり、前記第1駆動カム斜面と伝達トルクに応じた力で摺接する螺旋状の第1被駆動カム斜面を有する第1出力側カム部材と、を備えた第1トルクカム機構と、
    前記入力回転要素に連結され、逆方向にトルクを伝達する際の出力側となり、螺旋状の第2被駆動カム斜面を有する第2入力側カム部材と、前記出力回転要素に連結され、逆方向にトルクを伝達する際の入力側となり、前記第2被駆動カム斜面と伝達トルクに応じた力で摺接する螺旋状の第2駆動カム斜面を有する第2出力側カム部材と、を備えた第2トルクカム機構と、を装備し、
    前記順方向にトルク伝達するときには、前記第1トルクカム機構を動力伝達状態とすると共に前記第2トルクカム機構を動力伝達解放状態とし、前記逆方向にトルク伝達するときには、前記第2トルクカム機構を動力伝達状態とすると共に前記第1トルクカム機構を動力伝達解放状態とする切替機構が備えられ、
    前記第1入力側カム部材と前記第1出力側カム部材との間には、前記逆方向にトルク伝達するときに当該入出力カム部材同士を回転方向に追従させる第1追従ガイドが備えられ、
    前記第2入力側カム部材と前記第2出力側カム部材との間には、前記順方向にトルク伝達するときに当該入出力カム部材同士を回転方向に追従させる第2追従ガイドが備えられ、
    前記第1追従ガイド及び前記第2追従ガイドの少なくとも何れかは、螺旋状のガイド斜面を有するガイド溝を備えたガイド部材と、前記ガイド溝内に配置され前記ガイド斜面により案内されるピンとを備えている
    ことを特徴とするトルクカム装置。
  2. 前記第1追従ガイドは、前記第1入力側カム部材及び前記第1出力側カム部材の一方に設けられ前記ガイド部材である第1ガイド部材と、前記第1入力側カム部材及び前記第1出力側カム部材の他方に設けられ前記ピンである第1ピンと、を有し、前記第1入力側カム部材と前記第1出力側カム部材とが互いに軸方向へ離隔する方向に前記第2入力側カム部材と前記第2出力側カム部材とが相対移動すると、前記第1ピンが前記第1ガイド斜面に案内されながら前記第1出力側カム部材を前記第1入力側カム部材に対して軸方向に追従移動させ、
    前記第2追従ガイドは、前記第2入力側カム部材及び前記第2出力側カム部材の一方に設けられ前記ガイド部材である第2ガイド部材と、前記第1入力側カム部材及び前記第2出力側カム部材の他方に設けられ前記ピンである第2ピンと、を有し、前記第2入力側カム部材と前記第2出力側カム部材とが互いに軸方向へ離隔する方向に前記第1入力側カム部材と前記第1出力側カム部材とが相対移動すると、前記第2ピンが前記第2ガイド斜面に案内されながら前記第2入力側カム部材を前記第2出力側カム部材に対して軸方向に追従移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載のトルクカム装置。
  3. 前記第1駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面は前記順方向に沿った軸方向を向き、前記第1被駆動カム斜面及び前記第2駆動カム斜面は前記逆方向に沿った軸方向を向くように配向され、
    前記第1ガイド斜面は前記第1入力側カム部材に形成され、前記第2ガイド斜面は前記第2入力側カム部材に形成されて、前記第1ガイド斜面及び前記第2ガイド斜面は前記逆方向に沿った軸方向を向くように配向され、
    前記第1ピンは前記第1出力側カム部材に形成され、前記第2ピンは前記第2出力側カム部材に形成されて、前記第1ピン及び前記第2ピンは、軸方向と直行する径方向にピン軸方向を配向されている
    ことを特徴とする請求項2記載のトルクカム装置。
  4. 前記第1駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面は前記順方向に沿った軸方向を向き、前記第1被駆動カム斜面及び前記第2駆動カム斜面は前記逆方向に沿った軸方向を向くように配向され、
    前記第1ガイド斜面は前記第1出力側カム部材に形成され、前記第2ガイド斜面は前記第2出力側カム部材に形成されて、前記第1ガイド斜面及び前記第2ガイド斜面は前記順方向に沿った軸方向を向くように配向され、
    前記第1ピンは前記第1入力側カム部材に形成され、前記第2ピンは前記第2入力側カム部材に形成されて、前記第1ピン及び前記第2ピンは、軸方向と直行する径方向にピン軸方向を配向されている
    ことを特徴とする請求項2記載のトルクカム装置。
  5. 前記第1トルクカム機構は、第1の半径を基準とする第1筒状空間内に配置され、
    前記第2トルクカム機構は、第2の半径を基準とする第2筒状空間内に配置され、
    前記第1筒状空間及び前記第2筒状空間は、同一軸心の内側と外側とに互いに離隔して並列に配置され、
    前記第1追従ガイドは、前記第1筒状空間の内側又は外側の第3筒状空間内に配置され、
    前記第2追従ガイドは、前記第2筒状空間の内側又は外側の第4筒状空間内に配置されている
    ことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のトルクカム装置。
  6. 前記第1トルクカム機構の前記第1駆動カム斜面及び前記第1被駆動カム斜面、並びに、前記第2トルクカム機構の前記第2駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面の各トルク伝達面は、傾斜角度が所定の一定角度の単一傾斜面により構成され、
    前記第1追従ガイドの前記第1ガイド斜面及び前記第2追従ガイドの前記第2ガイド斜面は、前記各トルク伝達面と同一傾斜角度の単一傾斜面により構成されている
    ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のトルクカム装置。
  7. 前記第1トルクカム機構の前記第1駆動カム斜面及び前記第1被駆動カム斜面、並びに、前記第2トルクカム機構の前記第2駆動カム斜面及び前記第2被駆動カム斜面の各トルク伝達面は、傾斜角度が段階的且つ徐々に変化する複数段傾斜面により構成され、
    前記第1追従ガイドの前記第1ガイド斜面及び前記第2追従ガイドの前記第2ガイド斜面は、前記各トルク伝達面と同一傾斜角度の多段傾斜面により構成されている
    ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のトルクカム装置。
  8. 前記第1追従ガイドの前記第1ガイド斜面は、前記第1入力側カム部材の動きを示すベクトルと逆方向で長さが少なくとも同一長さとなるベクトルを描く斜面により構成され、
    前記第2追従ガイドの前記第2ガイド斜面は、前記第2出力側カム部材の動きを示すベクトルと逆方向で長さが少なくとも同一長さとなるベクトルを描く斜面により構成されている
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のトルクカム装置。
  9. 前記追従ガイド部材の径Rgが前記入力側カム部材又は前記出力側カム部材の径Rcと異なり、前記ガイド斜面の長さは、これらの径Rg,Rcの比率Re(=Rg/Rc)に基づいて設定された値である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のトルクカム装置。
  10. 前記ピンは、軸部と、前記軸部にベアリングを介して回転自在に軸支された円筒状部とを備え、前記円筒状部の外周面が前記ガイド斜面を摺動又は転動する
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のトルクカム装置。
  11. プライマリプーリと、
    セカンダリプーリと、
    前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリに掛け回されたベルト状部材と、
    前記プライマリプーリに推力を付与する第1推力付与機構と、
    前記セカンダリプーリに推力を付与する第2推力付与機構と、を備え、
    前記第1推力付与機構及び前記第2推力付与機構の少なくともいずれか一方に、請求項1〜10のいずれか1項に記載のトルクカム装置が装備されている
    ことを特徴とする無段変速機。
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