JP2019031833A - 電気錠制御システム、電気錠システム、制御方法及びプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】ユーザが鍵装置を所持しないで外出する場合に電気錠にて開閉部材が施錠される可能性を低減する。【解決手段】電気錠制御システム１は、錠側制御部１１と、検知部１２と、錠側通信部１３と、判定部１１３とを備える。錠側制御部１１は、開閉部材を施錠又は解錠する電気錠３を制御する。検知部１２は、開閉部材の開閉を検知する。錠側通信部１３は、開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うための鍵装置２との間で無線通信を行う。判定部１１３は、建物のユーザが鍵装置２を所持しているか否かを判定する。錠側制御部１１は、ユーザが鍵装置２を所持していると判定部１１３が判定し、かつ検知部１２の検知結果から開閉部材が閉じている場合に、電気錠３に開閉部材を施錠させる。【選択図】図１

Description

本開示は、一般に電気錠制御システム、電気錠システム、制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、建物に設けられた開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御するための電気錠制御システム、電気錠システム、制御方法及びプログラムに関する。

特許文献１には、建物のドアに設けられた錠を電動で施錠又は解錠する電気錠システムが記載されている。特許文献１に記載の電気錠システムは、例えば住宅の玄関ドアに設けられた錠前を電動で施錠又は解錠する電気錠装置と、住宅の住人などが錠前の施錠又は解錠を行うために使用する携帯機と、を備える。電気錠装置は、第１通信部と、錠前を駆動する駆動部と、制御部と、を有する。携帯機は、第２通信部を有する。

第１通信部は、第２通信部との間で無線通信を行うことにより携帯機から認証情報を取得する。制御部は、第１通信部からの認証情報とメモリに登録されている認証情報とを照合し、両者が一致する場合に駆動部を制御して錠前を施錠又は解錠させる。

特開２０１６−３０８９４号公報

特許文献１に記載の電気錠システムでは、住人（ユーザ）の外出時に自動で施錠を行う。このとき、例えば住宅（建物）内であって、かつ第１通信部との通信圏内に携帯機（鍵装置）が置かれている場合には、住人が外出時に鍵装置を所持していなくても錠前（電気錠）が自動的に施錠される可能性があった。

本開示は上記課題に鑑みてなされており、ユーザが鍵装置を所持しないで外出する場合に電気錠にて開閉部材が施錠される可能性を低減することができる電気錠制御システム、電気錠システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。

本開示の一態様に係る電気錠制御システムは、錠側制御部と、検知部と、錠側通信部と、判定部と、を備える。前記錠側制御部は、建物の開口部を開閉する開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御する。前記検知部は、前記開閉部材の開閉を検知する。前記錠側通信部は、前記開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも前記解錠操作を行うための鍵装置との間で無線通信を行う。前記判定部は、前記建物のユーザが前記鍵装置を所持しているか否かを判定する判定処理を行う。前記錠側制御部は、前記判定部が前記判定処理において前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定し、かつ前記検知部の検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させるように構成されている。

本開示の一態様に係る電気錠システムは、前記電気錠制御システムと、前記電気錠制御システムによって制御される前記電気錠と、を備える。

本開示の一態様に係る制御方法は、制御ステップと、検知ステップと、通信ステップと、判定ステップと、を備える。前記制御ステップは、建物の開口部を開閉する開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御するステップである。前記検知ステップは、前記開閉部材の開閉を検知するステップである。前記通信ステップは、前記開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも前記解錠操作を行うための鍵装置との間で無線通信を行うステップである。前記判定ステップは、前記建物のユーザが前記鍵装置を所持しているか否かを判定するステップである。前記制御ステップでは、前記判定ステップにおいて前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定し、かつ前記検知ステップの検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させる。

本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、制御ステップと、検知ステップと、通信ステップと、判定ステップと、を実行させるためのプログラムである。前記制御ステップは、建物の開口部を開閉する開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御するステップである。前記検知ステップは、前記開閉部材の開閉を検知するステップである。前記通信ステップは、前記開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも前記解錠操作を行うための鍵装置との間で無線通信を行うステップである。前記判定ステップは、前記建物のユーザが前記鍵装置を所持しているか否かを判定するステップである。前記制御ステップでは、前記判定ステップにおいて前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定し、かつ前記検知ステップの検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させる。

本開示は、ユーザが鍵装置を所持しないで外出する場合に電気錠にて開閉部材が施錠される可能性を低減することができる、という利点がある。

図１は、本開示の一実施形態に係る電気錠制御システム及び電気錠システムの構成を示すブロック図である。 図２は、同上の電気錠制御システム及び電気錠システムの使用例の説明図である。 図３Ａは、同上の電気錠制御システム及び電気錠システムの動作を説明するシーケンス図であって、ユーザが鍵装置を所持している場合のシーケンス図である。図３Ｂは、同上の電気錠制御システム及び電気錠システムの動作を説明するシーケンス図であって、ユーザが鍵装置を所持していない場合のシーケンス図である。 図４Ａは、本開示の一実施形態の第１変形例に係る電気錠制御システム及び電気錠システムの動作を説明するシーケンス図であって、ユーザが鍵装置を所持している場合のシーケンス図である。図４Ｂは、同上の電気錠制御システム及び電気錠システムの動作を説明するシーケンス図であって、ユーザが鍵装置を所持していない場合のシーケンス図である。 図５Ａは、本開示の一実施形態の第２変形例に係る電気錠制御システム及び電気錠システムの動作を説明するシーケンス図であって、ユーザが鍵装置を所持している場合のシーケンス図である。図５Ｂは、同上の電気錠制御システム及び電気錠システムの動作を説明するシーケンス図であって、ユーザが鍵装置を所持していない場合のシーケンス図である。 図６は、本開示の一実施形態の第３変形例に係る電気錠制御システム及び電気錠システムに用いられる鍵装置のブロック図である。

（１）概要
以下、本実施形態に係る電気錠制御システム及び電気錠システムの概要について説明する。本実施形態に係る電気錠システム１０は、図１に示すように、電気錠制御システム１と、電気錠制御システム１によって制御される電気錠３と、を備えている。

本実施形態に係る電気錠制御システム１は、図２に示すように、開閉部材５を施錠又は解錠する電気錠３を制御するためのシステムである。開閉部材５は、建物４の開口部４０に設けられ、開口部４０を塞ぐ閉位置と開口部４０を開放する開位置との間で開閉可能である。開閉部材５は、建物４の内（宅内４１）と外（宅外４２）とを隔てる扉又は窓であって、例えば、玄関扉、勝手口ドア、又は掃き出し窓等である。本実施形態では、開閉部材５は、玄関扉である。玄関扉は、開き戸であってもよいし、引き戸であってもよい。電気錠制御システム１及び電気錠３は、開閉部材５に設置されている。電気錠制御システム１は、鍵装置２と通信可能に構成されている。そして、電気錠制御システム１は、鍵装置２との通信によって、開閉部材５を施錠する施錠状態と、開閉部材５を解錠する解錠状態との切り替えを電気的に行うように構成されている。

鍵装置２は、電気錠制御システム１との通信機能を有している。本実施形態では、電気錠制御システム１と鍵装置２との間の通信方式は、電波を媒体とする無線通信である。また、本実施形態では、電気錠制御システム１及び鍵装置２は、いずれも電池駆動式である。また、本実施形態では、鍵装置２は、例えば電話機能を有する携帯電話端末である。本実施形態では、建物４が戸建て住宅である場合を例として説明する。したがって、ユーザ６は、建物４の住人のうち、鍵装置２を所有する人である。

電気錠３は、電気錠制御システム１の錠側制御部１１（後述する）から出力される施錠信号又は解錠信号によって、電動で開閉部材５を施錠又は解錠する。すなわち、電気錠３は、錠側制御部１１からの施錠信号又は解錠信号によって、開閉部材５を施錠する施錠状態、又は開閉部材５を解錠する解錠状態に切り替えられる。

ところで、特許文献１に記載の電気錠システムでは、上述したように、住人の外出時に自動で施錠を行う。このとき、例えば住宅内であって、かつ第１通信部との通信圏内に携帯機が置かれている場合には、住人が外出時に携帯機を所持していなくても錠前が自動的に施錠される可能性があった。そして、錠前が自動的に施錠された場合には、住人であるにもかかわらず住宅内に入れなくなってしまうという問題があった。

本実施形態に係る電気錠制御システム１及び電気錠システム１０は、上記問題を解決すべく、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出する場合に電気錠３にて開閉部材５が施錠される可能性を低減できるように、以下のように構成されている。

本実施形態に係る電気錠制御システム１は、図１に示すように、錠側制御部１１と、検知部１２と、錠側通信部１３と、判定部１１３と、を備える。錠側制御部１１は、開閉部材５を施錠又は解錠する電気錠３を制御する。開閉部材５は、建物４の開口部４０を開閉する。検知部１２は、開閉部材５の開閉を検知する。錠側通信部１３は、開閉部材５の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うための鍵装置２との間で無線通信を行う。判定部１１３は、建物４のユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定する判定処理を行う。錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理においてユーザ６が鍵装置２を所持していると判定し、かつ検知部１２の検知結果から開閉部材５が閉じている場合に、電気錠３に開閉部材５を施錠させるように構成されている。また、本実施形態に係る電気錠システム１０は、電気錠制御システム１と、電気錠制御システム１によって制御される電気錠３と、を備える。

この構成によれば、錠側制御部１１は、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出する場合に電気錠３に開閉部材５を施錠させるように構成されている。そのため、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出する場合に電気錠３にて開閉部材５が施錠される可能性を低減することができる。その結果、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出した場合であっても、開閉部材５が施錠されていないことから、ユーザ６が建物４内に入ることができる。

（２）詳細
以下、本実施形態に係る電気錠制御システム１及び電気錠システム１０の構成について、図１及び図２を参照して説明する。

（２．１）電気錠制御システム
まず、電気錠制御システム１の構成について説明する。電気錠制御システム１は、図１に示すように、錠側制御部１１と、検知部１２と、錠側通信部１３と、通知部１４と、錠側操作部１５と、錠側記憶部１６と、を備えている。本実施形態では、電気錠制御システム１は、錠側制御部１１、検知部１２、錠側通信部１３、通知部１４、錠側操作部１５及び錠側記憶部１６が１つのケース１７（図２参照）に収納されている。

錠側制御部１１は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、錠側制御部１１は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが錠側制御部１１として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。

錠側制御部１１は、図１に示すように、認証部１１１と、計測部１１２と、判定部１１３と、を有している。

認証部１１１は、錠側通信部１３が鍵装置２から受信した鍵情報を、錠側記憶部１６が記憶する認証情報と照合することにより、鍵情報を送信してきた鍵装置２が、電気錠３の操作を許可された鍵装置２であるか否かを認証する。すなわち、認証部１１１は、鍵情報を送信してきた鍵装置２が、電気錠制御システム１に登録されている正規の鍵装置であるか否かを認証する。

計測部１１２は、鍵装置２から送信される無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度（RSSI：Received Signal Strength Indicator）を計測するように構成されている。計測部１１２は、鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１を受信するたびに、無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度（電波強度）を計測する。

判定部１１３は、建物４のユーザ６が外出時において鍵装置２を所持しているか否かを判定する判定処理を行う。本実施形態では一例として、判定部１１３は、判定処理において、計測部１１２の計測結果に基づいて鍵装置２が建物４の外側（宅外４２）にあるか否かを判定する。言い換えると、判定部１１３は、判定処理において、鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度の大きさに基づいて鍵装置２が建物４の外側（宅外４２）にあるか否かを判定する。そして、判定部１１３は、判定処理において、鍵装置２が建物４の外側にあると判定した場合にユーザ６が鍵装置２を所持していると判定する。なお、判定部１１３の動作については、「（３）動作」の欄にて詳細に説明する。

錠側制御部１１は、判定部１１３の判定結果に応じて電気錠３に開閉部材５を施錠させるように構成されている。例えば、錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理においてユーザ６が鍵装置２を所持していると判定し、かつ検知部１２の検知結果から開閉部材５が閉じている場合に、電気錠３に開閉部材５を施錠させる。言い換えると、錠側制御部１１は、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出した場合に電気錠３に開閉部材５を施錠させる。

検知部１２は、開閉部材５の開閉を検知する。本実施形態では、検知部１２は、開閉部材５としての玄関扉が閉じられたことを検知する。検知部１２は、玄関扉の扉枠に取り付けられるマグネットと、玄関扉が閉じられた状態でマグネットと対向するように玄関扉に配置される磁気センサと、を備えている。検知部１２は、磁気センサによる磁気の検出結果に基づいて玄関扉（開閉部材５）の開閉状態を検知し、その検知結果を錠側制御部１１に出力する。

錠側通信部１３は、例えば、アンテナと、通信回路と、を有し、電波を媒体とする無線通信を行う。錠側通信部１３は、例えばＢＬＥ（Bluetooth Low Energy）の規格に準拠した近距離無線通信を行うように構成されている。ここで、「ＢＬＥ」とは、無線ＰＡＮ（Personal Area Network）技術であるＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）の仕様における、低消費電力仕様の呼称である。錠側通信部１３は、錠側制御部１１からの指令に従って、ビーコン信号を間欠的に送信する。また、錠側通信部１３は、ビーコン信号に応答して鍵側通信部２２（後述する）から送信されるビーコン応答を受信する。つまり、錠側通信部１３は、信号の送信機能及び受信機能を有しており、鍵側通信部２２との間で双方向の通信を行うように構成されている。

ここで、図２中の破線１０１は、鍵装置２との通信を可能にする錠側通信部１３の通信エリアのうち、建物４の外側（宅外４２）に形成される通信エリアであり、図２中の一点鎖線１０２は、建物４の内側（宅内４１）に形成される通信エリアである。なお、通信エリア１０２は、錠側通信部１３からの漏れ電波によって形成される通信エリアである。

通知部１４は、例えば、ＬＥＤ（Light Emitting Diode）、液晶ディスプレイ等で構成される表示部と、ブザーと、を有している。通知部１４は、開閉部材５が施錠されたか否かをユーザ６に通知する機能を有している。通知部１４は、例えば、電気錠３の動作状態を表示部に表示させる。具体的には、通知部１４は、電気錠３によって開閉部材５が施錠されている旨の表示、又は開閉部材５が解錠されている（施錠されていない）旨の表示を表示部に表示させる。また、通知部１４は、電気錠３によって開閉部材５が施錠されていない場合に、ブザーを鳴動させる。ユーザ６は、通知部１４の通知内容によって開閉部材５が施錠されたか否かを知ることができる。

錠側操作部１５は、ユーザ６（つまり、人）による操作入力を受け付ける機能を有している。錠側操作部１５は、例えば建物４の内側（宅内４１）に設けられた押釦スイッチからなる。その他、錠側操作部１５は、例えば開閉部材５（玄関扉）に備わっているドアハンドル（取っ手）であってもよいし、ユーザ６がドアハンドルに触れる操作を検知するタッチセンサ等であってもよい。錠側操作部１５は、ユーザ６による操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号を錠側制御部１１に出力する。

錠側記憶部１６は、例えばＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory）のような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備える。錠側記憶部１６は、電気錠３の制御を許可された１台以上の鍵装置２の鍵情報を認証情報として記憶する。本実施形態では、鍵装置２には固有の鍵情報が付与されている。このため、錠側記憶部１６は、鍵装置２の識別情報と、鍵装置２に付与された鍵情報とを対応付けて記憶する。

（２．２）鍵装置
次に、鍵装置２の構成について説明する。鍵装置２は、例えばスマートフォンのような携帯端末である。鍵装置２は、図１に示すように、鍵側制御部２１と、鍵側通信部２２と、鍵側操作部２３と、鍵側記憶部２４と、表示部２５と、を備えている。

鍵側制御部２１は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、鍵側制御部２１は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが鍵側制御部２１として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。

鍵側通信部２２は、例えば、アンテナと、通信回路と、を有している。鍵側通信部２２は、錠側通信部１３との間で、例えばＢＬＥの規格に準拠した近距離無線通信を行うように構成されている。鍵側通信部２２は、鍵側制御部２１からの指令に従って、応答信号を送信する。また、鍵側通信部２２は、錠側通信部１３から送信されるビーコン信号を受信する。鍵側通信部２２は、ビーコン信号を受信すると、ビーコン信号を受信したことを通知するビーコン応答を電気錠制御システム１に送信する。つまり、鍵側通信部２２は、信号の送信機能及び受信機能を有しており、錠側通信部１３との間で双方向の通信を行うように構成されている。鍵装置２からのビーコン応答を電気錠制御システム１の錠側通信部１３が受信することにより、鍵装置２の認証を行うための認証通信が電気錠制御システム１と鍵装置２との間で開始される。

鍵側操作部２３は、ユーザ６（つまり、人）による操作入力を受け付ける機能を有している。鍵側操作部２３は、例えば鍵装置２のケースに設けられた押釦スイッチで構成されていてもよいし、鍵装置２のケースに設けられたレバーで構成されていてもよい。本実施形態では、鍵側操作部２３は、表示部２５を構成するディスプレイ装置に設けられたタッチパネルを有している。タッチパネルは、静電容量方式、感圧式などのタッチセンサを有する。ユーザ６が表示部２５のディスプレイ装置に触れる操作（タップ操作、スワイプ操作等）を行うと、鍵側操作部２３は、操作に応じた信号を鍵側制御部２１に出力する。

鍵側記憶部２４は、例えばＥＥＰＲＯＭのような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備える。鍵側記憶部２４は、鍵装置２に割り当てられた個別の識別情報、及び電気錠制御システム１から付与された鍵情報等を記憶する。また、鍵側記憶部２４には、鍵装置２のコンピュータが実行するプログラムが記憶されている。このプログラムは、予めメモリに記憶されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、本実施形態のように、鍵装置２がスマートフォンであれば、鍵側記憶部２４には、ユーザ６が任意にインストールしたアプリケーションが記憶されていてもよい。

表示部２５は、例えば液晶ディスプレイ、有機ＥＬ（Electro Luminescence）ディスプレイ等の薄型ディスプレイ装置である。表示部２５は、鍵側制御部２１によって表示内容が制御される。

（２．３）電気錠
次に、電気錠３の構成について説明する。電気錠３は、開閉部材５（ここでは、玄関扉）を解錠及び施錠する。電気錠３は、デッドボルトと、駆動部と、駆動回路と、を有している。駆動回路は、錠側制御部１１から出力される制御信号（解錠信号又は施錠信号）に応じて駆動信号を作成し、この駆動信号を駆動部に出力する。駆動部は、電動モータと、電動モータの駆動力をデッドボルトに伝達する伝達機構と、を備えている。駆動部は、駆動回路から入力される駆動信号に従って駆動モータを駆動する。駆動モータの駆動力が伝達機構を介してデッドボルトに伝達されることによって、デッドボルトが施錠位置又は解錠位置に移動する。ここで、デッドボルトが施錠位置に移動した状態では、デッドボルトの少なくとも一部が、開閉部材５を支持する扉枠に設けられたボルト穴に挿入されており、この状態では開閉部材５が閉じた状態で保持される。デッドボルトが解錠位置に移動した状態では、デッドボルトの全体がボルト穴の外に出ており、この状態では開閉部材５の開閉が可能になる。

（３）動作
以下、本実施形態に係る電気錠制御システム１及び電気錠システム１０の動作について、図３Ａ及び図３Ｂを参照して説明する。図３Ａ及び図３Ｂに示す例では、ユーザ６が建物４から外出する場合を想定している。

まず、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出する場合について、図３Ａを参照して説明する。

錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けると（ステップＳ１）、錠側制御部１１は、錠側操作部１５からの操作信号に従って解錠信号を作成し、この解錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ２）。電気錠３は、錠側制御部１１からの解錠信号に従って開閉部材５を解錠する（ステップＳ３）。開閉部材５が解錠されると、ユーザ６は、開閉部材５を開けて建物４の宅外４２へ移動した後、開閉部材５を閉じる（ステップＳ４，Ｓ５）。このとき、電気錠制御システム１の検知部１２は、一旦開けられた開閉部材５が閉じられたことを検知する（ステップＳ６）。

錠側制御部１１は、検知部１２の検知結果に基づいて、鍵装置２との間で認証通信を開始する（ステップＳ７）。このとき、錠側制御部１１は、錠側通信部１３から間欠的にビーコン信号を送信させる。鍵装置２の鍵側通信部２２がビーコン信号を受信すると、鍵側制御部２１は、ビーコン応答を鍵側通信部２２から電気錠制御システム１に送信させる。そして、電気錠制御システム１の錠側通信部１３がビーコン応答を受信すると、電気錠制御システム１と鍵装置２との間で認証通信が開始される。

電気錠制御システム１と鍵装置２との間で認証通信が開始されると、錠側制御部１１は、鍵装置２の鍵情報を要求する要求信号を錠側通信部１３から鍵装置２に送信させる。鍵装置２の鍵側通信部２２が要求信号を受信すると、鍵側制御部２１は、鍵側記憶部２４に記憶されている鍵情報を含む応答信号を作成し、この応答信号を鍵側通信部２２から電気錠制御システム１に送信させる。電気錠制御システム１の錠側通信部１３が応答信号を受信すると、錠側制御部１１の認証部１１１は、応答信号に含まれる鍵情報及び鍵装置２の識別情報を、錠側記憶部１６が記憶している認証情報と照合することによって、鍵装置２の認証を行う。

ここで、認証部１１１の認証が失敗すると、錠側制御部１１は、電気錠３の制御を行わない。一方、認証部１１１の認証が成功すると、錠側制御部１１の判定部１１３が判定処理を行う（ステップＳ８）。このとき、判定部１１３は、判定処理において、ユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定する。判定部１１３は、計測部１１２で計測した無線信号Ｓｉｇ１（例えば、応答信号等）の受信信号強度の大きさに基づいて、鍵装置２が建物４の外側にあるか否かを判定する。判定部１１３は、上記受信信号強度の大きさが所定の閾値以上であれば、建物４の宅外４２の通信エリア１０１内に鍵装置２があると判定する。そして、判定部１１３は、鍵装置２が通信エリア１０１内にあることから、ユーザ６が鍵装置２を所持していると判定する。

ここで、鍵装置２が、建物４の宅内に設置されている下駄箱等の収納棚の上面に置かれており、かつ宅内４１の通信エリア１０２内にある場合の受信信号強度を第１値とし、判定部判定処理を行うときの受信信号強度を第２値とする。判定部１１３は、開閉部材５が閉じていることを検知部１２が検知した後に判定処理を開始するように構成されており、このとき鍵装置２を所持したユーザ６は開閉部材５の近傍にいるため、第１値よりも第２値のほうが大きくなる。したがって、第１値（の最大値）と第２値（の最小値）との間の値を上記閾値に設定することにより、判定部１１３は、鍵装置２が建物４の外側にあるか否かを判定することができる。

錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理においてユーザ６が鍵装置２を所持していると判定し、かつ検知部１２の検知結果から開閉部材５が閉じているので、開閉部材５を施錠するための施錠信号を作成し、この施錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ９）。電気錠３は、錠側制御部１１からの施錠信号に従って開閉部材５を施錠（自動施錠）する（ステップＳ１０）。

次に、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出する場合について、図３Ｂを参照して説明する。ただし、図３Ｂに示す例では、錠側通信部１３の通信エリアのうち、建物４の宅内４１の通信エリア１０２内に鍵装置２がある場合を想定する。すなわち、電気錠制御システム１の錠側通信部１３と鍵装置２の鍵側通信部２２とが通信可能な状態にある。

錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けると（ステップＳ１１）、錠側制御部１１は、錠側操作部１５からの操作信号に従って解錠信号を作成し、この解錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ１２）。電気錠３は、錠側制御部１１からの解錠信号に従って開閉部材５を解錠する（ステップＳ１３）。開閉部材５が解錠されると、ユーザ６は、開閉部材５を開けて建物４の宅外４２へ移動した後、開閉部材５を閉じる（ステップＳ１４，Ｓ１５）。このとき、電気錠制御システム１の検知部１２は、一旦開けられた開閉部材５が閉じられたことを検知する（ステップＳ１６）。

錠側制御部１１は、検知部１２の検知結果に基づいて、鍵装置２との間で認証通信を開始する（ステップＳ１７）。なお、電気錠制御システム１と鍵装置２との認証通信、及び認証部１１１の認証処理については図３Ａと同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。

認証部１１１の認証が成功すると、錠側制御部１１の判定部１１３が判定処理を行う（ステップＳ１８）。ここで、図３Ｂに示す例では、鍵装置２が建物４の内側（宅内４１）に置かれており、ユーザ６が所持していない。そのため、鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度は上記閾値よりも小さい。この場合、判定部１１３は、ユーザ６が鍵装置２を所持していないと判定する。

錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理においてユーザ６が鍵装置２を所持していないと判定しているため、電気錠３に対して施錠信号を出力しない。また、錠側制御部１１は、電気錠３によって開閉部材５が施錠されていない旨の通知を通知部１４に行わせる（ステップＳ１９）。具体的には、錠側制御部１１は、開閉部材５が施錠されていない旨の表示を通知部１４の表示部に表示させ、かつ通知部１４のブザーを鳴動させる。これにより、ユーザ６は、開閉部材５が施錠されていないことを知ることができる。

本実施形態に係る電気錠制御システム１及び電気錠システム１０によれば、上述のように、錠側制御部１１は、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出する場合に電気錠３に開閉部材５を施錠させるように構成されている。そのため、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出する場合に電気錠３にて開閉部材５が施錠される可能性を低減することができる。また、ユーザ６が鍵装置２を所持しているかどうかの判定を開閉部材５が閉まった後の無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度を用いて行うことにより、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出したことをより精度良く判定することができる。その結果、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出した場合であっても、開閉部材５が施錠されていないことから、ユーザ６が建物４内に入ることができる。

ここで、複数のユーザ６が建物４を利用しており、複数のユーザ６のうち少なくとも１人が外出する際に残りのユーザ６が見送る場合を想定する。この場合、建物４の内側から開閉部材５を解錠するため、手動でサムターンを回すことにより開閉部材５を解錠する状況も起こり得る。また、この場合には、残りのユーザ６が鍵装置２を所持していないことも想定されるため、電気錠３にて自動的に施錠してしまうと、残りのユーザ６が見送り後に建物４内に入れなくなる可能性がある。そのため、ユーザ６が開閉部材５を手動で解錠した場合には、錠側制御部１１は、電気錠３に開閉部材５を施錠させないように構成されていることが好ましい。これにより、開閉部材５が手動で解錠された場合において、ユーザ６が鍵装置２を所持していなくても、ユーザ６が建物４内に入れなくなる可能性を低減することができる。

この場合、錠側操作部１５が操作されて電気錠３にて開閉部材５を解錠する場合と、手動にて開閉部材５を解錠する場合とを区別できるように、サムターンが回されたことを検知する機能が設けられていることが好ましい。この機能は、例えばマイクロスイッチ等で構成される。そして、錠側制御部１１は、電気錠３にて開閉部材５を解錠していないにもかかわらず、サムターンの位置が解錠位置にある場合に、手動にて開閉部材５が解錠されたと判断する。

（４）変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、電気錠制御システム１と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。

一態様に係る制御方法は、制御ステップと、検知ステップと、通信ステップと、判定ステップと、を備えている。また、一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、制御ステップと、検知ステップと、通信ステップと、判定ステップと、を実行させるためのプログラムである。

制御ステップは、開閉部材５を施錠又は解錠する電気錠３を制御するステップ（図３Ａ中のステップＳ２，Ｓ９）である。開閉部材５は、建物４の開口部４０を開閉する。検知ステップは、開閉部材５の開閉を検知するステップ（図３Ａ中のステップＳ６）である。通信ステップは、開閉部材５の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うための鍵装置２との間で無線通信を行うステップ（図３Ａ中のステップＳ７）である。判定ステップは、建物４のユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定するステップ（図３Ａ中のステップＳ８）である。そして、制御ステップでは、判定ステップにおいてユーザ６が鍵装置２を所持していると判定し、かつ検知ステップの検知結果から開閉部材５が閉じている場合に、電気錠３に開閉部材５を施錠させる。

以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。

（４．１）第１変形例
上述の実施形態では、判定部１１３は、計測部１１２で計測した無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度の大きさに基づいて、ユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定している。これに対して、鍵装置２を所持したユーザ６が移動する際には、無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度が変化する。第１変形例では、判定部１１３は、無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度の変化によって、ユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定している。以下、第１変形例に係る電気錠制御システム１及び電気錠システム１０の動作について、図４Ａ及び図４Ｂを参照して説明する。この場合においても、ユーザ６が建物４から外出する場合を想定している。

まず、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出する場合について、図４Ａを参照して説明する。

錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けると（ステップＳ２１）、錠側制御部１１は、錠側操作部１５からの操作信号に従って解錠信号を作成し、この解錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ２２）。電気錠３は、錠側制御部１１からの解錠信号に従って開閉部材５を解錠する（ステップＳ２３）。錠側制御部１１は、開閉部材５が解錠されると、鍵装置２との間で認証通信を行う（ステップＳ２４）。なお、電気錠制御システム１と鍵装置２との認証通信、及び認証部１１１の認証処理については図３Ａと同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。

開閉部材５が解錠されると、ユーザ６は、開閉部材５を開けて建物４の宅外４２へ移動した後、開閉部材５を閉じる（ステップＳ２５，Ｓ２６）。このとき、電気錠制御システム１の検知部１２は、一旦開けられた開閉部材５が閉じられたことを検知する（ステップＳ２７）。

認証部１１１の認証が成功すると、錠側制御部１１の判定部１１３が判定処理を行う（ステップＳ２８）。このとき、判定部１１３は、ユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定する。判定部１１３は、計測部１１２で計測した鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度の変化によって、鍵装置２が建物４の外側にあるか否かを判定する。

ここで、第１変形例では、開閉部材５が閉じられた後に判定部１１３が判定処理を開始するように構成されている。そのため、判定部１１３は、鍵装置２を所持したユーザ６が開閉部材５から離れるときの受信信号強度の変化によって、鍵装置２が建物４の外側にあるか否かを判定する。鍵装置２が開閉部材５に最も近づいているときの受信信号強度が最も大きく、開閉部材５から離れるに従って受信信号強度が小さくなるため、判定部１１３は、受信信号強度が徐々に小さくなるように変化していれば、鍵装置２が建物４の外側にあると判定する。そして、判定部１１３は、鍵装置２が建物４の外側にあることから、ユーザ６が鍵装置２を所持していると判定する。

錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理にてユーザ６が鍵装置２を所持していると判定し、かつ検知部１２の検知結果から開閉部材５が閉じているので、開閉部材５を施錠するための施錠信号を作成し、この施錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ２９）。電気錠３は、錠側制御部１１からの施錠信号に従って開閉部材５を施錠（自動施錠）する（ステップＳ３０）。

次に、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出する場合について、図４Ｂを参照して説明する。ただし、図４Ｂに示す例では、錠側通信部１３の通信エリアのうち、建物４の宅内４１の通信エリア１０２内に鍵装置２がある場合を想定する。すなわち、電気錠制御システム１の錠側通信部１３と鍵装置２の鍵側通信部２２とが通信可能な状態にある。

錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けると（ステップＳ３１）、錠側制御部１１は、錠側操作部１５からの操作信号に従って解錠信号を作成し、この解錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ３２）。電気錠３は、錠側制御部１１からの解錠信号に従って開閉部材５を解錠する（ステップＳ３３）。錠側制御部１１は、開閉部材５が解錠されると、鍵装置２との間で認証通信を行う（ステップＳ３４）。なお、電気錠制御システム１と鍵装置２との認証通信、及び認証部１１１の認証処理については図３Ａと同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。

開閉部材５が解錠されると、ユーザ６は、開閉部材５を開けて建物４の宅外４２へ移動した後、開閉部材５を閉じる（ステップＳ３５，Ｓ３６）。このとき、電気錠制御システム１の検知部１２は、一旦開けられた開閉部材５が閉じられたことを検知する（ステップＳ３７）。

認証部１１１の認証が成功すると、錠側制御部１１の判定部１１３が判定処理を行う（ステップＳ３８）。ここで、図４Ｂに示す例では、鍵装置２が建物４の内側（宅内４１）に置かれており、ユーザ６が所持していない。そのため、鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度はほとんど変化しない。この場合、判定部１１３は、ユーザ６が鍵装置２を所持していないと判定する。

錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理においてユーザ６が鍵装置２を所持していないと判定しているため、電気錠３に対して施錠信号を出力しない。また、錠側制御部１１は、電気錠３によって開閉部材５が施錠されていない旨の通知を通知部１４に行わせる（ステップＳ３９）。

第１変形例によれば、鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度の変化からユーザ６の移動を検出することができるので、受信信号強度の大きさに基づいて判定する場合と比較して、判定部１１３の判定精度を向上させることができる。また、上述のステップＳ２１〜Ｓ２７が実行されていない場合には、ユーザ６が鍵装置２を所持していない可能性が高い。この場合には、電気錠３に開閉部材５を施錠させないようにすることで、ユーザ６が鍵装置２を所持していなくても建物４内に入ることができる。また、錠側操作部１５がユーザ６の操作を受け付けてから開閉部材５が閉じられるのを待たずに認証部１１１での認証を開始するので、ユーザ６が鍵装置２を所持しているかどうかを判定するまでの時間を短縮することができる。

（４．２）第２変形例
上述の実施形態では、開閉部材５が閉じてから認証通信を行っているが、錠側操作部１５がユーザ６の操作を受け付けてから開閉部材５が閉じるまでの間に認証通信を行うように構成されていてもよい。以下、第２変形例に係る電気錠制御システム１及び電気錠システム１０の動作について、図５Ａ及び図５Ｂを参照して説明する。この場合においても、ユーザ６が建物４から外出する場合を想定している。

まず、ユーザ６が鍵装置２を所持して外出する場合について、図５Ａを参照して説明する。

錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けると（ステップＳ４１）、錠側制御部１１は、鍵装置２との間で認証通信を行う（ステップＳ４２）。なお、電気錠制御システム１と鍵装置２との認証通信、及び認証部１１１の認証処理については図３Ａと同様であり、ここでは詳細な説明を省略する。

錠側制御部１１は、認証部１１１の認証が成功すると、錠側操作部１５からの操作信号に従って解錠信号を作成し、この解錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ４３）。電気錠３は、錠側制御部１１からの解錠信号に従って開閉部材５を解錠する（ステップＳ４４）。

開閉部材５が解錠されると、ユーザ６は、開閉部材５を開けて建物４の宅外４２へ移動した後、開閉部材５を閉じる（ステップＳ４５，Ｓ４６）。このとき、電気錠制御システム１の検知部１２は、一旦開けられた開閉部材５が閉じられたことを検知する（ステップＳ４７）。

錠側制御部１１の判定部１１３は、錠側操作部１５がユーザ６の操作を受け付けてから開閉部材５が閉じるまでの間に認証部１１１の認証が成功していることから、判定処理を行う（ステップＳ４８）。このとき、判定部１１３は、ユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定する。判定部１１３は、計測部１１２で計測した鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度の大きさに基づいて、鍵装置２が建物４の外側にあるか否かを判定する。判定部１１３は、上記受信信号強度の大きさが所定の閾値以上であれば、建物４の宅外４２の通信エリア１０１内に鍵装置２があると判定する。そして、判定部１１３は、鍵装置２が通信エリア１０１内にあることから、ユーザ６が鍵装置２を所持していると判定する。

錠側制御部１１は、判定部１１３が判定処理にてユーザ６が鍵装置２を所持していると判定し、かつ検知部１２の検知結果から開閉部材５が閉じているので、開閉部材５を施錠するための施錠信号を作成し、この施錠信号を電気錠３に出力する（ステップＳ４９）。電気錠３は、錠側制御部１１からの施錠信号に従って開閉部材５を施錠（自動施錠）する（ステップＳ５０）。

次に、ユーザ６が鍵装置２を所持しないで外出しようとした場合について、図５Ｂを参照して説明する。また、図５Ｂに示す例では、錠側通信部１３の通信エリアのうち、建物４の宅内４１の通信エリア１０２内に鍵装置２がない場合を想定する。すなわち、電気錠制御システム１の錠側通信部１３と鍵装置２の鍵側通信部２２とが通信不能な状態にある。

錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けると（ステップＳ５１）、錠側制御部１１は、鍵装置２との間で認証通信を開始する（ステップＳ５２）。ここで、図５Ｂに示す例では、錠側通信部１３の通信エリア１０２内に鍵装置２が置かれていないことから、電気錠制御システム１と鍵装置２とは認証通信を行うことができない。そのため、鍵装置２の認証は不成立となり、錠側制御部１１は、電気錠３の制御を行わない。すなわち、この場合には、錠側通信部１３の通信エリア１０２内に鍵装置２がないことから、錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けていても、開閉部材５が解錠されない。また、図５Ｂに示すように、認証部１１１の認証が成功していなければ電気錠３にて開閉部材５を解錠しないようにした場合には、鍵装置２を所持していないことをユーザ６に知らせることができる。

第２変形例によれば、錠側操作部１５がユーザ６による操作入力を受け付けてから認証部１１１の認証が成功しない場合には開閉部材５が解錠されないので、ユーザ６に鍵装置２を所持していないことを気付かせることができる。

（４．３）第３変形例
上述の実施形態及び第１，第２変形例では、判定部１１３は、計測部１１２にて計測した鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度に基づいてユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定している。これに対して、判定部１１３は、鍵装置２が備えるセンサ２６の検出結果に基づいてユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定するように構成されていてもよい。以下、第３変形例に係る鍵装置２について、図６を参照して説明する。

第３変形例に係る鍵装置２は、図６に示すように、鍵側制御部２１と、鍵側通信部２２と、鍵側操作部２３と、鍵側記憶部２４と、表示部２５と、センサ２６と、を備えている。なお、鍵側制御部２１、鍵側通信部２２、鍵側操作部２３、鍵側記憶部２４及び表示部２５については、上述の実施形態と同様であり、ここでは説明を省略する。

センサ２６は、例えば、Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸の３軸方向の加速度を検出する３軸加速度センサである。このセンサ２６は、ピエゾ抵抗型３軸加速度センサ、静電容量型３軸加速度センサ及び熱検知型３軸加速度センサのいずれであってもよい。ユーザ６が鍵装置２を所持している場合、ユーザ６が開閉部材５を通って外出する際に鍵装置２が振動するため、センサ２６は、この振動による加速度を検出する。センサ２６は、検出結果を鍵側制御部２１に出力する。そして、鍵側制御部２１は、センサ２６の検出結果を含む無線信号Ｓｉｇ１を鍵側通信部２２から電気錠制御システム１に送信させる。

電気錠制御システム１の錠側通信部１３がセンサ２６の検出結果を受信すると、錠側制御部１１の判定部１１３は、検出結果に基づいてユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定する。このとき、判定部１１３は、センサ２６の検出結果である加速度と所定の閾値とを比較し、加速度が閾値以上であれば鍵装置２が動いていると判定する。そして、判定部１１３は、鍵装置２が動いていることから、ユーザ６が鍵装置２を所持していると判定する。

第３変形例によれば、センサ２６によって鍵装置２の動きを検出し、この検出結果に基づいてユーザ６が鍵装置２を所持しているか否かを判定するので、判定部１１３の判定精度を向上させることができる。

（４．４）その他の変形例
以下、その他の変形例について列挙する。

本開示における電気錠制御システム１の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における電気錠制御システム１又は制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路（ＩＣ）又は大規模集積回路（ＬＳＩ）を含む１乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、１つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、１つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。

上述の実施形態では、判定部１１３が錠側制御部１１に含まれているが、判定部１１３が錠側制御部１１に含まれていなくてもよい。すなわち、判定部１１３は、錠側制御部１１と別体であってもよい。

上述の実施形態では、錠側制御部１１及び判定部１１３が１つの回路で実現されているが、２つ以上の回路で実現されていてもよい。例えば、錠側制御部１１及び判定部１１３の機能が、２つ以上の回路に分散して設けられていてもよい。また、例えば、錠側制御部１１及び判定部１１３の機能が、１つのケースに収まる１つの装置に設けられていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、錠側制御部１１及び判定部１１３の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド（クラウドコンピューティング）によって実現されていてもよい。

上述の実施形態では、錠側制御部１１、検知部１２及び錠側通信部１３が１つのケース１７に収納されているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、錠側制御部１１、検知部１２及び錠側通信部１３は、２つ以上のケース１７に分散して収納されていてもよい。

上述の実施形態では、電気錠制御システム１が通知部１４を備えているが、鍵装置２が通知部を備えていてもよい。この場合には、ユーザ６が鍵装置２を所持していることが前提になるが、電気錠３によって開閉部材５が施錠されていることを鍵装置２の通知部にてユーザ６に通知することができる。通知部による通知方法は、例えば開閉部材５が施錠された旨の表示を鍵装置２の表示部２５に表示させてもよいし、開閉部材５が施錠された旨の音声メッセージを鍵装置２のスピーカ等から出力させてもよい。もちろん、開閉部材５が施錠された旨を鍵装置２のブザー等で通知してもよい。

上述の実施形態では、判定部１１３の判定処理において用いられる受信信号強度が鍵装置２からの無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度である場合を例として説明したが、電気錠制御システム１からの無線信号の受信信号強度であってもよい。この場合、電気錠制御システム１からの無線信号の受信信号強度を鍵装置２で計測し、その計測結果を鍵装置２から電気錠制御システム１に送信する。そして、電気錠制御システム１の判定部１１３は、鍵装置２からの計測結果に基づいて判定処理を行う。

また、鍵装置２に判定部が設けられていてもよい。この場合、判定部の判定処理において用いられる受信信号強度は、鍵装置２から電気錠制御システム１への無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度であってもよいし、電気錠制御システム１から鍵装置２への無線信号の受信信号強度であってもよい。鍵装置２から電気錠制御システム１への無線信号Ｓｉｇ１の場合には、無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度を計測部１１２で計測し、その計測結果を電気錠制御システム１から鍵装置２に送信する。また、電気錠制御システム１から鍵装置２への無線信号の場合には、無線信号の受信信号強度を鍵装置２で計測する。そして、鍵装置２の判定部は、取得した受信信号強度に基づいて判定処理を行う。

上述の実施形態では、鍵装置２は、例えばスマートフォンのような携帯端末であるが、他の構成であってもよい。例えば、鍵装置２は、コンピュータを電気錠制御システム１の鍵として動作させるためのプログラム（アプリケーション）を実行可能な携帯端末であれば、タブレット型のコンピュータ等であってもよい。また、鍵装置２は、ユーザ６が所持する鞄などに収納又は取付可能な電子タグ等であってもよい。

上述の実施形態では、鍵装置２は、開閉部材５の解錠操作及び施錠操作の両方を行うことができるが、他の構成であってもよい。例えば、鍵装置２は、開閉部材５の解錠操作だけを行う構成であってもよい。すなわち、鍵装置２は、開閉部材５の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うように構成されていればよい。

上述の実施形態では、無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度を計測する計測部１１２を錠側制御部１１が備えている場合を例として説明している。これに対して、錠側通信部１３が無線信号Ｓｉｇ１の受信信号強度を計測し、その計測結果を錠側通信部１３から錠側制御部１１に出力するように構成されていてもよい。

上述の実施形態では、開閉部材５は、建物４の内側（宅内４１）と外側（宅外４２）とを隔てる扉（開き戸又は引戸）又は窓であるが、建物４の一部の区画の内側と外側とを隔てる扉であってもよい。例えば、建物４が複数の住戸を有する集合住宅、複数の店舗を有するテナントビル、及び複数の事務所を有するオフィスビルであれば、個々の区画（住戸、店舗、事務所）の内側と外側とを隔てる扉が開閉部材５となる。

上述の実施形態では、電気錠システム１０は戸建て住宅に適用されているが、例えば集合住宅の各住戸に適用されてもよい。また、電気錠システム１０は、集合住宅の共用部玄関に適用されてもよいし、事務所、店舗、工場などの非住宅用の建物４に適用されてもよい。

（まとめ）
以上述べた実施形態から明らかなように、第１の態様に係る電気錠制御システム（１）は、錠側制御部（１１）と、検知部（１２）と、錠側通信部（１３）と、判定部（１１３）と、を備える。錠側制御部（１１）は、開閉部材（５）を施錠又は解錠する電気錠（３）を制御する。開閉部材（５）は、建物（４）の開口部（４０）を開閉する。検知部（１２）は、開閉部材（５）の開閉を検知する。錠側通信部（１３）は、開閉部材（５）の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うための鍵装置（２）との間で無線通信を行う。判定部（１１３）は、建物（４）のユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しているか否かを判定する判定処理を行う。錠側制御部（１１）は、判定部（１１３）が判定処理においてユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していると判定し、かつ検知部（１２）の検知結果から開閉部材（５）が閉じている場合に、電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させるように構成されている。

第１の態様によれば、錠側制御部（１１）は、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持して外出する場合に電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させるように構成されている。そのため、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しないで外出する場合に電気錠（３）にて開閉部材（５）が施錠される可能性を低減することができる。その結果、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しないで外出した場合であっても、開閉部材（５）が施錠されていないことから、ユーザ（６）が建物（４）内に入ることができる。

第２の態様に係る電気錠制御システム（１）は、第１の態様において、開閉部材（５）が施錠されたか否かをユーザ（６）に通知する通知部（１４）を更に備える。

第２の態様によれば、開閉部材（５）が施錠されたか否かを通知部（１４）にて通知するので、ユーザ（６）は通知部（１４）の通知内容によって開閉部材（５）が施錠されたか否かを知ることができる。

第３の態様に係る電気錠制御システム（１）では、第１又は第２の態様において、判定部（１１３）は、判定処理において、無線信号（Ｓｉｇ１）の受信信号強度に基づいて鍵装置（２）が建物（４）の外側（宅外４２）にあるか否かを判定する。そして、判定部（１１３）は、判定処理において、鍵装置（２）が建物（４）の外側にあると判定した場合にユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していると判定する。無線信号（Ｓｉｇ１）は、電気錠制御システム（１）と鍵装置（２）との無線通信における信号である。

第３の態様によれば、電気錠制御システム（１）又は鍵装置（２）から無線信号（Ｓｉｇ１）を送信するだけで、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しているか否かを判定することができる。

第４の態様に係る電気錠制御システム（１）は、第３の態様において、建物（４）の内側（宅内４１）に設けられ、ユーザ（６）の操作を受け付ける錠側操作部（１５）を更に備える。判定部（１１３）は、判定処理において、錠側操作部（１５）がユーザ（６）の操作を受け付けた後の無線信号（Ｓｉｇ１）の受信信号強度の変化によって鍵装置（２）が建物（４）の外側（宅外４２）にあるか否かを判定する。そして、判定部（１１３）は、判定処理において、鍵装置（２）が建物（４）の外側にあると判定した場合にユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していると判定する。

第４の態様によれば、無線信号（Ｓｉｇ１）の受信信号強度の変化からユーザ（６）の移動を検出することができるので、受信信号強度の大きさに基づいて判定する場合と比較して、判定部（１１３）の判定精度を向上させることができる。

第５の態様に係る電気錠制御システム（１）は、第１又は２の態様において、建物（４）の内側（宅内４１）に設けられ、ユーザ（６）の操作を受け付ける錠側操作部（１５）を更に備える。鍵装置（２）は、鍵装置（２）が動いているか否かを検出するセンサ（２６）を有し、センサ（２６）の検出結果を含む無線信号（Ｓｉｇ１）を送信する。判定部（１１３）は、判定処理において、錠側操作部（１５）がユーザ（６）の操作を受け付けた後にセンサ（２６）の検出結果から鍵装置（２）が動いているか否かを判定する。そして、判定部（１１３）は、判定処理において、鍵装置（２）が動いていると判定した場合にユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していると判定する。

第５の態様によれば、センサ（２６）によって鍵装置（２）の動きを検出し、この検出結果に基づいてユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しているか否かを判定するので、判定部（１１３）の判定精度を向上させることができる。

第６の態様に係る電気錠制御システム（１）は、第１〜５のいずれかの態様において、建物（４）の内側（宅内４１）に設けられ、ユーザ（６）の操作を受け付ける錠側操作部（１５）を更に備える。錠側制御部（１１）は、錠側通信部（１３）が鍵装置（２）から受信した鍵情報と予め記憶している認証情報との認証を行う。判定部（１１３）は、錠側操作部（１５）がユーザ（６）の操作を受け付けてから開閉部材（５）が閉じるまでの間に認証が成功している場合に、判定処理を行う。

第６の態様によれば、錠側操作部（１５）がユーザ（６）の操作を受け付けてから開閉部材（５）が閉じるまでの間に認証が成功していない場合には、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していない可能性が高い。この場合には、電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させないようにすることで、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していない場合であっても、建物（４）内に入ることができる。

第７の態様に係る電気錠制御システム（１）は、第１〜５のいずれかの態様において、建物（４）の内側（宅内４１）に設けられ、ユーザ（６）の操作を受け付ける錠側操作部（１５）を更に備える。錠側制御部（１１）は、錠側通信部（１３）が鍵装置（２）から受信した鍵情報と予め記憶している認証情報との認証を行う。判定部（１１３）は、錠側操作部（１５）がユーザ（６）の操作を受け付けてから錠側制御部（１１）が電気錠（３）に開閉部材（５）を解錠させた後に認証が成功しており、検知部（１２）の検知結果から開閉部材（５）が閉じている場合に、判定処理を行う。

第７の態様によれば、図４Ａ中のステップ（Ｓ２１〜Ｓ２７）が実行されていない場合には、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していない可能性が高い。この場合には、電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させないようにすることで、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していない場合であっても、建物（４）内に入ることができる。

第８の態様に係る電気錠制御システム（１）では、第１〜７のいずれかの態様において、錠側制御部（１１）は、ユーザ（６）が開閉部材（５）を手動で解錠した場合には、電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させない。

第８の態様によれば、ユーザ（６）が手動にて開閉部材（５）を解錠した場合には、錠側制御部（１１）は電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させないので、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しないで外出した場合であっても、建物（４）内に入ることができる。

第９の態様に係る電気錠システム（１０）は、第１〜８のいずれかの態様の電気錠制御システム（１）と、電気錠制御システム（１）によって制御される電気錠（３）と、を備える。

第９の態様によれば、上述の電気錠制御システム（１）を用いることによって、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しないで外出する場合に電気錠（３）にて開閉部材（５）が施錠される可能性を低減することができる。

第１０の態様に係る制御方法は、制御ステップと、検知ステップと、通信ステップと、判定ステップと、を備える。制御ステップは、開閉部材（５）を施錠又は解錠する電気錠（３）を制御するステップである。開閉部材（５）は、建物（４）の開口部（４０）を開閉する。検知ステップは、開閉部材（５）の開閉を検知するステップである。通信ステップは、開閉部材（５）の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うための鍵装置（２）との間で無線通信を行うステップである。判定ステップは、建物（４）のユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しているか否かを判定するステップである。制御ステップでは、判定ステップにおいてユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していると判定し、かつ検知ステップの検知結果から開閉部材（５）が閉じている場合に、電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させる。

第１０の態様によれば、専用の電気錠制御システム（１）を用いなくても、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しないで外出する場合に電気錠（３）にて開閉部材（５）が施錠される可能性を低減することができる。

第１１の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、制御ステップと、検知ステップと、通信ステップと、判定ステップと、を実行させる。制御ステップは、開閉部材（５）を施錠又は解錠する電気錠（３）を制御するステップである。開閉部材（５）は、建物（４）の開口部（４０）を開閉する。検知ステップは、開閉部材（５）の開閉を検知するステップである。通信ステップは、開閉部材（５）の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも解錠操作を行うための鍵装置（２）との間で無線通信を行うステップである。判定ステップは、建物（４）のユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しているか否かを判定するステップである。制御ステップでは、判定ステップにおいてユーザ（６）が鍵装置（２）を所持していると判定し、かつ検知ステップの検知結果から開閉部材（５）が閉じている場合に、電気錠（３）に開閉部材（５）を施錠させる。

第１１の態様によれば、専用の電気錠制御システム（１）を用いなくても、ユーザ（６）が鍵装置（２）を所持しないで外出する場合に電気錠（３）にて開閉部材（５）が施錠される可能性を低減することができる。

第２〜第８の態様に係る構成については、電気錠制御システム（１）の必須の構成ではなく、適宜省略可能である。

１ 電気錠制御システム
１１ 錠側制御部
１１３ 判定部
１２ 検知部
１３ 錠側通信部
１４ 通知部
１５ 錠側操作部
２ 鍵装置
２６ センサ
３ 電気錠
４ 建物
４０ 開口部
４１ 宅内（建物の内側）
４２ 宅外（建物の外側）
５ 開閉部材
６ ユーザ
１０ 電気錠システム
Ｓｉｇ１ 無線信号

Claims (11)

1. 建物の開口部を開閉する開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御する錠側制御部と、
   前記開閉部材の開閉を検知する検知部と、
   前記開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも前記解錠操作を行うための鍵装置との間で無線通信を行う錠側通信部と、
   前記建物のユーザが前記鍵装置を所持しているか否かを判定する判定処理を行う判定部と、を備え、
   前記錠側制御部は、前記判定部が前記判定処理において前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定し、かつ前記検知部の検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させるように構成されている
   電気錠制御システム。
2. 前記開閉部材が施錠されたか否かを前記ユーザに通知する通知部を更に備える
   請求項１に記載の電気錠制御システム。
3. 前記判定部は、前記判定処理において、前記無線通信における無線信号の受信信号強度に基づいて前記鍵装置が前記建物の外側にあるか否かを判定し、前記鍵装置が前記建物の外側にあると判定した場合に前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定するように構成されている
   請求項１又は２に記載の電気錠制御システム。
4. 前記建物の内側に設けられ、前記ユーザの操作を受け付ける錠側操作部を更に備え、
   前記判定部は、前記判定処理において、前記錠側操作部が前記ユーザの操作を受け付けた後の前記無線信号の前記受信信号強度の変化によって前記鍵装置が前記建物の外側にあるか否かを判定し、前記鍵装置が前記建物の外側にあると判定した場合に前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定するように構成されている
   請求項３に記載の電気錠制御システム。
5. 前記建物の内側に設けられ、前記ユーザの操作を受け付ける錠側操作部を更に備え、
   前記鍵装置は、前記鍵装置が動いているか否かを検出するセンサを有し、前記センサの検出結果を含む無線信号を送信するように構成されており、
   前記判定部は、前記判定処理において、前記錠側操作部が前記ユーザの操作を受け付けた後に前記センサの検出結果から前記鍵装置が動いているか否かを判定し、前記鍵装置が動いていると判定した場合に前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定するように構成されている
   請求項１又は２に記載の電気錠制御システム。
6. 前記建物の内側に設けられ、前記ユーザの操作を受け付ける錠側操作部を更に備え、
   前記錠側制御部は、前記錠側通信部が前記鍵装置から受信した鍵情報と予め記憶している認証情報との認証を行うように構成されており、
   前記判定部は、前記錠側操作部が前記ユーザの操作を受け付けてから前記開閉部材が閉じるまでの間に前記認証が成功している場合に、前記判定処理を行うように構成されている
   請求項１〜５のいずれか１項に記載の電気錠制御システム。
7. 前記建物の内側に設けられ、前記ユーザの操作を受け付ける錠側操作部を更に備え、
   前記錠側制御部は、前記錠側通信部が前記鍵装置から受信した鍵情報と予め記憶している認証情報との認証を行うように構成されており、
   前記判定部は、前記錠側操作部が前記ユーザの操作を受け付けてから前記錠側制御部が前記電気錠に前記開閉部材を解錠させた後に前記認証が成功しており、前記検知部の検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記判定処理を行うように構成されている
   請求項１〜５のいずれか１項に記載の電気錠制御システム。
8. 前記錠側制御部は、前記ユーザが前記開閉部材を手動で解錠した場合には、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させないように構成されている
   請求項１〜７のいずれか１項に記載の電気錠制御システム。
9. 請求項１〜８のいずれか１項に記載の電気錠制御システムと、前記電気錠制御システムによって制御される前記電気錠と、を備える
   電気錠システム。
10. 建物の開口部を開閉する開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御する制御ステップと、
    前記開閉部材の開閉を検知する検知ステップと、
    前記開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも前記解錠操作を行うための鍵装置との間で無線通信を行う通信ステップと、
    前記建物のユーザが前記鍵装置を所持しているか否かを判定する判定ステップと、を備え、
    前記制御ステップでは、前記判定ステップにおいて前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定し、かつ前記検知ステップの検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させる
    制御方法。
11. コンピュータシステムに、
    建物の開口部を開閉する開閉部材を施錠又は解錠する電気錠を制御する制御ステップと、
    前記開閉部材の開閉を検知する検知ステップと、
    前記開閉部材の施錠操作及び解錠操作のうち少なくとも前記解錠操作を行うための鍵装置との間で無線通信を行う通信ステップと、
    前記建物のユーザが前記鍵装置を所持しているか否かを判定する判定ステップと、を実行させるためのプログラムであって、
    前記制御ステップでは、前記判定ステップにおいて前記ユーザが前記鍵装置を所持していると判定し、かつ前記検知ステップの検知結果から前記開閉部材が閉じている場合に、前記電気錠に前記開閉部材を施錠させるプログラム。

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