JP2019031604A - 蛍光色素 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コスト化が可能で、固体状態でもより高い蛍光強度を有する蛍光色素の提供。【解決手段】4,7−ビス(4−メトキシフェニル)−6−(N−メチル−N−スクシンイミド−1−イルオキシカルボニルブチルオキシ)アミノカルボニル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジン、4,7−ビス(4−メトキシフェニル)−6−(2−スクシンイミド−1−イルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジン等のアゾール誘導体から成る蛍光色素。【選択図】なし

Description

本発明は、核酸、タンパク質、ペプチド類、そして糖類等の生体分子の検出に用いる蛍光色素に関する。
ニューバイオケミストリー分野では、現在特定遺伝子解析、遺伝子治療、テーラーメイド医療を目的とした研究が盛んに行われている。この分野では有機蛍光試薬を用いる研究が殆どであり蛍光色素が存在しなければ、DNA解析や抗体を含むタンパク質を用いた解析技術は完成しなかったと言われている。これらの分野で主に使用されている既存の蛍光試薬として、シアニン骨格を有するCy色素やローダミン骨格を有するAlexa Fluorなどの有機蛍光色素が多く用いられている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、上記の既存の蛍光色素は、固体状態でも発光する利点を有するが、非常に高価であるため、生体分子の検出方法が高コストにならざるを得ないという問題がある。これに対し、本出願人は、アゾール誘導体からなる有機EL色素を蛍光色素として用いることを提案しており、これによれば、検出方法の低コスト化が可能で、固体状態でも高い蛍光強度を得ることが可能である(特許文献1)。
国際公開第2005/062046号
Science 283,1,January,1999,83-87
しかしながら、より一層の検出感度向上のために、より高い蛍光強度を有する蛍光色素が必要とされている。
そこで、本発明は、低コスト化が可能で、固体状態でもより高い蛍光強度を有する蛍光色素を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、N−置換アミド結合を有するアゾール誘導体が高い蛍光強度を有することを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の一態様に係る蛍光色素は、以下の一般式(1)、(2)または(3)で表されるアゾール誘導体からなることを特徴とする。
Figure 2019031604
式(1)および式(3)ではRは、そして式(2)ではRとRの一方は、以下の一般式(I)、(II)または(III)で表され、式(I)および式(II)中、Lは炭素数1〜6のアルキル基、Lは−(CH−、−(AO)−、またはB−C−Bであり、ここで、AOは炭素数1〜6のアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜15の整数、mは1〜20の整数、Cは窒素カチオン含有基、BおよびBはそれぞれ独立に直接結合または−(CH−で表される連結基であり、pは0〜15の整数、Yは水素原子またはカルボン酸基であり、式(III)中、Zは、置換基を有してもよい、窒素含有5〜7員環式化合物であり、
式(2)のRとRの残部、式(1)から式(3)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基または複素環基を示し、
Xは置換基を有していてもよい窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはボロン原子を示し、
R’は芳香環を含んでもよいアルキル基からなる脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、
Anは、ハロゲン化物イオン、CHSO 、CFSO 、BF またはPF を示す。
Figure 2019031604
Figure 2019031604

Figure 2019031604

また、本発明に別の態様に係る蛍光色素は、以下の一般式(4)、(5)、(6)、(7)または(8)で表されるイミダゾール誘導体からなることを特徴とする。
Figure 2019031604
式(4)および式(6)ではRは、そして式(5)ではRとRの一方は、
以下の一般式(I)、(II)または(III)で表され、式(I)および式(II)中、Lは炭素数1〜6のアルキル基、Lは−(CH−、−(AO)−、またはB−C−Bであり、であり、ここで、AOは炭素数1〜6のアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜15の整数、mは1〜20の整数、Cは窒素カチオン含有基、BおよびBはそれぞれ独立に直接結合または−(CH−で表される連結基であり、pは0〜15の整数、Yは水素原子またはカルボン酸基であり、式(III)中、Zは、置換基を有してもよい、窒素含有5〜7員環式化合物であり、
式(5)のRとRの残部、式(4)から式(6)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基または複素環基を示し、
Xは置換基を有していてもよい窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはボロン原子を示し、
R’、R“は芳香環を含んでもよいアルキル基からなる脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、
Anは、ハロゲン化物イオン、CHSO 、CFSO 、BF またはPF を示す。
Figure 2019031604
Figure 2019031604

Figure 2019031604

本発明の蛍光色素は、固体状態でも高い量子収率を有しており、マイクロアレイなどの基盤上もしくはビーズ上の乾燥状態でも高い蛍光強度を与える。また、Cy色素等の従来の蛍光色素に比べ安価に製造可能であるので、より低コストで生体分子の検出を行うことが可能となる。
合成例2の化合物の粉末の発光状態を示す写真である。 合成例3の化合物の粉末の発光状態を示す写真である。 合成例5の化合物の粉末の発光状態を示す写真である。 合成例6の化合物の粉末の発光状態を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
実施の形態1.
本実施の形態に係る蛍光色素は、アゾール誘導体からなる蛍光色素であり、以下の一般式(1)、(2)または(3)で示すことができる。
Figure 2019031604
式(1)および式(3)ではRは、そして式(2)ではRとRの一方は、以下の一般式(I)、(II)または(III)で表される。一般式(I)、(II)および(III)は一端にN置換アミド基を有し、そのN置換アミド基がアゾール誘導体のピリジン骨格に直接結合する(以下、一般式(I)、(II)または(III)をN置換アミド基含有構造ということもある)。
式(I)および式(II)中、Lは炭素数1〜6のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基、より好ましくはメチル基である。
また、Lは−(CH−、−(AO)−、またはB−C−Bである。AOは炭素数1〜6のアルキレンオキサイド基を示し、例えばメチレンオキサイド基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、テトラメチレンオキサイド基を挙げることができる。好ましくは、エチレンオキサイド基またはプロピレンオキサイド基である。また、nは1〜15の整数、好ましくは1〜6の整数である。また、mは1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数である。また、Cは窒素カチオン含有基、BおよびBはそれぞれ独立に直接結合または−(CH−で表される連結基であり、pは0〜15の整数、好ましくは1〜6の整数である。窒素カチオン含有基は、置換基を有してもよいピリジニウム基、2級アミニウム基、3級アミニウム基、4級アンモニウム基、ピリミジニウム基、ピペリジニウム基、ピペラジニウム基、イミダゾリウム基、チアゾリウム基、オキサゾリウム基、キノリウム基、ベンゾイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基またはベンゾオキサゾリウム基である。好ましくは、置換基を有してもよいピリジニウム基、より好ましくは無置換のピリジニウム基である。窒素カチオン含有基の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を挙げることができる。該置換基としてのアルキル基は、置換または無置換の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。また、該置換基としてのアルケニル基は、無置換の炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基である。また、該置換基としてのアルキニル基は、無置換の炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基である。また、該置換基としてのアルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基である。また、該置換基としてのアルキルエステル基は、炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキルエステルである。また、該置換基としての芳香族炭化水素基は単環又は多環を含むアリール基である。また、該置換基としての複素環基は、例えばチエニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基またはキノリル基である。B−C−Bの一例として、窒素カチオン含有基としてピリジニウム基を用いた場合の例を以下に示す。
Figure 2019031604
ここで、Anはハロゲン化物イオンを示す。この例では、ピリジン環の1,4位に連結基を有するが、4位ではN置換アミド基に直接結合している。
Figure 2019031604

この例では、ピリジン環の1,4位に連結基を有している。
また、Yは水素原子またはカルボン酸基であり、好ましくはカルボン酸基である。
また、式(III)中、Zは、置換基を有してもよい窒素含有5〜7員環式化合物である。窒素含有5〜7員環式化合物としては、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、ヘキサメチレンイミンおよびアザトロピリデンを挙げることができる。好ましくは、ピロリジンまたはピペリジンである。また、Zの置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボン酸基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、およびアルキルエステル基の少なくとも1種を挙げることができる。アルキル基は、例えば炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基である。また、アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基である。また、上記のアルキルエステル基は、炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキルエステルである。
Figure 2019031604
Figure 2019031604

Figure 2019031604

また、式(2)のRとRの残部、式(1)から式(3)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基または複素環基を示す。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を挙げることができる。アルキル基は、例えば炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基、好ましくはメチル基またはエチル基である。また、アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基であり、好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。また、アルキルエステル基は、炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキルエステルであり、例えば、酢酸メチル基、酢酸エチル基、酢酸プロピル基、酢酸ブチル基または酢酸イソブチル基であり、好ましくは酢酸メチルまたは酢酸エチルである。また、芳香族炭化水素基は単環または多環を含むアリール基、具体的にはフェニル基、トリル基、キシリル基またはナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。また、複素環基は、例えばピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピリジン基またはキノリン基であり、より好ましくはフラン基、イミダゾール基またはチオフェン基である。また、脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基である。好ましくは、式(2)のRとRの残部、式(1)から式(3)のRおよびRは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、より好ましくは、置換基を有していてもよいフェニル基、さらに好ましくは置換基としてアルコキシ基を有するフェニル基である。
また、Xは置換基を有していてもよい窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはボロン原子を示す。置換基としては、炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基、好ましくはメチル基である。
また、R’は芳香環を含んでもよいアルキル基からなる脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基である。ここで、その脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基には、上記と同様のものを用いることができる。
また、Anは、ハロゲン化物イオン、CHSO 、CFSO 、BF またはPF を示す。
上記の一般式(1)〜(3)で示される蛍光色素は、アゾール誘導体にアミド結合を導入する方法を用いて製造することができる。例えば、アゾール誘導体の活性エステル体にアミン化合物を反応させることで製造することができる。
また、上記の一般式(1)〜(3)で示される蛍光色素は、生体分子に結合する反応性基を含んでいてもよい。反応性基は共有結合またはイオン結合により生体分子と結合する。この場合、上記の一般式(I)、(II)または(III)で表されるN置換アミド基含有構造は、アゾール誘導体の主骨格と反応性基とを連結するリンカーとして機能する。
共有結合として、例えばアミド結合、イミド結合、ウレタン結合、エステル結合、またはグアニジン結合を形成する場合、反応性基には、生体分子のアミノ基、イミノ基、チオール基、カルボキシル基またはヒドロキシル基と反応可能な官能基が好ましい。その官能基には、例えば、イソチオシアネート基、イソシアネート基、無水マレイン酸基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル化したカルボニル基等を用いることができる。好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル化したカルボニル基から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。より好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、および活性エステル化したカルボニル基から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。さらに好ましくはトリアジン基、カルボジイミド基または活性エステル化したカルボニル基である。これら反応性基と反応する窒素カチオン含有基の官能基としては、例えばカルボキシル基を用いることができる。例えば、活性エステル化したカルボニル基には、N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルやマレイミドエステルを用いることができる。N−ヒドロキシ−スクシンイミドを用い、縮合剤としてDCCを用いることによりN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル体を経由してアミド結合により蛍光色素と生体分子が結合する。また、カルボジイミド基には、N,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド等のカルボジイミド試薬を用いることができる。カルボジイミド体を経由してアミド結合により蛍光色素と生体分子とを結合させることができる。
また、イオン結合を形成する反応性基には、アニオン性基やカチオン性基を用いることができる。アニオン性基としては、例えばスルホニル基やカルボキシル基を用いることができる。これらのアニオン性基は、生体分子のカチオン性基、例えばアミノ基とイオン結合する。また、カチオン性基としては、4級アンモニウム基やピリジニウム基等の窒素カチオン含有基を用いることができる。これらカチオン性基は、生体分子のアニオン性基、例えばカルボキシル基とイオン結合する。
本実施の形態に係る蛍光色素では、上記の一般式(I)、(II)または(III)で表されるN置換アミド基含有構造は、固体状態でも高い蛍光強度を有しており、またN置換されていないアミド基の場合と比べても、高い蛍光強度を有している。この理由としては、必ずしも限定されるものではないが、N−置換アミドの場合、カルボニル基との立体障害により分子構造の回転がある程度抑制されることや、水素が脱離しないことで運動エネルギーの消費が抑えられて熱や振動としてエネルギーが消費されず、効率よく蛍光に変換されることが考えられる。
実施の形態2
本実施の形態に係る蛍光色素は、以下の一般式(4)、(5)、(6)、(7)または(8)で表されるイミダゾール誘導体からなる蛍光色素である。
Figure 2019031604
式(4)および式(6)ではRは、そして式(5)ではRとRの一方は、以下の一般式(I)、(II)または(III)で表される。一般式(I)、(II)および(III)は一端にN置換アミド基を有し、そのN置換アミド基がアゾール誘導体のピリジン骨格に直接結合する。
式(I)および式(II)中、Lは炭素数1〜6のアルキル基、Lは−(CH−、−(AO)−、またはB−C−Bである。AOは炭素数1〜6のアルキレンオキサイド基を示し、例えばメチレンオキサイド基、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、テトラメチレンオキサイド基を挙げることができる。好ましくは、エチレンオキサイド基またはプロピレンオキサイド基である。また、nは1〜15の整数、好ましくは1〜6の整数である。また、mは1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数である。また、Cは窒素カチオン含有基、BおよびBはそれぞれ独立に直接結合または−(CH−で表される連結基であり、pは0〜15の整数、好ましくは1〜6の整数である。窒素カチオン含有基は、置換基を有してもよいピリジニウム基、2級アミニウム基、3級アミニウム基、4級アンモニウム基、ピペリジニウム基、ピペラジニウム基、ピリミジニウム基、イミダゾリウム基、チアゾリウム基、オキサゾリウム基、キノリウム基、ベンゾイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基またはベンゾオキサゾリウム基である。好ましくは、置換基を有してもよいピリジニウム基、より好ましくは無置換のピリジニウム基である。窒素カチオン含有基の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を挙げることができる。該置換基としてのアルキル基は、置換または無置換の炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。また、該置換基としてのアルケニル基は、無置換の炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基である。また、該置換基としてのアルキニル基は、無置換の炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基である。また、該置換基としてのアルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基である。また、該置換基としてのアルキルエステル基は、炭素数1から6の直鎖状又は分岐状のアルキルエステルである。また、該置換基としての芳香族炭化水素基は単環又は多環を含むアリール基である。また、該置換基としての複素環基は、例えばチエニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基またはキノリル基である。B−C−Bの一例として、ピリジニウム基を用いた場合の例を以下に示す。
Figure 2019031604
ここで、Anはハロゲン化物イオンを示す。この例では、ピリジン環の1,4位に連結基を有するが、4位ではN置換アミド基に直接結合している。
Figure 2019031604

この例では、ピリジン環の1,4位に連結基を有している。
また、Yは水素原子またはカルボン酸基であり、好ましくはカルボン酸基である。
また、式(III)中、Zは、置換基を有してもよい窒素含有5〜7員環式化合物である。窒素含有5〜7員環式化合物としては、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、ヘキサメチレンイミンおよびアザトロピリデンを挙げることができる。好ましくは、ピロリジンまたはピペリジンである。また、Zの置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボン酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、およびアルキルエステル基の少なくとも1種を挙げることができる。アルキル基は、例えば炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基である。また、アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基またはフェノキシ基である。また、上記のアルキルエステル基は、炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキルエステルである。
Figure 2019031604
Figure 2019031604

Figure 2019031604

式(5)のRとRの残部、式(4)から式(6)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基または複素環基を示す。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基、芳香族炭化水素基または複素環基を挙げることができる。それらの置換基には、実施の形態1で説明したものと同様のものを用いることができる。
Xは置換基を有していてもよい窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはボロン原子を示す。置換基としては、炭素数1から6の直鎖状または分岐状のアルキル基、好ましくはメチル基である。
R’、R“は芳香環を含んでもよいアルキル基からなる脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基を示す。ここで、その脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基には、上記と同様のものを用いることができる。
Anは、ハロゲン化物イオン、CHSO 、CFSO 、BF またはPF を示す。
上記の一般式(4)〜(8)で示される蛍光色素は、イミダゾール誘導体にアミド結合を導入する方法を用いて製造することができる。例えば、イミダゾール誘導体の活性エステル体にアミン化合物を反応させることで製造することができる。
また、上記の一般式(4)〜(8)で示される蛍光色素は生体分子に結合する反応性基を含んでもよい。反応性基は共有結合またはイオン結合により生体分子と結合する。反応性基には、実施の形態1で説明したものと同様のものを用いることができる。
本実施の形態に係る蛍光色素によれば、実施の形態1のアゾール誘導体の場合と同様に、N置換アミド基含有構造を導入することで、固体状態でも高い蛍光強度を得ることが可能である。
本発明の蛍光色素は、標識された固体あるいは半固体状態の生体分子の蛍光を測定する検出方法であれば、あらゆる生体分子の検出方法に適用することができる。従来の蛍光色素に代えて用いることにより、高感度で、化学的に安定で操作性に優れ、さらに低コストの検出方法を提供することができる。本発明の蛍光色素は、生体分子試料に蛍光色素を直接反応させて標識しても良く、あるいは生体分子試料と、本発明の蛍光色素で標識されたプローブとを反応させて標識する方法を用いることもできる。さらに、本発明の蛍光色素で標識した生体分子試料を電気泳動によりサイズ分離する方法を用いることもできる。例えば、核酸を検出対象とするDNAマイクロアレイ法や、プライマーやターミネータを用いるPCR法に用いることができる。
また、タンパク質を検出対象とする場合、通常、電気泳動後のタンパク質の検出には染色色素が用いられている。泳動後のゲル中に、染色色素、例えばクーマシーブリリアントブルー(CBB)を浸透させてタンパク質を染色し、UVを照射して発光させる方法が用いられる。しかしながら、従来の染色色素を用いる方法は簡便であるが、感度が100ng程度と低く微量のタンパク質の検出には適さない。また、ゲルを介して染色色素を浸透させるため、染色に長時間を要するという問題もある。これに対し、本発明の蛍光色素を用いると高感度であり、微量タンパク質の検出には好適である。さらに、サイズ分離したタンパク質を質量分析して同定することもできる。
ここで、タンパク質には、アルブミン、グロブリン、グルテリン、ヒストン、プロタミン、そしてコラーゲン等の単純タンパク質、核タンパク質、糖タンパク質、リボタンパク質、リンタンパク質、金属タンパク質等の複合タンパク質のいずれも検出対象とすることができる。例えば、リンタンパク質、糖タンパク質、総タンパク質の染色色素に対応させて3種の蛍光色素を用い、二次元電気泳動で分離したタンパク質試料において、リンタンパク質、糖タンパク質及び総タンパク質を染色することができる。また、TOF−Mass等の質量分析を行うことにより、タンパク質を同定できるので、特殊なタンパク質を生成させる、ガンやウィルスによる感染症などの疾病の診断や治療に応用することが可能である。また、コラーゲンは、動物の結合組織を構成するタンパク質であり、独特の繊維状構造をとる。すなわち、3本のポリペプチド鎖からなり、そのペプチド鎖が寄り集まって三重鎖を形成する。コラーゲンは、一般に極めて免疫原性が低いタンパク質であり、食品、化粧品、医薬品等の分野で広く利用されている。しかし、コラーゲンのペプチド鎖に蛍光色素を導入しても、従来の蛍光色素ではその安定性が十分とは言えず、より安定な蛍光色素が必要とされている。そこで、本発明の蛍光色素を用いてコラーゲンを標識することにより、安定かつ高感度な検出を行うことが可能となる。
また、タンパク質と特異的に結合する抗体を本発明の蛍光色素で標識することにより、タンパク質を標識することもできる。例えば、IgG抗体をペプシンで処理するとF(ab’)2と呼ばれるフラグメントが得られる。このフラグメントをジチオスレイトール等で還元するとFab’と呼ばれるフラグメントが得られる。Fab’フラグメントは1つもしくは2つのチオール基(−SH)を有している。このチオール基に対してマレイミド基を作用させて特異的な反応を行うことができる。すなわち、本発明の蛍光色素に反応性基としてマレイミド基を導入し、フラグメントのチオール基と反応させることにより抗体を標識することができる。この場合、抗体の生理活性(抗原捕捉能)を失うことがない。
なお、本発明の蛍光色素でアプタマーを標識することもできる。アプタマーはオリゴ核酸からなり、塩基配列に依存して種々の特徴ある立体構造をとることができるので、その立体構造を介してタンパク質を含むあらゆる生体分子に結合することができる。この性質を利用し、本発明の蛍光色素で標識したアプタマーを特定のタンパク質に結合させ、被検出物質との結合によるそのタンパク質の構造変化に伴う蛍光変化から間接的に被検出物質を検出することができる。
また、本発明の蛍光色素を用いて金属イオンの検出を行うこともできる。体内のDNAやタンパク質などの安定性や高次構造の維持、機能発現、そして生体内のすべての化学反応を司る酵素の活性化など、生体内で起こるあらゆる生命現象に金属イオンは関与している。そのため、生体内での金属イオンの動きをリアルタイムで観察できる金属イオンセンサは医療分野を初めとしてその重要性が叫ばれている。従来、生体分子に蛍光色素を導入した金属イオンセンサが知られている。例えば、Kイオン存在化において、Kイオン取り込んで特殊な構造をとる配列を有する核酸を利用する金属イオンセンサが提案されている(J. AM. CHEM. SOC. 2002, 124, 14286-14287)。エネルギートランスファーを起こす蛍光色素を核酸の両端に導入する。通常は色素間距離があるためエネルギートランスファーは起きない。しかし、Kイオン存在下では核酸が特殊な形をとる結果、蛍光色素がエネルギートランスファーを起こす距離に近接することで、蛍光を観察することができる。また、ペプチドに蛍光色素を導入した亜鉛イオンセンサも提案されている(J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 3053-3054)。これらの従来の蛍光色素に代えて本発明の蛍光色素を用いることにより、従来に比べ高感度で取り扱いが容易な金属イオンセンサを提供することが可能となる。なお、生体内に存在する金属イオンであれば、すべての金属イオンを検出することが可能である。
また、本発明の蛍光色素を用いて、細胞内のシグナル観察を行うこともできる。内部シグナルや環境情報に対する細胞の応答には、イオンから酵素へと多大な分子が関与している。シグナル伝達過程では特殊なプロテインキナーゼが活性化し、特殊な細胞タンパク質のリン酸化を導くことで様々な細胞応答の初期応答を担っていることが知られている。ヌクレオチドの結合と加水分解はこれらの活性に重大な役割を果たしており、ヌクレオチド誘導体を用いることで、シグナル伝達挙動を素早く観察することが出来る。例えば、プロテインキナーゼC(PKC)は細胞膜におけるシグナル伝達において重要な役割を果たしている。このCa2+依存セリン/スレオニンプロテインキナーゼはジアシルグリセロールやフォスファティジルセリンの様な膜構成脂質上で活性化され、イオンチャネルや細胞骨格タンパク質に存在するセリンやスレオニンをリン酸化することで膜表面電化を変えシグナル伝達を行っている。これらを生細胞において動的に観察することで細胞のシグナル伝達の観察を行うことができる。
ここで、ヌクレオチド誘導体は酵素の基質や阻害剤として供給され、孤立性タンパク質の構造と力学の探査、膜結合タンパク酵素の再構成、ミトコンドリアのようなオルガネラ、除膜筋線維のような組織のヌクレオチド結合タンパク質部分に、結合してその調節を行っている。また、最近ではG−タンパク質の阻害剤や活性体のようなシグナル伝達に影響を与える化合物の存在も解ってきている。このヌクレオチド誘導体に本発明の有機EL色素からなる蛍光色素を導入することで、これらの細胞内シグナル伝達の動的観察を高感度で、かつ取り扱い容易に行うことが可能となる。
また、本発明の蛍光色素を、組織または細胞試料中の標的核酸や標的タンパク質の発現レベルの検討に用いる組織または細胞の染色色素としても用いることができる。すなわち、本発明の染色色素を真核細胞の染色に用いると、乾燥状態でも蛍光を発することから標識後の保存などの点で従来の色素よりも優れた性能を示す。また、真核細胞のみならず、細胞骨格用色素としても十分に用いることが可能である。この他、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体、ソリゾーム、脂質二重膜などの標識に用いることが可能である。これら、標識された細胞等は、湿潤及び乾燥のあらゆる条件下で観測が可能であるため、汎用性が大きい。観測に際しては、蛍光顕微鏡などを用いることができる。
また、臨床段階で人体より採取された組織は、ミクロトームなどの機器を用いて薄膜にスライスした後、染色されている。ここでは、Cy色素及びAlexa色素が用いられている。しかしながら、既存の色素は安定性が非常に悪く、再診断の際には、再びサンプルを作製する必要がある。また、作製されたサンプルは標本として保存することが不可能である。しかし、上記の従来の色素に比べ本発明の蛍光色素は、非常に安定な色素であるので、染色した組織を標本として保存することが可能である。
また、ガンや感染症等の診断には、抗体の特異的認識能を利用したイムノアッセイが用いられている。イムノアッセイは、標識抗体を用いて目的の抗原を検出する方法であり、標識物質に酵素を用いる酵素イムノアッセイ(ELISA法)や標識物質に蛍光色素を用いる蛍光イムノアッセイ(FIA法)等が用いられている。ELISA法は、最終的な検出は標識物質である酵素の反応によって生じるさまざまなシグナル(発色、発光、化学発光等)を検出及び定量することにより行う。一方、FIA法は、標識物質である蛍光色素に励起光を照射し、それによる蛍光を検出及び定量することにより行う。FIA法は蛍光色素を用いるため鮮明なコントラストを有し定量性に優れ、またELISA法に比べ、より短時間での検出が可能でかつ操作も簡便であるという特徴を有している。本発明の蛍光色素を用いることにより、より高感度の検出を行うことが可能となる。
また、本発明の蛍光色素を化粧用組成物に用いることもできる。蛍光色素を含む化粧用組成物は、夜間や室内における演出用の化粧としてだけでなく、蛍光色素の明色化効果を利用して、ファンデーションや毛髪の染色剤等に用いられている。ここで、明色化効果とは、蛍光色素が紫外光を吸収して可視光を放出して、皮膚や毛髪に明るさや鮮やかさを与える効果をいう。日本の室内照明には、昼光色や白色の蛍光灯が使われているが、これらの蛍光灯からの光は、青や緑が主であり赤が少ない。そのため、女性の化粧肌は青白くくすんで見えるという問題がある。これに対し、本発明の蛍光色素を用いることにより、例えば、橙色の光を放出する蛍光色素を用い、鮮やかな赤味の色を発色させてくすみの解消を図ることが可能である。また、毛髪の染色に用いると、蛍光色素は可視領域の放出光線により毛髪の色を変えるだけでなく、毛髪の輝きを増加させることも可能である。
また、本発明の蛍光色素をマーキング剤に用いることもできる。本発明の蛍光色素を含むマーキング剤は、通常の可視光下では不可視であるが、紫外線等の励起光を照射することにより蛍光色素を発光させて視認することができる。この性質を利用し、犯罪防止や犯罪捜査を目的として、物品や人体等の識別や物質の検出等に使用することができる。マーキング剤の対象物には、偽造や盗難等の犯罪の防止や犯罪捜査の対象となる物品や人体が含まれる。例えば、紙幣、小切手、株券、各種証明書等の重要文書や、自動車、オートバイ、自転車、美術品、家具、ブランド品、衣服等の物品、人体の皮膚、頭髪、爪等の身体表面部分、潜在指紋等の遺留物質等を挙げることができる。さらに、対象物を構成する材料に関しては、上質紙、OCR紙、ノーカーボン紙、アート紙等の紙や、塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックや、金属や、ガラスや、セラミックスや、羊毛、木綿、絹、麻等の天然繊維や、再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維や、人体皮膚や体液中のタンパク質等を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例により限定されるものではない。
合成例1
N−アルキルアミド体の活性エステル体の合成について説明する。
(1)4,7−ジ(メトキシフェニル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジンの活性エステル体の合成
(1−1)N−オキシド体の合成
N−オキシド体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
500mlの三口フラスコに、4−メトキシアセトフェノン1を40.0g(266mmol,ratio:1.09と酢酸100mlを入れ、30℃に設定したオイルバス中で撹拌した。これに、亜硝酸ナトリウム1.4g(20.2mmol,ratio:0.076)、を添加後、硝酸75ml(1640mmol,ratio:6.2)と酢酸75mlの混合溶液をゆっくりと滴下して反応を開始した。3日間反応させた後、TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、大量の水に反応溶液を入れ室温で撹拌した。これを吸引濾過、回収し酢酸の酢酸臭が無くなるまで水で洗浄して結晶を乾燥させた。結晶をエタノールで洗浄後、吸引濾過、真空乾燥させて目的物であるN−オキシド体2を得た。収量は31g、収率は66%であった。
(1−2)ジケトン体の合成
ジケトン体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
300mlの三口フラスコに、N−オキシド体2を5.0g(14.1mmol,ratio:1.0)とアセトニトリル 150mlを入れ、30℃に設定したオイルバス中で撹拌した。これに、酢酸2.5ml(43.6mmol,ratio:3.1)と無水酢酸7.0ml(7.47mmol,ratio:5.3)を添加した後、亜鉛14g(211mmol,ratio:15)を少量ずつ添加した。添加後、40℃で6時間反応させた。TLC(クロロホルム:ヘキサン=7:3)で反応が進行したのを確認後、反応溶液をセライト濾過した。ろ液を分液ロートに入れ水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を重曹水、希塩酸水、で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥させ吸引濾過、減圧留去を行った。残渣をエタノールで洗浄して吸引濾過後、結晶を真空乾燥して、目的物であるジケトン体3を得た。収量は2.5g、収率は52%であった。
(1−3)エチルエステル体の合成
エチルエステル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlの三口フラスコに、ジケトン体3を5.0g(14.7mmol,ratio:1.0)、グリシンエチルエステル塩酸塩を14.4g(103mmol,ratio:7.0)、およびピリジン48mlを入れ、105℃に設定したオイルバス中で19時間反応させた。TLC(クロロホルム:ヘキサン=7:3)で反応が進行したのを確認後、反応溶液を分液ロートに入れ希塩酸水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を希塩酸水、蒸留水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ吸引濾過、減圧留去を行った。残渣をクロロホルム:ヘキサン=7:3で溶解させ、シリカゲルカラムクロマト精製(kanto 60N,クロロホルム:ヘキサン=7:3)した後、減圧留去、真空乾燥させた。これをエタノールで再結晶した後、結晶を吸引濾過、真空乾燥させ目的物であるエチルエステル体4を得た。収量は3.04g、収率は51%であった。
(1−4)カルボン酸体の合成
カルボン酸体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
20mlのナス型フラスコに、エチルエステル体4を0.1g(0.247mmol,ratio:1.0)、水2mlに溶解させた、水酸化ナトリウム0.015g(0.37mmol,ratio:1.5)とエタノール7mlを入れ、80℃に設定したオイルバス中で1時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、反応溶液を水に入れpHが1になる様に塩酸を加えて室温で撹拌した。これをクロロホルムで抽出し、有機層を水で数回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて吸引濾過、減圧留去を行った。残渣を、エタノール:水=1:1で再結晶して吸引濾過後、結晶を真空乾燥させ目的物であるカルボン酸体5を得た。収量は0.082g、収率は88%であった。
(1−5)活性エステル体の合成
活性エステル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
50mlのナス型フラスコに、カルボン酸体5を0.07g(0.185mmol,ratio:1.0)と、N−ヒドロキシスクシンイミドを0.026g(0.222mol,ratio:1.2)と、1,4−ジオキサン 20mlを入れ室温で撹拌した。これに、1,4−ジオキサン 10mlに溶解させたDCC 0.046g(0.222mmol,ratio:1.2)を反応溶液に滴下した後、室温で2時間反応させた。TLC(クロロホルム:酢酸エチル=9:1)で反応が進行したのを確認後、吸引濾過、減圧留去の順に処理を行った。残渣をクロロホルム:酢酸エチル=9:1で溶解させ、シリカゲルカラムクロマト精製(Wako Gel C300、クロロホルム:酢酸エチル=9:1)した後、減圧留去、真空乾燥させて目的物である活性エステル体6を得た。収量は0.046g、収率は52%であった。
(2)4,7−ジ(メトキシフェニル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジンの活性エステル体からのN−メチル体の合成
(2−1)N−メチル体のカルボン酸体の合成
カルボン酸体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlのナス型フラスコに活性エステル体6を0.3g(0.632mmol,ratio:1.0)を入れDMF30ml中、室温で撹拌した。これに、サルコシン0.07g(0.758mmol,ratio:1.2)、を反応溶液に添加して反応を開始した。添加後、室温で13時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水150mlに反応溶液を入れ室温で撹拌した。これにpHが1以上になるように塩酸を加えて撹拌した。これを吸引濾過後、真空乾燥させ目的物であるカルボン酸体7を得た。収量は0.15g、収率は53%であった。
(2−2)活性エステル体の合成
活性エステル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlのナス型フラスコにカルボン酸体7を0.3g(0.669mmol,ratio:1.0)とN−ヒドロキシスクシンイミド0.12g(1.0mmol,ratio:1.5)を入れ1,4−ジオキサン30ml中、室温で撹拌した。これに、クロロホルム20mlに溶解させたDCC 0.2g(1.0mmol,ratio:1.5)を15分かけて滴下した。滴下後、室温で3時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、食塩を一サジ添加した水に反応溶液を入れ、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水で二回洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥させ吸引濾過、減圧留去を行った。残渣を、シリカゲルカラムクロマト精製(Kanto60N,クロロホルム:アセトニトリル=9:1)した後、アセトニトリルで再結晶を行った。吸引濾過後、結晶を真空乾燥して目的物である活性エステル体8を得た。収量は0.1g、収率は24%であった。
合成例2
N−アルキルアミドエーテル体の活性エステル体の合成について説明する。
(1)ヒドロキシ体の合成
ヒドロキシ体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
200mlのナス型フラスコに活性エステル体6を2.0g(4.21mmol,ratio:1.0)とN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.7g(8.42mmol,ratio:2)を入れ、1,4−ジオキサン50ml中、50℃に設定したオイルバス中で撹拌した。これに、1,4−ジオキサン10mlに溶解させたトリエチルアミン 0.85g(8.42mmol,ratio:2)、を反応溶液に滴下して反応を開始した。添加後、50℃で13時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、反応溶液を吸引濾過後、減圧留去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマト精製(Kanto60N,クロロホルム:アセトニトリル=9:1)した後、これを真空乾燥させ目的物であるヒドロキシ体9を得た。収量は0.6g、収率は35%であった。
(2)ペンタン酸メチル体の合成
ペンタン酸メチル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
200mlのナス型フラスコに、ヒドロキシ体9を0.6g(1.47mmol,ratio:1.0)入れ、DMF30ml中、室温で撹拌した。これに、トリエチルアミン0.22g(2.20mmol,ratio:1.5)を反応溶液に添加した後、5−ブロモペンタン酸メチル0.34g(1.76mmol,ratio:1.2)を加えて反応を開始した。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水に反応溶液を入れクロロホルムで抽出し、有機層を水で2回洗浄した。これに硫酸マグネシウムを加えて吸引濾過後、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(Kanto60N,クロロホルム100%)した後、減圧留去、真空乾燥して目的物であるペンタン酸メチル体10を得た。収量は0.2g、収率は26%であった。
(3)カルボン酸体の合成
カルボン酸体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlのナス型フラスコに、ペンタン酸メチル体10を0.2g(0.395mmol,ratio:1.0)入れ、エタノール40ml中、80℃に設定したオイルバス中で撹拌した。これに、水20mlに溶解させた水酸化カリウム0.044g(0.79mmol,ratio:2.0)、を添加して反応を開始した。添加後、80℃で3時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水150mlに反応溶液を入れ、pHが1以上になるように塩酸を加えて室温で撹拌した。これを吸引濾過後、真空乾燥して目的物であるカルボン酸体11を得た。収量は0.15g、収率は77%であった。
(4)活性エステル体の合成
活性エステル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlのナス型フラスコに、カルボン酸体11を0.15g(0.249mmol,ratio:1.0)とNHS 0.61g(0.374mmol,ratio:1.5)を入れ、1,4−ジオキサン30ml中、50℃に設定したオイルバス中で撹拌した。これに、1,4−ジオキサン10mlに溶解させたDCC 0.077g(0.374mmol,ratio:1.5)を反応溶液に添加して反応を開始した。添加後、50℃で15時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水に反応溶液を入れクロロホルムで抽出した。有機層を水で2回洗浄した。これに硫酸マグネシウムを加えて吸引濾過後、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(Kanto60N,クロロホルム100%)した後、減圧留去し、真空乾燥して目的物である活性エステル体12を得た。収量は0.1g、収率は56%であった。
合成例3
ヒドロキシプロリン体の活性エステル体の合成について説明する。
(1)ヒドロキシプロリンカルボン酸体の合成
ヒドロキシプロリンカルボン酸体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlのナス型フラスコに、活性エステル体6を0.5g(1.05mmol,ratio:1.0)とL−ヒドロキシプロリン0.28g(2.1mmol,ratio:2.0)を入れ、1,4−ジオキサン25ml中、室温で撹拌した。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水150mlに反応溶液を入れ室温で撹拌した。これを吸引濾過後、真空乾燥して目的物であるヒドロキシプロリンカルボン酸体13を得た。収量は0.2g、収率は39%であった。
(2)活性エステル体の合成
ヒドロキシプロリン体の活性エステル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mlのナス型フラスコに、ヒドロキシプロリンカルボン酸体13を0.2g(0.408mmol,ratio:1.0)とNHSを0.07g(0.612mmol,ratio:1.5)を入れ、1,4−ジオキサン25ml中、室温で撹拌した。これに、1,4−ジオキサン10mlに溶解させたDCC 0.13g(0.612mmol,ratio:1.5)を反応溶液に滴下して反応を開始した。添加後、室温で3時間反応させた。TLC(クロロホルム:メタノール=9:1)で反応が進行したのを確認後、反応溶液に水、食塩(スプーン1さじ)を入れクロロホルムで抽出した。有機層を水で2回洗浄した。これに硫酸マグネシウムを加えて吸引濾過後、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト精製(Kanto60N,クロロホルム:メタノール=9:1)した後、減圧留去、真空乾燥させ目的物である活性エステル体14を得た。収量は0.02g、収率は9%であった。
合成例4
ピリジニウム体の活性エステル体の合成について説明する。
(1)ピリジニウム体の合成
ピリジニウム体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mLのナス型フラスコに化合物5を1.0g(2.65mmol,ratio:1.0)、4−メチルアミノピリジン 0.43g(3.97mmol,ratio:1.5)を入れDMF20mL中、室温で撹拌した。これに、DMT−MM 1.1g(3.97mmol,ratio:1.5)、を反応溶液に添加して反応を開始した。添加後、室温で1日間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水200mLに反応溶液を入れクロロホルムで抽出した。有機層を希塩酸水3回、飽和重曹水2回、水2回で洗浄した。これを硫酸マグネシウムで乾燥させ吸引濾過、減圧留去を行った。残渣を、シリカゲルカラムクロマト精製(ワコーゲルC300、クロロホルム:酢酸エチル=9:1)した後、減圧留去、真空乾燥させ目的物である化合物15を得た。収量は0.4g、収率は32%であった。
(2)活性エステル体の合成
ピリジニウム体の活性エステル体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
30mLのナス型フラスコに化合物15を0.4g(0.855mmol,ratio:1.0)、5−ブロモペンタン酸スクシンイミジルエステル 0.71g(2.56mmol,ratio:3.0)を入れトルエン20mL中、アルゴン置換後、100℃で2日間反応させた。反応終了後、吸引濾過後、結晶を真空乾燥させ目的物である化合物16を得た。収量は0.25g、収率は39%であった。
合成例5(比較例)
比較例として、以下の構造式で表される4,7−ジ(メトキシフェニル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジンのピリジニウム体を用いた。
Figure 2019031604
4−メトキシアセトフェノンを出発原料として用いて、酢酸中、硝酸と亜硝酸ナトリウムの存在下、30℃で2日間反応を行い、N−オキシド体2を収率78%で得た。次に、アセトニトリル中、塩化第一銅次亜リン酸ナトリウムの存在下、80℃で14時間の還元反応を行いジケトン体3を収率62%で得た。さらに、エタノール中、4−ピコリルアミンの存在下、80℃で2日間の反応を行い、ピリジニウム体を収率70%で得た。トルエン中、100℃で3日間、5−ブロモペンタン酸スクシンイミジンエステルと反応させ、ピリジニウム体の活性エステル体17を収率78%で得た。
合成例6(比較例)
比較例として、4,7−ジ(メトキシフェニル)−1,2,5−オキサジアゾロピリジンのアミド体を用いた。
(1)カルボン酸体の合成
カルボン酸体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mLのナス型フラスコに化合物6を0.44g(0.99mmol,ratio:1.0)を入れTHF 40mL中、60℃に設定したオイルバスで撹拌した。これに、水10mLに溶解させたグリシン0.18g(2.47mmol,ratio:2.5)、炭酸水素ナトリウム0.25g(2.99mmol,ratio:3.0)を反応溶液に添加して反応を開始した。添加後、60℃で5時間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、水150mLに反応溶液を入れ室温で撹拌した。これにpHが1以上になるように塩酸を加えて撹拌した。これを吸引濾過後、真空乾燥させ目的物である化合物7を得た。収量は0.39g、収率は98%であった。
(2)アミド体の合成
アミド体の合成スキームを以下に示す。
Figure 2019031604
100mLのナス型フラスコに化合物7を0.39g(0.969mmol,ratio:1.0)、N−ヒドロキシスクシンイミド0.17g(1.45mmol,ratio:1.5)を入れ、THF35mL中、室温で撹拌した。これに、クロロホルム15mLに溶解させたWSC・HCl 0.28g(1.45mmol,ratio:1.5)を15分かけて滴下した。滴下後、室温で1日間反応させた。TLC(クロロホルム100%)で反応が進行したのを確認後、食塩を一サジ添加した水に反応溶液を入れ、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水で2回洗浄し吸引濾過、減圧留去を行った。結晶を真空乾燥させ目的物であるアミド体化合物18を得た。収量は0.32g、収率は62%であった。
(吸収スペクトルおよび蛍光スペクトル測定)
合成した蛍光色素について、溶媒にDMSOを用いて、蛍光波長の測定および吸収波長の測定を行った。その結果を表1に示す。また、合成例2〜6の化合物の粉末の発光状態を示す写真を図1〜4に示す。
Figure 2019031604
(結果)
合成例2,3,4の化合物は、アゾール誘導体のピリジン骨格に直接結合するN置換アミド基が有している。合成例5の化合物は、アゾール誘導体のピリジン骨格にピリジニウム体が直接結合した化合物である。また、合成例6の化合物は、アゾール誘導体のピリジン骨格に直接結合するアミド基を有している。合成例2,3,4は、合成例5に比べて量子効率も高く、蛍光強度も増加すること、および、化合物6は、合成例2,3,4に比べて、量子効率も小さく、蛍光強度も小さいことを確認した。これより、N置換アミド基を用いることで、より一層の検出感度の向上が期待できる。

Claims (6)

  1. 以下の一般式(1)、(2)または(3)で表されるアゾール誘導体から成る蛍光色素。
    Figure 2019031604

    (式(1)および式(3)ではRは、そして式(2)ではRとRの一方は、以下の一般式(I)、(II)または(III)で表され、式(I)および式(II)中、Lは炭素数1〜6のアルキル基、Lは−(CH−、−(AO)−、またはB−C−Bであり、ここで、AOは炭素数1〜6のアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜15の整数、mは1〜20の整数、Cは窒素カチオン含有基、BおよびBはそれぞれ独立に直接結合または−(CH−で表される連結基であり、pは0〜15の整数、Yは水素原子またはカルボン酸基であり、式(III)中、Zは、置換基を有してもよい、窒素含有5〜7員環式化合物であり、
    式(2)のRとRの残部、式(1)から式(3)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基または複素環基を示し、
    Xは置換基を有していてもよい窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはボロン原子を示し、
    R’は芳香環を含んでもよいアルキル基からなる脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、
    Anは、ハロゲン化物イオン、CHSO 、CFSO 、BF またはPF を示す。)
    Figure 2019031604



    Figure 2019031604



    Figure 2019031604


  2. 前記のRおよびRが、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である請求項1記載の蛍光色素。
  3. 前記窒素カチオン含有基が、置換基を有してもよいピリジニウム基、2級アミニウム基、3級アミニウム基、4級アンモニウム基、ピペリジニウム基、ピペラジニウム基、ピリミジニウム基、イミダゾリウム基、チアゾリウム基、オキサゾリウム基、キノリウム基、ベンゾイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基またはベンゾオキサゾリウム基である、請求項1または2に記載の蛍光色素。
  4. 以下の一般式(4)、(5)、(6)、(7)または(8)で表されるイミダゾール誘導体からなる蛍光色素。
    Figure 2019031604


    (式(4)および式(6)ではRは、そして式(5)ではRとRの一方は、
    以下の一般式(I)、(II)または(III)で表され、式(I)および式(II)中、Lは炭素数1〜6のアルキル基、Lは−(CH−、−(AO)−、またはB−C−Bであり、であり、ここで、AOは炭素数1〜6のアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜15の整数、mは1〜20の整数、Cは窒素カチオン含有基、BおよびBはそれぞれ独立に直接結合または−(CH−で表される連結基であり、pは0〜15の整数、Yは水素原子またはカルボン酸基であり、式(III)中、Zは、置換基を有してもよい、窒素含有5〜7員環式化合物であり、
    式(5)のRとRの残部、式(4)から式(6)のRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基または複素環基を示し、
    Xは置換基を有していてもよい窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子またはボロン原子を示し、
    R’、R“は芳香環を含んでもよいアルキル基からなる脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、
    Anは、ハロゲン化物イオン、CHSO 、CFSO 、BF またはPF を示す。)
    Figure 2019031604



    Figure 2019031604



    Figure 2019031604

  5. 上記のRおよびRが、それぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である請求項4記載の蛍光色素。
  6. 前記窒素カチオン含有基が、置換基を有してもよいピリジニウム基、2級アミニウム基、3級アミニウム基、4級アンモニウム基、ピペリジニウム基、ピペラジニウム基、ピリミジニウム基、イミダゾリウム基、チアゾリウム基、オキサゾリウム基、キノリウム基、ベンゾイミダゾリウム基、ベンゾチアゾリウム基またはベンゾオキサゾリウム基である、請求項4または5に記載の蛍光色素。
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