JP2019031489A - エソメプラゾールマグネシウム水和物を含有する錠剤 - Google Patents

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達矢 三明
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俊哉 谷口
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Abstract

【課題】製剤中の有効成分の安定性を向上させること。【解決手段】本発明は、製剤の成分として特定の物質を採用することによって、製剤中の有効成分の安定性を向上させる。本発明の1つの実施形態は、特定の崩壊剤としてデンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたはクロスポビドンを含む、製剤(例えば、錠剤)である。本発明の製剤の有効成分としては、プロトンポンプ阻害剤(例えば、エソメプラゾール)、もしくはその塩、またはその水和物が挙げられる。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬製剤の分野に関する。
プロトンポンプ阻害剤(Proton pump inhibitor、PPI)は、胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する。PPIは、消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍等)、Zollinger−Ellison症候群、逆流性食道炎、ヘリコバクター・ピロリの除菌補助などに用いられる。胃酸分泌抑制作用を持つ薬剤としては、他にヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)が挙げられるが、プロトンポンプ阻害薬はH2ブロッカーよりも強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、分泌抑制作用は用量に依存し、その抑制作用はH2ブロッカーよりも長時間持続する。プロトンポンプ阻害薬は主にプロドラッグであり、壁細胞内でスルフィンアミド型に変換されプロトンポンプ(H,K−ATPase)のシステイン残基とジスルフィド結合することで、プロトンポンプを不可逆的に阻害し胃酸の分泌を抑制する。
本発明は、製剤の成分として特定の物質を採用することによって、製剤中の有効成分(例えば、プロトンポンプ阻害剤)の安定性を向上させる。とりわけ、本発明者らは、製剤中の崩壊剤の適切な選択により、有効成分の化学的な安定性が向上することを見いだした。本発明の1つの実施形態は、特定の崩壊剤としてデンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたはクロスポビドンを含む、製剤(例えば、錠剤)である。
プロトンポンプ阻害剤としては、エソメプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、もしくはそれらの塩、またはそれらの水和物が挙げられる。好ましくは、本発明のプロトンポンプ阻害剤は、エソメプラゾール、その塩または水和物であり、より好ましくはエスメプラゾールマグネシウム水和物であり得る。
製剤中の崩壊剤の量は、例えば、製剤の全重量に対して約1.0〜約20.0重量%であり得る。本発明においては、特定の崩壊剤の採用によりコーティングを用いることなく有効成分の安定性を向上させることができるため、本発明の1つの実施形態では、製剤は素錠として提供される。
製剤は、錠剤として提供することができる。錠剤は、例えば、有効成分を含有する顆粒を、他の薬学的に許容可能な添加剤と混合して打錠することによって製造することができる。この場合、錠剤は、有効成分を含む顆粒を含む。製剤中の崩壊剤は、有効成分を含む顆粒の内部に含有されてもよいし、有効成分を含む顆粒の外部に含有されてもよい。1つの好ましい実施形態では、製剤中の崩壊剤は、有効成分を含む顆粒の外部のみに含有される。顆粒外に崩壊剤を含有することは、有効成分の安定性をさらに向上させ得る。
本発明の錠剤は、単剤であってよい。すなわち、本発明の錠剤は、単一の有効成分のみを含有し得る。好ましい有効成分として、エソメプラゾールマグネシウム水和物が挙げられる。本明細書の実施例において、エソメプラゾールマグネシウム水和物の安定性の向上が実証されている。
例えば、本発明の実施形態において、以下の項目が提供される。
(項目1)
エソメプラゾールもしくはその塩、またはそれらの水和物と、
崩壊剤と
を含む錠剤であって、該崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたはクロスポビドンである、錠剤。
(項目2)
前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである、前記項目に記載の錠剤。
(項目3)
前記崩壊剤が、前記錠剤の全重量に対して約1.0〜約20.0重量%含まれる、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
(項目4)
前記崩壊剤が、前記錠剤の全重量に対して約1.0〜約10.0重量%含まれる、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
(項目5)
素錠である、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
(項目6)
前記錠剤が、前記エソメプラゾールもしくはその塩、またはそれらの水和物を含む顆粒を含み、そして、該錠剤が、前記崩壊剤を該顆粒の外部に含む、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
(項目7)
前記エソメプラゾールもしくはその塩、またはそれらの水和物のみを活性成分として含有する、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
(項目8)
エソメプラゾールマグネシウム水和物を含む、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
(項目9)
胃腸疾患の処置または予防のための、前記項目のいずれかに記載の錠剤。
適した崩壊剤の選択により、エソメプラゾールマグネシウム水和物の化学的な安定性を向上させることができる。
以下、本発明を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。
(1.定義)
本明細書において「または」は、文章中に列挙されている事項の「少なくとも1つ以上」を採用できるときに使用される。「もしくは」も同様である。本明細書において「2つの値」の「範囲内」と明記した場合、その範囲には2つの値自体も含む。
本明細書において、「約」とは、示される値の±10%の変動までが許容されることを指す。
本明細書において、「薬学的に許容可能な」は、動物、そしてより詳細にはヒトにおける使用のため、政府の監督官庁に認可されたか、あるいは薬局方または他の一般的に認められる薬局方に列挙されていることを意味する。
(2.プロトンポンプ阻害剤)
本発明の1つの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤(PPI)を有効成分として含む製剤が提供される。例示的なプロトンポンプ阻害剤としては、エソメプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、もしくはそれらの塩、またはそれらの水和物が挙げられる。
エソメプラゾールは、ラセミ混合物であるオメプラゾールのS体である。オメプラゾールのS体はR体と比べ、CYP2C19への親和性が低く、肝臓での初回通過効果を受けにくいため、エソメプラゾールはオメプラゾールよりも総代謝固有クリアランスが低くなり、血漿からの消失時間が遅い。その結果、同量を投与した場合もAUCが高くなり、臨床効果に優れるとされている。さらに、エソメプラゾールの代謝におけるCYP2C19の寄与率は、オメプラゾールよりも低いため、遺伝子多型などに起因する物動態や薬力学的作用の個体変動が少ないと考えられている。
本発明の製剤の有効成分は、本明細書に記載されるプロトンポンプ阻害剤の薬学的に許容される塩であってもよい。プロトンポンプ阻害剤の塩としては、マグネシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩等のアルカリ塩が挙げられる。好ましい塩としては、マグネシウム塩が挙げられる。本発明の製剤の有効成分は、本明細書に記載されるプロトンポンプ阻害剤またはその塩の水和物であってもよい。好ましくは、マグネシウム塩の水和物である。
本発明の錠剤は、単剤であってよく、1つの実施形態において、本発明の製剤は、単一の有効成分のみを含有し得る。単一の有効成分は、例えば、エソメプラゾールマグネシウム水和物であり得る。
(3.崩壊剤)
本発明の1つの実施形態では、崩壊剤を含む製剤が提供される。崩壊剤は、服薬後に製剤を崩壊させ、有効成分の放出を容易にするために加えられる添加物である。例えば、崩壊剤は、体内の水分を吸って膨張することによって錠剤を崩壊させ得る。例えば、賦形剤として用いられるデンプンは、水分を吸って膨張するので崩壊剤としての機能も有する。崩壊剤の選択は一般的には有効成分の安定性に顕著な影響を与えずともなされることが多いが、本発明者らは、崩壊剤の適切な選択が有効成分(特に、エソメプラゾールマグネシウム水和物)の安定性の向上に寄与することを予想外に見出した。
崩壊剤としては、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。崩壊剤は、好ましくは、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたはクロスポビドンである。かかる崩壊剤を使用することによって有効成分の安定性が向上することが本明細書の実施例において実証されている。
特に好ましい崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。ヒドロキシプロピルセルロースは、ヒドロキシプロポキシ基をグルコース環に導入したセルロース誘導体である。一般のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、3以上のモル置換度(moles of substitution、MS)を有し、水溶性かつアルコール可溶性であるが、低置換度(例えば、0.2〜0.4のモル置換度)ヒドロキシプロピルセルロースは、水に不溶で膨潤する性質を有する。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、乾燥させて定量した場合、ヒドロキシプロポキシ基(−OCOH:75.09)5.0〜16.0%を含む。
製剤中の崩壊剤の量は、例えば、製剤の全重量に対して約1.0〜約20.0重量%、約1.0〜約10.0重量%、約3.0〜約10.0重量%、または約4.0〜約6.0重量%であり得る。好ましくは、製剤中の崩壊剤の量は、製剤の全重量に対して約1.0〜約10.0重量%であり得る。製剤中の崩壊剤の量は、例えば、製剤の全重量に対して約1.0重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、約10.0重量%、約11.0重量%、約12.0重量%、約13.0重量%、約14.0重量%、約15.0重量%、約16.0重量%、約17.0重量%、約18.0重量%、約19.0重量%、約20.0重量%であり、特に好ましくは、約5.0重量%である。
(4.添加剤)
本発明の製剤は、有効成分および崩壊剤に加えて、当技術分野で公知の任意の薬学的に許容可能な添加剤を必要に応じて含んでよい。代表的な添加剤としては、賦形剤、結合剤、滑沢剤、等張化剤、安定剤、保存剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
賦形剤は、主薬(有効成分)のかさを増し、服用、調剤などをしやすくするための添加剤である。賦形剤としては、例えば、マンニトール、乳糖、結晶セルロース、デンプン、デキストリン、白糖、沈降シリカなどが挙げられるが、これらに限定されない。製剤中の賦形剤の量は、例えば、製剤の全重量に対して約35.0〜約90.0重量%である。
結合剤は、錠剤等の製造の際に粉末を結合させるための添加剤である。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、カルメロースナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。製剤中の結合剤の量は、例えば、製剤の全重量に対して約0.5〜約8.0重量%である。
滑沢剤は、粉体の流動性を向上させ、粉体の装置への付着を防ぐこと等により錠剤の製造をスムーズにするための添加剤である。錠剤の原料となる粉末や顆粒に少量(例えば、
1%以下)加えると、粉体表面に付着し粉体間の付着力が弱まるため、粉体の流動性が高
くなる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、水素添加植物油などが挙げられるが、これらに限定されない。製剤中の滑沢剤の量は、例えば、製剤の全重量に対して約0.5〜約5.0重量%である。
安定剤は、主薬の化学的、物理的分解を抑制するために加えられる添加剤であり、例えば、亜硫酸水素ナトリウムなどが挙げられるが、これに限定されない。これらのほか、例えば、界面活性剤、着色料、着香料、保存料、緩衝剤、流動性促進剤、矯味剤等が製剤に含まれてもよい。
(5.製剤化)
本発明の製剤は、当業者に公知の技術を用いて適切に製造することができる。例えば、本発明の錠剤は、湿式造粒法又は乾式造粒法により製造した顆粒を圧縮して製造すること(湿式顆粒圧縮法又は乾式顆粒圧縮法)ができるが、好ましくは湿式造粒法により製造した顆粒を圧縮して製造することである。
湿式造粒法の場合、主薬を賦形剤、および必要に応じて崩壊剤とともに混合しながら、これに結合剤を含む溶液を加えていき、また乾燥させながら、主薬を含む顆粒を形成する(造粒)。造粒には、旋回式(ローター式)、混練式、攪拌式、転動式、流動層式、圧縮式(ロールプレス式)、2軸押出し式、湿式押出し式などの造粒装置を用いることができる。造粒の際に結合剤を加えることにより、有効成分を含む顆粒内に結合剤を含有する製剤を製造することができる。
造粒によって製造された顆粒は、必要に応じて整粒される。整粒は、整粒機を用いて、目的の粒径に湿式または乾式解砕することによって行うことができる。
整粒工程を経た整粒品を、滑沢剤および必要に応じて崩壊剤とともに混合し、打錠することによって素錠として形成することができる。造粒の際に崩壊剤を混合せず、打錠前に崩壊剤を混合することによって、有効成分を含む顆粒外のみに崩壊剤を含有する製剤を製造することができる。打錠は、打錠機(例えば、単発式の竪型成形機、連続式のロータリー式成形機など)を用いて行うことが可能である。
打錠後、必要に応じて、コーティング、包装等を行うことができる。本発明においては、特定の崩壊剤の採用によりコーティングを用いることなく有効成分の安定性を向上させることができるため、本発明の1つの実施形態では、製剤は素錠として提供される。
(6.使用)
本発明のプロトンポンプ阻害剤を含む製剤は、胃腸疾患の処置または予防に使用することができる。より詳細には、本発明の製剤は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger−Ellison症候群、逆流性食道炎、または非びらん性胃食道逆流症の処置、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍の再発抑制、あるいは胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、もしくはヘリコバクター・ピロリ感染胃炎におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助などに用いることができる。
本発明の1つの局面では、本発明の製剤を投与することを含む、胃腸疾患の処置または予防の方法が提供される。例えば、本発明の方法は、本発明の製剤を投与することを含む、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger−Ellison症候群、逆流性食道炎、または非びらん性胃食道逆流症の処置、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍の再発抑制、あるいは胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、もしくはヘリコバクター・ピロリ感染胃炎におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の方法であり得る。
本発明の製剤における有効成分の量、または投与される製剤の量は、障害または状態の性質によって変動しうるが、当業者は本明細書の記載に基づき標準的臨床技術によって決定可能である。さらに、場合によって、in vitroアッセイを使用して、最適投薬量範囲を同定するのを補助することも可能である。配合物に使用しようとする正確な用量はまた、投与経路、および疾患または障害の重大性によっても変動しうるため、担当医の判断および各患者の状況に従って、決定すべきである。しかし、投与量は特に限定されないが、例えば、1回あたり0.001、1、5、10、15、100、または1000mg/kg体重であってもよく、それらいずれか2つの値の範囲内であってもよい。投与間隔は特に限定されないが、例えば、1、7、14、21、または28日あたりに1または2回投与してもよく、それらいずれか2つの値の範囲あたりに1または2回投与してもよい。投与量、投与間隔、投与方法は、患者の年齢や体重、症状、対象臓器等により、適宜選択してもよい。また治療薬は、治療有効量、または所望の作用を発揮する有効量の有効成分を含むことが好ましい。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から得られる用量−反応曲線から推定可能である。
本発明の製剤は、当業者によって決定される任意の適切な経路によって投与することができ、限定されるものではないが、経口、静脈注射、点滴、非経口、経皮などから選択される投与経路による投与に適するように製剤化され得る。
製剤中の有効成分の量は、例えば、製剤の全重量に対して約10〜約30重量%、約12〜約24重量%、または約16〜約20重量%であり得る。製剤中の有効成分の量は、例えば、特に好ましくは、約18重量%である。単位剤形中の有効成分の量は、単位剤形中の有効成分の量は、例えば、約10〜30mg、約15〜25mg、または約18〜22mg等であり得、例えば、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、または約30mg等であり得る。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下に示されるように製造した固形製剤について、有効成分の安定性を調べた。
[実施例1]
D−マンニトール665.6gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入して混和させ、ヒプロメロース52.0gを精製水988.0gに溶解した液に、エソメプラゾールマグネシウム水和物178.4gを懸濁させた液を噴霧・乾燥することで流動層造粒を行った。それによって得られた顆粒を乾燥し、整粒機(パウレック社製:コーミル)にて乾式解砕した。
それによって得られた整粒品336.0gに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.0g、及びステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
[実施例2]
実施例1で得られた整粒品336.0gにデンプングリコール酸ナトリウム18.0g、及びステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
[実施例3]
実施例1で得られた整粒品336.0gにクロスポビドン18.0g、及びステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
[比較例1]
実施例1で得られた整粒品336.0gにカルメロースカルシウム18.0g、及びステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
[比較例2]
実施例1で得られた整粒品336.0gにカルメロース18.0g、及びステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
[比較例3]
実施例1で得られた整粒品336.0gにクロスカルメロースナトリウム18.0g、及びステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
[実施例4]
D−マンニトール665.6g、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース48.0gを流動層造粒機(パウレック社製:MP−01型)に投入して混和させ、ヒプロメロース52.0gを精製水988.0gに溶解した液に、エソメプラゾールマグネシウム水和物178.4gを懸濁させた液を噴霧・乾燥することで流動層造粒を行った。
それによって得られた顆粒を乾燥し、整粒機(パウレック社製:コーミル)にて乾式解砕した。それによって得られた整粒品354.0gにステアリン酸マグネシウム6.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製:VELA5型)を用いて700kgfの打圧で打錠して1錠重量120.0mgの素錠(円形錠、直径7.0mm、厚さ3.3mm)を得た。
実施例1〜3および比較例1〜3の製剤の組成は以下に示される。
Figure 2019031489
実施例4の製剤の組成は以下に示される。
Figure 2019031489
<安定性試験>
上記製造した製剤中の有効成分の安定性を評価した。各製剤を60℃、75%相対湿度の環境下に7日間おき、有効成分(エソメプラゾールマグネシウム水和物)の類縁物質の量を評価した。
類縁物質の量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(定量方法は面積百分率法:エソメプラゾール及び其の類縁物質の総ピーク面積に対する当該類縁物質のピーク面積の比率による。)によって行った。
実施例1〜3および比較例1〜3の製剤における結果は以下に示される。
Figure 2019031489
崩壊剤としてデンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたはクロスポビドンを用いた場合、その他の崩壊剤を用いた場合と比較して、7日後のエソメプラゾールマグネシウム水和物の類縁物質の量の増加(分解したエソメプラゾールマグネシウム水和物の量に対応すると考えられる)が顕著に減少していることから、崩壊剤としてこれらの物質を用いることによって有効成分の安定性を向上させることができることが理解される。とりわけ、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いた場合には、有効成分の安定性が最も大きく向上している。
顆粒外のみに崩壊剤を含有する実施例1の製剤と、顆粒内に崩壊剤を含有する実施例4の製剤との結果を比較したものを以下に示す。
Figure 2019031489
いずれも有効成分の安定性が向上しているが、顆粒外のみに崩壊剤を含有する製剤の方が、より安定性が向上していることが理解される。
本発明は、有効成分を安定に含有する医薬製剤の提供に利用可能である。
(注記)
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。

Claims (9)

  1. エソメプラゾールもしくはその塩、またはそれらの水和物と、
    崩壊剤と
    を含む錠剤であって、該崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたはクロスポビドンである、錠剤。
  2. 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである、請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記崩壊剤が、前記錠剤の全重量に対して約1.0〜約20.0重量%含まれる、請求項1または2に記載の錠剤。
  4. 前記崩壊剤が、前記錠剤の全重量に対して約1.0〜約10.0重量%含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
  5. 素錠である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の錠剤。
  6. 前記錠剤が、前記エソメプラゾールもしくはその塩、またはそれらの水和物を含む顆粒を含み、そして、該錠剤が、前記崩壊剤を該顆粒の外部に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
  7. 前記エソメプラゾールもしくはその塩、またはそれらの水和物のみを活性成分として含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の錠剤。
  8. エソメプラゾールマグネシウム水和物を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の錠剤。
  9. 胃腸疾患の処置または予防のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の錠剤。
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