JP2019031183A - 懸架装置、並びに、それを備えた鞍乗型車両、雪上車、及び不整地走行車 - Google Patents

懸架装置、並びに、それを備えた鞍乗型車両、雪上車、及び不整地走行車 Download PDF

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健 衣笠
高志 今村
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健祐 鎌田
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Ryuta Koshiishi
隆太 輿石
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Abstract

【課題】旋回時の走行性能を向上する懸架装置を提案する。【解決手段】上アーム投影線L5を投影面P1への上アーム直線L3の投影によって得られる直線とし、下アーム投影線L6を投影面P1への下アーム直線L4の投影によって得られる直線とする。上アーム投影線L5と下アーム投影線L6の交点Px1は、スキー4の下端を通る水平面P2よりも上方且つスキー4よりも車体の左右方向における外方に規定される領域A1に位置する。【選択図】図6

Description

本発明は懸架装置、並びに、それを備えた鞍乗型車両、雪上車、及び不整地走行車に関する。
特許文献1乃至3に例示されるように、雪上車の懸架装置は、スキーが連結されているナックルと、車体フレームから右方向又は左方向に延びてナックルに連結される上アーム及び下アームと、緩衝器とを有している。不整地走行車の懸架装置も、車輪が連結されているナックル、上アーム、下アーム、及び緩衝器を有している。
特開2010−132185号公報 特開2010−132186号公報 特開2010−132187号公報
車両が旋回するとき、車体に遠心力が作用するので、外側の車体支持部材に荷重が偏る(ここで、「車体支持部材」は、スキーやタイヤなど、路面に接し懸架装置を介して車体を支持する部材である)。例えば、雪上車が右旋回するときには、車体の右側部分にこれを浮かせようとする力が作用し、左スキーに荷重が偏る。
本開示の目的は、旋回時に走行性能を向上できる懸架装置、鞍乗型車両、雪上車、不整地走行車を提案することにある。
(1)本開示で提案する鞍乗型車両の懸架装置は、車体フレームの右方向に配置される右懸架機構と、前記車体フレームの左方向に配置される左懸架機構とを有する。前記右懸架機構と前記左懸架機構のそれぞれは、雪面又は路面に接する下端を有する車体支持部材が連結されるナックルと、前記車体フレームに連結されている上基部と、前記ナックルに連結されている上連結部とを有し、前記上基部を通る第1の直線を中心として上下に揺動可能な上アームと、前記車体フレームに連結されている下基部と、前記ナックルに連結されている下連結部とを有し、前記下基部を通る第2の直線を中心として上下に揺動可能であり、前記上アームの下方に配置されている下アームと、を有する。前記第1の直線に直交し、前記上連結部と前記第1の直線とを結ぶ直線を第3の直線とし、前記第2の直線に直交し、前記下連結部と前記第2の直線とを結ぶ直線を第4の直線とし、車体の前後方向に対して直交する仮想平面への前記第3の直線の投影によって得られる直線を第5の直線とし、前記仮想平面への前記第4の直線の投影によって得られる直線を第6の直線とする。このとき、前記第5の直線と前記第6の直線との交点である第1交点は、前記車体支持部材の前記下端を通る水平面よりも上方且つ前記車体支持部材よりも車体の左右方向における外方に規定される第1の領域、又は、前記車体支持部材の前記下端を通る前記水平面よりも下方且つ前記車体の左右方向の中心を挟んで前記車体支持部材とは反対側の領域である第2の領域に位置する。この懸架装置によれば、鞍乗型車両の旋回時における走行性能を向上できる。
(2)(1)の懸架装置において、前記上アームの前記上連結部は前記下アームの前記下連結部を通る鉛直線からずれていてもよい。
(3)(1)又は(2)の懸架装置において、前記第3の直線と前記第4の直線は同一平面には位置していなくてもよい。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の懸架装置において、前記第1交点と前記車体支持部材の前記下端を前記仮想平面に投影した位置とを結ぶ直線と、車体の左右方向の中心を通る鉛直面との交点である第2交点は、前記車体支持部材の前記下端を通る前記水平面よりも下方に位置してもよい。
(5)(4)の懸架装置において、前記第2交点と前記車体支持部材の前記下端を含む前記水平面との距離は、20ミリメートル以下であってもよい。これによれば、より効果的に旋回時の走行性能を向上できる。
(6)(1)乃至(5)のいずれかに記載の懸架装置において、前記下アームの前記下基部は、前記上アームの前記上基部よりも車体の左右方向での中心寄りに位置してもよい。
(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載の懸架装置において、前記上アームについて規定される前記第5直線は、車体の正面視において、前記上基部から前記左右方向の外方且つ下方に斜めに延びてもよい。これによれば、ナックルの高さを小さくできる。
(8)(7)に記載の懸架装置において、前記下アームについて規定される前記第6直線が水平面に対して有する角度は、前記上アームについて規定される前記第5直線が前記水平面に対して有する角度よりも小さくてもよい。
(9)(7)に記載の懸架装置において、前記下アームについて規定される前記第6直線は、車体の正面視において、前記下基部から前記左右方向の外方且つ上方に斜めに延び、前記上アームについて規定される前記第5直線が水平面に対して有する角度は、前記下アームについて規定される前記第6直線が前記水平面に対して有する角度よりも大きくてもよい。
(10)本開示で提案する鞍乗型車両は、前記車体フレームと、前記車体支持部材と、(1)乃至(9)のいずれかに記載の懸架装置とを含む。この鞍乗型車両によれば、旋回時の走行性能を向上できる。
(11)(10)に記載の鞍乗型車両において、前記車体フレームは前記上アームの前記上基部と前記下アームの前記下基部とが連結される前部を含み、前記車体フレームの前記前部の下端と、前記車体支持部材の前記下端が位置する水平面との距離は120ミリメートル以上であってもよい。
(12)本開示で提案する雪上車は、前記車体フレームと、前記車体支持部材と、(1)乃至(9)のいずれかに記載の懸架装置を有する。
(13)本開示で提案する不整地走行車は、前記車体フレームと、前記車体支持部材と、(1)乃至(9)のいずれかに記載の懸架装置を有する。
本開示で提案する懸架装置の一例を有している雪上車を示す側面図である。 懸架装置の例を示す斜視図である。 懸架装置の例を示す正面図である。 懸架装置の例を示す平面図である。 懸架装置を説明するための図である。この図では懸架装置について規定される仮想直線が示されている。 車体の前後方向に対して垂直な仮想平面に規定される仮想直線を示す図である。 雪上車の旋回時における懸架装置の動きを説明するための図である。 懸架装置に変形例を示す概略の正面図である。 本開示で提案する懸架装置の一例を有している不整地走行車を示す斜視図である。
以下において、本開示で提案する懸架装置及び鞍乗型車両を説明する。鞍乗型車両は、例えば、雪上車や、不整地走行車(All Terrain Vehicle)などである。鞍乗型車両は2つの前輪を有する3輪車でもよい。
図1は、本開示で提案する懸架装置の一例である懸架装置30を有している雪上車1の側面図である。図2は懸架装置30を示す斜視図である。図3は懸架装置30を示す正面図である。図4は懸架装置30の平面図である。以下の説明では、これらの図においてY1及びY2で示す方向をそれぞれ前方及び後方と称する。Z1及びZ2で示す方向をそれぞれ上方及び下方と称する。X1及びX2で示す方向をそれぞれ右方及び左方と称する。
図1に示すように、雪上車1は、その後部に、トラックベルト16を有している。また、雪上車1はトラックベルト16を駆動する駆動系を有している。雪上車1の例では、駆動系はエンジン11、変速機12、セカンダリ軸13及びトラックベルト駆動軸14を有している。
図1に示すように、エンジン11は、その下部に、クランク軸11aを有している。エンジン11は、その内部に、シリンダ(不図示)有している。雪上車1の例では、エンジン11はシリンダの軸線が後方に傾斜するように配置されている。雪上車1の例では、エンジン11は、後述する懸架装置30より後方に位置している。雪上車1はエンジン11の燃料を蓄える燃料タンク9を有している。燃料タンク9は、例えば、エンジン11の上方に配置される。エンジン11や燃料タンク9の配置は、雪上車1の例に限られない。例えば、エンジン11の前部は、懸架装置30を構成する右懸架機構31R(図2参照)と左懸架機構31L(図2参照)の間に位置してもよい。さらに他の例として、雪上車1は、その駆動源として、エンジン11に代えて或いはエンジン11とともに、電動モータを有してもよい。
図1に示すように、変速機12は、例えば無段変速機である。雪上車1の例では、変速機12は、駆動プーリ12aと、従動プーリ12bと、2つのプーリ12a、12bに掛けられるベルト12cとを有している。クランク軸11aのトルクは駆動プーリ12aに入力され、ベルト12cを介して従動プーリ12bに伝えられる。変速機12の構造は、雪上車1の例に限られない。例えば、変速機12は複数の変速用ギアを有するギア式でもよい。
図1に示すように、セカンダリ軸13は従動プーリ12bに連結されており、従動プーリ12bと一体的に回転可能となっている。トラックベルト駆動軸14はベルトやチェーンなどを介してセカンダリ軸13と連結されており、セカンダリ軸13からトルクを受けて回転する。トラックベルト駆動軸14には、トラックベルト16の内側に配置され、トラックベルト16に引っ掛かっているスプロケット14bが設けられている。トラックベルト16の内側には、トラックベルト16をガイドするガイド輪15a、15b、15cと、トラックベルト16をガイドするスライドレール17とが配置されている。スライドレール17によってトラックベルト16は雪面に押しつけられる。
雪上車1は運転者が跨がって座ることのできるシート8を有している。図1に示すように、シート8はトラックベルト16の上方に配置されている。燃料タンク9はシート8の前方に位置している。雪上車1はシート8の前方に、スキー4R、4Lを操舵するためのステアリングハンドル21を有している。また、雪上車1は、ステアリングハンドル21から下方且つ前方に斜めに伸びているステアリングコラム22を有している。ステアリングハンドル21はステアリングコラム22と、タイロッド(不図示)とを通して、後述するナックル32に連結されている。
[懸架装置の概要]
雪上車1は車体の前部に懸架装置30を有している。図2に示すように、懸架装置30は、車体フレーム3の前部3Cの右方に配置される右懸架機構31Rと車体フレーム3の左方に配置される左懸架機構31Lとを有している(以下では、車体フレーム3の前部3Cを「フレーム前部」と称する)。また、フレーム前部3Cの右方には、雪面に接し右懸架機構31Rを通して車体を支持する車体支持部材が配置されている。また、フレーム前部3Cの左方には、雪面に接し左懸架機構31Lを通して車体を支持する車体支持部材が配置されている。雪上車1は、車体支持部材として、右スキー4Rと左スキー4Lとを有している。右懸架機構31Rと左懸架機構31Lは、左右方向(X1−X2方向)の中心C2(図3参照)に対して対称の構造を有している。以下の説明において、右懸架機構31Rと左懸架機構31Lの双方に共通する説明においては、懸架機構について符号31を用いる。また、右スキー4Rと左スキー4Lの双方に共通する説明においては、スキーについて符号4を用いる。
図2に示すように、各懸架機構31はナックル32を有している。スキー4はナックル32の下端に連結されている。ナックル32の下端は車幅方向(X1−X2方向)に延びている軸を介してスキー4に連結されている。ナックル32とスキー4は、タイロッドの動きに応じて、右又は左に一体的に回転する。
図2に示すように、各懸架機構31は、ナックル32とフレーム前部3Cとを連結する上アーム33と、上アーム33の下方に位置し且つナックル32とフレーム前部3Cとを連結する下アーム34とを有している。
図2に示すように、上アーム33の基部33a、33bはフレーム前部3Cに連結されている。上アーム33は基部33a、33bから左右方向における外方に延伸している。すなわち、右懸架機構31Rの上アーム33は、基部33a、33bから右方に延伸し、左懸架機構31Lの上アーム33は、基部33a、33bから左方に延伸している。上アーム33は前ロッド33fと、前ロッド33fよりも後方に位置している後ロッド33rとを有している。前ロッド33fの基部33aと後ロッド33rの基部33bは前後方向に離れている。アーム33は、基部33a、33bを中心として上下動可能となっている。詳細には、基部33a、33bは筒状であり、その内側に配置される軸を介してフレーム前部3Cに連結されている。軸はフレーム前部3Cの側面に固定されたアーム連結部3a(図4参照)によって支持されている。上アーム33(ロッド33f、33r)は、基部33a、33bに設けられたその軸を中心として上下動可能となっている。下アーム34も、上アーム33と同様に、基部34a、34bを中心として上下動可能となっている。このことによって、スキー4はナックル32とともに、車体フレーム3に対して相対的に上下動可能となっている。
図2に示すように、上アーム33は、その端部に、ナックル32の上端に連結されている連結部33cを有している。懸架装置30の例では、ロッド33f、33rの端部のそれぞれが連結部33cに接続されている。連結部33cは、具体的にはボールジョイントである。したがって、上アーム33に対するナックル32の角度は、上アーム33の上下動に応じて変化し得る。
図2に示すように、下アーム34の基部34a、34bはフレーム前部3Cに連結されている。下アーム34は基部34a、34bから左右方向における外方に延伸している。すなわち、右懸架機構31Rの下アーム34は、基部33a、33bから右方に延伸し、左懸架機構31Lの下アーム34は、基部34a、34bから左方に延伸している。下アーム34は前ロッド34fと、前ロッド34fよりも後方に位置している後ロッド34rとを有している。前ロッド34fの基部34aと後ロッド34rの基部34bは前後方向に離れている。アーム34は、基部34a、34bを中心として上下動可能となっている。詳細には、基部34a、34bは筒状であり、その内側に配置される軸を介してフレーム前部3Cに連結されている。軸はフレーム前部3Cの側面に固定されたアーム連結部3bによって支持されている。下アーム34(ロッド34f、34r)は、基部34a、34bに設けられたその軸を中心として上下動可能となっている。
図2に示すように、下アーム34は、その端部に、ナックル32に連結されている連結部34cを有している。懸架装置30の例では、ロッド34f、34rの端部のそれぞれが連結部34cに接続されている。ナックル32は前側の柱部32aと後側の柱部32bとを有している。また、ナックル32は、柱部32a、32bの中途部を連結する梁部32cを有している。下アーム34の連結部34cはこの梁部32cに連結している。柱部32a、32bの上端は互いに接続し、それらの下端も互いに接続している。連結部34cは、具体的にはボールジョイントである。したがって、下アーム34に対するナックル32の角度は、下アーム34の上下動に応じて変化し得る。
アーム33、34の形状・構造は、懸架装置30の例に限られない。例えば、上アーム33のロッド33f、33rは、図2に示されるように直線的に延伸してもよいし、湾曲していてもよい。同様に、下アーム34のロッド34f、34rも、図2に示されるように直線的に延伸してもよいし、湾曲していてもよい。他の例として、上アーム33のロッド33f、33rのうち一方のロッドの端部に連結部33cが固定され、他方のロッドは一方のロッドの途中に接続してもよい。同様に、下アーム34のロッド34f、34rのうち一方のロッドの端部に連結部34cが固定され、他方のロッドは一方のロッドの途中に接続してもよい。また、ナックル32の形状・構造も、懸架装置30の例に限られない。例えば、ナックル32は、2本の柱部32a、32bを有していなくてもよい。すなわち、ナックル32は1本の柱部だけで構成されてもよい。
雪上車1の例では、図3に示すように、下アーム34の基部34a、34bは、車体の正面視において、上アーム33の基部33a、33bよりも左右方向での中心C2寄りに位置している。このため、右側の上アーム33の基部33a、33bと、左側の上アーム33の基部33a、33bとの距離は、右側の下アーム34の基部34a、34bと、左側の下アーム34の基部34a、34bとの距離よりも大きい。車体の正面視において、左右方向における上アーム33の先端(連結部33c)の位置は、左右方向における下アーム34の先端(連結部33c)の位置と概ね等しい。そのため、下アーム34は上アーム33よりも長い。
図2に示すように、懸架機構31は緩衝器35を有している。緩衝器35の上端35aはフレーム前部3Cに設けられている緩衝器連結部3c(図3参照)に連結されている。緩衝器35の上端35aは、上アーム33の基部33a、33bよりも高い位置で、フレーム前部3Cに連結されている。緩衝器35は上端35aから下方且つ車幅方向の外方に延びるように斜めに配置され、上アーム33の前ロッド33fと後ロッド33rとの間に位置している。緩衝器35の下端は下アーム34に連結されている。下アーム34は、前ロッド34fと後ロッド34rとの間で固定されている支持プレート34eを有している。緩衝器35の下端は、この支持プレート34eに連結されている。
雪上車1の例では、フレーム前部3Cは複数の板材で構成されている。すなわち、図2に示すように、フレーム前部3Cは、左右方向において互いに離れて配置されている左右のサイドパネル3fと、左右のサイドパネル3fの前縁に固定されているフロントパネル3eとを有している。アーム33、34を支持するアーム連結部3a、3bと、緩衝器連結部3cは、サイドパネル3fに溶接で固定されたり、サイドパネル3fと一体的に形成される。
図3に示すように、雪上車1の例では、サイドパネル3fは、上アーム33の基部33a、33bが連結されている部分(アーム連結部3a、3bが設けられている部分)から、下アーム34の基部34a、34bが連結されている部分(アーム連結部3bが設けられている部分)に向かって左右方向での中心C2寄りに傾斜している。フレーム前部3Cの構造は、ここで説明する例に限られない。例えば、フレーム前部3Cは、上下方向に延びている複数の柱部や、前後方向又は左右方向に延びており且つ複数の柱部を連結する梁部などを有してもよい。この場合、アーム連結部3a、3bと緩衝器連結部3cは、梁部や柱部に固定されてもよい。
図1に示すように、車体フレーム3は、エンジン11を支持する部分を有している(以下では、この部分をエンジン支持部3Eと称する。)。雪上車1の例では、エンジン支持部3Eは、懸架装置30を支持するフレーム前部3Cと別個に形成されており、例えば固定具(例えばボルト)や、溶接などによって、フレーム前部3Cに接続している。雪上車1の例とは異なり、エンジン支持部3Eはフレーム前部3Cと一体的に形成されてもよい。
[懸架装置について定義する直線・交点]
雪上車が右又は左に旋回するとき、車体に遠心力が作用するので、外側のスキーに荷重が偏り、内側のスキーと雪面との接触圧が下がる。例えば、雪上車が右旋回するときに、左スキーに荷重が偏り、右スキーと雪面との接触圧が下がる。懸架装置30は、雪上車1が旋回するときに、内側のスキーと雪面との間のこのような接触圧の低下を抑えるように構成されている。以下、懸架装置30の構造について詳説する。
図5は懸架装置30を説明するための図であり、この図では懸架装置30に規定される仮想直線L1、L2、L3、L4が描かれている。図6は車体の前後方向に対して垂直な平面P1に規定される仮想直線L5、L6、L7を説明するための図である。図6は、図5で示される平面P1を矢印D1の方向に見たときに得られる様子を示している。図7は雪上車1の旋回時における懸架装置30の動きを説明するための図である。この図において、実線は車体が水平にある状態を示し、破線は旋回時の車体の状態を示している。
まず、上アーム33について、以下のような仮想直線を規定する。上アーム33は基部33a、33bに設けられた軸を中心にして上下動可能である。図5に示す直線L1は、この軸の中心を通る直線である。したがって、上アーム33は直線L1を中心にして上下動可能である(以下において、この直線L1を「上アーム回転中心線」と称する。)。図4に示すように、雪上車1の例では、後ロッド33rの基部33bは、前ロッド33fの基部33aよりも左右方向における外方に位置している。したがって、アーム回転中心線L1は、車体の平面視において、前後方向に対して傾斜している。2つの基部33a、33bのうち一方は、車体の側面視において、他方の基部よりも高くてもよい。この場合、アーム回転中心線L1は、車体の側面視においても、前後方向に対して傾斜する。上アーム33の基部33a、33bは、車体の側面視において、同じ高さに位置してもよい。この場合、アーム回転中心線L1は車体の側面視において前後方向と平行となる。
上アーム33は、その端部に、ナックル32に連結される連結部33cを有している。上述したように、連結部33cは具体的にはボールジョイントである。図5に示す直線L3は、上アーム回転中心線L1と連結部33cとを結ぶ直線である。詳細には、直線L3は、ボールジョイントを構成するボールの中心と上アーム回転中心線L1とを通り、且つアーム回転中心線L1に直交する直線である(以下において、この直線L3を「上アーム直線」と称する。)。上アーム直線L3とロッド33f、33rとの相対的な位置関係は特に限定されない。例えば、上アーム直線L3は、車体の平面視において、2本のロッド33f、33rの間を通ってもよいし、ロッド33f、33rの外側(例えば、後ロッド33rの後方)を通ってもよい。
下アーム34についても、上アーム33と同様に、仮想直線を規定する。すなわち、図5に示す直線L2は、下アーム34の基部34a、34bに設けられた軸の中心を通る直線である。したがって、下アーム34は直線L2を中心にして上下動可能である(以下において、この直線L2を「下アーム回転中心線」と称する。)。雪上車1の例では、後ロッド34rの基部34bは、前ロッド34fの基部34aよりも左右方向における外方に位置している。したがって、アーム回転中心線L2は、車体の平面視において、前後方向に対して傾斜している。2つの基部34a、34bのうち一方は、車体の側面視において、他方の基部よりも高くてもよい。この場合、下アーム回転中心線L2は、車体の側面視においても、前後方向に対して傾斜する。下アーム34の基部34a、34bは、車体の側面視において、同じ高さに位置してもよい。この場合、下アーム回転中心線L2は、車体の側面視において前後方向と平行となる。
下アーム34は、その端部に、ナックル32に連結される連結部34cを有している。上述したように、連結部34cは具体的にはボールジョイントである。図5に示す直線L4は、下アーム回転中心線L2と連結部34cとを結ぶ直線である。詳細には、直線L4は、ボールジョイントを構成するボールの中心と下アーム回転中心線L2とを通り、且つアーム回転中心線L2に直交する直線である(以下においてこの直線L4を「下アーム直線」と称する。)。下アーム直線L4は、車体の平面視において、2本のロッド34f、34rの間を通ってもよいし、ロッド34f、34rの外側(例えば、後ロッド34rの後方)を通ってもよい。
図5に示す直線L5は、上アーム直線L3を平面P1に投影することによって得られる直線である(図5の平面P1は、車体の前後方向に対して直交する仮想平面である。以下において、平面P1を「投影面」と称する。)。すなわち、直線L5は、図5の矢印D1で示す方向で上アーム直線L3を見たときに、上アーム直線L3が投影面P1に描く直線である(以下において、直線L5を「上アーム投影線」と称する。)。また、図5に示す直線L6は、下アーム直線L4を投影面P1に投影することによって得られる直線である。すなわち、直線L6は、図5の矢印D1で示す方向で直線L4を見たときに、直線L4が投影面P1に描く直線である(以下において、直線L6を「下アーム投影線」と称する。)。
懸架装置30の例では、図6に示すように、アーム投影線L5、L6は投影面P1上の交点Px1で交差する(以下では、この交点Px1を「投影線交点」と称する。)。上アーム33と下アーム34は、水平面に車体が置かれたときに、投影線交点Px1が水平面P2(スキー4の下端を通る水平面)よりも上方に位置し且つスキー4よりも左右方向での外方に位置するように構成されている。言い換えれば、投影線交点Px1は、水平面P2よりも高く且つスキー4よりも左右方向での外方に規定される領域A1に存在する(図6において網掛けが施された領域が、領域A1である。)。
懸架装置30の例では、上アーム投影線L5は、車体の正面視において、上アーム33の基部33a、33b(基部を投影面P1に投影した位置)から左右方向の外方且つ下方に斜めに延びている。このような配置によると、ナックル32の高さを小さくできる。一方、下アーム投影線L6が水平面に対して有する角度は、上アーム投影線L5が水平面に対して有する角度よりも小さい。このことによって、投影線交点Px1は領域A1に存在している。懸架装置30の例では、上アーム投影線L5は水平面に対して傾斜し、下アーム投影線L6は概ね水平に配置されている。懸架装置30の例とは異なり、上アーム投影線L5も左右方向の外方且つ下方に斜めに延びてもよい。
アーム投影線L5、L6の傾斜は、投影線交点Px1が領域A1に位置するのであれば、必ずしも懸架装置30の例に限られない。例えば、下アーム投影線L6は、車体の正面視において、下アーム34の基部34a、34b(基部を投影面P1に投影した位置)から左右方向の外方且つ上方に斜めに延びてもよい。一方、上アーム投影線L5が水平面に対して有する角度は、下アーム投影線L6が水平面に対して有する角度よりも小さくてもよい。この場合、下アーム投影線L6は水平面に対して傾斜し、上アーム投影線L5は概ね水平に配置されてもよい。さらに他の例では、上アーム投影線L5は、上アーム33の基部33a、33b(基部を投影面P1に投影した位置)から左右方向の外方且つ上方に斜めに延びてもよい。
上アーム33の連結部33c(ボールジョイントの中心)は、下アーム34の連結部34c(ボールジョイントの中心)を通る鉛直線Lv1(図4参照)から前後方向においてずれている(図4参照)。懸架装置30の例では、上アーム33の連結部33cは、鉛直線Lv1よりも後方に位置している。そのため、上アーム直線L3と下アーム直線L4は同一平面上には存在しない。本開示では、投影面P1に描かれるアーム投影線L5、L6を規定することで、交点Px1を定義している。懸架装置30の例とは異なり、鉛直線Lv1は、上アーム33の連結部33cと下アーム34の連結部34cの双方を通ってもよい。
投影面P1上で規定される図6に示す直線L7は、スキー4の下端を投影面P1に投影した位置Psと、投影線交点Px1とを通る直線である(以下では、この直線L7を「下端傾斜線」と称する。)。上述したように、右懸架機構31Rと左懸架機構31Lは車体の左右方向での中心C2に対して左右対称である。そのため、図6に示されるように、右懸架機構31Rと左懸架機構31Lのそれぞれについて、アーム投影線L5、L6、投影線交点Px1及び下端傾斜線L7が規定される。この説明において、「スキー4の下端」は、左右方向におけるスキー4の下面の中心である。
図6で示す交点Px2は、右懸架機構31Rの下端傾斜線L7と左懸架機構31Lの下端傾斜線L7との交点である(以下において、交点Px2を「中心交点」と称する)。言い換えれば、中心交点Px2は、車体の左右方向での中心C2を通る鉛直面と下端傾斜L7との交点である。上述したように、投影線交点Px1はスキー4の下端を通る水平面P2よりも上方に位置し、且つスキー4よりも左右方向での外方に位置する。そのため、中心交点Px2は水平面P2よりも下方に位置する。
このように中心交点Px2が水平面P2よりも下方に位置することによって、図7に示されるように、雪上車1が旋回するときに、車体が概ね中心交点Px2を中心として傾き、車体の位置が下がる。より具体的には、車体の内側部分が下がり、車体の外側部分はより大きく下がる。例えば雪上車1が左旋回するときには、車体の左側部分が下がり、右側部分はより大きく下がる。このことによって、雪上車1の旋回時に、内側のスキーと雪面との間の接触圧が低下することが抑えられ、雪上車1は外側のスキーと内側のスキーの双方が十分に雪面に押しつけられた状態で旋回できる。その結果、雪上車1の旋回時における走行性能を向上できる。中心交点Px2が水平面P2よりも高い従来の雪上車、すなわち、投影線交点Px1が水平面P2よりも低い従来の雪上車では、雪上車が旋回するとき車体の外側部分は下がることなく、車体の内側部分が高くなる。そして、内側のスキーと雪面との接触圧が下がる。
なお、水平面P2と中心交点Px2までの距離D2(図6参照)は、例えば20ミリメートル以下である。水平面P2と中心交点Px2までの距離D2は、好ましくは18ミリメートル以下である。水平面P2と中心交点Px2までの距離D2は、さらに好ましくは15ミリメートル以下、10ミリメートル以上である。
また、水平面P2とフレーム前部3Cの下端との距離D3(図6参照)は、例えば、120ミリメートル以上である。距離D3は、好ましくは150ミリメートル以上である。距離D3は、さらに好ましくは200ミリメートル以上である。
投影線交点Px1及び中心交点Px2の上述の位置は、例えば、アーム33、34の基部33a、33b、34a、34bの高さ、連結部33c、34cの高さ、アーム33、34の長さ、緩衝器35の長さ、及びナックル32の高さの調整によって得ることができる。
投影線交点Px1は、車体に荷重がかかった状態(例えば、車体に人の体重(50kg〜70kg)がかかった状態)において、領域A1に存在してもよい。すなわち、投影線交点Px1は、車体に荷重がかかっていない状態では、水平面P2と同じか水平面P2よりも下方に位置し、車体に重がかかった状態において水平面P2よりも上方に位置してもよい。請求項はこのような形態も含むものである。雪上車1の旋回時には、車体には上述の荷重がかかっている。そのため、車体に運転者の荷重がかかった状態においてだけ、投影線交点Px1が領域A1に位置する構造も、上述と同様に、内側のスキーと雪面との間の接触圧の低下を抑えることができる。
[変形例]
本発明は、以上説明した懸架装置30に限られず、種々の変更がなされてよい。
図8は、懸架装置30の変形例を説明するための図である。この図では、変形例として、懸架装置130が概略的に示されている。この図において、これまで説明した箇所と同じ箇所には、これまでの説明と同一の符号を付している。
この図では、図6と同様に、上アーム投影線L5、下アーム投影線L6、投影線交点Px1、下端傾斜線L7、及び中心交点Px2が描かれている。懸架装置130の例では、投影線交点Px1は、スキー4の下端を通る水平面P2よりも下方であり且つ左右方向の中心C2を挟んでスキー4とは反対側の領域A2に位置している(図8において網掛けが施された部分が領域A2である。)。より詳細には、右懸架機構31Rについての投影線交点Px1は、水平面P2よりも下方であり且つ車体の中心C2に対して左方に位置し、左懸架機構31Lについての投影線交点Px1は、水平面P2よりも下方であり且つ車体の中心C2に対して右方に位置する。
懸架装置130の例では、投影線交点Px1が領域A2にあることによって、中心交点Px2はスキー4の下端を通る水平面P2よりも下方に位置している。このことによって、雪上車1が旋回するときに、車体が概ね中心交点Px2を中心として傾き、車体の位置が下がる。より具体的には、車体の内側部分が下がり、車体の外側部分はより大きく下がる。このため、雪上車1の旋回時に、内側のスキーと雪面との間の接触圧が低下することが抑えられ、雪上車1は外側のスキーと内側のスキーの双方が十分に雪面に押しつけられた状態で旋回できる。
懸架装置30の例では、下アーム投影線L6は、車体の正面視において、下アーム34の基部34a、34b(基部を投影面P1に投影した位置)から左右方向の外方且つ上方に斜めに延びている。一方、上アーム投影線L5が水平面に対して有する角度は、下アーム投影線L6が水平面に対して有する角度よりも大きい。すなわち、上アーム投影線L5は、下アーム投影線L6よりも大きな角度で、上アーム33の基部33a、33b(基部を投影面P1に投影した位置)から左右方向の外方且つ上方に斜めに延びている。このことによって、アーム投影線L5、L6の交点である投影線交点Px1は、領域A2に存在している。
なお、懸架装置130の例においても、水平面P2と中心交点Px2までの距離D2(図6参照)は、例えば20ミリメートル以下である。水平面P2と中心交点Px2までの距離D2は、好ましくは18ミリメートル以下である。水平面P2と中心交点Px2までの距離D2は、さらに好ましくは15ミリメートル以下、10ミリメートル以上である。
[不整地走行車]
上述した懸架装置30、130は、雪上車とは異なる鞍乗型車両に適用されてもよい。例えば、図9に示すように、懸架装置30、130は不整地走行車100に適用されてもよい。
不整地走行車100は、その前部に、懸架装置30を有している。懸架装置30は、車体フレーム103(フレーム前部103C)の右方向に配置される上述した右懸架機構31Rと、フレーム前部103Cの左方向に配置される上述した左懸架機構31Lとを有している。また、各懸架機構31は、緩衝器35を有している。不整地走行車100は、左右の前輪104と左右の後輪105とを有している。前輪104は、懸架機構31を通して車体を支持する車体支持部材である。ナックル32は前輪104の内側に連結され、前輪104と一体的に右又は左に回転できる。
不整地走行車100の懸架装置30において、上述したアーム回転中心線L1、L2、アーム直線L3、L4、アーム投影線L5、L6、投影線交点Px1を定義したとき、投影線交点Px1は、前輪104の下端(路面と接する部分)を含む水平面(路面)よりも上方に位置し且つ前輪104よりも左右方向での外方に位置している。言い換えれば、投影線交点Px1は、水平面P2よりも高く且つ前輪104よりも左右方向での外方に規定される領域A1(図6参照)に存在する。その結果、右懸架機構31Rについての下端傾斜線L7と左懸架機構31Lについての下端傾斜線L7の中心交点Px2は、水平面P2よりも下方に位置することとなる。ここで、下端傾斜線L7は、前輪104の下端を投影面P1に投影した位置と投影線交点Px1とを通る直線である。また、「前輪104の下端」は、タイヤにおける路面と接する部分の左右方向での中心である。
なお、不整地走行車100には、図8で示した懸架装置130が適用されてもよい。すなわち、投影線交点Px1は、前輪104の下端を通る水平面より下方であり且つ車体の左右方向での中心C2を挟んで前輪104とは反対側に位置してもよい。
不整地走行車100の車体フレーム103は、懸架機構31が連結されるフレーム前部103Cの後方に、エンジン(不図示)を支持するエンジン支持部103Dや、シート(不図示)を支持するシート支持部103Eを含んでいる。
以上説明したように、懸架装置30、130は、車体フレーム3の右方向に配置される右懸架機構31Rと、車体フレーム3の左方向に配置される左懸架機構31Lとを有している。各懸架機構31R、31Lは、雪面又は路面に接する下端を有する車体支持部材(スキー4、前輪104)が連結されるナックル32と、上アーム33と、下アーム34とを有している。上アーム33は、車体フレーム103に連結されている基部33a、33bと、ナックル32に連結されている連結部33cとを有し、基部33a、33bを通る上アーム回転中心線L1を中心として上下に揺動可能である。下アーム34は、車体フレーム103に連結されている基部34a、34bと、ナックル32に連結されている連結部34cとを有し、基部34a、34bを通る下アーム回転中心線L2を中心として上下に揺動可能である。仮想直線を以下のように定義する。
上アーム直線L3:上アーム回転中心線L1に直交し、連結部33cと上アーム回転中心線L1とを結ぶ直線
下アーム直線L4:下アーム回転中心線L2に直交し、連結部34cと下アーム回転中心線L2とを結ぶ直線
上アーム投影線L5:投影面P1への上アーム直線L3の投影によって得られる直線
下アーム投影線L6:投影面P1への下アーム直線L4の投影によって得られる直線
投影線交点Px1:上アーム投影線L5と下アーム投影線L6の交点
このとき、懸架装置30においては、投影線交点Px1は、車体支持部材の下端を通る水平面P2よりも上方且つ車体支持部材よりも車体の左右方向における外方に規定される領域A1に位置する。懸架装置130においては、投影線交点Px1は、水平面P2よりも下方且つ車体の左右方向の中心C2を挟んで車体支持部材とは反対側の領域である領域A2に位置する。この懸架装置30、130によれば、鞍乗型車両の旋回時における走行性能を向上できる。
懸架装置30、130では、上アーム33の連結部33cは下アーム34の連結部34cを通る鉛直線Lv1からずれている。そのため、上アーム直線L3と下アーム直線L4は同一平面には位置していない。
懸架装置30、130では、車体支持部材の下端を投影面P1に投影した位置Psと投影線交点Px1とを結ぶ下端傾斜線L7と、車体の左右方向の中心C2を通る鉛直面との交点である中心交点Px2は、水平面P2よりも下方に位置している。
中心交点Px2と水平面P2との距離は、20ミリメートル以下である。これによれば、より効果的に旋回時の走行性能を向上できる。
下アーム34の基部34a、34bは、上アーム33の基部33a、33bよりも車体の左右方向での中心C2寄りに位置している。
懸架装置30、130では、下アーム投影線L6は、車体の正面視において、下アーム34の基部34a、34bから左右方向の外方且つ上方に斜めに延びている。そして、懸架装置30では、上アーム投影線L5が水平面P2に対して有している角度は、下アーム投影線L6が水平面P2に対して有している角度よりも小さい。このことによって、投影線交点Px1は領域A1(図6参照)に位置している。懸架装置130では、上アーム投影線L5が水平面に対して有する角度は、下アーム投影線L6が水平面に対して有する角度よりも大きい。このことによって、投影線交点Px1は領域A2(図8参照)に位置している。
車体フレーム3のフレーム前部3Cの下端と水平面P2との距離D3(図6参照)は120ミリメートル以上である。
1 雪上車、3 車体フレーム、3C フレーム前部、3E エンジン支持部、3a アーム連結部、3b アーム連結部、3c 緩衝器連結部、3e フロントパネル、3f サイドパネル、4L 左スキー、4R 右スキー、8 シート、9 燃料タンク、11 エンジン、11a クランク軸、12 変速機、12a 駆動プーリ、12b 従動プーリ、12c ベルト、13 セカンダリ軸、14 トラックベルト駆動軸、14b スプロケット、15a ガイド輪、16 トラックベルト、17 スライドレール、21 ステアリングハンドル、22 ステアリングコラム、30 懸架装置、31L 左懸架機構、31R 右懸架機構、32 ナックル、32a,32b 柱部、32c 梁部、33 上アーム、33a,33b 基部、33c 連結部、33f 前ロッド、33r 後ロッド、34 下アーム、34a,34b 基部、34c 連結部、34e 支持プレート、34f 前ロッド、34r 後ロッド、35 緩衝器、35a 緩衝器の上端、C2 左右方向での中心、L1 上アーム回転中心線、L2 下アーム回転中心線、L3 アーム直線、L4 下アーム直線、L5 上アーム投影線、L6 下アーム投影線、L7 下端傾斜線、P1 投影面、P2 水平面、Ps 車体支持部材の下端を投影面に投影した位置、100 不整地走行車、103 車体フレーム、103C フレーム前部、103D エンジン支持部、103E シート支持部、104 前輪、105 後輪、130 懸架装置、Px1 投影線交点、Px2 中心交点。

Claims (13)

  1. 車体フレームの右方向に配置される右懸架機構と、前記車体フレームの左方向に配置される左懸架機構とを有し、
    前記右懸架機構と前記左懸架機構のそれぞれは、
    雪面又は路面に接する下端を有する車体支持部材が連結されるナックルと、
    前記車体フレームに連結されている上基部と、前記ナックルに連結されている上連結部とを有し、前記上基部を通る第1の直線を中心として上下に揺動可能な上アームと、
    前記車体フレームに連結されている下基部と、前記ナックルに連結されている下連結部とを有し、前記下基部を通る第2の直線を中心として上下に揺動可能であり、前記上アームの下方に配置されている下アームと、を有し、
    前記第1の直線に直交し、前記上連結部と前記第1の直線とを結ぶ直線を第3の直線とし、前記第2の直線に直交し、前記下連結部と前記第2の直線とを結ぶ直線を第4の直線とし、車体の前後方向に対して直交する仮想平面への前記第3の直線の投影によって得られる直線を第5の直線とし、前記仮想平面への前記第4の直線の投影によって得られる直線を第6の直線としたとき、
    前記第5の直線と前記第6の直線との交点である第1交点は、前記車体支持部材の前記下端を通る水平面よりも上方且つ前記車体支持部材よりも車体の左右方向における外方に規定される第1の領域、又は、前記車体支持部材の前記下端を通る前記水平面よりも下方且つ前記車体の左右方向の中心を挟んで前記車体支持部材とは反対側の領域である第2の領域に位置する
    ことを特徴とする鞍乗型車両の懸架装置。
  2. 前記上アームの前記上連結部は前記下アームの前記下連結部を通る鉛直線からずれている
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  3. 前記第3の直線と前記第4の直線は同一平面には位置していない
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  4. 前記車体支持部材の前記下端を前記仮想平面に投影した位置と前記第1交点とを結ぶ直線と、車体の左右方向の中心を通る鉛直面との交点である第2交点は、前記車体支持部材の前記下端を通る前記水平面よりも下方に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  5. 前記第2交点と前記車体支持部材の前記下端を含む前記水平面との距離は、20ミリメートル以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の懸架装置。
  6. 前記下アームの前記下基部は、前記上アームの前記上基部よりも車体の左右方向での中心寄りに位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  7. 前記上アームについて規定される前記第5直線は、車体の正面視において、前記上基部から前記左右方向の外方且つ下方に斜めに延びている
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  8. 前記下アームについて規定される前記第6直線が水平面に対して有する角度は、前記上アームについて規定される前記第5直線が前記水平面に対して有する角度よりも小さい
    ことを特徴とする請求項7に記載の懸架装置。
  9. 前記下アームについて規定される前記第6直線は、車体の正面視において、前記下基部から前記左右方向の外方且つ上方に斜めに延びており、
    前記上アームについて規定される前記第5直線が水平面に対して有する角度は、前記下アームについて規定される前記第6直線が前記水平面に対して有する角度よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  10. 前記車体フレームと、前記車体支持部材と、請求項1に記載の懸架装置とを有する鞍乗型車両。
  11. 前記車体フレームは前記上アームの前記上基部と前記下アームの前記下基部とが連結される前部を含み、
    前記車体フレームの前記前部の下端と、前記車体支持部材の前記下端が位置する水平面との距離は120ミリメートル以上である
    ことを特徴とする請求項10に記載の鞍乗型車両。
  12. 前記車体フレームと、前記車体支持部材と、請求項1に記載の懸架装置とを有する雪上車。
  13. 前記車体フレームと、前記車体支持部材と、請求項1に記載の懸架装置とを有する不整地走行車。
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