JP2018095126A - 不整地走行車 - Google Patents

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【課題】不整地における高い機動性及び走破性を有し、簡易な構成で操舵が可能な不整地走行車を提供する。【解決手段】不整地走行車1は、ハンドル40と鞍乗型着座部13とを有する車体10と、車体10の下方に配置されるクローラ部20と、ハンドル40に連動する左右一対の操舵輪11L,11Rと、を備え、クローラ部20は、車体10の前部から後部に掛けて延び、操舵輪11L,11Rは、クローラ部20の左右両側にそれぞれ配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、走行車に関し、より詳細には、走行装置としてのクローラ部を備え、不整地における走破性が良好な不整地走行車に関する。
従来、地面が軟弱であったり、起伏があったり、急な傾斜があったりする不整地を走行する不整地走行車には、接地面積が大きくて高いグリップ力を有するクローラ式の走行装置が用いられている。このような不整地走行車において、機動性を向上させるために、単一のクローラ式の走行装置によって走行する形態が提案されている。
例えば、特許文献1には、運転者が単一のクローラ部に跨るように乗車する形態の走行車が開示されている。
また、特許文献2には、車体の前部に配置される操舵輪と、操舵輪の後方であって、車体の後部に配置されるクローラ部とを有する構成の走行車が開示されている。
米国特許第4453611号明細書 米国特許第3158220号明細書
しかし、特許文献1の走行車は、操舵を可能とするために車体及びクローラ部が多関節構造であり、複雑な構成である。特許文献2の走行車は、二輪車における操舵と同様の操舵が可能な構成である。しかし、特許文献2の走行車は、クローラ部が車体の後部にのみ設けられる構成であり、不整地における走破性が劣る。
そこで、本発明の目的は、不整地における高い機動性及び走破性を有し、簡易な構成で操舵が可能な不整地走行車を提示することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、
操舵部と鞍乗型着座部とを有する車体と、
前記車体の下方に配置されるクローラ部と、
前記操舵部に連動する左右一対の操舵輪と、
を備え、
前記クローラ部は、前記車体の前部から後部に掛けて延び、
前記操舵輪は、前記クローラ部の左右両側にそれぞれ配置されることを特徴とする。
更に、前記クローラ部の前端は、前記操舵輪の前端よりも前方に位置することを特徴とする。
更に、前記操舵輪を前記車体に対して昇降させる昇降機構を備えることを特徴とする。
更に、前記昇降機構は、前記操舵輪を支持する第1支持部材と、前記車体と前記第1支持部材とを接続する第2支持部材とを有し、
前記第2支持部材は、前記車体に上下方向へ回動可能に接続されることを特徴とする。
更に、前記車体は、左右両側に、前記鞍乗型着座部に着座した運転者が足を載置する第1足踏み部と、前記第1足踏み部よりも後方に配置される第2足踏み部とを有することを特徴とする。
更に、前記第1足踏み部は、前後方向に水平に延び、
前記第2足踏み部は、前後方向に前低後高に傾斜して延び、前端が前記第1足踏み部の後端に接続することを特徴とする。
本発明によれば、操舵部と鞍乗型着座部とを有する車体と、前記車体の下方に配置されるクローラ部と、前記操舵部に連動する左右一対の操舵輪と、を備え、前記クローラ部は、前記車体の前部から後部に掛けて延び、前記操舵輪は、前記クローラ部の左右両側にそれぞれ配置されるので、不整地における高い機動性及び走破性を有し、簡易な構成で操舵が可能な不整地走行車を提供できる。
更に、前記クローラ部の前端は、前記操舵輪の前端よりも前方に位置するので、岩等の障害物を乗り越える性能が向上する。
更に、前記操舵輪を前記車体に対して昇降させる昇降機構を備えるので、クローラ部の接地範囲の調節が容易にでき、地面の状況に応じた走行ができる。
更に、前記昇降機構は、前記操舵輪を支持する第1支持部材と、前記車体と前記第1支持部材とを接続する第2支持部材とを有し、前記第2支持部材は、前記車体に上下方向へ回動可能に接続されるので、クローラ部の接地範囲の調節が容易にでき、地面の状況に応じた走行ができる。
更に、前記車体は、左右両側に、前記鞍乗型着座部に着座した運転者が足を載置する第1足踏み部と、前記第1足踏み部よりも後方に配置される第2足踏み部とを有するので、運転者は前方へ体重をかけた姿勢で乗車することができ、例えば傾斜地での上り走行において安定した走行ができる。
更に、前記第1足踏み部は、前後方向に水平に延び、前記第2足踏み部は、前後方向に前低後高に傾斜して延び、前端が前記第1足踏み部の後端に接続するので、運転者は前方へ体重をかけた姿勢で乗車することができ、例えば傾斜地での上り走行において安定した走行ができる。また、運転者は、乗車姿勢を変更する際に足を踏み外しにくく、姿勢を容易に素早く変更することができる。
本発明の実施形態の一例としての不整地走行車が示された側面図である。 不整地走行車の平面図である。 リンク機構が示された図である。 昇降機構が示された斜視図である。 昇降機構の側面図である。 図5のVI方向矢視図である。 左の操舵輪を車体に対して下方に移動した昇降機構の状態の一例が示された側面図である。 左右の操舵輪を車体に対して下方に移動した不整地走行車の状態の一例が示された側面図である。 昇降機構の変形例が示された模式図である。 昇降機構の別の変形例が示された模式図である。 運転者の乗車姿勢の一例が模式的に示された側面図である。 運転者の別の乗車姿勢の一例が模式的に示された側面図である。 不整地走行車の制御系統の要部ブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態の一例としての不整地走行車1が示された側面図である。図2は不整地走行車1の平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、不整地走行車1の進行方向である図1における左側を前方向とし、進行方向に対して直交して、かつ水平である図1における手前側を左方向、奥側を右方向とし、進行方向に対して直交して、かつ鉛直である図1における上側を上方向、下側を下方向とする。また、図1において、後述する左右のグリップ43L,43R周りの構成の記載は省略されている。
図1、図2に示されるように、不整地走行車1は、鞍乗型の走行車である。不整地走行車1は、操舵部としてのハンドル40と鞍乗型着座部13とを有する車体10と、車体10の下方に配置されるクローラ部20と、ハンドル40に連結された左右一対の操舵輪11L,11R等を備える。また、不整地走行車1は、後述する昇降機構、バッテリ32、演算部や記憶部等から構成されて各装置を制御する制御部80等も備える。
クローラ部20は、車体10の前部から後部に掛けて延びている。また、右の操舵輪11Rはクローラ部20の前部の右側に所定の間隔をおいて配置され、左の操舵輪11Rはクローラ部20の前部の左側に所定の間隔をおいて配置される。つまり、操舵輪11L,11Rは、クローラ部20の左右両側にそれぞれ配置されている。不整地走行車1は、クローラ部20の推進力によって前進または後進し、左右一対の操舵輪11L,11Rの向きを変更することによって操舵できるように構成されている。なお、詳細については後述するが、不整地走行車1は、昇降機構によって左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して能動的に昇降させることができる。そして、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して下方へ移動させることで前部が持ち上げられ、クローラ部20の後部と左右の操舵輪11L,11Rが接地する状態にすることができるように構成されている。
車体10は、操舵部としてのハンドル40及び鞍乗型着座部13の他に、フレーム12、フロントカバー14、左右のサイドカバー15L,15R、左右の第1足踏み部16L,16R、左右の第2足踏み部17L,17R等も備える。
フレーム12は、円筒状のパイプ、角筒状のパイプ、板状のプレート等の複数の鋼材を溶接等によって結合して構成される。フレーム12は、前後方向に長尺に形成される。フレーム12は、前部にフロントカバー14によって覆われた収容部18を有する。フロントカバー14の内部(収容部18)には、制御部80、後述するリンク機構、及び昇降機構等が配置されている。
フレーム12の後部の上面であって、フロントカバー14の後方には、鞍乗型着座部13が取り付けられる。鞍乗型着座部13は、平面視で前後方向に長尺な略長方形状であり、緩衝部材としての複数のスプリング19を介して、フレーム12に取り付けられる。運転者は、鞍乗型着座部13を跨ぎ、鞍乗型着座部13の上面に臀部を載置した姿勢で不整地走行車1を運転する。鞍乗型着座部13の構成は特に限定されるものではない。鞍乗型着座部13は、例えば、運転者の臀部に対応した凹凸を有する構成であっても良く、背もたれを有する構成であっても良い。また、鞍乗型着座部13は、直接フレーム12に取り付けられても構わない。
鞍乗型着座部13の前方には、操舵部としてのハンドル40が位置している。ハンドル40は、上部がフロントカバー14から突出したステアリングシャフト41、ステアリングシャフト41の上端に取り付けられたハンドルバー42等から構成される。ステアリングシャフト41は、側面視で前低後高に傾斜している。ステアリングシャフト41は、フレーム12に回動自在に支持される。詳細については後述するが、ハンドル40は、左右の操舵輪11L,11Rにリンク機構を介して連結され、ハンドル40の回動に連動して左右の操舵輪11L,11Rの向きが変更される。
ハンドルバー42は、左右のグリップ43L,43R、左右のブレーキレバー44L,44R、左右のスイッチ群45L,45R等を有する。左のグリップ43Lはハンドルバー42の左端部に配設され、右のグリップ43Rはハンドルバー42の右端部に配設される。左右のグリップ43L,43Rは、運転者によって把持される。右のグリップ43Rは、ハンドルバー42に回動可能に支持されるとともに、ハンドルバー42に対する回動角度を検出する図示せぬアクセルセンサを備える。不整地走行車1は、右のグリップ43Rの回動操作に応じて、クローラ部20が作動するように構成される。
左のブレーキレバー44Lは左のグリップ43Lの前方に配設され、右のブレーキレバー44Rは右のグリップ43Rの前方に配設される。左のスイッチ群45Lは左のグリップ43Lの近傍に配設され、右のスイッチ群45Rは右のグリップ43Rの近傍に配設される。左右のブレーキレバー44L,44R、及び左右のスイッチ群45L,45Rは、運転者がグリップ43L,43Rを把持した状態で操作できるように構成されている。右のブレーキレバー44Rが操作されることで、左右の操舵輪11L,11Rの後述するブレーキ装置が作動する。左のブレーキレバー44Lが操作されることで、クローラ部20の後述するブレーキ装置が作動する。
なお、左右のブレーキレバー44L,44Rは、左のブレーキレバー44Lが操作されることで左右の操舵輪11L,11Rのブレーキ装置が作動し、右のブレーキレバー44Rが操作されることでクローラ部20のブレーキ装置が作動するように構成されても良い。また、左右のブレーキレバー44L,44Rは、左のブレーキレバー44Lが操作されることで左の操舵輪11Lのブレーキ装置が作動し、右のブレーキレバー44Rが操作されることで右の操舵輪11Rのブレーキ装置が作動するように構成されても良い。つまり、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rを独立して制動させることができるような構成であっても良い。このような構成にすることで、不整地走行車1は、旋回半径を小さくした旋回が可能となり、走行性が向上される。より詳細には、不整地走行車1は、左旋回時には左の操舵輪11Lの回転を制動し、右旋回時には右の操舵輪11Rの回転を制動することによって、旋回半径を小さくした旋回が可能となる。なお、車体10には、クローラ部20のブレーキ装置を作動させるための操作具が更に配設される。このような操作具としては、運転者の足によって操作されるフットレバー、左右のスイッチ群45L,45Rに含まれるスイッチ等を用いることができる。
左右のスイッチ群45L,45Rは、不整地走行車1を起動及び停止させるスタータスイッチ、後述する昇降機構を操作する昇降操作スイッチ等の各種スイッチを含んでいる。これらのスイッチの構成は特に限定されるものではない。これらのスイッチとしては、例えば、自動復帰型(モーメンタリ型)スイッチ、位置保持型(オルタネイト型)スイッチ等を用いることができ、押圧式スイッチ、スライド式スイッチ、ボタンスイッチ、シーソースイッチ等を適宜選択できる。
左のサイドカバー15Lは、クローラ部20の左側を覆い、運転者をクローラ部20から保護する機能を有する。左のサイドカバー15Lは、クローラ部20の左側に所定の間隔をおいて配置される。左のサイドカバー15Lは、左の操舵輪11Lの後端の近傍から鞍乗型着座部13の後端の近傍まで延びている。左のサイドカバー15Lは、側面視で前後方向に長尺な略長方形状であり、後端は前低後高に傾斜している。左のサイドカバー15Lは、上端がフレーム12に固定され、内面の一部がクローラ部20の後述するトラックフレームに固定されている。
左のサイドカバー15Lには、外方へ突出する板状の左の第1足踏み部16L及び左の第2足踏み部17Lが形成されている。左の第1足踏み部16Lまたは左の第2足踏み部17Lには、運転者の左足が載置される。左の第1足踏み部16Lは、左のサイドカバー15Lの下端に沿って前後方向に水平に延びている。なお、ここでの水平とは、完全な水平のみを示すのではなく、多少の傾斜を含むものであり、以下における水平も同様とする。左の第2足踏み部17Lは、左の第1足踏み部16Lよりも後方に配置される。左の第2足踏み部17Lは、左のサイドカバー15Lの後端に沿って前低後高に傾斜して延びている。そして、左の第2足踏み部17Lの前端は、左の第1足踏み部16Lの後端に接続している。
右のサイドカバー15Rは、左のサイドカバー15Lと対称形状であり、詳細については説明を省略する。右のサイドカバー15Rは、クローラ部20の右側を覆い、運転者をクローラ部20から保護する機能を有する。右のサイドカバー15Rには、外方へ突出する板状の右の第1足踏み部16R及び右の第2足踏み部17Rが形成されている。
左右のサイドカバー15L,15Rは、クローラ部20を覆って運転者をクローラ部20から保護することができれば良く、その構成は特に限定されるものではない。例えば、左右のサイドカバー15L,15Rは、クローラ部20の前端まで延びるような構成であっても良い。また、左のサイドカバー15Lの後端が右のサイドカバー15Rの後端に接続し、左右のサイドカバー15L,15Rによって、クローラ部20の後方も覆われるような構成であっても良い。
次に、走行装置としてのクローラ部20について詳述する。図1に示されるように、クローラ部20は、車体10の下方に配置され、車体10の前部から後部に掛けて延びている。クローラ部20は、駆動スプロケット21、アイドラ22、4つの転輪23,24,25,26、クローラベルト27、トラックフレーム28、イコライザアーム29、揺動アーム30、モータ31、バッテリ32、インバータ33、及びリレー34等を備える。
トラックフレーム28は、駆動スプロケット21と、アイドラ22と、4つの転輪23,24,25,26を支持する。トラックフレーム28には車体10のフレーム12が接続され、車体10はクローラ部20によって支持されている。
駆動スプロケット21は後端に、アイドラ22は前端に、4つの転輪23,24,25,26は駆動スプロケット21及びアイドラよりも下方に配設されている。駆動スプロケット21は、アイドラ22よりも上方に配置されている。後方側に位置する2つの転輪23,24は、イコライザアーム29を介してトラックフレーム28に取り付けられる。転輪24よりも前側に位置する転輪25は、揺動アーム30を介してトラックフレーム28に取り付けられる。転輪25よりも前側に位置する転輪26は、トラックフレーム28に直接取り付けられる。転輪24と転輪26との間隔は、転輪23と転輪24との間隔よりも広い。
クローラベルト27は、駆動スプロケット21、アイドラ22、及び4つの転輪23,24,25,26に外接するように掛け回されている。クローラベルト27の外周面には、図示せぬ溝構造が形成される。クローラベルト27は、この溝構造によって地面との高いグリップ力を得ることができる。溝構造の形状、サイズ、配置パターン等は、特に限定されるものではなく、突起を含む構成であっても良い。例えば、溝構造は、周回状に伸びる溝を含む構成であって良い。このような構成にすることで、舗装路を走行する際の静音化が可能となる。
トラックフレーム28は、駆動スプロケット21とアイドラ22との間に下方へ向けて窪む図示せぬ凹部を有する。この凹部には、バッテリ32、インバータ33、リレー34等が配設される。凹部に配設されるバッテリ32、インバータ33、リレー34等は、カバー35によって覆われて保護されている。なお、この凹部に配設されるものは特に限定されるものではなく、適宜設計することができる。例えば、工具、冷却装置等が凹部に配設されても良い。
モータ31は、駆動スプロケット21にインホイール状に配設される。モータ31は、バッテリ32の電力によって駆動する電動モータであり、制御部80によって制御される。モータ31の駆動力によって駆動スプロケット21が回転し、クローラ部20が駆動するように構成されている。なお、クローラ部20は、トラックフレーム28に対するアイドラ22の位置を移動させることでクローラベルト27のテンションを調節する図示せぬテンション調節装置、駆動スプロケット21の回転を止める図示せぬブレーキ装置等も備える。ブレーキ装置は、上述したように、左のブレーキレバー44Lが操作されることによって作動する。ブレーキ装置は、クローラベルト27の回転を止めることができる構成であれば良く、アイドラ22の回転を止める構成であっても良い。ブレーキ装置としては、ドラムブレーキ、ディスクブレーキ等を用いることができる。
クローラ部20は、転輪24と転輪26との間のクローラベルト27が接地している。この接地範囲GA1は、不整地走行車1の前後方向の中央の位置を含んでいる。また、接地範囲GA1は、前後方向において、左右の操舵輪11L,11Rの接地部の近傍から鞍乗型着座部13の中央付近まで延びている。したがって、不整地走行車1は、走行時の十分な安定性を確保できるとともに、地面とクローラ部20との間における高いグリップ力を有するので、不整地における高い走破性を有する。
なお、接地範囲GA1の前端は、左右の操舵輪11L,11Rの接地部の近傍に位置することが好ましい。このような構成にすることで、接地範囲GA1を広くして地面とクローラ部20とのグリップ力を高めることができるとともに、旋回時における左右の操舵輪11L,11Rの滑りが低減されてスムースな旋回が可能となる。そして、不整地走行車1の操舵性が向上される。また、接地範囲GA1の前後方向の前側に、運転者が乗車した状態における不整地走行車1の重心が位置することが好ましい。このような構成にすることで、不整地走行車1は、不整地における高い走破性を確保することができる。
接地範囲GA1に対応する3つの転輪24,25,26の内、転輪24はイコライザアーム29を介してトラックフレーム28に取り付けられ、転輪25は揺動アーム30を介してトラックフレーム28に取り付けられている。クローラ部20は、イコライザアーム29及び揺動アーム30が揺動することで走行時の衝撃を吸収することができる。そして、不整地走行車1の走行性及び乗り心地が向上される。
クローラ部20の前端は、左右の操舵輪11L,11Rの前端よりも前方に位置する。このような構成にすることで、上方に隆起した凸部、倒木、岩等の障害物を乗り越える際に、左右の操舵11L,11Rよりも先にクローラベルト27が障害物に接触しやすくなる。そして、不整地走行車1は、クローラ部20と障害物との間にグリップ力が得られ、障害物を乗り越えやすくなる。つまり、不整地走行車1の障害物を乗り越える性能が向上される。
なお、クローラ部20は、上述の構成に限定されるものではなく、車体10の下方に配置され、車体10の前部から後部に掛けて延びる構成であれば良い。駆動スプロケット21、アイドラ22、4つの転輪23,24,25,26、モータ31、バッテリ32、インバータ33、及びリレー34等の配置、転輪23,24,25,26の数、転輪23,24,25,26の取り付け構成等は限定されるものではない。例えば、バッテリ32、インバータ33、及びリレー34等は、車体10に配設されても良い。また、モータ31は、インホイール状ではなく、モータ31の出力軸がチェーンやギヤ等の動力伝達部材を介して駆動スプロケット21に連動連結される構成であっても良い。
また、クローラ部20と車体10とは、緩衝装置を介して接続されても良い。緩衝装置としては、油の粘性力によって衝撃を吸収するオイルダンパ、スプリング等の弾性部材、エアダンパ、これらを組み合わせた構成等を用いることができる。例えば、クローラ部20は、トラックフレーム28の前部が車体10に左右方向を軸にして回動可能に連結され、トラックフレーム28の後部が緩衝装置を介して車体10に連結される構成とすることができる。このような構成にすることで、不整地走行車1は、走行時の衝撃を吸収することができ、走行性及び乗り心地が向上される。
次に、操舵部としてのハンドル40と左右の操舵輪11L,11Rとを連結させるリンク機構50について詳述する。図3は、リンク機構50が示された図であり、図1の矢印IIIの方向から見た図である。なお、図1の矢印IIIは、ハンドル40のステアリングシャフト41の軸方向と平行である。図3において、ハンドル40のハンドルバー42は二点鎖線で示されている。
リンク機構50は、左右対称の構成であり、右側を構成する部材には符号R、左側を構成する部材には符号Lを付す。リンク機構50は、左右の連結プレート51L,51R、左右の第1タイロッド52L,52R、左右の第2タイロッド53L,53R等を備える。
ハンドル40は、上述したように、ステアリングシャフト41とハンドルバー42等から構成される。ステアリンクシャフト41の下部には、左右対称の三角形状のセンタープレート46が固定されている。センタープレート46は、ステアリングシャフト41の軸方向と垂直な方向に延びている。センタープレート46は、フレーム12に対してステアリングシャフト41と一体に回動する。
センタープレート46の前方には、左右の連結プレート51L,51Rが配設されている。左右の連結プレート51L,51Rは、左右方向に伸びた略ひし形状に形成される。左右の連結プレート51L,51Rは、フレーム12に回動自在に支持される。左右の連結プレート51L,51Rは、中心に回動シャフト58L,58Rを有する。回動シャフト58L,58Rは、ステアリングシャフト41の軸方向と平行に延びている。
左右の第1タイロッド52L,52Rは、前後方向に延びている。左の第1タイロッド52Lの前端は、左の連結プレート51Lの上面側の右側端部にボールジョイン55Lを介して接続される。右の第1タイロッド52Rの前端は、右の連結プレート51Rの上面側の左側端部にボールジョイン55Rを介して接続される。左の第1タイロッド52Lの後端は、センタープレート46の下面側の左側端部にボールジョイン54Lを介して接続される。右の第1タイロッド52Rの後端は、センタープレート46の下面側の右側端部にボールジョイン54Rを介して接続される。
左右の第2タイロッド53L,53Rは、前後方向に延びている。左の第2タイロッド53Lの前端は、左の連結プレート51Lの上面側の左側端部にボールジョイン56Lを介して接続される。右の第2タイロッド53Rの前端は、右の連結プレート51Rの上面側の右側端部にボールジョイン56Rを介して接続される。左の第2タイロッド53Lの後端は、左の第1支持部材61Lにボールジョイン57Lを介して接続される。右の第2タイロッド53Rの後端は、右の第1支持部材61Rにボールジョイン57Rを介して接続される。なお、左右の第2タイロッド53L,53R、左の連結プレート51Lの左側端部、及び右の連結プレート51Lの右側端部は、フロントカバー14の外方に位置している(図1、図2参照)。
ここで、左の操舵輪11Lは、左の第1支持部材61Lによって支持されている。左の第1支持部材61Lは、アクスルハウジング62L、キングピン63L、円筒状のキングピンポスト64L等によって構成される。アクスルハウジング62Lは、左の操舵輪11Lの内側に位置しており、内部に図示せぬアクスルシャフト、ブレーキ装置等を備える。アクスルシャフトは左右方向に延びており、左の操舵輪11Lはアクスルシャフトを軸として回転自在である。ブレーキ装置は、左の操舵輪11Lのアクスルシャフトを軸とした回転を停止するように構成される。ブレーキ装置としては、ドラムブレーキ、ディスクブレーキ等を用いることができる。キングピン63Lは、側面視でステアリングシャフト41と平行に延びる(図1参照)。キングピン63Lの下端は、アクスルハウジング62Lに固定されている。キングピン63Lは、内方へ向かって突出する平板状のフランジ65Lを有する。フランジ65Lの下面側の内方側端部には、ボールジョイント57Lを介して左の第2タイロッド53Lの後端が接続される。キングピン63Lは、フランジ65Lよりも上方側がキングピンポスト64Lに挿通され、キングピンポスト64Lに回動自在に支持される(図1、図2参照)。そして、左の操舵輪11Lは、アクスルハウジング62L及びキングピン63Lと一体に、キングピンポスト64Lを軸に回動するように構成される。なお、詳細につては後述するが、キングピンポスト64Lは、後述する第2支持部材66Lを介して車体10に連結される。つまり、左の操舵輪11Lは、キングピンポスト64Lを軸に回動することで、車体10に対する向きが変更されるように車体10に連結されている。
右の操舵輪11Rは、右の第1支持部材61Rによって回転自在に支持されている。右の第1支持部材61Rは、左の第1支持部材61と同様の構成であり、詳細については説明を省略する。右の第1支持部材61Rは、アクスルハウジング62R、キングピン63R、円筒状のキングピンポスト64R等によって構成される。アクスルハウジング62Rは、右の操舵輪11Rの内側に位置しており、内部に図示せぬアクスルシャフト、ブレーキ装置等を備える。キングピン63Rは、ボールジョイント57Rを介して右の第2タイロッド53Rの後端が接続されるフランジ65Rを有する。キングピン63Rの下端は、アクスルハウジング62Rに固定される。そして、右の操舵輪11Rは、キングピンポスト64Rを軸に回動することで、車体10に対する向きが変更されるように車体10に連結されている。
左右の操舵輪11L,11Rの向きは、ハンドル40の回動に連動して変更される。左右の操舵輪11L,11Rの向きが変更されることで、不整地走行車1の進行方向が変更される。つまり、不整地走行車1は、ハンドル40の回動操作によって操舵される。
図3において、ハンドル40が右方向(時計回り)に回動されると、左右の操舵輪11L,11Rは右方向(時計回り)に回動する。より詳細には、ハンドル40が右方向(時計回り)に回動されることによって、左の第1タイロッド52Lは前方へ押し出され、右の第1タイロッド52Rは後方へ引っ張られ、左右の連結プレート51L,51Rは左方向(反時計回り)に回動する。左の連結プレート51Lが左方向(反時計回り)に回動されることによって、左の第2タイロッド53Lは後方へ押し出され、キングピン63Lが右方向(時計回り)に回動して左の操舵輪11Lが右方向(時計回り)に回動する。また、右の連結プレート51Rが左方向(反時計回り)に回動されることによって、右の第2タイロッド53Rは前方へ引っ張られ、キングピン63Rが右方向(時計回り)に回動して右の操舵輪11Rが右方向(時計回り)に回動する。そして、不整地走行車1は、右旋回する。なお、ハンドル40が左方向(反時計回り)に回動された場合、リンク機構50は上述と逆の動作をし、左右の操舵輪11L,11Rは左方向(時計回り)に回動する。
なお、リンク機構50は、アッカーマン・ジャント方式のように、ハンドル40が右方向(時計回り)に回動された場合には、右の操舵輪11Rの回動量が左の操舵輪11Lの回動量よりも大きくなり、ハンドル40が左方向(反時計回り)に回動された場合には、左の操舵輪11Lの回動量が右の操舵輪11Rの回動量よりも大きくなるように構成されている。したがって、不整地走行車1は、スムースな旋回が可能となり、走行性が向上される。ハンドル40の回動量に対する左右の操舵輪11L,11Rの回動量は、リンク機構50の節部である各ボールジョイント54L,54R,55L,55R,56L,56R,57L,57Rの位置、連結プレート51L,51Rの位置等を変更することで調節することができる。
なお、操舵部としてのハンドル40に左右の操舵輪11L,11Rを連動させる構成は、上述のリンク機構50に限定されるものではない。例えば、上述のリンク機構50において、センタープレート46をフレーム12に回転自在に取り付け、ステアリングシャフト41とセンタープレート46とを複数のギヤによって連動連結させる構成であっても良い。このような構成にすることで、ハンドル40を少ない力で回動させることができ、操舵性が向上される。また、ハンドル40は、操作時の最大回動角度が大きくなる場合、ハンドルバー42に替わってステアリングシャフト41の上端に取り付けられる環状のリム部を備える丸型ハンドルとしても良い。この際、左右のスイッチ群45L,45Rは、リム部とステアリングシャフト41を連結させるスポーク部に配設される。また、不整地走行車1は、左右のブレーキレバー44L,44Rに替わって運転者の足によって操作されるフットレバーを備える構成とされる。
また、不整地走行車1は、ハンドル40の回動に応じて、キングピンポスト64L,64Rを軸にして左右の操舵輪11L,11Rを回動させるモータを備える構成であっても良い。このような構成としては、上述のリンク機構50に替わって、ハンドル40(ステアリングシャフト41)の回動角度を検出するハンドルセンサと、出力軸がキングピン63Lに連結され、キングピンポスト64Lに支持される左のモータと、出力軸がキングピン63Rに連結され、キングピンポスト64Rに支持される右のモータとを備える構成が例示できる。そして、制御部80は、ハンドルセンサの検出値に応じて2つのモータを制御するように構成される。このような構成にすることで、アッカーマン・ジャント方式の操舵、パラレル方式の操舵等も可能となり、操舵方式を自由に設定できる。
次に、左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して能動的に昇降させる昇降機構60について詳述する。図4は、後方の斜め上方から見る昇降機構60の斜視図である。図5は、昇降機構60の側面図である。図6は、図5のVI方向矢視図である。図7は、左の操舵輪11Lを車体10に対して下方に移動した昇降機構60の状態の一例が示された側面図である。なお、図5の矢印VIは、キングピン63Lと平行であり、図1の矢印IIIと同じ向きである。図6において、ステアリングシャフト41が二点鎖線で示されている。図7において、下方に移動される前の左の操舵輪11Lが二点鎖線で示されている。
昇降機構60は、左右対称の構成であり、右側を構成する部材には符号R、左側を構成する部材には符号Lを付す。昇降機構60は、左右の第1支持部材61L,61R、左右の第2支持部材66L,66R、左右のシリンダ67L,67R、左右のカウンタープレート68L,68R、左右のダンパ69L,69R等を備える。昇降機構60は、左右の操舵輪11L,11Rをそれぞれ独立して昇降させるように構成される。以下では左側の構成を取り上げて説明を行う。右側の構成については説明を省略する。
第1支持部材61Lは、上述したように、アクスルハウジング62L、キングピン63L、円筒状のキングピンポスト64L等によって構成され、操舵輪11Lを支持している。
第2支持部材66Lは、操舵輪11Lを支持する第1支持部材61Lを車体10に接続している。第2支持部材66Lは、平行リンク機構であり、アッパーアーム70L、ロアアーム71L、ブラケット72L等から構成される。アッパーアーム70Lは、前後方向に延びている。アッパーアーム70Lは、前端に内方へ延びる回動シャフト73Lを有する。回動シャフト73Lには、下方へ向かって延びるクランク74Lが固定されている。回動シャフト73Lは、フレーム12に回動自在に支持される。したがって、アッパーアーム70Lの前端は、フレーム12に上下方向へ回動可能に接続される。一方、アッパーアーム70Lの後端は、ブラケット72Lに上下方向へ回動可能に接続される。
ロアアーム71Lは、前端部を除いてアッパーアーム70Lと同じ構成である。ロアアーム71は、アッパーアーム70Lの下方に配置される。ロアアーム71の前端は、フレーム12に上下方向へ回動可能に接続される。ロアアーム71Lの後端は、ブラケット72Lに上下方向へ回動可能に接続される。ブラケット72Lは、第1支持部材61Lのキングピンポスト64Lの外側に固定される。
シリンダ67Lは、バッテリ32の電力によってロッド75Lを伸縮させる電動シリンダである。シリンダ67Lは、ステアリングシャフト41の左側の近傍に、ロッド75Lが前後方向へ伸縮するように配置される。なお、シリンダ67Lは油圧シリンダであっても構わない。
カウンタープレート68Lは、側面視で下方に向かって先細りとなる三角形状の板状部材である。カウンタープレート68Lは、下端がフレーム12に前後方向へ回動可能に支持される。カウンタープレート68Lの上部の後端には、ロッド75Lの前端が接続される。
ダンパ69Lは、油の粘性力によって衝撃を吸収する棒状の緩衝装置であり、いわゆるオイルダンパである。ダンパ69Lの後端は、カウンタープレート68Lの上部の前端に接続される。ダンパ69Lの前端は、クランク74Lの先端に接続される。なお、ダンパ69Lは特に限定されるものではない。例えば、ダンパ69Lは、エアダンパ、スプリング等の弾性部材、これらが組み合わされた構成等であっても良い。また、カウンタープレート68Lは特に限定されるものではない。カウンタープレート68Lは、フレーム12に前後方向へ回動可能に支持され、ロッド75Lの前端及びダンパ69Lの後端が接続される構成であれば良い。例えば、カウンタープレート68Lは側面視で円形状や四角形状であっても良い。
そして、昇降機構60は、左のシリンダ67Lのロッド75Lを伸縮させることによって左の操舵輪11Lを能動的に昇降させ、右のシリンダ67Rのロッド75Lを伸縮させることによって右の操舵輪11Rを能動的に昇降させることができる。図5の状態において、シリンダ67Lのロッド75Lを伸長させると、図7に示されるように、操舵輪11Lが下方に移動される。
より詳細には、シリンダ67Lのロッド75Lが伸長することによって、カウンタープレート68Lが下端を軸として前方へ(反時計回りに)回動し、ダンパ69Lが前方へ移動する。ダンパ69Lが前方へ移動することで、アッパーアーム70Lが下方へ(時計回りに)回動し、操舵輪11Lが下方に移動する。なお、シリンダ67Lのロッド75Lが収縮された場合には、カウンタープレート68L、ダンパ69L、及びアッパーアーム70Lは上述と逆の動作をし、操舵輪11Lは上方へ移動する。
このように、不整地走行車1は、昇降機構60によって左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して能動的に昇降することができる。そして、不整地走行車1は、例えば、図8に示されるように、図1の状態から左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して下方に移動させ、クローラ部20の前側を地面から浮かせることができる。ここで、図8は、左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して下方に移動した不整地走行車1の状態の一例が示された側面図である。
不整地走行車1は、クローラ部20の前側が地面から浮くことによって、クローラ部20が接地する領域が小さくなる。このような状態において、クローラ部20は、転輪23と転輪24との間のクローラベルト27が接地する。この接地範囲GA2は、不整地走行車1の後部に位置している。そして、不整地走行車1は、前部に位置する左右の操舵輪11L,11Rと、後部に位置する接地範囲GA2との3箇所が接地した状態となる。つまり、不整地走行車1は、クローラ部20の前側を地面から浮かせた状態にしても、安定性が失われることがない。また、不整地走行車1は、クローラ部20の接地範囲GA2が小さくなることで、クローラ部20による摩擦抵抗が低減され、エネルギ効率の良い走行、高速走行等が可能となるとともに、操舵性も向上される。したがって、不整地走行車1は、クローラ部20の接地範囲の調節が容易にでき、地面の状況に応じた走行ができる。
また、接地範囲GA2に対応する2つの転輪23,24は、イコライザアーム29を介してトラックフレーム28に取り付けられている。そして、クローラ部20は、クローラ部20の前側を地面から浮かせた状態であってもイコライザアーム29が揺動することで走行時の衝撃を吸収することができ、不整地走行車1の走行性及び乗り心地が向上される。
また、図示による説明は省略するが、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rを地面の傾斜や凹凸に応じて昇降させることで、不整地における安定した走行が可能となる。例えば、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rを互い違いに昇降させることで、安定した傾斜地の横断走行が可能となる。図1に示された状態から、横断走行する傾斜地の傾斜に合わせて、山側に位置する操舵輪11を上方に移動させ、谷側に位置する操舵輪11を下方に移動させる。このような状態にすることで、クローラ部20の接地領域GA1の高所側部(山側部)を傾斜地にエッジとして食い込ませることができる。また、車体10の山側または谷側(左右方向)への傾倒は、左右の操舵輪11L,11Rによって防止される。また、クローラ部20は接地領域GA1が傾斜地に接地するため、傾斜地とクローラ部20との間における高いグリップ力が得られ、クローラ部20の谷側への滑りが防止される。そして、不整地走行車1は、安定した傾斜地の横断走行ができる。
ここで、第2支持部材66L,66Rは、車体10に上下方向へ回動可能に接続される平行リンク機構である。操舵輪11L,11Rは前後方向に多少移動して昇降される。しかし、第1支持部材61L,61Rのキングピン63L,63Rと鉛直線とのなす角度は変化しない。したがって、昇降機構60は、操舵性への影響が少ない左右の操舵輪11L,11Rの昇降ができる。
また、第2支持部材66L,66Rは、車体10の前部に接続され、後方へ向かって延びている。したがって、不整地走行車1は、全長を短くすることができる。
また、リンク機構50の第2タイロッド53L,53Rは、側面視で第2支持部材66L,66R(アッパーアーム70L,70R、ロアアーム71L,71R)と平行である(図1、図8参照)。したがって、左右の操舵輪11L,11Rが昇降された際に、リンク機構50、特に左右の第2タイロッド53L,53Rには応力が生じにくく、リンク機構50は高い耐久性を有する。
また、昇降機構60は、左の操舵輪11Lに対応した左のダンパ69Lと、右の操舵輪11Rに対応した右のダンパ69Rとを備える。そして、昇降機構60は、フレーム12と左の操舵輪11Lとの間における衝撃と、フレーム12と右の操舵輪11Rとの間における衝撃とを別々に緩衝するように構成されている。したがって、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rとフレーム12との間における衝撃を効果的に緩衝することができ、左右の操舵輪11L,11Rが安定して接地するとともに、走行性や乗り心地が向上する。
また、第2支持部材66L,66R(アッパーアーム70L,70R、ロアアーム71L,71R)は、操舵輪11L,11Rよりも上方に位置している。そして、第2支持部材66L,66Rは、操舵輪11L,11Rが昇降した状態で操舵されても操舵輪11L,11Rに当接しないように構成されている。したがって、不整地走行車1は、車幅を狭くすることができる。
また、第2支持部材66L,66Rは、ブラケット72L,72Rを介してキングピンポスト64L,64Rの外側に接続されている。更に、リンク機構50の第2タイロッド53L,53Rは、フランジ65L,65Rを介してキングピン63L,63Rの内側に接続されている。したがって、操舵輪11L,11Rの昇降時及び操舵時に、第2支持部材66L,66Rは、第2タイロッド53L,53Rと干渉しにくい構成である。そして、不整地走行車1は、操舵輪11L,11Rの最大昇降量及び最大操舵角を大きくすることができる。
また、昇降機構60は、シリンダ67L,67R、ダンパ69L,69Rが前後方向へ延びるように配置されている。したがって、不整地走行車1は、車高が高くなりにくく、安定性が高い。
なお、昇降機構60は、上述の構成に限定されるものではない。昇降機構60は、左右の操舵輪11L,11Rを車体10に対して昇降させることができる構成であれば良い。例えば、昇降機構60は、第2支持部材66L,66Rが左右方向に延び、第2支持部材66L,66Rが車体10に前後方向を軸に上下方向に回動可能に接続される構成であっても良い。
また、昇降機構60は、図9に示されるような構成であっても良い。ここで、図9は、昇降機構60の変形例が示された模式図であり、上方から見た図である。図9において、左側が前方で、右側が後方である。また、図9において、左右の操舵輪11L,11R、昇降機構60と同じ構成の左右の第1支持部材61L,61R、及び左右の第2支持部材66L,66R等の記載は省略されている。
変形例である昇降機構160は、昇降機構60において、左右のシリンダ67L,67R及び左右のカウンタープレート68L,68Rに替わって、回動ユニット176及びシリンダ167を備える。回動ユニット176は、支持プレート177、回動プレート178、モータ179等を備える。支持プレート177は、フレーム12に前後方向へスライド可能に支持される。回動プレート178は、左右方向に伸びた略ひし形状に形成される。回動プレート178は、中心が支持プレート177に回動自在に支持される。回動プレート178の左側端部には、左のダンパ69Lの後端が連結される。回動プレート178の右側端部には、右のダンパ69Rの後端が連結される。左のダンパ69Lの先端は、ここでは図示せぬ左のクランク74Lに接続する。右のダンパ69Rの先端は、ここでは図示せぬ右のクランク74Rに接続する。モータ179は、支持プレート177に支持される。モータ179の出力軸は回動プレート178の回動軸に連動連結され、回動プレート178はモータ179によって回動される。モータ179は、バッテリ32の電力で駆動する電動モータである。そして、回動ユニット176は、フレーム12に前後方向へスライド可能に支持される。
シリンダ167は、バッテリ32の電力によってロッド175を伸縮させる電動シリンダである。シリンダ167は、フレーム12に固定される。シリンダ167のロッド175の前端は、支持プレート177の後端に接続される。そして、シリンダ167は、回動ユニット176をフレーム12に対して前後方向へスライドさせるように構成される。
このような構成の昇降機構160は、モータ179によって回動プレート178を回動させることで、左右の操舵輪11L,11Rを能動的に互い違いに昇降させることができる。例えば、図9において、回動プレート178が時計回りに回動させられると、左のダンパ69Lは前方へ押し出され、右のダンパ69Rは後方へ引っ張られる。そして、左の操舵輪11Lは下方へ移動し、右の操舵輪11Lは上方へ移動する。一方、回動プレート178が反時計回りに回動させられると、左のダンパ69Lは後方へ引っ張られ、右のダンパ69Rは前方へ押し出される。そして、左の操舵輪11Lは上方へ移動し、右の操舵輪11Lは下方へ移動する。
また、昇降機構160は、シリンダ167のロッド175を伸縮させることによって、左右の操舵輪11L,11Rを能動的に一緒に昇降させることができる。例えば、図9において、シリンダ167のロッド175を伸長させることによって、回動ユニット176が前方へスライドし、左右のダンパ69L,69Rが前方へ押し出される。そして、左右の操舵輪11L,11Rは一緒に下方へ移動する。一方、シリンダ167のロッド175を収縮させることによって、回動ユニット176が後方へスライドし、左右のダンパ69L,69Rが後方へ引っ張られる。そして、左右の操舵輪11L,11Rは一緒に上方へ移動する。
このような構成の昇降機構160は、回動プレート178を回動させるモータ179を制御することによって、運転者が色々な操作感を楽しめるようにすることができる。例えば、制御部80がモータ179をゼロトルク制御するように構成されることで、運転者は、左右方向の体重移動によって左右の操舵輪11L,11Rを互い違いに昇降させて車体10を左右方向に傾倒させることが可能となる。また、モータ179の位置制御におけるゲインを調節することで、左右の操舵輪11L,11Rと車体10との間における緩衝力の調整をすることも可能であり、使い勝手が良い。
また、昇降機構60は、図10に示されるような構成であっても良い。ここで、図10は、昇降機構60の別の変形例が示された模式図であり、上方から見た図である。図10において、左側が前方で、右側が後方である。また、図10において、左右の操舵輪11L,11R、昇降機構60と同じ構成の左右の第1支持部材61L,61R、及び左右の第2支持部材66L,66R等の記載は省略されている。
別の変形例である昇降機構260は、昇降機構60において、左右のシリンダ67L,67R、左右のカウンタープレート68L,68R、左右のダンパ69L,69Rに替わって、回動ユニット276、左右の連結ロッド280L,280R、ダンパ282、及びシリンダ267備える。回動ユニット276は、支持プレート277、回動プレート278、ダンパ281、シリンダ283等を備える。支持プレート277は、フレーム12に前後方向へスライド可能に支持される。回動プレート278は、左右方向に伸びた略ひし形状に形成される。回動プレート278は、中心が支持プレート277に回動自在に支持される。シリンダ283は、バッテリ32の電力によってロッド284を伸縮させる電動シリンダである。シリンダ283は、支持プレート277に左右方向に延びるように配設される。シリンダ283のロッド284の先端は、ダンパ281を介して回動プレート278後側端部に接続される。シリンダ283は、回動プレート278を支持プレート277に対して回動させるように構成される。そして、回動ユニット276は、フレーム12に前後方向へスライド可能に支持される。
左右の連結ロッド280L,280Rは、前後方向に延びている。左の連結ロッド280Lの前端は、左のクランク74Lに接続する。左の連結ロッド280Lの後端は、回動プレート278の左側端部に接続する。右の連結ロッド280Rの前端は、右のクランク74Rに接続する。右の連結ロッド280Rの後端は、回動プレート278の右側端部に接続する。
シリンダ267は、バッテリ32の電力によってロッド275を伸縮させる電動シリンダである。シリンダ267は、フレーム12に固定される。シリンダ267のロッド275の前端は、ダンパ282を介して支持プレート277の後端に接続される。そして、シリンダ267は、回動ユニット276をフレーム12に対して前後方向へスライドさせるように構成される。
このような構成の昇降機構260は、シリンダ283によって回動プレート278を回動させることで、左右の操舵輪11L,11Rを能動的に互い違いに昇降させることができる。また、昇降機構260は、シリンダ267のロッド275を伸縮させることによって、左右の操舵輪11L,11Rを能動的に一緒に昇降させることができる。
なお、昇降機構260は、支持プレート277とシリンダ283のロッド284との間にはダンパ281を備え、回動ユニット276とシリンダ267のロッド275との間にはダンパ282を備える。したがって、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rと車体10との間における緩衝力の調整の自由度が高く、走行性及び乗り心地を向上させることができる。
また、昇降機構60は、例えば、運転者の体重移動によって、左右の操舵輪11L,11Rを受動的に互い違いに昇降させることができるように構成されても良い。このような構成としては、図9、図10に示される昇降機構160,260において、モータ179、シリンダ283を備えない構成であって、回動プレート178,278が能動的に回動しない構成が例示できる。なお、図10に示される昇降機構260のダンパ281は、支持プレート277と回動プレート278との間に配設される。
このように昇降機構60を運転者の体重移動によって左右の操舵輪11L,11Rを互い違いに昇降させる構成にすることで、不整地走行車1は重量が低減されて小型化及び軽量化が可能となるとともに、制御構成が簡略化される。そして、不整地走行車1は、機動性及び生産性が向上される。
また、昇降機構160,260は、左右の操舵輪11L,11Rを所望の位置で固定するロック機構を更に備える構成としても良い。このようなロック機構としては、支持プレート177,277に対する回動プレート178,278の回動を停止する構成が例示できる。より詳細には、支持プレート177,277に取り付けられ、パッド等で回動プレート178,278を両側から挟み込むことで回動プレート178,278の回動を制動する構成が例示できる。このような構成にすることで、不整地走行車1は、左右の操舵輪11L,11Rが互い違いに昇降する場合と昇降しない場合との2通りの形態をとることができ、使い勝手が良い。
また、昇降機構60は、左右の操舵輪11L,11Rを受動的に昇降させる構成であっても良い。このような構成としては、図9、図10に示される昇降機構160,260において、モータ179、シリンダ283、及びシリンダ167,267を備えない構成であって、回動ユニット176,276がフレーム12に固定される構成が例示できる。このような構成の場合、運転者の体重移動によって、左右の操舵輪11L,11Rが受動的に互い違いに昇降させられる。このような構成にすることで、不整地走行車1は重量が低減されて小型化及び軽量化が可能となるとともに、制御構成が簡略化される。そして、不整地走行車1は、機動性及び生産性が向上される。
また、昇降機構60は、左右のシリンダ67L,67R及びカウンタープレート68L,68Rを備えない構成であって、ダンパ69L,69Rの後端がフレーム12に接続される構成であっても良い。左右の操舵輪11L,11Rは、地面の凹凸に応じて受動的に昇降する。このような構成にすることで、不整地走行車1は、構成が簡易となり、生産性が向上する。
ここで、不整地走行車1は、クローラ部20が車体10の前部から後部に掛けて延びた鞍乗型の走行車である。車体10は、左右両側に、第1足踏み部16L,16Rを有する。そして、図11に例示されるように、運転者Dは、鞍乗型着座部13に着座して左右の第1足踏み部16L,16Rに足を載置した姿勢で乗車する。図11は、運転者Dの乗車姿勢の一例が模式的に示された側面図である。そして、不整地走行車1は、単一のクローラ部20によって走行し、運転者Dがクローラ部20を跨ぐように乗車する形態である。したがって、不整地走行車1は、車幅、車高、及び全長を小さくすることができ、自動二輪車のような高い機動性を有している。
また、不整地走行車1は、操舵輪11L,11Rがクローラ部20の左右両側にそれぞれ配置されているので、車体10の左右方向の傾倒が防止され、安定した走行が可能である。また、不整地走行車1は、クローラベルト27の左右方向の幅を狭くしても安定性が損なわれることはない。そして、不整地走行車1は、クローラベルト27の左右方向の幅を狭くすることで、旋回時におけるクローラ部20による摩擦抵抗を低減し、操舵性を向上することができる。
ここで、左右の第1足踏み部16L,16Rは前後方向に水平に延びている。したがって、運転者Dは、体格、好み等に応じて足を載置する場所を前後方向で移動させることがき、使い勝手が良い。
また、車体10は、左右両側に、第1足踏み部16L,16Rよりも後方に配置される第2足踏み部17L,17Rを有する。そして、運転者Dは、図11に例示された姿勢とは異なる姿勢で乗車することができる。例えば、運転者Dは、図12に例示されるように、傾斜地での上り走行をする場合において、鞍乗型着座部13に着座せずに、左右の第2足踏み部17L,17Rに足を載置して前方へ体重をかけた姿勢で乗車することもできる。図12は、運転者Dの別の乗車姿勢の一例が模式的に示された側面図である。このように、不整地走行車1は、運転者Dが前方へ体重をかけた姿勢で乗車することが可能であり、傾斜地での上り走行において後方への横転が防止される安定した走行ができる。そして、不整地走行車1は、急な傾斜、例えば傾斜角度が約30°の傾斜地であっても走破可能である。
また、左右の第2足踏み部17L,17Rは、前後方向に前低後高に傾斜して延びている。したがって、図12に例示されるような運転者Dの乗車姿勢がより安定する。また、左右の第2足踏み部17L,17Rは、前端が左右の第1足踏み部16L,16Rの後端にそれぞれ接続している。したがって、左右の第1足踏み部16L,16Rと左右の第2足踏み部17L,17Rとの間に切れ目がなく、運転者Dは、乗車姿勢を変更する際に足を踏み外しにくく、姿勢を容易に素早く変更することができる。
なお、第1足踏み部16L,16R及び第2足踏み部17L,17Rは上述の構成に限定されるものではない。第1足踏み部16L,16Rは、鞍乗型着座部13に着座した運転者Dが足を載置することができる構成であれば良い。第2足踏み部17L,17Rは第1足踏み部16L,16Rの後方に配置される構成であれば良い。
例えば、第1足踏み部16L,16R及び第2足踏み部17L,17Rは、フレーム12に取り付けられる構成であっても良く、クローラ部20のトラックフレーム28に取り付けられる構成であっても良い。また、第1足踏み部16L,16Rが取り付けられる部材と、第2足踏み部17L,17Rが取り付けられる部材は、異なっていても構わない。また、第1足踏み部16L,16Rは第2足踏み部17L,17Rと滑らかに接続され、第1足踏み部16L,16Rと第2足踏み部17L,17Rとが区切りなく一体に形成にされても良い。このような構成にすることで、運転者Dは第1足踏み部16L,16Rと第2足踏み部17L,17Rとの接続部にも足を載置することができる。また、第2足踏み部17L,17Rの前端が第1足踏み部16L,16Rの後端に接続しない構成であっても良い。例えば、第1足踏み部16L,16R及び第2足踏み部17L,17Rは、外方へ突出する円柱状に形成されても良い。
次に、本実施形態に係る不整地走行車1の制御系統について詳述する。図13は、不整地走行車1の制御系統の要部ブロック図である。不整地走行車1は、上述したように制御部80を備え、この制御部80によって不整地走行車1の動作が制御される。
制御部80は、種々の設定値や、各種センサによる検出値等の入力信号を読み込むとともに、制御信号を出力することによって、不整地走行車1の動作を制御するように構成されている。制御部80としては、演算処理および制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)、データが格納される主記憶装置、タイマ、入力回路、出力回路、並びに電源回路等の含まれたマイクロコンピュータが例示される。ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)に例示される主記憶装置には、本実施形態に係る動作を実行するための制御プログラムや、各種データが格納されている。なお、これらの各種プログラム等のデータは外部の記憶装置に格納され、制御部80が読み出す形態とされていても良い。
なお、制御部80の構成は特に限定されるものではない。不整地走行車1は、複数の制御部を備え、CAN(Controller Area Network)通信等の不整地走行車1における通信によってそれぞれが相互に通信可能な構成であっても良い。図13には、1つの制御部80によって昇降機構60を備える不整地走行車1の動作を制御する構成が例示されている。
制御部80には、クローラ部20のインバータ33、昇降機構60の左右のシリンダ67L,67R、左右のスイッチ群45L,45R、アクセルセンサAS等が電気的に接続されている。インバータ33は、モータ31に電気的に接続されている。アクセルセンサASは、ハンドルバー42に対する右のグリップ43Rの回動角度を検出するセンサである。左右のスイッチ群45L,45Rには、昇降機構60の操作を行う昇降操作スイッチが含まれる。なお、制御部80には、図13に例示された構成以外の各種センサやスイッチ、例えばバッテリの電圧や電流を検出するバッテリセンサ、車速制限スイッチ等が電気的に接続されている。
そして、制御部80は、アクセルセンサASの検出値に基づいてインバータ33へ制御信号を出力してモータ31の回転を変更することで不整地走行車1の走行速度を変更する。また、制御部80は、昇降操作スイッチの操作信号等に基づいて昇降機構60のシリンダ67L,67Rへ制御信号を出力し左右の操舵輪11L,11Rを昇降させる。
ここで、昇降操作スイッチは、グリップ43L,43Rを把持した状態で運転者が操作できる左右のスイッチ群45L,45Rに含まれる。したがって、運転者は、ハンドル40から手を離さずに昇降操作スイッチの操作ができ、運転操作性が低下することなく安全かつ容易に左右の操舵輪11L,11Rを昇降させることができる。なお、昇降操作スイッチは、左のシリンダ67Lを操作するスイッチと、右のシリンダ67Rを操作するスイッチとに分けられて構成されても良い。そして、左のシリンダ67Lを操作するスイッチは左のスイッチ群45Lに含まれ、右のシリンダ67Rを操作するスイッチは右のスイッチ群45Rに含まれることが好ましい。このような構成にすることで、運転者は、感覚に合わせた左右の操舵輪11L,11Rの昇降操作が可能となる。
なお、不整地走行車1は、上述の構成に限定されるものではない。上述の昇降機構60,160,260は、運転者によって操作される構成であるが、制御部80によって自動制御される構成であっても良い。
例えば、不整地走行車1は、水平基準面に対する車体10の姿勢角度を検出する姿勢角度センサを更に備え、制御部80が姿勢角度センサの検出値に応じて車体10の姿勢角度が所定の角度となるように昇降機構60,160,260を制御する構成であっても良い。姿勢角度は、車体10の左右方向の傾斜であるロール角度であっても良く、前後方向の傾斜であるピッチ角度であっても良く、この両方を含むものであっても良い。姿勢角度センサとしては、例えばジャイロセンサ等を用いることができる。このような構成にすることで、不整地走行車1は、例えば鞍乗型着座部13の座面を水平に保った走行ができ、不整地を走行する際の安定性や運転操作性が向上される。
また、不整地走行車1は、ハンドル40の回動角度を検出するハンドルセンサを更に備え、制御部80がハンドルセンサの検出値に応じて昇降機構60,160,260を制御する構成であっても良い。このような構成の場合、制御部80は、例えばハンドル40が左に回動された際には左の操舵輪11Lを上方へ移動して車体10を右に傾倒させ、ハンドル40が右に回動された際には右の操舵輪11Rを上方へ移動して車体10を右に傾倒させるように、昇降機構60,160,260を制御する。なお、制御部80は、左右の操舵輪11L,11Rが互い違いに昇降するように昇降機構60,160,260を制御して車体10を傾倒させるように構成されても構わない。このような構成にすることで、不整地走行車1は、よりスムースな旋回が可能となり、走行性が向上される。
また、不整地走行車1は、バッテリ32の電力で駆動する構成に限定されるものではなく、原動機としてのエンジン、燃料タンク等を備え、エンジンの動力によって駆動する構成であっても良い。
また、図示による説明は省略するが、不整地走行車1は、車体10の後部であって、鞍乗型着座部13の後方に配設される別のハンドルと、左右の操舵輪11L,11Rの後方であって、クローラ部20の左右両側にそれぞれ配置されて別のハンドルと連動する別の左右一対の操舵輪を更に備える構成であっても良い。つまり、不整地走行車1は、前後対称の構成であって、前部と後部にそれぞれ左右一対の操舵輪11L,11R及びハンドル40を備える構成であっても良い。このような構成にすることで、不整地走行車1は、運転者の乗車の向きを前後で入れ換えたスイッチバック方式の走行が可能となる。そして、不整地走行車1は、走路が狭い場所、例えば林間における走行性が向上される。
本実施形態に係る不整地走行車1にはサイズによる限定はない。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る不整地走行車1は、操舵部としてのハンドル40と鞍乗型着座部13とを有する車体10と、車体10の下方に配置されるクローラ部20と、ハンドル40に連動する左右一対の操舵輪11L,11Rと、を備え、クローラ部20は、車体10の前部から後部に掛けて延び、操舵輪11L,11Rは、クローラ部20の左右両側にそれぞれ配置されることを特徴とする。
そして、本実施形態によれば、不整地における高い機動性及び走破性を有し、簡易な構成で操舵が可能な不整地走行車1を提示することができる。
本発明の不整地走行車は、地面が軟弱であったり、起伏があったり、急な傾斜があったり、岩等の障害物があったりする不整地を移動するための走行車に適用することができる。特に、本発明の不整地走行車は、森林での作業を行う林業における移動車に好適に利用することができる。また、本発明の不整地走行車は、機動性が高いため、レジャーにおける移動車、モータースポーツにおける対象としても有用である。
1 不整地走行車
10 車体
11L,11R 操舵輪
13 鞍乗型着座部
16L,16R 第1足踏み部
17L,17R 第2足踏み部
20 クローラ部
40 ハンドル(操舵部)
60,160,260 昇降機構
61L,61R 第1支持部材
66L,66R 第2支持部材

Claims (6)

  1. 操舵部と鞍乗型着座部とを有する車体と、
    前記車体の下方に配置されるクローラ部と、
    前記操舵部に連動する左右一対の操舵輪と、
    を備え、
    前記クローラ部は、前記車体の前部から後部に掛けて延び、
    前記操舵輪は、前記クローラ部の左右両側にそれぞれ配置されることを特徴とする、不整地走行車。
  2. 前記クローラ部の前端は、前記操舵輪の前端よりも前方に位置することを特徴とする、
    請求項1に記載の不整地走行車。
  3. 前記操舵輪を前記車体に対して昇降させる昇降機構を備えることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の不整地走行車。
  4. 前記昇降機構は、前記操舵輪を支持する第1支持部材と、前記車体と前記第1支持部材とを接続する第2支持部材とを有し、
    前記第2支持部材は、前記車体に上下方向へ回動可能に接続されることを特徴とする、
    請求項3に記載の不整地走行車。
  5. 前記車体は、左右両側に、前記鞍乗型着座部に着座した運転者が足を載置する第1足踏み部と、前記第1足踏み部よりも後方に配置される第2足踏み部とを有することを特徴とする、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の不整地走行車。
  6. 前記第1足踏み部は、前後方向に水平に延び、
    前記第2足踏み部は、前後方向に前低後高に傾斜して延び、前端が前記第1足踏み部の後端に接続することを特徴とする、
    請求項5に記載の不整地走行車。
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