JP2019029423A - 剥離フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】金型および封止体に対する剥離性に優れるとともに、金型で挟んだ際にシワの発生が生じ難く、さらには、低分子量成分による金型の汚染が抑制された剥離フィルムを提供する。【解決手段】モールド封止により半導体パッケージ70を製造する際に使用される剥離フィルム10であって、剥離フィルム10が基材1と剥離剤層2と樹脂層3とを備え、剥離フィルム10の寸法変化率が長さ方向および幅方向ともに2.5%未満であり、基材1の引張弾性率が150MPa以上350MPa以下であり、剥離剤層2が多官能アミノ化合物と剥離成分とを含有する剥離剤組成物から形成されており、樹脂層3がエポキシ化合物とポリエステル樹脂と多官能アミノ化合物とを含有する樹脂層形成用組成物から形成されており、剥離フィルム10の樹脂層3側面の算術平均粗さRaが100nm以上1200nm以下である剥離フィルム10。【選択図】図1

Description

本発明は、モールド封止により半導体パッケージを製造する際に使用される剥離フィルムに関するものである。
半導体チップは、通常、封止樹脂等の封止材により封止し、半導体パッケージとされる。当該封止は、例えば、リードフレームやインターポーザなどの半導体基板に半導体チップをマウントし、それらを金型(モールド)にセットした後、金型の内部に封止樹脂を充填することで行われる(このような封止を、本明細書では「モールド封止」ということがある)。通常、半導体基板としては、マウント部分を複数備えるものが使用され、当該マウント部分の各々に半導体チップが1つずつマウントされた状態で封止が行われる。そのため、得られる封止体は、個々に封止された半導体チップが平面方向に複数並んだものとなる。このような封止体を適宜切り出すことで、複数の半導体パッケージが得られる。
上述のモールド封止を行う際には、得られた封止体と金型とを良好に剥離するために、剥離フィルムが用いられることがある。例えば、そのような剥離フィルムの例として、特許文献1には、含フッ素樹脂からなる剥離フィルムが開示されている。特許文献1には、当該剥離フィルムを、金型の凹凸に追従させて金型の表面に積層した後、封止樹脂を充填することが開示されている(段落0051)。また、特許文献1には、当該剥離フィルムを構成する含フッ素樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が好ましいことが開示されている(段落0024)。
近年、半導体パッケージの小型化や多ピン化が求められており、高密度実装が可能なChip Scale Package(CSP)等の表面実装型の半導体パッケージが注目されている。また、CSPの中でも、特にQuad Flat No Lead Package(QFN)方式の半導体パッケージが多く製造されている。このような半導体パッケージは、通常、半導体基板に対し半導体チップがマウントされた片面側のみを樹脂で封止した状態で製造される。特許文献2〜4には、このような方式の半導体パッケージを製造するために使用される剥離フィルムが開示されている。
特に、特許文献2および特許文献3には、半導体基板における半導体チップがマウントされた面と、当該面に相対する金型との間に介在させて使用される剥離フィルムが開示されている(特許文献2の図10、特許文献3の図3)。特許文献2の剥離フィルムは、4フッ化エチレンと6フッ化プロピレンとの共重合体(FEP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等からなるフィルムである(段落0010)。また、特許文献3の剥離フィルムは、延伸ポリエステル樹脂フィルムからなる基材フィルムの少なくとも片面に、フッ素樹脂からなるフィルムが積層されてなる積層フィルムである(請求項1)。
一方、特許文献4には、半導体基板における半導体チップがマウントされた側とは反対の面と、当該面に相対する金型との間に介在させて使用される剥離フィルムが開示されている(特許文献4の図2)。なお、特許文献4の剥離フィルムは、基材の片面に、微粒子を含有しかつ表面が凹凸である凹凸層が形成され、もう片面に樹脂層が形成されたフィルムである(請求項1)。
特許第5752106号 特開平8−142106号公報 特開2006−49850号公報 特開2014−212239号公報
ところで、特許文献1に開示されるような、含フッ素樹脂からなる剥離フィルムは柔軟性が比較的高いものであるため、このような剥離フィルムを、前述したQFN方式等の半導体パッケージの製造において、半導体基板における半導体チップがマウントされた側とは反対の面と、当該面に相対する金型との間に介在させて使用する場合には、剥離フィルムにシワが発生し易い。その結果、半導体基板および金型に対する剥離フィルムの密封性が不十分となるという問題がある。特に、QFN型パッケージには、リードフレームの配線パターンで樹脂封止側とその反対面側とを貫通する孔が形成されているため、剥離フィルムによるリードフレームの密封性が不十分であると、封止樹脂が当該孔を通過して、リードフレームにおける半導体チップがマウントされた側とは反対の面に付着し(以下「樹脂漏れ」ということがある。)、その結果、半導体パッケージの歩留りが低下するという問題がある。
また、モールド封止では、加熱して流動性を持たせた封止樹脂を金型内部に充填するため、剥離フィルムは、150℃〜200℃といった高温に曝されることとなる。このため、特許文献1〜3に開示されるような剥離フィルムが高温に曝されると、剥離フィルム内部に含有されている低分子量成分が剥離フィルムから放出され、さらに、当該低分子量成分が金型に付着してしまい、金型を汚染する問題がある。このような金型の汚染が進むと、金型表面の平坦性が失われ、剥離フィルムと金型との密封性が悪化し、その結果、上述したような樹脂漏れの問題も引き起こす。そのため、金型を定期的に洗浄する必要が生じ、生産性が低下する。
また、特許文献4に開示される剥離フィルムは、封止樹脂に接する層となる凹凸層に剥離成分が含まれていないため、得られた封止体と剥離フィルムとを剥離する際の剥離性が不十分である。
一方、加熱した封止樹脂を金型内部に充填する際、金型内部における封止樹脂の流入口の付近は、高温の封止樹脂に長時間曝されることとなる。そのため、剥離フィルムの耐熱性が十分でない場合には、上記流入口付近に位置する部分において、剥離フィルムを構成する表面の層の凝集破壊が発生し、封止体から剥離フィルムを剥離する際の剥離性が不十分となる。特に、剥離フィルムが、表面の層として剥離剤層を備える場合には、剥離剤層の封止体への転着が生じたり、剥離剤の凝集破壊により剥離フィルムを構成する基材と封止樹脂との接着が生じることで、剥離不良が発生する問題がある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、金型および封止体に対する剥離性に優れるとともに、金型で挟んだ際にシワの発生が生じ難く、さらには、低分子量成分による金型の汚染が抑制された剥離フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、モールド封止により半導体パッケージを製造する際に使用される剥離フィルムであって、前記剥離フィルムが、基材と、前記基材の一方の面側に設けられた剥離剤層と、前記基材の他方の面側に設けられた樹脂層とを備え、前記剥離フィルムの180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が、長さ方向で2.5%未満であり、幅方向で2.5%未満であり、前記基材の23℃における引張弾性率が、150MPa以上、350MPa以下であり、前記剥離剤層が、多官能アミノ化合物と、剥離成分とを含有する剥離剤組成物から形成されており、前記樹脂層が、エポキシ化合物と、ポリエステル樹脂と、多官能アミノ化合物とを含有する樹脂層形成用組成物から形成されており、前記剥離フィルムにおける前記樹脂層側の面における算術平均粗さRaが、100nm以上、1200nm以下であることを特徴とする剥離フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)では、剥離フィルムを構成する基材が、上述した引張弾性率を示すとともに、剥離フィルムの180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が上述した範囲であることにより、金型で挟んだ際にシワの発生が生じ難くなる。また、剥離フィルムが、上述した剥離剤組成物から形成された剥離剤層を備えることにより、封止体に対する剥離フィルムの剥離性が優れたものとなる。また、剥離フィルムが、上述した樹脂層形成用組成物から形成された樹脂層を備えることにより、低分子量成分による金型の汚染が抑制される。さらに、剥離フィルムにおける樹脂層側の面における算術平均粗さRaが上述した範囲であることにより、金型に対する剥離フィルムの剥離性が優れたものとなる。
上記発明(発明1)において、前記基材を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂から選択される少なくとも一種であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記基材は、粒子を含むことが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記剥離剤組成物に含有される多官能アミノ化合物は、メラミン樹脂であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記剥離成分は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有するポリオルガノシロキサンであることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明1〜5)において、前記剥離成分は、温度23℃の環境下において液体であることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、前記エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)において、前記樹脂層形成用組成物に含有される多官能アミノ化合物は、メラミン樹脂であることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1〜8)において、前記ポリエステル樹脂は、活性水酸基を有することが好ましい(発明9)。
上記発明(発明1〜9)においては、半導体基板における半導体チップがマウントされた面とは反対側の面と、金型との間に配置されて使用されることが好ましい(発明10)。
本発明に係るモールド封止用剥離フィルムは、金型および封止体に対する剥離性に優れるとともに、金型で挟んだ際にシワの発生が生じ難く、さらには、低分子量成分による金型の汚染が抑制される。
本発明の一実施形態に係る剥離フィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係る剥離フィルムを使用した半導体パッケージの製造方法の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る剥離フィルムを使用した半導体パッケージの製造方法の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.剥離フィルムの構成
図1には、本実施形態に係る剥離フィルム10の断面図が示される。図1に示されるように、剥離フィルム10は、基材1と、基材1の一方の面側に設けられた剥離剤層2と、基材1の他方の面側に設けられた樹脂層3とを備える。
(1)基材
本実施形態に係る剥離フィルム10では、基材1の23℃における引張弾性率が、150MPa以上、350MPa以下である。これにより、本実施形態に係る剥離フィルム10は、剛性に優れたものとなる。また、後述する通り、本実施形態に係る剥離フィルム10では、180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が、長さ方向で2.5%未満であり、幅方向で2.5%未満であり、これにより、本実施形態に係る剥離フィルム10は、耐熱性に優れたものとなる。このように、本実施形態に係る剥離フィルム10は、剛性および耐熱性に優れることにより、モールド封止での使用において、剥離フィルム10を金型で挟み、且つ剥離フィルム10が加熱された場合であっても、剥離フィルム10におけるシワの発生が抑制される。その結果、得られる封止体の表面に当該シワが転写されることを抑制することができる。また、剥離フィルム10におけるシワの発生が抑制されることで、剥離フィルム10は、当該剥離フィルム10が接する半導体基板や金型に対して良好な密封性を示すものとなる。特に、剥離フィルム10を、半導体基板における半導体チップがマウントされた面側のみがモールド封止される半導体パッケージの製造に使用する場合には、剥離フィルム10が半導体基板および金型に対して良好に密封固定される結果、封止樹脂が半導体基板を貫通する孔を通過して、半導体基板における半導体チップがマウントされた側とは反対の面に付着すること(樹脂漏れ)が抑制される。これにより、本実施形態に係る剥離フィルム10を使用することで、高い歩留まりで半導体パッケージを製造することが可能となる。
基材1の23℃における引張弾性率が150MPa未満であると、剥離フィルム10の剛性が低下して、モールド封止に使用した際にシワが発生し易くなり、その結果、封止体へのシワの転写が生じたり、樹脂漏れが生じ易くなる。基材1の剛性をより向上させ、シワの発生をより効果的に抑制し、その結果、樹脂漏れを効果的に抑制する観点から、基材1の23℃における引張弾性率は、175MPa以上であることが好ましく、特に200MPa以上であることが好ましい。
また、23℃における引張弾性率が350MPaを超えると、剥離フィルム10が過度に剛性を有するものとなり、剥離フィルム10が取り扱い難いものとなる。剥離フィルム10の取り扱い性をより向上する観点から、23℃における引張弾性率は、325MPa以下であることが好ましく、特に300MPa以下であることが好ましい。
基材1を構成する材料としては、基材1が上述した23℃における引張弾性率を達成できるものであれば特に限定されない。特に、基材1を構成する材料に含有される樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂の少なくとも一種を使用することが好ましい。
上記ポリエステル樹脂としては、本実施形態の効果を奏する限り特に限定されず、例えば、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物または不乾性油脂肪酸などで縮合物を変性した不転化性ポリエステル化合物、および二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル化合物などが挙げられる。ポリエステル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニット、ソルビット等の四価以上の多価アルコールが挙げられる。これらの多価アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメット酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等の脂肪族不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、テルペン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレイン酸付加物等のディールス・アルダー反応によって得られる多塩基酸などを挙げることができる。これらの多塩基酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材1を構成する具体的なポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、特にポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。また、基材1は、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムであることが好ましく、特に二軸延伸フィルムであることが好ましい。したがって、基材1としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することが特に好ましい。
また、基材1は、粒子を含むことが好ましい。基材1が粒子を含むことで、基材1は、その表面に、粒子に起因した凹凸を有するものとなる。これにより、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaが後述する範囲を満たし易くなり、剥離フィルム10の金型に対する剥離フィルム10の剥離性がより優れたものとなる。
なお、基材1の表面に所望の凹凸を形成する方法としては、基材1の表面に対して粒状物(サンド)を吹き付けて、凹凸を形成するサンドブラスト法も存在する。しかしながら、サンドブラスト法で処理した基材では、表面に残存する粒状物を完全に除去することは困難となる。そのため、サンドブラスト法による処理を行った基材を備えた剥離フィルムをモールド封止に使用した場合、基材に残存した粒状物が半導体基板と剥離フィルムとの間に入り、封止樹脂による封止性が悪化したり、樹脂漏れが発生して生産性が低下するという問題がある。しかしながら、上述のように、基材1に粒子を含有させて、表面に凹凸を形成した場合には、上述の問題が発生せず、より優れた生産性にて半導体パッケージを製造することが可能となる。
上記粒子の例としては、基材1が上述した23℃における引張弾性率を達成できるとともに、基材1が所望の耐熱性を有するものとなる限り、特に限定されない。例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオリン、クレー、カーボンブラック等からなる無機粒子が挙げられる。これらの中でも、粒径分布および製膜性に優れるという観点から、酸化ケイ素(シリカ)が好ましい。なお、粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。粒子の形状は、球状等の定形であってもよく、形状が特定されない不定形であってもよい。
上記粒子の平均粒径は、3μm以上であることが好ましく、特に3.5μm以上であることが好ましく、さらには4μm以上であることが好ましい。上記粒子の平均粒径は、10μm以下であることが好ましく、特に9μm以下であることが好ましく、さらには8μm以下であることが好ましい。粒子の平均粒径が上述した範囲であることで、基材1の表面に所望の凹凸が形成され易くなり、それに伴い、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaが後述する範囲を満たし易くなり、剥離フィルム10の金型に対する剥離フィルム10の剥離性がより優れたものとなる。なお、本明細書において、粒子の平均粒径はレーザ回折散乱法により測定したものとする。
基材1を構成する材料中における粒子の含有量は、3質量%以上であることが好ましく、特に4質量%以上であることが好ましく、さらには5質量%以上であることが好ましい。また、当該含有量は、30質量%以下であることが好ましく、特に25質量%以下であることが好ましく、さらには20質量%以下であることが好ましい。粒子の含有量が上記範囲であることで、基材1の表面に所望の凹凸が形成され易くなり、それに伴い、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaが後述する範囲を満たし易くなり、剥離フィルム10の金型に対する剥離フィルム10の剥離性がより優れたものとなる。
本実施形態に係る剥離フィルム10では、基材1における少なくとも一方の面における算術平均粗さRaが、100nm以上であることが好ましく、特に150nm以上であることが好ましく、さらには200nm以上であることが好ましい。また、当該算術平均粗さRaは、1200nm以下であることが好ましく、特に1000nm以下であることが好ましく、さらには800nm以下であることが好ましい。基材1における少なくとも一方の面における算術平均粗さRaが100nm以上であると、当該算術平均粗さRaを満たす面に樹脂層3を形成した場合に、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaが後述する範囲を満たし易くなり、剥離フィルム10の金型に対する剥離フィルム10の剥離性がより優れたものとなる。また、当該算術平均粗さRaが1200nm以下であることで、フィルム製膜時に基材1の破断などが起き難くなるという利点がある。なお、基材1における算術平均粗さRaは、後述する試験例1の方法を、測定対象を基材として適用することにより、測定することができる。
本実施形態に係る剥離フィルム10では、基材1の厚さが、20μm以上であることが好ましく、特に25μm以上であることが好ましく、さらには30μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、150μm以下であることが好ましく、特に125μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。基材1の厚さが20μm以上であることで、基材1が良好な剛性を有し易くなり、それに伴い、剥離フィルム10をモールド封止に使用した際のシワの発生を効果的に抑制することが可能となる。また、基材1の厚さが150μm以下であることで、剥離フィルム10がより良好なハンドリング性を有するものとなるとともに、製造コストを抑えることができる。
(2)剥離剤層
本実施形態における剥離剤層2は、多官能アミノ化合物と、剥離成分とを含有する剥離剤組成物から形成されたものである。剥離剤層2が当該剥離剤組成物から形成されたものであることで、剥離フィルム10における樹脂層3側の面を金型に向け、且つ剥離剤層2側の面を半導体チップや半導体基板に向けて配置してモールド封止した場合に、得られる封止体に対して、剥離フィルムが優れた剥離性を発揮するものとなる。また、剥離剤組成物が多官能アミノ化合物を含有することで、得られる剥離剤層2は、多官能アミノ化合物によって形成される三次元構造を含むものとなる。それにより、剥離剤層2は、高い強度および優れた耐熱性を有するものとなり、剥離剤層2の凝集破壊の発生が抑制される。これにより、剥離性が良好に維持されるとともに、剥離剤層2の封止体への転着が抑制される。さらには、剥離剤層2の凝集破壊した部分において、基材1と封止樹脂とが直接接して接着してしまい、剥離不良が生じる、という問題も抑制される。
上記多官能アミノ化合物としては、三次元構造を形成して剥離剤層2を構成できるものであれば特に制限されず、例えば、後述するメラミン樹脂、メチル化尿素化合物、ブチル化尿素化合物等の尿素化合物、メチル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチル化ベンゾグアナミン化合物等のベンゾグアナミン化合物、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、p−キシリレンジアミン等のジアミン類等を使用することができる。これらの中でも、硬化性の観点からメラミン樹脂が好ましい。
上記メラミン樹脂は、具体的には、下記一般式(a)で示されるメラミン化合物、または2個以上の当該メラミン化合物が縮合してなる多核体を含有することが好ましい。なお、一般的に、「メラミン樹脂」とは、複数種のメラミン化合物および/または当該メラミン化合物が縮合してできる多核体を含む混合物を意味するが、本明細書においては、「メラミン樹脂」という語句は、上記混合物または1種のメラミン化合物の集合物を意味するものとする。
Figure 2019029423
式(a)中、Xは、−H、−CH−OH、または−CH−O−Rを示す。上記−CH−O−R基において、Rは、炭素数1〜8個のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。上記Xは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、上記Rは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(a)で示されるメラミン樹脂の中でも、剥離剤組成物に含有される多官能アミノ化合物としては、メチル化メラミン、イミノメチロールメラミン、メチロールメラミン、ブチル化メラミン等が好ましく、特にメチル化メラミンが好ましい。
上記剥離成分としては、剥離フィルム10が剥離剤層2において所望の剥離性を発揮できるものであれば、特に限定されず、例えば、シリコーン系剥離成分、フッ素系剥離成分、長鎖アルキル系剥離成分、アルキド系剥離成分、オレフィン系剥離成分、アクリル系剥離成分、ゴム系剥離成分等を使用することができる。これらの剥離成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、剥離剤層2に所望の剥離性および耐熱性を付与し易く、剥離成分のブリードアウトが生じ難いという観点から、シリコーン系剥離成分を使用することが好ましい。
シリコーン系剥離成分としては、剥離性を発揮できるものであれば、特に限定されない。例えば、シリコーン系剥離成分としては、特に、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有するポリオルガノシロキサンを使用することが好ましい。当該ポリオルガノシロキサンが水酸基を有することで、多官能アミノ化合物が当該水酸基と反応可能な反応性基を有する場合に、ポリオルガノシロキサンが有する水酸基と、多官能アミノ化合物が有する反応性基との間で反応が生じ、ポリオルガノシロキサンが多官能アミノ化合物に繋がった構造が形成される。この場合、モールド封止により封止体を製造する際に、剥離フィルム10の剥離剤層2から封止体に対してポリオルガノシロキサンが移行することを効果的に抑制することが可能となる。
より具体的には、上記ポリオルガノシロキサンは、下記の一般式(b)で示される構造を有することが好ましい。
Figure 2019029423
式(b)中、mは1以上の整数である。また、R〜Rの少なくとも1個は、水酸基または水酸基を有する有機基であることが好ましい。特に、R〜Rの少なくとも1個が水酸基または水酸基を有する有機基であることが好ましい。すなわち、水酸基の少なくとも1個は、ポリオルガノシロキサンの末端に存在することが好ましい。水酸基が末端に存在することで、ポリオルガノシロキサンが多官能アミノ化合物との間で縮合反応し易くなり、上記移行が効果的に抑制される。
式(b)中、R〜Rのうち、水酸基以外の基の少なくとも1個は、有機基であることが好ましい。ここで、式(b)中のR〜Rの少なくとも1個が水酸基である場合、その他のR〜Rに含まれる有機基は、水酸基を有する有機基であってもよく、または水酸基を有しない有機基であってもよい。一方、式(b)中のR〜Rのいずれもが水酸基でない場合、その他のR〜Rに含まれる有機基は、水酸基を有する有機基であることが好ましい。なお、本明細書において、「有機基」は、後述するアルキル基を含まないものとする。式(b)で表されるポリオルガノシロキサンは、水酸基を有する有機基または水酸基を有しない有機基を1分子中に少なくとも1個有することが好ましく、特に1〜10個有することが好ましく、さらには1〜5個有することが好ましい。ここで、有機基は、ポリエステル基およびポリエーテル基から選択される1種類以上の有機基であることが好ましい。1分子中にポリエステル基およびポリエーテル基の両方が存在していてもよい。ポリエステル基またはポリエーテル基に水酸基が含まれる場合、当該水酸基はこれらの有機基の末端に存在していてもよく、または、これらの有機基の側鎖に存在していてもよい。ポリオルガノシロキサンが上記有機基を有することで、剥離剤組成物(の塗布液)中においてポリオルガノシロキサンと多官能アミノ化合物とが良好に混合され、硬化の際においてこれらが極端に相分離することが抑制される。
式(b)中、R〜Rのうち、上述した基以外の基は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
〜Rは同一であっても異なっていてもよい。また、RおよびRが複数存在する場合、RおよびRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、500以上であることが好ましく、特に1000以上であることが好ましく、さらには2000以上であることが好ましい。また、上記ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、20000以下であることが好ましく、特に15000以下であることが好ましく、さらには10000以下であることが好ましい。ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が500以上であることで、剥離剤層2の剥離面における表面自由エネルギーが適度に低下し、所望の剥離性を発揮し易くなる。また、ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が20000以下であることで、剥離剤組成物の粘度が過度に高くなることが抑制され、剥離剤組成物を基材1に塗工し易くなる。
本実施形態に係る剥離フィルム10において、剥離成分は、温度23℃の環境下において液体であることが好ましい。一般的に、モールド封止の際に剥離剤層2が加熱されると、剥離剤層2から剥離成分が放出されることがある。そして、モールド封止の完了後、常温に戻された金型の表面に、放出された剥離成分が固形物として堆積することがある。しかしながら、本実施形態に係る剥離フィルム10において、剥離成分が温度23℃の環境下において液体であることで、そのような固形物の堆積を効果的に抑制することができる。
剥離剤組成物中における剥離成分の含有量は、多官能アミノ化合物100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、特に0.25質量部以上であることが好ましく、さらには0.5質量部以上であることが好ましい。また、剥離剤組成物中における剥離成分の含有量は、多官能アミノ化合物100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、特に25質量部以下であることが好ましく、さらには20質量部以下であることが好ましい。剥離剤組成物中における剥離成分の含有量が0.1質量部以上であることで、剥離剤層2の剥離面の表面自由エネルギーが十分に低下し、所望の剥離力を達成することができる。一方、剥離剤組成物中における剥離成分の含有量が30質量部以下であることで、剥離成分が剥離剤層2からブリードアウトすることを効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る剥離フィルム10では、剥離剤層2の厚さが、30nm以上であることが好ましく、特に40nm以上であることが好ましく、さらには50nm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、300nm以下であることが好ましく、特に280nm以下であることが好ましく、さらには250nm以下であることが好ましい。剥離剤層2の厚さが30nm以上であることで、剥離フィルム10が剥離剤層2において所望の剥離性を発揮し易いものとなる。また、剥離剤層2の厚さが300nm以下であることで、剥離フィルム10がより良好なハンドリング性を有するものとなるとともに、製造コストを抑えることができる。
(3)樹脂層
本実施形態における樹脂層3は、エポキシ化合物と、ポリエステル樹脂と、多官能アミノ化合物とを含有する樹脂層形成用組成物から形成されたものである。当該樹脂層形成用組成物から形成された樹脂層3は、適度な架橋密度で架橋された構造を有するものとなり、剥離フィルム10が加熱された際に基材1や剥離剤層2から放出される低分子量成分の透過に対してバリア性を発揮することができる。特に、剥離フィルム10における樹脂層3側の面を金型に向け、且つ剥離剤層2側の面を半導体チップや半導体基板に向けて配置してモールド封止した場合に、基材1と金型との間に樹脂層3が存在することで、基材1や剥離剤層2から放出される低分子量成分の金型への移行を樹脂層3が遮断することができる。これにより、金型表面における低分子量成分の付着が抑制される。
さらに、上記樹脂層形成用組成物がポリエステル樹脂を含有することで、形成される樹脂層3にはバリア性を維持したまま適度な柔軟性も付与されるものとなる。これにより、剥離フィルム10に圧力や衝撃が加えられた場合であっても、樹脂層3におけるクラックの発生が抑制され、当該クラックを通って低分子量成分が金型へ移行することも抑制される。この点からも、金型表面における低分子量成分の付着が抑制される。
以上のように、金型表面における低分子量成分の付着が抑制されることにより、金型表面の平坦性が良好に維持され、剥離フィルム10と金型との密封性も優れたものとなる。その結果、剥離フィルム10を、半導体基板における半導体チップがマウントされた面側のみがモールド封止される半導体パッケージの製造に使用する場合において、封止樹脂が半導体基板を貫通する孔を通過して、半導体基板における半導体チップがマウントされた側とは反対の面に付着すること(樹脂漏れ)が効果的に抑制される。
上記エポキシ化合物としては、所望の架橋密度を有する樹脂層3を形成できるものであれば特に制限されない。当該エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジルエーテル;アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂;ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等のように、分子内の炭素−炭素二重結合を例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシドを挙げることができる。その他、ビフェニル骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、ナフタレン骨格等を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。これらのエポキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述したエポキシ樹脂の中でも、所望の架橋密度を達成し易いという観点から、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、すなわちビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
上記エポキシ化合物の重量平均分子量は、10000以上であることが好ましく、特に12000以上であることが好ましく、さらには15000以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量は、50000以下であることが好ましく、特に45000以下であることが好ましく、さらには40000以下であることが好ましい。エポキシ化合物の重量平均分子量が10000以上であることであることで、樹脂層3が所望の架橋密度の硬化被膜を形成し易くなり、それにより、金型表面に低分子量成分が付着することを効果的に抑制することができる。また、当該重量平均分子量が50000以下であることで、樹脂層3に適度な柔軟性を付与することができ、剥離フィルム10に圧力や衝撃が加えられた際の、樹脂層3におけるクラックの発生を効果的に抑制することができる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
樹脂層形成用組成物中におけるエポキシ化合物の配合量は、樹脂層形成用組成物の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、特に55質量%以上であることが好ましく、さらには60質量%以上であることが好ましい。また、当該配合量は、樹脂層形成用組成物の全質量に対して、80質量%以下であることが好ましく、特に75質量%以下であることが好ましく、さらには70質量%以下であることが好ましい。樹脂層形成用組成物中におけるエポキシ化合物の配合量が上述の範囲であることで、良好なバリア性を発揮する樹脂層3を形成し易くなり、それより、金型表面に低分子量成分が付着することを効果的に抑制することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、所望の架橋密度および柔軟性を有する樹脂層3を形成できるものであれば特に制限されず、例えば、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応によって得られる樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、二塩基酸と二価アルコールとの縮合物又は不乾性油脂肪酸などで当該縮合物を変性した不転化性ポリエステル化合物、及び二塩基酸と三価以上のアルコールとの縮合物である転化性ポリエステル化合物などが挙げられる。ポリエステル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂層形成用組成物に含有されるポリエステル樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の活性水素基を有することが好ましく、特に水酸基を有することが好ましい。ポリエステル樹脂が活性水素基を有することで、ポリエステル樹脂は、当該基を介して、多官能アミノ化合物と架橋構造を形成することが可能となる。これにより、良好なバリア性を発揮する樹脂層3を形成し易くなるとともに、ポリエステル樹脂が樹脂層3から金型や封止体に移行することを効果的に抑制することができる。
ポリエステル樹脂が活性水酸基を有する場合、当該ポリエステル樹脂の水酸基価は、5mgKOH/g以上であることが好ましく、特に10mgKOH/g以上であることが好ましい。また、当該水酸基価は、500mgKOH/g以下であることが好ましく、特に300mgKOH/g以下であることが好ましい。当該水酸基価が上記範囲であることで、ポリエステル樹脂は、多官能アミノ化合物との間で適度な密度の架橋構造を形成し、それにより、良好なバリア性を発揮する樹脂層3を形成し易くなる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、500以上であることが好ましく、特に1000以上であることが好ましい。また、当該数平均分子量(Mn)は、10000以下であることが好ましく、特に5000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が上記範囲であることで、適度な柔軟性を有する樹脂層3を形成し易くなる。なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgは、0℃以上であることが好ましく、特に10℃以上であることが好ましい。また、当該ガラス転移温度Tgは、50℃以下であることが好ましく、特に40℃以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgが上記範囲であることで、適度な柔軟性を有する樹脂層3を形成し易くなる。
樹脂層形成用組成物中におけるポリエステル樹脂の配合量は、エポキシ化合物100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、特に7.5質量部以上であることが好ましく、さらには10質量部以上であることが好ましい。また、樹脂層形成用組成物中におけるポリエステル樹脂の配合量は、エポキシ化合物100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、特に45質量部以下であることが好ましく、さらには40質量部以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の配合量が上記範囲であることで、良好なバリア性を発揮するとともに所望の柔軟性を有する樹脂層3を形成し易くなる。
また、樹脂層形成用組成物中におけるポリエステル樹脂の配合量は、樹脂層形成用組成物の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、特に10質量%以上であることが好ましく、さらには15質量%以上であることが好ましい。また、樹脂層形成用組成物中におけるポリエステル樹脂の配合量は、樹脂層形成用組成物の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、特に25質量%以下であることが好ましく、さらには20質量%以上であることが好ましい。ポリエステル樹脂の配合量が上記範囲であることで、良好なバリア性を発揮するとともに所望の柔軟性を有する樹脂層3を形成し易くなる。
上記多官能アミノ化合物は、所望の架橋密度を有する樹脂層3を形成できるものであれば特に制限されない。樹脂層形成用組成物に含有される多官能アミノ化合物としては、例えば、剥離剤組成物に含有される前述した多官能アミノ化合物と同様のものを使用することができる。
樹脂層形成用組成物中における多官能アミノ化合物の配合量は、エポキシ化合物100質量部に対して、15質量部以上であることが好ましく、特に20質量部以上であることが好ましく、さらには25質量部以上であることが好ましい。また、樹脂層形成用組成物中における多官能アミノ化合物の配合量は、エポキシ化合物100質量部に対して、60質量部以下であることが好ましく、特に55質量部以下であることが好ましく、さらには50質量部以下であることが好ましい。多官能アミノ化合物の配合量が上記範囲であることで、良好なバリア性を発揮する樹脂層3を形成し易くなる。
また、樹脂層形成用組成物中における多官能アミノ化合物の配合量は、樹脂層形成用組成物の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、特に15質量%以上であることが好ましく、さらには20質量%以上であることが好ましい。また、樹脂層形成用組成物中における多官能アミノ化合物の配合量は、樹脂層形成用組成物の全質量に対して、40質量%以下であることが好ましく、特に35質量%以下であることが好ましく、さらには30質量%以下であることが好ましい。多官能アミノ化合物の配合量が上記範囲であることで、良好なバリア性を発揮するとともに、所望の柔軟性を有する樹脂層3を形成し易くなる。
樹脂層3の厚さは、30nm以上であることが好ましく、特に50nm以上であることが好ましく、さらには80nm以上であることが好ましい。また、樹脂層3の厚さは、300nm以下であることが好ましく、特に250nm以下であることが好ましく、さらには200nm以下であることが好ましい。樹脂層の厚さが30nm以上であることで、金型における低分子量成分の汚染を効果的に抑制することができる。また、樹脂層の厚さが300nm以下であることで、樹脂層形成用組成物の硬化収縮に伴う剥離フィルム10のカールを効果的に抑制することができるとともに、基材1の表面に存在する凹凸が樹脂層3によって埋まり難いものとなり、これにより、剥離フィルム10における樹脂層3側の面が後述する算術平均粗さRaを有し易いものとなる。
2.剥離フィルムの物性
本実施形態に係る剥離フィルム10では、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaが、100nm以上であり、200nm以上であることが好ましく、特に300nm以上であることが好ましい。当該算術平均粗さRaが100nm未満であると、剥離フィルム10における樹脂層3側の面を金型に向け、且つ剥離剤層2側の面を半導体チップや半導体基板に向けて配置してモールド封止した場合に、剥離フィルム10が金型に対して十分な剥離性を示さないものとなる。また、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaは、1200nm以下であり、1000nm以下であることが好ましく、特に800nm以下であることが好ましい。当該算術平均粗さRaが1200nmを超えると、剥離フィルム10と金型との密封性が低下し、樹脂漏れが発生し易くなるという問題が生じる。なお、上記算術平均粗さRaの測定方法は、後述する試験例1に示す通りである。
本実施形態に係る剥離フィルム10では、180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が、長さ方向で2.5%未満であり、幅方向で2.5%未満である。これにより、剥離フィルム10は耐熱性に優れたものとなる。また、前述した通り、基材1の23℃における引張弾性率が所定の範囲となることにより、剥離フィルム10は剛性に優れたものとなる。このように、本実施形態に係る剥離フィルム10は、耐熱性および剛性に優れることにより、剥離フィルム10をモールド封止に使用した際のシワの発生を抑制することが可能となる。
当該シワの発生をより効果的に抑制する観点から、本実施形態に係る剥離フィルム10は、180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が、長さ方向で2.0%未満であることが好ましい。また、同様の観点から、本実施形態に係る剥離フィルム10は、180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が、幅方向で2.0%未満であることが好ましい。特に、本実施形態に係る剥離フィルム10では、長さ方向および幅方向の寸法変化率が、ともに2.0%未満であると、上述したシワの発生を抑制する効果をより顕著なものとすることができる。なお、上記寸法変化率の測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
3.剥離フィルムの製造方法
本実施形態に係る剥離フィルム10の製造方法は、特に制限されず、例えば、基材1の一方の面に、前述した樹脂層形成用組成物を用いて樹脂層3を形成した後、基材1の他方の面に、前述した剥離剤組成物を用いて剥離剤層2を形成することで、剥離フィルム10を得ることができる。特に、樹脂層3の形成は、前述した樹脂層形成用組成物及び所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、乾燥し、硬化させることで、樹脂層3を形成することができる。また、剥離剤層2の形成は、前述した剥離剤組成物及び所望により有機溶剤を含有する塗工液を塗工した後、乾燥し、硬化させることで、剥離剤層2を形成することができる。なお、剥離剤層2および樹脂層3を形成する順序は、上記の順番に限られず、先に剥離剤層2を形成した後に樹脂層3を形成してもよい。
上記塗工方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
上記有機溶剤としては特に制限はなく、様々なものを用いることができる。例えばトルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素化合物をはじめ、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びこれらの混合物等が用いられる。特に、剥離剤組成物を希釈するための有機溶剤としては、イソプロピルアルコールとイソブチルアルコールとの混合液(質量比4:1)を使用することが好ましい。また、樹脂層形成用組成物を希釈するための有機溶剤としては、トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒(質量比率50:50)を使用することが好ましい。
上記のように塗工した樹脂層形成用組成物は、熱硬化させることが好ましい。この場合の加熱温度は80℃以上、150℃以下であることが好ましく、加熱時間は10秒以上、3分以下であることが好ましい。特に、樹脂層形成用組成物の塗膜は、150℃で1分間加熱することで硬化させることが好ましい。
また、上記のように塗工した剥離剤組成物も、熱硬化させることが好ましい。この場合の加熱温度は80℃以上、150℃以下であることが好ましく、加熱時間は10秒以上、3分以下であることが好ましい。特に、剥離剤組成物の塗膜は、150℃で1分間加熱することで硬化させることが好ましい。
4.剥離フィルムの使用方法
本実施形態に係る剥離フィルム10は、モールド封止により半導体パッケージを製造する際に使用されるものである。本実施形態に係る剥離フィルム10は、特に、QFN方式の他、BGA方式等の半導体パッケージのように、半導体基板における半導体チップがマウントされた面側のみを封止した状態で製造される半導体パッケージの製造に使用することが好ましい。この場合において、特に、剥離フィルム10は、半導体基板における半導体チップがマウントされた側とは反対の面と、当該面に相対する金型との間に介在させて使用することが好ましい。
図2および図3には、本実施形態に係る剥離フィルム10の使用方法の一例として、本実施形態に係る剥離フィルム10を使用した半導体パッケージの製造方法の一例が示されている。本実施形態における半導体パッケージの製造方法では、まず、図2(a)に示されるように、複数の半導体チップ20がマウントされた半導体基板30を用意した後、それを、図2(b)に示されるように、下金型40bにセットする。このとき、下金型40bにおける複数のキャビティ41が設けられた面に対して、半導体基板30における半導体チップ20がマウントされた面が向き合うようにし、且つ、複数のキャビティ41の各々に、複数の半導体チップ20が1つずつ収容されるようにセットする。
続いて、図2(c)に示されるように、半導体チップ20がマウントされた半導体基板30を、上金型40aと下金型40bとで挟む。このとき、上金型40aと半導体基板30との間に本実施形態に係る剥離フィルム10を介在させる。特に、剥離フィルム10における剥離剤層2側の面が半導体基板30に接し、剥離フィルム10における樹脂層3側の面が上金型40aに接するように、剥離フィルム10を介在させる。なお、剥離フィルム10を半導体基板30に積層する際には、上金型40aとして吸引機構を有するものを使用し、上金型40aに剥離フィルム10における樹脂層3側の面を吸着させた状態で積層することが好ましい。
続いて、図3(a)に示されるように、下金型40bのキャビティ41における、半導体チップ20の周囲の空間に封止樹脂を充填する。その後、導入された封止樹脂を硬化させて、封止部50を形成する。封止樹脂の充填の際、封止樹脂は、下金型40bの任意の位置に設けられた注入口から充填することができる。また、封止樹脂は、予め加熱して流動性を有する状態とした後に、金型内部に充填することが好ましい。さらに、封止樹脂の流動性を良好に維持し、それにより充填を良好に完了させるために、上金型40aおよび下金型40bも例えば150℃以上、200℃以下の温度に加熱することが好ましい。封止樹脂の充填が完了した後は、例えば1MPa以上、20MPa以下の圧力で上金型40aと下金型40bとをクランプした状態で、上金型40aおよび下金型40bを150℃以上、200℃以下の温度に30秒以上、5分以下の時間保持することで、充填された封止樹脂を硬化させて、封止部50を形成することができる。封止部50の形成により、複数の半導体チップ20が半導体基板30上において、封止部50により個々に封止されてなる封止体60が得られる。
本実施形態に係る剥離フィルム10では、基材1が、前述した引張弾性率を示すとともに、剥離フィルム10の180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が前述した範囲であることにより、剥離フィルム10を上金型40aと下金型40bとでクランプした際にシワが発生し難く、それにより、封止体60に対するシワの転写が抑制される。さらに、剥離フィルム10のシワが発生し難いことで、剥離フィルム10が半導体基板30に対して良好な密封性を示すものとなる。その結果、導入された封止樹脂が、半導体基板30に設けられた配線パターン等の孔を通過して、半導体基板30における半導体チップ20がマウントされた面とは反対側の面に漏れ、その結果、当該面に封止樹脂が付着することが防止される。
また、本実施形態に係る剥離フィルム10では、樹脂層3が、前述した樹脂層形成用組成物から形成されたものであることにより、加熱された封止樹脂の充填や金型の加熱によって基材1や剥離剤層2が加熱され、これらから低分子量成分が放出された場合であっても、低分子量成分の上金型40aへの移行を樹脂層3が遮断することができる。これにより、上金型40aにおける剥離フィルム10が接する面に低分子量成分が付着することが抑制される。また、前述した樹脂層形成用組成物がポリエステル樹脂を含有することで、樹脂層3は適度な柔軟性を有するものとなるため、剥離フィルム10に圧力や衝撃が加えられた場合であっても、樹脂層3におけるクラックの発生が抑制され、これにより、良好な封止を行うことができる。
さらに、本実施形態に係る剥離フィルム10では、剥離剤層2が、多官能アミノ化合物を含有する剥離剤組成物から形成されたものであることで、剥離剤層2は高い強度および優れた耐熱性を有するものとなり、剥離剤層2の凝集破壊の発生が抑制される。そのため、凝集破壊に起因した剥離性の低下や剥離剤層2の封止体への転着が抑制される。
封止部50の形成に続き、図3(b)に示されるように、上金型40aおよび下金型40bが解放される。すなわち、上金型40aと下金型40bとの距離を離した後に、剥離フィルム10および封止体60が金型から取り出される。
ここで、本実施形態に係る剥離フィルム10は、剥離剤層2が前述した剥離剤組成物から形成されていることにより、封止体60に対して良好な剥離性を発揮することができる。また、本実施形態に係る剥離フィルム10は、剥離フィルム10における樹脂層3側の面における算術平均粗さRaが上述した範囲であることにより、上金型40aに対して良好な剥離性を発揮することができる。これらにより、上金型40aおよび下金型40bを解放した際に、剥離フィルム10を、上金型40aおよび封止体60から容易に分離することができる。
上述の通り金型から取り出された封止体60は、続いて、図3(c)に示すように、半導体基板30における所定の位置で切断し、これにより、封止部50により封止された半導体チップ20を備える半導体パッケージ70が得られる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)樹脂層形成用組成物の調製
ビスフェノールA型エポキシ化合物(DIC社製,製品名「EPICLON H−360」,固形分濃度:40質量%,重量平均分子量:25000)100質量部と、ポリエステル樹脂(東洋紡社製,製品名「バイロンGK680」,数平均分子量:6000)のトルエン溶液(固形分濃度:30質量%)19.0質量部と、多官能アミノ化合物としてのヘキサメトキシメチルメラミン(日本サイテックインダストリーズ社製,製品名「サイメル303」,固形分濃度:100質量%)11.4質量部とを混合した後、トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒(質量比率50:50)にて希釈し、固形分2.5質量%の混合液を得た。
得られた混合液に、p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度:50質量%)を2.9質量部添加して混合することで、樹脂層形成用組成物の塗布液を得た。
なお、得られた樹脂層形成用組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)に含有される各成分の配合量をそれぞれ算出すると、樹脂層形成用組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)の全質量に対して、上記エポキシ化合物は68.3質量%であり、上記ポリエステル樹脂は9.7質量%であり、上記多官能アミノ化合物は19.5質量%であり、上記p−トルエンスルホン酸は2.5質量%であった。また、得られた樹脂層形成用組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)中における上記ポリエステル樹脂および上記多官能アミノ化合物の、上記エポキシ化合物100質量部に対する配合量をそれぞれ算出すると、上記ポリエステル樹脂は14.3質量部であり、上記多官能アミノ化合物は28.5質量部であった。
(2)樹脂層の形成
上記工程(1)にて得られた樹脂層形成用組成物の塗布液を、基材としての、シリカ粒子を含有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm,表面:マット調,後述する方法により測定された23℃における引張弾性率:260MPa,フィルムを構成するポリエチレンテレフタレート樹脂の融点:260℃,両面の算術平均粗さRa:355nm)の片面上にマイヤーバーコート法にて均一に塗布した。
得られた塗膜を150℃で1分間加熱することで硬化させ、厚さ100nmの樹脂層を形成した。これにより、基材と樹脂層との積層体を得た。
なお、樹脂層の厚さは、反射式膜厚計(フィルメトリックス社製,製品名「F20」)を用いて測定したものである。
(3)剥離剤組成物の調製
多官能アミノ化合物としてのヘキサメトキシメチルメラミン(日本サイテックインダストリーズ社製,製品名「サイメル303」,固形分濃度:100質量%)90質量部と、剥離成分としてのポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製,製品名「BYK−370」,固形分濃度:25質量%)10質量部とを、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンとの混合溶媒(質量比率4:1)中にて混合し、固形分5.0質量%の混合液を得た。
得られた混合液に、p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液(固形分濃度:50質量%)を、ヘキサメトキシメチルメラミン100質量部に対してp−トルエンスルホン酸が5.0質量部となるように添加して混合することで、剥離剤組成物の塗布液を得た。
得られた剥離剤組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)中における上記ポリジメチルシロキサンの、上記多官能アミノ化合物100質量部に対する配合量を算出すると、2.8質量部であった。
(4)剥離剤層の形成
上記工程(3)にて得られた剥離剤組成物の塗布液を、上記工程(2)にて得られた積層体における基材側の面上にマイヤーバーコート法にて均一に塗布した。
得られた塗膜を150℃で1分間加熱して硬化させ、厚さ200nmの剥離剤層を形成した。これにより、樹脂層と、基材と、剥離剤層とがこの順に積層されてなる剥離フィルムを得た。
なお、剥離剤層の厚さは、反射式膜厚計(フィルメトリックス社製,製品名「F20」)を用いて測定したものである。
ここで、前述した基材の23℃における引張弾性率は、基材を15mm×140mmの試験片に裁断し、JIS K7127:1999に準拠して、引張試験機(島津製作所社製,製品名「オートグラフAG−IS 500N」)を用いて測定したものである。具体的には、上記試験片を、上記引張試験機にて、チャック間距離100mmに設定した後、200mm/minの速度で引張試験を行って測定したものである。
〔実施例2〕
樹脂層形成用組成物について、ポリエステル樹脂の配合量を22.22質量部と変更し、多官能アミノ化合物の配合量を20質量部と変更するとともに、p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液の添加量を3.3質量部となるように変更した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
なお、得られた樹脂層形成用組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)に含有される各成分の配合量をそれぞれ算出すると、樹脂層形成用組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)の全質量に対して、上記エポキシ化合物は56.7質量%であり、上記ポリエステル樹脂は12.6質量%であり、上記多官能アミノ化合物は28.4質量%であり、上記p−トルエンスルホン酸は2.3質量%であった。また、得られた樹脂層形成用組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)中における上記ポリエステル樹脂および上記多官能アミノ化合物の、上記エポキシ化合物100質量部に対する配合量をそれぞれ算出すると、上記ポリエステル樹脂は16.7質量部であり、上記多官能アミノ化合物は50.0質量部であった。
〔実施例3〕
剥離剤組成物の塗布液を調製するための剥離成分として、5質量部のポリエーテル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン社製,製品名「BYK−377」,固形分100質量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
得られた剥離剤組成物(溶媒以外の成分からなる組成物)中における上記ポリジメチルシロキサンの、上記多官能アミノ化合物100質量部に対する配合量を算出すると、5.6質量部であった。
〔比較例1〕
剥離成分としての、シロキサン結合を主骨格としビニル基を有するオルガノポリシロキサンおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる付加型オルガノポリシロキサン(信越化学工業社製,製品名「シリコーンKS−847H」,固形分濃度:30質量%)100質量部をトルエンにて希釈し、固形分濃度1.5質量%の混合液を調製した。
次いで、当該混合液に対して、白金触媒(信越化学工業社製,製品名「PL−50T」)を、上記付加型オルガノポリシロキサン100質量部に対して白金触媒が2質量部となるように添加し、混合することにより、剥離剤組成物の塗布液を得た。
得られた塗布液を、実施例1における上記工程(2)と同様にして得た、基材と樹脂層との積層体における、基材側の面上にマイヤーバーコート法にて均一に塗布した。
得られた塗膜を130℃で1分間加熱して硬化させ、厚さ100nmの剥離剤層を形成した。これにより、樹脂層と、基材と、剥離剤層とがこの順に積層されてなる剥離フィルムを得た。
〔比較例2〕
剥離成分を使用することなく剥離剤組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔比較例3〕
樹脂層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。すなわち、基材の片面に剥離剤層が積層されてなる剥離フィルムを得た。
〔比較例4〕
基材として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:50μm,前述の方法により測定された23℃における引張弾性率:260MPa,フィルムを構成するポリエチレンテレフタレート樹脂の融点:260℃,両面の算術平均粗さRa:38nm)を使用した以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムを得た。
〔試験例1〕(表面の算術平均粗さRaの測定)
実施例および比較例にて製造した剥離フィルムについて、以下のようにして、樹脂層側の面および剥離剤層側の面における、それぞれの算術平均粗さRaを測定した。まず、測定する側の面とは反対の面がガラス板側となるように、両面テープを介して、剥離フィルムをガラス板に固定した。次に、測定する面における算術平均粗さRa(nm)を、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製,製品名「サーフテストSV−3000S4」)を使用し、JIS B0601:2013に準拠して測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(剥離フィルムの寸法変化率)
実施例および比較例にて製造した剥離フィルムについて、以下のようにして、加熱処理前後の寸法変化率を測定した。剥離フィルムを幅100mm×長さ100mmの寸法に裁断して試験片を得た後、当該試験片の寸法(長さ方向および幅方向)をリニヤスケール(ミツトヨ社製,製品名「AT112」)を用いて正確に測定し、続いて、当該試験片に対して、無荷重で180℃、30分間の加熱処理を行い、加熱処理後の試験片における正確な寸法を加熱処理前の測定と同様にして測定した。そして、下記式(1)に基づいて、剥離フィルムの、長さ方向および幅方向のそれぞれについての加熱処理前後の寸法変化率(%)を算出した。結果を表1に示す。
寸法変化率(%)=|(加熱処理前の寸法−加熱処理後の寸法)/加熱処理前の寸法|×100 …(1)
〔試験例3〕(金型に対する剥離性の評価)
(1)モールド封止
実施例および比較例にて製造した剥離フィルムを用いて、半導体チップを封止樹脂にて封止し、封止体を得た後、当該封止体を切断して、半導体パッケージを製造した。当該封止は、モールディング装置(アピックヤマダ社製,製品名「コンパクトマニュアルモールディング装置G−LINEシリーズ」)を用いて行った。
具体的には、まず、図2(a)に示すように、複数の半導体チップ20がマウントされた半導体基板30(リードフレーム)を用意し、これを、図2(b)に示すように、下金型40bにセットした。このとき、下金型40bに形成された複数のキャビティ41の各々に、半導体チップ20が1つずつ収まるようにセットした。
続いて、図2(c)に示すように、半導体基板30における半導体チップ20がマウントされた面とは反対側の面に、実施例および比較例にて製造した剥離フィルム10における剥離剤層側の面を積層し、さらに、当該剥離フィルム10における樹脂層側の面に対して上金型40aを積層し、半導体チップ20がマウントされた半導体基板30、および剥離フィルム10を、上金型40aと下金型40bとでクランプした。
続いて、上金型40aおよび下金型40bの温度を175℃に維持し、図3(a)に示されるように、半導体チップ20、半導体基板30、剥離フィルム10および下金型40bで囲まれる空間に対して、175℃に加熱して流動性を有する状態となったエポキシ樹脂系の封止樹脂を導入した後、圧力10MPaにて120秒間加熱保持することで、当該樹脂を硬化させた。これにより、封止樹脂が硬化してなる封止部50を形成した。
続いて、図3(b)に示されるように、上金型40aおよび下金型40bを解放し、半導体基板30上にて複数の半導体チップ20が封止部50にて封止されてなる封止体60を得た。その後、図3(c)に示されるように、封止体60を切り出すことで、複数の半導体パッケージ70を得た。
(2)剥離性の評価
上述の通り、上金型40aおよび下金型40bを解放した際の、上金型40aに対する剥離フィルム10の剥離性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〇:上金型40aおよび下金型40bの解放と同時に、剥離フィルム10が上金型40aから自然に剥離した。
×:上金型40aおよび下金型40bの解放した後も、剥離フィルム10が上金型40aに密着しており、引き剥がす力を加えないと剥離しなかった。
〔試験例4〕(樹脂漏れの評価)
試験例3にて得られた封止体60において、半導体基板30における半導体チップ20がマウントされた面とは反対側の面における封止樹脂の付着の有無を目視にて確認し、その結果に基づいて、以下の基準にて樹脂漏れを評価した。評価結果を表1に示す。
〇:封止樹脂の付着が確認されなかった。
×:封止樹脂の付着が確認された。
〔試験例5〕(金型の汚染性の評価)
試験例2の項目(1)に示したモールド封止を、同一の上金型40aおよび下金型40bを用いて100回行った後、上金型40aの剥離フィルム10が接する面における、粉状の付着物の有無を確認し、以下の基準に基づいて汚染性を評価した。
〇:粉状の付着物が確認されなかった。
×:粉状の付着物が確認された。
なお、上述の粉状の付着物とは、剥離フィルム10が加熱されることで、剥離フィルム10を構成する基材から発生した低分子量成分が、上金型40aの剥離フィルム10が接する面に析出したものと考えられる。
〔試験例6〕(封止体に対する剥離性の評価)
試験例2の項目(1)に示したモールド封止において、上金型40aおよび下金型40bを解放した際の、封止体60に対する剥離フィルム10の剥離性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
〇:上金型40aおよび下金型40bの解放と同時に、剥離フィルム10が封止体60から自然に剥離した。
×:上金型40aおよび下金型40bの解放した後において、剥離フィルム10が封止体60に接着して剥離しないか、あるいは、引き剥がす力を強く加えると剥離するものの、剥離剤層の一部が封止体60の表面に転着して残った。
Figure 2019029423
表1から明らかなように、実施例で得られた剥離フィルムは、金型および封止体に対する剥離性に優れるとともに、樹脂漏れおよび低分子量成分による金型の汚染が抑制された。
本発明の剥離フィルムは、QFN方式、BGA方式等の半導体パッケージのように、半導体基板における半導体チップがマウントされた面側のみがモールド封止される半導体パッケージの製造への使用に好適である。
10…剥離フィルム
1…基材
2…剥離剤層
3…樹脂層
20…半導体チップ
30…半導体基板
40a…上金型
40b…下金型
41…キャビティ
50…封止部
60…封止体
70…半導体パッケージ

Claims (10)

  1. モールド封止により半導体パッケージを製造する際に使用される剥離フィルムであって、
    前記剥離フィルムが、基材と、前記基材の一方の面側に設けられた剥離剤層と、前記基材の他方の面側に設けられた樹脂層とを備え、
    前記剥離フィルムの180℃、30分間の加熱処理前後における寸法変化率が、長さ方向で2.5%未満であり、幅方向で2.5%未満であり、
    前記基材の23℃における引張弾性率が、150MPa以上、350MPa以下であり、
    前記剥離剤層が、多官能アミノ化合物と、剥離成分とを含有する剥離剤組成物から形成されており、
    前記樹脂層が、エポキシ化合物と、ポリエステル樹脂と、多官能アミノ化合物とを含有する樹脂層形成用組成物から形成されており、
    前記剥離フィルムにおける前記樹脂層側の面における算術平均粗さRaが、100nm以上、1200nm以下である
    ことを特徴とする剥離フィルム。
  2. 前記基材を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂およびアクリル樹脂から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の剥離フィルム。
  3. 前記基材は、粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の剥離フィルム。
  4. 前記剥離剤組成物に含有される多官能アミノ化合物は、メラミン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
  5. 前記剥離成分は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有するポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
  6. 前記剥離成分は、温度23℃の環境下において液体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
  7. 前記エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
  8. 前記樹脂層形成用組成物に含有される多官能アミノ化合物は、メラミン樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
  9. 前記ポリエステル樹脂は、活性水酸基を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
  10. 半導体基板における半導体チップがマウントされた面とは反対側の面と、金型との間に配置されて使用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の剥離フィルム。
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