JP2019029246A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムの寿命判定の精度を高める。【解決手段】 燃料電池システムは、改質ガスと酸化剤ガスとに基づいて発電可能な燃料電池と、改質水を用いて原燃料ガスを改質ガスに改質して燃料電池へ供給する改質部と、原燃料ガスを前記改質部に供給する原燃料ガス供給装置と、改質水を改質部に供給する改質水供給装置と、燃料電池が要求電力により発電するよう燃料電池の電流指令を設定し、設定した電流指令に基づいて原燃料ガス供給装置と改質水供給装置とを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、燃料電池の出力電流を積算し、出力電流の積算値が閾値に達すると、寿命と判定する。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、システムの寿命を判定するものが知られている。例えば、特許文献1には、燃料電池ユニットの累積発電時間、累積発電量および累積通電時間の少なくとも一つの値が予め定められる閾値を超えると、寿命に達したと判断して燃料電池ユニットを停止するものが開示されている。また、特許文献2には、燃料電池本体の累積運転時間が予め設定された第1の所定の値に達すると、燃料電池システムを停止し、燃料電池本体の累積運転回数が予め設定された第2の所定の値に達すると、燃料電池システムを次回起動させないようにするものが開示されている。
特開2014−72163号公報 特開2005−63903号公報
燃料電池スタックの発電量によって劣化速度が異なるシステムにおいては、上述した累積発電時間や累積通電時間、累積運転時間、累積運転回数によってシステムの寿命を判定すると、運転の仕方によって大きな誤差が生じてしまう。一方、累積発電量によってシステムの寿命を判定すると、発電量の変化に起因する誤差を少なくすることはできるが、システムの経年使用に伴って燃料電池スタックの出力電圧が変化すると、同じ発電量を得るために必要な出力電流が変化し、原燃料ガスの流量や改質水の流量も変化するため、これらの流量によって劣化速度が異なる場合には、正確な寿命判定を行なうことは困難である。
本発明の燃料電池システムは、寿命判定の精度を高めることを主目的とする。
本発明の燃料電池システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、
改質ガスと酸化剤ガスとに基づいて発電可能な燃料電池を備える燃料電池システムであって、
改質水を用いて原燃料ガスを前記改質ガスに改質して前記燃料電池へ供給する改質部と、
前記原燃料ガスを前記改質部に供給する原燃料ガス供給装置と、
前記改質水を前記改質部に供給する改質水供給装置と、
前記燃料電池が要求電力により発電するよう該燃料電池の電流指令を設定し、該設定した電流指令に基づいて前記原燃料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記燃料電池の出力電流を積算し、前記出力電流の積算値が閾値に達すると、寿命と判定する、
ことを要旨とする。
この本発明の燃料電池システムは、燃料電池が要求電力により発電するよう燃料電池の電流指令を設定し、設定した電流指令に基づいて原燃料ガス供給装置と改質水供給装置とを制御するものにおいて、燃料電池の出力電流を積算し、出力電流の積算値が閾値に達すると、寿命と判定する。これにより、原燃料ガスの流量や改質水の流量によって劣化速度が変化するシステムにおいて、寿命判定を適切に行なうことができる。また、燃料電池システムの経年使用により燃料電池が要求電力で発電するのに必要な出力電流が変化するものとしても、その電流変化を寿命判定に反映させることができるから、寿命判定の精度を高めることができる。なお、燃料電池システムが寿命に達したと判定すると、システムの運転を停止させたり、次回起動させないようにしたりすることができる。
こうした本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、システム起動時において前記原燃料ガス供給装置により供給される原燃料ガスの流量を前記出力電流に換算して該出力電流を積算するものとしてもよい。システム起動時に供給される原燃料ガスの流量も考慮して燃料電池システムの寿命判定を行なうことにより、寿命判定の精度をより高めることができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、システム停止時において前記原燃料ガス供給装置により供給される原燃料ガスの流量を前記出力電流に換算して該出力電流を積算するものとしてもよい。システム停止時に供給される原燃料ガスの流量も考慮して燃料電池システムの寿命判定を行なうことにより、寿命判定の精度をさらに高めることができる。
さらに、本発明の燃料電池システムにおいて、前記原燃料ガス供給装置における原燃料ガスの供給流路に設けられ、前記原燃料ガスに含まれる硫黄分を除去する脱硫器を備えるものとしてもよい。脱硫器が寿命の律速となる場合、燃料電池システムの寿命判定を適切に行なうことができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記改質水供給装置により前記改質部に供給される改質水を蓄える水タンクと、前記燃料電池を通過した改質ガスを燃焼させる燃焼部と、前記改質ガスの燃焼により生成された燃焼排気ガスの冷却により生成された凝縮水を前記水タンクに供給する凝縮水流路と、前記凝縮水流路に設けられ、前記凝縮水を精製する水精製器と、を備えるものとしてもよい。水精製器が寿命の律速となる場合、燃料電池システムの寿命判定を適切に行なうことができる。
本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。 寿命判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 スタック電流積算処理の一例を示すフローチャートである。 ガス流量Qgとスタック電流Iの換算値との関係を示す説明図である。
本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。本実施形態の燃料電池システム10は、図1に示すように、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガス(エア)との供給を受けて発電する燃料電池スタック36を有する発電ユニット20と、発電ユニット20の発電に伴って発生する熱を回収して給湯する貯湯タンク101を有する給湯ユニット100と、システム全体を制御する制御装置80と、を備える。
発電ユニット20は、改質水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に原燃料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を予熱する気化器32と、原燃料ガスと水蒸気とから水素を含む燃料ガス(改質ガス)を生成する改質器33と、燃料ガスとエアとにより発電する燃料電池スタック36とを含む発電モジュール30と、気化器32に原燃料ガスを供給する原燃料ガス供給装置40と、燃料電池スタック36にエアを供給するエア供給装置50と、改質水タンク57内の改質水を気化器32に供給する改質水供給装置55と、発電モジュール30で発生した排熱を回収する排熱回収装置60と、を備える。
筐体22には、吸気口22aと排気口22bとが設けられている。吸気口22a付近には外気を取り込んで筐体22の内部を換気するための換気ファン24が設けられ、排気口22b付近には、可燃ガスの漏れを検出するための可燃ガスセンサ93が設けられている。
改質器33は、セラミックなどの担体に改質触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が担持されて構成され、気化器32から供給された原燃料ガスと水蒸気との混合ガスを水蒸気改質反応によって燃料ガス(改質ガス)に改質する。
発電モジュール30を構成する気化器32、改質器33および燃料電池スタック36は、断熱性材料により形成された箱型のモジュールケース31内に収容されている。モジュールケース31内には、燃料電池スタック36の起動や、気化器32における水蒸気の生成、改質器33における水蒸気改質反応に必要な熱を供給するための燃焼部34が設けられている。燃焼部34には燃料電池スタック36を通過した燃料オフガス(アノードオフガス)と酸化剤オフガス(カソードオフガス)とが供給され、これらの混合ガスを点火ヒータ35により点火して燃焼させることにより、燃料電池スタック36や気化器32、改質器33を加熱する。燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの燃焼により生成される燃焼排ガスは、燃焼触媒37を介して熱交換器62へ供給される。燃焼触媒37は、燃焼部34で燃え残った燃料ガスを触媒によって再燃焼させる酸化触媒である。
排熱回収装置60は、熱交換器62と貯湯水を貯蔵する貯湯タンク101とを接続して貯湯水の循環路を形成する循環配管61を有する。循環配管61には、循環ポンプ63が設けられており、循環ポンプ63を駆動して貯湯水を循環させることにより、熱交換器62にて燃焼排ガスとの熱交換により貯湯水を加温すると共に加温した貯湯水を貯湯タンク101へ貯湯する。熱交換器62は、凝縮水供給管66を介して改質水タンク57に接続されると共に排気ガス排出管67を介して外気と接続されている。熱交換器62に供給された燃焼排ガスは、貯湯水との熱交換によって冷却されて水蒸気成分が凝縮され、凝縮水供給管66を介して改質水タンク57に回収される。凝縮水供給管66には水精製器68が設けられており、燃焼排気ガスの凝縮水は、水精製器68によって不純物が除去されてから改質水タンク57へ供給される。また、残りの排気ガスは、排気ガス排出管67を介して外気へ排出される。
原燃料ガス供給装置40は、ガス供給源1と気化器32とを接続する原燃料ガス供給管41を有する。原燃料ガス供給管41には、ガス供給源1側から順に、原燃料ガス供給弁42,43(2連弁)、オリフィス44、原燃料ガスポンプ45、脱硫器46が設けられており、原燃料ガス供給弁42,43を開弁した状態で原燃料ガスポンプ45を駆動することにより、ガス供給源1からの原燃料ガスを脱硫器46を通過させて気化器32へ供給する。気化器32へ供給された原燃料ガスは、気化器32を経て改質器33へ供給され、燃料ガスへと改質される。脱硫器46は、原燃料ガスに含まれる硫黄分を除去するものであり、例えば、硫黄化合物をゼオライトなどの吸着剤に吸着させて除去する常温脱硫方式などを採用することができる。また、原燃料ガス供給管41の原燃料ガス供給弁43とオリフィス44との間には、当該原料ガス供給管41内の原燃料ガスの圧力を検出する圧力センサ47が設けられ、オリフィス44と原燃料ガスポンプ45との間には、原料ガス供給管41を流れる原燃料ガスの単位時間当たりの流量(ガス流量Qg)を検出する流量センサ48が設けられている。
エア供給装置50は、外気と連通するフィルタ52と燃料電池スタック36とを接続するエア供給管51を有する。エア供給管51には、エアブロワ53が設けられており、エアブロワ53を駆動することにより、フィルタ52を介して吸入したエアを燃料電池スタック36へ供給する。また、エア供給管51には、エアブロワ53の下流側に、当該エア供給管51を流れるエアの単位時間当たりの流量(エア流量Qa)を検出する流量センサ54が設けられている。
改質水供給装置55は、改質水を貯蔵する改質水タンク57と気化器32とを接続する改質水供給管56を有する。改質水供給管56には、改質水ポンプ58が設けられており、改質ポンプ58を駆動することにより、改質水タンク57の改質水を気化器32へ供給する。気化器32へ供給された改質水は、気化器32で水蒸気とされ、改質器33における水蒸気改質反応に利用される。
燃料電池スタック36は、酸素イオン伝導体からなる固体電解質と、固体電解質の一方の面に設けられたアノードと、固体電解質の他方の面に設けられたカソードとを備える固体酸化物燃料電池セルが積層されたものとして構成されており、アノードに供給される燃料ガス中の水素とカソードに供給されるエア中の酸素とによる電気化学反応によって発電する。燃料電池スタック36の出力端子にはDC/DCコンバータとインバータとを含むパワーコンディショナ71を介して商用電源2から負荷4への電力ライン3が接続されており、燃料電池スタック36からの直流電力は、パワーコンディショナ71による電圧変換および直流/交流変換を経て商用電源2からの交流電力に付加されて負荷4に供給される。燃料電池スタック36の出力端子に接続された電力ラインには、当該燃料電池スタック36の出力電流(スタック電流I)を検出する電流センサ91が設けられ、燃料電池スタック36の出力端子間には、当該燃料電池スタック36の端子間電圧(スタック電圧V)を検出する電圧センサ92が設けられている。
また、パワーコンディショナ71から分岐した電力ラインには電源基板72が接続されている。電源基板72は、原燃料ガス供給弁42,43や原燃料ガスポンプ45、エアブロワ53、改質水ポンプ58、循環ポンプ63、圧力センサ47、流量センサ48,54、表示パネル90、電流センサ91、電圧センサ92、可燃ガスセンサ93などの補機類に直流電力を供給する直流電源として機能する。
制御装置80は、CPU81を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU81の他に処理プログラムを記憶するROM82と、データを一時的に記憶するRAM83と、書き換え可能な不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ84と、図示しない入出力ポートと、を備える。制御装置80には、圧力センサ47や流量センサ48,54、電流センサ91、電圧センサ92、可燃ガスセンサ93などからの各種検出信号が入力ポートを介して入力されている。また、制御装置80からは、換気ファン24のファンモータへの駆動信号や原燃料ガス供給弁42,43のソレノイドへの駆動信号、原燃料ガスポンプ45のポンプモータへの駆動信号、エアブロワ53のブロワモータへの駆動信号、改質水ポンプ58のポンプモータへの駆動信号、循環ポンプ63のポンプモータへの駆動信号、パワーコンディショナ71のインバータやDC/DCコンバータへの制御信号、点火ヒータ35への駆動信号、各種情報を表示する表示パネル90への表示信号などが出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された燃料電池システム10の動作、即ちシステム起動、発電およびシステム停止の各動作について説明する。
システム起動は、対応する補機類を順次制御し、脱硫器46に燃料成分を吸着させて混合ガスの空燃比ずれを抑制する燃料吸着処理や、燃焼部34のパージ処理、燃焼部34におけるオフガスの着火処理、水蒸気改質処理などを順次実行することにより行なわれる。
発電は、システムに要求される要求電力により発電するよう原燃料ガス供給装置40とエア供給装置50と改質水供給装置55とを制御することにより行なわれる。具体的には、制御装置80のCPU81は、まず、上記要求電力と燃料電池スタック36の発電電力との偏差に基づいてフィードバック制御により燃料電池スタック36が出力すべき出力電流である電流指令I*を設定する。なお、燃料電池スタック36の発電電力は、電流センサ91により検出されるスタック電流Iと電圧センサ92により検出されるスタック電圧Vとの積により計算することができる。続いて、設定した電流指令I*に基づいて目標ガス流量Qg*、目標エア流量Qa*および目標水量Qw*を設定する。そして、目標ガス流量Qg*で原燃料ガス供給装置40から原燃料ガスが供給されるよう原燃料ガスポンプ45を制御し(原燃料ガス供給制御)、目標エア流量Qa*でエア供給装置50からエアが供給されるようエアブロワ53を制御し(エア供給制御)、目標水量Qw*で改質水供給装置55から改質水が供給されるよう改質水ポンプ58を制御する(改質水供給制御)。原燃料ガス供給制御は、目標ガス流量Qg*と流量センサ48により検出されるガス流量Qgとの偏差に基づくフィードバック制御によりデューティ比を設定し、設定したデューティ比に基づいて原燃料ガスポンプ45のポンプモータを制御することにより行なわれる。エア供給制御は、目標エア流量Qa*と流量センサ54により検出されるエア流量Qaとの偏差に基づくフィードバック制御によりデューティ比を設定し、設定したデューティ比に基づいてエアブロワ53のブロワモータを制御することにより行なわれる。改質水供給制御は、目標水量Qw*に基づいてデューティ比を設定し、設定したデューティ比に基づいて改質水ポンプ58のポンプモータを制御することにより行なわれる。
システム停止は、原燃料ガスの流量(ガス流量Qg)を徐減させる原燃料ガス徐減処理と、燃料電池スタック36の温度が所定温度未満となるまで燃料電池スタック36にエアを供給して冷却する冷却処理と、を実行することにより行なわれる。
次に、燃料電池システム10の寿命を判定する動作について説明する。図2は、制御装置80のCPU81により実行される寿命判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
寿命判定ルーチンが実行されると、制御装置80のCPU81は、まず、スタック電流Iを積算するスタック電流積算処理を行なう(S100)。スタック電流積算処理は、図3に例示するスタック電流積算処理により行なうことができる。図3のスタック電流積算処理では、CPU81は、まず、発電中であるか否か(S200)、システム起動中であるか否か、システム停止中であるか否か(S210)、をそれぞれ判定する。発電中、システム起動中およびシステム停止中のいずれでもないと判定すると、そのままスタック電流積算処理を終了する。一方、発電中であると判定すると、電流センサ91からのスタック電流Iを入力し(S220)、入力したスタック電流Iを積算してスタック電流累積値ΣIを算出し、フラッシュメモリ84に記憶して(S230)、スタック電流積算処理を終了する。システム起動中かシステム停止中のいずれかであると判定すると、流量センサ47からのガス流量Qを入力し(S240)、入力したガス流量Qgをスタック電流Iに換算する(S250)。ここで、ガス流量Qgのスタック電流Iへの換算は、ガス流量Qgとスタック電流Iの換算値との関係を予め求めて換算用マップとしてROM82に記憶しておき、ガス流量Qgが与えられると、マップから対応するスタック電流Iの換算値を導出することにより行なうものとした。図4に換算用マップを示す。なお、ガス流量Qgのスタック電流Iへの換算は、図4の換算用マップを用いて行なうものとしたが、換算係数を用いて演算により行なうものとしてもよい。スタック電流Iに換算すると、換算したスタック電流Iを積算してスタック電流累積値ΣIを算出し、フラッシュメモリ84に記憶して(S260)、スタック電流積算処理を終了する。
CPU81は、こうしてスタック電流累積値ΣIを算出すると、算出したスタック電流累積値ΣIが閾値Iref以上であるか否かを判定する(S110)。ここで、閾値Irefは、燃料電池システム10の寿命を判定するための閾値であり、燃料電池システム10の仕様に基づいて予め定められる。閾値Irefは、例えば、脱硫器46が燃料電池システム10の寿命の律速である場合、脱硫器46の仕様に基づいて定めることができ、水精製器68が燃料電池システム10の寿命の律速である場合、水精製器68の仕様に基づいて定めることができる。スタック電流累積値ΣIが閾値Iref未満であると判定すると、燃料電池システム10の寿命は到来していないと判断して、寿命判定ルーチンを終了する。一方、スタック電流累積値ΣIが閾値Iref以上であると判定すると、燃料電池システム10の停止させると共に(S120)、燃料電池システム10の寿命が到来した旨とシステムの交換やメンテナンスが必要である旨とを表示パネル90に表示させて(S130)、寿命判定ルーチンを終了する。
以上説明した実施形態の燃料電池システム10は、燃料電池スタック36が要求電力により発電するよう燃料電池スタック36の電流指令I*を設定し、設定した電流指令I*に基づいて原燃料ガス供給装置40と改質水供給装置55とを制御するものにおいて、スタック電流Iを積算してスタック電流累積値ΣIを算出し、スタック電流累積値ΣIが閾値Iref以上となると、システムに寿命が到来したと判断して、システムを停止する。これにより、原燃料ガスの流量や改質水の流量によって劣化速度が変化するシステムにおいて、寿命判定を適切に行なうことができる。また、燃料電池システム10の経年使用により燃料電池スタック36が要求電力で発電するのに必要なスタック電流が変化するものとしても、その電流変化を寿命判定に反映させることができ、寿命判定の精度を高めることができる。
また、実施形態の燃料電池システム10は、システム起動中やシステム停止中に供給した原燃料ガスの流量(ガス流量Qg)をスタック電流Iに換算し、換算したスタック電流Iを積算してスタック電流累積値ΣIを算出するから、寿命判定の精度をさらに高めることができる。
上述した実施形態では、電流センサ91により検出された燃料電池スタック36の出力電流(スタック電流I)を積算してスタック電流累積値ΣIを算出し、算出したスタック電流積算値ΣIに基づいてシステムの寿命を判定するものとしたが、燃料電池スタック36の電流指令I*を積算してスタック電流累積値ΣIを算出してもよい。
上述した実施形態では、燃料電池システム10の寿命判定に、システム起動中およびシステム停止中の動作も考慮に入れるものとしたが、システム起動中およびシステム停止中のいずれか一方または両方の動作を考慮に入れないものとしてもよい。
上述した実施形態では、スタック電流累積値ΣIが閾値Iref以上となると、システムを停止するものとしたが、システムの運転を継続するものとし、一旦システムが停止された以降は次回起動させないようにしてもよい。
上述した実施形態では、燃料電池システム10の燃料電池として、固体酸化物形燃料電池を用いるものとしたが、例えば固体高分子形燃料電池など、如何なるタイプの燃料電池を用いてもよい。なお、上述したシステム起動中やシステム停止中に供給した原燃料ガスの流量をスタック電流Iに換算してスタック電流累積値ΣIを算出し、システムの寿命を判定する手法は、例えば、固体高分子形燃料電池を備える電動車両のように、システム起動およびシステム停止が頻繁に行なわれる燃料電池システムにおいて特に有効なものとなる。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、燃料電池スタック36が燃料電池に相当し、改質器33が改質部に相当し、原燃料ガス供給装置40が原燃料ガス供給装置に相当し、改質水供給装置55が改質水供給装置に相当し、制御装置80が制御装置に相当する。また、脱硫器46が脱硫器に相当する。また、改質水タンク57が水タンクに相当し、燃焼部34が燃焼部に相当し、凝縮水配管66が凝縮水流路に相当し、水精製機68が水精製機に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 ガス供給源、2 商用電源、3 電力ライン、4 負荷、10 燃料電池システム、20 発電ユニット、22 筐体、22a 吸気口、22b 排気口、24 換気ファン、30 発電モジュール、31 モジュールケース、32 気化器、33 改質器、34 燃焼部、35 点火ヒータ、36 燃料電池スタック、37 燃焼触媒、40 原燃料ガス供給装置、41 原燃料ガス供給管、42,43 原燃料ガス供給弁、44 オリフィス、45 原燃料ガスポンプ、46 脱硫器、47 圧力センサ、48 流量センサ、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 フィルタ、53 エアブロワ、54 流量センサ、55 改質水供給装置、56 改質水供給管、57 改質水タンク、58 改質水ポンプ、59 流量センサ、60 排熱回収装置、61 循環配管、62 熱交換器、63 循環ポンプ、66 凝縮水供給管、67 排気ガス排出管、68 水精製器、71 パワーコンディショナ、72 電源基板、80 制御装置、81 CPU、82 ROM、83 RAM、84 フラッシュメモリ、85 タイマ、90 表示パネル、91 電流センサ、92 電圧センサ、93 可燃ガスセンサ、100 給湯ユニット、101 貯湯タンク。

Claims (5)

  1. 改質ガスと酸化剤ガスとに基づいて発電可能な燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    改質水を用いて原燃料ガスを前記改質ガスに改質して前記燃料電池へ供給する改質部と、
    前記原燃料ガスを前記改質部に供給する原燃料ガス供給装置と、
    前記改質水を前記改質部に供給する改質水供給装置と、
    前記燃料電池が要求電力により発電するよう該燃料電池の電流指令を設定し、該設定した電流指令に基づいて前記原燃料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記燃料電池の出力電流を積算し、前記出力電流の積算値が閾値に達すると、寿命と判定する、
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、システム起動時において前記原燃料ガス供給装置により供給される原燃料ガスの流量を前記出力電流に換算して該出力電流を積算する、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、システム停止時において前記原燃料ガス供給装置により供給される原燃料ガスの流量を前記出力電流に換算して該出力電流を積算する、
    燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記原燃料ガス供給装置における原燃料ガスの供給流路に設けられ、前記原燃料ガスに含まれる硫黄分を除去する脱硫器を備える、
    燃料電池システム。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記改質水供給装置により前記改質部に供給される改質水を蓄える水タンクと、
    前記燃料電池を通過した改質ガスを燃焼させる燃焼部と、
    前記改質ガスの燃焼により生成された燃焼排気ガスの冷却により生成された凝縮水を前記水タンクに供給する凝縮水流路と、
    前記凝縮水流路に設けられ、前記凝縮水を精製する水精製器と、
    を備える燃料電池システム。
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