以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すレンズ駆動装置1は、例えばデジタルカメラ等の撮像装置に搭載され、レンズ4を駆動する。レンズ駆動装置1は、レンズ駆動部2と、カバー3とを備えている。レンズ駆動装置1は、レンズ駆動部2に取り付けられるべきレンズ4の光軸Lを有する。
なお、各図において、説明の便宜上、XYZ直交座標系を示している。Z軸方向が、取り付けられるべきレンズ4の光軸L方向となっている。X軸方向は、光軸L方向に直交している。Y軸方向は、光軸L方向に直交し、且つX軸方向に直交している。
レンズ駆動部2は、図1に示されるように、ベース部材100、補助体(第1可動体)200、可動体(第2可動体)300、レンズキャリア400、X軸アクチュエータ(第1アクチュエータ)130、Y軸アクチュエータ(第2アクチュエータ)230、及びZ軸アクチュエータ(第3アクチュエータ)330を備えている。レンズ駆動部2は、さらに、レンズキャリア400の周囲を覆うように配置された枠部材500を備えている。
ベース部材100の一方の面上に、補助体200等の各部材が配置される。レンズキャリア400には、レンズ4が取り付けられる。レンズキャリア400は、X軸アクチュエータ130及びY軸アクチュエータ230の動作によって、ベース部材100に対してX軸方向及びY軸方向に移動させられる。レンズキャリア400は、Z軸アクチュエータ330の動作によってベース部材100に対してZ軸方向に移動させられる。
まず、ベース部材100周りの詳細について説明する。図2及び図3に示されるように、ベース部材100は、ベース本体部110、アクチュエータ取付部111、ストッパ部112、第1支柱部113、第2支柱部114、及びX軸アクチュエータ支持部120を備えている。
ベース本体部110は、光軸L方向に沿って見たときに、4つの角部を有する略矩形の板状に形成されている。なお、説明の便宜上、光軸L方向に沿って見たときに、ベース本体部110の外周縁を構成する4つの辺を、それぞれ辺H11、辺H12、辺H13、及び辺H14という。辺H11と辺H12とが平行であり、Y軸方向に沿って延びている。辺H13と辺H14とが平行であり、X軸方向に沿って延びている。ベース本体部110を光軸L方向に沿って見たときに、辺H11、辺H14、辺H12、及び辺H13の順で各辺が接続されて外周縁が形成されている。辺H11及びH12の長さは、辺H13及びH14の長さよりも短い。
ベース本体部110には、光軸Lを中心とする(光軸Lが通る)円形の開口部(第1開口部)110aが設けられている。光軸L方向に沿って見たときに、開口部110aの中心位置(光軸L)は、略矩形板状のベース本体部110の中心位置に対して偏心している。具体的には、光軸L方向に沿って見たときに、開口部110aは、辺H11よりも辺H12側に寄った位置に設けられている。
X軸アクチュエータ支持部120は、ベース本体部110における補助体200が配置される側の面に設けられている。X軸アクチュエータ支持部120は、ベース本体部110の面上において、辺H11と辺H14とが接続される角部近傍に設けられている。X軸アクチュエータ支持部120は、X軸アクチュエータ130(X軸駆動シャフト132)をベース本体部110側から支持する。図4に示されるように、X軸アクチュエータ支持部120は、第1支持部121、第2支持部122、及び壁部123を備えている。なお、図4では、X軸アクチュエータ支持部120の詳細を示すためにX軸アクチュエータ130が省略されている。
第1支持部121と第2支持部122とは、X軸方向に並べて配置されている。第1支持部121は、第2支持部122よりも辺H11側に位置している。第1支持部121と第2支持部122との間には所定の隙間が設けられている。第1支持部121及び第2支持部122の頂部には、X軸方向に沿って延びる断面略U字状の溝121a及び122aがそれぞれ設けられている。壁部123は、第1支持部121と第2支持部122との間に設けられている。壁部123は、第1支持部121及び第2支持部122における辺H14側の端部同士を連結している。ベース本体部110と、X軸アクチュエータ支持部120とは一体的に設けられている。
図2及び図3に示されるように、X軸アクチュエータ130は、ベース本体部110における補助体200が配置される側の面に設けられている。X軸アクチュエータ130は、ベース本体部110における辺H11と辺H14とが接続される角部近傍に設けられている。X軸アクチュエータ130は、スムーズインパクト駆動機構を構成するアクチュエータである。X軸アクチュエータ130は、角柱状のX軸圧電素子131、X軸駆動シャフト132、及び錘部133を備えている。
X軸圧電素子131は、X軸方向に伸縮可能な素子である。X軸圧電素子131は、圧電材料で構成されている。圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(いわゆる、PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ニオブ酸タンタル酸カリウム(K(Ta,Nb)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)及びチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の無機圧電材料を用いることができる。
X軸圧電素子131は、上記圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが交互に積層された積層構造であってもよい。X軸圧電素子131に印加する電圧を制御することで、X軸圧電素子131の伸縮が制御される。X軸圧電素子131は、X軸方向に伸縮可能な形状であれば、角柱状に限らず、円柱状等であってもよい。
X軸駆動シャフト132は、円柱状に形成され、円柱形状の軸線がX軸方向に沿って延びるように配置されている。X軸駆動シャフト132は、カーボンファイバ等の繊維を含む複合樹脂材料で構成されている。
X軸駆動シャフト132におけるX軸方向の一方の端部は、X軸圧電素子131におけるX軸方向の一方の端部に固定されている。X軸駆動シャフト132の両端部は、第1支持部121の溝121a及び第2支持部122の溝122a内にそれぞれ収容される。壁部123の立ち上がり方向の先端部は、光軸L方向に沿って見たときに、ベース本体部110の辺H14側からX軸駆動シャフト132を支持する。
錘部133は、X軸圧電素子131におけるX軸方向の他方の端部に固定されている。錘部133は、タングステンやタングステン合金など比重の高い材料から形成されており、X軸駆動シャフト132よりも重くなるように設計されている。X軸駆動シャフト132よりも錘部133を重くすることで、X軸圧電素子131が伸縮したときに、X軸駆動シャフト132側を変異させ易くできる。
アクチュエータ取付部111は、ベース本体部110における補助体200が配置される側の面に設けられている。アクチュエータ取付部111は、X軸アクチュエータ支持部120よりも辺H12側の位置において、ベース本体部110から立ち上がるように設けられている。錘部133におけるX軸圧電素子131が固定された側に対して反対側の面が、アクチュエータ取付部111に固定されている。これにより、X軸アクチュエータ130は、X軸駆動シャフト132がX軸アクチュエータ支持部120によって支持されつつ、アクチュエータ取付部111に固定された状態となる。
X軸アクチュエータ130は、光軸L方向に沿って見たときに、X軸駆動シャフト132側が外側を向くように配置される。すなわち、X軸アクチュエータ130におけるX軸駆動シャフト132側の端部は、レンズキャリア400から離れる側を向いている(図15等参照)。
X軸圧電素子131とX軸駆動シャフト132との固定、X軸圧電素子131と錘部133との固定、及び錘部133とアクチュエータ取付部111との固定には、例えば、エポキシ接着剤等の接着剤が用いられる。
ストッパ部112、第1支柱部113、及び第2支柱部114は、ベース本体部110における補助体200が配置される側の面にそれぞれ設けられている。ストッパ部112、第1支柱部113、及び第2支柱部114は、ベース本体部110における補助体200が配置される側の面から、それぞれ立ち上がるように設けられている。
ストッパ部112は、ベース本体部110の辺H13の近傍に設けられている。ストッパ部112は、可動体300におけるX軸方向の移動範囲を制限する。ストッパ部112による移動範囲の制限の詳細については、後述する。
第1支柱部113は、ベース本体部110の面上において、辺H12と辺H13とが接続される角部に設けられている。第2支柱部114は、ベース本体部110の面上において、辺H12と辺H14とが接続される角部に設けられている。第1支柱部113及び第2支柱部114は、カバー3を内側から支持する。アクチュエータ取付部111、ストッパ部112、第1支柱部113、及び第2支柱部114は、ベース本体部110と一体的に設けられている。
ベース本体部110における補助体200が配置される側の面には、突起部T11〜T13が設けられている。突起部T11は、ベース本体部110の面上において、辺H11と辺H13とが接続される角部近傍に設けられている。突起部T12は、ベース本体部110の面上において、ストッパ部112と第1支柱部113との間の位置に設けられている。突起部T13は、ベース本体部110の面上において、辺H12と辺H14とが接続される角部近傍に設けられている。突起部T11〜T13と、ベース本体部110とは一体的に設けられている。突起部T11〜T13は、例えば、半球状であってもよく、頂部が平坦な凸形状であってもよい。
次に、補助体200の構成の詳細について説明する。図5に示されるように、補助体200は、ベース部材100に組み付けられたときにY軸方向に沿って延びる棒状の部材である。補助体200は、補助体本体部210、及びY軸アクチュエータ支持部220を備えている。補助体本体部210とY軸アクチュエータ支持部220とは一体的に設けられている。
補助体本体部210には、X軸摩擦係合部240が設けられている。X軸摩擦係合部240は、補助体本体部210におけるY軸アクチュエータ支持部220が接続される側に対して反対側の端部に設けられている。X軸摩擦係合部240は、補助体本体部210の外面のうち、補助体200がベース部材100に組み付けられたときにX軸アクチュエータ130側を向く面に設けられている。X軸摩擦係合部240は、補助体200がベース部材100に組み付けられたときにX軸方向に沿って延びる略V字溝状に形成されている。X軸摩擦係合部240には、略V字状の金属板241が取り付けられている(図7参照)。X軸摩擦係合部240は、金属板241を介してX軸駆動シャフト132に当接する。
補助体本体部210には、第1付勢部242が取り付けられている(図7参照)。第1付勢部242は、弾性部材である。第1付勢部242の一方の端部は補助体本体部210に固定されている。第1付勢部242の他方の端部(先端部)は、X軸摩擦係合部240に対向している。
補助体本体部210におけるX軸摩擦係合部240が設けられる側に対して反対側の面には、突起部T21が設けられている。突起部T21は、補助体本体部210においてX軸摩擦係合部240が設けられる側の端部近傍に位置している。突起部T21と、補助体本体部210とは一体的に設けられている。突起部T21は、例えば、半球状であってもよく、頂部が平坦な凸形状であってもよい。突起部T21は、補助体200がベース本体部110から浮き上がった場合に、カバー3の内面に当接する。
Y軸アクチュエータ支持部220は、補助体200がベース部材100に組み付けられた状態において、Y軸アクチュエータ230(Y軸駆動シャフト232)をベース本体部110側から支持する。Y軸アクチュエータ支持部220は、ベース部材100に設けられたX軸アクチュエータ支持部120と同様の構成を備えている。具体的には、Y軸アクチュエータ支持部220は、第1支持部221、第2支持部222、及び壁部223を備えている。
第1支持部221と第2支持部222とは、補助体200がベース部材100に組み付けられたときにY軸方向に沿って並ぶように設けられている。第2支持部222は、第1支持部221よりも補助体本体部210側に設けられている。第1支持部221と第2支持部222との間には所定の隙間が設けられている。第1支持部221及び第2支持部222の頂部には、補助体200がベース部材100に組み付けられたときにY軸方向に沿って延びる断面略U字状の溝221a及び222aがそれぞれ設けられている。壁部223は、第1支持部221と第2支持部222との間に設けられ、第1支持部221と第2支持部222とを接続している。壁部223は、補助体200がベース部材100に組み付けられた状態で光軸L方向に沿って見たときに、第1支持部221及び第2支持部222におけるベース本体部110の辺H11側の端部同士を連結している。
次に、補助体200がベース部材100に組み付けられた状態について説明する。図5〜図7に示されるように、補助体200は、ベース部材100における光軸L方向の一方の面上に重ねて配置されている。補助体200は、光軸L方向に沿って見たときに、ベース本体部110の面上において開口部110aと辺H11との間の領域に配置される。補助体200におけるX軸摩擦係合部240が設けられる側の端部が、辺H11と辺H14とが接続される角部近傍に位置している。補助体200におけるY軸アクチュエータ支持部220が設けられる側の端部が、辺H11と辺H13とが接続される角部近傍に位置している。
X軸摩擦係合部240は、金属板241を介してX軸駆動シャフト132に当接する。X軸摩擦係合部240は、X軸アクチュエータ支持部120とによってX軸駆動シャフト132を挟み込むようにしてX軸駆動シャフト132に当接する。第1付勢部242の先端部は、第1支持部121と第2支持部122との間の位置で、X軸駆動シャフト132に当接している。第1付勢部242の先端部は、X軸駆動シャフト132をX軸摩擦係合部240に押し付ける方向に、X軸駆動シャフト132を付勢している。これにより、第1付勢部242の先端部とX軸摩擦係合部240とによってX軸駆動シャフト132が挟まれた状態となる。すなわち、X軸摩擦係合部240が金属板241を介してX軸駆動シャフト132に摩擦係合した状態となる。
補助体200がベース部材100に組み付けられた状態で、Y軸アクチュエータ支持部220のベース本体部110側の面は、ベース本体部110に設けられた突起部T11に当接している(図7参照)。X軸摩擦係合部240と第1付勢部242とでX軸駆動シャフト132が挟まれることにより、補助体200は、X軸方向に移動可能にベース部材100に支持された状態となる。すなわち、補助体200は、一方の端部がX軸アクチュエータ130を介してベース部材100に支持され、他方の端部が突起部T11によってベース部材100に支持されている。
X軸摩擦係合部240がX軸駆動シャフト132に摩擦係合した状態で、X軸圧電素子131がX軸方向に伸縮することにより、補助体200がベース部材100に対してX軸方向に移動させられる。
図6及び図7に示されるように、補助体200には、Y軸アクチュエータ230が設けられている。Y軸アクチュエータ230は、スムーズインパクト駆動機構を構成するアクチュエータである。Y軸アクチュエータ230は、角柱状のY軸圧電素子231、Y軸駆動シャフト232、及び錘部233を備えている。
Y軸圧電素子231は、Y軸方向に伸縮可能な素子である。Y軸圧電素子231は、圧電材料で構成されている。Y軸圧電素子231の材料及び形状等はX軸圧電素子131と同様であり、詳細な説明を省略する。
Y軸駆動シャフト232は、円柱状に形成され、円柱形状の軸線がY軸方向に沿って延びるように配置されている。Y軸駆動シャフト232は、カーボンファイバ等の繊維を含む複合樹脂材料で構成されている。
Y軸駆動シャフト232におけるY軸方向の一方の端部は、Y軸圧電素子231におけるY軸方向の一方の端部に固定されている。Y軸駆動シャフト232の両端部は、第1支持部221の溝221a及び第2支持部222の溝222a内にそれぞれ収容される。壁部223の立ち上がり方向の先端部は、光軸L方向に沿って見たときに、ベース本体部110の辺H11側からY軸駆動シャフト232を支持する。
錘部233は、Y軸圧電素子231におけるY軸方向の他方の端部に固定されている。錘部233の材料及び機能等は、錘部133と同様であり、詳細な説明を省略する。
錘部233は、補助体本体部210におけるY軸アクチュエータ支持部220側を向く面に固定されている。これにより、Y軸アクチュエータ230は、Y軸駆動シャフト232がY軸アクチュエータ支持部220によって支持されつつ、補助体本体部210に固定された状態となる。
Y軸アクチュエータ230は、光軸L方向に沿って見たときに、Y軸駆動シャフト232側が外側を向くように配置される。すなわち、Y軸アクチュエータ230におけるY軸駆動シャフト232側の端部は、レンズキャリア400から離れる側を向いている(図15等参照)。
図7に示されるように、X軸方向に沿って見たときに、光軸Lは補助体200を通っている。また、X軸アクチュエータ130とY軸アクチュエータ230とは、X軸方向に沿って見たときに、光軸Lを挟んで対向する位置に設けられている。
次に、可動体300の構成の詳細について説明する。図8に示されるように、可動体300は、可動体本体部310、第1側壁部311、第2側壁部312、第3側壁部313、第4側壁部314、隆起部315、張出部316、及びY軸摩擦係合部340を備えている。
可動体本体部310は、光軸L方向に沿って見たときに、4つの角部を有する略矩形の板状に形成されている。なお、説明の便宜上、光軸L方向に沿って見たときに、可動体本体部310の外周縁を構成する4つの辺を、それぞれ辺H31、辺H32、辺H33及び辺H34という。可動体本体部310には、光軸Lを中心とする(光軸Lが通る)円形の開口部(第2開口部)310aが設けられている。可動体本体部310に設けられた開口部310aの直径は、ベース部材100に設けられた開口部110aの直径よりも所定長さ小さい(図17参照)。
図8及び図9に示されるように、辺H31は、可動体300がベース部材100に重ねられた状態で光軸L方向に沿って見たときに、開口部310aに対してベース部材100の辺H11側に位置する辺である。同様に、辺H32は、開口部310aに対してベース部材100の辺H12側に位置する辺である。辺H33は、開口部310aに対してベース部材100の辺H13側に位置する辺である。辺H34は、開口部310aに対してベース部材100の辺H14側に位置する辺である。
図8に示されるように、第1側壁部311は、可動体本体部310における辺H31と辺H34とが接続される角部において、可動体本体部310からレンズキャリア400が配置される側に向けて立ち上がっている。第2側壁部312は、可動体本体部310における辺H32と辺H34とが接続される角部において、可動体本体部310からレンズキャリア400が配置される側に向けて立ち上がっている。なお、第2側壁部312は、辺H32と辺H34とが接続される角部から第1側壁部311側に向かって所定長さ延在している。
第3側壁部313は、可動体本体部310における辺H32と辺H33とが接続される角部において、可動体本体部310からレンズキャリア400が配置される側に向けて立ち上がっている。第4側壁部314は、可動体本体部310における辺H33と辺H31とが接続される角部において、可動体本体部310からレンズキャリア400が配置される側に向けて立ち上がっている。張出部316は、第4側壁部314の立ち上がり方向の先端部に設けられている。張出部316は、第4側壁部314の先端部から外側(開口部310aから離れる側)に向かって張り出している。
可動体本体部310におけるレンズキャリア400が配置される側の面には、矩形状に窪むアクチュエータ保持部310bが設けられている。アクチュエータ保持部310bは、辺H32と辺H34とが接続される角部近傍に位置している。
隆起部315は、可動体本体部310におけるレンズキャリア400が配置される側の面において、辺H33の近傍に設けられている。隆起部315は、隆起の頂部がX軸方向に沿って延びている。隆起部315は、Y軸方向における断面が略円弧状となるように可動体本体部310から突出している。隆起部315の隆起の頂部には、平坦部が設けられていてもよい。
Y軸摩擦係合部340は、張出部316に設けられている。Y軸摩擦係合部340は、張出部316の外面のうち、可動体300がベース部材100及び補助体200に組み付けられたときにY軸アクチュエータ230側を向く面に設けられている(図10参照)。Y軸摩擦係合部340は、可動体300がベース部材100に組み付けられたときにY軸方向に沿って延びる略V字溝状に形成されている(図10及び図11等参照)。Y軸摩擦係合部340には、略V字状の金属板341が取り付けられている。Y軸摩擦係合部340は、金属板341を介してY軸駆動シャフト232に当接する。
張出部316には、第2付勢部342が取り付けられている。第2付勢部342は、弾性部材である。第2付勢部342の一方の端部は、張出部316に固定されている。第2付勢部342の他方の端部(先端部)は、Y軸摩擦係合部340に対向している。
張出部316には、突起部T31が設けられている。突起部T31は、張出部316においてY軸摩擦係合部340が設けられる側に対して反対側の面に設けられている。突起部T31と、張出部316とは一体的に設けられている。突起部T31は、例えば、半球状であってもよく、頂部が平坦な凸形状であってもよい。突起部T31は、可動体300がベース本体部110から浮き上がった場合に、カバー3の内面に当接する。
可動体本体部310の辺H33には、開口部310a側に向けて凹む凹部H33aが設けられている。
次に、可動体300がベース部材100及び補助体200に組み付けられた状態について説明する。図8〜図12に示されるように、可動体300は、ベース本体部110に対して補助体200と同じ側に重ねて配置されている。可動体300は、光軸L方向に沿って見たときに、開口部310aとベース本体部110の開口部110aとが連通するように、ベース本体部110の面上に重ねられる。補助体200と可動体300とは、ベース本体部110における同じ面上に配置され、互いに隣接している。図9に示されるように、光軸L方向に沿って見たときに、補助体200と可動体300とは互いに重なっていない。但し、可動体300の張出部316については、Y軸摩擦係合部340をY軸駆動シャフト232に係合させるために補助体200と重なっている。
Y軸摩擦係合部340は、金属板341を介してY軸駆動シャフト232に当接する。Y軸摩擦係合部340は、Y軸アクチュエータ支持部220とによってY軸駆動シャフト232を挟み込むようにしてY軸駆動シャフト232に当接する。第2付勢部342の先端部は、第1支持部221と第2支持部222との間の位置で、Y軸駆動シャフト232に当接している。第2付勢部342の先端部は、Y軸駆動シャフト232をY軸摩擦係合部340に押し付ける方向に、Y軸駆動シャフト232を付勢している。これにより、第2付勢部342の先端部とY軸摩擦係合部340とによってY軸駆動シャフト232が挟まれた状態となる。すなわち、Y軸摩擦係合部340が金属板341を介してY軸駆動シャフト232に摩擦係合した状態となる。
可動体300がベース部材100及び補助体200に組み付けられた状態で、可動体本体部310のベース本体部110側の面は、ベース本体部110に設けられた突起部T12及びT13に当接している。Y軸摩擦係合部340と第2付勢部342とでY軸駆動シャフト232が挟まれることにより、可動体300は、Y軸方向に移動可能にベース部材100及び補助体200に支持された状態となる。すなわち、可動体300は、Y軸摩擦係合部340が設けられた側がY軸アクチュエータ230を介して補助体200に支持され、X軸摩擦係合部240が設けられた側に対して反対側が突起部T12及びT13によってベース部材100に支持されている。
Y軸摩擦係合部340がY軸駆動シャフト232に摩擦係合した状態で、Y軸圧電素子231がY軸方向に伸縮することにより、可動体300が補助体200に対してY軸方向に移動させられる。
Y軸摩擦係合部340がY軸駆動シャフト232に係合していることにより、可動体300は、X軸方向においては補助体200と共に移動する。このため、補助体200がベース部材100に対してX軸方向に移動し、可動体300が補助体200に対してY軸方向に移動することによって、可動体300は、ベース部材100に対してX軸方向及びY軸方向に移動する。
図9に示されるように、光軸L方向に沿って見たときに、凹部H33a内にはストッパ部112の一部が入り込んでいる。凹部H33aの壁面とストッパ部112の外面とは、Y軸方向において対向している。また、凹部H33aの壁面とストッパ部112の外面とは、X軸方向において対向している。補助体本体部210の辺H34側の側壁部において、X軸アクチュエータ支持部120の第2支持部122と対向する部位をストッパ部H34aとする。
可動体300がY軸方向に沿ってストッパ部112から離れる側に移動した場合、ストッパ部H34aが第2支持部122に当接する。補助体200がY軸方向に沿ってストッパ部112に近づく方向に移動した場合、凹部H33aの壁面がストッパ部112に当接する。すなわち、ストッパ部112及び第2支持部122が、補助体200のY軸方向の移動範囲を規制するストッパ機構として機能する。補助体200がX軸方向に沿って移動した場合、凹部H33aの壁面がストッパ部112に当接する。すなわち、ストッパ部112が、補助体200のX軸方向の移動範囲を規制するストッパ機構として機能する。
ベース部材100には、押え部材150が設けられている。押え部材150の一方の端部はベース本体部110に固定され、他方の端部(先端部)は隆起部315の頂部に当接する。押え部材150は、弾性部材である。押え部材150の先端部は、隆起部315をベース本体部110側に向けて付勢している。これにより、可動体300がベース本体部110から浮き上がることが防止される。Y軸摩擦係合部340がY軸駆動シャフト232に当接しているため、補助体200におけるY軸アクチュエータ支持部220側の端部がベース本体部110から浮き上がることが防止される。これにより、補助体200及び可動体300がベース本体部110から浮き上がることが防止される。
図9及び図10に示されるように、可動体300には、Z軸アクチュエータ330が取り付けられている。Z軸アクチュエータ330は、スムーズインパクト駆動機構を構成するアクチュエータである。Z軸アクチュエータ330は、角柱状のZ軸圧電素子331、Z軸駆動シャフト332、及び錘部333を備えている。
Z軸圧電素子331は、Z軸方向に伸縮可能な素子である。Z軸圧電素子331は、圧電材料で構成されている。Z軸圧電素子331の材料及び形状等はX軸圧電素子131と同様であり、詳細な説明を省略する。
Z軸駆動シャフト332は、円柱状に形成され、円柱形状の軸線がZ軸方向に沿って延びるように配置されている。Z軸駆動シャフト332は、カーボンファイバ等の繊維を含む複合樹脂材料で構成されている。
Z軸駆動シャフト332におけるZ軸方向の一方の端部は、Z軸圧電素子331におけるZ軸方向の一方の端部に固定されている。錘部333は、Z軸圧電素子331におけるZ軸方向の他方の端部に固定されている。錘部333の材料及び機能等は、錘部133と同様であり、詳細な説明を省略する。
錘部333が、可動体本体部310に設けられたアクチュエータ保持部310bに嵌め込まれて固定されることで、Z軸アクチュエータ330が可動体300に保持される。Z軸アクチュエータ330は、レンズキャリア400を介して補助体200と対向している。
次に、レンズキャリア400の構成の詳細について説明する。図13及び図14に示されるように、レンズキャリア400は、キャリア本体部410、回止め凸部420、第3付勢部430、及びZ軸摩擦係合部440を備えている。
キャリア本体部410には、光軸Lを中心とする円形の開口部(第3開口部)410aが設けられている。キャリア本体部410に設けられた開口部410aの直径は、可動体300に設けられた開口部310aの直径よりも所定長さ小さい(図17参照)。キャリア本体部410の開口部410aには、レンズ4が取り付け可能である。すなわち、開口部410aの壁面が、レンズ4(図1)を取り付けるためのレンズ取付部となる。レンズ4は、複数のレンズで構成されたレンズユニットであってもよく、単一のレンズであってもよい。
回止め凸部420は、キャリア本体部410の外周面から光軸Lに直交する方向に沿って突出している。
Z軸摩擦係合部440は、キャリア本体部410の外周面に設けられている。Z軸摩擦係合部440は、光軸Lを挟んで回止め凸部420と略対向する位置に設けられている。Z軸摩擦係合部440は、レンズキャリア400が可動体300に組み付けられたときにZ軸方向に沿って延びる略V字溝状に形成されている。Z軸摩擦係合部440には、略V字状の金属板441が取り付けられている。Z軸摩擦係合部440は、金属板441を介してZ軸駆動シャフト332に当接する。
第3付勢部430は、キャリア本体部410の外周面に取り付けられている。第3付勢部430は、弾性部材である。第3付勢部430の一方の端部は、キャリア本体部410に固定されている。第3付勢部430の他方の端部(先端部)は、Z軸摩擦係合部440に対向している。
次に、レンズキャリア400が可動体300に組み付けられた状態について説明する。図15及び図16に示されるように、レンズキャリア400は、光軸L方向において、可動体300に対してベース部材100が設けられる側(ベース部材100が重なる側)とは反対側に重ねて配置されている。レンズキャリア400は、光軸L方向に沿って見たときに、開口部410aと可動体300の開口部310aとが連通するように、可動体本体部310の面上に重ねられる。
キャリア本体部410は、第1側壁部311、第2側壁部312、第3側壁部313、及び第4側壁部314によって囲まれている。これにより、レンズキャリア400は、可動体300に対するX軸方向及びY軸方向の移動が規制されている。レンズキャリア400は、光軸L方向に移動可能に可動体300に保持されている。図16に示されるように、光軸L方向に沿って見たときに、レンズキャリア400と補助体200とは互いに重なっていない。Z軸アクチュエータ330は、レンズキャリア400を介して補助体200と対向している。
ベース部材100の開口部110aは、辺H11よりも辺H12側に寄った位置に設けられている。このため、光軸L方向に沿って見たときに、レンズキャリア400は、ベース部材100の辺H11側の端部(一方の端部)よりも辺H12側の端部(他方の端部)に近い位置に配置されている。また、補助体200は、ベース部材100の辺H12側の端部(他方の端部)よりも辺H11側の端部(一方の端部)に近い位置に配置されている。
回止め凸部420は、Y軸方向において、第1側壁部311と第4側壁部314との間に位置している。回止め凸部420が第1側壁部311と第4側壁部314との間に位置しているため、レンズキャリア400が光軸Lを中心として回転することが防止される。
Z軸摩擦係合部440は、金属板441を介してZ軸駆動シャフト332に当接する。第3付勢部430は、キャリア本体部410を介して補助体200に対向している。第3付勢部430の先端部は、Y軸駆動シャフト232に当接している。第3付勢部430の先端部は、Z軸駆動シャフト332をZ軸摩擦係合部440に押し付ける方向に、Z軸駆動シャフト332を付勢している。これにより、第3付勢部430の先端部とZ軸摩擦係合部440とによってZ軸駆動シャフト332が挟まれた状態となる。すなわち、Z軸摩擦係合部440が金属板441を介してZ軸駆動シャフト332に摩擦係合した状態となる。
Z軸摩擦係合部440がZ軸駆動シャフト332に摩擦係合した状態で、Z軸圧電素子331がZ軸方向に伸縮することにより、レンズキャリア400が可動体300に対してZ軸方向に移動させられる。
次に、枠部材500の詳細について説明する。図1に示されるように、枠部材500は、光軸L方向に沿って見たときに、レンズキャリア400を囲む略四角枠形状をなしている。枠部材500は、可動体300に設けられた第1側壁部311、第2側壁部312、第3側壁部313、及び第4側壁部314の先端部に取り付けられている。
枠部材500の内周面には、Z軸アクチュエータ330のZ軸駆動シャフト332を支持するZ軸アクチュエータ支持部510が設けられている。Z軸アクチュエータ支持部510は、光軸L方向に沿って見たときに、Z軸駆動シャフト332の外周面のうち光軸Lから遠い側の部位に当接している。
次に、カバー3がレンズ駆動部2に取り付けられた状態について説明する。図1及び図16に示されるように、カバー3は、レンズ駆動部2を構成する各構成要素のうちベース部材100以外の構成要素を内部に収容するようにベース本体部110を覆う。カバー3には、光軸Lを中心とする開口部3aが設けられている。ベース部材100に設けられた第1支柱部113及び第2支柱部114の先端部は、カバー3の内面に当接し、カバー3を支持する。
次に、各アクチュエータに接続される電気配線、補助体200等の位置を検出するセンサ、及び各センサに接続される電気配線について説明する。まず、ベース部材100に設けられる電気配線及びセンサについて説明する。図2及び図3に示されるように、ベース本体部110における可動体300等が配置される側の面には、ホールセンサHS1、ホールセンサHS2、2本の電気配線W11、2本の電気配線W12,2本の電気配線W13、4本の電気配線W21、4本の電気配線W22、及び4本の電気配線W23が設けられている。
2本の電気配線W11の一端はX軸アクチュエータ130のX軸圧電素子131にそれぞれ接続され、他端はベース本体部110の辺H11までそれぞれ延びている。電気配線W11は、X軸圧電素子131に電力を供給する。
2本の電気配線W12は、ベース本体部110における辺H11の近傍にそれぞれ設けられている。2本の電気配線W12の一端は、ベース本体部110における辺H11の近傍にそれぞれ位置し、他端はベース本体部110の辺H11までそれぞれ延びている。
2本の電気配線W13は、ベース本体部110の辺H12と辺H14とが接続される角部近傍に設けられている。2本の電気配線W13の一端は、ベース本体部110における辺H14の近傍にそれぞれ位置し、他端はベース本体部110の辺H12までそれぞれ延びている。
4本の電気配線W23のうち、3本の電気配線W23の一端はベース本体部110における辺H14の近傍にそれぞれ位置し、他端はベース本体部110の辺H12までそれぞれ延びている。残りの1本の電気配線W23の一端はベース本体部110における辺H14の近傍に位置し、他端はベース本体部110の辺H11まで延びている。
ホールセンサHS1は、ベース部材100に対して移動する補助体200の位置を検出する位置センサとして機能する。ホールセンサHS1は、ベース本体部110の辺H11の近傍に設けられている。ホールセンサHS1には、4本の電気配線W21の一端がそれぞれ接続されている。4本の電気配線W21の他端は、ベース本体部110の辺H11までそれぞれ延びている。
ホールセンサHS2は、ベース部材100に対して移動する可動体300の位置を検出する位置センサとして機能する。ホールセンサHS2は、ベース本体部110の辺H12と辺H13とが接続される角部近傍に設けられている。ホールセンサHS2には、4本の電気配線W22の一端がそれぞれ接続されている。4本の電気配線W22の他端は、ベース本体部110の辺H12までそれぞれ延びている。
各電気配線W11〜W13,W21〜W23には、ベース本体部110の端部位置において、制御回路及び駆動回路等の配線がそれぞれ接続される。
次に、補助体200に設けられる電気配線等について説明する。図5に示されるように、補助体200には、磁石MG1、及び2本の電気配線W32が設けられている。磁石MG1は、補助体本体部210におけるベース本体部110と対向する面に取り付けられている。図7等に示されるように、ベース部材100に設けられたホールセンサHS1と磁石MG1とは、Z軸方向において対向している。ホールセンサHS1は、補助体200と共に移動する磁石MG1の磁界の変化に基づいて、ベース部材100に対する補助体200の位置を検出する。X軸アクチュエータ130は、ホールセンサHS1の検出結果に基づいてフィードバック制御される。
2本の電気配線W32の一端はY軸アクチュエータ230のY軸圧電素子231に接続されている。2本の電気配線W32の他端は、2本のサスペンションワイヤSW12の一端にそれぞれ接続されている。サスペンションワイヤSW12は、導電性を有する弾性部材である。図6に示されるように、2本のサスペンションワイヤSW12の他端は、電気配線W12の他方の端部にそれぞれ接続されている。Y軸圧電素子231に対しては、ベース本体部110に設けられた電気配線W12、サスペンションワイヤSW12、補助体200に設けられた電気配線W32を介して電力が供給される。
次に、可動体300に設けられる電気配線等について説明する。図8に示されるように、可動体300には、磁石MG2、ホールセンサHS3、4本の電気配線W33、及び2本の電気配線W43が設けられている。
磁石MG2は、可動体本体部310における第3側壁部313側の角部に設けられている。図11等に示されるように、ベース部材100に設けられたホールセンサHS2と磁石MG2とは、Z軸方向において対向している。ホールセンサHS2は、可動体300と共に移動する磁石MG2の磁界の変化に基づいて、ベース部材100に対する可動体300の位置を検出する。Y軸アクチュエータ230は、ホールセンサHS2の検出結果に基づいてフィードバック制御される。
図8に示されるように、ホールセンサHS3は、可動体300に対してZ軸方向に移動するレンズキャリア400の位置を検出する位置センサとして機能する。ホールセンサHS3は、第2側壁部312における光軸L側の面に設けられている。ホールセンサHS3には、4本の電気配線W33の一端がそれぞれ接続されている。4本の電気配線W33の他端は、可動体本体部310から立ち上がる第2側壁部312の先端部(頂部)までそれぞれ延びている。
図2及び図12に示されるように、ベース部材100に設けられた4本の電気配線W23の一端と、可動体300に設けられた4本の電気配線W33の他端とは、4本のサスペンションワイヤSW23によってそれぞれ接続されている。サスペンションワイヤSW23は、導電性を有する弾性部材である。
図8及び図10等に示されるように、2本の電気配線W43の一端はZ軸アクチュエータ330のZ軸圧電素子331にそれぞれ接続され、他端は第2側壁部312の先端部までそれぞれ延びている。
図2及び図12に示されるように、ベース部材100に設けられた2本の電気配線W13の一端と、可動体300に設けられた2本の電気配線W43の他端とは、2本のサスペンションワイヤSW13によってそれぞれ接続されている。サスペンションワイヤSW13は、導電性を有する弾性部材である。Z軸圧電素子331に対しては、ベース本体部110に設けられた電気配線W13、サスペンションワイヤSW13、可動体300に設けられた電気配線W43を介して電力が供給される。
次に、レンズキャリア400について説明する。図14に示されるように、レンズキャリア400には、磁石MG3が設けられている。磁石MG3は、キャリア本体部410の外周面において、Z軸摩擦係合部440の近傍の位置に設けられている。図16等に示されるように、可動体300の第2側壁部312に設けられたホールセンサHS3と磁石MG3とは、Y軸方向において対向している。ホールセンサHS3は、レンズキャリア400と共に移動する磁石MG3の磁界の変化に基づいて、可動体300に対するレンズキャリア400の位置を検出する。Z軸アクチュエータ330は、ホールセンサHS3の検出結果に基づいてフィードバック制御される。
ここで、レンズ4、ベース本体部110の開口部110a、可動体本体部310の開口部310aおよびキャリア本体部410の開口部410aの関係について、図18を参照しつつ説明する。
上述したとおり、ベース本体部110の開口部110a、可動体本体部310の開口部310aおよびキャリア本体部410の開口部410aはいずれも円形である。ベース本体部110の開口部110aの直径をD1、可動体本体部310の開口部310aの直径をD2、キャリア本体部410の開口部410aの直径をD3とすると、図18に示すようにD3<D2<D1の関係が成り立っている。
また、レンズ4は、キャリア本体部410および可動体本体部310を貫通し、レンズ4のZ方向における端部がベース本体部110の開口部110aにわずかに入り込んでいる。そのため、レンズ4が可動体本体部310の開口部310aおよびベース本体部110の開口部110aに入り込んでいる分だけ、外形上、レンズ4の光軸方向長さの短縮が図られている。
レンズ4が取り付けられるキャリア本体部410の開口部410aの直径D3は、レンズ4の直径と同一またはわずかに大きな直径となるように設計されている。
可動体本体部310の開口部310aの全周に亘る開口縁は、キャリア本体部410の開口部410aの全周に亘る開口縁よりも外側にあり、直径の差(D2−D3)が生じているため、レンズ4は可動体本体部310に接しない。なお、光軸Lに直交する方向に関し、キャリア本体部410は、可動体本体部310に対して実質的に移動しないため、直径の差(D2−D3)は小さくすることができ、直径の差がないように設計することもできる(すなわち、D2=D3)。
ベース本体部110の開口部110aの全周に亘る開口縁は、可動体本体部310の開口部310aの全周に亘る開口縁よりも外側にあり、直径の差(D1−D2)が生じている。そのため、可動体本体部310の開口部310aの直径D2とキャリア本体部410の開口部410aの直径D3とが同一であっても、レンズ4はベース本体部110に接しない。
ベース本体部110の開口部110aの全周に亘る開口縁は、当然に、キャリア本体部410の開口部410aの全周に亘る開口縁よりも外側にあり、直径の差(D1−D3)が生じている。そのため、図18に示したレンズ4のように、ベース本体部110の開口部110aにレンズ4の一部が収容されている場合に、直径の差(D1−D3)の分だけ可動体本体部310を移動させても、レンズ4はベース本体部110に接しない。換言すると、直径の差(D1−D3)を可動体本体部310のXY面内における可動距離より大きく設計することで、レンズ4がベース本体部110に接する事態を確実に回避することができる。反対に、可動体本体部310のXY面内における可動距離を、直径の差(D1−D3)より小さく設計することでも、レンズ4がベース本体部110に接する事態を確実に回避することができる。可動体本体部310のX軸方向およびY軸方向の可動距離は、上述したストッパ機構(ストッパ部112、第2支持部122)の位置によって調整することができる。
以上において説明したとおり、レンズ駆動装置1は、レンズ4を駆動するレンズ駆動装置であって、光軸L方向と直交して配置されるとともに、光軸Lが通る開口部110aを有するベース部材100のベース本体部110と、ベース部材100のベース本体部110上に光軸L方向と直交して配置されるとともに、光軸Lが通る開口部310aを有し、かつ、光軸L方向と直交する方向に移動可能な可動体300の可動体本体部310と、可動体300の可動体本体部310上において光軸L方向と直交するように保持され、光軸Lが通るとともにレンズ4が取り付けられるべき開口部410aを有するレンズキャリア400のキャリア本体部410とを備え、レンズ4が、レンズキャリア400のキャリア本体部410および可動体300の可動体本体部310を貫通し、ベース部材100のベース本体部110の開口部110aの開口縁が、可動体300の可動体本体部310の開口部310aの開口縁よりも外側にある。
レンズ駆動装置1では、レンズ4が、開口部310a内に収容されるようにして可動体300の可動体本体部310を貫通するため、レンズ4が可動体本体部310の開口部310aに入り込んでいる分だけ、外形上、レンズ4の光軸方向長さの短縮が図られている。その結果、レンズ駆動装置1の低背化が実現されている。可動体本体部310を貫通したレンズ4が、ベース部材100のベース本体部110の開口部110aの一部または全部を貫通することで、さらなる低背化を図ることができる。
また、レンズ駆動装置1は、図18に示すように、ベース部材100のベース本体部110の開口部110aの開口縁が、可動体300の可動体本体部310の開口部310aの開口縁よりも外側にあるため、レンズ4がベース部材100のベース本体部110まで達したとしても、レンズ4がベース本体部110に接する事態が回避される。
さらに、レンズ駆動装置1は、可動体300の可動体本体部310の開口部310aの開口縁が、レンズキャリア400のキャリア本体部410の開口部410aの開口縁よりも外側にあるため、レンズ4がベース本体部110に接する事態がより確実に回避されている。
なお、開口部110a、310a、410aの形状は、必ずしも円形に限らず、一部または全部が円形以外の形状(たとえば、多角形状や楕円形状等)であってもよい。いずれの形状であっても、ベース部材100のベース本体部110の開口部110aの開口縁が、可動体300の可動体本体部310の開口部310aの開口縁よりも外側にあれば、上記効果と同一または同様の効果を奏する。
また、レンズ駆動装置1は、ベース部材100のベース本体部110の開口部110aの開口縁とレンズキャリア400のキャリア本体部410の開口部410aの開口縁との可動体本体部310の移動方向(すなわち、XY面の面方向)における直径の差(寸法差)が、可動体本体部310の可動距離より大きくなっている。そのため、レンズ4がベース部材100のベース本体部110の開口部110aに挿通される場合であっても、レンズ4がベース本体部110に接する事態が回避されている。
さらに、レンズ駆動装置1は、レンズキャリア400のキャリア本体部410が光軸L方向に沿って移動するため、レンズ4のフォーカス機能が実現されている。
また、レンズ駆動装置1は、X軸方向(第1方向)に移動可能な補助体200(第1可動体)と、Y軸方向(第2方向)に移動可能であり開口部310aを有する可動体300とで、可動体が構成されており、レンズキャリア400が可動体300上において保持されるため、補助体200と可動体300との協働により、光軸L方向に直交するXY面方向にレンズ4を自在に移動させることができる。
さらに、レンズ駆動装置1は、ベース部材100のベース本体部110に、補助体200および可動体300に向かって突出して補助体200および可動体300に当接する突起部T11〜T13が設けられている。突起部T11は、ベース本体部110と補助体200との間に設けられて、補助体200を支持している。突起部T12および突起部T13は、ベース本体部110と可動体300との間に設けられて、可動体300を支持している。そのため、ベース部材100と補助体200および可動体300との接触領域が、突起部T11〜T13の形成領域に限られるため、補助体200および可動体300がベース部材100上を摺動するときの摩擦が抑制され、その結果、その摩擦によって生じる摩耗粉を抑制することができる。なお、突起部は、必ずしもベース部材に設ける必要はなく、補助体200および可動体300からベース部材に向かって突出するように設けてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ベース本体部110は、略正方形の板状であってもよい。ベース本体部110は、略矩形の板状でなくてもよい。補助体200は、Y軸方向に延びる棒状の部材としたが、棒状の部材でなくてもよい。レンズキャリア400は、ベース部材100の一方の端部側に寄った位置に配置されていたが、レンズキャリア400はベース本体部110の中心に配置されていてもよい。X軸アクチュエータ130、Y軸アクチュエータ230、及びZ軸アクチュエータ330は、圧電素子を用いた機構以外の機構であってもよい。X軸摩擦係合部240は、金属板241を介することなく、X軸駆動シャフト132に直接当接してもよい。同様に、Y軸摩擦係合部340及びZ軸摩擦係合部440は、金属板341,441を介することなく、Y軸駆動シャフト232及びZ軸駆動シャフト332にそれぞれ直接当接してもよい。また、補助体200等の位置を検出する位置センサとしてホールセンサHS1〜HS3を用いたが、ホールセンサ以外の位置センサを用いてもよい。