JP2019028190A - 定着装置 - Google Patents

定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019028190A
JP2019028190A JP2017145976A JP2017145976A JP2019028190A JP 2019028190 A JP2019028190 A JP 2019028190A JP 2017145976 A JP2017145976 A JP 2017145976A JP 2017145976 A JP2017145976 A JP 2017145976A JP 2019028190 A JP2019028190 A JP 2019028190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
temperature
belt
life
heating source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017145976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019028190A5 (ja
JP7046520B2 (ja
Inventor
徹 葛見
Toru Kuzumi
徹 葛見
育生 中本
Ikuo Nakamoto
育生 中本
政行 玉木
Masayuki Tamaki
政行 玉木
昭吉 品川
Akiyoshi Shinagawa
昭吉 品川
光一 覚張
Koichi Kakuhari
光一 覚張
寛人 伊東
Hiroto Ito
寛人 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2017145976A priority Critical patent/JP7046520B2/ja
Publication of JP2019028190A publication Critical patent/JP2019028190A/ja
Publication of JP2019028190A5 publication Critical patent/JP2019028190A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7046520B2 publication Critical patent/JP7046520B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着ベルト内面に接触したヒータが耐久によりベルト磨耗粉や劣化した潤滑剤で汚れるとヒータからベルトへの熱移動量が低下する。このためベルト温度低下による定着不良が生じたりヒータ過昇温を検知して装置停止する。装置停止した場合はサービスマンによるヒータ清掃や交換が必要でメンテナンスのあいだは装置が使用できない。【解決手段】ヒータが汚れると通電開始後に所定温度に到達するまでの昇温時間が短くなる。ヒータ汚れは耐久で徐々に進行するため昇温時間も徐々に短くなる。この昇温時間の継時変化を検知しヒータ汚れの判定およびヒータ寿命算出と寿命の表示を行う。これにより装置停止前にメンテナンスができ停止時間を短縮できる。また耐久末期に目標寿命を超えたあと、寿命進度に応じて定着目標温度やプリント速度を変更することで定着不良を回避し装置を継続使用できるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機やプリンタなどの画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、記録材上に形成した未定着トナー画像を記録材上に定着させるため定着装置が用いられる。定着装置では加熱された定着部材と加圧部材を圧接して定着ニップ部を形成し、該ニップ部に記録材を挟持搬送し未定着トナー画像を加熱加圧することにより記録材上に定着させる。
定着装置として定着部材に円筒状の回転可能な定着ベルト(以下、ベルトと呼ぶ)を使用したベルト加熱方式の定着装置が実用化されている。ベルト加熱方式の定着装置ではベルトの内側にベルト回転軸方向に延びる板状のヒータを固定配置し、ベルトを介してヒータと加圧部材である加圧ローラを圧接して定着ニップ部を形成し、ベルトを加圧ローラに従動回転させることで記録材を定着ニップ部に搬送しトナー画像を加熱定着させる。ヒータとしてはセラミック等の絶縁基材上に通電により発熱する抵抗体パターンを密着させた板状発熱体が使用される。
ヒータは耐久使用により徐々に劣化していく。劣化状態には通電のくり返しにより抵抗体の抵抗値が上昇し電流が低下してヒータの消費電力すなわち発熱量が低下する場合がある。特許文献1では、ヒータに流れる電流値を検知し電流値をもとにヒータ寿命を判断している。
また、ヒータのベルトに摺擦する面と反対側に温度検知用のサーミスタを接触させたヒータにおいて、サーミスタをヒータに押圧する断熱材からなる弾性部材が耐久によりつぶれ押圧力が低下するため、サーミスタの検知温度がヒータの実温度より低く検知されるようになる。また、ベルト回転時のベルトとヒータの摺擦抵抗を低減するためベルト内面もしくはヒータ摺擦面に初期に塗布した潤滑剤が耐久中に弾性部材に浸透し、断熱効果が低下してヒータ実温度とサーミスタ検知温度の差が大きくなっていく。そのため特許文献2では、画像形成開始を決定するサーミスタ検知温度を画像形成の累積枚数に対し段階的に低く設定する制御を行っている。
特開2006−39173号公報 特開2016−42112号公報
上記以外の耐久劣化としてヒータ摺擦面の汚れがある。これはベルト内面の磨耗粉や、潤滑剤のグリスに含まれる基油が遊離して高粘度になった劣化グリスがヒータ摺擦面に蓄積することで発生する。このような汚れはヒータからベルトへの熱伝達を妨げるためベルトの加熱効率が低下する。耐久とともに汚れが蓄積し徐々にではあるが、画像形成開始時にヒータに通電開始してからベルトが所望温度に加熱されるまでの昇温時間が長くなる。また、ヒータが必要以上に加熱され、耐久末期にはヒータ過昇温を検知して装置停止したり、ヒータ近傍の通電回路内にもうけたヒューズ等の通電遮断素子が動作し装置停止する。
上記の特許文献1では、このような汚れによるヒータの寿命を判断できない。また特許文献2では、汚れによるヒータやベルトの温度変化を想定していないためベルト温度を適正に制御できない。
また、装置停止した場合、装置を再使用可能とするためヒータの清掃もしくはヒータ交換が必要となり、サービスマンによるメンテナンス作業時間のほかに作業準備とサービスマンの移動時間等を含めると停止時間が長くなり、ユーザーにとって不便が大きい。
本発明は、ヒータ汚れによるヒータ寿命を推測し、推測結果をもとに装置停止前にメンテナンスすることで停止時間を短縮することを目的とする。また耐久末期においてヒータ汚れがあってもベルト温度を適正に制御しトナー画像の定着不良を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る定着装置は、
円筒状の回転可能な定着部材(11)と、定着部材の内面に接触し定着部材の回転軸方向に伸びる加熱源(13)を有し、加熱源の温度を検出する温度検出手段(18)を回転軸方向に複数配置した定着装置において、
加熱源に通電開始してから加熱源が所定温度に昇温するまでの昇温時間を測定する測定手段(85)と、該昇温時間を記憶する記憶手段(86)を有し、該昇温時間の継時変化と昇温時間の初期値をもとに加熱源の寿命を算出する寿命算出手段(81)と、算出した寿命を表示する表示手段(82)をそなえたことを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、
円筒状の回転可能な定着部材(11)と、定着部材の内面に接触し定着部材の回転軸方向に伸びる加熱源(13)を有し、加熱源の温度を検出する温度検出手段(18)と定着部材の温度を検出する温度検出手段(16)を回転軸方向のほぼ同一位置に複数配置した定着装置において、
加熱源に通電開始してから所定時間後の加熱源と定着部材の温度差を算出する手段(81)と、該温度差を記憶する記憶手段(86)を有し、該温度差の継時変化と温度差の初期値をもとに加熱源の寿命を算出する寿命算出手段(81)と、算出した寿命を表示する表示手段(82)をそなえたことを特徴とする。
本発明に係る定着装置によれば、ヒータの昇温時間の継時変化をもとにヒータ汚れ寿命を算出し表示するようにしたので、汚れが原因で装置停止する前にメンテナンスが必要な時期を判断できるようになった。また、寿命の進度に応じて定着装置の設定を適正に変更でき定着不良の発生を抑止することができる。
定着装置の断面図 定着装置の側面図とブロック図 画像形成装置 ヒータ昇温推移 ヒータ昇温時間の耐久推移 ヒータ寿命算出のフローチャート 定着装置の断面図(実施例2) ヒータ汚れと温度分布の関係(実施例2) ヒータ寿命算出のフローチャート(実施例2) 他の定着装置の断面図
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(画像形成装置)
本発明が適用される画像形成装置について概略構成を説明する。図3は、カラー画像形成装置の全体断面図である。
装置内には第1、第2、第3、第4の画像形成部Py、Pm、Pc、Pkが配置され、潜像、現像、転写のプロセスをへて各々異なった色のトナー像が形成される。像担持体である感光ドラム1a、1b、1c、1dは回転可動に支持され、その外周には、帯電器2a、2b、2c、2d、現像器3a、3b、3c、3d、及び一次転写手段4a、4b、4c、4dが設けられ、画像形成部の下方にはさらに露光装置5a、5b、5c、5dが配設されている。
感光ドラム1a〜1dは不図示のドラムモータにより回転駆動され、帯電器2a〜2dで所定電位に帯電されたあと、画像信号に応じたレーザ光を露光装置5a〜5dから発し感光ドラム1a〜1dの母線上に集光して露光することにより、感光ドラム1a〜1d上に静電潜像が形成される。
現像器3a〜3dには、現像剤としてそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナーが所定量充填されており、それぞれ感光ドラム1a〜1d上の潜像を現像して、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像として可視化する。
そして、テンションローラ21、駆動ローラ22、バックアップローラ23により張架された中間転写体25が駆動ローラ22により矢印G方向に回転駆動され、不図示の高圧電源により、一次転写手段4aにトナーの帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加され、感光ドラム1a上の1色目のイエロートナー像が中間転写体25に転写される(一次転写)。同様に、2色目、3色目、及び4色目についても感光ドラム上に現像したトナー像を中間転写体25上に重ね合わせて転写し4色のトナー像を重畳したカラー画像が得られる。
転写後の感光ドラム1a〜1dの表面上には転写残トナーが残留しており、この転写残トナーはクリーニング装置6a、6b、6c、6dで除去され不図示のトナー回収容器に回収される。その後、感光ドラム1a〜1dの残留電荷は前露光装置7a、7b、7c、7dにより除電され次回の潜像形成にそなえられる。
記録材Pは、不図示の記録材搬送装置により二次転写手段24と接地されたバックアップローラ23が当接した二次転写部に送られ、二次転写手段24にトナーの帯電極性とは逆極性の二次転写電圧が印加されることで、中間転写体25上の4色のトナー像が記録材Pへ一括転写される(二次転写)。
トナー像が転写された記録材Pは定着装置10へ搬送され、トナー像の加熱溶融および記録材への固着が行われ、フルカラー画像が形成される。
中間転写体25上に残留した転写残トナーは中間転写体25の回転とともに移動しクリーニングブレード20により除去され不図示の回収容器に回収される。
(定着装置)
図1は本発明が適用される定着ベルトを用いた定着装置10の断面図である。
図1において、定着ベルト11はステンレスからなる厚み約50μmの円筒状基層の外周面上に厚み約200μmのシリコーンゴムからなる弾性層を設け、該弾性層の外周面上にPFAからなら厚み約30μmのチューブを被覆したエンドレスベルト状の定着部材である。14はヒータ保持部材としてのヒータホルダで耐熱性と剛性を有する液晶ポリマー樹脂で形成される。
13はヒータで、細長い板状のセラミック基材状に通電により急速に発熱する抵抗体を基材の長手方向に沿ってもうけ、抵抗体をガラス保護層で被覆し、抵抗体の長手方向の端部に電圧印加するための導体電極部を有する。
ヒータ13はヒータホルダ14のベルト側面に長手方向に沿ってもうけられた凹部に配設される。定着ベルト11はヒータホルダ14にルーズな状態で外嵌させてある。
ステー15はステンレス板金をコの字型に成形した高剛性の支持体で、ヒータホルダ14をステー15に固定してヒータホルダ14を補強している。
19は加圧部材としての加圧ローラで、ステンレスの芯金の周面上に射出成形により厚み約3mmのシリコーンゴム層を形成し、その上に厚み約40μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。この加圧ローラ19は芯金の両端部を不図示の定着装置フレームの奥側と手前側の側板に回転自由に軸受保持させて配設してある。前記ヒータホルダ14を加圧ローラ19と平行に配置し、ヒータホルダ14の両端部を不図示の加圧機構により所定の力で加圧ローラ19の軸線方向に付勢することで、ヒータ13を定着ベルト11を介して加圧ローラ19に圧接させ、定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成してある。
加圧ローラ19は後述する駆動装置により矢印A方向に所定の周速度で回転駆動される。これにより、加圧ローラ19の外面に圧接された定着ベルト11が加圧ローラ19からの摩擦力を受けて従動回転する。定着ベルト11の内面は定着ヒータ13に密着し摺擦しながら回転する。定着ベルト11の内面やヒータ13の摺擦面には、ヒータ13とベルト11のすべり性を確保するため耐熱性を有する潤滑剤としてシリコーンオイル、フッ素樹脂含有グリスが塗布されている。
18は温度検知手段としてのサーミスタである。サーミスタ18はベルトの幅方向にそって全サイズの記録材が通過する中央付近と中央以外の複数位置に配置され、ヒータ13の温度を検知し、中央サーミスタの検知温度が目標温度となるようにヒータ13へ供給する電力を制御する。
加圧ローラ19およびベルト11が回転駆動され、定着ヒータ13が目標温度に制御された状態で、未定着トナー像を担持した記録材Pがニップ部Nに搬送される。記録材Pは定着ベルト11を介して定着ヒータからの熱を受けて加熱され、同時にニップ部で挟持されることでトナー像が記録材上に加圧される。これによりトナー像が記録材Pに定着される。
(制御装置)
図2に定着装置10の側面図(記録材の搬送方向から見た図)および定着装置の制御ブロック図を示す。
ヒータホルダ14の両端には耐熱樹脂で成形した支持部材12a、12bが取り付けられ、ベルト11の両端部の内側に支持部材12a、12bの一部を挿入させ不図示の定着装置フレームに支持部材12a、12bを固定することでベルト11が支持される。支持部材12a、12bにはベルト周方向に沿って壁部12c、12dがもうけてあり、軸方向の左右どちらかに片寄りしたベルト11が壁部12cまたは12dに突き当たることでベルト11の軸方向位置が規制される。
ヒータ13には電源85および通電量を制御する制御回路84が接続されている。ヒータ13のベルトに当接する面と反対側にヒータ温度検出手段として複数のサーミスタ18a、18b、18cが押圧されている。本実施例では全てのサイズの記録材が通過する中央付近(18b)と両端付近(18a、18c)にサーミスタを配置した。中央サーミスタ18bはヒータ13を目標温度に制御するために使用し、全てのサーミスタを後述する汚れ推測用に使用する。両端付近にサーミスタを配置した理由は、汚れの原因となるベルト内面やベルト端面の磨耗粉がベルト11と支持部材12a、12bが摺擦する端部付近において比較的多く発生するためである。
制御装置81はサーミスタ18bの検知温度に基づき制御回路84を制御して通電量を制御する。これによりヒータ13を目標温度に収束させる。駆動装置83は加圧ローラ19を回転させるギア17に連結したモータで、制御装置81により制御されて加圧ローラ19の回転と停止を制御する。
さらに制御装置81はサーミスタ18a、18b、18cの検知結果とタイマー87で測定されたヒータ13の昇温時間をもとに後述する方法によりヒータ汚れ寿命を算出し算出結果を記憶装置86に記憶する。
なお、タイマー87は制御装置81に内蔵されていてもよい。また算出したヒータ汚れ寿命を画像形成装置の操作部等に設けた表示装置82に表示する。表示装置82に表示する以外に通信回線を介して外部のサービス拠点等に設置された監視用ホストコンピュータにヒータ汚れ寿命の情報を送信してもよい。
次に本発明の特徴を図4、図5、図6により説明する。
図4はヒータ13の温度が室温付近の状態から通電開始直後のサーミスタ18aで検知された温度推移の例を示したものである。
T0は定着装置が新品の場合で、T20はプリント動作を積算20万枚行った後の温度推移である。なお、積算20万枚行ったヒータ摺擦面にはサーミスタ18aに対応した位置に汚れが付着していることを確認している。サーミスタ検知温度が200℃に到達するまでの昇温時間が新品では8秒(ta(0))であるのに対し20万枚後は6秒に短くなっている。これは付着した汚れが熱抵抗体となりヒータ13からベルト11への熱移動量が減りヒータ13の昇温速度が大きくなったためと考えられる。
図5に、定着装置を使用開始してからの積算プリント枚数に対する昇温時間の変化の例を示す。昇温時間は耐久とともに徐々に短くなっている。これはヒータ13の汚れ蓄積量が徐々に増加し熱移動量が徐々に低下するためと考えられる。ベルト11の磨耗はベルト回転にともなって発生するため蓄積量はベルトの積算回転時間に依存すると考えられる。
上記に基づきヒータ汚れ寿命Lを下記式で定義する。ここでta(n)は耐久中の任意の時期にサーミスタ18aで測定された昇温時間、ta(0)は初期にサーミスタ18aで測定された昇温時間、Kは許容可能な最大汚れ量における昇温時間の初期からの低下分である。Kはあらかじめ耐久試験を行い記憶装置86に記憶しておく。許容可能な最大汚れ量はベルト温度低下によるトナー画像の定着不良が発生しない上限量である。
ヒータ汚れ寿命L=min(La、Lb、Lc) … La、Lb、Lcの最小値
La=100×[ta(0)−ta(n)]/K (単位:%)
Lb=100×[tb(0)−tb(n)]/K
Lc=100×[tc(0)−tc(n)]/K
表1は昇温時間の耐久変化と原因について筆者らが調べた結果である。昇温時間が変化する原因は複数ありそれぞれ変化の様子が異なっている。原因のうち昇温時間が短くなるのはヒータ汚れとベルト破損だけなので他の原因と区別できる。耐久末期にごくまれにベルト破損が発生する場合があるが、その場合、破損部においてヒータ13にベルト11が密着しないためベルト11への熱移動がほぼ無くなりヒータ13が急激に過昇温する。そのため昇温時間が突発的に急激に短くなるので昇温時間の変化率からベルト破損が発生したことを判断できる。
このように昇温時間の継時変化の様子から原因の区別が可能である。
ヒータ汚れ寿命Lの定義より定着不良が発生しない許容最大寿命は100%(K=t(0)−t(n)のとき)である。したがってLが100%に到達する前にメンテナンスすることが必要である。しかし何らからの理由でメンテナンスができない場合も有り得る。そのためLが100%に到達した後も定着装置の設定を自動変更して少なくともプリント動作が可能な状態を維持することがユーザー立場にとって好ましい。
表2に寿命Lが100%を超えた場合の設定を示す。ただし設定は本実施例に限定されず装置仕様や定着装置構成に応じて適宜変更してよい。100%を超えた後、110%未満(条件1)の場合は目標温度を10℃上げてベルト温度低下を抑え定着不良を防止する。120%未満(条件2)の場合はさらにプリント速度を10枚下げることで単位時間あたり定着ニップを通過する記録材数を少なくし記録材への熱移動によるベルト温度低下を抑える。さらに120%以上になると汚れ位置でのヒータ昇温がヒータホルダの耐熱限界280℃に近づくため装置停止する。これらの設定はあらかじめ実験により最適値を求め記憶装置86に記憶しておく。
上記で説明した汚れの判定、寿命算出、および寿命が100%超えた後の定着設定変更の制御フローについて図6により説明する。
画像形成装置がプリント指令信号を受け取るとフローを開始する。各ステップの動作はすべて制御装置81により制御される。
開始時点でサーミスタ18a、18b、18cにより各位置のヒータ温度(Tha0、Thb0、Thc0)を検知し一時的に記憶装置86に記憶する<S1>。この検知温度はあとで開始時点のヒータ温度が室温付近にあったか判断するために用いられる。
次に制御回路84と駆動装置83をONしてヒータ13への通電と加圧ローラ19およびベルト11の回転を開始する<S2>。このときヒータ13へは通電比率を100%に設定し常時通電し続ける状態とする(通電比率0%は通電OFF)。
次にタイマー87により昇温時間の測定を開始し<S3>、所定時間間隔でヒータ温度を検知し各位置のヒータ温度が目標温度Tt(200℃)に到達した時点の経過時間を昇温時間(ta(n)、tb(n)、tc(n))に決定する<S4〜S6>。なお昇温時間はいづれか1つのサーミスタが目標温度Ttに到達した時点の経過時間だけを用いるようにしてもよい。
つづいて前回の昇温時に測定された昇温時間ta(n−1)と今回の昇温時間ta(n)の変化量を所定値A(=4sec)と比較し昇温時間の変化が急激か否かを判断する<S7>。tb、tcについても同様に判断する。変化量がA以上の場合は急激でありベルト破損等が発生もしくは発生する前兆ととらえ装置停止する<S18>。A未満の場合はつづけて初期値ta(0)と比較し<S8>、初期値より短い場合は徐々に昇温時間が短くなっていると判断しヒータ汚れが進行していると判断する。
汚れ寿命を算出する前に開始時のヒータ温度が室温付近であったかチェックする<S9>。例えば前回プリントが終了してから間もない時はヒータ温度が高くなっているため昇温時間が短くなり汚れにより短くなった場合と区別がつかない。そのためヒータ温度がTr(=30℃)以上の場合は室温付近になかったと判断し以降の汚れ寿命算出は行わずただちにプリントに移行する。
ヒータ温度がTr(=30℃)未満の場合は室温付近にあったと判断し、今回の昇温時間の記憶、汚れ寿命Lの算出、寿命の更新、表示装置82へ更新された寿命値の表示を行う<S10〜S12>。これによりサービスマンは表示値を見てメンテナンス要否を判断することが可能となる。なおメンテナンスを行った場合はサービスマンが不図示の操作部より寿命を0%にリセットする。
寿命が100%未満の場合はプリントに移行するが<S13、S14>、100%を超えてメンテナンスされない場合、寿命値の進度に応じて定着装置の設定を変更し定着不良が発生しないように制御する<S15〜S18>。
以上のように、ヒータ昇温時間の継時変化をもとにヒータ汚れ寿命を算出し表示するようにしたので、汚れが原因で装置停止する前にメンテナンス時期を判断できるようになった。また、筆者らの試験の結果、画像形成装置の仕様としてヒータ目標寿命が30万枚であるのに対し、従来の定着装置では32万枚で定着不良が発生したが、本発明を適用した定着装置では35万枚においても定着不良は発生しなかった。
実施例1では汚れ寿命を算出するためにヒータの昇温時間を測定したが替わりにヒータとベルトの温度差を測定してもよい。実施例2について図7、図8、図9により説明する。
図7は定着装置101の断面図で、図3と共通の要素には同一番号を付してある。
16はベルト温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタである。サーミスタ16はヒータホルダ14にもうけた台座162に固定した板バネ161によりベルト11側に付勢されベルト11に押圧されている。
図8の上側にサーミスタ16のベルト回転軸方向の配置を示す。ベルト温度を検知するサーミスタは中央付近(16b)と両端付近(16a、16c)に配置され、ヒータ温度を検知するサーミスタ18a、18b、18cとほぼ同一位置に配置されている。なおヒータ13の中央温度を検知するサーミスタ18bはヒータ13を目標温度に制御するために使用される。
ヒータ13の端部に汚れDが蓄積した時のヒータ13およびベルト11の温度分布の例を図8の下側に示す。ここでは、ヒータ温度が室温付近にある状態から通電開始後にサーミスタ18bで検知された温度が200℃に到達した時点の温度分布を示している。この時サーミスタ16bで検知されたベルト中央温度は170℃である。
汚れDが付着した位置(18aの位置)では汚れが熱抵抗体となりヒータ13からベルト11への熱移動量が減るため、汚れが無い位置(18bや18cの位置)に比較してヒータ温度が高くなり(225℃)ベルト温度は低くなる(160℃)。したがってヒータとベルトの温度差は汚れDが付着した位置でΔTa(65℃)、汚れが無い位置でΔTb(30℃)、ΔTc(30℃)となり温度差にもとづき汚れを推測することができる。
上記に基づきヒータ汚れ寿命L2を下記式で定義する。ここでΔTa(n)は耐久中の任意の時期に測定されたヒータとベルトの温度差、ΔTa(0)は初期に測定された温度差、Mは許容可能な最大汚れ量における温度差の初期からの増加分である。
ヒータ汚れ寿命L2=min(L2a、L2b、L2c) … L2a、L2b、L2cの最小値
L2a=100×[ΔTa(n)−ΔTa(0)]/M (単位:%)
L2b=100×[ΔTb(n)−ΔTb(0)]/M
L2c=100×[ΔTc(n)−ΔTc(0)]/M
ヒータ13の汚れ蓄積量は耐久とともに徐々に増加しベルト11への熱移動量が徐々に低下するためヒータ13とベルト11の温度差も徐々に大きくなる。表3に示すように、ヒータ汚れが原因で生じる温度差の継時変化の様子は他の原因による変化と異なるため区別が可能である。
上記で説明した汚れの判定、寿命算出のフローについて図9により説明する。なお実施例1と同じ制御ステップについては図6と同じ記号を付してある。以下、実施例1と異なるステップ<S21〜S35>の制御内容だけを説明する。
ステップS21〜S24で、ヒータ13に通電開始後の時間tをタイマー87により測定し所定時間Tm(8sec)に達した時点でヒータ温度(Tha(n)、Thb(n)、Thc(n))、ベルト温度(Tfa(n)、Tfb(n)、Tfc(n))を検知し、検知結果から温度差(ΔTa(n)、ΔTb(n)、ΔTc(n))を算出する。なお検知タイミングはヒータ温度を検知するサーミスタ18a、18b、18cのいづれか1つのサーミスタが目標温度Tt(200℃)に到達した時点でもよい。
つづいて前回の昇温時に測定された温度差ΔTa(n−1)と今回の温度差ΔTa(n)の変化量を所定値Bと比較し温度差の変化が急激か否かを判断する<S25>。ΔTb、ΔTcについても同様に判断する。変化量がB以上の場合は急激でありベルト破損やサーミスタ断線、サーミスタ浮き(当接不良)等が発生したととらえ装置停止する<S18>。B未満の場合はつづけて初期値ΔTa(0)と比較し<S26>、初期値より大きい場合はヒータ汚れが進行している可能性がある。次にヒータ温度Tha(n)を初期値Tha(0)と比較し初期値より高い場合は汚れが原因であると決定する<S27>。
つづいて通電開始時のヒータ温度が室温付近であったかチェックし<S9>、室温Tr付近であった場合は、温度差の記憶、汚れ寿命L2の算出、寿命の更新、表示装置82へ更新された寿命値の表示を行う<S28〜S30>。
寿命が100%未満の場合はプリントに移行し<S31、S14>、100%を超えている場合は定着装置の設定を変更し定着不良が発生しないように制御する<S32〜S35>。ここでは実施例1と同じ設定変更を採用した。
以上の方法によりヒータとベルトの温度差の継時変化をもとにヒータ汚れ寿命を算出することができた。
実施例1、実施例2ではヒータをニップ部に配置した定着装置について本発明を適用した場合を説明したがヒータ位置はニップ部に限定されないことは明らかである。例えば図10に示すようなニップ部以外にヒータを配置した定着装置102にも適用可能である。定着装置102では断面がベルト11の内周面に沿った円弧状のヒータ130を使用し、ヒータ130をヒータホルダ131上に固定し、ステー132上にもうけたバネ15によりヒータホルダ131をベルト11側に付勢することによりヒータ130をベルト内面に接触させる構成である。また、ヒータ131の温度検知手段としてサーミスタ160を、ベルト11の温度検知手段として非接触温度センサ180をもうけてある。
10 定着装置、11 定着部材、13 ヒータ、14 ヒータ保持部材、
16,16a,16b,16c ベルト温度検知手段、
18,18a,18b,18c ヒータ温度検知手段、19 加圧部材、
81 制御装置、82 表示装置、85 記憶装置、87 タイマー、
130 ヒータ、131 ヒータ保持部材、160 ヒータ温度検知手段、
180 ベルト温度検知手段、D 汚れ、N ニップ部

Claims (3)

  1. 円筒状の回転可能な定着部材(11)と、定着部材の内面に接触し定着部材の回転軸方向に伸びる加熱源(13)を有し、加熱源の温度を検出する温度検出手段(18)を回転軸方向に複数配置した定着装置において、
    加熱源に通電開始してから加熱源が所定温度に昇温するまでの昇温時間を測定する測定手段(85)と、該昇温時間を記憶する記憶手段(86)を有し、該昇温時間の継時変化と昇温時間の初期値をもとに加熱源の寿命を算出する寿命算出手段(81)と、算出した寿命を表示する表示手段(82)をそなえたことを特徴とする定着装置。
  2. 円筒状の回転可能な定着部材(11)と、定着部材の内面に接触し定着部材の回転軸方向に伸びる加熱源(13)を有し、加熱源の温度を検出する温度検出手段(18)と定着部材の温度を検出する温度検出手段(16)を回転軸方向のほぼ同一位置に複数配置した定着装置において、
    加熱源に通電開始してから所定時間後の加熱源と定着部材の温度差を算出する手段(81)と、該温度差を記憶する記憶手段(86)を有し、該温度差の継時変化と温度差の初期値をもとに加熱源の寿命を算出する寿命算出手段(81)と、算出した寿命を表示する表示手段(82)をそなえたことを特徴とする定着装置。
  3. 算出された加熱源の寿命に応じて、加熱源の温度、または記録材の単位時間あたりの搬送枚数を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
JP2017145976A 2017-07-28 2017-07-28 定着装置 Active JP7046520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017145976A JP7046520B2 (ja) 2017-07-28 2017-07-28 定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017145976A JP7046520B2 (ja) 2017-07-28 2017-07-28 定着装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019028190A true JP2019028190A (ja) 2019-02-21
JP2019028190A5 JP2019028190A5 (ja) 2020-09-10
JP7046520B2 JP7046520B2 (ja) 2022-04-04

Family

ID=65476145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017145976A Active JP7046520B2 (ja) 2017-07-28 2017-07-28 定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7046520B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7179937B1 (ja) 2021-08-31 2022-11-29 キヤノン株式会社 像加熱装置及び画像形成装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1010918A (ja) * 1996-06-20 1998-01-16 Canon Inc 画像形成装置
JP2005338698A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2014186119A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Brother Ind Ltd 画像形成装置
US20170192379A1 (en) * 2015-12-31 2017-07-06 Lexmark International, Inc. Power Management and Control for a Fuser of an Electrophotographic Imaging Device

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1010918A (ja) * 1996-06-20 1998-01-16 Canon Inc 画像形成装置
JP2005338698A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2014186119A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Brother Ind Ltd 画像形成装置
US20170192379A1 (en) * 2015-12-31 2017-07-06 Lexmark International, Inc. Power Management and Control for a Fuser of an Electrophotographic Imaging Device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7179937B1 (ja) 2021-08-31 2022-11-29 キヤノン株式会社 像加熱装置及び画像形成装置
JP2023034802A (ja) * 2021-08-31 2023-03-13 キヤノン株式会社 像加熱装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7046520B2 (ja) 2022-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4988511B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
EP0961179B3 (en) Image fixing apparatus
JP4444223B2 (ja) 定着装置、画像形成装置、定着装置の制御方法、定着装置の制御プログラムおよびその記録媒体
JP5352181B2 (ja) 画像形成装置
JP4442858B2 (ja) 画像形成装置
JP2018155903A (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法およびプログラム
JP7046520B2 (ja) 定着装置
JP2006163017A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4617345B2 (ja) 画像形成装置
JP2008257027A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4593839B2 (ja) 画像形成装置
JP6639157B2 (ja) 画像加熱装置および画像形成装置
JP7003801B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2014010319A (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP2010139881A (ja) 画像形成装置
JP7025869B2 (ja) 画像形成装置
JP3787433B2 (ja) 定着装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2020086015A (ja) 画像形成装置、画像形成システム、および予測用トルク値算出装置
JP7306164B2 (ja) 定着装置、画像形成装置
JP2014085573A (ja) 画像形成装置
JP2011133630A (ja) 定着装置
JP5400016B2 (ja) 画像形成装置
JP6835012B2 (ja) 画像形成装置
JP2021086045A (ja) 画像形成装置および画像形成システム
JP6969340B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20191125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200727

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220323

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7046520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151