以下において、図面を参照して本発明の第1及び第2実施形態を説明する。なお、以下に示す本発明の第1及び第2実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本明細書において自動運転とは、自車両の操舵、制動及び駆動の少なくとも1つが運転支援装置1により自動的に制御されている運転状態を意味する。即ち、本明細書における自動運転は、乗員が関与せずに自車両の操舵、制動及び駆動のすべてが自動的に制御される完全自動運転の他、自車両の操舵、制動及び駆動の少なくとも1つが自動的に制御される運転支援を含む。自動運転は、先行車追従制御、車間距離制御、車線逸脱防止制御等であってもよい。一方、本明細書における手動運転とは、操舵、制動及び駆動のすべてが運転者の操作により操作される運転状態を意味する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置は、図1に示すように、運転支援装置1の一部として実現される。運転支援装置1は、運転支援装置1を搭載する車両(以下、「自車両」と表記する)の周囲の走行環境に基づき自車両の自動運転制御を行う。自車両は、運転支援装置1による自動運転制御又は運転者の手動運転により走行可能である。
運転支援装置1は、周囲環境センサ群10、測位装置11、高精度地図記憶部12、車両センサ群20、コントローラ30、表示装置31及び車両制御アクチュエータ群40を備える。このうち、例えば周囲環境センサ群10、車両センサ群20、測位装置11、高精度地図記憶部12、コントローラ30及び表示装置31が、本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置を構成し得る。
周囲環境センサ群10は、自車両の周囲環境(周囲状況)、例えば自車両の周囲の路面や物体を検出するセンサ群である。周囲環境センサ群10は、測距装置13、カメラ14及び通信機15を含む。測距装置13は、自車両の周囲に存在する他車両等の物体、自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離等の自車両の周囲環境情報を検出する。測距装置13は、例えば、レーザレンジファインダ(LRF)やレーダであってよい。測距装置13は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をコントローラ30へ出力する。
カメラ14は、自車両の周囲に存在する自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離、車両境界線や停止線の相対位置、信号機の相対位置、信号機の青色、黄色、赤色の点灯色等の自車両の周囲環境情報を検出する。カメラ14は例えばステレオカメラであってよい。カメラ14は単眼カメラであってもよく、単眼カメラにより複数の視点で同一の物体を撮影して、物体までの距離を計算してもよい。カメラ14は、検出した周囲環境情報をコントローラ30へ出力する。
通信機15は、他車両との車車間通信、路側機との路車間通信、交通情報センタとの通信等を行うことにより、他車両の位置、他車両の速度等を自車両の周囲環境情報として受信する。通信機15は、自車両の周囲の信号機と通信を行うことにより、信号機の位置、信号機の点灯色、信号機の点灯時間(点灯周期)等を自車両の周囲環境情報として受信してもよい。通信機15は、受信した周囲環境情報をコントローラ30へ出力する。
測位装置11は、自車両の現在位置を測定する。測位装置11は、例えば全地球測位システム(GPS)受信機であってよい。測位装置11は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)等の他の衛星測位システムの衛星信号に基づき自車両の現在位置を測定してもよい。測位装置11は、慣性航法装置であってもよい。測位装置11は、自車両の現在位置の情報である測位情報をコントローラ30へ出力する。
高精度地図記憶部12に記憶される高精度地図情報は、従来のナビ地図情報よりも高精度の地図情報であり、道路単位の情報よりも詳細は車線単位の情報を含む。例えば、状精度地図情報は、車線単位の情報として、車線基準線(例えば中央の線)上の交差点等の基準点を示す車線ノードの情報と、車線ノード間の車線の区間態様を示す車線リンクの情報を含む。車線ノードの情報は、その車線ノードの識別番号、位置座標、接続される車線リンク数、接続される車線リンクの識別番号を含む。車線リンクの情報は、その車線リンクの識別番号、車線の種類、車線境界線の種類、車線の形状、車線基準線の形状を含む。更に、高精度地図情報は、車線上又はその近傍に存在する信号機、停止線、標識(交通法規)、建物、電柱、縁石、横断歩道、壁等の地物の種類及び位置座標と、地物の位置座標に対応する車線ノードの識別番号及び車線リンクの識別番号等の地物の情報を含む。
車両センサ群20は、自車両の走行状態を検出するセンサと、運転者による運転操作を検出するセンサとを含む。車両の走行状態を検出するセンサは、車速センサ21、加速度センサ22及びジャイロセンサ23を含む。運転操作を検出するセンサは、操舵角センサ24、アクセルセンサ25及びブレーキセンサ26を含む。
車速センサ21は、自車両の車輪速を検出し、車輪速に基づき自車両の速度を算出する。加速度センサ22は、自車両の前後方向の加速度、車幅方向の加速度及び上下方向の加速度を検出する。ジャイロセンサ23は、ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸を含む3軸回りの自車両の回転角度の角速度を検出する。
操舵角センサ24は、操舵操作子であるステアリングホイールの現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。アクセルセンサ25は、車両のアクセル開度を検出する。例えばアクセルセンサ25は、車両のアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。ブレーキセンサ26は、運転者によるブレーキ操作量を検出する。例えばブレーキセンサ26は、車両のブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ操作量として検出する。車両センサ群20の各センサが検出した自車両の速度、加速度、角速度、操舵角、アクセル開度、ブレーキ操作量の情報を総称して「車両情報」と表記する。車両センサ群20は車両情報をコントローラ30へ出力する。
コントローラ30は、自車両の運転制御を行う電子制御ユニット(ECU)等の処理回路である。コントローラ30は、プロセッサ32と、記憶装置33等の周辺部品とを含む。プロセッサ32は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。記憶装置33は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置33は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ30を実現してもよい。例えば、コントローラ30はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)等を有していてもよい。
コントローラ30は、自車両の自動運転制御が実行される自動運転モードと、運転者の手動運転による手動運転モードとを切り替え可能である。自動運転モードでは、コントローラ30は、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報と、車両センサ群20により検出された車両情報とに基づき、自車両を走行させる走行軌跡を生成する。なお、コントローラ30は、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報と、車両センサ群20により検出された車両情報とに加えて、測位装置11から得られた測位情報と、高精度地図記憶部12から読み出した高精度地図情報とに基づき走行軌跡を生成してもよい。
コントローラ30は、生成した走行軌跡を自車両が走行するように車両制御アクチュエータ群40を駆動して自動的に自車両を走行させる。即ち、コントローラ30は、生成した走行軌跡に基づいて車両制御アクチュエータ群40の制御量を算出し、算出した制御量を車両制御アクチュエータ群40に出力する。
コントローラ30は、自車両が自動運転中に交差点に接近している場合、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報と、車両センサ群20により検出された車両情報とに基づき、自車両が交差点手前の停止線の位置で停止するか否かを判定する。コントローラ30は、停止線の位置で停止すると判定した場合、減速して停止線の位置で停止するように車両制御アクチュエータ群40を制御する。一方、コントローラ30は、停止線の位置で停止しないと判定した場合、例えば現在の車速を維持して停止線の位置を通過するように車両制御アクチュエータ群40を制御する。
車両制御アクチュエータ群40は、コントローラ30からの制御信号に応じて、自車両のステアリングホイール、アクセル開度及びブレーキ装置を操作して、自車両の車両挙動を発生させる。車両制御アクチュエータ群40は、ステアリングアクチュエータ41、アクセル開度アクチュエータ42及びブレーキ制御アクチュエータ43を備える。ステアリングアクチュエータ41は、自車両のステアリングの操舵方向及び操舵量を制御する。アクセル開度アクチュエータ42は、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータ43は、自車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
一方、手動運転モードでは、コントローラ30は、例えば、車両センサ群20により検出された操舵角、アクセル開度及びブレーキ操作量に応じて車両制御アクチュエータ群40を駆動して、運転者の操作に応じた車両挙動を発生させる。
コントローラ30は、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報に基づき、自車両の周囲環境(周囲状況)を乗員に対して提示するための表示画像(ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)画像)を生成する。例えば図3に示すように、自車両100が自動運転中に走行経路R1に沿って走行中であり、自車両100が交差点を左折する場面を考える。交差点手前には停止線101が存在し、信号機102が設置されている。
コントローラ30は、図3に示した自車両100の周囲状況を乗員に対して表示(提示)するための表示画像を生成する。例えば図4Aに示すように、表示画像には、図3に示した自車両100の走行車線や交差点を含む、自車両100の前方の路面が表示される。表示画像は、自車両100の後方の斜め上方を仮想的な視点位置として、その視点位置から自車両100の前方を含む自車両100の周囲を見る鳥瞰画像であってもよい。或いは、自車両100の直上を仮想的な視点位置として、その視点位置から自車両100の前方を含む自車両100の周囲を見る俯瞰画像であってもよい。表示画像は、コンピュータグラフィックス(CG)画像等の仮想画像であってもよく、カメラ14により撮像された撮像画像であってもよい。
図4Aに示すように、表示画像は、図3に示した自車両100の位置を示すための自車両100を模擬した表示(自車両アイコン)V1と、図3に示した交差点の信号機102の点灯色を示すための信号機102を模擬した表示(信号機アイコン)T1を含む。また、図3に示した自車両100の走行経路R1を、表示画像中の路面に色を重畳すること等により表示してもよい。更に、図示を省略するが、図3に示した自車両100の前方に先行車が有る場合には、先行車の位置を示すための先行車を模擬した先行車アイコンを表示画像中に表示してもよい。
図1に示したコントローラ30は、生成した表示画像を表示装置31へ表示する。更に、コントローラ30は、表示画像中の周囲状況の路面から上方に延出(延伸)する停止表示(停止アイコン)を、周囲状況に合わせて提示する(停止アイコンの詳細については後述する)。
表示装置31は、例えば自車両に搭載されたナビゲーション装置のディスプレイ装置であってもよく、自車両のメータパネルに配置されたディスプレイ装置であってもよく、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置でもよい。
コントローラ30は、図2に示すように、自車速取得部50、信号情報取得部51、先行車車速取得部52、交差点検出部53、自車位置算出部54、交差点接近判定部55、停止可能性演算部56、HMI描画部57、アイコン記憶部58、アイコン描画部59及び画像合成部60を備える。自車速取得部50、信号情報取得部51、先行車車速取得部52、交差点検出部53、自車位置算出部54、交差点接近判定部55、停止可能性演算部56、HMI描画部57、アイコン記憶部58、アイコン描画部59及び画像合成部60の機能は、コントローラ30のプロセッサ32が、記憶装置33に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって実現されてよい。
自車速取得部50は、車速センサ21により検出された自車両の車速を取得する。信号情報取得部51は、カメラ14により検出された自車両の前方の信号機の点灯色、点灯時間を含む信号情報を取得する。信号情報取得部51は、自車両の前方の信号機や路側機等から通信機15を介して信号情報を取得してもよい。先行車車速取得部52は、測距装置13により検出された先行車の有無、先行車の車速等の先行車情報を取得する。
交差点検出部53は、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報から、自車両の周囲に存在する交差点の位置を検出する。交差点検出部53は、自車両の現在位置から目的地までの走行経路が決定されている場合には、走行経路上に存在する交差点の位置を検出してもよい。自車位置算出部54は、測位装置11により得られた測位情報と、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報とに基づき、高精度地図上の自車両の現在位置を検出する。
交差点接近判定部55は、交差点検出部53により検出された交差点の位置と、自車位置算出部54により検出された自車両の現在位置とに基づき、自車両が交差点に接近しているか否かを判定する。例えば、交差点接近判定部55は、交差点検出部53により検出された交差点の位置と、自車位置算出部54により検出された自車両の現在位置との距離を算出し、算出した距離が所定の閾値未満の場合、自車両が交差点に接近していると判定する。
停止可能性演算部56は、交差点接近判定部55により自車両が交差点に接近していると判定された場合に、自車速取得部50により取得された自車両の車速、信号情報取得部51により取得された信号情報、先行車車速取得部52により取得された先行車情報等に基づき、自車両が接近している交差点手前の停止線の位置で自車両の停止する可能性(確率)を演算(予測)する。停止線の位置の情報は、例えば高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報や、カメラ14の検出結果、通信機15により受信した周囲状況等から取得することができる。
例えば、停止可能性演算部56は、自車速取得部50により取得された自車両の車速が維持されると仮定し、自車両が交差点手前の停止線の位置に到達するタイミングでの信号機が赤色と予測される場合に、自車両の停止する可能性を高く演算する。なお、停止可能性演算部56は、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報等に基づき、自車両が交差点手前の停止線の位置で停車状態となるか否かを判定してもよい。例えば、停止可能性演算部56は、交差点において一時停止標識が有る場合には、一時停止が必ず必要であるため、自車両が交差点手前の停止線の位置で停車状態となると判定する。また、コントローラ30の自動運転機能により既に停車状態となるか否かが決定されている場合には、停止可能性演算部56は、自車両が交差点手前の停止線の位置で停車状態となるか否かを判定してもよい。
HMI描画部57は、カメラ14及び測距装置13により検出された自車両の周囲状況に基づき、自車両の前方の状況を含む自車両の周囲状況を表示する表示画像(ベース画像)を描画(生成)する。表示画像は、例えば図4Aに示すように、自車両の走行車線を含む自車両の周囲状況における路面と、自車両の位置を示す自車両アイコンV1と、自車両の前方の信号機の点灯色を示す信号機アイコンT1を含む。HMI描画部57は、自車両の移動に伴い表示画像を逐次更新する。
アイコン記憶部58は、HMI描画部57により生成された表示画像と合成するための、自車両の現在又は将来的な停車状態を示す停止表示(停止アイコン)を記憶する。アイコン描画部59は、アイコン記憶部58に記憶された停止アイコンを読み出して描画(生成)する。画像合成部60は、HMI描画部57により生成された表示画像に、アイコン描画部59により描画された停止アイコンを合成して、合成した表示画像(合成画像)を表示装置31へ出力する。
例えば、アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンを描画する。アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性が無い(可能性がゼロの)場合、或いは自車両の停止する可能性が所定の閾値未満の場合、停止アイコンを描画しない。この場合、画像合成部60は、HMI描画部57により生成された例えば表示画像をそのまま表示装置31へ出力する。
アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性が有る場合、或いは自車両の停止する可能性が所定の閾値以上の場合、停止アイコンを描画する。また、アイコン描画部59は、自車両が走行状態から停車状態に切り替わる場合に、停止アイコンを描画してもよい。
アイコン描画部59により描画される停止アイコンS1は、図4Bに示すように、壁状の矩形パターンを有し、高さ方向の中央部に「STOP」の文字を含む。停止アイコンS1の矩形パターンの色は例えば赤色であり、「STOP」の文字は白色であるが、特に限定されない。停止アイコンS1の幅は、自車両の走行車線の幅と略一致している。なお、停止アイコンS1は、「STOP」の文字を含まなくてもよく、「STOP」の文字の代わりに「止まれ」又は「一時停止」等の、自車両が停止状態となることを乗員が認識しやすい文字を含んでいてもよい。また、停止アイコンS1の形状は矩形に限定されず、台形や三角形、円形等のパターンであってもよい。また、停止アイコンS1の幅は、自車両の走行車線の幅よりも広くてもよく、自車両の走行車線の幅よりも狭くてもよい。
アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性に基づき、図4B〜図4Dに示すように、停止アイコンS1の高さH1〜H3を変化させて表示してもよい。例えば、アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性が高いほど、停止アイコンS1の高さH1〜H3を高くしてもよい。なお、停止アイコンS1の高さH1〜H3を3段階で変化させる場合に限定されず、2段階であってもよく、4段階以上の多段階であってもよい。
例えば、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が第1の閾値以上の場合、図4Bに示すように、停止アイコンS1の全体を高さH1で描画する。また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が第1の閾値未満で、且つ第1の閾値未満の値である第2の閾値以上の場合、図4Cに示すように、停止アイコンS1の上部を高さH2で描画する。また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が第2の閾値未満で、且つ第2の閾値未満の値である第3の閾値以上の場合、図4Dに示すように、停止アイコンS1の上部を高さH2より低い高さH3で描画する。また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が第3の閾値未満の場合、図4Aに示すように、停止アイコンを非表示としてもよい。なお、図4C及び図4Dに示すように停止アイコンS1の上部を高さH2,H3で描画する代わりに、停止アイコンS1の全体を高さH2,H3となるように高さ方向に圧縮して描画してもよい。
また、アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により逐次演算される自車両の停止する可能性の変化に基づき、停止アイコンS1の高さH1〜H3を逐次変化させてもよい。アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が無くなった場合、図4Aに示すように停止アイコンS1の描画を終了してもよい。アイコン描画部59は、自車両が停止線の位置から発進する場合等の、自車両が停車状態から発進状態に切り替わる時に停止アイコンS1の描画を終了してもよい。
画像合成部60は、図4B〜図4Dに示すように、HMI描画部57により生成された表示画像と、アイコン描画部59により描画された停止アイコンS1とを合成する。画像合成部60は、表示画像における交差点手前の停止線L1の位置に停止アイコンS1の下端を一致させて、停止線L1の位置から上方に延出するように停止アイコンS1を表示させる。なお、停止アイコンS1は必ずしも厳密に停止線L1の位置上から延出するように表示しなくてもよく、停止線L1の位置の前後(表示画像の上下)にずれてもよく、停止線L1の位置付近の路面上から延出するように表示してもよい。
例えば、画像合成部60は、停止アイコンS1の表示を開始する際に、表示画像中の停止線L1の位置に停止アイコンS1の下端が位置するように、停止アイコンS1全体を一度に出現させてもよい。或いは、画像合成部60は、表示画像中の路面の停止線L1の位置から上方に停止アイコンS1が延出してくるように表示してもよい。即ち、停止線L1の位置から停止アイコンS1の上端をまず出現させ、停止線L1の位置から上方に停止アイコンS1の上部から下部まで徐々に出現させ、最終的に停止アイコンS1の下端を停止線L1の位置に出現させることで、停止アイコンS1の全体を出現させてもよい。或いは、画像合成部60は、表示画像の上端から停止アイコンS1の下端を出現させて、停止線L1の位置に移動(降下)してくるように停止アイコンS1の全体を出現させて、停止アイコンS1の下端を停止線L1の位置で停止させてもよい。
画像合成部60は、自車両の移動に伴う表示画像中の自車両の周囲状況の変化に合わせて、停止アイコンS1を移動させるとともに、停止アイコンS1の大きさを変化させる。例えば、表示画像中の停止線L1の位置が手前(表示画像の下方)に移動することに合わせて、停止アイコンS1の下端が停止線L1の位置に継続して対応するように停止アイコンS1を移動させる。また、表示画像中の停止線L1の幅の拡大に合わせて、停止アイコンS1の大きさも拡大する。
画像合成部60は、停止アイコンS1の表示を終了する際には、例えば、停止アイコンS1全体を一度に消してもよい。或いは、画像合成部60は、停止アイコンS1を停止線L1の位置から徐々に出現させる場合と逆に、停止アイコンS1を停止線L1の位置に埋没していくように消してもよい。
<車両用表示方法>
次に、図5のフローチャートを参照しながら、本発明の第1実施形態に係る車両用表示方法の一例を説明する。
ステップS1において、コントローラ30が、自車両が自動運転中であるか否かを判定する。自動運転中であると判定されるまで判定処理を所定の周期で繰り返し、自動運転中であると判定された場合にステップS2に移行する。
ステップS2において、周囲環境センサ群10が自車両の周囲環境を検出する。更に、車両センサ群20が自車両の走行状態を検出する。信号情報取得部51が、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報に含まれる、自車両が接近中の交差点における信号機の信号情報を取得する。先行車車速取得部52が、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報に含まれる、自車両の走行車線上を走行中の先行車の車速及び相対位置等の先行車情報を取得する。自車速取得部50が、車速センサ21により検出された自車両の車速を取得する。
ステップS3において、交差点検出部53が、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報から交差点の位置を検出する。自車位置算出部54が、測位装置11により得られた測位情報と、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報とに基づき、高精度地図上の自車両の現在位置を検出する。交差点接近判定部55が、交差点検出部53により検出された交差点の位置と、自車位置算出部54により算出された自車両の現在位置とに基づき、自車両が交差点に接近しているか否かを判定する。自車両が交差点に接近していないと判定された場合、ステップS2に戻る。一方、ステップS3で自車両が交差点に接近していると判定された場合、ステップS4に移行する。
ステップS4において、停止可能性演算部56が、自車速取得部50により取得された自車両の車速、信号情報取得部51により取得された信号情報、先行車車速取得部52により取得された先行車情報に基づき、自車両が将来的に交差点手前の停止線の位置で停止する可能性を演算する。
ステップS5において、アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性を、第1の閾値以上で相対的に高い「高」、第1の閾値未満且つ第2の閾値以上で相対的に中程度の「中」、第2の閾値未満で相対的に低い「低」の3段階で判定する。なお、3段階での判定は例示であって、自車両の停止する可能性を2段階で判定してもよく、4段階以上で判定してもよい。また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性の有無で択一的に判定してもよく、自車両が停止状態となるか否かを択一的に判定してもよい。
ステップS5において、自車両の停止する可能性が「高」と判定された場合、ステップS6へ移行し、図4Bに示すように、停止アイコンS1の全体を高さH1で表示する。ステップS5において、自車両の停止する可能性が「中」と判定された場合、ステップS7へ移行し、図4C又は図4Dに示すように、停止アイコンS1を高さH2又はH3で低く表示する。ステップS5において、自車両の停止する可能性が「低」と判定された場合、ステップS8へ移行し、停止アイコンS1を非表示とする。
ステップS9において、自車両が交差点手前の停止線の位置を通過したか否かを判定する。自車両が交差点を通過したと判定された場合、ステップS10に移行し、ステップS6又はステップS7で表示を開始した停止アイコンS1の表示を終了し、停止アイコンS1を非表示とする。一方、ステップS9において自車両が交差点手前の停止線の位置を通過していないと判定された場合、ステップS4に戻る。即ち、自車両が交差点を通過するまで、自車両の停止する可能性を逐次演算し、演算された自車両の停止する可能性の変化に基づき停止アイコンS1の表示を変化させる。なお、先行車の車速により自車両の停車する可能性の算出精度が低下し、停止アイコンS1の表示の頻繁な切り替わりが発生する場合がある。
ステップS11において、コントローラ30が、自動運転が終了したか否かを判定する。自動運転が終了したと判定された場合、処理を完了する。一方、自動運転が終了していないと判定された場合、ステップS2に戻り、交差点接近判定部55が、自車両が次の交差点に接近しているか否かを判定する。
(第1実施形態の効果)
本発明の第1実施形態によれば、自動運転機能を有する自車両の停車状態を表示する際に、自車両が自動運転中に周囲状況において将来的に停車状態となる場合、自車両の周囲状況に合わせて、図4Bに示すように、表示画像中の周囲状況の路面から上方に延出する停止アイコンS1を表示装置31に表示させる。これにより、自車両の乗員に対して自車両が将来的に停車状態となることを容易に把握させることができ、自車両の将来的な挙動に関して乗員に安心感を与えることができる。また、乗員が自動運転による自車両の将来的な停車状態に違和感を覚えた場合には、自車両が停車状態となる前に、乗員が自動運転制御に介入して手動運転に切り替えることもできる。更に、停止アイコンS1を路面から上方に延出するように表示することで、乗員が表示画像を視認したときに停止アイコンS1により、自車両の進行を遮る印象、自車両が行き詰まる印象を与え、自車両が停車状態となることを直感的に把握させ易くなる。
また、図4Bに示すように、停止アイコンS1を停止線L1の位置から上方に延出するように表示するため、自車両の将来的な停止位置を乗員に対して容易に把握させることができる。更に、表示画像中の停止線L1の位置から延出するように停止アイコンS1を表示するため、表示画像中で停止アイコンS1が占める面積は比較的小さく、乗員の注意を過度に惹きつけることを抑制することができる。
更に、自車両が停車状態から発進状態に切り替わるタイミングで停止アイコンS1を消すことにより、自車両の自動運転中の停車状態から発進状態への切り替えを乗員に対して容易に把握させることができ、自車両の発進時に乗員に安心感を与えることができる。
更に、自車両が走行状態から停車状態に切り替わるタイミングで停止アイコンS1を出現させることにより、自車両の自動運転中の走行状態から停車状態への切り替えを乗員に対して容易に把握させることができ、自車両の減速及び停止時に安心感を与えることができる。
更に、自車両の周囲状況及び自車両の走行状態に基づき、自車両が将来的に停止する可能性を算出し、算出した可能性に基づき、図4B〜図4Dに示すように、停止アイコンS1の高さH1〜H3を制御することにより、停止アイコンS1の強調度合を制御する。これにより、停止アイコンS1の高さH1〜H3に応じて自車両が将来的に停止する可能性を乗員に対して容易に把握させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第1実施形態では、交差点の種類は考慮せずに、自車両の停止状態を示す停止アイコンS1を表示する場合を例示したが、本発明の第2実施形態では、自車両の停止状態とともに、交差点の種類に応じた自車両の停止理由を示す停止表示(停止理由アイコン)を表示する場合を説明する。
本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置は、本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置と同様に、図1に示す運転支援装置1の一部として実現される。運転支援装置1は、周囲環境センサ群10、測位装置11、高精度地図記憶部12、車両センサ群20、コントローラ30、表示装置31及び車両制御アクチュエータ群40を備える。このうち、例えば周囲環境センサ群10、車両センサ群20、測位装置11、高精度地図記憶部12、コントローラ30及び表示装置31が、本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置を構成し得る。
本発明の第2実施形態に係るコントローラ30は、図6に示すように、自車速取得部50、信号情報取得部51、先行車車速取得部52、交差点検出部53、自車位置算出部54、交差点接近判定部55、停止可能性演算部56、HMI描画部57、アイコン記憶部58、アイコン描画部59及び画像合成部60を備える点は、図2に示したコントローラ30と同様である。図6に示したコントローラ30は、交通状況取得部61、経路決定部62、交差点法規検出部63及びアイコン選択部64を更に備える。
交通状況取得部61は、測距装置13により検出された周囲状況等に基づき、自車両の前方の交差点における交錯道路(優先道路)の交通状況を検出する。例えば、交通状況取得部61は、自車両の前方の交差点における交錯道路を走行中の他車両の自車両に対する相対位置、他車両の相対速度等を交通状況として取得する。
経路決定部62は、自車位置算出部54により算出された自車両の現在位置と、乗員の操作等により設定される目的地に基づき、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図上又はナビゲーション用の地図(ナビ地図)上の自車両の走行経路を決定する。経路決定部62により決定された走行経路に基づき、自車両の自動運転中の直進や右左折等の進行方向が制御される。
交差点法規検出部63は、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報から、自車両が接近している交差点における交通法規(ルール)を検出する。交差点法規検出部63は、カメラ14により検出された信号機の有無や交通標識等に基づき、自車両が接近している交差点における交通法規を検出してもよい。或いは、通信機15により得られる情報から自車両が接近している交差点における交通法規を検出してもよい。
交差点法規検出部63は、例えば、交差点における信号機の有無や、米国で使用される一時停止標識である「STOP」、全車一時停止標識である「4−WAY STOP」又は「ALL WAY STOP」、譲れ標識で自車両が走行する車線よりも交差する車線が優先道路であることを示す「YIELD」、赤信号右折禁止標識である「NO TURN ON RED」等の道路標識の種類を交通法規として検出する。
「STOP」は信号機が無い交差点等に設置され、一時停止が必ず必要である。「4−WAY STOP」又は「ALL WAY STOP」は信号機が無い交差点に設置され、一時停止が必ず必要であり、先に一時停止した車両から順に発進する。「YIELD」は、信号機が無い交差点に設置され、一時停止が必ずしも必要なく、交錯道路が優先道路である。「NO TURN ON RED」は、信号機が有る交差点に設置され、赤信号時に右折が禁止される。
アイコン記憶部58は、自車両の現在又は将来の停車状態を示すとともに、「STOP」、「4−WAY STOP」、「YIELD」、「NO TURN ON RED」等の交差点の種類に応じた自車両の停止理由を示す複数の停止理由アイコンを記憶する。アイコン選択部64は、交差点法規検出部63により検出された交差点の交通法規と、経路決定部62により決定された走行経路とに基づき、アイコン記憶部58に記憶された複数の停止理由アイコンから、自車両の接近している交差点の自車両の停止理由を示す停止理由アイコンを選択する。
停止可能性演算部56は、自車速取得部50により取得された自車両の車速、信号情報取得部51により取得された信号情報、先行車車速取得部52により取得された先行車情報の他、交通状況取得部61により検出された交通状況にも基づき、交差点手前の停止線の位置で、自車両の停止する可能性を演算する。例えば、停止可能性演算部56は、「YIELD」の交差点の場合に、自車両が現在の車速を維持すると仮定して、自車両が交差点に到達するタイミングで交錯道路を他車両が走行していると予測される場合には、自車両の停止する可能性を高く演算する。
また、停止可能性演算部56は、「STOP」又は「4−WAY STOP」の交差点の場合、一時停止が必ず必要であるため、交差点手前の停止線の位置で、自車両が将来的に停車状態になると判定する。また、停止可能性演算部56は、「NO TURN ON RED」の交差点であり、且つ経路決定部62により決定された走行経路が交差点を右折する場合、自車両が現在の車速を維持すると仮定して、自車両が交差点に到達するタイミングで信号機が赤色と予測される場合には、自車両の停止する可能性を高く演算する。
アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性に基づき、アイコン選択部64により選択された停止理由アイコンを描画する。画像合成部60は、HMI描画部57により生成された表示画像に、アイコン描画部59により描画された停止理由アイコンを合成し、合成された表示画像(合成画像)を表示装置31へ出力する。
例えば、アイコン選択部64は、「STOP」の交差点の場合、図7Aに示すような「STOP」アイコンS2を選択する。「STOP」アイコンS2は、矩形パターンの中央部に米国の道路標識を模擬したマークを表示する場合を例示するが、乗員が視認したときに停止理由が「STOP」であることを把握できる表示であればよい。アイコン描画部59は、「STOP」の交差点では一時停止が必ず必要であるため、表示画像中に「STOP」アイコンS2の全体を描画する。
図7Aに示す表示画像は、米国のように交通法規により自車両が右側車線を走行する場合を例示する。表示画像は、自車両の走行車線及び自車両前方の交差点を含む路面、路面上の停止線L2、自車両アイコンV1、走行経路R2を含む。「STOP」アイコンS2は、図4Bに示した停止アイコンS1と同様に、「STOP」アイコンS2の下端を停止線L2の位置に合わせて、停止線L2の位置から上方に延出するように表示される。
また、アイコン選択部64は、「4−WAY STOP」の交差点の場合、図7Bに示すような「4−WAY STOP」アイコンS3を選択する。「4−WAY STOP」アイコンS3は、矩形パターンの中央部に米国の道路標識を模擬したマークを表示する場合を例示するが、乗員が視認したときに停止理由が「4−WAY STOP」であることを把握できる表示であればよい。「4−WAY STOP」の交差点でも一時停止が必ず必要であるため、アイコン描画部59は、「4−WAY STOP」アイコンS3の全体を一度に描画する。
また、アイコン選択部64は、「YIELD」の交差点の場合、図8A〜図8Cに示すような「YIELD」アイコンS4を選択する。「YIELD」アイコンS4は、矩形パターンの中央部に米国の道路標識を模擬したマークを表示する場合を例示するが、乗員が視認したときに停止理由が「YIELD」であることを把握できる表示であればよい。「YIELD」の交差点では一時停止が必ずしも必要ではなく、交錯道路の交通状況によって自車両の停止する可能性が変化する。具体的には、自車両が他車両より先に交差点に到達し、他車両の走行を妨げずに走行できる状況ほど、自車両の停止する可能性は低くなる。このため、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が高いほど、図8A〜図8Cに順に示すように、「YIELD」アイコンS4の高さH4〜H6を高く描画する。
また、アイコン選択部64は、「NO TURN ON RED」の交差点であり、且つ経路決定部62により決定された走行経路が交差点を右折する場合、図9A〜図9Cに示すような「NO TURN ON RED」アイコンS5を選択する。「NO TURN ON RED」アイコンS5は、矩形パターンの中央部に米国の道路標識を模擬したマークを表示する場合を例示するが、乗員が視認したときに停止理由が「NO TURN ON RED」であることを把握できる表示であればよい。「NO TURN ON RED」の交差点では一時停止が必ずしも必要ではなく、信号機の点灯状態によって自車両の停止する可能性が変化する。このため、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性が高いほど、図9A〜図9Cに順に示すように、「NO TURN ON RED」アイコンS5の高さH4〜H6を高く描画する。
<車両用表示方法>
次に、図10及び図11のフローチャートを参照しながら、本発明の第2実施形態に係る車両用表示方法の一例を説明する。
ステップS21において、コントローラ30が、自車両が自動運転中であるか否かを判定する。自動運転中であると判定されるまで判定処理を所定の周期で繰り返し、自動運転中であると判定された場合にステップS22に移行する。
ステップS22において、周囲環境センサ群10が自車両の周囲環境を検出する。更に、車両センサ群20が自車両の走行状態を検出する。信号情報取得部51が、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報に含まれる、自車両が接近中の交差点における信号機の信号情報を取得する。先行車車速取得部52が、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報に含まれる、自車両の走行車線上を走行中の先行車の車速及び相対位置等の先行車情報を取得する。自車速取得部50が、車速センサ21により検出された自車両の車速を取得する。
ステップS23において、交差点検出部53が、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報から交差点の位置を検出する。自車位置算出部54が、測位装置11により得られた測位情報と、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報とに基づき、高精度地図上の自車両の現在位置を検出する。交差点接近判定部55が、交差点検出部53により検出された交差点の位置と、自車位置算出部54により算出された自車両の現在位置とに基づき、自車両が交差点に接近しているか否かを判定する。自車両が交差点に接近していないと判定された場合、ステップS22に戻る。一方、ステップS23で自車両が交差点に接近していると判定された場合、ステップS24に移行する。
ステップS24において、交差点法規検出部63は、交差点接近判定部55の判定結果と、高精度地図記憶部12に記憶された高精度地図情報に基づき、自車両が接近している交差点の信号機の有無、道路標識等の交通法規情報を検出する。
ステップS25において、アイコン選択部64は、交差点法規検出部63により検出された交通法規情報に基づき、交差点の信号機の有無を判定する。信号機が有ると判定された場合、ステップS26に移行する。ステップS26において、アイコン選択部64は、交差点法規検出部63により検出された交通法規情報に基づき、交差点が「NO TURN ON RED」であるか否かを判定する。交差点が「NO TURN ON RED」であると判定され場合、ステップS27に移行する。ステップS27において、アイコン選択部64は、経路決定部62により決定された走行経路を検出する。そして、ステップS28において、アイコン選択部64は、交差点における自車両の走行経路が右折であるか否かを判定する。右折であると判定された場合、ステップS29に移行し、アイコン選択部64が、図9A〜図9Cに示した「NO TURN ON RED」アイコンS5を停止理由アイコンとして選択する。
ステップS26の説明に戻り、交差点が「NO TURN ON RED」でないと判定された場合、ステップS30に移行する。同様に、ステップS28において交差点が「NO TURN ON RED」であるが右折しないと判定された場合、ステップS30に移行する。ステップS30において、アイコン選択部64が、図7Aに示した「STOP」アイコンS2を停止理由アイコンとして選択する。なお、アイコン選択部64が、「STOP」アイコンS2の代わりに、図4Bに示した停止アイコンS1及び信号機アイコンT1を停止理由アイコンとして選択してもよい。
ステップS25の説明に戻り、信号機が無いと判定された場合、ステップS31に移行する。ステップS31において、アイコン選択部64が、交差点法規検出部63により検出された交通法規情報に基づき、交差点が「4−WAY STOP」及び「YIELD」のいずれであるかを判定する。交差点が「4−WAY STOP」と判定された場合、ステップS32に移行し、アイコン選択部64が、図7Bに示した「4−WAY STOP」アイコンS3を選択する。一方、ステップS31において交差点が「YIELD」と判定された場合、ステップS33に移行し、アイコン選択部64が、図8A〜図8Cに示した「YIELD」アイコンS4を停止理由アイコンとして選択する。その後、ステップS34において、交通状況取得部61が、交差点の交錯道路の交通状況を検出する。
ステップS29、ステップS30、ステップS34に引き続き、図11のステップS35において、停止可能性演算部56が、自車速取得部50により取得された自車両の車速、信号情報取得部51により取得された信号情報、先行車車速取得部52により取得された先行車情報に基づき、自車両が将来的に交差点手前の停止線の位置で停止する可能性を演算する。ステップS34を経由した場合には、ステップS35において、停止可能性演算部56が、ステップS34で交通状況取得部61により検出された交通状況も考慮して自車両の停止する可能性を演算する。
ステップS36において、アイコン描画部59は、停止可能性演算部56により演算された自車両の停止する可能性を、可能性が相対的に高い「高」、可能性が相対的に中程度の「中」、可能性が相対的に低い「低」の3段階で判定する。自車両の停止する可能性が「高」と判定された場合、ステップS37へ移行し、停止理由アイコンS2,S4,S5のうちの選択されているアイコンを高く表示する。ステップS36において、自車両の停止する可能性が「中」と判定された場合、ステップS38へ移行し、停止理由アイコンS2,S4,S5のうちの選択されているアイコンを高く表示する。ステップS36において、車両の停止する可能性が「低」と判定された場合、ステップS39へ移行し、停止理由アイコンS2,S4,S5のうちの選択されているアイコンを非表示とする。
ステップS40において、自車両が交差点手前の停止線の位置を通過したか否かを判定する。停止線の位置を通過したと判定された場合、ステップS44に移行し、ステップS37又はステップS38で表示を開始した停止理由アイコンS2,S4,S5のうちの選択されているアイコンの表示を終了し、停止アイコンS1を非表示とする。一方、ステップS40において停止線の位置を通過していないと判定された場合、ステップS35に戻る。即ち、停止線の位置を通過するまで、自車両の停止する可能性を逐次演算し、演算された自車両の停止する可能性の変化に合わせて停止理由アイコンS2,S4,S5のうちの選択されているアイコンの表示を動的に変化させる。
ステップS45において、コントローラ30が、自車両の自動運転が終了したか否かを判定する。自動運転が終了したと判定された場合、処理を完了する。一方、自動運転が終了していないと判定された場合、ステップS22に戻り、次に接近する交差点に対して処理を実行する。
一方、図10のステップS32に引き続き、図11のステップS42において、停止理由アイコンS3を最大高さで表示する。ステップS43において、自車両が交差点手前の停止線の位置を通過したか否かを判定する。停止線の位置を通過したと判定された場合、ステップS44に移行し、停止理由アイコンS3を非表示とする。
(第2実施形態の効果)
本発明の第2実施形態によれば、自動運転機能を有する自車両の停車状態を表示する際に、自車両が自動運転中に周囲状況において将来的に停車状態となる場合、自車両の周囲状況に合わせて、表示画像中の周囲状況における路面から上方に延出する停止表示(停止理由アイコン)S2〜S5を表示装置31に表示させる。これにより、自車両の乗員に対して自車両が将来的に停車状態となることを容易に把握させることができ、自車両の将来的な挙動に関して乗員に安心感を与えることができる。また、乗員が自動運転による自車両の将来的な停車状態に違和感を覚えた場合には、自車両が停車状態となる前に、乗員が自動運転制御に介入して手動運転に切り替えることもできる。更に、停止理由アイコンS2〜S5を路面から上方に延出するように表示することで、乗員が表示画像を視認したときに停止理由アイコンS2〜S5により自車両が行き詰まる印象を与え、停車状態となることを直感的に把握させ易くなる。
また、停止理由アイコンS2〜S5を表示画像中の停止線L2の位置から上方に延出するように表示するため、自車両の将来的な停止位置を乗員に対して容易に把握させることができる。更に、表示画像中の停止線L2の位置から延出するように停止理由アイコンS2〜S5を表示するため、表示画像中で停止理由アイコンS2〜S5が占める面積は比較的小さく、乗員の注意を過度に惹きつけることを抑制することができる。
更に、自車両が停車状態から発進状態に切り替わるタイミングで停止理由アイコンS2〜S5を消すことにより、自動運転中の自車両の停車状態から発進状態への切り替えを乗員に対して容易に把握させることができ、自車両の発進時に乗員に安心感を与えることができる。
更に、自車両が走行状態から停車状態に切り替わるタイミングで停止理由アイコンS2〜S5を出現させることにより、自動運転中の自車両の走行状態から停車状態への切り替えを乗員に対して容易に把握させることができ、自車両の減速及び停止時に安心感を与えることができる。
更に、自車両の周囲状況及び自車両の走行状態に基づき、自車両が将来的に停止する可能性を算出し、算出した可能性に基づき、停止理由アイコンS2〜S5の高さH4〜H6を制御することにより、停止理由アイコンS2〜S5の強調度合を制御する。これにより、停止理由アイコンS2〜S5の高さH4〜H6に応じて自車両が将来的に停止する可能性を乗員に対して容易に把握させることができる。
更に、自車両の現在又は将来の停車状態を示すとともに、「STOP」、「4−WAY STOP」、「YIELD」、「NO TURN ON RED」等の自車両の停止理由を示す停止理由アイコンS2〜S5を表示することにより、自車両の現在又は将来の停車状態に加えて自車両の停止理由も乗員に対して容易に把握することができ、乗員に対して安心感を与えることができる。
更に、自車両の停止理由が一時停止標識である「STOP」又は「4−WAY STOP」の場合、「STOP」アイコンS2又は「4−WAY STOP」アイコンS3の全体を一度に出現させることにより、自車両の一時停止が必ず必要であることを乗員に対して容易に把握させることができる。
更に、自車両の停止理由が交差点における譲れ標識である「YIELD」の場合、交差点の交錯道路の交通状況に基づき、「YIELD」アイコンS4の高さH4〜H6を制御することにより、強調度合を制御する。これにより、乗員は、「YIELD」アイコンS4の強調度合から、自車両の停止する可能性を容易に把握することができる。
更に、自車両の停止理由が交差点における赤信号右折禁止標識である「NO TURN ON RED」であり、且つ自車両が交差点を右折する場合、「NO TURN ON RED」アイコンS5を表示して、自車両の停止理由が「NO TURN ON RED」であることを表示する。これにより、自車両の停止理由が「NO TURN ON RED」であり、且つ自車両の停止する可能性が有ることを乗員に対して容易に把握させることができる。
(変形例)
本発明の第1及び第2の実施形態では、停止アイコンS1の高さH1〜H3又は停止理由アイコンS2〜S5の高さH4〜H6を変化させることで、強調度合を制御する場合を例示した。本発明の第1及び第2の実施形態の変形例として、停止アイコンS1の高さH1〜H3又は停止理由アイコンS2〜S5の高さH4〜H6を変化させる以外の強調度合の制御方法の一例を説明する。
例えば、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性に基づき、ガウス関数を用いたガウシアンぼかし処理等を行うことにより、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6のぼかしを制御してもよい。例えば、図12A〜図12Cに順に示すように、自車両の停止する可能性が高いほど、停止アイコンS1を鮮明に表示することで、強調度合を大きくする。一方、自車両の停止する可能性が低いほど、停止アイコンS1をぼかすように表示することで、強調度合を小さくする。
また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の解像度(モザイク)を変化させてもよい。例えば、図13A〜図13Cに順に示すように、自車両の停止する可能性が高いほど、停止理由アイコンS4の解像度を高くして、停止理由アイコンS4を鮮明に表示することで、強調度合を大きくする。一方、自車両の停止する可能性が低いほど、停止理由アイコンS4の解像度を低くして、停止理由アイコンS4をぼかすように表示することで、強調度合を小さくする。
また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の透過度を変化させてもよい。例えば、図14A〜図14Cに順に示すように、自車両の停止する可能性が高いほど、停止理由アイコンS5の透過度を低くして、停止理由アイコンS5を鮮明に表示することで、強調度合を大きくする。一方、自車両の停止する可能性が低いほど、停止理由アイコンS5の透過度を高くして、停止理由アイコンS4を半透明で表示することで、強調度合を小さくする。
また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の輝度(コントラスト)を変化させてもよい。例えば、自車両の停止する可能性が低いほど、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の輝度を低く表示することで、強調度合を小さくする。一方、自車両の停止する可能性が高いほど、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の輝度を高く表示することで、強調度合を大きくする。更に、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の色や大きさを変化させてもよい。
また、アイコン描画部59は、自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6を点滅させるようにし、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の点滅周期(時間周波数)を変化させてもよい。例えば、自車両の停止する可能性が低いほど、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の点滅周期を遅く(時間周波数を低く)表示することで、強調度合を小さくする。一方、自車両の停止する可能性が高いほど、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の点滅周期を高く(時間周波数を高く)表示することで、強調度合を大きくする。
本発明の第1及び第2の実施形態の変形例によれば、停止アイコンS1の高さH1〜H3又は停止理由アイコンS2〜S5の高さH4〜H6を変化させる以外の種々の方法によっても、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の強調度合を制御することができる。これにより、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の強調度合から、乗員が自車両の停止する可能性を容易に把握することができる。
なお、自車両の停止する可能性に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の強調度合を制御する場合を例示したが、乗員に対する注意喚起の度合に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の強調度合を制御してもよい。乗員に対する注意喚起の度合は、乗員に対してどれくらい注意喚起したいか(注目させたいか)を示す度合を意味する。
例えば、アイコン描画部59は、周囲環境センサ群10により検出された周囲環境情報と、車両センサ群20により検出された車両情報(走行状態)に基づき、乗員に対する注意喚起の度合を算出し、注意喚起の度合に基づき停止表示の強調度合を制御してもよい。例えば、アイコン描画部59は、自車両の車速が高いほど、乗員に対する注意喚起の度合を高く算出してもよい。また、アイコン描画部59は、自車両が停止中に、自車両が発進するまでの時間が短いほど、乗員に対する注意喚起の度合を高く算出してもよい。また、アイコン描画部59は、交差点の道路標識の種類に基づき、注意喚起の度合を算出してもよい。乗員に対する注意喚起の度合に基づき、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の強調度合を制御することにより、乗員に対して適切に停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5を用いた注意喚起を行うことができる。
更に、自車両の停止する可能性と、乗員に対する注意喚起の度合の両方を区別しつつ考慮して、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の強調度合を複数の制御方法で制御してもよい。例えば、自車両の停止する可能性が高いほど、停止アイコンS1の高さH1〜H3又は停止理由アイコンS2〜S5の高さH4〜H6を高くする。これと同時に、乗員に対する注意喚起の度合が高いほど、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6をガウシアンぼかし処理等により鮮明に表示してもよい。これにより、乗員に対する注意喚起の度合と、自車両の停止する可能性との両方を区別して停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S6の表示に反映することができる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は第1及び第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の第1及び第2実施形態において、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5が停止線L1,L2の位置から出現して上方に延出する場合を主に例示したが、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の出現方法は特に限定されない。例えば、図12A〜図12Cに順に示すように、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5がぼやけた状態から徐々に鮮明になるように出現させてもよい。或いは、図13A〜図13Cに順に示すように、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の解像度が低い状態から徐々に解像度が高くなるように出現させてもよい。或いは、図14A〜図14Cに順に示すように、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の透過度が高い状態から徐々に透過度が低くなるように出現させてもよい。また、図示を省略するが、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5の輝度が低い状態から徐々に輝度が高くなるように出現させてもよい。
また、本発明の第1及び第2実施形態において、表示画像中に自車両アイコンV1を表示する場合を例示したが、自車両アイコンV1を必ずしも表示しなくてもよい。また、本発明の第1実施形態において、表示画像中に信号機アイコンT1を表示する場合を例示したが、信号機アイコンT1を必ずしも表示しなくてもよい。また、本発明の第1実施形態において、水平型の信号機アイコンT1を表示する場合を例示したが、豪雪地帯や米国等で使用される垂直型の信号機アイコンを表示してもよい。信号機アイコンの種類は特に限定されず、信号機の点灯色が認識可能なものであればよい。
また、本発明の第1及び第2実施形態において、自車両が交差点に接近する場合を例示したが、これに限定されない。即ち、交差点以外であっても、自車両が将来的に停車状態となるか、或いは自車両の停止する可能性がある場面で、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5を提示可能である。例えば、自車両が直線道路を走行中に自車両の前方に障害物が有る場合に、障害物の手前で停止状態となることを示すように停止アイコンS1を表示してもよい。この場合、障害物の手前の位置から停止アイコンS1を延出させてもよい。また、障害物が移動物体であり、障害物の移動に伴い自車両の停止する可能性が変化する場合には、停止アイコンS1の位置や強調度合を変化させてもよい。
また、本発明の第1及び第2実施形態において、自車両の後方の斜め上方を仮想的な視点位置とした表示画像を表示する場合を例示したが、表示画像が自車両の略直上を仮想的な視点位置とする俯瞰画像を表示してもよい。この場合、例えば図15に示すように、停止アイコンS1の上端の幅が下端の幅よりも広い台形とし、停止アイコンS1の下端を停止線L1の位置上とする。これにより、表示画像中の停止アイコンS1が路面から上方に延出しているように乗員に認識させることが可能である。
また、表示装置31がHUD装置である場合、乗員が自車両のフロントウインドウ越しに現実の周囲状況を視認した際に、停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5が現実の周囲状況に重畳されて、現実の交差点手前の停止線の位置から上方に延出するように視認されるように、フロントウインドウを介して乗員の視点に停止アイコンS1又は停止理由アイコンS2〜S5を投影する。乗員の視点の位置は車室内のカメラ等により算出可能であり、更に乗員の視点の位置に基づき、フロントウインドウ上で視認される交差点の停止線の位置を算出可能である。
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。