JP2019027638A - 暖房用熱源装置およびその制御方法 - Google Patents

暖房用熱源装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】暖房用熱源装置において、外気温度が検出不能となる故障発生時の応急運転におけるユーザの快適性を確保する。【解決手段】暖房用熱源装置100aにおいて、入力端子211,212は、暖房用熱源装置100aの外部から入力される外気温の検出値Vosを受け付ける。制御部130は、外気温度を互いに異なる目標温度に対応付ける複数の関係データを有している。制御部130は、該複数の関係データの中から選択された関係データを用いて、外気温度の検出値Vosに基づいて、加熱機構102による加熱後の熱媒体の目標温度を設定する。制御部130は、さらに、入力端子211,212に外気温度の検出値Vosが正常に入力されない故障が検知された場合には、熱媒体の目標温度を、選択された関係データにて設定可能な目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更する。【選択図】図1

Description

この発明は、暖房用熱源装置およびその制御方法に関し、より特定的には、外気温度が検出不能となる故障の発生時における、暖房用熱源装置の応急運転の制御に関する。
暖房装置に対して加熱用の熱媒体を供給する暖房用熱源装置の一態様として、外部から入力された外気温度の検出信号に基づいて、熱媒体の目標温度を設定するものが公知である。このような暖房用熱源装置では、外気温度の検出信号が正常に入力されない故障が発生した場合には、外気温度が検出不能となるため、装置の安全性を保証する観点から暖房運転を禁止するものがある。
しかしながら、暖房装置は通常、外気温度の低い寒冷地に設置されるため、故障の発生時に暖房運転を禁止してしまうと、ユーザにとって使い勝手の悪いものとなる。したがって、故障の発生後においても応急的に暖房運転が継続できることが要求される。
故障発生時の応急運転については、たとえば、特開平5−187683号公報(特許文献1)には、空気調和機の制御装置において、熱交換器の温度を検出するサーミスタの故障が検知された場合に、サーミスタの検出温度を、メモリに格納されている熱交換温度の既定値に置換して、応急運転を開始する構成が記載されている。
特開平5−187683号公報
しかしながら、上記のような空気調和機の制御装置では、熱交換温度の既定値の大きさによっては、応急運転時における空調能力が、故障が検知される以前の空調能力に比べて低下してしまい、結果的にユーザの快適性が損なわれることが懸念される。
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、外気温度が検出不能となる故障発生時の応急運転において、ユーザの快適性を確保することができる暖房用熱源装置およびその制御方法を提供することである。
この発明のある局面では、暖房用熱源装置は、暖房装置へ供給される熱媒体を加熱する加熱機構と、加熱機構による加熱後の熱媒体の目標温度を設定する制御部とを備える。制御部は、外気温度を目標温度に対応付ける複数の関係データを有している。制御部は、上記複数の関係データの中から選択された関係データを用いて、制御部に入力される外気温度の検出値に基づいて目標温度を設定するように構成される。制御部は、さらに、外気温度の検出値が正常に入力されない故障が検知された場合には、目標温度を、選択された関係データにて設定可能な目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更する。
上記暖房用熱源装置によれば、制御部に外気温度の検出値が正常に入力されない故障が検知された後は、選択された関係データにおける目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更された目標温度に従った応急運転が実行されるため、ユーザの使い勝手を向上させることができる。また、応急運転の実行中、加熱後の熱媒体の出力温度は目標温度の設定範囲の高温領域の温度に保持されるため、暖房機能が低下することを抑制することができる。したがって、応急運転時におけるユーザの快適性を確保することができる。
好ましくは、故障が検知された場合、制御部は、目標温度を、故障の検知前における加熱機構による加熱後の熱媒体の温度の実績値以上であり、かつ、選択された関係データにおける目標温度の設定範囲の上限値以下の温度に変更する。なお、上記故障の検知前における加熱機構による加熱後の熱媒体の温度の実績値には、故障の検知前における加熱後の熱媒体の目標温度の実績値が含まれる。
このようにすると、応急運転の実行中、熱媒体の出力温度は、故障の検知前における出力温度の実績値(または目標温度の実績値)以上に保持されるため、暖房機能が低下することを抑制することができる。また、応急運転時における熱媒体の出力温度は、選択された関係データにおける目標温度の上限値を超えることがないため、実使用の範囲内での運転であって問題とならない。
好ましくは、故障が検知された場合、制御部は、目標温度を、選択された関係データにおける目標温度の設定範囲の上限値に変更する。
このようにすると、応急運転の実行中、選択された関係データにおける目標温度の設定範囲の上限値に保持されるため、暖房機能が低下することを抑制することができる。
好ましくは、上記暖房用熱源装置は、変更された目標温度に従った暖房運転中に、故障の発生を報知するための報知部をさらに備える。このようにすると、故障の発生を報知しながら、応急運転を実行できるため、ユーザの快適性を確保することができる。
好ましくは、上記暖房用熱源装置は、複数の関係データの中から1つの関係データを選択する操作を受け付けるための操作部をさらに備える。このようにすると、暖房装置の使用用途や設置環境に応じて選択された関係データを用いて暖房運転を適切に行なうことができ、かつ、該関係データを用いて故障発生時における応急運転を適切に実行することができる。
好ましくは、複数の関係データの各々において、目標温度は外気温度を変数とする一次関数で表される。このようにすると、故障が発生していない正常運転時において、外気温度の検出値に基づいて、加熱機構による加熱後の熱媒体の目標温度を容易に設定することができる。
この発明の他のある局面では、暖房用熱源装置の制御方法において、暖房用熱源装置は、暖房装置へ供給される熱媒体を加熱する加熱機構、および制御部を含む。暖房用熱源装置は、外気温度を、加熱機構による加熱後の熱媒体の目標温度に対応付ける複数の関係データを有している。制御方法は、上記複数の関係データの中から予め選択されている関係データを用いて、制御部に入力される外気温度の検出値に基づいて目標温度を設定するステップと、制御部に外気温度の検出値が正常に入力されない故障を検知するステップと、故障が検知された場合には、目標温度を、選択された関係データにて設定可能な目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更するステップとを備える。
上記暖房用熱源装置の制御方法によれば、制御部に外気温度の検出値が正常に入力されない故障が検知された後は、選択された関係データにおける出力目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更された出力目標温度に従った応急運転が実行されるため、ユーザの使い勝手を向上させることができる。また、応急運転時におけるユーザの快適性を確保することができる。
好ましくは、目標温度の設定範囲の高温領域は、故障の検知前における加熱機構による加熱後の熱媒体の温度の実績値以上であり、かつ、選択された関係データにおける目標温度の設定範囲の上限値以下の温度領域である。
この発明によれば、外気温度が検出不能となる故障発生時の応急運転において、ユーザの快適性を確保することができる暖房用熱源装置およびその制御方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に従う暖房用熱源装置である暖房給湯器の構成例を説明するブロック図である。 コントローラによる暖房給湯器の動作制御を説明する機能ブロック図が示される。 電圧変換回路の構成例を説明するための概略的な回路図である。 電圧変換回路における入出力特性を示すグラフである。 外気温度に対する熱媒体の出力目標温度θsetの設定特性を説明するグラフである。 選択された関係データを用いて熱媒体の出力目標温度θsetを設定する方法を説明する図である。 コントローラにおける暖房運転時の制御処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態に従う暖房用熱源装置の他の構成例を説明するブロック図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従う暖房用熱源装置である暖房給湯器の構成例を説明するブロック図である。
図1を参照して、暖房給湯器100aは、暖房装置180に対して熱媒体(代表的には、高温水)を供給することによる暖房機能を有する。さらに、暖房給湯器100aは、入水管112に導入された低温水を、暖房機能と共通の熱媒体との熱交換によって加熱することで、出湯管115から給湯する給湯機能を有する。
暖房給湯器100aは、燃焼バーナ102および熱交換器104等が収納された燃焼缶体(以下、単に「缶体」とも称する)101と、暖房装置180と接続される熱媒体の入力端141aおよび出力端141bと、配管143〜147と、給湯用熱交換器150と、分配弁160と、循環ポンプ170とを備える。給湯用熱交換器150は、一次側経路151および二次側経路152の間での伝熱機構を有する。
燃焼バーナ102は、作動時には、供給された燃料ガスを図示しないバーナで燃焼することによって熱量を発生する。熱交換器104は、燃焼バーナ102の発生熱量により、通流する熱媒体を加熱する。
暖房装置180は、放熱器186を含む。暖房装置180は、外部配管181および182によって、入力端141aおよび出力端141bの間に接続される。暖房装置180は、図示しない制御部をさらに備える。制御部は、暖房給湯器100aのコントローラ130に対して、2値信号である暖房運転信号Sstを出力する。例えば、ユーザ操作に応じて暖房装置180の運転を開始する際に、暖房運転信号Sstは「0」から「1」に変化する。一方で、運転中の暖房装置180がユーザ操作に応じて停止する際には、暖房運転信号Sstは「1」から「0」に変化する。
配管143は、入力端141aおよび熱交換器104の入力側を接続する。配管144は、熱交換器104の出力側および分配弁160の第1ノード160aを接続する。配管145は、分配弁160の第2ノード160bおよび出力端141bを接続する。
配管146は、分配弁160の第3ノード160cおよび給湯用熱交換器150の一次側経路151の入力側を接続する。配管147は、給湯用熱交換器150の一次側経路151の出力側を配管143と接続する。
分配弁160の開度によって、第1ノード160aおよび第2ノード160bの経路の流量と、第1ノード160aおよび第3ノード160cの経路の流量との比率が制御される。循環ポンプ170は、配管143において、配管147との合流点よりも下流側(熱交換器104側)に配設される。
配管143には、熱媒体の入力温度Tiを検出するための温度センサ126が配置される。熱交換器104の出力側に配置された温度センサ127は、熱交換器104による加熱後の熱媒体の温度(以下、出力温度とも称する)Thmを検出する。
給湯側において、入水管112は、給湯用熱交換器150の二次側経路152の入力側と接続される。入水管112には、図示しない給水栓の開栓に応じて、水道水圧等を供給圧として低温水が導入される。
出湯管115は、給湯用熱交換器150の二次側経路152の出力側と接続される。入水管112からは、バイパス流量弁120が配置されたバイパス管116が分岐される。したがって、入水管112に供給された低温水は、バイパス流量弁120の開度に従った分配比でバイパス管116へ分配される。バイパス流量弁120の開度は、コントローラ130によって制御される。
出湯管115には、バイパス管116との合流点117が設けられる。そして、給湯用熱交換器150で加熱された高温水と、バイパス管116を通過した低温水とが混合されて、暖房給湯器100aから図示しない給湯栓等へ供給される。すなわち、バイパス流量弁120の開度によって、高温水および低温水の混合比率を制御することができる。
温度センサ121は、入水管112の低温水温度Twを検出する。温度センサ123は、出湯管115の出湯温度Toを検出する。温度センサ122は、二次側経路152の出力側に配置されて、給湯用熱交換器150による加熱後の高温水温度Thを検出する。流量センサ125は、入水管112に導入される流量Q1を検出する。
コントローラ130には、温度センサ121〜123,126,127によって検出された、低温水温度Tw、高温水温度Th、出湯温度To、ならびに、熱媒体の入力温度Tiおよび出力温度Thmが入力される。さらに、コントローラ130には、流量センサ125による検出流量Q1および暖房装置180からの暖房運転信号Sstが入力される。
コントローラ130は、バイパス流量弁120の開度、ならびに、燃焼バーナ102の作動/停止および発生熱量に加えて、循環ポンプ170の作動/停止、および、分配弁160の開度をさらに制御する。
図2には、コントローラ130による暖房給湯器100aの動作制御を説明する機能ブロック図が示される。
図2を参照して、コントローラ130は、マイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」とも称する)131と、アナログ/デジタル(A/D)変換器132と、メモリ133とを有する。マイコン131は、メモリ133に予め格納されたプログラムを実行することによって、暖房給湯器100aがユーザからの運転指令に従って動作するように、各構成機器の動作を制御する。
コントローラ130は、暖房給湯器100aのリモートコントローラ(以下、単に「リモコン」とも称する)300と、通信線(たとえば、2芯通信線)によって接続される。リモコン300およびコントローラ130の間は相互に信号を伝送可能である。
リモコン300には、ユーザから暖房給湯器100aの運転指令が入力される。例えば、運転指令は、暖房給湯器100aの運転オン状態および運転オフ状態を切換えるための運転オンオフ指令、給湯運転における給湯設定温度が含まれる。リモコン300に入力された運転オンオフ指令および給湯設定温度は、リモコン300からコントローラ130へ伝送される。
リモコン300は、表示部310、操作部320、および発光体330を有する。表示部310は、ユーザに対して視覚的な情報を表示するために、たとえば、液晶ドットマトリクスを用いて構成することができる。リモコン300は、コントローラ130で収集されたデータ(湯温等)に基づく情報を、表示部310を用いて表示することができる。
操作部320は、ユーザが運転指令を入力するための操作スイッチとして、プッシュスイッチやタッチスイッチを用いて構成することができる。なお、タッチパネルを用いることによって、表示部310および操作部320を一体的に形成することも可能である。
発光体330は、少なくとも1つのLED(Light Emitting Diode)によって構成することができる。この少なくとも1つのLEDを点灯/消灯/点滅させることにより、発光体330は複数の点灯パターンを実現することができる。発光体330は、後述する入力端子211,212と所定の配線250との接続状態を示す情報を視覚的に表示することができる。
次に、暖房給湯器100aの動作を説明する。
循環ポンプ170を作動するとともに、分配弁160が第1ノード160aおよび第2ノード160bの間に熱媒体の経路を形成することによって、暖房装置180との間で熱媒体を循環するための暖房循環経路を形成することができる。暖房給湯器100aの内部では、暖房循環経路は、入力端141aおよび出力端141bの間において、配管143、熱交換器104、配管144、分配弁160の第1ノード160aおよび第2ノード160b、ならびに、配管145を含むように形成される。
一方で、分配弁160が第1ノード160aおよび第3ノード160cの間に熱媒体の経路を形成することにより、配管146および147によって、暖房装置180をバイパスした熱媒体が給湯用熱交換器150の一次側経路151を通流するバイパス経路を形成することができる。これにより、循環ポンプ170を作動させることによって、バイパス経路に熱交換器104で加熱された熱媒体を通流することができる。また、分配弁160の開度に応じて、暖房循環経路の流量に対するバイパス経路への分流比率を制御することができる。
コントローラ130は、暖房給湯器100aの運転オン状態において、暖房運転信号Sstが「1」に設定されると、循環ポンプ170および燃焼バーナ102を作動させて、熱媒体を加熱するとともに、上述の暖房循環経路を形成する。燃焼バーナ102の発生熱量は、熱媒体の出力温度Thmが、設定された暖房能力に対応する出力目標温度と一致するように制御される。
暖房運転中に、給湯栓(図示せず)が閉栓されており流量センサ125の検出流量Q1が所定の最低流量よりも少ない場合には、暖房運転のみが実行されるので、分配弁160は、熱媒体の全量が暖房循環経路を通流するように制御される。
一方で、暖房運転中に、給湯栓(図示せず)が開栓されて流量センサ125の検出流量Q1が最低流量を超えると、暖房および給湯の同時運転が実行される。同時運転では、循環ポンプ170および燃焼バーナ102が作動した状態で、分配弁160は、加熱後の熱媒体の一部がバイパス経路を通流するように制御される。これにより、給湯用熱交換器150では、入水管112から二次側経路152に導入された低温水が、一次側経路151を通流する熱媒体によって加熱される。この結果、出湯管115からは、給湯用熱交換器150による加熱後の高温水と、バイパス管116を通過した低温水とを混合して給湯することができる。バイパス流量弁120の開度調整によって、出湯温度Toは給湯設定温度に制御される。
暖房給湯器100aの運転オン状態において、暖房運転信号Sstが「0」である下で、給湯栓(図示せず)が開栓されて流量センサ125の検出流量Q1が最低流量を超えると、給湯運転のみが実行される。給湯運転においても、循環ポンプ170および燃焼バーナ102が作動される。さらに、分配弁160は、熱交換器104で加熱された熱媒体の全量がバイパス経路を通流するように、制御される。給湯運転における熱媒体の出力目標温度は、暖房運転および同時運転とは異なる値に設定されることが好ましい。給湯運転においても、出湯温度Toは、バイパス流量弁120の開度調整によって給湯設定温度に制御される。
これに対して、暖房給湯器100aでは、運転オフ状態では、暖房運転信号Sstが「1」であっても、または、流量センサ125の検出流量Q1が最低流量を超えたことが検知されても、燃焼バーナ102は停止状態に維持される。すなわち、熱媒体は加熱されないので、暖房運転、給湯運転、および同時運転のいずれも開始されない。なお、暖房給湯器100aが複数個の暖房装置180に対して熱媒体を供給する構成では、複数の暖房装置180のうちの少なくとも1台の運転中には暖房運転信号Sstを「1」とし、全ての暖房装置180が停止しているときに暖房運転信号Sstを「0」として、上述した暖房運転の実行および停止を制御することができる。
本実施の形態に従う暖房給湯器100aに対して、暖房運転における暖房能力要求は、入力端子211および212に対する、外気温検出信号を伝送する所定の配線250によって入力される。所定の配線250には、外気温センサ400が接続されている。外気温センサ400は、暖房装置180が設置された空間(部屋など)の外気温度θoutを検出するためのセンサである。なお、図1には、外気温センサ400が暖房給湯器100aの外部に設置される構成が例示されているが、外気温センサ400は暖房給湯器100aに内蔵されていてもよい。
外気温センサ400は、検出した外気温度θoutを示す信号(外気温検出信号)を暖房能力要求として、暖房給湯器100aに出力する。外気温検出信号は、たとえば、予め定められた範囲内の電圧値を有する電圧信号である。
以下では、外気温検出信号の電圧値を検出電圧Vosと表記する。本実施の形態では、検出電圧Vosは単一の極性(ここでは、正電圧)を有するものとする。さらに、検出した外気温度θoutが低いほど、検出電圧Vosが高くなるものとする。
配線250が入力端子211,212と接続されることによって、入力端子211および212の間に検出電圧Vosが入力される。電圧変換回路200は、検出電圧Vosを、コントローラ130に入力される検出電圧Vos♯に変換する。コントローラ130は、検出電圧Vos♯に基づいて、外気温度θoutを検知して、熱媒体の出力目標温度θsetを設定する。そして、温度センサ127によって検出される熱媒体の出力温度Thmが、出力目標温度θsetと一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量が制御される。
なお、図1の構成例において、燃焼バーナ102は「加熱機構」の一実施例に対応し、マイコン131は「制御部」の一実施例に対応する。なお、本実施の形態では、A/D変換器132とマイコン131とを別体に構成したが、A/D変換器132はマイコン131に内蔵されていてもよい。その場合、マイコン131における、図示しないCPU(中央演算処理装置)が「制御部」の一実施例に対応する。
また、熱媒体の出力目標温度θsetは「加熱機構による加熱後の熱媒体の目標温度」の一実施例に対応する。なお、熱媒体の目標温度は、温度値そのものではなく、温度レベルとして段階的に設定されてもよい。本実施の形態では、熱媒体の目標温度が高く設定されると、熱媒体の出力温度θoutは上昇されるものとする。
図3には、電圧変換回路200の構成例を説明するための概略的な回路図が示される。
図3を参照して、電圧変換回路200は、キャパシタCa,Cbと、バリスタ(電圧非直線抵抗体)Vaと、抵抗素子Ra,Rbとを含む。なお、以下では、各抵抗素子について、電気抵抗値についても同一符号で表記するものとする。
ノードN1およびN2は、入力端子211および212とそれぞれ接続される。キャパシタCaは、ノードN1およびN2の間に接続されている。ノードN2は、接地電圧GND(0V)を供給する接地ノードに接続される。
バリスタVaは、ノードN1と基準電圧Vrefを供給する基準ノードとの間に接続されている。バリスタVaは、入力端子211,212間に電源電圧Vccを超える高電圧が入力された場合にコントローラ130を保護するために設けられている。キャパシタCbは、ノードN1および接地ノードの間に接続されている。キャパシタCa,Cbは、ノードN1の電圧(すなわち、検出電圧Vos)からノイズを除去する。
ノードN1は、抵抗素子Raを介して電源電圧Vccを供給する電源ノードと接続される。ノードN1は、さらに、抵抗素子Rbを介して、検出電圧Vos♯が出力される出力ノードNoと接続される。外気温センサ400は、たとえばサーミスタであり、その抵抗値Rosが外気温度に応じて変化する。検出電圧Vos♯は、次式(1)で示される。なお、抵抗素子Rbにおける電圧降下は無視することができる。
Figure 2019027638
出力ノードNoがコントローラ130のポート134と接続されることにより、検出電圧Vos♯はコントローラ130へ入力される。なお、ノードN1にノイズ上の高電圧(>Vcc)が入力されると、バリスタVaの電気抵抗値が急激に低下して高電圧を吸収することにより、出力ノードNoの電圧は電源電圧Vcc以上には上昇しない。これにより、コントローラ130を過電圧入力から保護できる。
コントローラ130へ入力された検出電圧Vos♯は、A/D変換器132にてデジタル値に変換される。マイコン131は、A/D変換器132からのデジタル値に基づいて外気温度θoutを検知し、検知された外気温度θoutに基づいて熱媒体の出力目標温度θsetを設定する制御処理を実行する。そして、マイコン131は、温度センサ127によって検出される熱媒体の出力温度Thmが、出力目標温度θsetと一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量を制御する。
図4には、電圧変換回路200における入出力特性、すなわち、外気温検出信号に対する検出電圧Vos♯の対応関係が示される。図4の横軸には、外気温センサ400によって検出される外気温度θoutが示され、縦軸には検出電圧Vos♯(デジタル値)が示される。
外気温センサ400は、外気温度θoutについて検出範囲を有している。図4において、θLlimは外気温センサ400の検出範囲の下限温度を示し、θHlimは該検出範囲の上限温度を示す。外気温センサ400は、外気温度θoutが低くなるにつれて、外気温検出信号の電圧値(すなわち、検出電圧Vos)が大きくなるように構成されている。したがって、電圧変換回路200の出力ノードNoの電圧(すなわち、検出電圧Vos♯)は、θout=θLlimのときに最大電圧Vmaxとなり、外気温度θoutが下限温度θLlimから高くなるに従って徐々に低下する。そして、θout=θHlimのとき、検出電圧Vos♯は最小電圧Vminとなる。なお、最大電圧Vmaxは電源電圧Vccよりも低く、最小電圧Vminは0V(GND)よりも高い。
ここで、暖房給湯器100aにおいては、マイコン131に検出電圧Vos♯が正常に入力されない故障が発生する場合がある。該故障が発生すると、マイコン131は外気温度θが検知不能となる。
具体的には、マイコン131と外気温センサ400との電気的な接続が遮断する故障(以下、「オープン故障」とも称する)が発生する場合がある。オープン故障は、たとえば、入力端子211,212に配線250が接続されていない場合や、入力端子211,212に接続される配線250が断線している場合に発生し得る。あるいは、入力端子211,212からマイコン131までの電気的配線(電圧変換回路200、A/D変換器132を含む)が遮断される場合に発生し得る。
暖房給湯器100aでは、また、マイコン131と外気温センサ400との電気的な接続が短絡する故障(以下、「ショート故障」とも称する)が発生する場合がある。ショート故障は、たとえば、入力端子211,212間が短絡している場合、または、入力端子211,212に接続される配線250間が短絡している場合(外気温センサ400の端子間の短絡を含む)に発生し得る。あるいは、入力端子211,212からマイコン131までの電気的配線が接地電圧GNDに短絡する場合に発生し得る。
さらに、マイコン131に検出電圧Vos♯が正常に入力されない故障には、A/D変換器132の故障を含むことができる。
暖房給湯器100aにてオープン故障が発生した場合、図3に示した電圧変換回路200では、入力端子211,212間に入力電圧が発生しないため、ノードN1の電圧は電源電圧Vccにプルアップされる。よって、検出電圧Vos♯は電源電圧Vccにほぼ等しくなる。一方、暖房給湯器100aにてショート故障が発生した場合、電圧変換回路200では、ノードN1の電圧が接地電圧GNDにプルダウンされるため、検出電圧Vos♯は0V(GND)となる。A/D変換器132の故障が発生した場合においても、その故障内容によって、検出電圧Vos♯が電源電圧Vccもしくは接地電圧GNDとなり得る。
したがって、コントローラ130において、マイコン131は、電圧変換回路200から入力される検出電圧Vos♯に基づいて、暖房給湯器100aにオープン故障またはショート故障が発生しているか否かを判定することができる。具体的には、図4を参照して、検出電圧Vos♯には、外気温度θoutの検出範囲(θLlim≦θout≦θHlim)に応じた電圧範囲(Vmax≧Vos♯≧Vmin)に加えて、入力端子211,212と配線250との電気的な接続が正常であることを示す電圧範囲(VUlim≧Vos♯≧VLlim)が設定されている。該電圧範囲の上限電圧VUlimは、最大電圧Vmaxよりも高く電源電圧Vccよりも低く、下限電圧VLlimは、最小電圧Vminよりも低く接地電圧GND(0V)よりも高い。
マイコン131は、検出電圧Vos♯が上記電圧範囲(VUlim≧Vos♯≧VLlim)を逸脱したときに、故障を検知する。具体的には、検出電圧Vos♯が上限電圧VUlimよりも高く電源電圧Vcc以下であるとき、マイコン131は、オープン故障を検知する。また、検出電圧Vos♯が下限電圧VLlimよりも低く接地電圧GND以上であるとき、マイコン131は、ショート故障を検知する。なお、図4には、オープン故障が検知される電圧範囲(VUlim<Vos♯≦Vcc)と、ショート故障が検知される電圧範囲(VLlim>Vos♯≧0)とが示されている。
一方で、検出電圧Vos♯がVmin≦Vos♯≦Vmaxの電圧範囲内である場合には、マイコン131は、検出電圧Vos♯に対応する外気温度θoutに基づいて、熱媒体の出力目標温度θsetを設定する。具体的には、マイコン131は、図3に示した電圧変換回路200における入出力特性(外気温度θoutに対する検出電圧Vos♯の対応関係)を参照することにより、A/D変換器132から入力されるデジタル値に基づいて外気温度θoutを検知する。そして、マイコン131は、図5に示されるように、外気温度θoutに基づいて、熱媒体の出力目標温度θsetを設定する。
図5は、外気温度θoutに対する熱媒体の出力目標温度θsetの設定特性を説明するグラフである。図5の横軸には外気温度θoutが示され、縦軸には熱媒体の出力目標温度θsetが示される。
外気温度θoutを出力目標温度θsetに対応付ける関係データにおいて、出力目標温度θsetは、外気温度θoutを変数とする一次関数で表わされる。具体的には、図5のグラフにおいて、関係データは、低温側の基準点P0(θL,θmax)と高温側の基準点P1(θH,θmin)とを結ぶ直線で定義されている。
外気温度θoutが予め定められた温度範囲(θL≦θout≦θH)では、外気温度θoutに応じて出力目標温度θsetが設定される。具体的には、θout=θL(最低温度)のときに、出力目標温度θsetは上限温度θmaxに設定される。一方、θout=θH(最高温度)のときに、出力目標温度θsetは下限温度θminに設定される。θL<θout<θHの範囲では、外気温度θoutの一次関数(直線)に従って出力目標温度θsetが設定される。
コントローラ130は、上述した関係データを複数有している。図5には、コントローラ130が、5本の直線L1〜L5でそれぞれ定義される5つの関係データを有する場合が例示されている。これら5つの関係データは、外気温度θoutを互いに異なる出力目標温度θsetに対応付けるように構成されている。具体的には、図5のグラフにおいて、5本の直線L1〜L5は、基準点P0および基準点P1の少なくとも一方において出力目標温度θsetが互いに異なっている。したがって、たとえば、直線L1で示される関係データでは、θout=θL(基準点P0)のときに、出力目標温度θset=θmax1に設定されるのに対して、直線L2で示される関係データでは、θout=θLのときに、出力目標温度θset=θmax2(θmax2<θmax1)に設定される。また、直線L1で示される関係データでは、θout=θH(基準点P1)のときに、出力目標温度θset=θmin1に設定されるのに対して、直線L2で示される関係データでは、θout=θHのときに、出力目標温度θset=θmin2(θmin2<θmin1)に設定される。
本実施の形態では、暖房装置180の使用用途や暖房装置180および暖房給湯器100aの設置環境などに応じて、複数の関係データの中から1つの関係データを選択することができる。たとえば、暖房給湯器100aの入力端子211,212に所定の配線250を接続する工事が実施された際に、施工者によって、最適な関係データを選択する操作を行なうことができる。
具体的には、入力端子211,212に所定の配線250を介して外気温センサ400が電気的に接続されると、施工者によって、入力端子211,212を使用状態に設定するための操作が行なわれる。この操作とともに、複数の関係データの中から1つの関係データを選択する操作が行なわれる。これらの操作は、たとえば、リモコン300に設けられた操作部320を用いて行なうことができる。
たとえば、施工者は、取付け作業を終えると、リモコン300の操作部320を用いて、外気温センサ400を特定するための情報と、選択された関係データを特定するための情報とを入力することができる。入力された情報は、リモコン300からコントローラ130に送信され、コントローラ130内部のメモリ133に格納される。
暖房給湯器100aの運転オン状態において、暖房運転信号Sstが「1」に設定されると、マイコン131は、メモリ133に保持されている情報(選択された関係データ)と、電圧変換回路200から入力される検出電圧Vos♯に対応する外気温度θoutとに基づいて、熱媒体の出力目標温度θsetを設定する。
図6は、選択された関係データを用いて熱媒体の出力目標温度θsetを設定する方法を説明する図である。
図6のグラフにおいて、選択された関係データは、基準点P0(θL,θmax)と基準点P1(θH,θmin)とを結ぶ直線Lで定義されている。この直線L上の点(θout,θset)において、出力目標温度θsetは次式(2)により求めることができる。
Figure 2019027638
マイコン131は、循環ポンプ170および燃焼バーナ102を作動させて、熱媒体を加熱するとともに、上述の暖房循環経路を形成する。そして、マイコン131は、温度センサ127によって検出される熱媒体の出力温度Thmが、出力目標温度θsetと一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量を制御する。
暖房運転中、マイコン131は、検出電圧Vos♯に基づいて、暖房給湯器100aにオープン故障またはショート故障が発生しているか否かを判定する。図4で説明したように、検出電圧Vos♯がVUlim<Vos♯≦Vccであるとき、マイコン131はオープン故障を検知する。また、検出電圧Vos♯がVLlim>Vos♯≧0であるとき、マイコン131はショート故障を検知する。
オープン故障またはショート故障が検知されると、マイコン131は、リモコン300を用いて該故障を報知する。たとえば、リモコン300の発光体330を点滅させるとともに、表示部310に故障を示す情報を視覚的に表示することができる。また、このような視覚的な報知に代えて、もしくは視覚的な報知とともに、アラームを鳴らすなど、故障を示す情報を聴覚的に報知することも可能である。
上述した故障の報知を行なうとともに、マイコン131は、熱媒体の出力目標温度θsetを、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域における温度に変更する。本願明細書において、「選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域」とは、故障の検知前における熱媒体の出力温度Thmの実績値以上、かつ、出力目標温度θsetの設定範囲の上限値(すなわち、上限温度θmax)以下となる温度領域を意味する。なお、「故障の検知前における熱媒体の出力温度Thmの実績値」とは、故障の検知前に温度センサ127によって検出された熱媒体の出力温度Thmの実績値、あるいは出力目標温度θsetの実績値であり、たとえば、故障が検知された時点以前の所定時間内における温度センサ127の検出温度(あるいは出力目標温度θset)の最低値とすることができる。あるいは、該所定時間内における温度センサ127の検出温度(あるいは出力目標温度θset)の平均値、最頻値、または中央値とすることができる。
本実施の形態では、マイコン131は、熱媒体の出力目標温度θsetを、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の上限値(上限温度θmax)に変更するものとする。したがって、故障が検知された後の応急運転では、熱媒体の出力温度Thmが上限温度θmaxと一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量が制御されることとなる。
このように、故障が検知された場合に、熱媒体の出力目標温度θsetを、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域における温度(たとえば、上限温度θmax)に変更することで、応急運転時においても、暖房運転のための十分な熱量を熱媒体に供給できるため、ユーザの快適性を確保することができる。
詳細には、たとえば外気温度が低い寒冷地などでは、故障が検知された後に暖房運転ができなくなることは、ユーザにとって使い勝手が悪いものとなる。特に、故障の検知後早急に修理できるサービス体制が整っていないような環境下では、数日間に亘って暖房運転ができないという不具合が生じることがある。したがって、故障の検知後においても応急的に暖房運転が継続できることが要求される。
上述したように、本実施の形態では、故障の検知後は、変更された出力目標温度θsetに従って熱媒体が加熱されて暖房運転が継続されるため、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
また、このような応急運転において、熱媒体の出力目標温度θsetは、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域における温度に設定されるため、熱媒体の出力温度Thmは、故障の検知前における出力温度Thmの実績値以上に保持されることとなる。これにより、応急運転の開始後に熱媒体の出力温度Thmが低下して、暖房機能が低下するという事態を回避することができる。
なお、一方で、応急運転時における熱媒体の出力温度Thmが、故障の検知前の出力温度Thmよりも高くなる場合が当然に起こり得る。ただし、このような場合においても、熱媒体の出力温度Thmは、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域に収まっている。換言すれば、熱媒体の出力温度Thmは、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの上限温度θmaxを超えることがないため、実使用の範囲内であって問題とならない。なぜなら、応急運転時の熱媒体の出力温度Thmは、故障が発生していない正常運転時での外気温度θoutが低いときの熱媒体の出力温度Thmと同等であるに過ぎないからである。
また、暖房装置には、通常、室内温度を暖房設定温度付近に保つためのサーモスタットが設けられており、暖房設定温度と室内温度との温度差に応じて、暖房運転の実行および停止を自動的に切り替え可能に構成されている。本実施の形態では、サーモスタットは、暖房装置180に設けられ、暖房設定温度と室内温度との温度差に応じて、暖房給湯器100aのコントローラ130に対して暖房運転信号Sstを出力することができる。したがって、応急運転中に室内温度が暖房設定温度よりも高くなった場合には、サーモスタットが暖房運転信号Sstを「1」から「0」に変化させることで、暖房運転が停止されることとなる。よって、応急運転時においてユーザの快適性が低下することを抑制することができる。
図7は、コントローラ130における暖房運転時の制御処理を説明するためのフローチャートである。図7に示された制御処理は、たとえば、コントローラ130のマイコン131によって繰り返し実行することができる。
図3で説明したように、入力端子211,212間に入力された外気温検出信号(検出電圧Vo)は、電圧変換回路200によって検出電圧Vos♯に変換される。図7を参照して、コントローラ130は、ステップS11により、電圧変換回路200から入力される検出電圧Vos♯を取得する。なお、マイコン131は、A/D変換器132にてデジタル値に変換された検出電圧Vos♯を取得する。
マイコン131は、ステップS12により、取得した検出電圧Vos♯に基づいて、暖房給湯器100aに故障(オープン故障またはショート故障)が発生しているか否かを判定する。検出電圧Vos♯が、外気温度θoutの検出範囲に応じて予め定められた電圧範囲(図4のVUlim≧Vos♯≧VLlim)を逸脱したときに、故障を検知する。
ステップS12の故障判定において故障が検知されない場合(S13のNO判定時)、マイコン131は、ステップS18に処理を進めて、検出電圧Vos♯に基づいて外気温度θoutを検知する。
さらに、マイコン131は、ステップS19により、メモリ133に保持されている、選択された関係データを特定するための情報を参照する。該情報は、図5で説明したように、コントローラ130が有する複数の関係データの中から、施工者等によって予め選択された1つの関係データを特定するものである。該関係データにおいて、出力目標温度θsetは、外気温度θoutを変数とする一次関数で表わされている。
マイコン131は、ステップS20により、選択された関係データを用いて、外気温度θoutに基づいて熱媒体の出力目標温度θsetを設定する。そして、マイコン131は、ステップS17に進み、温度センサ127によって検出される熱媒体の出力温度Thmが、出力目標温度θsetと一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量を制御する。
これに対して、ステップS12の故障判定において故障が検知された場合(S13のYES判定時)には、マイコン131は、ステップS14に処理を進めて、リモコン300を用いて該故障を報知する。
マイコン131は、さらに、ステップS15により、メモリ133に保持されている、選択された関係データを特定するための情報を参照し、ステップS16により、熱媒体の出力目標温度θsetを、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域における温度(たとえば、上限温度θmax)に変更する。マイコン131は、ステップS17により、温度センサ127によって検出される熱媒体の出力温度Thmが、変更後の出力目標温度θset(上限温度θmax)と一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量を制御する。
このように、本実施の形態に従う暖房用熱源装置によれば、入力端子に外気温度の検出値が正常に入力されない故障が検知された後は、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域における温度に変更された出力目標温度θsetに従った応急運転が実行されるため、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
また、応急運転の実行中、熱媒体の出力温度は、故障の検知前における出力温度の実績値以上に保持されるため、暖房機能が低下することを抑制することができる。したがって、応急運転時におけるユーザの快適性を確保することができる。
なお、本実施の形態に従う暖房用熱源装置では、コントローラ130内部のマイコン131と外気温センサ400との電気的な接続によって、マイコン131に外気温検出信号(電圧信号)が入力される構成について説明したが、外気温センサ400との無線通信によって、マイコン131に外気温検出信号が入力される構成としてもよい。この場合、暖房運転中に無線通信の異常が検知されると、上述した手順に従って熱媒体の出力目標温度θsetが変更され、応急運転が実行される。
また、本実施の形態に従う暖房用熱源装置は、図1に示されたように給湯機能を有するものではなく、暖房機能専用のものであってもよい。
図8は、本発明の実施の形態に従う暖房用熱源装置の他の構成例を説明するブロック図である。
図8と図1と比較して、暖房専用給湯器100bは、暖房給湯器100aのうちの、暖房機能に関する構成、すなわち、暖房装置180との間で熱媒体を循環するための構成(暖房循環経路)のみを備えている。
具体的には、暖房専用給湯器100bでは、図1に示された暖房給湯器100aからは、給湯用熱交換器150、分配弁160および配管145〜147、ならびに、入水管112、出湯管115、バイパス管116およびバイパス流量弁120の配置が省略される。すなわち、暖房専用給湯器100bでは、循環ポンプ170が作動すると、入力端141aおよび出力端141bとの間に、配管143、熱交換器104および配管144によって、暖房循環経路を形成することができる。
コントローラ130に対しては、温度センサ126によって検出される熱媒体の入力温度Ti、温度センサ127によって検出される出力温度Thm、ならびに、リモコン300に入力された暖房機能に関する運転指令が入力される、この運転指令は、暖房専用給湯器100bの運転オン状態および運転オフ状態を切り替えるための運転オンオフ指令を含む。さらに、コントローラ130には、暖房装置180からの暖房運転信号Sstが入力される。
コントローラ130は、暖房専用給湯器100bの運転オン状態において、暖房運転信号Sstが「1」に設定されると、循環ポンプ170および燃焼バーナ102を作動させる。これにより、暖房循環経路に加熱された熱媒体が通流することによって、暖房運転が実行される。暖房運転では、燃焼バーナ102の発生熱量は、熱媒体の出力温度Thmが、設定された暖房能力に対応する出力目標温度と一致するように制御される。
一方で、暖房専用給湯器100bにおいても、運転オン状態であっても、暖房運転信号Sstが「0」に設定されるときには、循環ポンプ170および燃焼バーナ102は停止状態に維持される。また、運転オフ状態では、暖房運転信号Sstが「1」に設定されても、循環ポンプ170および燃焼バーナ102は停止状態に維持される。すなわち、熱媒体は加熱されないので、暖房運転は開始されない。
そして、暖房専用給湯器100bに対しても、暖房運転における暖房能力要求は、入力端子211および212に対する、外気温検出信号を伝送する所定の配線250の接続によって入力される。さらに、電圧変換回路200が、入力端子211,212間に入力される検出電圧Vosを、コントローラ130(マイコン131)に入力される検出電圧Vos♯に変換する。マイコン131は、図5で説明したように、検出電圧Vos♯に基づいて外気温度θoutを検知して、熱媒体の出力目標温度θsetを設定する。
マイコン131は、さらに、検出電圧Vos♯に基づいて、暖房専用給湯器100bに故障(オープン故障またはショート故障)が発生しているか否かを判定する。そして、故障が検知されると、マイコン131は、リモコン300を用いて該故障を報知するとともに、図6で説明したように、熱媒体の出力目標温度θsetを、選択された関係データにおける出力目標温度θsetの設定範囲の高温領域における温度に変更する。よって、故障が検知された後の応急運転では、熱媒体の出力温度Thmが上限温度θmaxと一致するように、燃焼バーナ102の発生熱量が制御される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲よって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100a 暖房給湯器、100b 暖房専用給湯器、101 缶体、102 燃焼バーナ、104 熱交換器、112 入水管、115 出湯管、116 バイパス管、117 合流点、120 バイパス流量弁、121〜124,126,127 温度センサ、125 流量センサ、130 コントローラ、131 マイコン、132 A/D変換器、133 メモリ、134 ポート、141a 入力端、141b 出力端、143〜147 配管、150 給湯用熱交換器、151 一次側経路、152 二次側経路、160 分配弁、170 循環ポンプ、180 暖房装置、181 外部配管、186 放熱体、200 電圧変換回路、211,212 入力端子、250 配線、300 リモコン、310 表示部、320 操作部、330 発光体、Ca,Cb キャパシタ、Va バリスタ、Ra,Rb 抵抗素子、N1,N2 ノード、No 出力ノード。

Claims (8)

  1. 暖房用熱源装置であって、
    暖房装置へ供給される熱媒体を加熱する加熱機構と、
    前記加熱機構による加熱後の前記熱媒体の目標温度を設定する制御部とを備え、
    前記制御部は、外気温度を前記目標温度に対応付ける複数の関係データを有しており、前記複数の関係データの中から選択された関係データを用いて、前記制御部に入力される外気温度の検出値に基づいて前記目標温度を設定するように構成され、
    前記制御部は、さらに、前記外気温度の検出値が正常に入力されない故障が検知された場合には、前記目標温度を、前記選択された関係データにて設定可能な前記目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更する、暖房用熱源装置。
  2. 前記故障が検知された場合、前記制御部は、前記目標温度を、前記故障の検知前における前記加熱機構による加熱後の前記熱媒体の温度の実績値以上であり、かつ、前記選択された関係データにおける前記目標温度の設定範囲の上限値以下の温度に変更する、請求項1に記載の暖房用熱源装置。
  3. 前記故障が検知された場合、前記制御部は、前記目標温度を、前記選択された関係データにおける前記目標温度の設定範囲の上限値に変更する、請求項2に記載の暖房用熱源装置。
  4. 変更された前記目標温度に従った暖房運転中に、前記故障の発生を報知するための報知部をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の暖房用熱源装置。
  5. 前記複数の関係データの中から1つの関係データを選択する操作を受け付けるための操作部をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の暖房用熱源装置。
  6. 前記複数の関係データの各々において、前記目標温度は前記外気温度を変数とする一次関数で表される、請求項1から5のいずれか1項に記載の暖房用熱源装置。
  7. 暖房用熱源装置の制御方法であって、
    前記暖房用熱源装置は、
    暖房装置へ供給される熱媒体を加熱する加熱機構と、
    制御部とを含み、
    前記暖房用熱源装置は、外気温度を、前記加熱機構による加熱後の前記熱媒体の目標温度に対応付ける複数の関係データを有し、
    前記制御方法は、
    前記複数の関係データの中から予め選択されている関係データを用いて、前記制御部に入力される前記外気温度の検出値に基づいて、前記目標温度を設定するステップと、
    前記制御部に前記外気温度の検出値が正常に入力されない故障を検知するステップと、
    前記故障が検知された場合には、前記目標温度を、前記選択された関係データにて設定可能な前記目標温度の設定範囲の高温領域における温度に変更するステップとを備える、暖房用熱源装置の制御方法。
  8. 前記目標温度の設定範囲の高温領域は、前記故障の検知前における前記加熱機構による加熱後の前記熱媒体の温度の実績値以上であり、かつ、前記選択された関係データにおける前記目標温度の設定範囲の上限値以下の温度領域である、請求項7に記載の暖房用熱源装置の制御方法。
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