JP2019027569A - 二重偏心弁及びそれを用いた燃料電池システム - Google Patents

二重偏心弁及びそれを用いた燃料電池システム Download PDF

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成人 伊東
Shigeto Ito
成人 伊東
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Makoto Fukui
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Abstract

【課題】弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流を減少させることができる二重偏心弁及びそれを用いた燃料電池システムを提供すること。【解決手段】燃料電池システム101における出口統合弁181は、回転軸15の軸線L1が弁体14のシール面18から離れて配置されるとともに、弁体14の軸線L2から離れて配置され、弁体14が、回転軸15の軸線L1を含んで弁体14の軸線方向と平行な仮想面V1を境にして分割される第1側部14Aと第2側部14Bとを含み、開弁時に、第1側部14Aが弁座13から離れる方向へ回動し、第2側部14Bが弁孔16に入り込む方向へ回動する二重偏心弁であり、流路11のうち弁座13を境にして弁体14が配置される側の流路は、開弁時に弁体14と流路11の内壁面との間に形成される開口領域の面積である開口面積が、第1側部14A側よりも第2側部14B側で大きくなるように形成されている。【選択図】図8

Description

本開示は、弁体の回転中心が弁座の弁孔の中心から偏心して配置され、弁体のシール面が弁体の回転中心から偏心して配置される二重偏心弁及びそれを用いた燃料電池システムに関するものである。
従来技術として、特許文献1に開示されている二重偏心弁が存在する。この二重偏心弁は、弁孔と弁孔の縁部に形成されたシート面を含む弁座と、シート面に対応するシール面が外周に形成された弁体と、弁体を回動させる回転軸と、回転軸を回転駆動させる駆動機構と、回転軸を回転可能に支持する軸受と、回転軸の回転方向を弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備えている。
この二重偏心弁では、駆動機構へ電力を供給して回転軸を回転させて弁体を開弁方向へ駆動する駆動力を与えると、その駆動力がリターンスプリングのスプリング力に打ち勝って、弁体が回動し始めて開弁する。その後、駆動力とスプリング力とが均衡すると、弁体が所定開度に維持されるようになっている。
国際公開第2016/002599号
しかしながら、上記した二重偏心弁では、図14に示すように、回転軸15の軸線L1が弁体14のシール面18及び弁体14の軸線L2から離れて配置されているため、所定開度に開弁すると、回転軸15を境にして弁体14と流路内壁との間に生じる隙間の大きさ、つまり開口面積が対称(均等)にならない。すなわち、弁体14において、回転軸15の軸線L1を含んで弁体14の軸線方向と平行な仮想面V1を境にして分割される第1側部14A(網掛けを付していない部分)と第2側部14B(網掛けを付している部分)とで開口面積に差が生じる。具体的には、第1側部14A側における開口面積が、第2側部14B側における開口面積よりも大きくなる。第1側部14Aの方が第2側部14Bよりも弁体14の回転中心(回転軸15の軸線L1)から弁体14の縁部までの距離(回転半径)が長いからである。
そのため、開弁時に、弁体14において第1側部14Aと第2側部14Bにそれぞれ作用する圧力に差が生じ、開口面積が小さい方の第2側部14Bには第1側部14Aよりも大きな圧力が作用する。従って、その圧力差によって弁体14(回転軸15)を回動させる回転モーメントが発生する。そして、弁座13側から弁体14側(図14では下方向)へ流体が流れる場合には、開弁時に生じる圧力差によって発生する回転モーメントが閉弁方向へ作用する。そのため、弁体14(回転軸15)を閉弁方向に付勢する力として、リターンスプリングのスプリング力の他に、弁体14の第1側部14Aと第2側部14Bとに作用する圧力差によって発生した回転モーメントが加わる。その結果、弁開度を所定開度に維持するために必要となる、駆動機構へ供給する開弁保持電流が増加して、消費電力が大きくなってしまうおそれがある。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流を減少させることができる二重偏心弁及びそれを用いた燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、円環状をなし、弁孔と前記弁孔に形成されたシート面を含む弁座と、円板状をなし、前記シート面に対応する環状のシール面が外周に形成された弁体と、前記弁座及び前記弁体が配置されるとともに流体が流れる流路が形成されたハウジングと、前記弁体を回動させる回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる駆動機構と、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸の回転方向を前記弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備え、前記シート面は、前記弁体側に向かって広がるテーパ状に形成され、前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面から離れて配置されるとともに、前記弁体の軸線から離れて配置され、前記弁体は、前記回転軸の軸線を含んで前記弁体の軸線方向と平行な仮想面を境にして分割される、前記弁体の軸線が位置する第1側部と、それ以外の第2側部とを含み、開弁時に、前記第1側部が前記弁座から離れる方向へ回動し、前記第2側部が前記弁孔に入り込む方向へ回動する二重偏心弁において、前記流路のうち前記弁座を境にして前記弁体が配置される側の流路は、開弁時に前記弁体と前記流路の内壁面との間に形成される開口領域の面積である開口面積について、前記第1側部側における開口面積よりも前記第2側部側における開口面積が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
この二重偏心弁では、ハウジングに形成されている流路のうち弁座を境にして弁体が配置される側の流路が、開弁時に弁体と流路の内壁面との間に形成される、第1側部側における開口面積よりも第2側部側における開口面積が大きくなるように形成されている。つまり、ハウジングに形成されている流路のうち弁座を境にして弁体が配置される側の流路の径が、従来品に比べて小さく絞られている。これにより、第1側部側における開口面積が小さくなって、第2側部側における開口面積の方が大きくなる。そのため、開弁時に弁座側から弁体側へ流体が流れる場合には、第1側部には第2側部よりも大きな圧力が作用する。従って、開弁時に生じる圧力差によって発生する回転モーメントが開弁方向へ作用する。その結果、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流が減少して、消費電力を削減することができる。
ここで、上記した二重偏心弁において、前記流路のうち前記弁座を境にして前記弁体が配置される側の流路の内径が、前記弁座とは反対側に向かって、前記弁座の内径から徐々に拡大するようにすればよい。
具体的には、上記した二重偏心弁において、前記流路のうち前記弁座を境にして前記弁体が配置される側の流路に、前記シート面のテーパ形状が連続するように形成されたテーパ状の内壁面を備える環状の流路ブロックを配置すればよい。
このように非常に簡単な構成により、流路のうち弁座を境にして弁体が配置される側の流路を、開弁時に弁体と流路の内壁面との間に形成される、第1側部側における開口面積よりも第2部側における開口面積が大きくなるように形成することができる。そして、このような流路形状にすることにより、上記した通り、弁体に対して、開弁時に生じる圧力差によって発生する回転モーメントが開弁方向へ作用する。そのため、非常に簡単な構成で、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流が減少し、消費電力を削減することができる。
上記課題を解決するためになされた本開示の別形態は、円環状をなし、弁孔と前記弁孔に形成されたシート面を含む弁座と、円板状をなし、前記シート面に対応する環状のシール面が外周に形成された弁体と、前記弁座及び前記弁体が配置されるとともに流体が流れる流路が形成されたハウジングと、前記弁体を回動させる回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる駆動機構と、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸の回転方向を前記弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備え、前記シート面は、前記弁体側に向かって広がるテーパ状に形成され、前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面から離れて配置されるとともに、前記弁体の軸線から離れて配置され、前記弁体は、前記回転軸の軸線を含んで前記弁体の軸線方向と平行な仮想面を境にして分割される、前記弁体の軸線が位置する第1側部と、それ以外の第2側部とを含み、開弁時に、前記第1側部が前記弁座から離れる方向へ回動し、前記第2側部が前記弁孔に入り込む方向へ回動する二重偏心弁において、前記流路の一部をなす前記弁座には、前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面及び前記弁体の軸線から離れて配置されていることによって開弁時に発生する前記弁体と前記流路の内壁面との間に形成される、前記第1側部側における開口領域の面積である開口面積と前記第2側部側における開口領域の面積である開口面積との面積差が小さくなるように内径が拡大された拡径部が形成されていることを特徴とする。
この二重偏心弁では、流路の一部をなす弁座に、回転軸の軸線が弁体のシール面及び弁体の軸線から離れて配置されていることによって開弁時に発生する弁体と流路の内壁面との間に形成される、第1側部側における開口面積と第2側部側における開口面積との面積差が小さくなるように内径が拡大された拡径部が形成されている。そのため、開弁時に弁座側から弁体側へ流体が流れる場合には、弁体に対して開弁時に生じる、第1側部と第2側部とにおける圧力差によって発生する閉弁方向へ作用する回転モーメントが小さくなる。その結果、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流が減少して、消費電力を削減することができる。
具体的には、上記した二重偏心弁において、前記弁座の前記シート面以外の部分における内径を、前記シート面の小径側端部から前記弁体とは反対側に向かって徐々に拡大するようにすればよい。
このように弁座の内径を加工(形成)することにより、開弁時に生じる第1側部と第2側部とにおける圧力差によって発生する閉方向へ作用する回転モーメントを小さくすることができる。このような非常に簡単な構成で、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流が減少して、消費電力を削減することができる。
上記課題を解決するためになされた本開示の別形態は、円環状をなし、弁孔と前記弁孔に形成されたシート面を含む弁座と、円板状をなし、前記シート面に対応する環状のシール面が外周に形成された弁体と、前記弁座及び前記弁体が配置されるとともに流体が流れる流路が形成されたハウジングと、前記弁体を回動させる回転軸と、前記回転軸を回転駆動させる駆動機構と、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記回転軸の回転方向を前記弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備え、前記シート面は、前記弁体側に向かって広がるテーパ状に形成され、前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面から離れて配置されるとともに、前記弁体の軸線から離れて配置され、前記弁体は、前記回転軸の軸線を含んで前記弁体の軸線方向と平行な仮想面を境にして分割される、前記弁体の軸線が位置する第1側部と、それ以外の第2側部とを含み、開弁時に、前記第1側部が前記弁座から離れる方向へ回動し、前記第2側部が前記弁孔に入り込む方向へ回動する二重偏心弁において、前記弁体のうち前記弁座に対向する面と反対側の円周縁部に、前記シール面の大径側端部から円弧状に面取りされている面取り部が形成されていることを特徴とする。
この二重偏心弁では、弁体のうち弁座に対向する面と反対側の円周縁部に、シール面の大径側端部から円弧状に面取りされている面取り部が形成されているので、開弁時に、第2側部側の開口面積が、面取り部がない従来のものに比べて大きくなる。そのため、回転軸の軸線が弁体のシール面及び弁体の軸線から離れて配置されていることによって開弁時に発生する、第1側部側における開口面積と第2側部側における開口面積との面積差が小さくなる。従って、開弁時に弁座側から弁体側へ流体が流れる場合には、弁体に対して開弁時に生じる圧力差によって発生する閉弁方向へ作用する回転モーメントが小さくなる。その結果、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流が減少して、消費電力を削減することができる。
上記課題を解決するためになされた本開示の別形態は、燃料電池と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給通路と、前記酸化剤ガス供給通路に設けられて酸化剤ガスを前記燃料電池に供給するコンプレッサと、前記酸化剤ガス供給通路にて前記コンプレッサと前記燃料電池との間に設けられた上流側弁と、前記燃料電池に供給された酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出通路と、前記酸化剤ガス排出通路に設けられた下流側弁と、前記酸化剤ガス供給通路と前記酸化剤ガス排出通路とに接続されたバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ前記バイパス通路を流れる酸化剤ガスの流量を制御するバイパス弁と、を有する燃料電池システムにおいて、前記下流側弁は、上記のいずれか1つの二重偏心弁であり、前記弁座側から前記弁体側へ酸化剤ガスが流れるように、前記酸化剤ガス排出通路に配置されていることを特徴とする。
この燃料電池システムでは、下流側弁により燃料電池スタックへ供給する酸化剤ガスの流量が制御され、その下流側弁として上記の二重偏心弁が用いられている。そして、下流側弁としての二重偏心弁は、第1側部が下流側へ向けて回動し、第2側部が上流側へ向けて回動するように、酸化剤ガス排出通路に配置されている。そのため、酸化剤ガスの流量制御を行うために、二重偏心弁を所定開度に維持する際、開弁保持電流を減少させて消費電力を削減することができる。
上記の燃料電池システムにおいて、前記上流側弁及び前記バイパス弁も、請求項1から請求項6に記載するいずれか1つの二重偏心弁であり、前記弁座側から前記弁体側へ酸化剤ガスが流れるように、前記酸化剤ガス供給通路及び前記バイパス通路に配置されていることが好ましい。
このように、全開又は全閉にされ中間開度域で流量制御が行われることが少ない上流側弁及びバイパス弁にも、上記の二重偏心弁を用いることにより、燃料電池システムにおける弁の共通化を図ることができる。これにより、燃料電池システムを構成する際における組み付けミスを防止するとともに組み付け作業の効率化を図ることができる。なお、上流側弁及びバイパス弁では、弁体側から弁座側へ酸化剤ガスが流れるため、開弁保持電流が増加するおそれはあるが、中間開度域での流量制御が少ない(ほとんどない)ため、消費電力が増加することはない。
本開示によれば、弁開度を所定開度に維持するために必要となる開弁保持電流を減少させることができる二重偏心弁及びそれを用いた燃料電池システムを提供することができる。
実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 出口統合弁の斜視図である。 全閉状態における弁部を一部破断して示した斜視図である。 全開状態における弁部を一部破断して示した斜視図である。 出口統合弁の断面図である。 全閉状態における弁座、弁体、回転軸及びメインギヤの関係を示す断面図である。 弁部における流路の形状を示す断面図である。 開度20°の状態における弁部の状態を示す断面図である。 開度30°の状態における弁部の状態を示す断面図である。図である。 実施例1〜3における開弁保持電流の変化を示す図である。 実施例2に係る出口統合弁の弁部を示す断面図である。 実施例3に係る出口統合弁の弁部を示す断面図である。 実施例1〜3を組み合わせた場合における開弁保持電流の変化を示す図である。 従来の二重偏心弁を所定開度に開弁した状態を示す図である。
本開示に係る実施形態である二重偏心弁を用いた燃料電池システムについて、図1を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、燃料電池車に搭載され、その駆動用モータ(図示略)に電力を供給する燃料電池システムを例示して説明する。
<燃料電池システム>
本実施形態の燃料電池システム101は、図1に示すように、燃料電池スタック(燃料電池)111と、水素系112と、エア系113を有する。
燃料電池スタック111は、燃料ガスの供給と酸化剤ガスの供給を受けて発電を行う。本実施形態では、燃料ガスは水素ガスであり、酸化剤ガスはエアである。すなわち、燃料電池スタック111は、水素系112からの水素ガスの供給と、エア系113からのエアの供給を受けて発電を行う。そして、燃料電池スタック111で発電された電力は、インバータ(図示略)を介して駆動用モータ(図示略)に供給される。この燃料電池スタック111には、スタック圧を検出する圧力センサ111Pが設けられている。
水素系112は、燃料電池スタック111のアノード側に設けられている。この水素系112は、水素供給通路121、水素排出通路122、充填通路123を備えている。水素供給通路121は、水素タンク131から燃料電池スタック111へ水素ガスを供給するための通路である。水素排出通路122は、燃料電池スタック111から排出される水素ガス(以下、適宜、「水素オフガス」という。)を排出するための通路である。充填通路123は、充填口151から水素タンク131に水素ガスを充填するための通路である。
水素系112は、水素供給通路121において、水素タンク131側から順に、主止弁132、高圧レギュレータ133、中圧リリーフ弁134、圧力センサ135、インジェクタ部136、低圧リリーフ弁137、圧力センサ138を備えている。主止弁132は、水素タンク131から水素供給通路121への水素ガスの供給と遮断を切り換える弁である。高圧レギュレータ133は、水素ガスを減圧するための圧力調整弁である。中圧リリーフ弁134は、水素供給通路121における高圧レギュレータ133とインジェクタ部136の間の圧力が所定圧力以上になると開弁して圧力を所定圧力未満に調整する弁である。圧力センサ135は、水素供給通路121における高圧レギュレータ133とインジェクタ部136の間の圧力を検出するセンサである。インジェクタ部136は、水素ガスの流量を調節する機構である。低圧リリーフ弁137は、水素供給通路121におけるインジェクタ部136と燃料電池スタック111の間の圧力が所定圧力以上になると開弁して圧力を所定圧力未満に調整する弁である。圧力センサ138は、水素供給通路121におけるインジェクタ部136と燃料電池スタック111の間の圧力を検出するセンサである。
また、水素系112は、水素排出通路122において、燃料電池スタック111側から順に、気液分離器141、排気排水弁142が配置されている。気液分離器141は、水素オフガス内の水分を分離する機器である。排気排水弁142は、気液分離器141からエア系113の希釈器182への水素オフガスや水分の排出と遮断を切り換える弁である。
エア系113は、燃料電池スタック111のカソード側に設けられている。このエア系113は、エア供給通路161、エア排出通路162、バイパス通路163を備えている。エア供給通路161は、燃料電池システム101の外部から燃料電池スタック111へ、エアを供給するための通路である。エア排出通路162は、燃料電池スタック111から排出されるエア(以下、適宜、「エアオフガス」という。)を排出するための通路である。バイパス通路163は、エア供給通路161から燃料電池スタック111を介さずにエア排出通路162へ、エアを流すための通路である。
エア系113は、エア供給通路161において、エアクリーナ171側から順に、コンプレッサ172、インタークーラ173、入口封止弁(上流側弁)174を備えている。エアクリーナ171は、燃料電池システム101の外部から取り込んだエアを清浄化する機器である。コンプレッサ172は、エアを燃料電池スタック111に供給する機器である。インタークーラ173は、エアを冷却する機器である。入口封止弁174は、燃料電池スタック111へのエアの供給と遮断を切り換える封止弁である。本実施形態では、入口封止弁174として、本開示の二重偏心弁が適用されている。入口封止弁174の詳細については、後述する。
また、エア系113は、エア排出通路162において、燃料電池スタック111側から順に、出口統合弁(下流側弁)181、希釈器182が配置されている。
出口統合弁181は、燃料電池スタック111の背圧を調整して燃料電池スタック111からのエアオフガスの排出量を制御する弁(調圧(流量制御)機能を有する弁)である。この出口統合弁181として、入口封止弁174と同一構成の二重偏心弁が適用されている。出口統合弁181の詳細については、後述する。
希釈器182は、エアオフガス及びバイパス通路163を流れるエアにより、水素排出通路122から排出される水素オフガスを希釈する機器である。
また、エア系113は、バイパス通路163において、バイパス弁191を備えている。バイパス弁191は、バイパス通路163におけるエアの流量を制御する弁である。バイパス弁191として、入口封止弁174や出口統合弁181と同一構成の二重偏心弁が適用されている。バイパス弁191の詳細については、後述する。
また、燃料電池システム101は、システムの制御を司るコントローラ(制御部)201を備えている。コントローラ201は、燃料電池システム101に備わる各機器を制御する。なお、燃料電池システム101は、その他、燃料電池スタック111の冷却を行う冷却系(不図示)も有する。
以上のような構成の燃料電池システム101において、水素供給通路121から燃料電池スタック111に供給された水素ガスは、燃料電池スタック111にて発電に使用された後、燃料電池スタック111から水素オフガスとして水素排出通路122と希釈器182を介して、燃料電池システム101の外部に排出される。また、エア供給通路161から燃料電池スタック111に供給されたエアは、燃料電池スタック111にて発電に使用された後、燃料電池スタック111からエアオフガスとしてエア排出通路162と希釈器182を介して、燃料電池システム101の外部に排出される。燃料電池スタック111に供給されるエアの流量は、出口統合弁181により制御される。
<エア系における各弁>
ここで、エア系に配置されている、出口統合弁181、入口封止弁174及びバイパス弁191について、図2〜図9を参照しながら説明する。なお、出口統合弁181は、中間開度域での流量制御が行われる一方、入口封止弁174及びバイパス弁191は、中間開度域での流量制御は行われない。これらの弁は、同一構成の二重偏心弁である。そのため以下では、出口統合弁181を中心に説明し、適宜、入口封止弁174及びバイパス弁191についても説明する。
[第1実施例]
そこでまず、第1実施例について説明する。第1実施例に係る出口統合弁181は、図2に示すように、二重偏心弁より構成される弁部2と、駆動機構の一例であるモータ32を内蔵したモータ部4と、減速機構33を内蔵した減速機構部5とを備えている。弁部2は、内部にエアが流れる流路11を有する管部12を備え、流路11の中には弁座13、弁体14及び回転軸15の先端部が配置されている。回転軸15に対しては、モータ32の回転力が減速機構33を介して伝達されるようになっている。
図3及び図4に示すように、流路11には段部10が形成され、その段部10に弁座13が組み込まれている。弁座13は、円環状をなし、中央に流路11の一部となる弁孔16を有する。弁孔16の縁部には、環状のシート面17が形成されている。このシート面17は、弁体14側に向かって広がるテーパ形状をなしている。弁体14は、円板状の部分を備え、その外周には、シート面17に対応する環状のシール面18が形成されている。弁体14は、回転軸15に一体的に設けられ、回転軸15と一体的に回転する。
出口統合弁181は、図3及び図4において、弁座13に対して弁体14や回転軸15側(図中では上側)に形成される流路11が燃料電池スタック111側に配置され、弁座13に対して弁体14や回転軸15とは反対側(図中では下側)に形成される流路11が希釈器182側に配置されている。すなわち、出口統合弁181は、エアが流路11内を、弁座13側から弁体14(回転軸15)側に向かって流れるように、エア排出通路162に配置されている。
なお、入口封止弁174は、弁座13に対して弁体14や回転軸15側に形成される流路11がコンプレッサ172側に配置され、弁座13に対して弁体14や回転軸15とは反対側に形成される流路11が燃料電池スタック111側に配置されている。すなわち、入口封止弁174は、エアが弁体14(回転軸15)側から弁座13側に向かって流れるように、エア供給通路161に配置されている。
また、バイパス弁191は、弁座13に対して弁体14や回転軸15側に形成される流路11がエア供給通路161に配置され、弁座13に対して弁体14や回転軸15とは反対側に形成される流路11がエア排出通路162側に配置されている。すなわち、バイパス弁191は、エアが弁体14(回転軸15)側から弁座13側に向かって流れるように、バイパス通路163に配置されている。
出口統合弁181は、図5に示すように、主要な構成要素として、弁座13、弁体14及び回転軸15の他に、ボディ30、モータ32、減速機構33及び戻し機構64を備える。ボディ30は、流路11と管部12を含むアルミ製の弁ハウジング35と、弁ハウジング35の開口端を閉鎖する合成樹脂製のエンドフレーム36とを含む。回転軸15及び弁体14は、弁ハウジング35に設けられる。すなわち、回転軸15は、その先端に弁体14を取り付けるためのピン15aを含む。回転軸15は、ピン15aがある先端を自由端とし、先端部が弁体14と共に流路11内に配置される。
また、回転軸15は、ピン15aの反対側を基端部15bとし、その基端部15bにて弁ハウジング35に片持ち支持される。また、回転軸15の基端部15bは、互いに離れて配置された2つの軸受、すなわち第1軸受37と第2軸受38を介して弁ハウジング35に回転可能に支持される。第2軸受38に隣接して回転軸15と弁ハウジング35との間には、ゴムシール61が設けられる。第1軸受37及び第2軸受38は、それぞれボールベアリングにより構成される。弁体14は、その軸線L2(図6参照)上にて弁座13とは反対側へ突出する突部14cを含み、この突部14cにピン孔14dが形成される。弁体14は、このピン孔14dにピン15aを圧入し溶接することにより回転軸15に固定される。
エンドフレーム36は、弁ハウジング35に対し複数のクリップ(図示略)により固定される。エンドフレーム36の内側には、回転軸15の基端に対応して配置され、弁体14の開度(弁開度)を検出するための開度センサ49が設けられる。また、回転軸15の基端部15bには、メインギヤ41が固定される。メインギヤ41と弁ハウジング35との間には、弁体14を閉弁方向へ付勢するためのリターンスプリング40が設けられる。メインギヤ41の裏側には、凹部41aが形成され、その凹部41aに磁石56が収容される。この磁石56は、その上から押さえ板57により押さえ付けられて固定される。従って、メインギヤ41が、弁体14及び回転軸15と一体的に回転することにより、磁石56の磁界が変化し、その磁界の変化を開度センサ49が弁開度として検出するようになっている。
モータ32は、弁ハウジング35に形成された収容凹部35aに収容される。モータ32は、収容凹部35aにて、留め板58と板ばね59を介して弁ハウジング35に固定される。モータ32は、弁体14を開閉するために減速機構33を介して回転軸15に駆動連結される。すなわち、モータ32の出力軸(図示略)上に固定されたモータギヤ43が、中間ギヤ42を介し、メインギヤ41に駆動連結される。中間ギヤ42は、大径ギヤ42aと小径ギヤ42bを含む二段ギヤにより構成される。中間ギヤ42は、ピンシャフト44を介して弁ハウジング35に回転可能に支持される。大径ギヤ42aには、モータギヤ43が連結され、小径ギヤ42bには、メインギヤ41が連結される。この実施形態では、各ギヤ41〜43により減速機構33が構成される。メインギヤ41と中間ギヤ42は、軽量化のために樹脂材料により形成される。弁ハウジング35とエンドフレーム36との接合部分には、ゴム製のガスケット60が設けられる。このガスケット60により、モータ部4と減速機構部5の内部が大気に対して密閉される。
ここで、全閉状態における弁座13、弁体14、回転軸15及びメインギヤ41の関係について、図6を参照しながら説明する。回転軸15の軸線(主軸線)L1は、弁体14のシール面18から離れて配置されると共に、弁体14の軸線L2から離れて配置される。ここで、回転軸15のピン15aの軸線(副軸線L3)は、主軸線L1に対し平行に伸びると共に、主軸線L1から回転軸15の半径方向へ偏心して配置される。弁体14は、主軸線L1から弁体14の軸線L2が伸びる方向と平行に伸びる仮想面V1を境とする第1側部14A(図6において網掛け(紗)を付していない部分)と第2側部14B(図6において網掛け(紗)を付している部分)を含む。第1側部14Aに、弁体14の軸線L2が位置する。そして、弁体14が全閉状態から、回転軸15の主軸線L1を中心にして、開弁方向(図6の時計方向)F1へ回動するとき、第1側部14Aは弁座13から離れる方向へ向けて回動し、第2側部14Bは弁孔16に入り込む方向へ回動するようになっている。開弁状態から弁体14を全閉状態へ閉弁するときは、開弁方向F1とは逆向きの閉弁方向(図6の反時計方向)へ回動するようになっている。
なお、図6に示すように、メインギヤ41の回転軌跡上には、メインギヤ41の回転を規制するギヤストッパ63が設けられる。このギヤストッパ63は、弁ハウジング35に設けられる。ここで、弁体14が全閉状態のときは、メインギヤ41とギヤストッパ63との間に所定の隙間が設定される。従って、メインギヤ41は、全閉状態から、ギヤストッパ63に当接するまで更に回動が許容される。これによって全閉状態における弁体14の閉弁方向への更なる回動が許容される。
続いて、出口統合弁181における流路11の構成について、図7を参照しながら説明する。流路11の段部10に弁座13が配置されており、弁座13の内壁面が流路11の一部をなしている。弁座13には、全閉時に弁体14が当接するシート面17が設けられている。このシート面17は、弁体14側に向かって広がるテーパ状に形成されている。そして、流路11のうち弁座13を境にして弁体14が配置される側の流路には、シート面17のテーパ形状が連続するように形成されたテーパ状の内壁面20aを備える環状の流路ブロック20が設けられている。この流路ブロック20は、弁座13に接触するように流路11内に配置される。そのため、弁座13のシート面17から弁体14側に向かって広がるテーパ状の流路が形成される。これにより、第1側部14A側の開口面積が小さくなる一方、第2側部14B側の開口面積は変化しない。そのため、流路11のうち弁座13を境にして弁体14が配置される側の流路は、開弁時において、弁体14と流路11の内壁面との間に形成される、開口領域における開口面積が、第1側部14A側の開口面積よりも第2側部14B側の開口面積の方が大きくなるように形成される(図8及び図9参照)。
このような構成を備える出口統合弁181では、燃料電池スタック111に所定流量のエアを供給するために、弁体14の開度が所定開度に制御される。具体的には、全閉状態から、モータ32に電流を供給してモータ32を作動させ、モータギヤ43が回転することにより、その回転が中間ギヤ42により減速されてメインギヤ41に伝達される。これにより、回転軸15及び弁体14が、リターンスプリング40の付勢力に抗して回動され、流路11が開かれる。すなわち、弁体14が開弁される。そして、出口統合弁181が開弁されていくに従って、弁体14と流路11の内壁面との間に形成される、開口領域における開口面積が大きくなっていき、燃料電池スタック111に供給されるエアの流量が増えていく。
このとき、燃料電池スタック111に供給するエアの流量に応じて、コントローラ201により出口統合弁181は所定開度に制御される。すなわち、弁体14を所定開度に保持するために、モータ32に電流を供給して回転力を発生させ、その回転力が保持力としてモータギヤ43、中間ギヤ42及びメインギヤ41を介して回転軸15に伝達される。この保持力がリターンスプリング40の付勢力に均衡することにより、弁体14が所定開度に保持される。このときに、モータ32へ供給される電流が開弁保持電流となる。なお、弁体14を閉弁させる場合は、モータ32がモータギヤ43を逆転させることになる。
そして、出口統合弁181では、流路11のうち弁座13を境にして弁体14が配置される側の流路の径が、流路ブロック20により、従来品に比べて小さく絞られている。そのため、出口統合弁181を所定開度に開弁したとき、第1側部14A側の開口面積が従来品よりも小さくなり、図8及び図9に示すように、第2側部14B側の開口面積の方が第1側部14Aの開口面積より大きくなる。なお、図8は開度20°の状態を示し、図9は開度30°の状態を示している。
そのため、出口統合弁181では、開弁時に弁座13側から弁体14側へエアが流れるので、第1側部14Aには第2側部14Bよりも大きな圧力が作用する。従って、開弁時に生じる圧力差、つまり第1側部14Aに作用する圧力と第2側部14Bに作用する圧力との差によって発生する回転モーメントが開弁方向へ作用する。これにより、図10に実線(太線)で示すように、弁体14を所定開度に維持するために必要となる、モータ32へ供給する開弁保持電流が、開度60°以下の開度域において、従来品(破線参照)よりも減少する。従って、出口統合弁181にてエアの流量制御を行う際の消費電力を削減することができる。また、第1側部14Aの開口面積が従来品よりも小さくなっているため、低開度域における流量特性が良くなる(開度に対する流量の増加割合が緩やかになる)ため、エアの流量をより高精度に制御することができる。
そして、燃料電池システム101では、エア系113における制御弁である出口統合弁181、入口封止弁174及びバイパス弁191の共通化を図っている。これにより、燃料電池システム101を構成する際における組み付けミスを防止するとともに組み付け作業の効率化を図ることができる。また、これらの弁の開閉制御(動作)は同一であるため、これらの弁を協調制御することができる。これらのことにより、燃料電池システム101のコストを低減することができるとともに、コントローラ201における弁の開閉制御も簡素化することができる。なお、入口封止弁174及びバイパス弁191では、弁体14側から弁座13側へエアが流れるため、モータ32へ供給する開弁保持電流が増加するおそれはあるが、中間開度域での流量制御がないため、消費電力が増加することはない。
[第2実施例]
次に、第2実施例について説明する。第2実施例に係る出口統合弁181Aは、第1実施形態と基本的な構成が同じであるため、共通点については同一符号を付して説明を省略し、相違点について説明する。図11に示すように、出口統合弁181Aでは、弁座213に拡径部213Aが形成されている。拡径部213Aは、シート面17以外の部分に設けられている。この拡径部213Aは、シート面17の小径側端部17aから弁体14とは反対側に向かって内径が徐々に拡大する形状(テーパ形状)をなしている。そのため、弁座213には、シート面17と拡径部213Aのみが形成され、弁座213の内径は、シート面17の小径側端部17a(最小径となる箇所)を境にして両方向へ徐々に拡大する形状となっている。なお、図11は、弁開度が20°の状態を示している。
これにより、弁座213では、図11に二点鎖線で示す従来品のように、内径が等しい部分がほとんど存在しない。そのため、出口統合弁181Aでは、低開度域において第1側部14A側の開口面積が従来品に比べて大きくなる。その結果として、第1側部14A側の開口面積と第2側部14B側の開口面積との面積差が小さくなる。
従って、出口統合弁181Aでは、開弁時に生じる圧力差、つまり第1側部14Aに作用する圧力と第2側部14Bに作用する圧力との差によって発生して閉弁方向へ作用する回転モーメントが小さくなる。これにより、図10に一点鎖線で示すように、弁体14を所定開度に維持するために必要となる、モータ32へ供給する開弁保持電流が、開度20°以下の低開度域において、従来品(破線参照)よりも減少する。従って、出口統合弁181Aにてエアの流量制御を行う際の消費電力を削減することができる。
そして、出口統合弁181Aを燃料電池システム101に用いる場合には、入口封止弁174及びバイパス弁191に、出口統合弁181Aと同様の構成の二重偏心弁を用いればよい。これにより、エア系113における弁の共通化を図ることができる。
[第3実施例]
最後に、第3実施例について説明する。第3実施例に係る出口統合弁181Bは、第1実施形態と基本的な構成が同じであるため、共通点については同一符号を付して説明を省略し、相違点について説明する。図12に示すように、出口統合弁181Bでは、弁体214に面取り部214Aが形成されている。面取り部214Aは、弁座13に対向する面と反対側の円周縁部に設けられている。この面取り部214Aは、シール面18の大径側端部18aから円弧状に面取り(R面取り)されて形成されている。なお、図12は、弁開度が20°の状態を示している。
これにより、出口統合弁181Bでは、図12に示すように、第2側部14B側の開口面積が、二点鎖線で示す弁体を有する従来品に比べて大きくなる。その結果として、第1側部14A側の開口面積と第2側部14B側の開口面積との面積差が小さくなる。
従って、出口統合弁181Bでは、開弁時に生じる圧力差、つまり第1側部14Aに作用する圧力と第2側部14Bに作用する圧力との差によって発生して閉弁方向へ作用する回転モーメントが小さくなる。これにより、図10に実線(細線)で示すように、弁体214を所定開度に維持するために必要となる、モータ32へ供給する開弁保持電流が、開度10°〜60°の中間開度域において、従来品(破線参照)よりも減少する。従って、出口統合弁181Bにてエアの流量制御を行う際の消費電力を削減することができる。
そして、出口統合弁181Bを燃料電池システム101に用いる場合には、入口封止弁174及びバイパス弁191に、出口統合弁181Bと同様の構成の二重偏心弁を用いればよい。これにより、エア系113における弁の共通化を図ることができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した第1〜第3実施例を任意に組み合わせることができる。これにより、各実施例の効果を相乗的に得ることができる。そして、第1〜第3実施例をすべて組み合わせると、図13に示すように、開度60°以下の中間開度域において開弁保持電流を効果的に減少させることができる。
また、上記した実施形態では、燃料電池システムのエア系における制御弁に本開示の二重偏心弁を適用しているが、本開示の二重偏心弁は、燃料電池システムに限られることなく、流体の流量制御を行うシステム(例えば、EGRシステム等)であれば適用することができる。
11 流路
13 弁座
14 弁体
14A 第1側部
14B 第2側部
15 回転軸
17 シート面
18 シール面
20 流路ブロック
20a 内壁面
32 モータ(駆動機構)
35 弁ハウジング
37 第1軸受
38 第2軸受
40 リターンスプリング
101 燃料電池システム
111 燃料電池スタック(燃料電池)
113 エア系
161 エア供給通路
162 エア排出通路
163 バイパス通路
174 入口封止弁
181 出口統合弁
191 バイパス弁
L1 回転軸の軸線(主軸線)
L2 弁体の軸線
V1 仮想面

Claims (8)

  1. 円環状をなし、弁孔と前記弁孔に形成されたシート面を含む弁座と、
    円板状をなし、前記シート面に対応する環状のシール面が外周に形成された弁体と、
    前記弁座及び前記弁体が配置されるとともに流体が流れる流路が形成されたハウジングと、
    前記弁体を回動させる回転軸と、
    前記回転軸を回転駆動させる駆動機構と、
    前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記回転軸の回転方向を前記弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備え、
    前記シート面は、前記弁体側に向かって広がるテーパ状に形成され、
    前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面から離れて配置されるとともに、前記弁体の軸線から離れて配置され、
    前記弁体は、前記回転軸の軸線を含んで前記弁体の軸線方向と平行な仮想面を境にして分割される、前記弁体の軸線が位置する第1側部と、それ以外の第2側部とを含み、開弁時に、前記第1側部が前記弁座から離れる方向へ回動し、前記第2側部が前記弁孔に入り込む方向へ回動する二重偏心弁において、
    前記流路のうち前記弁座を境にして前記弁体が配置される側の流路は、開弁時に前記弁体と前記流路の内壁面との間に形成される開口領域の面積である開口面積について、前記第1側部側における開口面積よりも前記第2側部側における開口面積が大きくなるように形成されている
    ことを特徴とする二重偏心弁。
  2. 請求項1に記載する二重偏心弁において、
    前記流路のうち前記弁座を境にして前記弁体が配置される側の流路の内径は、前記弁座とは反対側に向かって、前記弁座の内径から徐々に拡大している
    ことを特徴とする二重偏心弁。
  3. 請求項2に記載する二重偏心弁において、
    前記流路のうち前記弁座を境にして前記弁体が配置される側の流路には、前記シート面のテーパ形状が連続するように形成されたテーパ状の内壁面を備える環状の流路ブロックが配置されている
    ことを特徴とする二重偏心弁。
  4. 円環状をなし、弁孔と前記弁孔に形成されたシート面を含む弁座と、
    円板状をなし、前記シート面に対応する環状のシール面が外周に形成された弁体と、
    前記弁座及び前記弁体が配置されるとともに流体が流れる流路が形成されたハウジングと、
    前記弁体を回動させる回転軸と、
    前記回転軸を回転駆動させる駆動機構と、
    前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記回転軸の回転方向を前記弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備え、
    前記シート面は、前記弁体側に向かって広がるテーパ状に形成され、
    前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面から離れて配置されるとともに、前記弁体の軸線から離れて配置され、
    前記弁体は、前記回転軸の軸線を含んで前記弁体の軸線方向と平行な仮想面を境にして分割される、前記弁体の軸線が位置する第1側部と、それ以外の第2側部とを含み、開弁時に、前記第1側部が前記弁座から離れる方向へ回動し、前記第2側部が前記弁孔に入り込む方向へ回動する二重偏心弁において、
    前記流路の一部をなす前記弁座には、前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面及び前記弁体の軸線から離れて配置されていることによって開弁時に発生する前記弁体と前記流路の内壁面との間に形成される、前記第1側部側における開口領域の面積である開口面積と前記第2側部側における開口領域の面積である開口面積との面積差が小さくなるように内径が拡大された拡径部が形成されている
    ことを特徴とする二重偏心弁。
  5. 請求項4に記載する二重偏心弁において、
    前記拡径部は、前記弁座の前記シート面以外の部分に設けられ、前記シート面の小径側端部から前記弁体とは反対側に向かって内径が徐々に拡大している
    ことを特徴とする二重偏心弁。
  6. 円環状をなし、弁孔と前記弁孔に形成されたシート面を含む弁座と、
    円板状をなし、前記シート面に対応する環状のシール面が外周に形成された弁体と、
    前記弁座及び前記弁体が配置されるとともに流体が流れる流路が形成されたハウジングと、
    前記弁体を回動させる回転軸と、
    前記回転軸を回転駆動させる駆動機構と、
    前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記回転軸の回転方向を前記弁体の閉弁方向へ付勢するリターンスプリングとを備え、
    前記シート面は、前記弁体側に向かって広がるテーパ状に形成され、
    前記回転軸の軸線が前記弁体の前記シール面から離れて配置されるとともに、前記弁体の軸線から離れて配置され、
    前記弁体は、前記回転軸の軸線を含んで前記弁体の軸線方向と平行な仮想面を境にして分割される、前記弁体の軸線が位置する第1側部と、それ以外の第2側部とを含み、開弁時に、前記第1側部が前記弁座から離れる方向へ回動し、前記第2側部が前記弁孔に入り込む方向へ回動する二重偏心弁において、
    前記弁体のうち前記弁座に対向する面と反対側の円周縁部に、前記シール面の大径側端部から円弧状に面取りされている面取り部が形成されている
    ことを特徴とする二重偏心弁。
  7. 燃料電池と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給通路と、前記酸化剤ガス供給通路に設けられて酸化剤ガスを前記燃料電池に供給するコンプレッサと、前記酸化剤ガス供給通路にて前記コンプレッサと前記燃料電池との間に設けられた上流側弁と、前記燃料電池に供給された酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出通路と、前記酸化剤ガス排出通路に設けられた下流側弁と、前記酸化剤ガス供給通路と前記酸化剤ガス排出通路とに接続されたバイパス通路と、前記バイパス通路に設けられ前記バイパス通路を流れる酸化剤ガスの流量を制御するバイパス弁と、を有する燃料電池システムにおいて、
    前記下流側弁は、請求項1から請求項6に記載するいずれか1つの二重偏心弁であり、前記弁座側から前記弁体側へ酸化剤ガスが流れるように、前記酸化剤ガス排出通路に配置されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項7に記載する燃料電池システムにおいて、
    前記上流側弁及び前記バイパス弁も、請求項1から請求項6に記載するいずれか1つの二重偏心弁であり、前記弁座側から前記弁体側へ酸化剤ガスが流れるように、前記酸化剤ガス供給通路及び前記バイパス通路に配置されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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