JP2019027341A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射制御装置において、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制する。【解決手段】マイコンは、要求噴射開始タイミングが到来する前に、その要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なるか否かを判定する。そして、要求噴射開始タイミングが到来すると、S310にて、インジェクタに供給される燃料の圧力を検出するセンサからの燃圧センサ信号の電圧値をA/D変換して検出する。更に、マイコンは、上記2つのタイミングが重なると判定されていない場合には、S340,S360にて、上記S310での検出値であるADbを用いて、要求噴射開始タイミングからの噴射時間を算出するが、上記2つのタイミングが重なると判定されている場合には、S350,S360にて、ADbではなく、要求噴射開始タイミングより前に検出した燃圧センサ信号の電圧値を用いて、噴射時間を算出する。【選択図】図4

Description

本開示は、燃料噴射制御装置に関する。
例えば特許文献1に記載されているように、エンジンへの燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置においては、目標角のタイミングでインジェクタからエンジンへの燃料噴射を行うことが知られている。ここで言う目標角とは、目標のクランク角である。また、ここで言うクランク角とは、クランク軸の回転位置(即ち、クランク位置)である。
特開2005−273665号公報
高精度な噴射量制御を実現するためには、噴射開始タイミングにて、インジェクタに供給される燃料の圧力が検出され、その検出値に基づいて、目標の燃料噴射量を実現するための噴射時間が算出されるように、燃料噴射制御装置を構成することが考えられる。噴射開始タイミングとは、インジェクタからエンジンへの燃料噴射を開始するタイミングである。また、噴射時間とは、噴射開始タイミングからの燃料噴射の継続時間である。インジェクタは、噴射開始タイミングから噴射時間の間、燃料を噴射するように駆動される。
ここで、燃料の圧力の検出は、実際には、燃料の圧力を検出するセンサから出力されるセンサ信号の電圧値を検出することによって実現される。このため、センサ信号の電圧値を検出する噴射開始タイミングにおいて、センサ信号に、何らかの電気負荷の駆動に起因するノイズが重畳してしまった場合には、そのノイズが重畳されたセンサ信号の電圧値に基づいて、噴射時間が算出される。すると、目標の燃料噴射量を実現するための噴射時間とは異なる噴射時間が算出されてしまい、燃料噴射量の制御精度が低下してしまう。例えば、実際の燃料噴射量に過不足が生じて、燃焼やエミッションの悪化を招くこととなる。
そこで、本開示は、燃料噴射制御装置において、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制可能な技術を提供する。
本開示の燃料噴射制御装置は、決定部(11,S140)と、算出部(11,22,S310,S320,S340,S360,S370)と、判定部(11,S240)と、回避部(11,S350,S270,S280)と、を備える。
決定部は、インジェクタ(5)からエンジンへの燃料噴射を開始するタイミングである噴射開始タイミングを決定する。
算出部は、決定部により決定された噴射開始タイミングである要求噴射開始タイミングが到来すると、インジェクタに供給される燃料の圧力を検出するセンサ(6)から出力されるセンサ信号であって、燃料の圧力に応じた電圧のセンサ信号の電圧値を検出する。そして更に、算出部は、検出した電圧値である検出値を用いて、要求噴射開始タイミングからの燃料噴射の継続時間である噴射時間を算出し、該算出した噴射時間の間、インジェクタから燃料を噴射させる。
判定部は、要求噴射開始タイミングが決定されてから、その要求噴射開始タイミングが到来するまでの間に動作する。そして、判定部は、要求噴射開始タイミングと、特定の電気負荷の駆動予定タイミングとが、重なるか否かを判定する。特定の電気負荷は、駆動されることで発生するノイズがセンサ信号に重畳する可能性がある電気負荷である。駆動予定タイミングとは、特定の電気負荷が駆動される予定のタイミングである。
判定部により要求噴射開始タイミングと駆動予定タイミングとが重なると判定された場合には、要求噴射開始タイミングで算出部により検出されるセンサ信号の電圧に、特定の電気負荷の駆動に起因するノイズが重畳される可能性が高い。
このため、回避部は、判定部により要求噴射開始タイミングと駆動予定タイミングとが重なると判定された場合に、算出部が、前記電気負荷の駆動に起因するノイズが重畳されたセンサ信号の電圧値を用いて噴射時間を算出することを、回避するための回避処理を行う。
このような構成によれば、噴射時間の算出に、ノイズが重畳されたセンサ信号の電圧値が用いられてしまうことを抑制することができる。よって、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制することができる。
尚、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の電子制御装置の構成を示す構成図である。 第1実施形態の時間同期処理を表すフローチャートである。 第1実施形態のクランク同期処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の噴射開始タイミング処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の作用例を説明する説明図である。 第2実施形態の時間同期処理を表すフローチャートである。 第2実施形態のクランク同期処理を表すフローチャートである。 第2実施形態の噴射開始タイミング処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の時間同期処理を表すフローチャートである。 第3実施形態のクランク同期処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の噴射開始タイミング処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の作用例を説明する説明図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示すように、第1実施形態の燃料噴射制御装置としての電子制御装置(以下、ECU1)1には、クランクセンサ3と、カムセンサ4と、複数のインジェクタ5と、燃圧センサ6と、が接続されている。ECUは、「Electronic Control Unit」の略である。更に、ECU1には複数のイグナイタ7が接続されている。
クランクセンサ3は、エンジンのクランク軸8と共に回転するロータ9の周囲に所定の間隔で形成された複数の歯部9aを検知する毎に、パルス信号を出力する。ロータ9の周囲には、歯部9aが所定数だけ連続して欠落した部分が設けられている。このため、クランクセンサ3からの信号においては、パルス信号の発生間隔が他のパルス信号の発生間隔と比べて所定数倍になる部分(以下、欠け歯信号部)が生じる。また、図示は省略するが、カムセンサ4は、エンジンのカム軸と共に回転するロータに形成された1つあるいは複数の歯部を検知する毎に、パルス信号を出力する。そして、クランクセンサ3からの信号における欠け歯信号部とカムセンサ4からの信号とにより、現在のクランク位置を判断することができるようになっている。尚、本実施形態において、エンジンは車両に搭載されたものである。
インジェクタ5は、ECU1により通電されることでエンジンに燃料を噴射する。インジェクタ5に通電することは、インジェクタ5を駆動することに相当する。インジェクタ5は、エンジンの気筒毎に備えられている。本実施形態において、エンジンの気筒数は4であるため、ECU1には4つのインジェクタ5が接続されている。
燃圧センサ6は、インジェクタ5に供給される燃料の圧力を検出するセンサである。燃圧とは、燃料圧力の略である。燃圧センサ6は、例えば、全てのインジェクタ5に高圧の燃料を供給するデリバリパイプに配置されており、そのデリバリパイプ内の燃料圧力を、インジェクタ5に供給される燃料の圧力として検出する。燃圧センサ6からは、検出対象である燃料圧力に応じた電圧のセンサ信号(以下、燃圧センサ信号)が出力される。
イグナイタ7は、エンジンの各気筒に設けられた点火プラグ10及びイグニッションコイルの各々に対応して備えられている。尚、イグニッションコイルの図示は省略されている。
各イグナイタ7は、ECU1からの通電指令信号がオンを示すアクティブレベルになると、当該イグナイタ7に対応する気筒のイグニッションコイルにおける一次コイルへの通電を開始し、上記通電指令信号がオフを示す非アクティブレベルになると、上記一次コイルへの通電を停止する。この一次コイルへの通電が停止することにより、イグニッションコイルにおける二次コイルから、当該イグナイタ7に対応する気筒の点火プラグ10に点火信号が供給され、その点火プラグ10から放電による火花が発生する。
ECU1は、エンジンを制御するための様々な処理を行う制御部としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコン)11を備える。
マイコン11は、プログラムを実行するCPU13と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ)14と、を備える。尚、マイコン11が行う各種処理は、CPU13が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ14が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。一方、ECU1を構成するマイコンの数は1つでも複数でも良い。また、マイコン11の機能の一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現しても良い。例えば、マイコン11の機能の一部又は全部がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現しても良い。
更に、ECU1は、波形整形回路21と、A/D変換器22と、駆動回路23と、出力回路24と、を備える。
波形整形回路21は、クランクセンサ3及びカムセンサ4からの各パルス信号を波形整形してマイコン11に入力させる。クランクセンサ3から波形整形回路21を介してマイコン11に入力されるパルス信号のことを、以下では、クランク信号という。
本実施形態において、クランクセンサ3からは、クランク軸8が10°回転する毎(即ち、10°CA毎)にパルス信号が出力される。そして、図5の1段目に示すように、マイコン11に入力されるクランク信号は、10°CA毎に立ち上がりエッジが生じる矩形波となる。尚、ここでは前述の欠け歯信号部を除いて説明している。一方、「CA」は、それの前に記載された数値がクランク軸8の回転角度(即ち、クランク角度)であることを意味する記号である。
A/D変換器22には、A/D変換対象のアナログ信号として、燃圧センサ信号が入力される。A/D変換器22による燃圧センサ信号のA/D変換結果(以下、AD値)は、マイコン11に入力される。そのAD値は、燃圧センサ信号の電圧値を検出した結果であると共に、インジェクタ5に供給されている燃料の圧力値を示す。また、メモリ14のうちの例えばRAMには、N個のAD値が記憶されるAD値記憶領域Madが設けられている。N個は、本実施形態では2個以上であるが、1個であっても良い。
駆動回路23は、マイコン11から出力される気筒毎の噴射信号のうち、何れかの気筒の噴射信号がアクティブレベルになっている間、そのアクティブレベルの噴射信号に対応するインジェクタ5を駆動する。マイコン11から駆動回路23への噴射信号は、インジェクタ5の駆動指令に相当する信号である。噴射信号のアクティブレベルは、例えばハイレベルであるが、ローレベルであっても良い。
出力回路24は、マイコン11から出力される気筒毎の点火制御信号のうち、何れかの気筒の点火制御信号がアクティブレベルになっている間、そのアクティブレベルの点火制御信号に対応するイグナイタ7への通電指令信号をアクティブレベルにする。点火制御信号のアクティブレベルと、イグナイタ7への通電指令信号のアクティブレベルは、例えばハイレベルであるが、ローレベルであっても良い。
[1−2.処理]
次に、マイコン11が実行する処理について、図2〜図4のフローチャートを用いて説明する。以下では、何れか1つのインジェクタ5を対象として説明するが、他のインジェクタ5についても同様である。
[1−2−1.時間同期処理]
マイコン11は、図2に示す時間同期処理を一定の所定時間毎に実行する。
図2に示すように、マイコン11は、時間同期処理を開始すると、S110にて、A/D変換器22に燃圧センサ信号をA/D変換させる。A/D変換器22による燃圧センサ信号のA/D変換は、燃圧センサ信号の電圧値を検出することに相当する。
マイコン11は、次のS120にて、A/D変換器22からAD値を取得し、その取得したAD値を、前述のAD値記憶領域Madに、最新のAD値として記憶する。尚、AD値記憶領域Madには、AD値が最新のものから順にN個だけ記憶される。
マイコン11は、次の130にて、今回の当該時間同期処理の実行タイミングが、噴射開始タイミングを算出するタイミング(以下、第1の算出タイミング)であるか否かを判定し、第1の算出タイミングでないと判定した場合には、S150に進む。
また、マイコン11は、上記S130にて、今回の当該時間同期処理の実行タイミングが、第1の算出タイミングであると判定した場合には、S140に進む。
マイコン11は、S140では、噴射開始タイミングを算出するための最新の制御情報を取得し、その取得した制御情報を用いて噴射開始タイミングを算出する。噴射開始タイミングとしては、例えば、インジェクタ5からの燃料噴射を開始すべきクランク位置が算出される。噴射開始タイミングを算出するための制御情報としては、例えば、エンジンの回転速度(即ち、エンジン回転数)や吸入空気量等がある。マイコン11は、例えばクランク信号の立ち上がりエッジの時間間隔(即ち、10°CA分の時間)を逐次計測しており、その時間間隔に基づいてエンジン回転数を算出する。
マイコン11は、上記S140で噴射開始タイミングを算出した後、S150に進む。尚、マイコン11がS140で噴射開始タイミングを算出することは、噴射開始タイミングを決定することに相当する。以下では、S140で算出された噴射開始タイミングのことを、要求噴射開始タイミングともいう。
マイコン11は、S150では、今回の当該時間同期処理の実行タイミングが、何れかの気筒の点火タイミングを算出するタイミング(以下、第2の算出タイミング)であるか否かを判定し、第2の算出タイミングでないと判定した場合には、当該時間同期処理を終了する。
また、マイコン11は、上記S150にて、今回の当該時間同期処理の実行タイミングが、第2の算出タイミングであると判定した場合には、S160に進む。
マイコン11は、S160では、次に点火を実施する気筒の点火タイミングを、エンジン回転数やノッキングの有無等に基づいて算出し、その後、当該時間同期処理を終了する。
尚、マイコン11では、各気筒について、算出された点火タイミングの所定時間前に前述の点火制御信号をアクティブレベルにすると共に、点火タイミングが到来すると、その点火制御信号をアクティブレベルから非アクティブレベルにして、点火プラグ10から火花を発生させる出力処理も行われる。以下では、S160で算出された点火タイミングのことを、要求点火タイミングともいう。本実施形態では、要求点火タイミングが、点火プラグ10の駆動予定タイミングに相当する。
[1−2−2.クランク同期処理]
マイコン11は、図3のクランク同期処理を、クランク軸8が所定角度回転する毎(以下、所定角度毎)に実行する。その所定角度は、本実施形態では30°であるが、30°以外であっても良い。
図3に示すように、マイコン11は、クランク同期処理を開始すると、S210とS220で、図2の時間同期処理におけるS110,S120と同じ処理を行う。
このため、燃圧センサ信号は、所定時間毎のタイミングと、所定角度毎のタイミングとの、両方において、A/D変換される。そして、所定時間毎のAD値と、所定角度毎のAD値とのうちで、最新のものからN個のAD値が、AD値記憶領域Madに記憶される。
マイコン11は、S220の次のS230では、当該クランク同期処理の今回の起動が、要求噴射開始タイミングの直前の起動(以下、噴射直前起動)であるか否かを判定する。具体的には、現在のクランク位置が、クランク同期処理が起動される予定の30°CA毎のクランク位置のうち、要求噴射開始タイミングに相当するクランク位置からみて1つ前のクランク位置であるか否かを判定する。
マイコン11は、S230にて、当該クランク同期処理の今回の起動が噴射直前起動ではないと判定した場合には、当該クランク同期処理を終了する。
また、マイコン11は、S230にて、当該クランク同期処理の今回の起動が噴射直前起動であると判定した場合には、S240に進む。
マイコン11は、S240では、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なるか否かを判定する。例えば、マイコン11は、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとの時間差を算出し、その時間差が所定範囲内であれば、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定する。また、マイコン11は、上記時間差が所定範囲内でなければ、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重ならないと判定する。
マイコン11は、上記S240にて、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定した場合には、S250に進み、フラグFOを「1」にした後、当該クランク同期処理を終了する。また、マイコン11は、上記S240にて、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重ならないと判定した場合には、S260に進み、フラグFOを「0」にした後、当該クランク同期処理を終了する。よって、フラグFOは、S240での判定結果を示すこととなる。
[1−2−3.噴射開始タイミング処理]
マイコン11は、要求噴射開始タイミングが到来すると、図4の噴射開始タイミング処理を実行する。
例えば、マイコン11は、所定角度毎のクランク同期処理のうち、要求噴射開始タイミングの直前に起動されたクランク同期処理(以下、噴射直前クランク同期処理)にて、クランク位置が要求噴射開始タイミングとしてのクランク位置になるまでの時間を、最新のエンジン回転数に基づき算出する。そして、その算出した時間を、噴射開始タイミング処理を起動するためのタイマ部分にセットする。タイマ部分は、セットされた時間が経過したことを検知して噴射開始タイミング処理を起動させる。
図4に示すように、マイコン11は、噴射開始タイミング処理を開始すると、S310にて、A/D変換器22に燃圧センサ信号をA/D変換させる。マイコン11は、次のS320にて、A/D変換器22からAD値を取得し、その取得したAD値を、噴射開始タイミングでのAD値(以下、ADb)として記憶する。
マイコン11は、次のS330にて、前述のフラグFOが「1」であるか否かを判定し、フラグFOが「1」でない場合、即ち、噴射直前クランク同期処理にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重ならないと判定された場合には、S340に進む。
マイコン11は、S340では、ADbを、噴射時間を算出するために使用される燃圧データとして設定し、その後、S360に進む。噴射時間は、要求噴射開始タイミングからの燃料噴射の継続時間であり、言い換えると、インジェクタ5を駆動する時間である。
マイコン11は、S340から進んだ場合のS360では、S340で設定された燃圧データ(即ち、ADb)を用いて噴射時間を算出する。
マイコン11では、他の噴射量算出処理によって、インジェクタ5から噴射すべき燃料噴射量(以下、目標噴射量)が、エンジン回転数や吸入空気量等の、燃料圧力以外の情報に基づいて算出される。また、インジェクタ5からの燃料噴射量は、噴射時間が同じであれば、インジェクタ5に供給される燃料の圧力が高いほど、大きくなる。そして、ADbは、要求噴射開始タイミングにおいてインジェクタ5に供給されている燃料の圧力値に相当する。このため、S340から進んだ場合のS360では、インジェクタ5からの燃料噴射量を目標噴射量にするための噴射時間を、燃圧データとしてのADbを用いて算出する。例えば、S360では、目標噴射量が基本噴射時間に換算され、その基本噴射時間が、燃圧データから計算式やデータマップにより決定される燃圧補正係数を用いて補正されることにより、噴射時間が算出される。尚、噴射時間は、燃圧データと他の情報とから計算式やデータマップにより直接的に算出されても良い。
そして、マイコン11は、S360で噴射時間を算出した後、S370に進む。
マイコン11は、S370では、当該マイコン11において前述の噴射信号を出力するために備えられている信号出力部に指令を与えて、今回の要求噴射開始タイミングに対応する気筒の噴射信号をアクティブレベルにさせる。更に、マイコン11は、S370では、信号出力部に、S360で算出された噴射時間をセットし、その後、当該噴射開始タイミング処理を終了する。
信号出力部は、噴射信号をアクティブレベルにしたときから、S370でセットされた噴射時間が経過すると、噴射信号をアクティブレベルから非アクティブレベルに戻す。尚、噴射開始タイミング処理の起動時に、信号出力部が噴射信号をアクティブレベルにするようになっていても良い。
一方、マイコン11は、上記S330にて、フラグFOが「1」であると判定した場合、即ち、噴射直前クランク同期処理にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定された場合には、S350に進む。
マイコン11は、S350では、この時点でAD値記憶領域Madに記憶されているN個のAD値、即ち、要求噴射開始タイミングの前に時間同期処理とクランク同期処理とで取得されたN個のAD値のうち、最新のAD値を、噴射時間を算出するために使用される燃圧データとして設定する。そして、マイコン11は、その後、S360に進み、S350で設定された燃圧データを用いて噴射時間を算出する。
つまり、S350から進んだ場合のS360では、ADbの代わりに、AD値記憶領域Madに記憶されているN個のAD値のうち、要求噴射開始タイミングの直前のAD値を用いて、噴射時間を算出する。
噴射直前クランク同期処理にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定された場合には、S310でA/D変換される燃圧センサ信号の電圧に、点火プラグ10の点火駆動に起因するノイズ(以下、点火ノイズ)が重畳される可能性が高い。つまり、ADbがノイズ重畳値となる可能性が高い。ここで言うノイズ重畳値とは、ノイズが重畳された燃圧センサ信号の電圧値のことである。
このため、噴射開始タイミング処理では、S330でフラグFOが「1」であると判定された場合には、S350の処理が行われることにより、ADbの代わりに、要求噴射開始タイミングよりも前のAD値を用いて噴射時間が算出されるようにしている。
[1−3.作用例]
図2〜図4の処理による作用例を、図5を用いて説明する。
図5では、時刻t1〜t8の各々が、時間同期処理の実行タイミングである。そして、時刻t1の時間同期処理にて、第1気筒の点火タイミング(要求点火タイミング)が算出され、時刻t3の時間同期処理にて、第3気筒の噴射開始タイミング(要求噴射開始タイミング)が算出されている。また、図5では、時刻t11,t12の各々が、クランク同期処理の実行タイミングであり、時刻t11と時刻t12との間の時刻t21が、第3気筒の要求噴射開始タイミングである。
そして、図5及び以下の説明では、時間同期処理とクランク同期処理との各々で取得されるAD値を、ADaと記載している。また、図5において、「第1気筒点火」の段(即ち、3段目)に示される波形の立ち下がりタイミングは、第1気筒の要求点火タイミングであると共に、第1気筒の実際の点火タイミングである。
図5の例では、第1気筒の要求点火タイミングが、第3気筒の要求噴射開始タイミング(即ち、時刻t21)と重なっている。
このため、時刻t21において、燃圧センサ信号には、第1気筒の点火ノイズが重畳し、その結果、燃圧センサ信号の電圧値が、ノイズの無い場合よりも大きくなっている。よって、時刻t21で起動される図4の噴射開始タイミング処理において、燃圧センサ信号のA/D変換が実施されると、そのときのAD値であるADbは、時刻t21以前に取得されたADaよりも極端に大きくなる。つまり、ADbはノイズ重畳値となる。
ここで仮に、時刻t21で起動される図4の噴射開始タイミング処理において、噴射時間がADbを用いて算出されたとすると、図5の最下段における点線波形の噴射信号で示すように、算出される噴射時間は、目標噴射量を実現する本来の噴射時間よりも短くなってしまう。また、点火ノイズによってADbが本来の値よりも小さくなり、そのADbを用いて噴射時間が算出されたとすると、算出される噴射時間は、本来の噴射時間よりも長くなってしまう。
しかし、実際には、時刻t11で起動されるクランク同期処理(即ち、噴射直前クランク同期処理)にて、第3気筒の要求噴射開始タイミングと第1気筒の要求点火タイミングとが重なると判定されて、フラグFOが「1」に設定される。そして、時刻t21で起動される図4の噴射開始タイミング処理では、フラグFOが「1」であることから、ADbではなく、時刻t21より前に取得されたADaのうち、時刻t21の直前に取得されたADa、即ち、この例では時刻t4で取得されたADaを用いて、第3気筒の噴射時間が算出される。よって、点火ノイズが重畳された燃圧センサ信号の電圧値(即ち、ノイズ重畳値)を用いて噴射時間が算出されることが、回避される。
尚、第3気筒の要求噴射開始タイミングと他の気筒の要求点火タイミングとが重ならない場合には、時刻t21で起動される図4の噴射開始タイミング処理では、噴射時間がADbを用いて算出される。
[1−4.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
〈1a〉マイコン11は、図3のクランク同期処理にて、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定した場合には、要求噴射開始タイミングにおいて燃圧センサ信号に点火ノイズが重畳すると予測する。そして、この場合、マイコン11は、図4のS350の処理を行うことにより、噴射時間がノイズ重畳値を用いて算出されることを回避する。このため、噴射時間の算出にノイズ重畳値が用いられてしまうことを抑制することができる。よって、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制することができる。
〈1b〉マイコン11は、時間同期処理とクランク同期処理との各々でも、燃圧センサ信号の電圧値をA/D変換により検出する。このため、燃圧センサ信号の電圧値は、要求噴射開始タイミングだけでなく、所定時間毎と所定角度毎との各タイミングでも検出される。そして、マイコン11は、図4のS350では、要求噴射開始タイミングの前に取得されたN個のADaのうち、最新のADa、即ち、要求噴射開始タイミングの直前に検出されたADaを、噴射時間を算出するために使用される燃圧データとして設定する。
このため、図4のS350の処理が行われた場合でも、要求噴射開始タイミングにより近いタイミングでのAD値を用いて噴射時間が算出されるようにすることができる。よって、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制することができる。
尚、図4のS350では、要求噴射開始タイミングの前に取得されたN個のADaのうち、例えば2番目に新しいADaや3番目に新しいADa等、最新のADa以外のADaを、噴射時間を算出するために使用される燃圧データとして設定しても良い。例えば燃圧センサ信号に重畳すると想定されるノイズの継続時間が長い場合、このように構成されて良い。
〈1c〉マイコン11は、要求噴射開始タイミングとは別のタイミングとして、所定時間毎のタイミングと、所定角度毎のタイミングとで、燃圧センサ信号の電圧値の検出(即ち、A/D変換)を実施する。このため、マイコン11において、燃圧センサ信号の電圧値を検出するための特別なトリガを発生させる必要がない。尚、マイコン11は、所定時間毎のタイミングと、所定角度毎のタイミングとの、両方ではなく、一方だけで、燃圧センサ信号の電圧値の検出を実施しても良い。
一方、上記第1実施形態では、ADbが、検出値に相当する。また、点火プラグ10が、特定の電気負荷に相当する。そして、マイコン11及びA/D変換器22が、算出部と、検出部との、各々として機能する。また、マイコン11が、決定部と、判定部と、回避部との、各々として機能する。マイコン11が行う処理のうち、S140が、決定部としての処理に相当し、S310,S320,S340,S360,S370が、算出部としての処理に相当し、S240が、判定部としての処理に相当し、S350が、回避部としての処理に相当する。また、S110,S120とS210,S220が、検出部としての処理に相当する。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。尚、第1実施形態と同じ符号やステップ番号は、同一の構成や処理を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態のECU1では、第1実施形態と比較すると、マイコン11が、図2の時間同期処理に代えて、図6の時間同期処理を行い、図3のクランク同期処理に代えて、図7のクランク同期処理を行い、図4の噴射開始タイミング処理に代えて、図8の噴射開始タイミング処理を行う点が、異なる。
[2−2−1.時間同期処理]
図6の時間同期処理は、図2の時間同期処理と比較すると、S125が追加されている。
図6に示すように、マイコン11は、S120の次にS125に進み、AD値記憶領域Madに記憶されているN個のAD値を平均化した値(以下、平均値)を算出する。本第2実施形態において、N個は、2個以上である。平均値を算出するための処理としては、例えば、各AD値に重みを付けない単純平均の処理でも良いし、各AD値に異なる重み付けを付けて平均する加重平均の処理等であっても良い。そして、マイコン11は、S125の次にS130に進む。
[2−2−2.クランク同期処理]
図7のクランク同期処理は、図3のクランク同期処理と比較すると、S225とS235が追加されている。
図7に示すように、マイコン11は、S220の次にS225に進み、図6のS125と同様に、AD値記憶領域Madに記憶されているN個のAD値の平均値を算出する。その後、マイコン11は、S230に進む。
マイコン11は、S230にて、当該クランク同期処理の今回の起動が噴射直前起動であると判定した場合には、S235に進む。
マイコン11は、S235では、後述するカウンタCNTの値が、所定の閾値Nthに達したか否か、即ち、閾値Nth以上であるか否かを判定する。本第2実施形態において、閾値Nthは、2以上の整数であるが、1であっても良い。
そして、マイコン11は、このS235にて、カウンタCNTの値が閾値Nth以上でないと判定した場合には、S240に進むが、カウンタCNTの値が閾値Nth以上であると判定した場合には、S240の処理を行うことなく、S260に進む。
[2−2−3.噴射開始タイミング処理]
図8の噴射開始タイミング処理は、図4の噴射開始タイミング処理と比較すると、S325とS335とS337が追加されている。
図8に示すように、マイコン11は、S320の次にS325に進む。
マイコン11は、S325では、図7のS235と同様に、後述するカウンタCNTの値が閾値Nth以上であるか否かを判定し、カウンタCNTの値が閾値Nth以上でないと判定した場合には、S330に進む。
マイコン11は、S330にて、フラグFOが「1」であると判定した場合には、S335に進み、図6のS125と図7のS225との何れかで算出されている最新の平均値と、ADbとの差が、所定値以上であるか否かを判定する。ここで言う差とは、詳しくは差の絶対値である。
そして、マイコン11は、上記S335にて、平均値とADbとの差が所定値以上であると判定した場合には、ADbがノイズ重畳値であると判断して、S350に進む。
また、マイコン11は、上記S335にて、平均値とADbとの差が所定値以上でないと判定した場合には、ADbがノイズ重畳値ではないと判断して、S337に進み、カウンタCNTをインクリメントした後、S340に進む。カウンタCNTの初期値は0である。よって、カウンタCNTの値は、図7のS240にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定され、且つ、図8のS335にてADbがノイズ重畳値ではないと判定された回数の、計数値になる。
また、マイコン11は、上記S325にて、カウンタCNTの値が閾値Nth以上であると判定した場合には、そのままS340に進む。
[2−3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、第1実施形態で得られる効果に加えて、以下の効果も奏する。
〈2a〉図7のS240にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定された場合に、図8のS335にて、ADbがノイズ重畳値であるか否かが判定される。そして、図8のS335にて、ADbがノイズ重畳値ではないと判定された場合、即ち、S335にてNOと判定された場合には、図8のS350の処理が禁止されて、図8のS340の処理が行われる。
このため、図7のS240にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定された場合でも、ノイズ重畳値でないADbを用いて噴射時間が算出される可能性を生じさせることができる。よって、燃料噴射量の制御精度の低下を一層抑制することができる。
〈2b〉図7のS240にて要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定されたものの、図8のS335にてADbがノイズ重畳値ではないと判定された回数が、カウンタCNTの値として計数される。そして、カウンタCNTの値が閾値Nthに達すると、以後は、図7のS235と図8のS325との各々でYESと判定されるため、図7のS240の判定と図8のS335の判定とが禁止され、噴射時間の算出には常にADbが用いられるようになる。このため、燃料噴射量の制御精度の低下を抑制しつつ、処理負荷を減らすことができる。
〈2c〉マイコン11は、図8のS335では、噴射開始タイミングの前に時間同期処理とクランク同期処理とで取得されたN個のAD値であるADaの平均値を、基準値とし、その基準値とADbとの差が所定値以上であれば、ADbがノイズ重畳値であると判定する。このため、ADbがノイズ重畳値であるか否かの判定の、確かさを向上させることができる。
尚、ADbがノイズ重畳値であるか否かを判定するために、そのADbと比較される基準値としては、N個のADaの平均値以外であっても良い。例えば、噴射開始タイミングの前に取得されたN個のADaのうち、最大のADaと最小のADaとの中間値が、基準値として用いられても良い。また例えば、噴射開始タイミングの前に取得されたN個のADaのうちの何れか1つが、基準値として用いられても良い。この場合、ADbの検出タイミングである噴射開始タイミングからみて、燃圧センサ信号に重畳すると想定されるノイズの予想発生間隔とは異なる時間だけずれたタイミングで検出されたADaを、基準値として用いて良い。
一方、上記第2実施形態では、マイコン11が、第2の判定部と、計数部と、禁止部との、各々としても機能する。マイコン11が行う処理のうち、S335が、第2の判定部としての処理に相当し、S337が、計数部としての処理に相当し、S235,S325が、禁止部としての処理に相当する。
[3.第3実施形態]
[3−1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。尚、第1実施形態と同じ符号やステップ番号は、同一の構成や処理を示すものであって、先行する説明を参照する。
第3実施形態のECU1では、第1実施形態と比較すると、マイコン11が、図2の時間同期処理に代えて、図9の時間同期処理を行い、図3のクランク同期処理に代えて、図10のクランク同期処理を行い、図4の噴射開始タイミング処理に代えて、図11の噴射開始タイミング処理を行う点が、異なる。
[3−2−1.時間同期処理]
図9の時間同期処理は、図2の時間同期処理と比較すると、S110とS120が削除されている。
[3−2−2.クランク同期処理]
図10の時間同期処理は、図3のクランク同期処理と比較すると、S210とS220が削除されていると共に、S250とS260に代えて、S270とS280が設けられている。
図10に示すように、マイコン11は、S240にて、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重ならないと判定した場合には、そのまま当該クランク同期処理を終了する。
また、マイコン11は、S240にて、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとが重なると判定した場合には、S270に進む。
マイコン11は、S270では、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとのうち、優先度の低い方を、特定の規則に基づいて判定する。そして、マイコン11は、次のS280では、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとのうち、S270で優先度が低いと判定した方を、所定時間だけずらし、その後、当該クランク同期処理を終了する。
要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとの一方をずらす所定時間は、例えば、一定の時間であっても良いし、所定クランク角度分の時間、即ち、クランク軸8が所定角度回転するのに要する時間であっても良い。
また、特定の規則は、例えば下記の規則である。
要求点火タイミングを所定時間だけずらしたとしても、実際の点火タイミングが所定の許容範囲に入るのであれば、要求点火タイミングの方を、優先度が低い方、即ち、ずらす方とする。逆に、要求点火タイミングを所定時間だけずらしたとすると、実際の点火タイミングが許容範囲を超えてしまうのであれば、要求噴射開始タイミングの方を、優先度が低い方とする。ここで言う許容範囲とは、例えば、あるクランク位置のタイミングから、所定のクランク角度だけ後のタイミングまでの範囲である。
また、特定の規則としては、例えば、エンジンの出力を上昇させる必要がある運転状態の場合には、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとのうち、ずらしてもエンジンの出力低下を招き難い方を、優先度が低い方とする、といった規則でも良い。
[3−2−3.噴射開始タイミング処理]
図11の噴射開始タイミング処理は、図4の噴射開始タイミング処理と比較すると、S330〜S350が削除されている。そして、S360では、噴射時間がADbを用いて算出される。
[3−3.作用例と効果]
図9〜図11の処理による作用例と効果を、図12を用いて説明する。
前述の図5と同様に、図12では、時刻t1〜t8の各々が、時間同期処理の実行タイミングである。そして、時刻t1の時間同期処理にて、第1気筒の点火タイミング(要求点火タイミング)が算出され、時刻t3の時間同期処理にて、第3気筒の噴射開始タイミング(要求噴射開始タイミング)が算出されている。そして、図12においても、時刻t11,t12の各々が、クランク同期処理の実行タイミングであり、時刻t11と時刻t12との間の時刻t21が、第3気筒の要求噴射開始タイミングである。また、図12においても、「第1気筒点火」の段(即ち、3段目)に示される波形の立ち下がりタイミングは、第1気筒の要求点火タイミングであると共に、第1気筒の実際の点火タイミングである。
図5の例と同様に、図12の例においても、第1気筒の要求点火タイミングが、第3気筒の要求噴射開始タイミング(即ち、時刻t21)と重なっている。このため、時刻t21において、燃圧センサ信号には、第1気筒の点火ノイズが重畳し、その結果、燃圧センサ信号の電圧値が、ノイズの無い場合よりも大きくなっている。
このような場合、時刻t11で起動される図10のクランク同期処理(即ち、噴射直前クランク同期処理)では、S240にて、第3気筒の要求噴射開始タイミングと第1気筒の要求点火タイミングとが重なると判定される。そして、S270にて、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとのうち、例えば、要求噴射開始タイミングの方が、優先度が低いと判定されたとすると、S280にて、要求噴射開始タイミングが、図12に示すように所定時間Tsだけずらされる。要求噴射開始タイミングが所定時間Tsだけずらされると、図11の噴射開始タイミング処理が起動されるタイミング及び実際の噴射開始タイミングも、所定時間Tsだけずれる。
そして、ずらされた要求噴射開始タイミングにおいては、燃圧センサ信号に第1気筒の点火ノイズが重畳しないこととなる。このため、ずらされた要求噴射開始タイミングで起動される図11の噴射開始タイミング処理では、ノイズが重畳されていない燃圧センサ信号の電圧値が、ADbとして取得され、そのADbを用いて噴射時間が算出される。よって、ノイズ重畳値を用いて噴射時間が算出されることが、回避される。
また、図10のクランク同期処理により、要求噴射開始タイミングと要求点火タイミングとのうち、要求点火タイミングの方がずらされたとしても、同じ効果が得られる。
尚、変形例として、図10のS280では、常に要求噴射開始タイミングの方をずらすようになっているか、あるいは、常に要求点火タイミングの方をずらすようになっていても良い。この場合、S270の処理は削除することができる。
一方、上記第3実施形態では、マイコン11が行う処理のうち、S310,S320,S360,S370が、算出部としての処理に相当し、S270,S280が、回避部としての処理に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、駆動されることで発生するノイズが燃圧センサ信号に重畳する可能性がある特定の電気負荷としては、燃料ポンプからインジェクタ5へ供給される燃料の圧力を調節するための電磁弁など、点火プラグ10以外の電気負荷であっても良い。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしても良い。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしても良い。また、上記実施形態の構成の一部を省略しても良い。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換しても良い。尚、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
また、上述したECUの他、当該ECUを構成要素とするシステム、当該ECUとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、噴射時間算出方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…ECU、5…インジェクタ、11…マイコン

Claims (9)

  1. インジェクタ(5)からエンジンへの燃料噴射を開始するタイミングである噴射開始タイミングを決定するように構成された決定部(11,S140)と、
    前記決定部により決定された噴射開始タイミングである要求噴射開始タイミングが到来すると、前記インジェクタに供給される燃料の圧力を検出するセンサ(6)から出力されるセンサ信号であって、前記燃料の圧力に応じた電圧のセンサ信号の電圧値を検出すると共に、該検出した電圧値である検出値を用いて、前記要求噴射開始タイミングからの燃料噴射の継続時間である噴射時間を算出し、該算出した噴射時間の間、前記インジェクタから燃料を噴射させるように構成された算出部(11,22,S310,S320,S340,S360,S370)と、
    前記要求噴射開始タイミングが決定されてから前記要求噴射開始タイミングが到来するまでの間に動作し、前記要求噴射開始タイミングと、駆動されることで発生するノイズが前記センサ信号に重畳する可能性がある特定の電気負荷の駆動予定タイミングとが、重なるか否かを判定するように構成された判定部(11,S240)と、
    前記判定部により、前記要求噴射開始タイミングと前記駆動予定タイミングとが重なると判定された場合に、前記算出部が、前記電気負荷の駆動に起因するノイズが重畳された前記センサ信号の電圧値を用いて前記噴射時間を算出することを、回避するための回避処理を行うように構成された回避部(11,S350,S270,S280)と、を備える、
    燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記センサ信号の電圧値を前記要求噴射開始タイミングとは別の所定のタイミング毎に検出するように構成された検出部(11,22,S110,S120,S210,S22)を、更に備え、
    前記回避部(11,S350)は、
    前記回避処理として、前記算出部に、前記検出値に代えて、前記要求噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された複数の前記電圧値のうちの何れかを用いて、前記噴射時間を算出させる処理を行うように構成されている、
    燃料噴射制御装置。
  3. 請求項2に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記回避部は、
    前記回避処理として、前記算出部に、前記検出値に代えて、前記要求噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された複数の前記電圧値のうち、前記要求噴射開始タイミングの直前に検出された前記電圧値を用いて、前記噴射時間を算出させる処理を行うように構成されている、
    燃料噴射制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記判定部は、第1の判定部であり、
    前記第1の判定部により、前記要求噴射開始タイミングと前記駆動予定タイミングとが重なると判定された場合に、前記検出値が、ノイズが重畳された前記センサ信号の電圧値であるノイズ重畳値であるか否かを判定し、前記検出値が前記ノイズ重畳値ではないと判定した場合には、前記回避部により前記回避処理が行われることを禁止するように構成された第2の判定部(11,S335)を、更に備える、
    燃料噴射制御装置。
  5. 請求項4に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記第1の判定部により、前記要求噴射開始タイミングと前記駆動予定タイミングとが重なると判定され、且つ、前記第2の判定部により、前記検出値が前記ノイズ重畳値ではないと判定された回数を、計数するように構成された計数部(11,S337)と、
    前記計数部により計数された回数が所定の閾値に達すると、前記第1の判定部及び前記第2の判定部が動作することを禁止するように構成された禁止部(11,S235,S325)と、を更に備える、
    燃料噴射制御装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記第2の判定部は、
    前記要求噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された少なくとも1つの前記電圧値から定められる基準値と、前記検出値との差が、所定値以上であるか否かを判定し、前記差が前記所定値以上であれば、前記検出値が前記ノイズ重畳値であると判定するように構成されている、
    燃料噴射制御装置。
  7. 請求項6に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記基準値は、
    前記要求噴射開始タイミングの前に前記検出部により検出された複数の前記電圧値を平均化した値である、
    燃料噴射制御装置。
  8. 請求項1に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記回避部(11,S270,S280)は、
    前記回避処理として、前記要求噴射開始タイミングと前記駆動予定タイミングとの、一方をずらす処理を行うように構成されている、
    燃料噴射制御装置。
  9. 請求項8に記載の燃料噴射制御装置であって、
    前記回避部は、
    前記要求噴射開始タイミングと前記駆動予定タイミングとのうち、優先度の低い方を特定の規則に基づいて判定し、優先度が低いと判定した方をずらすように構成されている、
    燃料噴射制御装置。
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