JP2019027212A - 水道の維持管理支援装置及び水道の維持管理支援システム - Google Patents

水道の維持管理支援装置及び水道の維持管理支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】水道施設内の浄水処理施設に設置される各種機器の再起動又は水需要の急激な増加による運転条件の変化が生じた場合であっても、処理水質を維持可能とする水道の維持管理支援装置及び水道の維持管理支援システムを提供する。【解決手段】水道の維持管理支援装置7は、処理流量の変動が生じ得る浄水処理施設4の運転条件を含む運転計画を格納する運転計画データベース、浄水処理施設4における水質計測結果を格納するプロセス・水質データベース、水質計測結果に基づき沈殿池13内に蓄積する汚泥量を求める浄水処理施設状態評価部、原水の濁度、運転計画に含まれる原水の取水量、沈殿池内に蓄積する汚泥量、及び凝集剤を含む薬品の注入量に基づき、沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め沈殿処理水濁度を算出する浄水水質予測部、及び、沈殿処理水濁度に基づき薬品の注入量又は運転計画を修正し浄水処理施設へ出力する運転条件設定部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、水道施設の維持管理を支援するシステムに係り、特に、凝集沈殿・急速ろ過プロセスの浄水場を対象とし、運転を停止した浄水場を再起動する際に処理水質を維持するために、処理流量の制御、凝集用薬品の注入の制御、または設備機器の整備についての情報提供をするシステムに関する。
水道事業は、河川水や地下水などを原水とし、浄水処理や消毒処理を行った後に、最終的には配管を経由して上水を需要家に供給している。水道事業における維持管理者の業務には、水処理施設の運転、施設・設備機器の保守、給配水の調整などが含まれる。
水処理施設の多くは河川水などの表流水を水源としており、原水水質は季節や天候により変化する。そのため、水処理施設の維持管理者は原水水質に応じた運転調整が必要である。平常時は監視制御システムにより予め決められたロジックで自動運転が実施できるが、豪雨、停電、地震、設備故障等の非定常的な事象に対しては維持管理者のノウハウに基づいた運転管理がなされることもある。国内で主流な浄水プロセスである凝集沈殿・急速ろ過プロセスでは取水へ凝集剤などの薬品を注入・処理されており、連続処理で所定の性能が出るような設計がされている。この連続プロセスで処理流量を変化させると、浄水性能も変化するため、処理水質が悪化しないように薬注などの運転操作を調整することが望まれる。
しかし、上述の非定常的な事象が発生すると、取水停止や機器の停止をせざるを得ない場合が生じる。再稼動に際しては、池内でフロック成長の核となるマイクロフロックの減少、池内流速の変化による沈降汚泥の巻上げ、残留塩素の消費による水質変化といった水質に係る影響がある。さらに、予定外の停止に伴う機器の不具合発生の有無を確認しながらの起動にも留意が必要となる。浄水施設の停止に伴って断水が発生した場合は、需要家の直接的な水消費量、配水池や貯水槽などへの水供給量が、平常時とは異なってくることが予想される。例えば、配水池の水位が下がっていて、各配水池で所定水位まで水を供給させるような制御が適用されると、取水量を急激に増加させる必要が生じる。これらの運転上の留意事項に対し、従来は運転員のノウハウに基づいて起動や運転調整がなされることが多かった。
運転操作モデルを用いて処理水質を維持する技術として、例えば、特許文献1に記載される技術が知られている。特許文献1には、運転操作モデルで被処理水水質により水処理プロセスの設定操作量Dを求めると共に、シミュレータで水処理プロセスの実操作量D*により推定処理水質Cを求め、操作量決定部において予め定めた目標処理水質Cと推定処理水質C*の偏差Eによって設定操作量Dを補正して水処理プロセスの実操作量D*を求める構成が開示されている。
特開2001−38343号公報
水道施設内の浄水処理施設に設置される各種機器の再起動又は水需要の急激な増加による運転条件の変化によって、例えば、沈殿池内の汚泥の巻き上げ及び/又は沈降分離に要する時間の確保が困難となる場合が生じ得る。
しかしながら、上述のような事象が生じた場合への対応については、特許文献1に記載される技術では何ら考慮されていない。
そこで、本発明は、水道施設内の浄水処理施設に設置される各種機器の再起動又は水需要の急激な増加による運転条件の変化が生じた場合であっても、処理水質を維持可能とする水道の維持管理支援装置及び水道の維持管理支援システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明に係る水道の維持管理支援装置は、凝集沈殿及び急速ろ過プロセスを有し処理流量の変動が生じ得る浄水処理施設の少なくとも運転条件を含む運転計画を格納する運転計画データベースと、前記浄水処理施設における少なくとも水質計測結果を格納するプロセス・水質データベースと、少なくとも前記水質計測結果に基づき沈殿池内に蓄積する汚泥量を求める浄水処理施設状態評価部と、被処理水である原水の濁度、前記運転計画に含まれる原水の取水量、前記沈殿池内に蓄積する汚泥量、及び凝集剤を含む薬品の注入量に基づき、前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め沈殿処理水濁度を算出する浄水水質予測部と、前記沈殿処理水濁度に基づき、薬品の注入量又は運転計画を修正し、前記浄水処理施設へ出力する運転条件設定部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る水道の維持管理支援システムは、少なくとも、取水施設と、浄水処理施設と、送配水施設と、給水施設を備える水道施設と、水道の維持管理支援装置と、前記水道の維持管理支援装置と前記水道施設とを葬儀に通信可能とする通信ネットワークを備え、前記水道の維持管理支援装置は、凝集沈殿及び急速ろ過プロセスを有し処理流量の変動が生じ得る前記浄水処理施設の少なくとも運転条件を含む運転計画を格納する運転計画データベースと、前記浄水処理施設における少なくとも水質計測結果を格納するプロセス・水質データベースと、少なくとも前記水質計測結果に基づき沈殿池内に蓄積する汚泥量を求める浄水処理施設状態評価部と、被処理水である原水の濁度、前記運転計画に含まれる原水の取水量、前記沈殿池内に蓄積する汚泥量、及び凝集剤を含む薬品の注入量に基づき、前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め沈殿処理水濁度を算出する浄水水質予測部と、前記沈殿処理水濁度に基づき、薬品の注入量又は運転計画を修正し、前記浄水処理施設へ出力する運転条件設定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、水道施設内の浄水処理施設に設置される各種機器の再起動又は水需要の急激な増加による運転条件の変化が生じた場合であっても、処理水質を維持可能とする水道の維持管理支援装置及び水道の維持管理支援システムを提供することが可能となる。
例えば、沈殿池内の汚泥の巻き上げ及び/又は沈降分離に要する時間の確保が困難となる場合が生じた場合であっても、処理水質を維持することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1の水道の維持管理支援システムの概略全体構成図である。 図1に示す水道の維持管理支援装置の機能ブロック図である。 図2に示す水道の維持管理支援装置を構成する浄水処理施設状態評価部の処理フロー図である。 図2に示す水道の維持管理支援装置を構成する浄水水質予測部の処理フロー図である。 図2に示す水道の維持管理支援装置を構成する運転条件設定部の処理フロー図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の水道の維持管理支援システムの概略全体構成図である。 図6に示す水道の維持管理支援装置の機能ブロック図である。 図7に示す水道の維持管理支援装置を構成するカメラ画像による運転条件FB部の処理フロー図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
<水道の維持管理支援システム>
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の水道の維持管理支援システムの概略全体構成図である。図1に示すように、水道の維持管理支援システム1は、水道施設2、水道の維持管理支援装置7、及びこれらを相互に通信可能とする制御LAN(通信ネットワーク)8から構成される。ここで、制御LAN(通信ネットワーク)8は、有線であるか無線であるかを問わない。水道施設2は、少なくとも、取水施設3、浄水処理施設4、送配水施設5、及び給水施設6を備える。送配水施設5は、ポンプ場や貯水槽など人が容易にアクセスできる施設であり、給水施設6は、地下に埋設されていてアクセスのために掘削を必要とする管路等を含む。
浄水処理施設4は、原水を受ける着水井10、凝集剤を添加し急速攪拌する混和池11、緩速攪拌してフロックを成長させるフロック形成池12、成長したフロックを重力沈降により沈降分離する沈殿池13、ろ過池14、浄水処理した水を蓄える浄水池15を有する。本実施例では、処理流量や水質を計測するため、流量計17及び濁度計16a〜濁度計16cを備える。流量計17及び濁度計16aは、着水井10に設置され、原水の水質と浄水処理する水量(流量)を測定する。濁度計16bは、沈殿池13の出口に設置され、沈殿処理の性能を判定する。また、濁度計16cは、ろ過池14の出口に設置され、ろ過後の水質を測定する。これらの計測情報は、制御LAN(通信ネットワーク)8を介して水道の維持管理支援装置7へ送信される。水道の維持管理支援装置7からの出力は、同様に制御LAN(通信ネットワーク)8を介して水道施設2の各設備機器へ送信され、取水量や薬注量が制御される。
<水道の維持管理支援装置>
図2は、図1に示す水道の維持管理支援装置7の機能ブロック図である。図2に示すように、水道の維持管理支援装置7は、通信I/F21、浄水処理施設状態評価部22、浄水水質予測部23、運転条件設定部24、プロセス・水質DB25、運転計画DB26、入力I/F27、及び、出力I/F28を備え、これらは内部バス112を介して相互に接続されている。また、入力I/F27は入力部29に接続され、入力部29は、例えば、キーボード及び/又はマウスなどの入力装置であり、ユーザーによる運転計画等を入力するために用いられる。また、出力I/F28は表示部30に接続され、表示部30は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイなどの表示装置であり、ガイダンスの表示或いはアラートの提示に用いられる。ここで、浄水処理施設状態評価部22、浄水水質予測部23、及び運転条件設定部24は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、各種プログラムを格納するROM、演算過程のデータを一時的に格納するRAM、外部記憶装置などの記憶装置にて実現されると共に、CPUなどのプロセッサがROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算結果をRAM又は外部記憶装置に格納する。
通信I/F21は制御LAN(通信ネットワーク)8に接続されており、水道施設2の各機器から運転条件や水質等の計測結果を取得することができる。また、逆に水道の維持管理支援装置7からの出力を制御LAN(通信ネットワーク)8経由で外部に発信できる。
浄水処理施設状態評価部22は、原水水質や取水量、処理水質、汚泥濃度、汚泥量などのプロセス・水質データ、及び、池の洗浄作業の実績値を用いて、沈殿池13に蓄積された汚泥量を算出する。また、ろ過池14への濁質負荷量を、沈殿処理水濁度、ろ過水量、ろ過水頭、ろ過池14の逆洗実績などの情報を用いて算出する。
浄水水質予測部23は、凝集、沈殿に加え、沈降した汚泥の舞い上がり(汚泥の巻き上げ)も考慮して凝集沈殿処理後の濁度を算出する。汚泥の舞い上がり(汚泥の巻き上げ)は、浄水処理施設状態評価部22で求めた沈殿池13に蓄積されている汚泥量、沈殿池13内の流速、流速の時間変化などが影響するため、関連する入力項目と計算式を設定する。
運転条件設定部24は、浄水処理施設状態評価部22及び浄水水質予測部23を用いて、初期に与える運転計画に対して、沈殿処理水の水質目標を維持するための凝集剤注入率、運転計画、または運転条件以外の対応(清掃や排水など)を評価し、制御値を浄水処理施設4へ通信I/F21及び制御LAN(通信ネットワーク)8を介して送信する。または、ガイダンスを表示部30の表示画面へ出力I/F28を介して出力する。
プロセス・水質DB25には、水道施設1における各設備機器の運転操作量、流量・水質計測結果、システムのアラート情報を格納する。データ格納の頻度は計測項目にも依存するが、所定の周期にて取得されることが望ましい。以下、本実施例では、所定の周期の一例として1時間とした場合を示す。
運転計画DB26には、予めユーザーにより入力部29を介して入力される運転計画が内部バス112を介して所定の記憶領域に格納されている。
[浄水処理施設状態評価部の動作]
図3は、図2に示す水道の維持管理支援装置7を構成する浄水処理施設状態評価部22の処理フロー図である。
図3に示すように、まず、ステップS11において、浄水処理施設状態評価部22は、内部バス112を介してプロセス・水質DB25へアクセスし、プロセス・水質DB25に格納されるフロック形成池12と沈殿池13の最新の洗浄実施日を取得する。この日を基準として、沈殿池13内の汚泥の蓄積量を評価する。
次に、ステップS12において、浄水処理施設状態評価部22は、内部バス112を介してプロセス・水質DB25へアクセスし、プロセス・水質DB25に格納される運転データを取得する。ここで、汚泥蓄積に係る運転データとして本実施例では取水流量と凝集剤注入率を対象としている。この2項目から凝集剤由来の汚泥発生量を算出できる。
ステップS13において、浄水処理施設状態評価部22は、内部バス112を介してプロセス・水質DB25へアクセスし、プロセス・水質DB25に格納される、水質データとして、原水濁度、沈殿処理水濁度、沈殿池13からの排出汚泥の濃度、及び、沈殿池13からの排出汚泥の量を取得する。ここで、原水濁度は濁度計16aによる計測値であり、沈殿処理水濁度は濁度計16bによる計測値である。また、排出汚泥濃度及び排出汚泥量については、排出汚泥とは沈殿池13から排出される汚泥であり、排出汚泥濃度の計測は、例えば図示しない濃度計にて計測される。この計測された排出汚泥濃度に取水流量を乗算することにより、沈殿池13から排出される排出汚泥量を求める。
そして、ステップS14では、浄水処理施設状態評価部22は、上述のステップS11にて取得した最新の洗浄実施日を初期状態(汚泥蓄積量=0)として、その後の浄水処理によって発生する汚泥量(発生汚泥量)を算出する。例えば、濁度由来の汚泥は濁度の計測値(度)をmg/Lに換算し、所定の周期にて取得した原水濁度と沈殿処理水濁度との差に取水流量を乗じた値を積算する。
ステップS15では、浄水処理施設状態評価部22は、沈殿池13からの排出汚泥量を算出する。汚泥の排出は不連続で行われるため、排出汚泥の濃度と取水流量の積を積算する。
そして、ステップS16において、浄水処理施設状態評価部22は、上述のステップS14にて求めた発生汚泥量から上述のステップS15にて求めた排出汚泥量を引いた値を、沈殿池13の蓄積汚泥量として算出する。計測誤差により、発生汚泥量の計算値が排出汚泥量の計算値より小さくなる場合は蓄積汚泥量をゼロとする。汚泥が実際に堆積する箇所は沈殿池13の構造のみならず、水流やフロック量の変化によっても異なるため、本実施例では正確な汚泥分布を設定しない。例えば、沈殿池13内において、上流側(例えば、汚泥ピットが設けられる側)で汚泥量が多く、下流側(越流トラフが設置される側)で汚泥量が少なくなる分布が考えられる。より単純な分布としては、傾斜板など汚泥が堆積する部分の面積に対して一定量が分布するとすることも可能である。また、これらの組み合わせとして、沈殿池13をいくつかのエリアに区切り、前段(上流側)のエリアや傾斜板のエリアは汚泥量分布が多く、後段(越流トラフが設置される下流側)や傾斜板がないエリアは少ないとし、それぞれのエリアに対して面積あたりの汚泥量を一定とする設定もできる。ここで、傾斜板とは、沈殿池13内を上流側から下流側へと流れる被処理水に対し、所定の傾斜角にて設置される平板状の部材であり、例えば、複数の傾斜板が沈殿池13の深さ方向に所定の間隔にて離間し配され、且つ、これらが、沈殿池13内において上流側から下流側へ被処理水の流れの方向に沿って、所定の間隔にて離間し複数組配されている。これにより、被処理水中の汚泥は傾斜板へ衝突し、重力沈降による沈降分離の効率が向上する。
[浄水水質予測部の動作]
図4は、図2に示す水道の維持管理支援装置7を構成する浄水水質予測部23の処理フロー図である。
図4に示すように、ステップS21では、浄水水質予測部23は、内部バス112を介して上述の浄水処理施設状態評価部22により算出された沈殿池13内の汚泥蓄積量を取得する。
ステップS22では、浄水水質予測部23は、内部バス112を介して運転計画DB26へアクセスし、ユーザーにより入力部29を介して設定入力され、運転計画DB26の所定の記憶領域に格納される浄水処理施設4の運転計画、すなわち、所定の期間の取水計画を運転計画DB26より読み出すことで取り込む。取水計画は、例えば、時間毎の取水量≒浄水処理量のことを示し、水需要に対応する取水量を過去の実績データ等に基づき設定される。水の需要量は朝と夕方に増加し、夜間と昼間は比較的少なくなるのが一般的である。取水計画の立案方法は既に様々な提案がなされており、特に限定されるものではないが、24時間後までの1時間毎の取水量を設定することとする。
次にステップS23にて、浄水水質予測部23は、沈殿池13内の流速及び流速の時間変化を算出する。平均的な流速及び流速の時間変化は、沈殿池13の土木構造(流路断面積)及び取水流量をから求める。上述の汚泥蓄積量の分布を設定した場合と同様のエリア分けをし、それぞれのエリアでの平均値として算出すれば、汚泥の巻き上げの評価の際に対応が容易となる。
ステップS24では、浄水水質予測部23は、巻き上げ汚泥濃度(沈殿汚泥由来濁度)を算出する。堆積した汚泥が巻き上げられるモデルは、例えば海や湖の汚泥の流動や巻上げフラックスの研究の中で提案されている。例えば、巻き上げフラックスを以下の式により算出する。
Figure 2019027212
Ri=−gΔh(ρb’−ρb)/τb ・・・(2)
ここで、Fz:巻上げフラックス(g/m/s)、K:定数、Ri:径深、C:液相中濃度、g:重力加速度、Δh:基準水平面からの水位、ρb’:汚泥の密度、ρb:液相の密度、τb:掃流力(河床せん断力)である。
本実施例では、より簡易なモデルとして例えば以下の式で算出する。
Fz=K×Ds×(ρs−ρw)×(a×V+b×ΔV+c) ・・・(3)
ここで、K:定数、Ds:汚泥厚さ、ρs:汚泥の密度、ρw:水の密度、V:平均流速、ΔV:平均流速の時間変化、a,b,c:定数である。
フラックスFzと平均流量から、沈殿池13内の各エリアの蓄積汚泥由来の濁質の濃度(沈殿汚泥由来濁度)を算出することができる。
次にステップS25では、浄水水質予測部23は原水由来の濁度の予測を行う。取水量の計画は、上述のように24時間後まで設定されているため、本実施例では降雨情報(予報)を用いて原水濁度(原水由来濁度)を算出する。
ui=p×(Q,−Q ・・・(4)
ここで、Tui:i時間後の予想濁度、Q,:k時間後の所定の地区での降雨量(予報値)、Q,n,p:定数である。
ステップS26では、浄水水質予測部23は、ステップS25にて求めた予想濁度(原水由来濁度)における凝集剤注入率を、予め設定した注入率式または設定値から算出する。本実施例では、凝集剤注入率式として、濁度のべき乗に比例する形式を用いる。
最後にステップS27において、浄水水質予測部23は、各エリアで発生する、上述のステップS24にて算出された沈殿汚泥由来の濁度、上述のステップS25にて算出された原水由来の濁度、及び上述のステップS26にて算出された凝集剤注入率を入力として、沈殿処理水濁度を算出する。濁度の算出方法としては、濁質粒子が凝集剤に衝突して成長し、重力沈降により沈降分離されるモデルが提案されている。このモデルでは入力情報として粒形分布が必要となるが、逐次粒形分布を測定せず、予想される粒形分布をユーザーが入力部29を介して設定し、濁度の変化を算出することが一つの方法である。また、簡易なモデルとしては、例えば、各エリアに流入する原水由来の濁度と、沈殿汚泥由来の濁度の割合を指標とするモデルを用いる。定性的には、原水由来の濁質は新たに注入された凝集剤を含むため、蓄積汚泥から巻き上がった低密度・小粒径の濁質に比べると凝集の能力が高いと推測される。これを次の式から算出する。
u0,1=K×r×Tu0,0×Va ・・・(5)
u1,1=K×r×Tu1,0×Va ・・・(6)
r=Tu0,0/Tu1,0/PAC ・・・(7)
u2=Tu0,1+Tu1,1 ・・・(8)
ここで、Tu0,0:原水由来初期濁度、Tu0,1:原水由来処理後濁度、Tu1,0:沈殿汚泥由来初期濁度、Tu1,1:沈殿汚泥由来処理後濁度、Va:平均流速、K,K:沈降分離に係る係数、m:定数、PAC:凝集剤注入率、Tu2:沈殿処理水濁度である。
[運転条件設定部の動作]
図5は、図2に示す水道の維持管理支援装置7を構成する運転条件設定部24の処理フロー図である。
運転条件設定部24は、運転条件として、凝集剤の注入率、運転計画(取水流量)を調整する。これら凝集剤の注入率及び運転計画(取水流量)の操作量では所定の沈殿処理水濁度が得られない場合は、運転条件以外の対応として、浄水処理以外の対処法をユーザーへ表示部30により提示する。
図5に示すように、まず、ステップS31では、運転条件設定部24は、内部バス112を介して、初期条件として上述の浄水水質予測部23により算出された沈殿処理水濁度を取り込む。
ステップS32では、運転条件設定部24は、沈殿処理水濁度と所定の閾値(例えば、1度)とを比較し、比較の結果、沈殿処理水濁度が所定の閾値未満である場合にはステップS33へ進む。一方、比較の結果、沈殿処理水濁度が所定の閾値以上の場合であるものの、凝集剤の設定可能な範囲内であれはステップS31へ戻り、凝集剤注入率の増減を調整し、その凝集剤注入率を浄水水質予測部23へ内部バス112を介して転送する。そして浄水水質予測部23は、転送された凝集剤注入率に基づき沈殿処理水濁度(処理水の水質)を求め、運転条件設定部24は、内部バス112を介して、浄水水質予測部23により予測された沈殿処理水濁度(処理水の水質)を取得し、再びステップS32の処理を実行する。
ステップS32において、比較の結果、沈殿処理水濁度が所定の閾値以上の場合であって、凝集剤の設定可能な範囲で対応ができない(沈殿処理水濁度が所定の閾値未満とすることができない)と判断された場合にはステップS34へ進む。
ステップS33では、運転条件設定部24は、修正した凝集剤注入率、すなわち、ステップS32における沈殿処理水濁度の条件である、沈殿処理水濁度が所定の閾値未満となる凝集剤注入率を、通信I/F21及び制御LAN(通信ネットワーク)8を介して水道施設2を構成する浄水処理施設4へ送信する。
ステップS34では、運転条件設定部24は、運転計画の変更、すなわち、取水流量を減少させる、または、沈殿汚泥の舞い上がり(巻き上げ)に影響する流量変化率を減少させる方向に設定値を修正する。そして、再び浄水水質予測部23により沈殿処理水濁度を予測し、浄水水質予測部23により予測された沈殿処理水濁度(処理水の水質)を所定の閾値と比較する(ステップS35)。比較の結果、沈殿処理水濁度が所定の閾値未満の場合にはステップS36へ進み、ステップS36にて修正した運転計画を、通信I/F21及び制御LAN(通信ネットワーク)8を介して水道施設2を構成する浄水処理施設4へ送信する。一方、沈殿処理水濁度が所定の閾値以上の場合であるものの、運転計画の変更での対応が可能であればステップS34へ戻り、ステップS34での運転計画の変更を更に行う。
ステップS35において、比較の結果、沈殿処理水濁度が所定の閾値以上の場合であって運転計画の変更が可能な範囲で対応ができない場合にはステップS37へ進む。
ステップ37では、運転条件設定部24は、凝集剤の注入率や取水流量などの運転条件による対処ではなく、沈殿処理水濁度上昇の原因となっていると思われる沈殿池13の清掃(汚泥の排出)、或いは、浄水処理は継続するが濁度の基準を満足しない水は排水(放流)し、安定な運転ができるようになった後に需要家へ配水する等の対策案を、出力I/F28を介して表示部30の表示画面上に表示することによりユーザーに提示する(ガイダンス表示)。
なお、本実施例では図5に示す運転条件設定部24の処理フローにおいて、凝集剤注入率の調整(ステップS31)と運転計画の変更(ステップS34)を順次実行するフローとしたがこれに限られるものではない。例えば、所定の間隔で条件を変化させる総当り法によって決定しても良い。
また、本実施例では、凝集剤を混和池11で注入する、所謂、前凝集剤方式を一例とし、凝集処理の段階で所定の濁度を除去する構成としたがこれに限られるものではない。たとえは、ろ過池14にも濁度負荷の分担をさせる構成としても良い。この場合において、所定の閾値は、急速ろ過や、沈殿池13とろ過池14の間に凝集剤注入設備を設ける後凝集剤方式も考慮した、高い値に設定することができる。
更には、本実施例の浄水処理施設状態評価部22及び浄水水質予測部23では、沈殿池13内をエリアに分割してそれぞれの評価を行う構成としたが、更に分割すると共に、流体シミュレーションを用いて沈殿池13内の詳細な流れ解析と粒子(濁質)の挙動を求め、その結果を用いて、蓄積汚泥や処理水の水質を評価する構成としても良い。
また、本実施例では、1台の水道の維持管理支援装置7にて1つの水道施設2を管理する場合を一例として説明したがこれに限られるものではない。例えば、水道施設2が複数系列設置されている場合においては、例えば、上述の図3におけるステップS16では、各系列の沈殿池13の蓄積汚泥量の算出を実行する構成としても良い。
本実施例によれば、水道施設内の浄水処理施設に設置される各種機器の再起動又は水需要の急激な増加による運転条件の変化が生じた場合であっても、処理水質を維持可能とする水道の維持管理支援装置及び水道の維持管理支援システムを提供することが可能となる。
例えば、沈殿池内の汚泥の巻き上げ及び/又は沈降分離に要する時間の確保が困難となる場合が生じた場合であっても、処理水質を維持することが可能となる。
また、本実施例によれば、凝集沈殿・急速ろ過プロセスにおいて、運転が停止した後に再起動する際、汚泥の巻き上がりや巻き上がった汚泥の再凝集を考慮した処理水濁度予測を行い、凝集剤や取水流量を制御する構成であることから、凝集沈殿処理の処理不良を抑制することが可能となる。
図6は、本発明の他の実施例に係る実施例2の水道の維持管理支援システム1aの概略全体構成図である。本実施例では、上述の実施例1の構成に加え、混和池11に撮像装置としてのカメラ18a、フロック形成池12に撮像装置としてのカメラ18b、及び沈殿池13に撮像装置としてのカメラ18c〜18eを設置する構成とした点が実施例1と異なる。以下では、実施例1と同様の構成要素に同一の符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
図6に示すように、浄水処理施設4aを構成する混和池11に設置される撮像装置としてのカメラ18aは、混和池11での凝集剤注入部の映像をモニターする。フロック形成池12に設置される撮像装置としてのカメラ18bは、フロック形成池12内で緩速攪拌を行っているフロッキュレータの映像をモニターする。また、沈殿池13に設置される撮像装置としてのカメラ18c〜18eは、それぞれ沈殿池13内の入口付近(沈殿池13内の上流側)、中間部、及び出口付近(沈殿池13内の下流側)におけるフロックの映像をモニターする。これらのカメラには、図示しない照明設備が合わせて設置されており、昼夜や天候にかかわらず撮像可能に構成されている。
図7は、図6に示す水道の維持管理支援装置7aの機能ブロック図である。図7に示すように、本実施例の水道の維持管理支援装置7aは、上述の実施例1の水道の維持管理支援装置7の構成に加えて、撮像装置としてのカメラ18a〜18eにより撮像された画像データを所定の時間間隔(所定の周期)で格納する画像DB42、及びカメラ画像による運転条件FB部41を備える。カメラ画像による運転条件FB部41は、撮像装置としてのカメラ18a〜18eにより撮像された画像データに基づき、水質計である濁度計16a及び濁度計16b、或いは、浄水処理施設4aに設置される機器の異常を検知することが可能であり、凝集剤注入率或いは取水量のFB制御(フィードバック制御)のみならず、浄水処理施設4aに設置される機器の保守・メンテナンス実行の判断を行う上での情報をユーザーに提供し得る。
図8は、図7に示す水道の維持管理支援装置7aを構成するカメラ画像による運転条件FB部41の処理フロー図である。
図8に示すように、ステップS41では、カメラ画像による運転条件FB部41は、内部バス112を介して、運転条件設定部24を起動し、沈殿処理水の濁度の予測に基づくFF制御(フイードフォワード制御)の値を取得する。なお、運転条件設定部24は、上述の実施例1における図5に示したステップS31〜ステップS36を実行することで、FF制御(フイードフォワード制御)の値を生成する。
一方、ステップS42では、カメラ画像による運転条件FB部41は、内部バス112を介して画像DB42へアクセスする。そして、画像DB42に格納される、沈殿池13に設置される撮像装置としてのカメラ18c〜18eにより撮像された最新の画像データを読み出し取得する。
次に、ステップS43では、カメラ画像による運転条件FB部41は、取得した上記画像データに基づきフロック濃度の評価(検出)を実行する。このとき、フロック濃度に対して処理水質(沈殿処理水濁度)がどのような状態であったのかの相関を過去の平常時や異常時を含め予め求め、求めた相関関係は運転計画DB26aの所定の記憶領域に格納されている。この相関関係は、フロック濃度、フロックサイズ、及び沈殿処理水濁度との一次関数でも良いが、AI(Artificial Intelligence)などを用いた画像特徴量と沈殿処理水濁度との関係を用いても良い。
ステップS44では、カメラ画像による運転条件FB部41は、運転計画DB26aの所定の記憶領域に格納される相関関係とステップS42にて取得した最新の画像データとを比較し、FB制御としての運転条件補正値(例えば、凝集剤注入率または取水量の補正値)を求める。
ステップS45では、カメラ画像による運転条件FB部41は、ステップS41にて取得されたFF制御(フイードフォワード制御)の値、及びステップS44にて求めたFB制御としての運転条件補正値とを運転条件として、通信I/F21及び制御LAN(通信ネットワーク)8を介して水道施設2を構成する浄水処理施設4へ送信する。
本実施例では、画像データの活用方法としてフロック濃度を算出する例を示したが、混和池11に設置される撮像装置としてのカメラ18a及びフロック形成池12に設置されるカメラ18bに浄水処理施設4aに設置される機器の不具合検出をさせ、検知したら作業員を対応に当たらせるような構成としても良い。例えば、混和池11に設置される撮像装置としてのカメラ18aは凝集剤の注入口における凝集剤の流れる様子を撮像し、これを画像処理により凝集剤注入量に換算する。換算された凝集剤注入量を、図示しない監視制御装置(例えば、SCADA:Supervisory Control And Data Acquisition)により注入率設定値と比較し、所定の誤差範囲にあるかどうかを判定する。また、フロック形成池12に設置されるカメラ18bの場合、フロッキュレータの回転状態をモニタリングし、平常時の画像データと比較する。画像解析により、攪拌翼の回転速度、翼の変形・破損の有無、翼への異物の付着を検出できる。これらの画像データによる判定結果が、所定の範囲を超えて異常を示す場合は、アラートをユーザーへ出力I/F28を介して表示部30の表示画面に提示する。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、撮像装置としてのカメラにより撮像された画像データを用いた観察結果に基づき、運転条件のFB制御や設備機器の不具合の検知を行うことから、運転制御がロバストになる。さらに、従来の人による観察と運転制御システムの調整に比べ、対応に必要な従事者数を削減する効果も期待できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1,1a…水道の維持管理支援システム
2,2a…水道施設
3…取水施設
4,4a…浄水処理施設
5…送配水施設
6…給水施設
7,7a…水道の維持管理支援装置
8…制御LAN(通信ネットワーク)
10…着水井
11…混和池
12…フロック形成池
13…沈殿池
14…ろ過池
15…浄水池
16a,16b,16c…濁度計
17…流量計
18a,18b,18c,18d,18e…カメラ
21…通信I/F
22…浄水処理施設状態評価部
23…浄水水質予測部
24…運転条件設定部
25…プロセス・水質DB
26,26a…運転計画DB
27…入力I/F
28…出力I/F
29…入力部
30…表示部
41…カメラ画像による運転条件FB部
42…画像DB
112…内部バス

Claims (12)

  1. 凝集沈殿及び急速ろ過プロセスを有し処理流量の変動が生じ得る浄水処理施設の少なくとも運転条件を含む運転計画を格納する運転計画データベースと、
    前記浄水処理施設における少なくとも水質計測結果を格納するプロセス・水質データベースと、
    少なくとも前記水質計測結果に基づき沈殿池内に蓄積する汚泥量を求める浄水処理施設状態評価部と、
    被処理水である原水の濁度、前記運転計画に含まれる原水の取水量、前記沈殿池内に蓄積する汚泥量、及び凝集剤を含む薬品の注入量に基づき、前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め沈殿処理水濁度を算出する浄水水質予測部と、
    前記沈殿処理水濁度に基づき、薬品の注入量又は運転計画を修正し、前記浄水処理施設へ出力する運転条件設定部と、を備えることを特徴とする水道の維持管理支援装置。
  2. 請求項1に記載の水道の維持管理支援装置において、
    前記運転条件設定部は、前記沈殿処理水濁度が所定の閾値未満となるよう、前記薬品の注入量又は運転計画を修正することを特徴とする水道の維持管理支援装置。
  3. 請求項2に記載の水道の維持管理支援装置において、
    前記浄水水質予測部は、前記運転計画に含まれる原水の取水量及び前記被処理水である原水の濁度に基づき前記凝集剤を含む薬品の注入量を求めると共に、前記沈殿池内に蓄積する汚泥量に基づき前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め、求めた前記凝集剤を含む薬品の注入量及び前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度並びに前記被処理水である原水の濁度に基づき前記沈殿処理水濁度を算出することを特徴とする水道の維持管理支援装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の水道の維持管理支援装置において、
    表示部を備え、
    前記運転条件設定部は、前記沈殿処理水濁度が所定の閾値以上の場合、沈殿池の清掃及び急速ろ過水の排水を含む運転管理業務に関する情報を前記表示部へ出力することを特徴とする水道の維持管理支援装置。
  5. 請求項4に記載の水道の維持管理支援装置において、
    前記浄水処理施設に設置される複数の撮像装置を備え、
    前記複数の撮像装置のうち、沈殿池の上流側、中間部、及び下流側のそれぞれの位置に設置される複数の撮像装置により撮像された画像データに基づき沈殿池内のフロックの濃度を検出し、前記運転計画データベースに予め格納されるフロックの濃度と沈殿処理水濁度との相関関係に基づき、前記薬品の注入量又は前記原水の取水量の補正値を運転条件補正値として求めるカメラ画像による運転条件フィードバック部を有し、
    前記運転条件補正値及び前記運転条件設定部による修正後の薬品の注入量又は運転計画を前記浄水処理施設へ出力することを特徴とする水道の維持管理支援装置。
  6. 請求項5に記載の水道の維持管理支援装置において、
    前記カメラ画像による運転条件フィードバック部は、
    前記複数の撮像装置のうち、混和池及びフロック形成池に設置される撮像装置により撮像された画像データに基づき、前記混和池における凝集剤注入状況又は前記フロック形成池における緩速攪拌装置の異常が検出された場合、アラートを前記表示部へ出力することを特徴とする水道の維持管理支援装置。
  7. 少なくとも、取水施設と、浄水処理施設と、送配水施設と、給水施設を備える水道施設と、
    水道の維持管理支援装置と、
    前記水道の維持管理支援装置と前記水道施設とを葬儀に通信可能とする通信ネットワークを備え、
    前記水道の維持管理支援装置は、
    凝集沈殿及び急速ろ過プロセスを有し処理流量の変動が生じ得る前記浄水処理施設の少なくとも運転条件を含む運転計画を格納する運転計画データベースと、
    前記浄水処理施設における少なくとも水質計測結果を格納するプロセス・水質データベースと、
    少なくとも前記水質計測結果に基づき沈殿池内に蓄積する汚泥量を求める浄水処理施設状態評価部と、
    被処理水である原水の濁度、前記運転計画に含まれる原水の取水量、前記沈殿池内に蓄積する汚泥量、及び凝集剤を含む薬品の注入量に基づき、前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め沈殿処理水濁度を算出する浄水水質予測部と、
    前記沈殿処理水濁度に基づき、薬品の注入量又は運転計画を修正し、前記浄水処理施設へ出力する運転条件設定部と、を備えることを特徴とする水道の維持管理支援システム。
  8. 請求項7に記載の水道の維持管理支援システムにおいて、
    前記運転条件設定部は、前記沈殿処理水濁度が所定の閾値未満となるよう、前記薬品の注入量又は運転計画を修正することを特徴とする水道の維持管理支援システム。
  9. 請求項8に記載の水道の維持管理支援システムにおいて、
    前記浄水水質予測部は、前記運転計画に含まれる原水の取水量及び前記被処理水である原水の濁度に基づき前記凝集剤を含む薬品の注入量を求めると共に、前記沈殿池内に蓄積する汚泥量に基づき前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度を求め、求めた前記凝集剤を含む薬品の注入量及び前記沈殿池内の沈殿汚泥の巻き上げ濃度並びに前記被処理水である原水の濁度に基づき前記沈殿処理水濁度を算出することを特徴とする水道の維持管理支援システム。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の水道の維持管理支援システムにおいて、
    前記水道の維持管理支援装置は、表示部を備え、
    前記運転条件設定部は、前記沈殿処理水濁度が所定の閾値以上の場合、沈殿池の清掃及び急速ろ過水の排水を含む運転管理業務に関する情報を前記表示部へ出力することを特徴とする水道の維持管理支援システム。
  11. 請求項10に記載の水道の維持管理支援システムにおいて、
    前記浄水処理施設に設置される複数の撮像装置を備え、
    前記複数の撮像装置のうち、沈殿池の上流側、中間部、及び下流側のそれぞれの位置に設置される複数の撮像装置により撮像された画像データに基づき沈殿池内のフロックの濃度を検出し、前記運転計画データベースに予め格納されるフロックの濃度と沈殿処理水濁度との相関関係に基づき、前記薬品の注入量又は前記原水の取水量の補正値を運転条件補正値として求めるカメラ画像による運転条件フィードバック部を有し、
    前記運転条件補正値及び前記運転条件設定部による修正後の薬品の注入量又は運転計画を前記浄水処理施設へ出力することを特徴とする水道の維持管理支援システム。
  12. 請求項11に記載の水道の維持管理支援システムにおいて、
    前記カメラ画像による運転条件フィードバック部は、
    前記複数の撮像装置のうち、混和池及びフロック形成池に設置される撮像装置により撮像された画像データに基づき、前記混和池における凝集剤注入状況又は前記フロック形成池における緩速攪拌装置の異常が検出された場合、アラートを前記表示部へ出力することを特徴とする水道の維持管理支援システム。
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