JP2019026656A - ホットメルト接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
項1.
成分(A)エチレン−α−オレフィン共重合体、成分(B)官能化エチレン−α−オレフィン共重合体、及び成分(C)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含むホットメルト接着剤であって、
前記成分(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に、成分(B)を5〜19質量%、成分(C)を5〜12質量%含み、
130℃での溶融粘度が2,000mPa・s以下であることを特徴とする、ホットメルト接着剤。
項2.
前記成分(B)は、無水マレイン酸官能化エチレン−α−オレフィン共重合体を含む、
項1に記載のホットメルト接着剤。
項3.
前記成分(C)は、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体及び/又はエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を含み、
前記成分(C)100質量%中の、アクリル酸ブチルに由来するユニット及び/又はメタクリル酸メチルに由来するユニットの含有量は25質量%以上であり、
前記成分(C)のメルトインデックスは170g/10分以下である、項1又は2に記載のホットメルト接着剤。
項4.
前記成分(A)は、メルトインデックスが1,000/10分以上のエチレン−α−オレフィン共重合体を含む、項1〜3の何れかに記載のホットメルト接着剤。
項5.
さらにフィッシャートロプシュワックスを含む、項1〜4の何れかに記載のホットメルト接着剤。
項6.
さらに粘着付与樹脂を含む、項1〜5の何れかに記載のホットメルト接着剤。
項7.
紙製包装資材用である、項1〜6の何れかに記載のホットメルト接着剤。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては公知のα−オレフィンを広く使用することができ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンなどが挙げられる。α−オレフィンの炭素数は3〜20が好ましく、6〜8がより好ましい。
商品名「アフィニティ GA1900」(MI=1,000g/10分)
商品名「アフィニティ GA1875」(MI=1,250g/10分)
官能化エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−α−オレフィン共重合体に官能基がグラフト重合したものを使用することができる。
商品名「アフィニティ GA1000R」(MI=660g/10分)
本明細書においてエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びエチレンメタクリル酸エステル共重合体の双方を含む概念を意味する。エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えばエチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸2エチルヘキシル、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などを、挙げることができる。また、上記した中でも、エチレン−メタクリル酸メチル共重合及びエチレン−アクリル酸ブチル共重合体が好ましい。
アルケマ社製 商品名「ロトリル 35BA40」(アクリル酸ブチル含有量35重量%、MI=40g/10分)
住友化学社製 商品名「アクリフトCM5023」(メタクリル酸メチル含有量28重量%、MI=150g/10分)
本発明のホットメルト接着剤は、オープンタイム、セットタイム調整の目的で、ワックスを含んでもよい。かかるワックスとしては、ホットメルト接着剤に通常使用される公知のワックスを、広く使用することが可能である。具体的には、フィッシャートロプシュワックス及びポリエチレンワックスなどの合成ワックス、並びに、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスが挙げられる。ワックスは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。但し、上記した中でも、フィッシャートロプシュワックスが好ましい。フィッシャートロプシュワックスは、エチレン−α−オレフィン共重合体との相溶性が良く、耐寒接着性を低下させる事なく、低粘度化する事ができる。
<測定条件>
示差走査熱量計:島津製作所製 「DSC−60」
セル:アルミニウム
雰囲気ガス:空気
測定温度:30〜150℃
加熱速度:5℃/分
Shell MDS (M) Sdn Bhd社製 商品名「GTL SARAWAX SX−80」(融点=83℃)
サゾール社製 商品名「C−80」(融点=81℃)
本発明のホットメルト接着剤は、必要に応じて、適宜、粘着付与樹脂を含んでもよい。粘着付与樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂、及びこれらの水素添加物が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は、1種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
・脂肪族系成分と芳香族成分との共重合石油樹脂の部分水添石油炭化水素樹脂
出光興産製 商品名「アイマーブS−100」(軟化点=100℃)
「アイマーブS−110」(軟化点=110℃)
・脂肪族系成分と芳香族成分との共重合石油樹脂の完全水添石油炭化水素樹脂
出光興産製 商品名「アイマーブP−100」(軟化点=100℃)
「アイマーブP−125」(軟化点=125℃)
東燃ゼネラル石油製 商品名「T−REZ HB103」(軟化点=100℃)
「T−REZ HB125」(軟化点=125℃)
・脂肪族系石油炭化水素樹脂の完全水添石油炭化水素樹脂
イーストマンケミカル社製 商品名「イーストタックH−130W」(軟化点=130℃)
・芳香族石油炭化水素樹脂の部分水添石油炭化水素樹脂
荒川化学製 「アルコンM−100」(軟化点=100℃)
・芳香族石油炭化水素樹脂の完全水添石油炭化水素樹脂
荒川化学製 「アルコンP−100」(軟化点=100℃)
「アルコンP−125」(軟化点=125℃)
本発明のホットメルト接着剤はまた、必要に応じて、酸化防止剤を含んでもよい。酸化防止剤を用いる事により、加熱溶融させたホットメルトの保存安定性を向上させる事ができる。
また、本発明のホットメルト接着剤は、本発明の課題達成を阻害しない範疇で必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、粘度調整剤、揺変性付与剤、軟化剤(可塑剤)、プロセスオイル、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤が含まれてもよい。
本発明のホットメルト接着剤の製造方法としては、例えば、上記した成分(A)エチレン−α−オレフィン共重合体、成分(B)官能化エチレン−α−オレフィン共重合体、及び成分(C)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を、所定の配合で混合し、120〜180℃で加熱溶融して均一に攪拌混練する方法を、挙げることができる。
ホットメルト接着剤の塗工方法としては、従来公知の方法が好ましく用いられる。例えば、ホットメルト接着剤を溶融タンク内で100〜190℃で加熱溶融させた後、溶融タンクからホースを介してノズルへ送り、ノズルから連続的又は間欠的に吐出させて被接着物の接着面に塗工する方法などが用いられる。本発明のホットメルト接着剤は、上述した通り、糸曳きが高く低減されており、塗工温度が低温であっても塗工する事ができる。従って、溶融タンク内のホットメルト接着剤の加熱溶融温度は、100〜130℃が好ましい。また、ホースやノズルの温度も110〜140℃が好ましい。
本発明のホットメルト接着剤は、包装、製本、木工、繊維加工、金属工業、電気、電子工業など広い範囲の用途に使用する事ができ、種々の被着体を接着する事ができる。段ボール箱、紙製箱、段ボール製容器、紙製容器などの紙製包装資材を形成するために好適に用いる事ができる。被着体を構成する材料としては、例えば、鉄、アルミニウムなどの金属及びその合金;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリメタクリレート、及びポリカーボネートなどの合成樹脂;セルロース系材料;皮革などが挙げられる。セルロース系材料からなる被着体としては、例えば、紙、ボード、ダンボール、及びセロハンなどが挙げられる。
・エチレン−1−オクテン共重合体A1:ダウケミカル社製 商品名「アフィニティ G
A1875」(MI=1,250g/10分)
・エチレン−1−オクテン共重合体A2:ダウケミカル社製 商品名「アフィニティ G
A1900」(MI=1,000g/10分)
・エチレン−1−オクテン共重合体A3:ダウケミカル社製 商品名「アフィニティ G
A1950」(MI=500g/10分)
・無水マレイン酸官能化エチレン−1−オクテン共重合体B:ダウケミカル社製 商品名
「アフィニティ GA1000R」(MI=660g/10分)
・エチレン−アクリル酸ブチル共重合体C1:アルケマ社製 商品名「ロトリル 35B
A40」(アクリル酸ブチル含有量35重量%、MI=40g/10分)
・エチレン−メタクリル酸メチル共重合体C2:住友化学社製 商品名「アクリフトCM
5023」(メタクリル酸メチル含有量28重量%、MI=150g/10分)
・エチレン−メタクリル酸メチル共重合体C3:住友化学社製 商品名「アクリフトCM
5021」(メリクリル酸メチル含有量28重量%、MI=450g/10分)
・Shell MDS (M) Sdn Bhd社製 商品名「GTL SARAWAX SX
−80」(融点=83℃)
・脂肪族系成分と芳香族成分との共重合石油樹脂の完全水添石油炭化水素樹脂E1:出光
興産製 商品名 「アイマーブP−125」(軟化点=125℃)
・脂肪族系成分と芳香族成分との共重合石油樹脂の完全水添石油炭化水素樹脂E2:東燃
ゼネラル石油製 商品名「T−REZ HB103」(軟化点=100℃)
・ヒンダートフェノール型:EVERSPRING CHEMICAL社製 商品名「E
VERNOX−10」
上記した各成分を、後述する表1、2に示した組成で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した後、150℃で1時間にわたって加熱しながら混練することにより、ホットメルト接着剤組成物を得た。実施例及び比較例のホットメルト接着剤について、溶融粘度、低温環境における接着性、高温環境における耐クリープ性、糸曳き性及び加熱安定性(ホットメルトを長期高温加熱した場合の熱劣化)を以下の手順に従い、評価した。
日本接着剤工業会規格 JAI−7に準拠して、ブルックフィールドRVF型粘度計及びサーモセルを用いて、No.21スピンドル、回転数20rpmにて、130℃におけるホットメルト接着剤の溶融粘度(mPa・s)をそれぞれ測定した。
日本接着剤工業会規格 JAI−7に準拠して、50mm×100mmに裁断したダンボール(Kライナー)2枚を被着体として用意した。塗工装置(メック社製 製品名「ASM−15N」)を用いて、溶融タンク130℃、ノズル温度130℃、塗布量3g/mで一方の被着体の片面にホットメルト接着剤を塗布し、オープンタイムとして2秒経過後、もう一方の被着体を積層し、7.8kPaの荷重で2秒間プレスして積層体を得た。その後、その積層体を温度20℃、相対湿度50%に雰囲気下で1時間養生したもの試験片とした。試験片を−10℃の恒温槽内に24時間放置後、同恒温槽内にて、試験片中の一方の被着体を手で剥がし、被着体の材破率(%)を算出した。なお、被着体の材破率とは、2枚の被着体同士が接着している面全体の面積に対する、被着体が破壊した部分の面積の比率(百分率)とした。
評価基準
◎…材料破壊率80%以上
○…材料破壊率60%以上80%未満
△…材料破壊率40%以上60%未満
×…材料破壊率40%未満
耐寒性と同様の要領に従って試験片を作製した。試験片の一方の端部において、2枚の被着体をそれぞれ反対側の方向に折り曲げ、T字状の試験片を得た。T字状の試験片を55℃の恒温槽中に入れ、一方の折り曲げた被着体の端部を恒温槽天井に固定し、もう一方の折り曲げた被着体の端部に600gfの錘を吊り下げ後、錘を吊り下げてから落下するまでの時間を計測した。
評価基準
◎…保持時間12時間以上
○…保持時間8時間以上12時間未満
△…保持時間5時間以上8時間未満
×…保持時間5時間未満
ホットメルトノズルの先端から距離20cmの所に被着体を垂直に配置し、その間の落下物を捕獲するための板状の受け皿を設置する。20℃の無風雰囲気下、下記条件で交流電源シーケンサーを用いて、ホットメルト接着剤を600ショット/10分の条件で間欠吐出し、受け皿上に溜まった落下物の形状を目視にて観察し、糸曳き性を評価した。
なお、5℃無風雰囲気下でも20℃の無風雰囲気下と同様の要領で評価した。
測定条件
ホットメルトアプリケーター:ノードソン社製 製品名「Problue4」
温度設定:溶融タンク130℃、ホース温度130℃、ノズル温度130℃
吐出圧 :3.0bar
ノズル形状:3オリフィス(3穴)、口径18/1000インチ
評価基準
◎…落下物の形状は粒状
○…落下物の形状はほとんど粒状で、糸状がわずかに混在
△…落下物の形状は粒状と糸状が混在
×…落下物の形状は糸状
得られた各ホットメルト接着剤をそれぞれ内容積140ccのガラス瓶に50g計量して入れ、ガラス瓶の開口部をアルミホイルで蓋をした状態で130℃の恒温槽に30日間保管した後、ガラス瓶を恒温槽から取り出して、ガラス瓶の縁に炭化物がリング状に付着していないか、ガラス瓶内のホットメルト接着剤の表面に炭化物の皮が張っていないかを確認した。
評価基準
◎…炭化物なし
○…炭化物わずかにあり
△…炭化物あり
×…炭化物が多量にあり
上記表1及び2に示したように、各実施例のホットメルト接着剤は、比較例のホットメルト接着剤と比較して、糸曳き性に関する問題の発生が抑制され、また、高温・低温環境下における接着性の問題も見られなかった。
Claims (7)
- 成分(A)エチレン−α−オレフィン共重合体、成分(B)官能化エチレン−α−オレフィン共重合体、及び成分(C)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含むホットメルト接着剤であって、
前記成分(A)、(B)及び(C)の合計100質量%中に、成分(B)を5〜19質量%、成分(C)を5〜12質量%含み、
130℃での溶融粘度が2,000mPa・s以下であることを特徴とする、ホットメルト接着剤。 - 前記成分(B)は、無水マレイン酸官能化エチレン−α−オレフィン共重合体を含む、
請求項1に記載のホットメルト接着剤。 - 前記成分(C)は、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体及び/又はエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を含み、
前記成分(C)100質量%中の、アクリル酸ブチルに由来するユニット及び/又はメタクリル酸メチルに由来するユニットの含有量は25質量%以上であり、
前記成分(C)のメルトインデックスは170g/10分以下である、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤。 - 前記成分(A)は、メルトインデックスが1,000/10分以上のエチレン−α−オレフィン共重合体を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のホットメルト接着剤。
- さらにフィッシャートロプシュワックスを含む、請求項1〜4の何れか1項に記載のホットメルト接着剤。
- さらに粘着付与樹脂を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載のホットメルト接着剤。
- 紙製包装資材用である、請求項1〜6の何れか1項に記載のホットメルト接着剤。
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- 2017-07-25 JP JP2017143652A patent/JP7034463B2/ja active Active
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