JP2019026345A - 注出容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の手振り作業を必要とせずに、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出可能な注出容器を提供する。【解決手段】注出容器1は、容器の外殻を構成する外層体2と、収容空間Mを備え減容変形可能に外層体2に収容された内層体3と、分離液状内容物を注出するための注出口17aを備え、口部5に装着された注出キャップ10と、第1流通口21と第2流通口22とを備え、口部5の開口を覆う中栓11と、第1流通口21及び第2流通口22に設けられた逆止弁構造24、27と、第2流通口22に接続され、底部8に向かって延在し、収容空間M内の内容物を第2流通口22に向けて通過させるパイプ構成部と、を備え、パイプ構成部の少なくとも一部が、胴部7と一体に形成された管状部40により形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば分離液状ドレッシング等の、分離した複数種類の液体を含む分離液状の内容物を収容するとともに注出可能な容器に関する。
分離液状ドレッシング等の、分離した複数種類の液体を含む分離液状の内容物を収容する容器としては、ボトル状の容器本体の口部に注出口を備えた注出キャップを装着した構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
このような容器では、その内部に収容された分離液状ドレッシング等の内容物を注出する際には、手で容器を振って内容物を撹拌してから注出することで、分離した複数種類の液体を適度に混合された状態で注出させるようにしている。
特開2015−145258号公報
しかしながら、このような構成の従来の容器では、注出する直前に容器を手で振ることを忘れてしまった場合には混合された内容物を注出することができない。また、注出前に容器を手で振って内容物を撹拌した場合でも、注出していく過程で再び液体の分離が進行してしまい、継続的に所期した混合比率の内容物を注出することが難しいという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器の手振り作業を必要とせずに、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出可能な注出容器を提供することにある。
本発明の注出容器は、口部、胴部及び底部を有するボトル形状をなし、容器の外殻を構成するとともに外気導入用の貫通孔が形成された外層体と、
分離液状の内容物の収容空間を備えるとともに減容変形可能に前記外層体に収容された内層体と、
前記収容空間に収容された分離液状の内容物を注出するための注出口を備え、前記口部に装着された注出キャップと、
第1流通口と第2流通口とを備え、前記注出キャップの内側に装着されて前記口部の開口を覆う中栓と、
前記第2流通口に接続され、前記底部に向かって延在し、該収容空間内の内容物を前記第2流通口に向けて通過させるパイプ構成部と、を備え、
前記第1流通口及び前記第2流通口には、前記収容空間側から前記注出口へと向かう内容物の流れを許容し、前記注出口から前記収容空間側へと向かう内容物の流れを阻止する逆止弁構造が設けられており、
前記パイプ構成部の少なくとも一部が、前記胴部と一体に形成された管状部により形成されていることを特徴とする。
なお、本発明の注出容器にあっては、前記逆止弁構造は、
前記第1流通口に設けられ、前記パイプから前記第1流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れを許容し、前記注出口から前記第1流通口を通って前記パイプへと向かう内容物の流れを阻止する第1逆止弁と、
前記第2流通口に設けられ、前記収容空間から前記第2流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れを許容し、前記注出口から前記第2流通口を通って前記収容空間へと向かう内容物の流れを阻止する第2逆止弁と、を有することが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記パイプ構成部は、前記中栓に設けられ、前記管状部に連結された筒状部を備えることが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記管状部は、前記外層体と前記内層体の間に設けられた接着帯の延在領域に設けられていることが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記胴部には、凸状態と凹状態との間で反転変形可能な反転変形部が設けられていることが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記注出キャップは、先端に前記注出口を形成する注出筒を備え、該注出筒が透過性を有することにより、外部から該注出筒内を視認可能となっていることが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記注出キャップの内部に、前記第1流通口を通って前記注出口へと向かう内容物と、前記第2流通口を通って前記注出口へと向かう内容物との混合を促進する混合促進部が設けられていることが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記混合促進部が、該注出キャップの内面から突出し、側壁にスリットを備えた有底筒状に形成された撹拌部で構成されることが好ましい。
また、本発明の注出容器にあっては、前記注出キャップは、先端に前記注出口を形成する注出筒を備え、
前記混合促進部が、前記注出筒の内側に配置されたメッシュ部材、または該注出筒の内側に螺旋状の流路を形成するミキシング部材で構成されることが好ましい。
本発明によれば、容器の手振り作業を必要とせずに、分離液状の内容物を所期した混合比率で注出可能な注出容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る注出容器の縦断面図ある。 図1の注出容器の部分拡大図である。 図1の注出容器のA−A断面図である。 図3の注出容器の部分拡大図である。 図1の注出容器から内容物を注出する際の様子を示す図である。 注出キャップの変形例を示す縦断面図である。 注出キャップの他の変形例を示す縦断面図である。 注出キャップの他の変形例を示す縦断面図である。 注出容器の変形例を示す縦断面図である。 図9の注出容器のB−B断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。本発明の一実施の形態である注出容器1は、例えば、分離液状ドレッシング等の食品調味料や、化粧料など、分離液状の内容物(以下、単に「内容物」と称する場合がある)を収容するとともに注出可能な容器である。
図1に示すように、注出容器1は、この注出容器1の外殻を構成する外層体2及び外層体2の内側に収容される減容変形可能な内層体3で構成される二重容器4と、外層体2の口部5に装着されるキャップ組立体6と、を備える。
外層体2は、断面円形の筒状に形成された口部5と、この口部5に一体に連なる胴部7と、この胴部7に一体に連なる底部8を有するボトル形状をなしている。
口部5の外周面には、突起部5aが設けられており、キャップ組立体6の内向き突起部15aとアンダーカット係合することで当該キャップ組立体6を口部5に係合保持可能としている。また、口部5には、外層体2と内層体3の間に外気を導入するための一対の貫通孔5bが形成されている。外気導入用の貫通孔5bは、外層体2を貫通するものであれば、位置、形状、数等は特に限定されるものではなく、例えば、胴部7や底部8に設けることも可能である。外気導入用の孔を胴部7または底部8に形成する場合、後述する吸気用逆止弁29の構成を省くことができる。また、口部5の外面の一対の貫通孔5bに対応する位置には、空気の流路の一部をなす一対の縦溝5cが形成されている。本例において、一対の貫通孔5bは、後述する接着帯C及び管状部40から周方向に90°ずれた位置にそれぞれ設けられている。
胴部7は可撓性を有し、圧搾(スクイズ)可能であるとともに元の形状への復元性を有している。胴部7には、管状部40が該胴部7と一体に形成されている。ここで、管状部40は、後述する筒状部18bとともにパイプ構成部を構成している。このパイプ構成部は、第2流通口22に接続されて底部8に向かって延在し、収容空間M内の内容物を第2流通口22に向けて通過させることが可能な内容物の流路を形成するものである。
図1のA−A線に沿う断面図である図3、4にも示すように、管状部40は、断面が円形となる管状の外層体2で構成され、外層体2の内周面側に積層配置された接着帯Cと内層体3とが同様に断面が円形となる管状に設けられている。管状部40は、その一端(上端)が胴部7の上部で開口し、他端(下端)が胴部7の下部における底部8の近傍で開口している。管状部40は、底部8近傍に位置する下端開口41から口部5に向けて真っ直ぐに延在し、径方向内側に屈曲する屈曲部42を介して上端が上向きに開口している。すなわち、管状部40の上端開口43は、下端開口41よりも注出容器1の径方向内側に位置している。このような構成により、後述する中栓11の筒状部18bと、管状部40との連結作業が容易となる。また、胴部7の側面には、屈曲部42を設けた領域に凹部44が形成されている。
なお、図1における管状部40の下端は、第1液L1と第2液L2の境界よりも底部8側に配置される。これにより、収容空間Mの内部に収容される分離液状の内容物のうち、底部8の側に分離して収容されることとなる第1液L1または第2液L2を、下端開口41を介して管状部40に取り込み、当該管状部40及び筒状部18bを通して第2流通口22に向けて案内することができる。つまり、第2流通口22にパイプ構成部を接続した構成とすることにより、分離液状の内容物を注出口17aから注出させる際に、収容空間Mの底部8の側に収容されている第1液L1または第2液L2をパイプ構成部及び第2流通口22を通して注出口17aに流通させることができる。
なお、胴部7の断面形状は、図3に示すような、管状部40を除いた部分が略円形の形状に限定されず、例えば、多角形や楕円形等とすることも可能である。
底部8の中央には、ブロー成形の割り金型による食い切りによって形成された直線状のピンチオフ部9が形成されている。本実施形態では、ピンチオフ部9は底部8の径方向に延在する直線状をなしており、底部8のパーティングライン上に設けられている。ピンチオフ部9には、補強リブ9aが設けられている。
補強リブ9aは、割り金型にて外層体2を挟み込んで扁平に押し潰すことにより形成されるものであり、補強リブ9aによってピンチオフ部9の圧着面の底割れ強度を高めている。補強リブ9aは、図示例のようにピンチオフ部9の全体に亘って設けたり、部分的に設けたりすることが可能であり、補強リブ9aを設けない構成とすることも可能である。なお、口部5に設けた貫通孔5bに替えて、ピンチオフ部9に、例えばスリット状の、外気導入用の貫通孔を形成することも可能である。
割り金型にて外層体2とともに内層体3を挟み込んで扁平に押し潰すことにより、補強リブ9aを設けた部分において内層体3を外層体2に固定した構成とすることも可能である。この場合、底部8において内層体3の底部分を外層体2に保持させることができるので、内容物の注出に伴う内層体3のつぶれ変形の方向を規制することができ、注出不良を防止することができる。
なお、本実施形態では、外層体2と内層体3の間に、外層体2及び内層体3に対して接着性を有する合成樹脂にて形成される帯状の接着層、すなわち接着帯Cが設けられているが、接着帯Cを設けない構成としてもよい。接着帯Cは、胴部7から底部8に亘ってパーティングラインに沿って軸線方向に延在し、外層体2及び内層体3を互いに接合している。本例では、図3、4に示すように、2本の接着帯Cが、注出容器1の中心軸線を挟んで対向配置されており、そのうちの1本の接着帯Cは、管状部40の周方向全体、且つ管状部40の軸方向の全体にわたって設けられている。接着帯Cは、1本としてもよいし、複数本設けてもよい。また接着帯Cは、例えば、パーティングラインを挟むように、両側に2本ずつ設けてもよい。
内層体3は、その内側に内容物を収容する収容空間Mを有するとともに、減容変形可能に構成されている。ここで、内層体3は、接着帯Cの延在領域においては外層体2に接合し、保持されるので、内容物の注出が進んでも、内層体3の内面同士が部分的に接触して収容空間Mの一部を閉塞してしまうことがない。これにより、最後までより安定した内容物の注出が可能となる。
なお、本実施形態の注出容器1にあっては、接着帯Cの延在領域に管状部40を形成することで、管状部40において内層体3が外層体2から剥離することを防止することができる。このため、管状部40において内層体3が剥離して内容物の流路が閉塞されてしまう、という虞がない。その結果、注出口17aから注出される第1液L1と第2液L2の混合比率をより安定させることができる。
なお、管状部40の軸方向の一部のみに接着帯Cが設けられるような構成としてもよいが、管状部40の軸方向全体にわたって接着帯Cが設けられていることが、剥離防止効果を高めるために、より好ましい。
同様に、管状部40の周方向の一部のみに接着帯Cが設けられるような構成としてもよいが、管状部40の周方向全体にわたって接着帯Cが設けられていることがより好ましい。
本実施形態の二重容器4は、例えば以下の方法により形成することが可能な積層剥離容器(デラミ容器)である。すなわち、先ず、相溶性の低い外層用の合成樹脂と内層用の合成樹脂と、接着層を構成する合成樹脂を共押出して積層パリソンを形成し、この積層パリソンを、金型を用いてブロー成形することにより、外層体2の内面に内層体3が剥離可能に密着し、外層体2と内層体3の間に接着帯Cが設けられた積層構造に形成される。なお、管状部40は、ブロー成形の際に、円筒形状の胴部7の一部を、割り金型で両側から挟み込み、管状部40と胴部7との境界線部分45を圧着することにより形成することができる。そしてブロー成形の後、口部5の上端開口からの吸引、または、貫通孔5bから外層体2と内層体3の間に空気を圧入すること等により内層体3を一度収縮させて、管状部40及び接着帯Cの延在領域を除いて領域の内層体3を外層体2から剥離させる。次いで、内層体3の内部(収容空間M)に口部5の上端開口から空気を送り込む、または、貫通孔5bからの外層体2と内層体3の間の空気の吸引等により内層体3の形状を復元させる。
このように、ブロー成形の後、吸引等により内層体3を一度収縮させてその全体を外層体2から剥離させることにより、内容物の注出時に、内層体3を外層体2から剥離し易くすることができる。
この内層体3の剥離処理の後、例えば分離液状ドレッシング等の内容物が内層体3の収容空間Mに収容され、キャップ組立体6が装着される。本実施形態では、分離した2種類の液体である第1液L1及び第2液L2からなる内容物が収容空間Mに収容されている。また、図1に示すように注出容器1を正立姿勢(起立姿勢)とした場合に、比重の軽い第1液L1が、比重の重い第2液L2の上方に位置するようになっている。
キャップ組立体6は、注出キャップ10と、中栓11と、第1弁部材12と、第2弁部材13と、蓋体14とを備えている。
図1の部分拡大図である図2に示すように、注出キャップ10は、口部5を取り囲む外周壁15と、外周壁15の上端を覆う天壁16と、天壁16から立設する注出筒17と、を有する。注出筒17は円筒状であり、注出キャップ10の内側空間に連なっている。また、注出筒17の先端は、収容空間Mに収容された分離液状の内容物を混合状態で注出するための注出口17aとなっている。また、天壁16には、天壁16を貫通し、上記貫通孔5bに外気を導くための連通孔16aが設けられている。
外周壁15の内面には、突起部5aに係合する内向き突起部15aが設けられている。これにより、注出キャップ10は、中栓11、第1弁部材12、及び第2弁部材13を内側に保持した状態で口部5にアンダーカット係合し、着脱可能に保持される。なお、注出キャップ10は、口部5に対して螺着する構成としてもよい。
中栓11は、口部5の上端開口を覆う隔壁18と、隔壁18から垂下して口部5の内周面に当接する環状のシール筒19と、隔壁18の外縁から立設し、外周壁15に嵌合保持される環状壁20と、を備えている。中栓11は注出キャップ10の内側に装着されて口部5の開口を覆っている。
隔壁18には、第1流通口21と第2流通口22とが設けられている。第1流通口21と第2流通口22は隔壁18を貫通しており、収容空間Mに収容されている分離液状の内容物を注出口17aに向けて流通させることができる。また、隔壁18の外縁部(環状壁20の下部)には、連通孔16aから貫通孔5bへ向かう空気を通過させる貫通孔18aが形成されている。
第1流通口21には、第1逆止弁24(逆止弁構造)が設けられている。第1逆止弁24は、第1流通口21の開口に設けられて当該開口を開閉するものであり、収容空間Mから第1流通口21を通って注出口17aへと向かう内容物の流れを許容し、注出口17aから第1流通口21を通って収容空間Mへと向かう内容物の流れ(逆流)を阻止するように作動する。
本実施形態において第1逆止弁24は、収容空間Mの側から注出口17aへ向けた内容物の圧力に応じて軸方向に上下動する三点弁構造(保持部26の内周面に対して三箇所で連結された弁構造)の弁体25で構成され、内容物の注出の際にのみ第1流通口21を開放するようになっている。なお、第1逆止弁24は、三点弁に限定されず、保持部26の内周面に対して二箇所以下で連結された弁や四箇所以上で連結された弁で構成してもよい。あるいは第1逆止弁24は、隔壁18に一体に設けられて隔壁18の下面から底部8の側に向けて突出する筒状体と筒状体の内部に配置される球状の弁体とを有し、当該筒状体の内側において、弁体が閉位置と開位置の間で軸線方向に移動することにより、内容物の流路を開閉する構成としてもよい。
弁体25は、例えば円板状に形成される。また弁体25は、隔壁18の上面に当接して第1流通口21の開口を塞ぐ閉位置と、隔壁18の上面から少なくとも一部が離れて当該開口を開放する開位置との間で移動自在となっている。なお、弁体25が開位置にあるときには、弁体25の下面と隔壁18の上面との間に隙間が生じ、当該隙間を通して内容物が流通可能となる。
第1逆止弁24は、第1流通口21を通過して注出口17aに向かう内容物の流れに対しては弁体25が閉位置から開位置に移動してこれを許容し、注出口17a側から第1流通口21を通って収容空間Mへと向かう内容物の流れに対しては弁体25が開位置から閉位置に移動してこれを阻止するように作動する。
第1弁部材12は、円筒状の保持部26と、保持部26の内側に設けた第1逆止弁24と、保持部26の外側に設けた第2逆止弁27(逆止弁構造)とが一体に成形されたものである。なお、第1逆止弁24及び第2逆止弁27はそれぞれ別の部材として形成してもよいが、一体に成形することにより、部品数を削減してコストの削減を図ることができる。また、本実施形態では、保持部26の内側に設けた第1逆止弁24で第1流通口21を開閉し、保持部26の外側に設けた第2逆止弁27で第2流通口22を開閉する構成としているが、保持部26の内側に設けた第1逆止弁24で、第1流通口21及び第2流通口22を共に開閉する構成としてもよい。その場合、保持部26の外側に設けた第2逆止弁27は不要となるため、吸気用の逆止弁を保持部26の外側に設けて、第2弁部材13を第1弁部材12と一体に形成してもよい。
保持部26は、中栓11の隔壁18と、注出キャップ10の天壁16との間に嵌合保持されている。本例では、天壁16の下面から突出する保持リブ16bが保持部26の上端部を嵌合保持している。なお、本例では、8本の板状の保持リブ16bが、相互に間隔を空けて、環状の保持部26の周方向に沿って均等に配置されており、隣接する2つの保持リブ16bの間の空間は、収容空間Mから第2流通口22を通過して注出口17aに向かう内容物の流路を構成している。保持リブ16bの形状、数、及び位置は特に限定されず、周方向に均等に配置されていなくてもよい。
保持部26及び保持リブ16bの内側は、第1流通口21及び第2流通口22を介して流入した内容物が合流し、混合されるとともに注出口17aに向けて移動する空間(合流空間)となっている。なお、保持部26の外側、且つ、第2弁部材13の外側保持部28の内側の空間は、第2流通口22から注出口17aへ向けた内容物の流路となっている。
一方、第2流通口22は、第1流通口21に隣接して隔壁18に設けられている。本例において第2流通口22は、隔壁18の中央に位置する第1流通口21の外側に位置している。
第2流通口22は、隔壁18の下面から突出する円筒状の筒状部18b、及び、筒状部18bに連結された管状部40に連通している。図1に示すように、筒状部18bの下端部は管状部40の上端部に連結されている。具体的に、筒状部18bの下端部が管状部40の上端部の開口部に内側から液密に嵌合している。このような構成により、管状部40の内部空間が筒状部18bの内部空間に連通し、管状部40の下端開口41から第2流通口22まで連通する内容物の流路が形成される。
本実施形態の注出容器1では、第2流通口22から底部8近傍まで延在するパイプ構成部を、中栓11と一体の筒状部18bと、胴部7と一体に設けた管状部40とで形成している。そのため、例えば中栓11及び二重容器4とは別に形成した筒状のパイプ部材等を、中栓11に組み付ける場合に比べて、部品数を削減することができる。また、別部材として形成したパイプ部材を、中栓11に組み付けて使用する場合には、振動や衝撃が加わること等により二重容器4の内部で当該パイプ部材の位置がずれてしまったり、中栓11等からパイプ部材が外れて脱落してしまったりする虞があるが、本実施形態では、パイプ構成部を中栓11及び胴部7と一体に形成しているため、そのような虞もない。
第2逆止弁27は、第2流通口22の開口に設けられて当該開口を開閉するものであり、収容空間M側から(パイプ構成部を介して)第2流通口22を通過して注出口17aへと向かう内容物の流れを許容し、注出口17aから第2流通口22を通って収容空間M側へと向かう内容物の流れ(逆流)を阻止するように作動する。つまり、第2逆止弁27は、内容物の注出の際にのみ第2流通口22を開放するようになっている。本実施形態において第2逆止弁27は、保持部26の外周面から径方向外側に延びる環状片で構成され、その外縁が第2流通口22よりも外周側において隔壁18の上面に弾性当接している。
第2弁部材13は、円筒状の外側保持部28と、外側保持部28の外側に設けた吸気用逆止弁29とが一体に成形されたものである。外側保持部28は、保持部26の外周側において中栓11の隔壁18と注出キャップ10の天壁16の間に嵌合保持されている。
吸気用逆止弁29は、環状の外側保持部28の外周面から径方向外側に延びる環状片で構成され、その外縁が連通孔16aよりも外周側において天壁16の下面に弾性当接している。なお、第2弁部材13の外側保持部28の外側は、連通孔16aから貫通孔5bへ向けて空気が通過する空気流路となっており、吸気用逆止弁29は当該空気流路に設けられ、連通孔16aから貫通孔5bに向けた空気の流れを許容し、貫通孔5bから連通孔16aに向けた空気の流れ(逆流)を阻止するように構成されている。なお、第1流通口21及び第2流通口22を開閉する逆止弁構造を有する第1弁部材12と、吸気用逆止弁29を有する第2弁部材13とを一体に形成してもよい。
注出容器1を倒立姿勢とした状態で胴部7をスクイズした場合には、収容空間Mの口部5の側に収容されている第2液L2が第1流通口21を通過して注出口17aに向けて移動し、収容空間Mの底部8の側に収容されている第1液L1が管状部40及び筒状部18bを介して第2流通口22を通過し、注出口17aに向けて移動する。
一方、正立姿勢とした状態で胴部7をスクイズした場合には、収容空間Mの口部5の側に収容されている第1液L1が第1流通口21を通過して注出口17aに向けて移動し、収容空間Mの底部8の側に収容されている第2液L2が管状部40及び筒状部18bを介して第2流通口22を通過し、注出口17aに向けて移動する。
このように、注出容器1は、収容空間Mの内部に収容されている内容物を、口部5の側と底部8の側の両側から注出口17aに向けて流通させ、これらを混合させて外部に注出させることができるようになっている。
蓋体14は、注出キャップ10の注出筒17に着脱自在に螺着され、注出筒17の先端の注出口17aを開閉自在に封止する。蓋体14は、注出筒17の外周を取り囲む周壁30と、周壁30の上部を覆う頂壁31と、頂壁31から垂下して注出筒17の先端部の内周面に当接するシール筒32とを備える。周壁30の内周面には、注出筒17の外周面に設けられた雄ねじに係合する雌ねじが設けられている。なお、蓋体14は、図示例の構成に限定されず、ヒンジを介して揺動自在に注出キャップ10に連結される構成としてもよい。
また、注出キャップ10の内部には、混合促進部としての撹拌部34が設けられている。撹拌部34は、注出筒17の下端に一体に連なる有底筒状に形成され、注出口17aを天壁16の内側から覆っている。また、撹拌部34は天壁16から下方に向けて突出し、保持部26及び保持リブ16bの内側の空間(合流空間)に配置されている。撹拌部34の側壁には軸方向に沿って延びるスリット34aが周方向に間隔を空けて複数設けられている。撹拌部34を設けることにより、収容空間Mから第1流通口21を通って注出口17aに向かう内容物と収容空間Mから第2流通口22を通って注出口17aに向かう内容物とを撹拌することができるので、第1液L1と第2液L2との混合を促進することができる。
上記のように構成される注出容器1から内容物を注出するに当たっては、蓋体14を開いて、図5に示すように注出容器1を傾倒または倒立姿勢にし、胴部7をスクイズする。このとき、比重の軽い第1液L1が底部8の側、比重の重い第2液L2が口部5の側に位置している。
胴部7をスクイズすることにより、内層体3が加圧され、収容空間M内の底部8の側にある第1液L1は管状部40の下端開口41から取り込まれて第2流通口22に向けて流れる。第1液L1が第2流通口22に向けて流れると、その液圧により第2逆止弁27が開かれ、第1液L1は第2流通口22を通って注出口17aに向けて流通する。また、内層体3が加圧されることにより第1逆止弁24が開き、第2液L2が口部5の側から第1流通口21を通って注出口17aに向けて流通する。
図5に示すように、第2流通口22から注出口17aに向かって流れる第1液L1と、第1流通口21から注出口17aに向かって流れる第2液L2は、それぞれ複数のスリット34aを通って種々の方向から撹拌部34の内部に流入し、その流れの相違によって撹拌部34の内部で撹拌されて互いに混合される。そして、このようにして所期した混合比率で混合された第1液L1と第2液L2とからなる内容物が注出筒17を通って注出口17aから外部に向けて注出される。このように、本発明の注出容器1によれば、手振り操作を必要とせず、分離液状の内容物を、所期した混合比率で注出することができる。
ここで、内容物の注出によって内層体3は減容変形するため、胴部7への押圧力を解除して外層体2の形状が復元すると、内層体3と外層体2の間の空間が負圧状態となる。これに伴い、連通孔16a、貫通孔18a、縦溝5c及び貫通孔5bを介して内層体3と外層体2の間に空気が導入されることとなる。なお、この間、第1逆止弁24及び第2逆止弁27によって第1流通口21及び第2流通口22が閉塞されるため、収容空間M内に空気が入り込むことがない。
上述のように、第1液L1と第2液L2を所期した混合比率で注出することができ、また、内容物の注出後に収容空間M内に外部の空気が進入しない構成としているため、内容物の注出が進んで残量が減少した場合において、収容空間M内には、常に一定の体積比率で第1液L1と第2液L2が存在することとなる。また、管状部40の下端開口41は常に底部8の側に配置されるので、内容物の残量が減少した際にも所期した混合比率で安定的に内容物を注出し続けることができる。
第1液L1と第2液L2の混合比率は、第1流通口21及び第2流通口22の大きさ、管状部40及び筒状部18bの内径、第1逆止弁24及び第2逆止弁27の開度等を種々変更することにより所望の混合比率に設定することができる。
なお、注出容器1から内容物を注出する際には、先ず、正立姿勢で胴部7をスクイズして注出筒17の内側に内容物を貯留させ、その後で、注出容器1を傾倒または倒立姿勢として、当該注出筒17内の内容物を注出口17aから注出させることも可能である。この場合、正立姿勢で胴部7をスクイズすると、注出容器1を正立姿勢としたときに底部8の側に分離して収容されることとなる第2液L2を、管状部40の下端開口41から取り込み、当該管状部40および筒状部18bを通して第2流通口22に向けて案内することができ、そして、第2流通口22を通して注出筒17内に流れ込む。また、注出容器1を正立姿勢としたときに口部5の側に分離して収容される第1液L1は、第1流通口21を通して注出筒17内に流れ込む。
ここで、図6に示すように、透過性を有する材料で形成された、略透明な筒状部材35で注出筒17を構成することも可能である。筒状部材35は、注出キャップ10の天壁16から立設するベース筒16dに嵌合保持されている。具体的に、筒状部材35は、ベース筒16dの外周面に設けられた突起部16eにアンダーカット係合する内向き突起36aを有する装着筒部36と、装着筒部36の上方に連なる注出筒17とを備える。
このような構成とすることにより、外部から注出筒17の内部が視認できる。また、注出筒17の表面に目盛等の表示を設けることで、注出させる内容物を計量することが可能となる。すなわち、正立姿勢で目盛を確認しながら胴部7をスクイズし、内容物の液面を所定の目盛に合わせることにより、所望の量の内容物のみを注出筒17の内側に貯留し、その後注出容器1を傾倒または倒立姿勢として注出口17aから所望の量の内容物のみを注出することができる。
また、注出筒17の内側には、図7に示すような混合促進部としてのメッシュ部材37を設けることも可能である。メッシュ部材37は、注出筒17の内側に嵌り込む円筒状の筒部の一方または両方の端部開口を覆うように網目状の面材を設けたものである。当該構成によれば、第1液L1と第2液L2の混合の度合いを高めることができる。
同様に、注出筒17の内側には、図8に示すような混合促進部としてのミキシング部材38を設けることも可能である。ミキシング部材38は、注出筒17の内側の空間に螺旋状の内容物の流路を区画形成するものである。図8の例では、撹拌部34を設けずに、注出筒17の下端開口からミキシング部材38を差し込むようにして設置している。
また、図9、10は、胴部7に、凸状態と凹状態との間で反転変形可能な反転変形部39を設けた変形例を示している。本例において反転変形部39は、胴部7の高さ方向(軸線方向)の中間の領域において、中心軸線を挟んで対向するように周方向の2箇所に配置されている。一対の反転変形部39はそれぞれ、管状部40から周方向の両側に90°ずれた位置に設けられている。反転変形部39は、図示例に限定されず、その位置、形状、及び数を変更することができる。
図9のB−B断面である図10に二点鎖線で示すように、反転変形部39を凸状態として、収容空間Mに内容物を充填していき、その後、反転変形部39を胴部7の内側に向けて押し込むようにして、実線で示す凹状態に反転変形させる。これにより、収容空間Mの容積が減少し、液面(内容物の上面)の位置は、二点鎖線で示すS1から、実線で示すS2に上昇するため、収容空間M内に存在する空気の量を低減することができる。その結果、注出口17aから注出される内容物に空気が含まれ難くなり、注出される内容物における、第1液L1と第2液L2の混合比率を安定させることができる。
また、反転変形部39は、内容物を注出する際には、胴部7を押圧する位置を示す押圧部を構成する。反転変形部39を、胴部7の高さ方向(軸線方向)の中間の領域に設けたことにより、内容物を注出する際に胴部7の中間領域を押圧させることができる。これにより、第1液L1と第2液L2とを均等に押し出すことができるので、注出口17aから注出される内容物の第1液L1と第2液L2の混合比率をさらに安定させることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、第1逆止弁24と第2逆止弁27の構成は上記の例に限らず、それぞれの逆止弁24、27として種々の構成のものを用いることができる。
また、縦溝5cの配設は必須ではなく、キャップ組立体6の外周壁15の内面に形成された内向き突起部15aと突起部5aとの間に隙間を設けて、当該隙間を通じて空気を導入するようにしてもよい。なお、空気の流路の抵抗を低減する観点からは、図示のような縦溝5cを設けるのが好ましい。
1:注出容器
2:外層体
3:内層体
4:二重容器
5:口部
5a:突起部
5b:貫通孔
5c:縦溝
6:キャップ組立体
7:胴部
8:底部
9:ピンチオフ部
9a:補強リブ
10:注出キャップ
11:中栓
12:第1弁部材
13:第2弁部材
14:蓋体
15:外周壁
15a:内向き突起部
16:天壁
16a:連通孔
16b:保持リブ
16d:ベース筒
16e:突起部
17:注出筒
17a:注出口
18:隔壁
18a:貫通孔
18b:筒状部(パイプ構成部)
19:シール筒
20:環状壁
21:第1流通口
22:第2流通口
24:第1逆止弁(逆止弁構造)
25:弁体
26:保持部
27:第2逆止弁(逆止弁構造)
28:外側保持部
29:吸気用逆止弁
30:周壁
31:頂壁
32:シール筒
34:撹拌部
34a:スリット
35:筒状部材
36a:内向き突起
37:メッシュ部材
38:ミキシング部材
39:反転変形部
40:管状部(パイプ構成部)
41:下端開口
42:屈曲部
43:上端開口
44:凹部
45:境界線部分
C:接着帯
M:収容空間
L1:第1液
L2:第2液
S1、S2:液面

Claims (9)

  1. 口部、胴部及び底部を有するボトル形状をなし、容器の外殻を構成するとともに外気導入用の貫通孔が形成された外層体と、
    分離液状の内容物の収容空間を備えるとともに減容変形可能に前記外層体に収容された内層体と、
    前記収容空間に収容された分離液状の内容物を注出するための注出口を備え、前記口部に装着された注出キャップと、
    第1流通口と第2流通口とを備え、前記注出キャップの内側に装着されて前記口部の開口を覆う中栓と、
    前記第2流通口に接続され、前記底部に向かって延在し、該収容空間内の内容物を前記第2流通口に向けて通過させるパイプ構成部と、を備え、
    前記第1流通口及び前記第2流通口には、前記収容空間側から前記注出口へと向かう内容物の流れを許容し、前記注出口から前記収容空間側へと向かう内容物の流れを阻止する逆止弁構造が設けられており、
    前記パイプ構成部の少なくとも一部が、前記胴部と一体に形成された管状部により形成されていることを特徴とする注出容器。
  2. 前記逆止弁構造は、
    前記第1流通口に設けられ、前記パイプから前記第1流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れを許容し、前記注出口から前記第1流通口を通って前記パイプへと向かう内容物の流れを阻止する第1逆止弁と、
    前記第2流通口に設けられ、前記収容空間から前記第2流通口を通って前記注出口へと向かう内容物の流れを許容し、前記注出口から前記第2流通口を通って前記収容空間へと向かう内容物の流れを阻止する第2逆止弁と、を有する、請求項1に記載の注出容器。
  3. 前記パイプ構成部は、前記中栓に設けられ、前記管状部に連結された筒状部を備える、請求項1または2に記載の注出容器。
  4. 前記管状部は、前記外層体と前記内層体の間に設けられた接着帯の延在領域に設けられている、請求項1〜3の何れか一項に記載の注出容器。
  5. 前記胴部には、凸状態と凹状態との間で反転変形可能な反転変形部が設けられている、請求項1〜4の何れか一項に記載の注出容器。
  6. 前記注出キャップは、先端に前記注出口を形成する注出筒を備え、該注出筒が透過性を有することにより、外部から該注出筒内を視認可能となっている、請求項1〜5の何れか一項に記載の注出容器。
  7. 前記注出キャップの内部に、前記第1流通口を通って前記注出口へと向かう内容物と、前記第2流通口を通って前記注出口へと向かう内容物との混合を促進する混合促進部が設けられている、請求項1〜6の何れか一項に記載の注出容器。
  8. 前記混合促進部が、該注出キャップの内面から突出し、側壁にスリットを備えた有底筒状に形成された撹拌部で構成される、請求項7に記載の注出容器。
  9. 前記注出キャップは、先端に前記注出口を形成する注出筒を備え、
    前記混合促進部が、前記注出筒の内側に配置されたメッシュ部材、または該注出筒の内側に螺旋状の流路を形成するミキシング部材で構成される、請求項7に記載の注出容器。
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