以下、本発明に係る遊技機の一実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合には、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
<外観構成の説明>
まず、図1〜図6を参照して本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4を装着された構成からなる。遊技盤4は、図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、図1に示すようにこの遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
一方、パチンコ遊技機1は、図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられている。そして、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられ、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。そして、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられ、さらに、各種設定が可能な略十字キーからなる設定ボタン15が設けられている。この設定ボタン15は、中央部に設けられた円形の中央ボタン15aと、その中央ボタン15aの図示上側に設けられた三角形状の上ボタン15bと、その中央ボタン15aの図示左側に設けられた三角形状の左ボタン15cと、その中央ボタン15aの図示右側に設けられた三角形状の右ボタン15dと、その中央ボタン15aの図示下側に設けられた三角形状の下ボタン15eとで構成されている。
一方、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニット(図示せず)を動作させるための発射ハンドル16が設けられ、前面枠3の上部両側面側並びに発射ハンドル16の左隣接位置には、BGM(Background music)あるいは効果音を発するスピーカ17が設けられている。そして、上記前面枠3の周枠には、光の装飾により演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、図2に示すように、略中央部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置41が配設されている。この液晶表示装置41は、表示エリアを上、中、下、又は、左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタ、文字(キャラクタの会話や歌詞テロップ等)あるいは図柄(装飾図柄)の変動表示を行うことができるものである。そしてこのような液晶表示装置41の上面には、複数のモータを用い一連の動作を行う可動役物装置42が配設されている。
この可動役物装置42は、図2に示すように前面側に配設される第1可動役物420と、図3に示すように、その第1可動役物420の背面側に配設される第2可動役物421とが一体的に構成されてなるものである。
ところで、このように構成される可動役物装置42は、図5及び図6に示すような一連の動作を行うものである。すなわち、図5(a)に示すように、可動役物装置42は、まず、矢印Y1方向に降下し、所定位置に達すると、図5(b)に示す矢印Y2方向に180度回動する。これにより、図6(a)に示すように、背面側に位置していた第2可動役物421が前面側に位置することとなる。そして、その第2可動役物421が図6(a)に示すように、矢印Y3方向に上昇し、図6(b)に示すように、所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成し、一連の動作を終えるというものである。
ここで、より詳しく、上記一連の動作を行うための機構を図3及び図4も参照して具体的に説明する。
図2に示すように前面側に配設される第1可動役物420と、図3に示すように、その第1可動役物420の背面側に配設される第2可動役物421とは、図3に示すように、両側面が一対の矩形状の保持枠422にて回動可能に保持されている。そして、図3に示すように、右側に位置する保持枠422の外周面中央部分には、2相のステッピングモータ等のモータ423が突設されている。しかるに、このモータ423が回転駆動することにより、第1可動役物420及び第2可動役物421が、図5(b)に示す矢印Y2方向に一体的に回動し、もって、前面側に位置していた第1可動役物420が背面側に位置し(図3に示す二点斜線参照)、背面側に位置していた第2可動役物421が前面側に位置する(図6(a)参照)こととなる。
一方、図3に示すように、これら保持枠422の外周面前面側には、それぞれ、鉛直方向に延びる棒状のガイドシャフト424を上下方向にスライド自在に移動可能なスライド部材425が設けられている。そして、これらスライド部材425は、楕円状に形成されている搬送ベルト426の一端部にそれぞれ取り付けられている。この搬送ベルト426の内周面上端部には滑車427が設けられ、内周面下端部には歯車428が設けられている。すなわち、搬送ベルト426は、滑車427及び歯車428に巻回され、もって、図3に示すように、楕円状に形成されている。
一方、歯車428の下部には、図3に示すように、この歯車428に噛合するように歯車429が設けられている。この歯車429は、2相のステッピングモータ等のモータ430に回転可能に取り付けられており、このモータ430が回転駆動することにより、歯車429が回転することとなる。しかるに、この歯車429がモータ430によって回転すると、回転している歯車429と歯車428とが噛み合い、歯車428も回転することとなる。これにより、歯車428に巻回されている搬送ベルト426が回転し、この搬送ベルト426の回転に伴って、搬送ベルト426の一端部に取り付けられているスライド部材425がガイドシャフト424上を上下動することとなる。しかして、スライド部材425がガイドシャフト424上を上下動すると、それに伴いスライド部材425が設けられている保持枠422も上下動することとなる。これにより、保持枠422が降下すると、保持枠422に保持されている第1可動役物420及び第2可動役物421も降下することとなるから、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42が降下することとなる(図3の2点鎖線で示す可動役物装置42も参照)。
他方、第2可動役物421は、図4に示すように、支持板421a(図6(b)に示すように「金」の文字の下部分)と、支持板421aの背面右下に配設されている2相のステッピングモータ等のモータ421bと、モータ421bに回転可能に取り付けられている歯車421cと、歯車421cに噛合する歯車421dと、歯車421dに噛合する歯車421eと、歯車421eの背面に突設されている円形状の突部421eaが摺動可能に取り付けられている長孔421faが穿設されている第1リンク部材421fと、第1リンク部材421fの一端部421fb(図示右上部)に回転可能に取り付けられている第2リンク部材421gと、第2リンク部材421gの一端部421gaに取り付け固定されている第2リンク部材421gと同一の第3リンク部材421hと、第3リンク部材421hの一端部421haに回転可能に取り付けられている第1リンク部材421fと同一の第4リンク部材421iと、第2リンク部材421gの一端部421gaと第3リンク部材421hの他端部421hbに取り付け固定されている矩形状の取付部材421jと、取付部材421jに穿設された長孔421ja内に摺動可能に取り付けられている一対の円形状の突部421kaが突設されている第5リンク部材421kと、第5リンク部材421kの左右上端部に一体的に突設され、第2リンク部材421gの一端部421ga側に穿設されている長孔421gb内に摺動可能に取り付けられると共に、第3リンク部材421hの他端部421hb側に穿設されている長孔421hc内に摺動可能に取り付けられる一対の第6リンク部材421lとで構成されている。なお、第1リンク部材421fの他端部421fcには、歯車機構が設けられ、第4リンク部材421iの他端部421iaにも、歯車機構が設けられ、互いに噛み合っている。
かくして、上記のように構成される第2可動役物421を図4に示すような状態、すなわち、図6(b)に示すような状態にするには、まず、モータ421bを回転駆動させる。このモータ421bが回転駆動すると、歯車421cが回転し、回転している歯車421cと歯車421dが噛み合い、歯車421dも回転することとなる。そして、回転している歯車421dと歯車421eが噛み合い、歯車421eも回転することとなる。これにより、歯車421eの背面に突設されている円形状の突部421eaによって、第1リンク部材421fが矢印Y10方向に移動することとなる。この第1リンク部材421fが矢印Y10方向に移動すると、第1リンク部材421fの他端部421fcと第4リンク部材421iの他端部421iaとが噛み合っているため、第4リンク部材421iも、第1リンク部材421fの移動に合せて、矢印Y10方向に移動することとなる。そして、第1リンク部材421fが矢印Y10方向に移動すると、第1リンク部材421fの一端部421fb(図示右上部)に回転可能に取り付けられている第2リンク部材421gは矢印Y11方向に移動し、さらに、第4リンク部材421iが矢印Y10方向に移動すると、第4リンク部材421iに回転可能に取り付けられている第3リンク部材421hも矢印Y11方向に移動することとなる。そしてさらに、第2リンク部材421g及び第3リンク部材421hの移動に伴い、一対の第6リンク部材421lが、第2リンク部材421gの長孔421gb内を摺動すると共に、第3リンク部材421hの長孔421hc内を摺動することにより、第5リンク部材421kに突設されている突部421kaも、取付部材421jに穿設された長孔421ja内を摺動し、もって、第5リンク部材421kが矢印Y12方向に移動することとなる。これにより、図6(a)に示すように、第2可動役物421が矢印Y3方向に上昇し、もって、図6(b)に示すように、所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成することとなる。なお、上記のように構成される第2可動役物421を、図6(a)に示すような状態にするには、モータ421bを上記の回転と逆回転するよう回転駆動するようにすれば、第1リンク部材421f及び第4リンク部材421iが矢印Y10方向とは逆方向に移動し、それに伴い、第2リンク部材421g及び第3リンク部材421hも矢印Y11方向とは逆方向に移動し、さらに、第5リンク部材421kも矢印Y12方向とは逆方向に移動することとなる。これにより、第2可動役物421を、図6(a)に示すような状態にすることができる。
かくして、上記のように構成される可動役物装置42は、図3に示すモータ423、図3に示すモータ430、図4に示すモータ421bという複数のモータを用いて、第1可動役物420及び第2可動役物421を可動させ、図5及び図6に示すような一連の動作を行うことができることとなる。
ところで、図2に示すように、液晶表示装置41の真下には、特別図柄始動口43が配設され、その内部には入賞球を検出する特別図柄始動口スイッチ43a(図7参照)が設けられている。そして、この特別図柄始動口43の右側には、大入賞口44が配設され、その内部には入賞球を検出する大入賞口スイッチ44a(図7参照)が設けられている。
また一方、液晶表示装置41の右上部側には、ゲートからなる普通図柄始動口45が配設されており、その内部には、遊技球の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ45a(図7参照)が設けられている。また、上記大入賞口44の右側及び上記特別図柄始動口43の左側には、一般入賞口46が夫々配設され(図示では、右側に1つ、左側に3つ)、その内部には、夫々、遊技球の通過を検出する一般入賞口スイッチ46a(図7参照)が設けられている。
さらに、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置47と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置48が設けられている。そしてさらに、上記遊技盤4の遊技領域40には、図示はしないが複数の遊技釘が配設され、遊技球の落下方向変換部材としての風車49が配設されている。
<制御装置の説明>
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、図7を参照して説明する。この制御装置は、図7に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、主制御基板60から演出制御コマンドDI_CMDを受けて、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とを有している。なお、サブ制御基板80は、図7に示すように、演出制御基板90と、液晶制御基板120と、装飾ランプ基板100とで構成されている。
上記主制御基板60は、主制御CPU600と、一連の遊技制御手順を記述した制御プログラム等を格納した主制御ROM601と、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM602とで構成された1チップマイクロコンピュータを搭載している。そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出制御基板70と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板71とが接続されている。そしてさらには、特別図柄始動口43(図2参照)への入賞を検出する特別図柄始動口スイッチ43aと、普通図柄始動口45(図2参照)の通過を検出する普通図柄始動口スイッチ45aと、一般入賞口46(図2参照)への入賞を検出する一般入賞口スイッチ46aと、大入賞口44(図2参照)への入賞を検出する大入賞口スイッチ44aとが接続され、さらに、特別図柄表示装置47と、普通図柄表示装置48とが接続されている。
このように構成される主制御基板60は、特別図柄始動口スイッチ43aや普通図柄始動口スイッチ45aからの信号を受信すると、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当り」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄表示装置47又は普通図柄表示装置48に送信する。これにより、特別図柄表示装置47又は普通図柄表示装置48に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60は、その決定した情報を含む演出制御コマンドDI_CMDを生成し、サブ制御基板80、すなわち、演出制御基板90に送信する。なお、主制御基板60が、一般入賞口スイッチ46a、大入賞口スイッチ44aからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を払出制御基板70に送信することで、その払出制御基板70より、遊技者に遊技球が払出されることとなる。
演出制御基板90は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの演出制御コマンドDI_CMDを受けて各種演出を実行制御する演出制御CPU900と、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されているフラッシュメモリからなる演出制御ROM901と、作業領域やバッファメモリ等として機能する演出制御RAM902とで構成されている。そしてさらに、演出制御基板90は、所望のBGMや効果音を生成する音LSI903と、BGMや効果音等の音データ等が予め格納されている音ROM904とが搭載されている。
このように構成される演出制御基板90には、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板100が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出内容を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、各種設定が可能な設定ボタン15が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ17が接続され、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う可動役物装置42が接続されている。またさらに、演出制御基板90には、液晶表示装置41を制御する液晶制御基板120が接続されている。
かくして、このように構成される演出制御基板90は、主制御基板60(主制御CPU600)より送信される大当たり抽選結果(大当りかハズレの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、始動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドDI_CMDを演出制御CPU900にて受信する。そして、演出制御CPU900は、受信した演出制御コマンドDI_CMDに対応した演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号を演出制御RAM902内に一時的に格納する。
演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI903に送信する。これを受けて音LSI903は、当該制御信号に対応する音データを音ROM904より読み出し、スピーカ17に出力する。これにより、スピーカ17より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
また演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板100に送信する。これにより、装飾ランプ基板100が、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
そして演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関する液晶制御コマンドLCD_CMDを液晶制御基板120に送信する。これにより、液晶制御基板120が、当該液晶制御コマンドLCD_CMDに基づく画像を表示させるように液晶表示装置41を制御することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置41に表示されることとなる。なお、液晶制御基板120には演出内容に沿った画像を表示するための種々の画像データが記憶されており、さらに、演出出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)が搭載されている。
またさらに演出制御CPU900は、演出制御RAM902内に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、可動役物に関する制御信号を可動役物装置42に送信する。これにより、図3に示すモータ423、図3に示すモータ430、図4に示すモータ421bが適宜駆動し、可動役物装置42は、上記決定された演出パターンに対応した可動をすることとなる。
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、図7に示す電源基板130より供給されている。なお、図示では、電源供給ルートは、省略している。
<演出に関する説明>
ここで、本発明の特徴部分は、演出に関する部分であるため、この点につき、図8を参照して具体的に説明する。
まず、特別図柄始動口43(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ43a(図7参照)にて検出)すると、その入賞した遊技球(入賞球)に対して、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「大当り」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選が図7に示す主制御基板60(主制御CPU600)にて行われる。そして、その抽選結果が演出制御コマンドDI_CMDとして図7に示す主制御基板60(主制御CPU600)より図7に示す演出制御基板90に送信される。
そして、図7に示す演出制御基板90は、上記演出制御コマンドDI_CMDを演出制御CPU900にて受信し、当該演出制御CPU900は、受信した演出制御コマンドDI_CMDに対応した演出パターンを演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを液晶制御コマンドLCD_CMDとして液晶制御基板120に送信する。これにより、液晶制御基板120は、その液晶制御コマンドLCD_CMDに基づく画像を表示させるように液晶表示装置41を制御し、上記決定された演出パターンに対応した画像を液晶表示装置41に表示させる。この液晶表示装置41に表示される画面例が図8に示すものである。
この点、より詳しく説明すると、特別図柄始動口43(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ43a(図7参照)にて検出)した際、図8(a)に示すように、画面上に位置する装飾図柄で構成される第1特別図柄SD1が高速変動し(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)、画面中央に位置する装飾図柄で構成される第2特別図柄SD2が高速変動し(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)、画面下に位置する装飾図柄で構成される第3特別図柄SD3が高速変動する(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)内容が液晶表示装置41に表示される。
次いで、図8(b)に示すように、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止する。すなわち、第1特別図柄SD1は、数字5を含む装飾図柄SD1aが画面左隅に仮停止し、数字4を含む装飾図柄SD1bが画面右隅に仮停止する。そして、第2特別図柄SD2は、数字1を含む装飾図柄SD2aが画面中央に仮停止する。そしてさらに、第3特別図柄SD3は、数字2を含む装飾図柄SD3aが画面左隅に仮停止し、数字3を含む装飾図柄SD3bが画面右隅に仮停止する。
ところで、図8(b)に示すような遊技者に有利な特別遊技が行われる可能性のあるマルチラインのチャンス目が表示されると、従来においては、その後、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高い専用演出が唐突に開始されるようになっている。しかしながら、これでは、遊技者の高揚感が高まりづらく、もって、遊技者の興趣を低下させてしまう可能性があるといった問題があった。
そこで、本実施形態においては、専用演出を開始させる前に、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行した後、専用演出を開始するようにしている。
すなわち、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行するにあたって、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3のうち、まず、最も数字の大きい数字5を含む装飾図柄SD1aを、図8(c)に示すように、他の装飾図柄SD1b,SD2a,SD3a,SD3bよりも拡大表示する。次に、図示はしないが、次に数字の大きい数字4を含む装飾図柄SD1bを他の装飾図柄SD1a,SD2a,SD3a,SD3bよりも拡大表示する。次に、図示はしないが、次に数字の大きい数字3を含む装飾図柄SD3bを他の装飾図柄SD1a,SD1b,SD2a,SD3aよりも拡大表示する。次に、図示はしないが、次に数字の大きい数字2を含む装飾図柄SD3aを他の装飾図柄SD1a,SD1b,SD2a,SD3bよりも拡大表示する。そして、最後に、図8(d)に示すように、最も数字の小さい数字1を含む装飾図柄SD2aを他の装飾図柄SD1a,SD1b,SD3a,SD3bよりも拡大表示する。これにより、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行することができる。なお、装飾図柄を拡大表示する際、拡大表示する装飾図柄の数字の音声を拡大表示に合せてスピーカ17より出力するようにしても良い。このようにすれば、遊技者は、カウントダウン演出が実行されていることをより認識することができる。
次いで、上記のようなカウントダウン演出を終えた後、図8(e)に示すように、液晶表示装置41に「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)が表示され、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高い専用演出が開始される。
次いで、図8(f)に示すように、専用演出中(図示では、「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)を表示させている)に、仮停止させた第1特別図柄SD1を用いて、すなわち、数字5を含む装飾図柄SD1aを画面左上隅と画面右下隅に配置し、数字4を含む装飾図柄SD1bを画面右上隅と画面左下隅に配置し、ダブルリーチ状態となる遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高いリーチ図柄を液晶表示装置41に表示させる。
次いで、上記のようなリーチ図柄が表示された後、図8(g)に示すように、液晶表示装置41に主制御基板60(主制御CPU600)にて行われた抽選結果(図示では、「大当り!!」(画像P2参照))が表示されることとなる。なお、専用演出は、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3の全ての図柄が揃う(本実施形態においては、第2特別図柄SD2が最終的に停止する)まで液晶表示装置41に表示されることとなる。
しかして、本実施形態にて示すように、専用演出を開始させる前に、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行した後、専用演出を開始するようにすれば、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止している意味を遊技者に分かり易く伝えることができると共に、専用演出が開始されるという遊技者の高揚感を徐々に高めることができる。これにより、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を拡大表示させる例を示したが、それに限らず、縮小表示させても良く、さらには、拡大や縮小表示に代えてエフェクト表示を付加させて表示させても良く、エフェクト表示が付加された特別図柄を拡大又は縮小表示させても良い。
また、本実施形態においては、図8(f)に示すように、専用演出中(図示では、「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)を表示させている)に、仮停止させた第1特別図柄SD1を用いて、すなわち、数字5を含む装飾図柄SD1aを画面左上隅と画面右下隅に配置し、数字4を含む装飾図柄SD1bを画面右上隅と画面左下隅に配置し、ダブルリーチ状態となる遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高いリーチ図柄を液晶表示装置41に表示させる例を示したが、それに限らず、仮停止させた第1特別図柄SD1とは異なる特別図柄が表示された場合は、仮停止させた第1特別図柄SD1が表示される場合に比べ、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度が高くなるように設定しておいても良い。このようにすれば、遊技者の興趣をさらに向上させることができることとなる。
一方、本実施形態においては、マルチラインのチャンス目が表示された場合の例を示したが、それに限らず、図9に示すようシングルラインのチャンス目にも適用可能である。
すなわち、特別図柄始動口43(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ43a(図7参照)にて検出)すると、図9(a)に示すように、画面上に位置する装飾図柄で構成される第1特別図柄SD1が高速変動し(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)、画面中央に位置する装飾図柄で構成される第2特別図柄SD2が高速変動し(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)、画面下に位置する装飾図柄で構成される第3特別図柄SD3が高速変動する(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)内容が液晶表示装置41に表示される。
次いで、図9(b)に示すように、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止する。すなわち、第1特別図柄SD1は、数字3を含む装飾図柄SD10aが画面中央に仮停止する。そして、第2特別図柄SD2は、数字2を含む装飾図柄SD20aが画面中央に仮停止する。そしてさらに、第3特別図柄SD3は、数字1を含む装飾図柄SD30aが画面中央に仮停止する。
次いで、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行する。
すなわち、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行するにあたって、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3のうち、まず、最も数字の大きい数字3を含む装飾図柄SD10aを、図9(c)に示すように、他の装飾図柄SD20a,SD30aよりも拡大表示する。次に、図示はしないが、次に数字の大きい数字2を含む装飾図柄SD20aを他の装飾図柄SD10a,SD30aよりも拡大表示する。そして、最後に、図9(d)に示すように、最も数字の小さい数字1を含む装飾図柄SD30aを他の装飾図柄SD10a,SD20aよりも拡大表示する。これにより、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行することができる。なお、装飾図柄を拡大表示する際、拡大表示する装飾図柄の数字の音声も合せてスピーカ17より出力するようにしても良い。
次いで、上記のようなカウントダウン演出を終えた後、図9(e)に示すように、液晶表示装置41に「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)が表示され、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高い専用演出が開始される。
次いで、図9(f)に示すように、専用演出中(図示では、「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)を表示させている)に、仮停止させた第1特別図柄SD1を用いて、すなわち、数字3を含む装飾図柄SD10aを画面中央上と画面中央下に配置し、リーチ状態となる遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高いリーチ図柄を液晶表示装置41に表示させる。
次いで、上記のようなリーチ図柄が表示された後、図9(g)に示すように、液晶表示装置41に主制御基板60(主制御CPU600)にて行われた抽選結果(図示では、「大当り!!」(画像P2参照))が表示されることとなる。なお、専用演出は、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3の全ての図柄が揃う(本実施形態においては、第2特別図柄SD2が最終的に停止する)まで液晶表示装置41に表示されることとなる。
しかして、このようにしても、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。なお、遊技者の高揚感を煽るため、図9に示すような数字3・2・1を含む装飾図柄が仮停止した際、図8に示すような数字5・4・3・2・1を含む装飾図柄が仮停止した場合に比べ、確変(当たり抽選確率が通常より高確率状態である確率変動)となる期待値が高くなるように設定しても良く。また、図8に示すような数字5・4・3・2・1を含む装飾図柄が仮停止した際、図9に示すような数字3・2・1を含む装飾図柄が仮停止した場合に比べ、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度が高くなるように設定しておいても良い。
ところで、図8及び図9にて示したカウントダウン演出では、数字を含む装飾図柄を拡大表示するようにしたが、それに限らず、図10に示すようなカウントダウン演出でも良い。
すなわち、特別図柄始動口43(図2参照)へ遊技球が入賞(特別図柄始動口スイッチ43a(図7参照)にて検出)した際、図10(a)に示すように、画面上に位置する装飾図柄で構成される第1特別図柄SD1が高速変動し(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)、画面中央に位置する装飾図柄で構成される第2特別図柄SD2が高速変動し(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)、画面下に位置する装飾図柄で構成される第3特別図柄SD3が高速変動する(図示では、高速変動している状態を矢印で示している)内容が液晶表示装置41に表示される。
次いで、図10(b)に示すように、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止する。すなわち、第1特別図柄SD1は、数字5を含む装飾図柄SD1aが画面左隅に仮停止し、数字4を含む装飾図柄SD1bが画面右隅に仮停止する。そして、第2特別図柄SD2は、数字1を含む装飾図柄SD2aが画面中央に仮停止する。そしてさらに、第3特別図柄SD3は、数字2を含む装飾図柄SD3aが画面左隅に仮停止し、数字3を含む装飾図柄SD3bが画面右隅に仮停止する。
次いで、カウントダウン演出を実行する。すなわち、図10(c)に示すように、液晶表示装置41に数字「5」(画像P10参照)を表示させた後、再び、図10(d)に示すように、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止している状態、すなわち、図10(b)に示す画面と同一の画面を表示させる。次に、図示はしないが液晶表示装置41に数字「4」を表示させ、再び、図10(b)に示す画面と同一の画面を表示させる。次に、図示はしないが液晶表示装置41に数字「3」を表示させ、再び、図10(b)に示す画面と同一の画面を表示させる。次に、図示はしないが液晶表示装置41に数字「2」を表示させ、再び、図10(b)に示す画面と同一の画面を表示させる。そして最後に、図10(e)に示すように、液晶表示装置41に数字「1」(画像P11参照)を表示させる。
次いで、上記のようなカウントダウン演出を終えた後、図10(f)に示すように、液晶表示装置41に「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)が表示され、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高い専用演出が開始される。
次いで、図10(g)に示すように、専用演出中(図示では、「チャレンジ!」というような文字(画像P1参照)を表示させている)に、仮停止させた第1特別図柄SD1を用いて、すなわち、数字5を含む装飾図柄SD1aを画面左上隅と画面右下隅に配置し、数字4を含む装飾図柄SD1bを画面右上隅と画面左下隅に配置し、ダブルリーチ状態となる遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高いリーチ図柄を液晶表示装置41に表示させる。
次いで、上記のようなリーチ図柄が表示された後、図10(h)に示すように、液晶表示装置41に主制御基板60(主制御CPU600)にて行われた抽選結果(図示では、「大当り!!」(画像P2参照))が表示されることとなる。なお、専用演出は、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3の全ての図柄が揃う(本実施形態においては、第2特別図柄SD2が最終的に停止する)まで液晶表示装置41に表示されることとなる。
しかして、このように、単に数字を液晶表示装置41に表示させカウントダウン演出を行うようにしても、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。しかしながら、仮停止させた第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3を用いてカウントダウン演出を実行した方が、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止している意味を遊技者に分かり易く伝えることができるため好ましい。
一方、図10に示すようなカウントダウン演出にて、図10(c)に示すように、液晶表示装置41に数字「5」(画像P10参照)を表示させてカウントダウン演出を開始させる例を示したが、それに限らず、図11(c)に示すように、液晶表示装置41に数字「3」(画像P20参照)を表示させてカウントダウン演出を開始させるようにしても良い。しかして、このようにすれば、第1特別図柄SD1,第2特別図柄SD2,第3特別図柄SD3が仮停止している状態、すなわち、図10(b)(図11(b))に示す画面と同一の画面を液晶表示装置41に表示させる回数が少なくなるため、この液晶表示装置41に表示させる回数が少ないほど遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度がより高くなるように設定しておけば、遊技者の興趣をさらに向上させることができることとなる。
なお、図10,図11に示すような、液晶表示装置41に表示される数字(「5」や「3」等)は、液晶表示装置41に表示される際、徐々に拡大又は縮小させて表示させても良く、エフェクト表示を付加して表示させても良く、エフェクト表示を付加したものを徐々に拡大又は縮小させて表示させても良い。
また、本実施形態においては、専用演出を開始させる前に、カウントダウン演出を実行するようにしたが、遊技者の高揚感を高めることができる演出であれば、カウントダウン演出に限らずどのような演出でも良い。しかしながら、カウントダウン演出を実行した方が、遊技者の高揚感を徐々に高めることができるため好ましい。
ところで、本実施形態においては、専用演出として、液晶表示装置41に専用演出が表示される例を示したが、それに限らず、可動役物装置42を用いるようにしても良い。
すなわち、専用演出が実行される際、可動役物装置42が図5及び図6に示すような一連の動作を行うというものである。すなわち、図5(a)に示すように、可動役物装置42は、まず、矢印Y1方向に降下し、所定位置に達すると、図5(b)に示す矢印Y2方向に180度回動する。これにより、図6(a)に示すように、背面側に位置していた第2可動役物421が前面側に位置することとなる。そして、その第2可動役物421が図6(a)に示す矢印Y3方向に上昇し、図6(b)に示すように、所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成し、一連の動作を終えるというものである。
ところで、このような一連の動作を行うにあたっては、可動役物装置42がガラス扉枠5(図1参照)に支持されている透明ガラスや液晶表示装置41や遊技盤4の構造物等に衝突しないように動作させる必要がある。そのため、従来においては、図12に示すように、タイミングT10〜タイミングT11時、図3に示すモータ430を回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42を降下させる。そして、タイミングT11時、可動役物装置42が降下し終えた事を位置センサで検出する。次いで、タイミングT11時、図3に示すモータ423を回転駆動し、タイミングT11〜タイミングT12時、図5(b)に示す矢印Y2方向に可動役物装置42を180度回動する。そして、タイミングT12時、可動役物装置42が回動し終えた事を位置センサで検出する。次いで、タイミングT12時、図4に示すモータ421bを回転駆動し、タイミングT12〜タイミングT13時、図6(a)に示すように、矢印Y3方向に第2可動役物421を上昇させ、所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成する。そして、タイミングT13時、第2可動役物421が所定の形を形成し終えた事を位置センサで検出する。これにより、可動役物装置42が、図5及び図6に示すような一連の動作を行うこととなる。
しかしながら、従来のように位置センサを用いて1つの動作を終えてから、次の動作に関連するモータを駆動させるようにすると、一連の動作が完結するまでに著しく時間を要してしまい、もって、遊技者の興趣を低下させてしまう可能性があるといった問題があった。
そこで、本実施形態においては、遊技者の興趣を向上させるために、可動役物装置42の位置を位置センサンにて検出するのではなく、演出制御CPU900(図7参照)にてモータのステップ数を監視するようにしている。すなわち、図13に示すように、タイミングT1時、図3に示すモータ430を回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42を降下させる。この際、演出制御CPU900(図7参照)にてモータ430のステップ数を監視し、タイミングT2時、モータ430のステップ数が例えば154ステップに達すると、演出制御CPU900は、図3に示すモータ423を回転駆動するよう指示する。これにより、タイミングT3時、モータ423が回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42が降下中に、図5(b)に示す矢印Y2方向に可動役物装置42が180度回動していくこととなる。さらに、演出制御CPU900は、モータ423のステップ数も監視し、タイミングT4時、図3に示すモータ423のステップ数が例えば80ステップに達すると、演出制御CPU900は、図4に示すモータ421bを回転駆動するよう指示する。これにより、タイミングT5時、モータ421bが回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42が降下中、並びに、図5(b)に示す矢印Y2方向に可動役物装置42が180度回動している最中に、図6(a)に示すように、第2可動役物421が矢印Y3方向に上昇し、所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成していくこととなる。
かくして、演出制御CPU900は、タイミングT6時、図3に示すモータ430のステップ数が例えば540ステップに達すると、可動役物装置42が最大降下位置に達したと判断し、モータ430の回転を停止するよう指示する。これにより、可動役物装置42の降下が停止することとなる。一方、演出制御CPU900は、タイミングT7時、図3に示すモータ423のステップ数が例えば202ステップに達すると、可動役物装置42が180度回動したと判断し、モータ423の回転を停止するよう指示する。これにより、可動役物装置42の回動が停止することとなる。そしてさらに、演出制御CPU900は、図示しない位置センサにて第2可動役物421が所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成したことを受信すると、モータ421bの回転を停止するよう指示する。これにより、第2可動役物421の上昇が停止することとなる。
しかして、このように、モータのステップ数を監視し、可動役物装置42の1つの動作が完了する前に次の動作を開始させるようにすれば、可動役物装置42の一連の動作が完結するまでの時間を大幅に短縮させることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、次のモータを駆動させる契機となるモータのステップ数は、可動役物装置42に次の動作をさせてもガラス扉枠5(図1参照)に支持されている透明ガラスや液晶表示装置41や遊技盤4の構造物等に衝突しない位置に可動役物装置42が達しているはずであると想定して設定されているものである。すなわち、タイミングT1〜タイミングT2時に、可動役物装置42を180度回動するようにすると、ガラス扉枠5(図1参照)に支持されている透明ガラスや液晶表示装置41や遊技盤4の構造物等に衝突する可能性があるため、可動役物装置42を180度回動しないようにし、タイミングT3〜タイミングT4時に、第2可動役物421を上昇させると、ガラス扉枠5(図1参照)に支持されている透明ガラスや液晶表示装置41や遊技盤4の構造物等に衝突する可能性があるため、第2可動役物421を上昇させないようにしているものである。そのため、モータ430(図3参照)、モータ423(図3参照)、モータ421b(図4参照)を回転駆動させる際は、必ず原点位置にいないといけないため、図3に示すモータ430を回転駆動させるタイミングT1時、モータ430が原点位置にいるか確認を行ってから回転駆動し、図3に示すモータ423を回転駆動させるタイミングT3時、モータ423が原点位置にいるか確認を行ってから回転駆動し、図4に示すモータ421bを回転駆動させるタイミングT5時、モータ421bが原点位置にいるか確認を行ってから回転駆動するようにしている。
なお、上記のように、モータのステップ数を監視し、可動役物装置42の1つの動作が完了する前に次の動作を開始させるようにする方法は、専用演出に限らず、様々な演出に適用可能である。
<演出制御基板処理の説明>
ここで、上記演出の具体的な処理方法について、図14〜図16に示す演出制御基板90の処理内容(プログラムの概要)を参照して具体的に説明する。
<演出制御基板:メイン処理>
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板130(図7参照)から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られ、その信号を受けて、演出制御CPU900(図7参照)は、図14に示す演出制御メイン処理を行う。演出制御CPU900は、まず、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS1)。
その設定後、演出制御CPU900は、上記主制御基板60(主制御CPU600)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを格納する演出制御RAM902(図7参照)内のメモリ領域を初期化する(ステップS2)。そして、演出制御CPU900は、上記主制御基板60(主制御CPU600)からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS3)。
次いで、演出制御CPU900は、作業領域、スタック領域として使用する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化し(ステップS4)、音LSI903(図7参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI903は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS5)。
次いで、演出制御CPU900は、可動役物装置42(図2参照)を動作させるモータ430(図3参照)、モータ423(図3参照)、モータ421b(図4参照)に異常が発生しているか否か、これらモータ430(図3参照)、モータ423(図3参照)、モータ421b(図4参照)を動作させるモータデータが格納される演出制御RAM902内のメモリ領域を確認する。異常データが格納されていれば、演出制御CPU900は、これらモータを原点位置に戻す指令を行う。これにより、可動役物装置42は、初期位置に戻ることとなる(ステップS6)。
次いで、演出制御CPU900は、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、演出制御CPU900は、1ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS7)。
上記処理を終えた後、演出制御CPU900は、メインループ更新周期か否かを確認する。具体的には、0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTを16分周(すなわち、16で除算)した際の余りを確認し、その余りが0であれば(ステップS8:YES)、ステップS10に進み、0以外であれば(ステップS8:NO)、予告演出乱数カウンタの乱数値等を更新する処理を行う(ステップS9)。なお、メインループカウンタML_CNTのインクリメント(+1)方法については、後述することとする。
次いで、演出制御CPU900は、後述するステップS12にて生成された装飾ランプ基板100(図7参照)に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプをそれぞれ点灯又は消灯させるのに必要な制御信号を演出制御RAM902内のメモリ領域に書込みする処理を行う(ステップS10)。
続いて、演出制御CPU900は、上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(主制御CPU600)から受信する演出制御コマンドDI_CMDを読み出し、その内容に応じた演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する。この決定した演出パターンが液晶制御コマンドLCD_CMDとして上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納される(ステップS11)。これにより、図8〜図11に示すような画面が液晶表示装置41に表示されることとなる。すなわち、図8(b),図10(b),図11(b)に示すような遊技者に有利な特別遊技が行われる可能性のあるマルチラインのチャンス目、又は、図9(b)に示すような遊技者に有利な特別遊技が行われる可能性のあるシングルラインのチャンス目が液晶表示装置41に表示された後、カウントダウン演出が実行され(図8(c)〜図8(d)、図10(c)〜図10(e)、図11(c)〜図11(e)、又は、図9(c)〜図9(d)参照)、専用演出(図8(e)、図9(f)、図10(f)参照)が開始され、そして、仮停止させた第1特別図柄SD1を用いて、遊技者に有利な特別遊技が行われる期待度の高いリーチ図柄(図8(f)、図9(f)、図10(g)、図11(g)参照)が液晶表示装置41に表示され、最終的に、液晶表示装置41に主制御基板60(主制御CPU600)にて行われた抽選結果が表示されることとなる(図8(g)、図9(g)、図10(h)、図11(h)参照)。
しかして、このように、専用演出を液晶表示装置41に表示させる前に、カウントダウン演出を液晶表示装置41に表示させた後、専用演出を液晶表示装置41に表示させるようにすれば、専用演出が液晶表示装置41に表示されるという遊技者の高揚感を高めることができ、もって、遊技者の興趣を向上させることができることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS11の処理を終えた後、上記決定された演出パターンに対応するBGM又は効果音等の音を決定すると共に、可動役物装置42(図2参照)を動作させるモータ430(図3参照)、モータ423(図3参照)、モータ421b(図4参照)を動作させるモータの動作内容を決定する。そして、上記決定された演出パターン内に、演出ボタン装置13(図1参照)を遊技者に押下させるような演出があるか否かも決定される(ステップS12)。
次いで、演出制御CPU900は、上記決定された音に関する制御信号を音LSI903に送信する。そして、音LSI903は、その制御信号に応じたBGMあるいは効果音を音ROM904から読み出す。これにより、音LSI903は、その読み出した音データに基づく処理を行い、音源データとしてスピーカ17へ出力する処理を行う(ステップS13)。なお、カウントダウン演出(図8(c)〜図8(d)、図10(c)〜図10(e)、図11(c)〜図11(e)、又は、図9(c)〜図9(d)参照)が液晶表示装置41に表示されるに合せて、数字の音声を発するようにする場合、この音声の出力は、ステップS13にて処理されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS13の処理に関し、音LSI903が音データ等をデコード処理する際、ノイズ等により何らかのエラーが発生していないかを、当該音LSI903にアクセスし確認する(ステップS14)。
かくして、演出制御CPU900は、上記ステップS14の処理を終えた後、再度ステップS8の処理に戻り、ステップS8〜S14の処理を繰り返すこととなる。
<演出制御基板:コマンド受信割込み処理の説明>
続いて、図15を参照して、このような演出制御メイン処理の実行中に、主制御基板60(主制御CPU600)より演出制御コマンドDI_CMD及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
図15に示すように、演出制御CPU900は、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS100)。その後、演出制御CPU900は、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS101)、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS102)。
そしてその後、演出制御CPU900は、再度、演出制御コマンドDI_CMDを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS103)、ステップS101にて読み出した値とステップS103にて読み出した値が一致しているか否かを確認する(ステップS104)。一致していなければ(ステップS104:NO)、ステップS107に進み、一致していれば(ステップS104:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60(主制御CPU600)より受信した演出制御コマンドDI_CMDを格納する(ステップS105)。なお、この格納された演出制御コマンドDI_CMDが、図14に示すステップS11の処理の際、演出制御CPU900に読み出されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS106)、ステップS100の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS107)。これにより、図14に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
<演出制御基板:タイマ割込み処理の説明>
続いて、図16を参照して、演出制御メイン処理のステップS7(図14参照)の処理にて設定した、1ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
図16に示すように、演出制御CPU900は、1ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS200)。その後、演出制御CPU900は、当該演出制御CPU900内に設けられている入出力ポートのレジスタをリフレッシュする(ステップS201)。
次いで、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されているモータデータを出力ポートよりシリアル転送で送信(パルスを出力)する。これにより、可動役物装置42(図2参照)が、そのモータデータに基づいた動作をすることとなる(ステップS202)。すなわち、図13に示すタイミングT1時、図3に示すモータ430が回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42が降下する。そして、図13に示すタイミングT3時、図3に示すモータ423が回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42が降下中に、図5(b)に示す矢印Y2方向に可動役物装置42が回動する。そしてさらに、図13に示すタイミングT5時、図4に示すモータ421bが回転駆動し、図5(a)に示す矢印Y1方向に可動役物装置42が降下中、並びに、図5(b)に示す矢印Y2方向に可動役物装置42が回動している最中に、図6(a)に示すように、第2可動役物421が矢印Y3方向に上昇し、図6(b)に示すように所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成する。これにより、可動役物装置42の1つの動作が完了する前に次の動作を開始させることにより、可動役物装置42の一連の動作が完結するまでの時間を大幅に短縮させることができることとなる。なお、図13に示すタイミングT6時、図3に示すモータ430の回転駆動が停止し、図13に示すタイミングT7時、図3に示すモータ423の回転駆動が停止し、さらに、図4に示すモータ421bの回転駆動が停止することとなる。
次いで、演出制御CPU900は、演出ボタン装置13及び設定ボタン15からの信号を受信する(ステップS203)。なお、演出ボタン装置13が遊技者によって押下されていた場合、演出制御CPU900は、図14に示すステップS12の処理を行う際、演出ボタン装置13が押下されたことを考慮した演出パターンを決定することとなる。
次いで、演出制御CPU900は、可動役物装置42を動作させるモータ430(図3参照)、モータ423(図3参照)、モータ421b(図4参照)のモータセンサからのデータに基づきモータの位置及びステップ数を確認する(ステップS204)。すなわち、図13に示すタイミングT1時、図3に示すモータ430が原点位置にあるか否かを確認し、図13に示すタイミングT2時、図3に示すモータ430のステップ数が例えば154ステップに達したか否かを確認し、図13に示すタイミングT6時、図3に示すモータ430のステップ数が例えば540ステップに達したか否かを確認する。そして、図13に示すタイミングT3時、図3に示すモータ423が原点位置にあるか否かを確認し、図13に示すタイミングT4時、図3に示すモータ423のステップ数が例えば80ステップに達したか否かを確認し、図13に示すタイミングT7時、図3に示すモータ423のステップ数が例えば202ステップに達したか否かを確認する。そしてさらに、図13に示すタイミングT5時、図4に示すモータ421bが原点位置にあるか否かを確認する。
次いで、演出制御CPU900は、図14に示すステップS11の処理にて演出制御RAM902内のメモリ領域に格納された液晶制御コマンドLCD_CMDを液晶制御基板120(図3参照)に送信する(ステップS205)。これにより、液晶表示装置41に図8〜図11に示すような画面が表示されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS204にて確認したモータの位置及びステップ数に基づき、図14に示すステップS12にて決定された可動役物装置42(図2参照)を動作させるモータ430(図3参照)、モータ423(図3参照)、モータ421b(図4参照)の動作内容に応じたモータデータを生成した上で、演出制御RAM902内のメモリ領域に格納する(ステップS206)。なお、この演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されたモータデータが、次の1msのタイマ割込みの際、ステップS202の処理にて出力ポートよりシリアル転送にて送信されることとなる。これにより、可動役物装置42(図2参照)が、図13に示すタイミングで動作することとなる。なお、図示しない位置センサにて第2可動役物421が所定の形(図示では、「金」という文字を示す形)を形成したことを受信すると、モータ421bの回転を停止させるモータデータを生成することとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図14に示すステップS10の処理にて演出制御RAM902内に格納した装飾ランプ基板100(図7参照)に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプをそれぞれ点灯又は消灯させるのに必要な制御信号を装飾ランプ基板100に送信する(ステップS207)。
次いで、演出制御CPU900は、図14に示すステップS8の処理にて用いる0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTをインクリメント(+1)し、そのインクリメントした値を16分周(すなわち、16で除算)する処理を行う(ステップS208)。そしてその後、演出制御CPU900は、ステップS200の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS209)。これにより、図14に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
しかして、以上説明した本実施形態によれば、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、図8(a),図9(a),図10(a),図11(a)に、特別図柄の変動として画面横方向に変動している例を示したが、勿論、画面縦方向に変動しているものでも良い。