以下、本発明に係る遊技機の一実施形態を、パチンコ遊技機を例にして、図1〜図9を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合には、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
まず、図1〜図4を参照して本実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、木製の外枠2の前面に矩形状の前面枠3を開閉可能に取り付け、その前面枠3の裏面に取り付けられている遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤4が装着された構成からなる。遊技盤4は、図2に示す遊技領域40を前面に臨ませた状態で装着され、図1に示すようにこの遊技領域40の前側に透明ガラスを支持したガラス扉枠5が設けられている。なお、上記遊技領域40は、遊技盤4の面上に配設された球誘導レール6(図2参照)で囲まれた領域からなるものである。
一方、パチンコ遊技機1は、図1に示すように、ガラス扉枠5の下側に前面操作パネル7が配設され、その前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が一体形成されている。また、この前面操作パネル7には、球貸しボタン11及びプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。そして、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプ(図示せず)点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が設けられている。また、この上受け皿9には、当該上受け皿9に貯留された遊技球を下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また一方、図1に示すように、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを動作させるための発射ハンドル15が設けられ、前面枠3の上部両側面側並びに発射ハンドル15の左隣接位置には、BGM(Background music)あるいは効果音を発するスピーカ16が設けられている。そして、上記前面枠3の周枠には、光の装飾により演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが配設されている。
他方、上記遊技盤4の遊技領域40には、図2に示すように、センターケース41が配設され、このセンターケース41には、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶表示装置42が一体的に設けられている。この液晶表示装置42は、表示エリアを左、中、右の3つのエリアに分割し、独立して数字やキャラクタあるいは図柄(装飾図柄)の変動表示が可能なものである。また、このセンターケース41には、上記液晶表示装置42の周囲を取り囲むように、装飾用の上飾り43a、左飾り43b、右飾り43cが設けられており、この上飾り43a,左飾り43b,右飾り43cには、光の装飾により演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが複数配設されている。また、この上飾り43a、左飾り43b、右飾り43cの背面側には可動体役物装置44が配設されている。
この可動体役物装置44は、図2に示すように、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う右上可動演出体44aと、上可動演出体44bと、左可動演出体44cと、右可動演出体44dとを有し、これら可動演出体44a〜44dは、夫々、モータ(図示せず)にて駆動される。なお、この可動体役物装置44にも、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが複数配設されている。
一方、上記センターケース41の真下には、特別図柄1始動口45が配設され、その内部には入賞球を検知する特別図柄1始動口スイッチ45a(図5参照)が設けられている。また、上記センターケース41の右端部側、すなわち、右飾り43c端部側には、特別図柄2始動口46が配設され、その内部には入賞球を検知する特別図柄2始動口スイッチ46a(図5参照)が設けられている。そして、この特別図柄1,特別図柄2に対応する識別情報を示す識別ランプ装置47が上記センターケース41の左上端部側、すなわち、左飾り43b上端部側に設けられている。
この識別ランプ装置47は、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当りハズレの情報を遊技者に知らせるための第1,第2識別ランプ47a,47bを有している。この第1識別ランプ47aは、特別図柄1に対応しており、第2識別ランプ47bは、特別図柄2に対応している。そして、特別図柄1が変動中の場合、第1識別ランプ47aは点滅し、特別図柄1が当りの場合、第1識別ランプ47aは点灯し、特別図柄1がハズレの場合、第1識別ランプ47aは消灯する。そしてさらに、特別図柄2が変動中の場合、第2識別ランプ47bは点滅し、特別図柄2が当りの場合、第2識別ランプ47bは点灯し、特別図柄2がハズレの場合、第2識別ランプ47bは消灯するというものである。
このように構成される識別ランプ装置47を、図3を用いてより詳しく説明すると、図3(b)に示すように、識別ランプ装置47は、三角形状の厚板からなり、図3(a)に示すように、上部本体470と下部本体480とに分離できるようになっている。
この上部本体470には、図3(a)〜(c)に示すように、第1レンズ470a,第2レンズ470bが所定間隔をおいて埋設されており、そして、当該上部本体470の下面側には、図3(c)に示すように、図3(b)に示すA−A線断面視図コ字状の遮光部材471が設けられている。なお、この遮光部材471は、図3(c)に示すように、第1レンズ470a,第2レンズ470bの下面側に配設されないようしている。これは、後述する第1LEDランプ482b,第2LEDランプ483bの光を遮らないようにするためである。
一方、下部本体480には、図3(a)に示すように、三角形状の外周面に沿うように、遮光部材481a〜481cが立設されている。そして、このように立設された遮光部材481a〜481cの内部には空間が形成され、この形成された空間内に第1空間482,第2空間483を形成するように、三角形状の底辺に立設されている遮光部材481aの略中間位置から、三角形状の斜辺に立設されている遮光部材481bの端面と遮光部材481cの端面とが近接している部分に向かって遮光部材481dが立設されている。これにより、第1空間482、第2空間483が形成される。このように形成された第1空間482内には、第1基板482aが設けられ、第2空間483内には、第2基板483aが設けられている。そして、この第1基板482a上には、第1LEDランプ482bが搭載され、第2基板483a上には、第2LEDランプ483bが搭載されている。これにより、第1LEDランプ482bの光が第1レンズ470aを通して、第1識別ランプ47aとして遊技者に視認されることとなり、第2LEDランプ483bの光が第2レンズ470bを通して、第2識別ランプ47bとして遊技者に視認されることとなる。そのため、第1レンズ470a,第2レンズ470bの色を変更すれば、第1識別ランプ47aと第2識別ランプ47bの点灯の違いをより明確にすることができる。なお、本実施形態では、LEDランプを用いた例を示したが、それに限らず、ランプであれば、どのようなランプを用いても良い。またさらには、特別図柄1に対応するランプを、本実施形態のように第1識別ランプ47aを一つだけ設けても良いし、複数設けても良い。そして特別図柄2に対応するランプも、本実施形態のように第2識別ランプ47bを一つだけ設けても良いし、複数設けても良い。このように複数のランプを設ければ、当りの種類に応じたランプの点灯が可能となる。
そして、このように形成された上部本体470と下部本体480を嵌合するにあたっては、図3(c)に示すように、遮光部材471と遮光部材481a〜481dとを嵌合することによって嵌合することができる。これにより、識別ランプ装置47が形成されることとなる。
かくして、上記のように形成された識別ランプ装置47が、センターケース41の左上端部側、すなわち、左飾り43b上端部側に設けられることとなる。このような位置に、識別ランプ装置47を設ければ、可動体役物装置44が、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行ったとしても、当該可動体役物装置44によって、第1,第2識別ランプ47a,47bが隠蔽されることがないため、当該第1,第2識別ランプ47a,47bを遊技者は常時視認することが可能となる。また、識別ランプ装置47は、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプと同じくLEDランプ等のランプを用いているから安価に実装することが可能となる。
さらに、第1,第2LEDランプ482b,483bを遮光部材471,481a〜481dによって仕切られているから、一方のLEDランプ(例えば、第1LEDランプ482b)の光が、他方のLEDランプ(例えば、第2LEDランプ483b)に対応するレンズ(例えば、第2レンズ470b)に漏れてしまう事態を防止することができる。さらには、識別ランプ装置47の周囲に配設されているランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプの光が、識別ランプ装置47内に侵入してしまう事態を防止することができる。なお、本実施形態において示した識別ランプ装置47の配置位置は、一例であり、可動体役物装置44に隠蔽されない位置であればどのような位置に配設しても良い。例えば、図4に示すように、可動体役物装置44の前面に配設するように、センターケース41の右飾り43cに配設することができる。
ところで、図2に示すように、特別図柄1始動口45の右側には、大入賞口48が配設され、その内部には入賞球を検知する大入賞口スイッチ48a(図5参照)が設けられている。
また、上記液晶表示装置42の右上部にはゲートからなる普通図柄始動口49が配設され、その内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ49a(図5参照)が設けられている。また、上記大入賞口48の右側及び上記特別図柄1始動口45の左側には、一般入賞口50が夫々配設され(図示では、右側に1つ、左側に3つ)、その内部には、それぞれ遊技球の通過を検知する一般入賞口スイッチ50a(図5参照)が設けられている。
一方、上記遊技盤4の遊技領域40の右下周縁部には、7セグメントが3個並んで構成されており、そのうち2個の7セグメントが特別図柄表示装置51であり、他の7セグメントが特別図柄1や特別図柄2等の保留球数等を表示するものである。この特別図柄表示装置51は、図2に示すように、特別図柄1表示装置51aと特別図柄2表示装置51bとで構成されており、その特別図柄1表示装置51aの左側には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置52が設けられている。なお、上記遊技盤4の遊技領域40には、図示はしないが複数の遊技釘が配設され、遊技球の落下方向変換部材としての風車53が配設されている。
次に、上記のような外観構成からなるパチンコ遊技機内に設けられる遊技の進行状況に応じて電子制御を行う制御装置を、図5を用いて説明する。この制御装置は、図5に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板60と、その主制御基板60からの制御コマンドに基づいて遊技球を払出す払出制御基板70と、画像と光と音についての制御を行うサブ制御基板80とで主に構成されている。なお、サブ制御基板80は、図5に示すように、演出制御基板90と、装飾ランプ基板100と、液晶制御基板120とで構成されている。
主制御基板60は、主制御CPU600と、一連の遊技制御手順を記述した遊技プログラム等を格納した主制御ROM601と、作業領域やバッファメモリ等として機能する主制御RAM602とで構成されたワンチップマイコンを搭載している。そして、このように構成される主制御基板60には、払出モータMを制御して遊技球を払出す払出制御基板70が接続されている。そしてさらには、特別図柄1始動口45への入賞を検知する特別図柄1始動口スイッチ45aと、特別図柄2始動口46への入賞を検知する特別図柄2始動口スイッチ46aと、普通図柄始動口49の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ49aと、一般入賞口50への入賞を検知する一般入賞口スイッチ50aとが接続されている。また、主制御基板60には、特別図柄1表示装置51aと、特別図柄2表示装置51bと、普通図柄表示装置52とが接続されている。
このように構成される主制御基板60は、特別図柄1始動口スイッチ45aや特別図柄2始動口スイッチ46a又は普通図柄始動口スイッチ49aからの信号を受信すると、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか(いわゆる「当たり」)、あるいは、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させないか(いわゆる「ハズレ」)の抽選を行い、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄あるいは普通図柄の表示内容を決定し、その決定した情報を特別図柄1表示装置51a,特別図柄2表示装置51b又は普通図柄表示装置52に送信する。これにより、特別図柄1表示装置51a,特別図柄2表示装置51b又は普通図柄表示装置52に抽選結果が表示されることとなる。そしてさらに、主制御基板60は、その決定した情報を含む演出制御コマンドを生成し、演出制御基板90に送信する。なお、主制御基板60が、一般入賞口スイッチ50a、大入賞口スイッチ48aからの信号を受信した場合は、遊技者に幾らの遊技球を払い出すかを決定し、その決定した情報を含む払出制御コマンドを払出制御基板70に送信することで、払出制御基板70が遊技者に遊技球を払出すこととなる。
一方、上記払出制御基板70は、上記主制御基板60からの払出制御コマンドを受信し、その受信した払出制御コマンドに基づいて払出モータ信号を生成する。そして、その生成した払出モータ信号にて、払出モータMを制御し、遊技者に遊技球を払出す。そしてさらに、払出制御基板70は、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や払出動作の異常に係るステイタス信号を送信し、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板71の動作を開始又は停止させる発射制御信号を送信する処理を行う。
他方、演出制御基板90は、上記主制御基板60からの演出制御コマンドを受けて各種演出を実行制御する演出制御CPU900と、演出制御手順を記述した制御プログラム等が格納されている演出制御ROM901と、作業領域やバッファメモリ等として機能する演出制御RAM902とで構成されている。そしてさらに、演出制御基板90は、所望のBGMや効果音を生成する音LSI903と、BGMや効果音等の音データ等が予め格納されている音ROM904とが搭載されている。
このように構成される演出制御基板90には、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプが搭載されている装飾ランプ基板100が接続され、さらに、内蔵されているランプ(図示せず)点灯時に遊技者が押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の演出ボタン装置13が接続され、BGMや効果音等を発するスピーカ16が接続されている。またさらに、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う可動体役物装置44が接続され、特別図柄1,特別図柄2が変動中、あるいは、当該特別図柄1,特別図柄2の当りハズレの情報を遊技者に知らせるための第1,第2識別ランプ47a,47bが接続されている。そしてさらに、演出制御基板90には、液晶表示装置42を制御する液晶制御基板120が接続されている。
かくして、このように構成される演出制御基板90は、主制御基板60より送信される大当たり抽選結果(大当たりかハズレの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報を含んだ演出制御コマンドを演出制御CPU900にて受信する。そして、演出制御CPU900は、受信した演出制御コマンドに対応した演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定し、その決定した演出パターンを実行指示する制御信号を演出制御RAM902内に一時的に格納する。
演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、音に関する制御信号を音LSI903に送信する。これを受けて音LSI903は、当該制御信号に対応する音データを音ROM904より読み出し、スピーカ16に出力する。これにより、スピーカ16より上記決定された演出パターンに対応したBGMや効果音が発せられることとなる。
また演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、光に関する制御信号を装飾ランプ基板100に送信する。これにより、装飾ランプ基板100が、ランプ演出効果を現出するLEDランプ等の装飾ランプを点灯又は消灯する制御を行うため、上記決定された演出パターンに対応したランプ演出が実行されることとなる。
そして演出制御CPU900は、演出制御RAM902に格納しておいた演出パターンを実行指示する制御信号のうち、画像に関する液晶制御コマンドを液晶制御基板120に送信する。これにより、液晶制御基板120が、当該液晶制御コマンドに基づく画像を表示させるように液晶表示装置42を制御することにより、上記決定された演出パターンに対応した画像が液晶表示装置42に表示されることとなる。なお、液晶制御基板120には演出内容に沿った画像を表示するための種々の画像データが記憶されており、さらに、演出出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)が搭載されている。
ところで、上記説明した各基板への電源供給は、図5に示す電源基板130より供給されている。なお、図示では、電源供給ルートは、省略している。
ここで、本発明の特徴部分に係る演出制御基板90の処理内容(プログラムの概要)について図6〜図9も参照して具体的に説明する。まず、図6を参照して、演出制御メイン処理について説明する。
<メイン処理>
図6に示すように、この演出制御メイン処理は、まず、演出制御CPU900が、内部に設けられているレジスタを初期化すると共に、入出力ポートの入出力方向を設定する。そしてさらに、出力方向に設定された出力ポートから送信されるデータがシリアル転送となるように設定する(ステップS1)。ただし、第1識別ランプ47a用出力データ並びに第2識別ランプ47b用出力データを送信する出力ポートはシリアル転送となるようには設定されていない。
その設定後、演出制御CPU900は、上記主制御基板60(図5参照)から受信する演出制御コマンドを格納する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化する(ステップS2)。そして、演出制御CPU900は、上記主制御基板60からの割込み信号を受信する入力ポートの割込み許可設定処理を行う(ステップS3)。
次いで、演出制御CPU900は、作業領域、スタック領域として使用する演出制御RAM902内のメモリ領域を初期化し(ステップS4)、音LSI903(図5参照)に初期化指令を行う。これにより、音LSI903は、その内部に設けられているレジスタを初期化する(ステップS5)。
次いで、演出制御CPU900は、可動体役物装置44のモータ(図示せず)を動作させるモータデータMOT_DATAが格納される演出制御RAM902内のメモリ領域に、異常データが格納されているか否かを確認する。そして、その確認により異常データが格納されていれば、可動体役物装置44が初期位置以外の位置に移動している可能性があるため、演出制御CPU900は、可動体役物装置44のモータを原点位置に戻す指令を行う。これにより、可動体役物装置44は初期位置に戻ることとなる。しかしながら、演出制御CPU900は、可動体役物装置44のモータの位置を検知するモータセンサから送信されるデータMOT_SENに基づきモータの位置を確認し、初期位置に戻っていなければ、エラーフラグをONにセットする処理を行う。なお、初期位置に戻っていれば、エラーフラグをOFFにセットする処理を行う(ステップS6)。
次いで、演出制御CPU900は、その内部に設けられている一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行う。すなわち、演出制御CPU900は、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように上記CTCの時間定数レジスタを設定する(ステップS7)。
上記処理を終えた後、演出制御CPU900は、メインループ更新周期か否かを確認する。具体的には、0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTを16分周(すなわち、16で除算)した際の余りを確認し、その余りが0であれば(ステップS8:YES)、ステップS10に進み、0以外であれば(ステップS8:NO)、予告抽選等に用いる乱数値を更新する処理を行う(ステップS9)。なお、メインループカウンタML_CNTのインクリメント(+1)方法については、後述することとする。
次いで、演出制御CPU900は、後述するステップS12にて生成された装飾ランプ基板100に搭載されているLEDランプ等の装飾ランプをそれぞれ点灯又は消灯させるのに必要な制御信号を演出制御RAM902内のメモリ領域に書込みする処理を行う(ステップS10)。なお、ステップS10では、LEDランプ等の装飾ランプをそれぞれ点灯又は消灯させる周期や点灯パターンの切替えタイミング等の制御を、装飾ランプタイマDL_TIMERを用いて制御している。
続いて、演出制御CPU900は、上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(図5参照)から受信する演出制御コマンドを読み出し、その内容に応じた演出パターンを、演出制御ROM901内に予め格納しておいた多数の演出パターンの中から抽選により決定する。そして、その決定された演出パターンに対応する液晶制御コマンドを上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納する(ステップS11)。
次いで、演出制御CPU900は、上記決定された演出パターンに応じた光に関する制御信号、音に関する制御信号を生成する。そして、上記決定された演出パターン内に、演出ボタン装置13を遊技者に押下げさせるような演出があるか否かも決定される。さらには、可動体役物装置44を動作させるモータ(図示せず)の動作内容及び大入賞口48等のソレノイドの動作内容を決定する(ステップS12)。なお、この決定された光に関する制御信号が、次回のステップS10の処理の際、演出制御RAM902内のメモリ領域に書き込まれることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、上記決定された音に関する制御信号を音LSI903に送信する。そして、音LSI903は、その制御信号に応じたBGMあるいは効果音を音ROM904から読み出す。これにより、音LSI903は、その読み出した音データに基づく処理を行い、音源データとしてスピーカ16へ出力する処理を行う(ステップS13)。
次いで、演出制御CPU900は、ステップS12にて決定されたソレノイドの作動内容に応じたソレノイドデータSOL_DATAを生成し、その生成したソレノイドデータSOL_DATAを演出制御RAM902内のメモリ領域に格納する(ステップS14)。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS13の処理に関し、音LSI903が音データ等をデコード処理する際、ノイズ等により何らかのエラーが発生していないかを、当該音LSI903にアクセスし確認する(ステップS15)。なお、もし、エラーがあった場合は、音LSI903にステップS12の処理にて決定した音に関する制御信号を再送信するか、又は、演出制御CPU900内に設けられている図示しないウォッチドッグタイマを用いて、演出制御CPU900を強制的にリセットし、ステップS1より処理をやり直すようにすれば良い。なお、ステップS15の処理としては、本実施形態で示した例に限らず、例えば、演出制御CPU900が、音LSI903の動作状態を音LSI903からの割込み信号を監視することにより判断するようにしても良い。割込み信号の入力条件は、例えば音源データをスピーカ16へ送信し終えたタイミングで音LSI903から演出制御CPU900に対して割込みをかけるようにしておけば良い。このようにしておけば、演出制御CPU900にて管理されている音源データをスピーカ16へ送信し終えたタイミングで音LSI903からの割込み信号があれば正常に動作しているものとみなされ次のステップの処理(本実施形態ではステップS8)へ移行することとなる。なお、この判断結果がエラーに対応するものである場合、所定の処理(例えば、割込み信号の監視処理)を繰り返すことでウォッチドックタイマをタイムアップさせ強制的にリセットさせることもできる。また、割込み条件としては、所定周期で割込みがされるように設定しても良い。さらに、判断結果がエラーに対応するものである場合、所定の処理(例えば、割込み信号の監視処理)を繰り返すことでウォッチドックタイマをタイムアップさせ強制的にリセットさせずとも、音LSI903の異常を報知するだけで、その他の処理は通常通り実行されるようにしても良い。
かくして、演出制御CPU900は、上記ステップS15の処理を終えた後、再度ステップS8の処理に戻り、ステップS8〜S15の処理を繰り返すこととなる。なお、本実施形態においては、ステップS10の処理をステップS8:YESの処理後にしているが、これは、ステップS11〜S15の処理時間が変動する可能性があるためである。
<コマンド受信割込み処理>
続いて、図7を参照して、このような演出制御メイン処理の実行中に、主制御基板60より演出制御コマンド及び割込み信号が送信されてきた際の処理について説明する。
図7に示すように、演出制御CPU900は、上記割込み信号を受信した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS100)。その後、演出制御CPU900は、演出制御コマンドを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS101)、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを算出する(ステップS102)。
そしてその後、演出制御CPU900は、再度、演出制御コマンドを受信した入力ポートのレジスタを読み出し(ステップS103)、ステップS101にて読み出した値とステップS103にて読み出した値が一致しているか否かを確認する。一致していなければ(ステップS104:NO)、ステップS107に進み、一致していれば(ステップS104:YES)、上記算出したポインタに対応するアドレス番地に、主制御基板60より受信した演出制御コマンドを格納する(ステップS105)。なお、この格納された演出制御コマンドが、図6に示すステップS11の処理の際、演出制御CPU900に読み出されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のコマンド送受信用メモリ領域のアドレス番地を示すポインタを更新し(ステップS106)、ステップS100の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS107)。これにより、図6に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
<タイマ割込み処理>
続いて、図8及び図9を参照して、演出制御メイン処理のステップS7の処理(図6参照)にて設定した、2ms毎のタイマ割込みが発生した際の処理について説明する。
図8に示すように、演出制御CPU900は、2ms毎のタイマ割込みが発生した際、各レジスタの内容を演出制御RAM902内のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS200)。その後、演出制御CPU900は、演出制御CPU900内に設けられている入出力ポートのレジスタをリフレッシュする(ステップS201)。
続いて、演出制御CPU900は、図6に示すステップS14にて処理した演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されているソレノイドデータSOL_DATAを出力ポートよりシリアル転送で送信する。これにより、大入賞口48等が開閉動作することとなる。またさらに、演出制御CPU900は、演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されているモータデータMOT_DATAを出力ポートよりシリアル転送で送信する。これにより、図2,図4に示す可動体役物装置44は、そのモータデータMOT_DATAに基づいた動作をすることとなる(ステップS202)。なお、このモータデータMOT_DATAの生成方法は、後述のステップS206にて詳述することとする。
次いで、演出制御CPU900は、演出ボタン装置13からの信号を受信する(ステップS203)。なお、演出ボタン装置13が遊技者によって押下されていた場合、演出制御CPU900は、図6に示すステップS12の処理を行う際、演出ボタン装置13が押下されたことを考慮した演出パターンを決定することとなる。
次いで、演出制御CPU900は、可動体役物装置44のモータ(図示せず)の位置を検知するモータセンサから送信される検知データに基づきモータの位置を確認する(ステップS204)。
次いで、演出制御CPU900は、図6に示すステップS11の処理にて演出制御RAM902内のメモリ領域に格納された液晶制御コマンドを液晶制御基板120(図5参照)に送信する(ステップS205)。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS204にて確認したモータの位置に基づき、図6に示すステップS12にて決定された可動体役物装置44を動作させるモータの動作内容に応じたモータデータMOT_DATAを生成した上で、演出制御RAM902内のメモリ領域に格納する(ステップS206)。なお、この演出制御RAM900内のメモリ領域に格納されたモータデータMOT_DATAが、次の2msのタイマ割込みの際、ステップS202の処理にて出力ポートよりシリアル転送にて送信されることとなる。
次いで、演出制御CPU900は、図6に示すステップS12の処理にて演出制御RAM902内に格納した音に関する制御信号を出力ポートより装飾ランプ基板100(図5参照)にシリアル転送にて送信する。これにより、LEDランプ等の装飾ランプが点灯又は消灯することとなり、所望のランプ演出が行われることとなる(ステップS207)。
次いで、演出制御CPU900は、上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(図5参照)から受信する演出制御コマンドを読み出し、その演出制御コマンドに応じた第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bの点灯又は消灯データを生成した上で、その生成したデータを出力ポートよりパラレル転送にて第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bにそれぞれ送信する(ステップS208)。これにより、第1識別ランプ47a又は第2識別ランプ47bが点灯又は消灯することとなるから、遊技者は、特別図柄1又は特別図柄2が変動中か、あるいは、当りかハズレかの別を知ることができる。
このように、LEDランプ等の装飾ランプの送信処理(ステップS207参照)と第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bの送信処理(ステップS208参照)を別処理にて行うようにすれば、制御が簡易となる上、制御負担を軽減することができる。すなわち、LEDランプ等の装飾ランプと第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bとは、点滅周期や点灯パターンの切替えタイミングが異なるため、同一の処理にて行うと制御が複雑となり制御負担が増大するという問題が生じする。しかしながら、本実施形態のように別処理にて行うようにすれば、制御が簡易となる上、制御負担を軽減することができる。
また、本実施形態によれば、LEDランプ等の装飾ランプへのデータ送信をシリアル転送にて行っているのに対し、第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bへのデータ転送をパラレル転送にて行っている。これは、第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bへのデータ送信をシリアル転送にすると、ノイズによるデータ破壊、転送タイミングのずれで、変動中でないほうの識別ランプ(第1識別ランプ47a又は第2識別ランプ47b)が点灯するおそれがあるためである。それゆえ、第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bへのデータ転送をパラレル転送にて行うようにすれば、上記のようなおそれを防止することができる上に、制御が簡易となる。
ここで、ステップS208の処理内容を、図9を用いて具体的に説明する。図9に示すように、演出制御CPU900は、まず、上記演出制御RAM902内のメモリ領域に格納されている上記主制御基板60(図5参照)から受信する演出制御コマンドを読み出し、特別図柄1が変動中であるか否かの確認を行う(ステップS300)。
特別図柄1が変動中であれば(ステップS300:YES)、演出制御CPU900は、特別図柄1変動用タイマSD1_TIMERの確認を行う(ステップS301)。特別図柄1変動用タイマSD1_TIMERが0であれば(ステップS301:YES)、変動中データの切替え、すなわち、点灯(例えば「1」)から消灯(例えば、「0」)への切替え、又は、消灯(例えば「0」)から点灯(例えば、「1」)への切替えを行う第1識別ランプ47a用の出力データを生成する(ステップS302)。そしてその後、演出制御CPU900は、特別図柄1変動用タイマSD1_TIMERに200msをカウントするカウント値を設定する(ステップS303)。これにより、200ms毎に、第1識別ランプ47aが点灯又は消灯を交互に繰り返すこととなるから、特別図柄1が変動中、第1識別ランプ47aは、点滅することとなる。
さらに、演出制御CPU900は、上記ステップS303の処理を終えた後、又は、特別図柄1変動用タイマSD1_TIMERが0でなければ(ステップS301:NO)、特別図柄1変動用タイマSD1_TIMERのカウント値を1減算する処理を行う(ステップS304)。
一方、演出制御CPU900は、特別図柄1が変動中でなければ(ステップS300:NO)、主制御基板60(図5参照)から受信した前回の演出制御コマンドに応じた当り、ハズレを示す第1識別ランプ47a用の出力データを生成する。当りであれば、第1識別ランプ47aを点灯させるため、第1識別ランプ47a用の出力データとして、例えば、「1」を生成し、ハズレであれば、第1識別ランプ47aを消灯させるため、第1識別ランプ47a用の出力データとして、例えば、「0」を生成する(ステップS305)。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS304の処理後、又は、上記ステップS305の処理後、特別図柄2が変動中であるか否かの確認を行う(ステップS306)。
特別図柄2が変動中であれば(ステップS306:YES)、演出制御CPU900は、特別図柄2変動用タイマSD2_TIMERの確認を行う(ステップS307)。特別図柄2変動用タイマSD2_TIMERが0であれば(ステップS307:YES)、変動中データの切替え、すなわち、点灯(例えば「1」)から消灯(例えば、「0」)への切替え、又は、消灯(例えば「0」)から点灯(例えば、「1」)への切替えを行う第2識別ランプ47b用の出力データを生成する(ステップS308)。そしてその後、演出制御CPU900は、特別図柄2変動用タイマSD2_TIMERに200msをカウントするカウント値を設定する(ステップS309)。これにより、200ms毎に、第2識別ランプ47bが点灯又は消灯を交互に繰り返すこととなるから、特別図柄2が変動中、第2識別ランプ47bは、点滅することとなる。
さらに、演出制御CPU900は、上記ステップS309の処理を終えた後、又は、特別図柄2変動用タイマSD2_TIMERが0でなければ(ステップS307:NO)、特別図柄2変動用タイマSD2_TIMERのカウント値を1減算する処理を行う(ステップS310)。
一方、演出制御CPU900は、特別図柄2が変動中でなければ(ステップS306:NO)、主制御基板60(図5参照)から受信した前回の演出制御コマンドに応じた当り、ハズレを示す第2識別ランプ47a用の出力データを生成する。当りであれば、第2識別ランプ47bを点灯させるため、第2識別ランプ47b用の出力データとして、例えば、「1」を生成し、ハズレであれば、第2識別ランプ47bを消灯させるため、第2識別ランプ47b用の出力データとして、例えば、「0」を生成する(ステップS311)。
次いで、演出制御CPU900は、上記ステップS310の処理後、又は、上記ステップS311の処理後、上記生成した第1識別ランプ47a用出力データ、第2識別ランプ47b用出力データをパラレル転送にて第1識別ランプ47a,第2識別ランプ47bにそれぞれ送信し(ステップS312)、図8に示すステップS209の処理に進む。これにより、第1識別ランプ47a又は第2識別ランプ47bが点灯又は消灯することとなる。
かくして、このように、LEDランプ等の装飾ランプのデータ生成(図6に示すステップS10参照)と、第1識別ランプ47a又は第2識別ランプ47bのデータ生成(図9参照)を別のデータとして生成すれば、開発途中に、LEDランプ等の装飾ランプのデータを変更した際、誤って、第1識別ランプ47a又は第2識別ランプ47bのデータまで変更してしまうという事態を防止することができる。これにより、本来、特別図柄1又は特別図柄2が変動していないにもかかわらず第1識別ランプ47a又は第2識別ランプ47bが点滅してしまい遊技者が誤認してしまうような事態を防止することができる。
また、本実施形態によれば、LEDランプ等の装飾ランプの点灯管理は、装飾ランプタイマDL_TIMERを用いて行い、第1識別ランプ47aの点灯管理は、特別図柄1変動用タイマSD1_TIMERを用いて行い、第2識別ランプ47bの点灯管理は、特別図柄2変動用タイマSD2_TIMERを用いて行っている。このように、別々のタイマを用いて点灯管理するようにすれば、点灯制御が管理し易いというメリットがある。
なお、本実施形態においては、第1識別ランプ47a用出力データ、第2識別ランプ47b用出力データを生成する際、プログラム上で、「1」又は「0」をセットする例を示したが、それに限らず、データテーブルを用意しておき、そこから取得して第1識別ランプ47a用出力データ、第2識別ランプ47b用出力データを生成するようにしても良い。このようにすれば、特別図柄1,2に対応するランプをそれぞれ複数設け、当りの種類に応じた点灯をさせるような場合に、処理が簡易となる。
かくして、このように、図8に示すステップS208の処理を終えた演出制御CPU900は、図6に示すステップS8の処理にて用いる0〜31までループ状にカウントするメインループカウンタML_CNTをインクリメント(+1)し、そのインクリメントした値を16分周(すなわち、16で除算)する処理を行う(ステップS209)。そしてその後、演出制御CPU900は、ステップS200の処理で退避しておいたレジスタを復帰させる(ステップS210)。これにより、図6に示す演出制御メイン処理に戻ることとなる。
しかして、以上説明した本実施形態によれば、遊技者が遊技中に視認する識別情報を示す部材を安価に実装することができると共に、制御を簡易にすることができる。